JP2017101289A - 半導体光電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】光触媒反応の効率をより向上させる。【解決手段】基板101と、基板101の上に形成された化合物半導体層102とを備える。化合物半導体層102は、ナノワイヤ121を備えるナノワイヤ構造とされている。ナノワイヤ121の周囲の基板101上には、スラブ部122が形成されている。化合物半導体層102は、GaとPとを含むウルツ鉱型結晶構造とされたn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。また、化合物半導体層102(ナノワイヤ121)の表面に、助触媒機能を有する材料からなる複数の微粒子103が分散配置されている、【選択図】 図1

Description

本発明は、光照射により酸化ターゲット物質または還元ターゲット物質の化学反応を引き起こす光触媒機能を有する半導体光電極に関する。
光照射により触媒機能を発揮して酸化ターゲット物質または還元ターゲット物質の化学反応を引き起こす光触媒が知られている。例えば、太陽光を利用して、二酸化炭素の発生を伴うことなく水から水素を生成することが可能な光触媒が注目されており、近年盛んに研究されている。
このような光触媒において、光触媒反応の量子収率を向上させるには、光触媒内で光励起した電子・正孔対の空間分離と、反応中間体あるいは生成物が元の物質に戻る逆反応の抑制とが重要となる。逆反応の抑制は、酸化あるいは還元反応を促進するサイト(酸化反応サイトあるいは還元反応サイト)へ、正孔あるいは電子を移動させればよい。例えば、逆反応を効率的に抑制する技術として、酸化反応および還元反応の両方のサイトの配置を制御する電極式の方法が提案されている(非特許文献1,非特許文献2参照)。
この技術では、二酸化炭素の還元反応の効率を向上させるために、二酸化炭素の還元反応サイトを金属の陽極板とし、水の酸化反応サイトを光触媒機能を有する半導体薄膜電極による陰極板とし、これらを分離して設け、陰極板から陽極板に電子が流れるように電気的な接続をしている。さらには、陽極板と陰極板を電解液に浸漬し、各極をイオン交換膜で分離することで、逆反応の抑制を可能にしている。
しかし、このようなIII−V族化合物半導体を用いた半導体光電極では、光照射により自己酸化を起こし劣化するため、安定した光電流が得られないことが問題とされている。この劣化防止のために、半導体光電極の表面に酸化ニッケルを助触媒として担持させる技術が提案されている(非特許文献3参照)。この技術では、光照射により半導体光電極上で生じた正孔を、酸化ニッケルによる助触媒で収集することにより自己酸化を抑制している。
S. Yotsuhashi et al., "Photo-induced CO2 Reduction with GaN Electrode in Aqueous System", Applied Physics Express, vol.4, 117101, 2011. S. Yotsuhashi et al., "Highly efficient photochemical HCOOH production from CO2 and water using an inorganic system", AIP ADVANCES, vol.2, 042160, 2012. S. Yotsuhashi et al., "Enhanced CO2 reduction capability in an AlGaN/GaN photoelectrode", Applied Physics Letters, vol.100, 243904, 2012. S. Assali et al., "Direct Band Gap Wurtzite Gallium Phosphide Nanowires", Nano Letters, vol.13, pp.1559-1563, 2013.
