JP2017100120A - メタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒 - Google Patents

メタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】メタンおよび酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去する場合に、単位貴金属担持量に対して高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒を提供する。【解決手段】メタンおよびメタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒の製造方法であって、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を酸化ジルコニウム担体に接触させて、当該複合貴金属コロイド粒子を当該酸化ジルコニウム担体に吸着させたのち、当該複合貴金属コロイド溶液の液相を流出させて固液分離することにより複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持するメタン酸化除去用触媒の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、メタンおよびメタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒およびその製造方法に関する。
本明細書において、「酸化当量以上の酸素を含む」とは、メタン酸化除去用触媒に接触させる被処理ガスが、そこに含まれる炭化水素、一酸化炭素などの還元性成分を完全に酸化するのに必要な酸化当量以上に、酸素、窒素酸化物などの酸化性成分を含んでいる、すなわち過剰の酸素を含む状態を意味する。
炭化水素の酸化除去触媒として、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの白金族金属を担持した触媒が高い性能を示すことが知られている。例えば、アルミナ担体に白金とパラジウムとを担持した排ガス浄化用触媒が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような触媒を用いても、メタン発酵ガスや天然ガスの燃焼排ガスのように、含まれる炭化水素の主成分がメタンである場合には、メタンが高い化学的安定性を有するために、十分なメタン除去が達成されないという問題がある。
さらに、被処理ガスが燃焼排ガスである場合には、燃料中に含まれている硫黄化合物に由来する硫黄酸化物(SOx)などの反応阻害物質が必然的に含まれているので、触媒表面に反応阻害物質が析出することにより、触媒活性が経時的に著しく低下することは避けがたい。
例えば、ランパートら(Lampert et al.)は、パラジウム触媒を用いてメタン酸化を行った場合に、わずかに0.1ppmの二酸化硫黄が存在するだけで、数時間内にその触媒活性がほとんど失われることを示して、硫黄酸化物の存在が触媒活性に著しい悪影響を与えることを明らかにしている(非特許文献1参照)。
過剰量の酸素が存在する排ガスに含まれる低濃度炭化水素の酸化用触媒として、ハニカム基材上にアルミナ担体を介して7g/L以上のパラジウムおよび3〜20g/Lの白金を担持した触媒も開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この触媒を用いても、長期にわたる耐久性は十分ではなく、特に硫黄酸化物が共存する条件下では、触媒活性の経時的な劣化が避けられない。
また、近年では地球温暖化問題が強く認識されるようになり、炭鉱換気ガスのように、希薄(0.1〜1%程度)なメタンを含有するガスが大量に放散されている点が問題視され、その経済的な処理も課題となっている。ここでも、メタンを接触酸化により除去するにあたって、可能な限り低温で処理できる高活性な触媒が求められている。炭鉱換気ガスには、メタン以外にも、石炭の成分に由来する硫黄化合物(硫化水素、メルカプタン、二酸化硫黄)などが含まれる場合があり、硫化水素やメルカプタンなどは触媒上で酸化されて硫黄酸化物に変化するため、燃焼排ガスの場合と同様の被毒による活性低下が起こる。
従って、従来技術の大きな問題点は、メタンに対して高い除去率が得られないこと、さらに硫黄化合物が共存する条件下では除去率が大きく低下することである。
上記実情に鑑み、酸化ジルコニウム担体にパラジウムまたはパラジウムと白金とを担持させた触媒が、硫黄酸化物共存下でも高いメタン酸化活性を維持し続けることが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、この触媒は、特に約400℃以下の低温域でのメタン酸化活性が低いため、低温で十分な性能を確保するには多量の触媒を必要とする。
メタンの酸化には、パラジウムが有効であるというのが定説であった(非特許文献2、非特許文献3参照)のに対し、パラジウムを含まず、白金のみを酸化スズからなる担体に担持した触媒が、燃焼排ガス中のメタンの酸化除去に活性を示すことが示されている文献もある(特許文献4参照)。しかしながら、この触媒でも400℃以下でのメタン除去性能は十分とはいえない上に、高価な白金を多量に必要とする点も実用上の課題となる。
メタンを含有し酸素を過剰に含む燃焼排ガス中の炭化水素の浄化用触媒であって、酸化ジルコニウムに、白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムからなる群より選択される少なくとも1種とイリジウム(Ir)とを担持してなり、比表面積が2〜60m/gである触媒が、硫黄酸化物共存下で、400℃程度という低い温度であっても高いメタン酸化活性を維持し続けることが開示されている(特許文献5参照)。酸化ジルコニウム担体にイリジウムおよび白金を担持してなる触媒が、硫黄酸化物共存下でも高いメタン酸化活性を示すことは、今日では広く知られるようになっている(例えば、特許文献6、非特許文献4など)が、実用的な観点では、なお課題は残る。
イリジウムおよび白金は、産出量が少なく、高価な貴金属であるため、貴金属量当たりの活性を向上させること、すなわちより少ない貴金属担持量で高いメタン酸化活性を得ることが最大の課題と言える。
