JP6343258B2 - 二酸化炭素の還元方法及び還元装置 - Google Patents

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本発明は、二酸化炭素の還元方法及び還元装置に関し、より詳細には、光触媒により二酸化炭素を還元してメタン又は一酸化炭素のいずれか一方を優先的に生成する二酸化炭素の還元方法及び還元装置に関するものである。
従来、光照射により触媒機能を発揮する物質を利用して、酸化ターゲット物質または還元ターゲット物質の化学反応を引き起こす光触媒による酸化還元方法が公知である。例えば、太陽光を利用して、二酸化炭素の発生を伴うことなく還元ターゲット物質である水から水素を生成することが可能な技術が注目されており、近年盛んに研究されている。ここで、光触媒反応における量子収率を向上させるには、光触媒内で光励起した電子・正孔対の空間分離と、反応中間体あるいは生成物の逆反応を抑制するように設置された酸化あるいは還元反応を促進するサイト(酸化サイトあるいは還元反応サイト)への正孔あるいは電子の移動とが必要である。
ここで、励起された電子を効率よく電荷分離するために、従来、例えば以下の方法が考えられてきた。まず第1の方法として、酸化チタン微粒子に、助触媒である金属微粒子を担持させることで、電荷分離の効率を向上させている。具体的には、酸化チタン微粒の表面全体に助触媒であるAg微粒子をコーティングしたナノ粒子混合体を用いて、一酸化炭素(CO)およびメタン(CH4)の生成する(非特許文献1参照)。第2の方法も、酸化チタン微粒子に金属微粒子を担持させる方法であるが、具体的には、In微粒子を担持した酸化チタン微粒子を用いて、In微粒子近傍で二酸化炭素の光還元を実現している(非特許文献2参照)。第3の方法として、酸化チタン薄膜表面に金属微粒子をコーディングすることにより水または二酸化炭素の還元反応による水素(H2)やメタンを生成する方法である。具体的には、銅または白金を酸化チタン薄膜表面にコーティングして、気体又はモイスト状のCO2を供給することにより、H2及びCH4等を生成している(非特許文献3参照)。
Cunyu Zhao, Andy Krall, Huilei Zhao, Qianyi Zhang, Ying Li "Ultrasonic spray pyrolysis synthesis of Ag/TiO2, nanocomposite photocatalysts for simultaneous H2 production and CO2 reduction" International Journal of Hhydrogenen Enrgy 37 (2012) 9967-9976 Muhammad Tahir, NorAishah Saidina Amin "Photocatalytic CO2 reduction and kinetic study over In/TiO2 nanoparticles supported microchannel monolith photoreactor" Applied Catalysis A: General 467 (2013) 483-496 MembranesSanju Rani, Ningzhong Bao, Somnath C. Roya "Solar Spectrum Photocatalytic Conversion of CO2 and Water VaporInto Hydrocarbons Using TiO2Nanoparticle Membranes" Applied Surface Science 289 (2014) 203-208.