上述した光触媒の技術において、光触媒反応の効率をより向上させることが要望されている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、光触媒反応の効率をより向上させることを目的とする。
本発明に係る半導体光電極は、基板と、基板の上に形成されたナノワイヤ構造の化合物半導体層と,化合物半導体層に対して助触媒機能を有する材料からなり、化合物半導体層の反応領域に分散配置された複数の微粒子とを備え、化合物半導体層は、GaとPとを含むIII−V族化合物半導体から構成されている。
上記半導体光電極において、材料は、Pt、Pd、Co、Au、Ag、Ru、Cu、Cr、Al、Fe、In、Ni、Rh、Re、または、これらの金属の合金、または、これら金属の酸化物のいずれかから構成されていればよい。
上記半導体光電極において、酸化物半導体から構成され、化合物半導体層の反応領域を被覆して形成された保護層を備えるようにしてもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、光触媒反応の効率がより向上するという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における半導体光電極の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態における他の半導体光電極の構成を示す断面図である。 図3は、半導体光電極が用いられる実験装置の構成を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態における半導体光電極を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図5は、本発明の実施の形態における半導体光電極を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における半導体光電極の構成を示す断面図である。この半導体光電極は、基板101と、基板101の上に形成された化合物半導体層102とを備える。図1は、対象とする物質の反応を起こさせる反応領域の一部構成を示している。
化合物半導体層102は、ナノワイヤ121を備えるナノワイヤ構造とされている。ナノワイヤ121の周囲の基板101上には、スラブ部122が形成されている。また、化合物半導体層102(スラブ部122)には、配線(不図示)を電気的に接続する。配線は、銅配線、銀配線、金配線などの金属配線であればよい。
また、化合物半導体層102は、GaとPとを含むウルツ鉱型結晶構造とされたn型のIII−V族化合物半導体から構成されている。ナノワイヤ構造とすることで、GaとPとを含むIII−V族化合物半導体は、ウルツ鉱型の結晶構造となる(非特許文献4参照)。GaPは、ウルツ鉱型構造となることで直接遷移型の半導体となり、閃亜鉛鉱型のGaPと比べて光吸収特性が向上する。なお、化合物半導体層102は、Ga,Pに限らず、これらにInあるいはAsを加えた混晶としてもよい。InもしくはAsを加えた混晶とすることで、GaPの場合より長波長の光吸収が可能となる。
また、実施の形態における半導体光電極は、化合物半導体層102(ナノワイヤ121)の表面に、助触媒機能を有する材料からなる複数の微粒子103が分散配置されている。微粒子103は、対象とする物質の反応を起こさせる化合物半導体層102の反応領域に分散配置されていればよい。微粒子103を構成する助触媒は、Pt、Pd、Co、Au、Ag、Ru、Cu、Cr、Al、Fe、In、Ni、Rh、Re、または、これらの金属の合金、または、これら金属の酸化物のいずれかから構成されていればよい。なお、図2において、ナノワイヤ121の形成において用いる種となる金属微粒子は省略している。
基板101は、例えば、GaP基板であればよい。基板101の上に、よく知られた触媒金属法により、触媒金属である金(Au)などの金属微粒子を配置し、この状態で、GaPを有機金属気相成長法でエピタキシャル成長させる。金属微粒子は、例えば、粒径60nm程度であればよい。金属微粒子を配置した基板101を加熱し、この状態でGa原料であるトリエチルガリウム(TEGa)、およびP原料であるターシャリーブチルリン(TBP)を基板101の上に供給する。これにより、金属微粒子を種として、GaPのナノワイヤが成長できる。成長において、種となる金属微粒子は、ナノワイヤの頂部に配置された状態となる。なお、図1では、ナノワイヤ成長時の種となる金属微粒子は省略している。
また、同時に、エッチングガスとしてターシャリーブチルクロライド(TBCl)を供給することで、形成されるナノワイヤの径をより細くすることが可能となる。TBClを同時に供給することで、TBClが分解することで生成されるClのエッチングの効果により、反応種の成長表面での拡散が促進されるため、径方向の成長が極めて遅くなる。また、側壁を拡散する反応種が、先端のAu微粒子触媒で取り込まれるため軸方向の成長が促進される。これらの結果、組成の変化が少なく、また、直径の変化が少ない状態で、より直進性に優れたナノワイヤの構造が形成されるようになる。