近年、金属コロイドを用いる触媒調製法が注目されている。金属コロイドは、高分子保護剤の存在下に、金属イオンのアルコール溶液を加熱還流することで、高分子に保護された金属微粒子の分散液として得られる。このようにして調製された金属コロイドは、例えば、Pd−Ptの二元系では、粒径分布が狭く、単分散に近く、また反応条件により粒径を制御することができるとされる(非特許文献5)。
貴金属コロイドを排ガス浄化触媒の調製に用いた例も多く知られている。特許文献7には、塩化白金酸(HPtCl)を、ポリビニルピロリドンを保護剤としてメタノールと水の混合溶媒中で加熱還流して白金コロイドを生成し、減圧下でメタノールを除いたのち、Al担体を懸濁させ、ポリアクリルアミド水溶液を添加し、ろ過、洗浄を経て調製したPt/Al触媒が、通常の含浸法により調製した触媒よりもNOxの浄化性能が高いことが示されている。
特許文献8には、パラジウムと白金とが複合化した複合貴金属コロイドを多孔質酸化物担体に担持してなる飽和炭化水素浄化用触媒が、パラジウムと白金の混合水溶液を用いる共含浸法により調製した触媒よりもメタン酸化活性が高いことが示されている。しかし、この触媒は硫黄酸化物共存下での活性が十分ではなかった。
特開昭51−106691号公報 特開平8−332392号公報 特開平11−319559号公報 特開2004−351236号公報 国際公開第2002/040152号 特開2009−112912号公報 特開2000−254497号公報 特開2003−299957号公報
アプライド キャタリシス B:エンバイロンメンタル(Applied Catalysis B: Environmental),第14巻,1997年,p.211−223 インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー(Industrial and Engineering Chemistry),第53巻、1961年,p.809−812 インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー プロダクト リサーチ アンド ディベロップメント(Industrial and Engineering Chemistry Product Research and Development),第19巻,1980年,p.293−298 キャタリシス レターズ(Catalysis Letters),第141巻,2011年,p.413−419 岩本正和監修、触媒調製ハンドブック、エヌ・ティー・エス社(東京)、2011年、82−83頁
メタン酸化除去用をはじめとする実用触媒の調製にあたっては、経済性が強く求められる。貴金属触媒の調製においては、通常貴金属を溶解した溶液を用いて担体に貴金属を担持する操作が行われる。この際、多量の溶液を扱うことになれば、廃液を多量に生じたり、水分を蒸発により除去するために多くのエネルギーを費やしたりすることになり、著しく経済性が悪化する。しかるに、非特許文献5におけるPd−Pt複合コロイドの調製では、16.6mMのPdCl水溶液1.6mLと16.6mMのHPtCl・6HO水溶液0.4mLを混合し、これに0.639%PVP水溶液23mLとエタノール25mLを加えて、1時間撹拌したのち、油浴中90〜95℃で1〜3時間加熱還流することでPVP保護Pd−Pt微粒子分散液を得ている。すなわち、4.1mgのPd−Pt複合貴金属コロイドを得るのに、質量基準で貴金属の約1万倍にあたる約45gの溶液を用いている。この例では、コロイド調製時の溶液中のパラジウム濃度は約0.006重量%(質量%)、白金濃度は約0.003質量%とごく希薄であるため現実的でない。
特許文献7では、約2.0質量%の白金を担持したPt/Al触媒2.4gの調製に、メタノール150mLと水150mLを用いており、やはり担体質量の100倍を超える溶液を用いており現実的でない。
特許文献8でも3.75%Pd−0.75%Pt/Al触媒12gの調製に、エタノールと純水の1:1混合水溶液500mLを用いており、担体質量の30倍を超える溶液を扱っているため現実的でない。
通常の含浸法では、担体と同程度の質量の含浸液を用いるのが一般的である。これに対し、コロイド法において、上記の先行文献のように担体質量の数十倍〜数百倍の溶液を扱うことが必要であれば、その経済性は著しく損なわれるため現実的でない。
さらに、貴金属コロイドを担体に担持する際にも課題がある。
担持には、生成した高分子保護金属コロイド粒子を含む貴金属コロイド溶液に担体を投入した後、ろ過ないしこれに類する固液分離法(成型担体を用いる場合には単純な液切りも選択できる)で固液分離する方法と蒸発乾固する方法がある。
蒸発乾固する場合には、前述したとおりの多量となる溶液から溶媒を除去することになり、極めて多量のエネルギーを消費する問題がある。ろ過は、消費エネルギーの観点では相対的に優れるが、金属コロイド粒子のうち担体に吸着されないものが生じる点が問題となる。
特許文献8では、いずれの工程を採用したのか明記がないが、溶媒を除去したとの記載から、蒸発乾固したものと推測される。特許文献7では、ろ過を採用しており、記載された白金担持量から逆算すると用いた白金のすべてがAl担体に担持されたと推測される。しかし、これはAl担体の場合であって、ZrO担体の場合にも同様に金属コロイド粒子のすべてが担体に担持されるかどうかは不明である。
メタンおよび酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去するに際して、経済性に優れ、メタンに対して高い除去率を得られるメタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒が望まれていた。