ここで、上述した光触媒による二酸化炭素の還元における、反応生成物の比率について検討する。
第1の方法 CO:CH4=9:1〜4:1
第2の方法 CO:CH4=6:1〜2:1
第3の方法 H2:CO:CH4=2:8:1
第1〜第3の方法においては、酸化還元反応において生成される気体は、COが支配的であり、CH4の生成効率は低い。そのため、COの割合を増やすことはできても、COよりCH4を多くして、CH4を主成分とする気体を生成できないという問題がある。これは、引用文献1及び2のように、触媒及び助触媒を粉末状にすると、粉末にCO2を付着させて効率よく酸化還元反応を行わせるために、溶液中において粉末を常時攪拌して分散させて反応させなければなない。そうすると、還元反応における中間反応物であるCOが生成すると同時に触媒表面から離脱する。従って、CO2がCH4に還元される前にCOが多く抽出されてしまい、CH4の抽出量が少なくなってしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、助触媒機能を有する金属微粒子を適切量担持した光触媒薄膜を用いて、CO2をCH4へ還元する、還元反応装置及び還元方法を提供する。
本発明は、このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、基板と、前記基板上に形成され、光照射により触媒機能を発揮する半導体薄膜と、前記半導体薄膜上に付着した金属微粒子とを備え、二酸化炭素が溶解した、静止させた水溶液中において、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に光が照射されると、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に接触している二酸化炭素が還元され、メタンを主成分とした気体が生成されることを特徴とする光触媒薄膜である。
また、本発明の第2の態様は、二酸化炭素が溶解した水溶液が注入された反応セルと、前記反応セル中に固定された光触媒薄膜であって、基板と、前記基板上に形成され、光照射により触媒機能を発揮する半導体薄膜と、前記半導体薄膜上に付着した金属微粒子とを備え、静止させた前記水溶液中において、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に光が照射されると、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に接触している二酸化炭素が還元され、メタンを主成分とした気体が生成される、光触媒薄膜とを備えることを特徴とする二酸化炭素の還元装置である。
また、本発明の第3の態様は、第2の態様の二酸化炭素の還元装置であって、前記反応セル内に取り付けられ、前記水溶液を攪拌する攪拌手段をさらに備え、前記半導体薄膜と、前記半導体薄膜に付着した金属微粒子とに光が照射され、前記攪拌手段により前記水溶液が攪拌されると、一酸化炭素を主成分とする気体が生成されることを特徴とする。
また、本発明の第4の態様は、第2又は3の態様の二酸化炭素の還元装置であって、前記半導体薄膜は二酸化チタンにより形成され、前記金属微粒子は、Ag、Ni又はCuのいずれか1種類以上の金属から形成されることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様は、第2乃至4のいずれか1つの態様の二酸化炭素の還元装置であって、前記金属微粒子は、10nm以上5μm以下のサイズで前記半導体薄膜の表面に複数存在していることを特徴とする。
また、本発明の第6の態様は、第2乃至第5のいずれか1つの態様の二酸化炭素の還元装置において、メタンを主成分とする気体を生成する二酸化炭素の還元方法であって、前記水溶液中に二酸化炭素を溶解させるステップと、静止させた前記水溶液中において、前記半導体薄膜と、前記半導体薄膜に付着した金属微粒子とに光を照射して、前記光触媒薄膜に接触している二酸化炭素を還元してメタンを主成分とする気体を生成するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明の第7の態様は、第6の態様の二酸化炭素の還元方法であって、前記反応セル内に取り付けられ、前記水溶液を攪拌する攪拌手段をさらに備え、前記水溶液中に二酸化炭素を溶解させるステップと、前記半導体薄膜と、前記半導体薄膜に付着した金属微粒子とに光を照射するステップと、前記攪拌手段により前記水溶液を攪拌して、前記光触媒薄膜に接触している二酸化炭素を還元して一酸化炭素を主成分とする気体を生成するステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、水溶液中で還元反応を行うことにより、従来は生成と共に触媒表面から脱離していた中間反応物であるCOが触媒薄膜上に留まるため、多電子反応が促進され、メタンの生成比率が向上するという優れた効果が得られる。