また、図2に示すように、酸化物半導体から構成された保護層104を、化合物半導体層102を被覆して形成してもよい。保護層104は、化合物半導体層102の反応領域を被覆して形成されていればよい。この場合、被覆した保護層104の表面に、複数の微粒子103を分散配置すればよい。なお、図2においても、ナノワイヤ121の形成において用いる種となる金属微粒子は省略している。
前述したように、微粒子103を分散配置することで、化合物半導体層102の劣化を抑制している、微粒子103が配置(担持)されている部分以外は、化合物半導体層102の表面が露出しているため、自己酸化などの劣化を完全に抑制することは困難である。これに対し、保護層104で化合物半導体層102の表面を被覆することで、劣化がより防止できるようになる。
保護層104は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb23)などの酸化物半導体から構成すればよい。なお、保護層104は、伝導帯端および荷電子帯端のエネルギーが化合物半導体層102より低く、伝導帯端のエネルギーは、化合物半導体層102の荷電子帯端のエネルギーより高い状態となっていればよい。
また、化合物半導体層102の伝導帯端のエネルギーは、水の還元電位より高く、保護層104の荷電子帯端のエネルギーは、水の酸化電位より低ければよい。この構成とすることで、実施の形態における半導体光電極を用いることで、光触媒反応により水の電気分解が可能となる。ターゲット物質の酸化電位、還元電位に対応させて上記材料構成を適宜に設定すればよい。
ここで、化合物半導体層102をn型とすれば、実施の形態における半導体光電極は、酸化反応サイトとなる。一方、化合物半導体層102をp型とすれば、実施の形態における半導体光電極は、還元反応サイトとなる。
実施の形態における半導体光電極は、水などの媒質中に配置(浸漬)して用いればよい。例えば、図3に示すように、ガラスなどの透光性を有する部材から構成された光透過セル201に、媒質202を収容し、媒質202中に半導体光電極100を浸漬して配置する。光透過セル201は、例えば、内径20mm,内容量30mLの試験管から構成することができる。また、媒質202中には、例えば白金からなる対極203も浸漬して配置する。対極203は、例えば、Pt線[BAS製,Pt電極(型番002222)]であればよい。化合物半導体層102をn型とした場合、対極203は、還元反応サイトとなる。一方、化合物半導体層102をp型とした場合、対極203は、酸化反応サイトとなる。
また、半導体光電極100の化合物半導体層102に接続した配線112および対極203は、電流計204に接続する。また、光透過セル201に収容している媒質202は、攪拌子205を回転させることで攪拌する。また、半導体光電極100の保護層104形成側には、光源206からの光を照射する。太陽光を光源としてもよい。
媒質202は、H2SO4,HCl、Na2SO4、KHCO3のなどの電解質が溶解している水溶液であればよい。上記構成により水が電気分解できる。また、実施の形態における半導体光電極100を用いることで、二酸化炭素を還元ターゲット物質とし、一酸化炭素、ギ散、メタノール、メタンの炭化水素類を生成することも可能である。
[実施例]
次に、実施例を用いてより詳細に説明する。まず、半導体光電極(試料)の作製について説明する。
[試料1]
はじめに、試料1について説明する。まず、主表面を(111)B面としたGaPからなる基板101を用意し、基板101の上に直径60nmのAu微粒子が分散したコロイド溶液を滴下することにより、基板101の上にAu微粒子を分散配置させる。このAu微粒子は、ナノワイヤ成長の触媒となる。
次に、よく知られた有機金属気相成長装置の成長室内に上記基板101を搬入し、成長室に配置した基板101を例えば460℃程度に加熱し、この状態で基板101の表面に、TEGa、TBP、およびTBClを供給する。TEGaは25sccm、TBPは1.5sccm、TBClは1.6sccmとし、3.5分間供給する。引き続き、TBClの供給を停止し、TBPの供給量を7.5sccmに変更し、成長を10分間継続して径方向に成長させ、形成されるナノワイヤの径を調整した。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1013hPaの流体が1分間に1cm3流れることを示す。
上述した有機金属を原料とした触媒金属法によるGaPの成長で、基板101の上にGaPからなるナノワイヤ121を備える化合物半導体層102が形成できる。形成されるナノワイヤ121は、ウルツ鉱型の結晶構造を有するGaPから構成されていた。
次に、化合物半導体層102(ナノワイヤ121)の表面に、助触媒機能を有する材料からなる複数の微粒子103を分散配置する。例えば、直径60nmのAu微粒子が分散したコロイド溶液を化合物半導体層102の上に滴下し、加熱により分散媒を除去することで、ナノワイヤ121の表面に複数のAuからなる微粒子103を分散配置すればよい。例えば、450℃で10分間加熱することで、分散媒を気化させて除去すればよい。この加熱処理においては、ナノワイヤ121を構成しているPの昇華を防止するために、雰囲気にTBCを2.8 sccmの条件で供給する状態とするとよい。この処理は、ナノワイヤの成長に用いた有機金属気相成長装置で実施すればよい。