本発明の課題は、メタンおよび酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンを酸化除去する場合に、単位貴金属担持量に対して高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒を提供することにある。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法の特徴構成は、メタンおよび前記メタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中の前記メタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒の製造方法であって、イリジウム(Ir)および白金(Pt)の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を前記酸化ジルコニウム担体に接触させて、前記複合貴金属コロイド粒子を前記酸化ジルコニウム担体に吸着させたのち、当該複合貴金属コロイド溶液の液相を流出させて固液分離することにより前記複合貴金属コロイド粒子を前記酸化ジルコニウム担体に担持する点にある。
このように複合貴金属コロイド粒子を用いることで、イリジウムと白金とが複合された状態で酸化ジルコニウム担体に担持することができるから、貴金属担持量当たりの活性を高くして、高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒を提供することができる。
また、複合金属コロイド溶液を調製し、該複合貴金属コロイド溶液を酸化ジルコニウム担体に接触させることで、酸化ジルコニウム担体表面に複合貴金属コロイド粒子を分子間力で吸着(付着)させて配置することができる。
そして、酸化ジルコニウム担体表面に複合貴金属コロイド粒子を吸着させて配置した後に、当該複合貴金属コロイド溶液の液相成分(液体成分)を、ろ過などして流出させるという操作により、複合貴金属コロイド粒子が担持された酸化ジルコニウム担体と、液相成分とを分離して、複合貴金属コロイド粒子が担持された酸化ジルコニウム担体を得ることができる。
なお、このように貴金属担持量当たりの活性を高くすると、高価な貴金属の使用量を低減でき、経済性に優れたメタン酸化除去用触媒を提供することができる。
また、耐硫黄性の高いイリジウム−白金を活性成分とするので、被処理ガス中に硫黄酸化物や硫化水素などの硫黄化合物を含む場合も、触媒活性が大きく低下することはない。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法の更なる特徴構成は、イリジウムおよび白金の合計の担持量を前記酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%とし、イリジウムと白金の担持量の比をイリジウム/白金の質量比で1〜2とする点にある。
このようにイリジウムおよび白金の合計の担持量とイリジウムと白金の担持量の比とを上記範囲とすることで、貴金属担持量当たりの活性を高くして、高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒を提供することができる。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法の更なる特徴構成は、硝酸イリジウム、ジニトロジアンミン白金、保護高分子および脂肪族アルコールを含み、イリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を調製し、前記混合水溶液を加熱して前記複合貴金属コロイド溶液を調製し、当該複合貴金属コロイド溶液に前記酸化ジルコニウム担体を浸漬し、固液分離したのち、乾燥、焼成する点にある。
このように、イリジウム前駆体として硝酸イリジウムと、白金前駆体としてジニトロジアンミン白金と、を混合してから複合貴金属コロイド溶液を調製することで、個々の複合貴金属コロイド粒子中におけるイリジウム/白金比が均一な複合貴金属コロイド溶液とすることができるから、均質に酸化ジルコニウム担体に担持することができる。よって貴金属担持量当たりの活性を高くして、高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒を提供することができる。
また、脂肪族アルコールを、貴金属イオンの還元剤として作用させ、複合貴金属コロイド粒子を適切に調製することができる。
また、親水コロイドを形成する添加剤として保護高分子を用いることで、アンモニウムイオンや硝酸イオンなどの電解質が共存する場合にも、保護高分子が保護コロイドを形成して、安定した複合貴金属コロイド溶液を形成することができ、分散状態や分散粒子径のムラや偏りを低減して、当該複合貴金属コロイド粒子が酸化ジルコニウム担体に担持された場合に、貴金属担持量当たりの活性を高くすることができる。
また、塩化白金酸(ヘキサクロロ白金酸(IV))や塩化パラジウムなど塩化物系の貴金属化合物を貴金属原料として用いている場合よりも、硝酸イリジウムとジニトロジアンミン白金を用いると、高活性が得られる。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法の更なる特徴構成は、前記保護高分子がポリビニルピロリドンであり、前記脂肪族アルコールがエタノールである点にある。
このように、非イオン性水溶性ポリマーであるポリビニルピロリドンを保護高分子として用いることで、保護コロイドを適切に形成するから、安定した複合貴金属コロイド溶液を形成することができ、また凝集や沈降を抑制して分散状態や分散粒子径のムラや偏りを低減できるため、複合貴金属コロイド粒子が酸化ジルコニウム担体に担持された場合に、貴金属担持量当たりの活性を高くすることができる。
また、結着性ないしは成膜性のある高分子であるポリビニルピロリドンを保護高分子として用いることで、混合水溶液に酸化ジルコニウム担体を浸漬し、固液分離したのち、乾燥しても、焼成する以前の期間において、イリジウムと白金との複合貴金属が酸化ジルコニウム担体に担持された状態を良好に維持することができる。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法の更なる特徴構成は、前記混合水溶液が、さらにシュウ酸またはクエン酸を含む点にある。