また、副次的な効果として、溶液を攪拌しながら還元反応を行うことにより、攪拌速度の増加と共にCOの生成比率が向上するため、需要に応じてCH4、COの生成比率をコントロールすることも可能となる。
本発明の1実施形態に係る光触媒による二酸化炭素の還元装置を示す構成図である。 本発明の実施例1に係る光触媒による二酸化炭素の還元方法に使用する光触媒薄膜を示す構成図である。 本発明の実施例1に係る光触媒による二酸化炭素の還元方法に使用する酸化還元装置の構成を示す図である。 実施例1において光触媒による二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図である。(a)は水溶液を攪拌せずに行う場合の反応性生物に使われた電子数を示し、(b)は水溶液を攪拌して行う場合の反応性生物に使われた電子数を示している。 実施例2において光触媒による二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図である。(a)は水溶液を攪拌せずに行う場合の反応性生物に使われた電子数を示し、(b)は水溶液を攪拌して行う場合の反応性生物に使われた電子数を示している。 比較例1において光触媒による二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図である。 比較例2において光触媒による二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の1実施形態に係る光触媒による二酸化炭素の還元装置100を示す構成図である。還元装置100は、反応セル101と、反応セル内に注入された二酸化炭素(CO2)が溶解された水溶液102と、反応セル101内に固定され、溶液102中に浸漬された光触媒薄膜110とを備える。また、還元装置100は、反応セル101の底面に設置された攪拌手段103と、反応セル101の外部に設置され、光触媒膜110に光を照射する光源104とを備える。
光触媒薄膜110は、基板111と、基板111上に成長させた半導体薄膜112と、半導体薄膜112上に付着した金属微粒子113とを備える。光触媒薄膜110は、反応セル101内で傾きを持たせて固定され、金属微粒子113が付着した半導体薄膜112が、反応セル101の外に配置される光源104からの光が照射されるように配置される。
本実施形態において、光触媒薄膜110の半導体薄膜112は、光照射により触媒機能を発揮する半導体として、n型半導体であるTiO2から形成することができる。また、TiO2以外にも、酸化タングステン(WO3)、酸化ガリウム(Ga23)、及び窒化ガリウム(GaN)等のn型半導体から形成することもできる。光触媒薄膜110の基板111としては、サファイア基板、ガラス基板、Si基板、及びGaN基板等の絶縁性又は導電性の基板を用いることができる。また、これらの基板にあらかじめSiO2のような保護膜が形成されている基板を用いることもできる。
本実施形態では、光触媒薄膜110を作成する際に、金属微粒子を分散させたMODコート剤を、スピンコート法により基板111上に液膜化し、500℃以上1000℃以下、好ましくは550℃以上700℃以下で、10分以上5時間以下、好ましくは30分以上2時間以下で熱処理することで、金属微粒子113が分散された半導体薄膜112を形成している。この他の方法として、例えば、スパッタにより成膜した半導体薄膜112上に、金属微粒子が分散されたスラリーを塗布することによっても、複数の金属微粒子が付着した半導体薄膜を有する光触媒薄膜を得ることができる。ただし、予め金属微粒子を分散したMODコート剤を液膜化して焼成することで、半導体薄膜112と金属微粒子113または金属酸化物微粒子間の密着性を高くすることができ、緻密な薄膜が得ることができる。