上述したことにより作製した、微粒子103が分散配置されているナノワイヤ121を走査型電子顕微鏡で観察した写真を図4,図5に示す。図5は、図4の一部を拡大して示している。図5に示すように、Au微粒子がナノワイヤの側部に付着している。走査型電子顕微鏡の観察結果より、ナノワイヤ121は、高さ3774nm,直径169nmであった。
次に、上述したことによりナノワイヤ121を作製した基板101を切断することで半導体光電極チップを形成した。チップサイズは、平面視10mm×15mmとした。また、形成した半導体光電極チップの一部表面(化合物半導体層102)に、Inをロウ材として配線をロウ付けし、試料1とした。ロウ付けは、大気雰囲気で実施し、また、600℃で30分加熱した後、Inからなるロウ材に導線(配線)を接合した。なお、Inからなるロウ付け部は、エポキシ樹脂で被覆した。ロウ付け領域以外の10mm×10mmの領域が、反応領域となる。
[試料2]
次に、試料2について説明する。試料2は、試料1の構成に加え、酸化亜鉛(ZnO)からなる保護層104を形成した。まず、試料1と同様にして基板101の上にGaPからなるナノワイヤ121を備える化合物半導体層102を形成する。
次に、化合物半導体層102の表面に、保護層104を形成する。まず、Znの有機化合物を有機溶剤に溶解した溶液から構成したMOD(Metal Organic Decomposition)コート剤を用意し、このMODコート剤を化合物半導体層102の上に塗布して塗布膜を形成する。MODコート剤は、例えば、株式会社 高純度化学研究所製のZn−05であればよい。Zn−05は、10倍に希釈して用いる。塗布は、スピンコート法により、回転数500rpm(時間10秒)→回転数5000rpm(時間40秒)の条件で実施すればよい。
次に、塗布膜を焼成してZnOとすることで、保護層104を得る。例えば、電気炉を用い、大気雰囲気中で550℃で30分間熱処理することで塗布膜を焼成すればよい。得られた保護層104は、厚さ25nmである。
以上のようにして保護層104を形成した後、試料1の場合と同様にすることで、保護層104の表面にAuからなる微粒子103を分散配置する。次に、上述したことによりナノワイヤ121,保護層104,微粒子103を作製した基板101を、試料1と同様にしてチップとすることで、試料2とした。
[試料3]
次に、試料3について説明する。試料3は、試料2のZnOからなる保護層104を、酸化チタン(TiO2)からなる保護層104とした。他の構成は、試料2と同様である。TiO2からなる保護層104の形成では、Tiの有機化合物を有機溶剤に溶解した溶液から構成したMODコート剤を用意し、このMODコート剤を化合物半導体層102の上に塗布して塗布膜を形成する。MODコート剤は、例えば、株式会社 高純度化学研究所製のTi−03であればよい。Ti−03は、10倍に希釈して用いる。塗布は、スピンコート法により、回転数500rpm(時間10秒)→回転数5000rpm(時間40秒)の条件で実施すればよい。
次に、塗布膜を焼成してTiO2とすることで、保護層104を得る。例えば、電気炉を用い、大気雰囲気中で550℃で30分間熱処理することで塗布膜を焼成すればよい。得られた保護層104は、厚さ15nmである。この後、試料2と同様にして保護層104の表面にAuからなる微粒子103を分散配置する。次に、上述したことによりナノワイヤ121,保護層104,微粒子103を作製した基板101を、試料1,試料2と同様にしてチップとすることで、試料3とした。
[試料4]
次に、試料4について説明する。試料4は、試料2のAuからなる微粒子103を、Niからなる微粒子103とした。他の構成は、試料2と同様である。
Niからなる微粒子103の形成では、例えば直径3nmのNi微粒子が分散したコロイド溶液を保護層104の上に滴下し、加熱により分散媒を除去することで、ナノワイヤ121に形成されている保護層104の表面に複数のNiからなる微粒子103を分散配置すればよい。他の構成は、試料2と同様である。
[試料5]
次に、試料5について説明する。試料5は、試料3のAuからなる微粒子103を、Niからなる微粒子103とした。他の構成は、試料3と同様である。また、Niからなる微粒子103の形成は、試料4と同様にすればよい。
[比較試料1]
次に、比較試料1について説明する。比較試料1では、主表面を(111)B面としたGaPからなる基板101の上に、ナノワイヤ121を備える化合物半導体層102を形成せずに、Auからなる微粒子103を分散配置する。微粒子103については、試料1と同様である。比較試料1は、半導体光電極を構成する半導体材料が、GaPである点は、試料1と同様であるが、ナノワイヤ構造としていない点が試料1と異なる。なお、比較試料1においても、基板101を、試料1と同様にしてチップとしている。
[比較試料2]
次に、比較試料2について説明する。比較試料2では、試料1とは異なり、助触媒機能を有する材料からなる複数の微粒子103を分散配置せずにチップとしている。比較試料2では、試料1と同様にして基板101の上にナノワイヤ121を備える化合物半導体層102を形成し、Auからなる微粒子103を分散配置することなく、試料1と同様にチップとしている。