このようなカルボン酸類であるシュウ酸やクエン酸は、還元性を備えているため還元剤として機能して、複合貴金属コロイド粒子の生成を促進することができる。また、これらカルボン酸類は、複合貴金属コロイド粒子の保護材として機能するので、複合貴金属コロイド粒子を均一に分散した状態に維持することができる。従って、当該複合貴金属コロイド粒子が酸化ジルコニウム担体に担持された場合に、貴金属担持量当たりの活性を高くすることができる。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の特徴構成は、メタンおよび前記メタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中の前記メタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒であって、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持することにより、イリジウムおよび白金が前記酸化ジルコニウム担体に担持されてなる点にある。
本発明に係るメタン酸化除去用触媒の更なる特徴構成は、イリジウムおよび白金の合計の担持量が前記酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%であり、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1〜2である点にある。
このようなメタン酸化除去用触媒は、たとえば上述のメタン酸化除去用触媒の製造方法によって製造することができるのであるが、当然ながらこのメタン酸化除去用触媒も上述したメタン酸化除去用触媒の製造方法に係る作用効果を得ることができる。
本実施形態に係る触媒のイリジウムと白金との合計の担持量とメタン転化率との関係を示す図
まず、本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒およびその製造方法を説明する。なお、下記実施形態は本発明をより具体的に例示するために記載されたものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。よって本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本実施形態に係るメタンおよび前記メタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中の前記メタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒は、イリジウム(Ir)および白金(Pt)を酸化ジルコニウム担体に担持してなる。イリジウムおよび白金の合計の担持量が酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%であり、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1〜2となっている。
上記のような条件を満たす触媒は、以下に示すように、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持する製造方法により得ることができる。
すなわち本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法は、硝酸イリジウム、ジニトロジアンミン白金、保護高分子および脂肪族アルコールを含み、イリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を調製し、これを加熱してイリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を調製し、これに酸化ジルコニウム担体を浸漬し、固液分離したのち、乾燥、焼成を行うものである。
なお、本実施形態においては、混合水溶液のイリジウム含有量が0.8〜2質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%である場合に、より良好な結果を示すものと考えられる。特に、混合水溶液のイリジウム含有量が0.8〜2質量%かつ白金含有量が0.5〜1.2質量%である場合に、さらに良好な結果を示すものと考えられる。
以下、本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒と、その製造方法について概略構成を説明する。
担体となる酸化ジルコニウムの比表面積は、通常2〜90m/g程度であり、好ましくは10〜30m/g程度である。酸化ジルコニウムの結晶形は単斜晶が好ましいが、25質量%以下の正方晶や立方晶を含んでいても良い。
このような酸化ジルコニウムは、市販の触媒担体用酸化ジルコニウムをそのままでもよいし、あるいは空気などの酸化雰囲気下において500℃〜800℃で焼成するなどの方法により調製することができる。
なお、本実施形態において、比表面積とは窒素ガスの吸着量に基づいて比表面積を求めるBET法による値を言う。
また、本実施形態において結晶相含有比率とは、X線回折測定などの公知の方法により求めた値が適用できる。
イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子は、好ましくはその粒径が1〜10nm、より好ましくは2〜5nmとするのがよい。粒径が小さいと、表面積は大きくなるが、経時的な安定性が低下する場合がある。逆に粒径が大きすぎると、表面積が小さくなるため、活性が低下する。
また、個々の複合貴金属コロイド粒子のイリジウム/白金比はできるだけ揃っているほうが良く、複合貴金属コロイド粒子の中に、イリジウムに富む粒子と白金に富む粒子が存在する場合には、所望の性能が得られないことがある。
ここで、複合貴金属コロイド粒子との概念には、イリジウムの一次粒子と白金の一次粒子とがマトリックス状のクラスタを形成したコロイド粒子と、イリジウムと白金とが複合された状態で一次粒子を形成した単粒子で成るコロイドと、イリジウムと白金とが複合された状態で形成された一次粒子がクラスタを形成したコロイドとのいずれをも含む。
本例の複合貴金属コロイド溶液のようないわゆるナノコロイドの調製に関する先行文献では、塩化白金酸(ヘキサクロロ白金酸(IV))や塩化パラジウムなど塩化物系の貴金属化合物を貴金属原料として用いている例が多い。これに対し、本願発明者らは、イリジウム−白金系のメタン酸化触媒においては、塩化物系ではなく、硝酸イリジウムとジニトロジアンミン白金を用いると高活性が得られることを見出した。
また、ナノコロイドの調製に関する先行文献では、貴金属化合物の濃度が極めて低い溶液中で調製することが一般的であった。