次に、本実施形態の光触媒による光触媒による二酸化炭素の還元方法について説明する。本実施形態においては、水溶液102中に浸した光触媒薄膜110の半導体薄膜112の表面に光を照射する。そうすると、光触媒薄膜110に付着した、還元ターゲット物質である水溶液102中のCO2が還元され、中間体として一酸化炭素(CO)が生成され、多電子還元反応によりCOからさらにメタン(CH4)が生成される。金属微粒子113を付着させた半導体膜112を使用して光触媒による還元を行う場合、半導体薄膜112表面及び金属微粒子113にCO2が付着する。従って、水溶液を攪拌する必要がなく、静止した水溶液中において、還元ターゲット物質である水溶液102中のCO2が還元され、中間体のCOから多電子還元反応によりメタン(CH4)が生成される。
ここで、まず、光照射中に水溶液102を攪拌手段103により攪拌する。そうすると、二酸化炭素還元反応の中間体として光触媒薄膜110に吸着しているCOの脱離が促進され、COを主生成物とした気体が採取できる。
次に、光照射中に攪拌手段103による攪拌を行わず静置することによって、光触媒薄膜110表面でのCO2の多電子還元反応が促進されるため、CH4を主生成物として採取できる。
従って、反応セル101に備えられた攪拌手段103により攪拌を行うか行わないかを選択することにより、二酸化炭素を一酸化炭素又はメタンへ選択的に還元することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
(光触媒薄膜の作製)
図2は、本発明の実施例1にかかる光触媒による二酸化炭素の還元方法に使用する光触媒薄膜200を示す構成図である。光触媒薄膜200は、まず、厚さ1μmのSiO2薄膜202が形成された大きさ3インチ(直径76mm)、厚さ400μmのSi基板201(SiO2薄膜付きSi基板)上に、金属微粒子を混合したMODコート剤を液膜化する。MODコート剤は、TiO2の単金属酸化物の成分を有するMOD塗布型材料を用い、金属微粒子にはAg粉末(<35nm)を用いた。MODコート剤は、TiO2に対するAgの重量濃度が0.5%となるようにAg粉末を混合して調製し、Ag粉末を混合したMODコート剤を30分間超音波処理してMODコート剤中にAg粉末を均一に分散させた。このAg粉末入りMODコート剤を、SiO2膜付きSi基板上にスピンコートすることで液膜化した。
Ag粉末入りMODコート剤が液膜化されたSiO2薄膜102付きSi基板201を、電気炉において大気雰囲気中、550℃の温度により30分間熱処理する。そうすると、SiO2薄膜202付きSi基板201上にTiO2薄膜203が形成され、さらにTiO2薄膜203の表面に複数のAg微粒子204が付着した光触媒薄膜200を得ることができる。TiO2薄膜203はSiO2薄膜202上に100nmの厚さで形成され、Ag微粒子204は、光触媒薄膜200のTiO2薄膜203上のSEM観察像から、2μm程度の塊に凝集してTiO2薄膜203に付着していることが確認できた。
(光触媒活性評価)
図3は、本発明の実施例1に係る光触媒による二酸化炭素の還元方法に使用する還元装置300の構成を示す図である。本実施例において、内容量5mlの石英反応セル301に、蒸留水である水溶液302を注入する。光触媒薄膜200を石英反応セル中301に傾きを持たせて固定して、水溶液302中に完全に浸漬する。水溶液302は、蒸留水を使用し、光源304は、500Wのキセノンランプ(波長:250〜400nm、積算強度:6.8mW/cm2)を用い、光触媒薄膜200のAg微粒子204が付着した面に光が照射されるように、石英反応セル201の外に配置される。
次に、石英反応セル301内の水溶液302中にArガスを100ml/minで10分間バブリングして脱泡・置換した後、CO2ガスを100ml/minで10分間バブリングする。CO2ガスのバブリング後、石英反応セル301の上部をシリコンテフロンセプタムで密閉する。セル内の圧力は大気圧(1atm)とする。
ここで、光触媒薄膜200の表側全面に光を均一に照射して、水溶液302中の二酸化炭素の還元を行う。二酸化炭素の還元は、水溶液302を攪拌して行う場合と、水溶液302を攪拌せずに行う場合と2通り行い、それぞれの場合について還元反応による反応性生物を分析する(光触媒活性評価)。図4は、実施例1において光触媒による二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図であり、図4(a)は水溶液を攪拌せずに行う場合の反応性生物に使われた電子数を示し、図4(b)は水溶液を攪拌して行う場合の反応性生物に使われた電子数を示している。