[酸化還元反応試験]
次に、試料1,試料2,試料3,試料4,試料5,比較試料1,比較試料2を用いた酸化還元反応試験の結果について説明する。この試験では、図3を用いて説明したセルを用い、媒質202として濃度1Mの水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を用いた。半導体光電極100として試料1,試料2,試料3,試料4,試料5,比較試料1,比較試料2を用いた。
試験においては、媒質202にアルゴンガスを200mL/minで30分間バブリングして脱泡・置換した後、光透過セル201を、シリコーンとフッ素樹脂との2層構造のセプタムで密閉した。セル内の圧力は大気圧とした。また、光源206として、300Wの高圧キセノンランプ(照度100mW/cm2)を用いた。光源206からの光は、セルの光透過セル201の外側から、半導体光電極100の反応領域に均一に照射した。また、媒質202の攪拌は、光透過セル201の底部中心に配置した攪拌子205を、図示しないスターらを用いて250rpmの回転速度で回転させて実施した。
光照射中に電流計204で測定される光電流量を記録した。また、任意の時間が経過した時点で、光透過セル201内のガスをセプタム部分からシリンジで採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計にて反応生成物を分析した。この分析では、試料1,試料2,試料3,試料4,試料5,比較試料1において、水素(H2)と酸素(O2)が生成していることが確認された。
以下の表1に、試料1,試料2,試料3,試料4,試料5,比較試料1,比較試料2における水素ガス生成量、酸素ガス生成量、安定した光電流の寿命を示す。
ナノワイヤ構造として助触媒の微粒子を形成している試料1では、H2生成(21nmol/cm2・sec)およびO2(9nmol/cm2・sec)の生成が確認された。これに対し、助触媒の微粒子を形成していない比較試料2では、H2およびO2のいずれのガスも生成しなかった。これは、表面のAu微粒子が、半導体光電極表面での酸化反応の活性点として機能していることを示している。
また、ナノワイヤ構造としていない比較例1では、H2生成(3.4nmol/cm2・sec)、およびO2(1.5nmol/cm2・sec)が生成したが、生成量は、試料1の場合よりも大幅に少なかった。半導体光電極を構成する化合物半導体層をナノ構造とすることで、光を吸収して水の酸化反応によるO2生成を起こす電極の表面積が増大したことにより、上述の結果が得られたものと考えられる。
また、GaPナノワイヤの表面に、保護層104としてZnO層またはTiO2層を形成した場合(試料2〜5)は、H2およびO2生成量が約2.5倍(試料2)、約4倍(試料3、4)、約5倍(試料5)に増大した。光照射により、GaP層に電子が、ZnOまたはTiO2層に正孔が収集されることで電荷分離が促進され、光電極表面での酸化反応と対極の白金での還元反応が促進したためであると考えられる。
さらに、ZnOまたはTiO2の層(保護層104)を形成した場合は、光電流の寿命の延びも見られ、GaPからなる化合物半導体層の光エッチングを抑制する保護膜としても機能することを確認した。
以上に説明したように、本発明によれば、助触媒機能を有する材料からなる複数の微粒子を分散配置した状態で、半導体光電極を構成するGaおよびPを含む化合物半導体層をナノワイヤ構造としたので、光触媒反応の効率をより向上させることができるようになる。また、酸化物半導体からなる保護層を設けることで、半導体光電極における自己酸化などによる劣化が、より抑制できるようになり、半導体光電極の寿命を延ばすことができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、ナノワイヤは、ナノワイヤを構成するGaまたはPから構成した種微粒子より成長させることで形成してもよい。
101…基板、102…化合物半導体層、103…微粒子、104…保護層、121…ナノワイヤ、122…スラブ部。

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板の上に形成されたナノワイヤ構造の化合物半導体層と,
    前記化合物半導体層に対して助触媒機能を有する材料からなり、前記化合物半導体層の反応領域に分散配置された複数の微粒子と
    を備え、
    前記化合物半導体層は、GaとPとを含むIII−V族化合物半導体から構成されている
    ことを特徴とする半導体光電極。
  2. 請求項1記載の半導体光電極において、
    前記材料は、Pt、Pd、Co、Au、Ag、Ru、Cu、Cr、Al、Fe、In、Ni、Rh、Re、または、これらの金属の合金、または、これら金属の酸化物のいずれかから構成されている
    ことを特徴とする半導体光電極。
  3. 請求項1または2記載の半導体光電極において、
    酸化物半導体から構成され、前記化合物半導体層の反応領域を被覆して形成された保護層を備えることを特徴とする半導体光電極。
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