これに対し、本願発明者らは、イリジウム−白金系のメタン酸化触媒においては、イリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を用いて調製すると高活性が得られることを見出した。また、イリジウム含有量が0.8〜2質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を用いて調製するとさらに高活性が得られることを見出した。とくに、イリジウム含有量が0.8〜2質量%かつ白金含有量が0.5〜1.2質量%の混合水溶液を用いて調製すると、含浸法で調製された触媒と比較して、より少ない貴金属量でも、高活性が得られることを見出した。
以下、本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法を詳述する。
本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒の製造方法では、まず硝酸イリジウム、ジニトロジアンミン白金、保護高分子および脂肪族アルコールを含み、イリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を調製し、これを加熱してイリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を調製する。
硝酸イリジウムは市販の硝酸イリジウム溶液を用いてもよく、水酸化イリジウムなど適当なイリジウム前駆体を硝酸に溶解して用いてもよい。ジニトロジアンミン白金は市販品を希硝酸に加熱溶解して用いればよい。
保護高分子としては、親水コロイドを形成する有機物、特に非イオン性水溶性ポリマーが好ましい。このような非イオン性水溶性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコールなどが含まれる。特にポリビニルピロリドンが好ましい。
脂肪族アルコールは、貴金属イオンの還元剤として作用する。脂肪族アルコールは水溶性であることが好ましい。特に炭素数が5以下程度であると適切な水溶性を有するため好ましい。
具体的な脂肪族アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどが含まれる。エタノールが特に好ましい。エタノールとしては、エタノールに対してたとえばメチルアルコール、アセトアルデヒド、ベンゼン、ピリジンなどを変性材として添加したいわゆる変性アルコールをも含む。
混合水溶液の調製は、沈殿を生じない限り、加える順序に制約はないが、硝酸イリジウムとジニトロジアンミン白金を含む硝酸酸性溶液を調製し、これとは別に保護高分子および脂肪族アルコールを含む水溶液を調製し、この2つの水溶液を静かに混合したのち、1時間程度よく撹拌してから、次の操作に入ることが好ましい。
混合水溶液に、さらに脂肪族アルコールとは別の還元性の添加物を添加してもよい。このような還元性の添加物としては、たとえばカルボン酸類、具体例としてはシュウ酸またはクエン酸が含まれる。これらは還元性があるので、複合貴金属コロイド粒子の生成が促進され、触媒活性の向上をもたらす。また、カルボン酸類は複合貴金属コロイド粒子の保護材としても機能するので、複合貴金属コロイド溶液を均一に分散した状態に維持することができる。
なお、本例においてカルボン酸類としては、例えば、グリコール酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、乳酸、コハク酸、酒石酸やこれらのうちから1種または2種以上の組み合わせも含まれる。
1時間程度よく撹拌したのち、混合水溶液を加熱する。加熱は、その手段を問わないが、通常は80〜90℃程度の水浴または油浴上で、磁気スターラーを用いてよく撹拌しながら行う。加熱温度が低すぎると、複合貴金属コロイド粒子の生成に時間を要し、加熱温度が高すぎると、複合貴金属コロイド粒子の粒子径が大きくなりすぎることがある。加熱時間は、加熱温度に依存するが、通常10分〜10時間、好ましくは1〜2時間程度である。
次いで、生成した複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体の表面に担持して配置する。
以下、酸化ジルコニウム担体の表面に担持するプロセスを具体的に説明する。
まず、複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液中に、酸化ジルコニウム担体を浸漬して酸化ジルコニウム担体表面に複合貴金属コロイド粒子を分子間力で付着(吸着)させて配置する。ついで、ろ過(液相流出)などの手段で固液分離する固液分離中間体を得る。ここで、固液分離中間体のうち、ろ過により得たものをろ過後触媒前駆体とする。
ついで、固液分離中間体を乾燥して酸化ジルコニウム担体の表面に複合貴金属微粒子が配置された溶液乾燥後触媒前駆体を得る。
さらに乾燥後触媒前駆体を焼成し、酸化ジルコニウム担体の表面に配置された複合貴金属微粒子を酸化ジルコニウム担体表面に固定して、複合貴金属微粒子が担持されたメタン酸化除去用触媒を得る。
ここで、配置するとの概念には、付着した状態と、担体の表面に付着状態が固定化された状態、担体の表面に相溶して存在する状態、などの、担体の表面に位置する概念を含む。
酸化ジルコニウム担体として粉体状のものを用いる場合には、固液分離法としてはろ過してろ過後触媒前駆体を得る方法を用いるのが良く、ペレット状に成型された酸化ジルコニウム、あるいはコージェライトなどの基材上にコートされた酸化ジルコニウムを用いる場合には、単に液切りするだけでも実質的にろ過と同じ操作が行われてろ過後触媒前駆体を得られる。この場合、濾液あるいは液切りした液中には、イリジウムおよび白金が残存する。このイリジウムおよび白金には、複合貴金属コロイド粒子を形成せずにイオン状態で存在するものと担体に吸着しなかった複合貴金属コロイド粒子とが含まれる。蒸発乾固法によれば、すべてのイリジウムおよび白金を担体に担持することができるが、後に示すように、このような方法で担持しても、活性の向上は小さく、また残液中の貴金属は適当な方法で回収利用できるので、蒸発乾固法によって担持することは経済的ではない。
ろ過後前駆体の乾燥および焼成は、空気または酸素と窒素などの不活性ガスとを適宜混合したガスなどの酸化性ガスの流通下において行う。
乾燥温度は80〜120℃程度とし、乾燥時間は1〜20時間程度とする。