まず、水溶液を攪拌せずに二酸化炭素の還元を行う。二酸化炭素の還元は、光源304を使用して、光触媒薄膜200の表側全面に光を均一に照射する。光照射の間、溶液を物理的攪拌せずに、容器を静置させた。5時間光照射後にガスクロマトグラフ質量分析計にて反応生成物を分析した結果、水素(H2)が1.4nmol生成し、COが18nmol生成し、CH4が24nmol生成していることを確認し、主生成物としてCH4が得られた。
実施例1の水溶液を攪拌せずに二酸化炭素の還元を行った場合の反応生成物の生成に使われた電子数を図4(a)に示す。光反応に消費された電子数の83%がCH4の生成に使われていることを確認した。
なお、光反応に消費された電子数の割合は、Ag粉末の代わりにCu粉末を用いた場合は75%、Ni粉末を用いた場合は60%であり、いずれの場合もCH4生成に優先的に電子が消費された。
次に、水溶液を攪拌して二酸化炭素の還元を行う。二酸化炭素の還元は、光源304を使用して、光触媒薄膜200の表側全面に光を均一に照射する。光照射の間、セル内の溶液を500rpmで物理的攪拌を行った。5時間光照射後にガスクロマトグラフ質量分析計にて反応生成物を分析した結果、H2が9.9nmol生成し、COが75nmol生成し、CH4が3.6nmol生成していることを確認し、主生成物として一酸化炭素が得られた。
実施例1の水溶液を攪拌して二酸化炭素の還元を行った場合の反応生成物の生成に使われた電子数を図4(b)に示す。光反応に消費された電子数の88%が一酸化炭素の生成に使われていることを確認した。
[実施例2]
実施例2においては、MODコート内に混入させる金属微粒子として、実施例1のAg粉末(<35nm)の替わりにAgナノ分散液(10nm)を用いる。そのほかの光触媒薄膜の製造方法は、実施例1と同一である。Agナノ分散液入りMODコート剤が液膜化されたSiO2薄膜102付きSi基板201を、電気炉において熱処理する。熱処理後のTiO2膜をTEM観察像により確認すると、Ag微粒子は凝集することなく、10〜20nmのサイズでTiO2膜に付着していることがわかった。
光触媒活性評価については、実施例1において使用した還元装置300と同一の装置を使用し、水溶液を攪拌せずに二酸化炭素の還元を行った場合と、水溶液を500rpmで攪拌して二酸化炭素の還元を行った場合との双方における反応生成物の生成物を分析する。図5は、実施例2において二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応性生物に使われた電子数を示す図であり、図5(a)は水溶液を攪拌せずに行う場合の反応性生物に使われた電子数を示し、図5(b)は水溶液を攪拌して行う場合の反応性生物に使われた電子数を示している。
水溶液を攪拌せずに二酸化炭素の還元を行った場合、5時間光照射後にガスクロマトグラフ質量分析計にて反応生成物を分析した結果、H2が1.7nmol生成し、COが21nmol生成し、CH4が19.5nmolが生成していることを確認し、主生成物としてCH4が得られた。
実施例の水溶液を攪拌せずに二酸化炭素の還元を行った場合の反応生成物の生成に使われた電子数を図5(a)に示す。光反応に消費された電子数の77%がCH4の生成に使われていることを確認した。
水溶液を攪拌して二酸化炭素の還元を行った場合、5時間光照射後にガスクロマトグラフ質量分析計にて反応生成物を分析した結果、H2が9.3nmol生成し、COが64nmol生成し、CH4が3.9nmol生成していることを確認し、主生成物としてCOが得られた。
実施例2の水溶液を攪拌して二酸化炭素の還元を行った場合の反応生成物の生成に使われた電子数を図5(b)に示す。光反応に消費された電子数の72%が一酸化炭素の生成に使われていることを確認した。
[比較例1]
実施例の光触媒薄膜及び還元装置を使用し、セル内の溶液を100rpmで攪拌して二酸化炭素の還元を行い、光触媒活性評価を行った。図6は、比較例1において二酸化炭素の還元を行った場合のそれぞれの反応生成物の生成に使われた電子数を示す図である。光反応に消費された電子数の50%がCH4、48%がCOの生成に使われていることを確認した。
[比較例2]