安定して高い触媒活性を得るためには、焼成温度は、450〜650℃程度とするのが好ましく、500〜600℃程度とするのがより好ましい。焼成時間は、特に制限されないが、通常1〜50時間程度であり、好ましくは3〜20時間程度である。
焼成温度は、高すぎる場合には、担持された金属の粒成長が進んで高い活性が得られない。逆に、低すぎる場合には、焼成が十分に行われないので、メタン酸化除去用触媒の使用中に担持された金属粒子が粗大化して、安定した活性が得られないおそれがある。
本実施形態に係るメタン酸化除去用触媒は、ペレット状やハニカム状などの任意の形状に成型して用いても良く、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いてもよい。好ましくは、耐火性ハニカム上にウオッシュコートして用いる。
耐火性ハニカム上にウオッシュコートする場合には、粉体の酸化ジルコニウムを担体として、上記の方法で調製したメタン酸化除去用触媒の粉体をスラリー状にしてウオッシュコートしても良く、あるいは、あらかじめ酸化ジルコニウムを耐火性ハニカム上にウオッシュコートした後に、上記の手法に従って複合貴金属コロイド粒子を担持してもよい。
いずれの場合にも、必要に応じて、バインダーを添加することができる。好ましい一例として、酸化ジルコニウム担体にバインダー(例えば酸化ジルコニウムゾル)と適量の水および必要に応じて増粘剤を添加してスラリーを調製し、これを耐火性ハニカム上にコートして、乾燥した後650〜750℃で焼成することで、耐火性ハニカム上に酸化ジルコニウム層を形成し、これに複合貴金属コロイド粒子を担持する方法が挙げられる。
メタン酸化除去用触媒の比表面積は、通常2〜90m/g程度であり、好ましくは10〜30m/g程度である。触媒の比表面積が90m/gを超えると、使用中に担体の焼結が進行することにより触媒の耐久性が低下するおそれがある。一方、2m/g未満では、活性金属の分散が低下して十分な活性が得られないおそれがある。
本実施形態に係るメタン酸化触媒は、メタンおよび過剰の酸素を含むガス(被処理ガス)中のメタンの除去に効果的である。例えば、燃焼排ガス、炭鉱換気ガスや各種化学プロセスから放出されるガスに対して高い性能を発揮する。被処理ガス中には、メタンの他に、エタン、プロパンなどの低級炭化水素や一酸化炭素、含酸素化合物などの可燃性成分が含まれていても差し支えない。これらは、メタンに比して易分解性なので、メタン酸化除去方法により、メタンと同時に容易に酸化除去できる。
本実施形態に係るメタン酸化触媒は、耐硫黄性の高いイリジウム−白金を活性成分とするので、被処理ガス中に硫黄酸化物や硫化水素などの硫黄化合物を含む場合も、触媒活性が大きく低下することはない。体積基準で0.1〜30ppm程度の硫黄酸化物(二酸化硫黄、三酸化硫黄)や硫化水素が含まれていても、一定の活性を維持することができる。
以下、本発明の実施形態に係る実施例を、比較例と共に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に開示するメタン酸化除去用触媒のうち、触媒5〜8、触媒10、触媒12〜22、および触媒24,26,28〜30は、イリジウム前駆体として硝酸塩を用いたものである。その他はイリジウム前駆体として塩化物を用いたものである。
触媒1〜21、および29〜31は、酸化ジルコニウム担体を貴金属コロイド溶液に浸漬してから固液分離して乾燥、焼成して得たものである。これら触媒1〜21、29〜31が本発明の実施例である。
触媒22は、酸化ジルコニウム担体を貴金属コロイド溶液に浸漬してから蒸発乾固し、焼成して得たものである。触媒22は、本発明の比較例である。
触媒23〜28は、酸化ジルコニウム担体を、貴金属を含む水溶液に浸漬してから蒸発乾固し、焼成して得たものである。触媒23〜28は、本発明と対比される従来の技術であり、比較例である。
なお、これらメタン酸化除去用触媒の製造条件は表1に、メタン酸化除去用触媒および触媒活性等に係る物性などの評価値は別途記載する場合を除き、表2に一覧する。
Figure 2017100120
Figure 2017100120
〔触媒1〕
表1に示すように、塩化イリジウム(IV)酸塩酸溶液、塩化白金(IV)酸を用いて、4質量%のイリジウムと2.67質量%の白金を含む水溶液6g(Ir−Pt混合液)を調製した。このIr−Pt混合液のイリジウム/白金の質量比はIr4%−Pt2.67%である。つまり、このIr−Pt混合液中のイリジウム/白金の質量比は約1.5である。純水86gとエタノール(特級)100gを混合しこれにポリビニルピロリドン(PVP)K−30(和光特級)8gを溶解した(PVP−エタノール溶液)。Ir−Pt混合液とPVP−エタノール溶液とを混合して混合水溶液とし、スターラーで1時間撹拌してなじませた。
なじませた後この混合水溶液を、還流冷却管を付けたナス型フラスコに入れ、フラスコ内を不活性ガス(窒素)で置換したのち、85℃のオイルバスで1時間加熱還流し、イリジウムおよび白金からなる複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を調製した。本例では、複合貴金属コロイド溶液の色は、混合水溶液と比較してやや黒変する。
この複合貴金属コロイド溶液を常温(15〜30℃)付近まで冷却したのち、酸化ジルコニウム担体(日本電工社製「N−PC」を空気中600℃で6時間焼成、比表面積19.5m/g)8gを投入し、複合貴金属コロイド溶液と酸化ジルコニウム担体との分散液とし、1時間スターラーで撹拌した。
具体的に説明すると、まず、酸化ジルコニウム担体を複合貴金属コロイド溶液に投入することにより、酸化ジルコニウム担体を複合貴金属コロイド溶液に浸漬させている。すなわち、複合貴金属コロイド溶液を酸化ジルコニウム担体に接触させている。
そして、酸化ジルコニウム担体を浸漬した複合貴金属コロイド溶液を、複合貴金属コロイド粒子が酸化ジルコニウム担体の粒子表面に吸着(付着)可能な状態とするために、複合貴金属コロイド溶液と酸化ジルコニウム担体との分散液として調整している。
さらに複合貴金属コロイド粒子の酸化ジルコニウム担体の粒子表面への吸着を促進するために、当該分散液を、1時間スターラーで撹拌している。