実施例の光触媒薄膜及び還元装置を使用し、セル内の溶液を300rpmで攪拌して二酸化炭素の還元を行い、光触媒活性評価を行った。図7は、比較例2において酸化還元反応を行った場合のそれぞれの反応生成物の生成に使われた電子数を示す図である。光反応に消費された電子数の37%がCH4、61%がCOの生成に使われていることを確認した。
[各実施例及び比較例の比較結果]
実施例1及び2において、水溶液の攪拌をせずに、反応セル内に光触媒薄膜を静置させて光を照射して二酸化炭素の還元を行うことにより、反応電子の約8割がCH4生成に消費されたことを確認した。このCH4生成選択率は、非特許文献のCH4生成比率よりも高い。
また、実施例1及び2において、水溶液を500rpmで攪拌して二酸化炭素の還元を行うことにより、優先的に一酸化炭素が生成することが確認された。ただし、比較例1及び2のように、500rpm以上攪拌速度を増加しても、COの生成比率は大きくは変わらなかった。
比較例1および2において攪拌速度を変えた際に、COとCH4との比率が変わることから、表面反応を起こす光触媒薄膜周囲の溶媒の流動性を制御することによって、多段階反応であるメタン生成反応(8電子反応)を促進することが可能であることが示された。
また、実施例1と2とで、Ag微粒子のサイズを変更して二酸化炭素の還元を行ったが、比較結果の通り、Ag微粒子のサイズの違いにより二酸化炭素還元生成物の種類と量に大差が見られなかった。したがって、酸化チタン表面に付着する金属微粒子のサイズはnmからμmオーダーであれば同様の効果が得られる。
100、300 二酸化炭素の還元装置
101、301 反応セル
102、302 水溶液
103、303 攪拌手段
104、304 光源
110、200 光触媒薄膜
111 基板
112 半導体層
113 金属微粒子
201 Si基板
202 SiO2薄膜
203 TiO2薄膜
204 Ag微粒子

Claims (6)

  1. 二酸化炭素が溶解した水溶液が注入された反応セルと、
    前記反応セル内に取り付けられ、前記水溶液を攪拌する攪拌手段と、
    前記反応セル中に固定された光触媒薄膜であって、基板と、前記基板上に形成され、光照射により触媒機能を発揮する半導体薄膜と、前記半導体薄膜上に付着した金属微粒子とを備え、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に光が照射されると、前記半導体薄膜及び前記金属微粒子に接触している二酸化炭素が還元され、前記光触媒薄膜周囲の前記水溶液の流動性を、前記攪拌手段により制御することにより、メタンと一酸化炭素との生成比率を変化させる
    とを特徴とする二酸化炭素の還元装置。
  2. 前記光触媒薄膜周囲の前記水溶液の流動性を、前記攪拌手段により制御するときに、
    前記攪拌手段の攪拌速度を増加させることにより、メタンに対する一酸化炭素の生成比率を増加させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の還元装置。
  3. 前記半導体薄膜は二酸化チタンにより形成され、前記金属微粒子は、Ag、Ni又はCuのいずれか1種類以上の金属から形成されることを特徴とする請求項又はに記載の二酸化炭素の還元装置。
  4. 前記金属微粒子は、10nm以上5μm以下のサイズで前記半導体薄膜の表面に複数存在していることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の二酸化炭素の還元装置。
  5. 請求項乃至のいずれか1項に記載の二酸化炭素の還元装置において、メタンを主成分とする気体を生成する二酸化炭素の還元方法であって、
    前記水溶液中に二酸化炭素を溶解させるステップと、
    前記水溶液中において、前記半導体薄膜と、前記半導体薄膜に付着した前記金属微粒子とに光を照射して、前記光触媒薄膜周囲の前記水溶液の流動性を、前記攪拌手段により制御することにより、メタンと一酸化炭素との生成比率を変化させるステップと
    を含むことを特徴とする二酸化炭素の還元方法。
  6. 前記光触媒薄膜周囲の前記水溶液の流動性を、前記攪拌手段により制御するステップは、
    前記攪拌手段の攪拌速度を増加させることにより、メタンに対する一酸化炭素の生成比率を増加させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の二酸化炭素の還元方法。
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