その後、固液分離を行う固液分離法として分散液をろ過(液相流出)してろ過後触媒前駆体を得て、固液分離操作の後に残留した溶媒成分を除去するためにろ過後触媒前駆体を乾燥処理して乾燥後触媒前駆体を得て、酸素を含む雰囲気下(空気中)で、500℃で1時間焼成し、触媒1を得た。
なお、本実施形態においてろ過とは、液体成分(液相成分)のみを流出させて固体成分を得る固液分離法のことを言い、複合貴金属コロイド溶液と酸化ジルコニウム担体との分散液をろ過もしくは液きりして、液体成分(液相成分)のみを流出させて固体成分を得る固液分離法を含む。たとえば、いわゆるフィルタろ過、フィルタプレス、遠心ろ過のような、固体成分を含む分散液を、多孔質材や通液性の分離膜や布、金属金網などの媒体を用いて、液体成分のみを媒体を介して流出させる方法がその概念として含まれる。
表2に示すように蛍光X線分析の結果、触媒1のイリジウム担持量は0.26質量%、白金担持量は0.78質量%であった。すなわち、イリジウムおよび白金の合計の担持量(Ir+Pt)は、1.04質量%である。
複合貴金属コロイド溶液中のイリジウムおよび白金がすべて触媒1に担持されたと仮定した場合、イリジウムの担持量の推算値は3質量%、白金の担持量は2質量%となる。この推算値と比較するとイリジウムの担持量は1割程度、白金の担持量は4割程度にとどまったことになる。また、イリジウムと白金の担持量の比も、これらの仕込み量の比とは大きく異なり、イリジウム/白金の質量比(Ir/Pt)は0.33であった。
触媒1を打錠成型した後、成型体1.5g(約1.1mL)を石英製反応管(内径14mm)に充填した。次いで、メタン1000ppm(体積基準)、酸素10体積%、水蒸気10体積%および残部窒素からなる組成を有するガスを、2リットル/分(20℃、1気圧における体積)の流量で反応管に流通し、触媒層温度350℃、400℃、450℃および500℃におけるメタン転化率を測定した(昇温時の転化率)。反応前後のガス組成は、水素炎イオン化検知器および熱伝導度検出器を有するガスクロマトグラフにより測定した。その後、触媒層温度を450℃、400℃、350℃として、同様にメタン転化率を測定した(降温時の転化率)。いずれの触媒・反応条件でも、メタン濃度の減少に対応する二酸化炭素の生成が確認され、メタンは触媒上で完全酸化されていた。触媒1におけるメタン転化率は、400℃において13.8%(昇温時)および25.9%(降温時)、450℃において51.3%(昇温時)および57.4%(降温時)であった。
ここで、メタン転化率とは、以下の式によって求められる値である。
メタン転化率(%)=100×(1−(CH−OUT)/(CH−in))
式中、「CH−OUT」とは触媒層出口のメタン濃度を示し、「CH−in」とは触媒層入口のメタン濃度を示す。
〔触媒2〜4〕
PVP−エタノール溶液の配合量を表1に示す通り変えた他は、触媒1と同様にして、触媒2〜4を製造した。これらの触媒のイリジウムおよび白金担持量、並びにメタン転化率は表1に示す通りであった。ナノコロイドを調製する際の溶液におけるPVP−エタノール溶液の割合を減らし、溶液中のイリジウムおよび白金濃度を高めることで、イリジウムおよび白金の担持量が向上するとともに、メタン転化率もある程度向上したが、なお不十分な結果にとどまった。
〔触媒5〕
ジニトロジアンミン白金(Pt(NO(NH;白金60.5質量%含有)10gを20質量%硝酸50gに加熱溶解して、白金として10.1質量%を含有する硝酸酸性のジニトロジアンミン白金水溶液を得た。塩化イリジウム(IV)酸塩酸溶液に代えて硝酸イリジウム溶液を、塩化白金(IV)酸に代えて前記の硝酸酸性ジニトロジアンミン白金水溶液を用いた他は、触媒1と同様にして触媒5を得た。蛍光X線分析の結果、触媒5のイリジウム担持量は0.17質量%、白金担持量は0.15質量%であった。触媒5におけるメタン転化率は、表2に示すように400℃において6.7%(昇温時)および5.3%(降温時)にとどまった。
〔触媒6、7、および触媒8〕
PVP−エタノール溶液の配合量を表1に示す通り変えた他は、触媒5と同様にして、触媒6、7、8を製造した。これらのメタン酸化除去用触媒のイリジウムおよび白金担持量は表1に示す通りであった。溶液中のイリジウムおよび白金濃度を高めることで、イリジウムおよび白金の担持量が向上した。触媒8においては、イリジウム担持量0.55質量%、白金担持量0.48質量%と、担持量は仕込み値の2割程度に過ぎず、合計の担持量は触媒1と大差なかったが、メタン転化率は、400℃において39.7%(昇温時)および35.9%(降温時)となり、大きく改善された。これは、複合貴金属コロイド溶液におけるイリジウムと白金の比率が仕込み値に近く、適切な値に制御されたためと考えられる。
〔触媒9〕
混合水溶液に、シュウ酸1gを添加したほかは、触媒3と同様にして、触媒9を製造した。蛍光X線分析の結果、触媒9のイリジウム担持量は0.31質量%、白金担持量は0.63質量%であった。触媒3と比較すると、担持量もメタン転化率も低く、シュウ酸の添加は、触媒活性の向上はもたらさなかった。
〔触媒10〕
混合水溶液に、シュウ酸1gを添加したほかは、触媒8と同様にして、触媒10を製造した。蛍光X線分析の結果、触媒10のイリジウム担持量は0.86質量%、白金担持量は0.57質量%であった。メタン転化率は、400℃において55.8%(昇温時)および57.4%(降温時)となり、触媒8と比べて、大きく改善された。触媒9とは異なり、イリジウムおよび白金化合物として硝酸塩を用いた場合には、シュウ酸の添加による触媒活性の向上が見られた。
〔触媒11〕
混合水溶液に、クエン酸2gを添加したほかは、触媒3と同様にして、触媒11を製造した。蛍光X線分析の結果、触媒11のイリジウム担持量は0.35質量%、白金担持量は0.75質量%であった。メタン転化率は触媒3と同程度であった。
〔触媒12〕
混合水溶液に、クエン酸2gを添加したほかは、触媒8と同様にして、触媒12を製造した。蛍光X線分析の結果、触媒10のイリジウム担持量は0.82質量%、白金担持量は0.59質量%であった。メタン転化率は触媒8よりも向上した。
〔触媒13、14〕
PVP−エタノール溶液におけるPVP配合量を変えた他は触媒10と同様にして、触媒13、14を製造した。PVP配合量を低くすると、担持量およびメタン転化率はやや低下した。
〔触媒15、16〕
PVP−エタノール溶液におけるPVP配合量を変えた他は触媒8と同様にして、触媒15、16を製造した。PVP配合量を低くすると、担持量およびメタン転化率は向上した。触媒13、14とは異なる傾向であるが、シュウ酸の有無により、PVP配合比の効果が変化したものと考えられる。
〔触媒17〜19〕
PVP−エタノール溶液におけるPVP、純水、エタノールの配合量を減らすとともに、混合水溶液に、シュウ酸0.5gを添加した他は触媒8と同様にして、触媒17〜19を製造した。メタン転化率(降温時)は67.7〜73.8%と触媒8の35.9%と比較して大きく向上したが、これは、イリジウム担持量が1.14〜1.39質量%、白金担持量が0.76質量%〜0.90質量%と触媒8よりも大きく向上し、またイリジウム/白金の担持量の比も仕込み値の1.5に近づいたことによると推測される。
〔触媒20、21〕
シュウ酸添加量を0.25gまたは添加しないものとした他は触媒18と同様にして、触媒20、21を製造した。シュウ酸添加量を減らすと、メタン転化率は明らかに低下した。これは、シュウ酸がイリジウムおよび白金からなる複合貴金属コロイド粒子の形成と担体への担持において好適な作用をしていることを示している。
〔触媒22〕
複合貴金属コロイド溶液に酸化ジルコニウム担体を投入し1時間スターラーで撹拌した後のろ過(液相流出)、乾燥の工程に代えて、蒸発乾固を行った他は、触媒18と同様にして触媒22を製造した。メタン転化率(降温時)は77.6%と触媒18の73.8%に比べて向上は見られたが、イリジウムおよび白金担持量が触媒22の方が2倍以上あることを考慮すると、貴金属量当たりの活性は逆に大きく低下したと言える。これは、ろ過しても担体上に吸着して担持されている複合貴金属コロイド粒子と比較して、蒸発乾固で強制的に付着させたイリジウムおよび白金(ろ過した場合には担持されず、濾液に流出したはずのもの)の活性は極めて低いことを意味している。経済性を考えると、このように活性にあまり寄与しないイリジウムおよび白金はろ過して除き、廃貴金属溶液として回収、再利用するほうが好ましいと考えられる。
なお、本実施形態において蒸発乾固とは、複合貴金属コロイド溶液と酸化ジルコニウム担体との分散液から、液体成分を蒸発・揮散させて固体成分を得る方法を言い、ろ過や液きりのような固液分離法に該当する工程は含まない。
〔触媒23〜28〕
塩化イリジウム(IV)酸塩酸溶液および塩化白金(IV)酸を用いて貴金属を含む水溶液を調製し、この水溶液に酸化ジルコニウム担体(日本電工社製「N−PC」を空気中600℃で6時間焼成、比表面積19.5m/g)8gを投入して浸漬し、引き続いて蒸発乾固、乾燥、空気中500℃で1時間焼成する、いわゆる含浸法により約3質量%のイリジウムと約2質量%の白金を担持する触媒23を製造した。
また、塩化イリジウム(IV)酸塩酸溶液に代えて硝酸イリジウム溶液を、塩化白金(IV)酸に代えて硝酸酸性ジニトロジアンミン白金水溶液を用いた他は、触媒23と同様に含浸法で触媒24を製造した。
なお、触媒23〜28に係る実施形態において含浸法との概念には、固体成分である酸化ジルコニウム担体を上記水溶液に浸漬した後、さらに蒸発乾固する工程を含み、ろ過や液きりのような固液分離法に該当する工程は含まない。
触媒23および24と同様の方法で、担持量の水準をこれらの約6割とした触媒25、26を製造した。また、触媒23および24と同様の方法で、担持量の水準をこれらの約3割とした触媒27、28を製造した。
塩化物を用いて調製した場合に、最も高い活性が得られた(イリジウム3質量%−白金2質量%でメタン転化率は約81%)が、担持量の低下による活性の低下も顕著であった。これに対し、硝酸塩(硝酸イリジウムと硝酸酸性ジニトロジアンミン白金水溶液)を用いた場合、イリジウム3質量%−白金2質量%の担持量では、塩化物には及ばないものの、低担持量でもある程度活性が得られた。しかし、担持量3割の水準でのメタン転化率(触媒28、降温時53.9%)および担持量6割の水準でのメタン転化率(触媒26、降温時67.3%)を基準に、本実施例の方法による触媒を比較すると、触媒10は、触媒28よりも少ない担持量で、より高いメタン転化率を示しているほか、触媒17〜19も、触媒26よりも少ない担持量で、より高いメタン転化率を示している。
〔触媒29、30〕
シュウ酸0.5gに代えて、クエン酸1gまたは2gを添加した他は触媒18と同様にして、触媒29、30を製造した。いずれも触媒18とほぼ同等の担持量およびメタン転化率を示した。
〔触媒31〕
Ir−Pt混合液中のIr含有量を5質量%に、Pt含有量を1.67質量%に変えて、Ir−Pt混合液中のイリジウム/白金の質量比を約3.0とした他は触媒4と同様にして、触媒31を製造した。Ir担持量は1.10質量%、Pt担持量は0.87質量%となって、イリジウム/白金の質量比は1を超えた。
触媒31のメタン転化率(降温時)は64.7%となって、触媒4の37.3%と比較すると大きく向上した。
イリジウム前駆体として塩化物を用いてIr−Pt混合液を調製した場合、イリジウム前駆体として硝酸塩を用いてIr−Pt混合液を調製した場合に比べて、イリジウムよりも白金が相対的に担持されやすい傾向がある。
そのため、イリジウム前駆体として塩化物を用いてIr−Pt混合液を調製して触媒を製造する場合、イリジウム前駆体として硝酸塩を用いてIr−Pt混合液を調製して触媒を製造する場合に比べて、当該Ir−Pt混合液中のイリジウムの質量比を大きくするとよい。
本実施例の場合にはたとえば、Ir−Pt混合液中のイリジウム/白金の質量比を2〜4程度に設定することにより、担持されたイリジウム/白金の質量比を好ましい範囲である1〜2に調製することができる。その結果、メタン転化率を向上することができる。
図1に、本実施例の触媒8、10、12〜21、29〜31のメタン酸化除去用触媒と比較例による触媒23〜28のメタン酸化除去用触媒について、イリジウムと白金との合計の担持量を横軸として、縦軸にメタン転化率(降温時、400℃)をプロットした。なお、貴金属を担持しない触媒(すなわち酸化ジルコニウム担体のみ)では、この条件ではメタンの酸化反応は実質的に起こらないため、担持量と活性の関係を示す曲線を原点を通るように描いている。含浸法により調製された比較例のメタン酸化除去用触媒に対して、本実施例のメタン酸化除去用触媒が、単位貴金属担持量あたりのメタンの転化率が高く、被処理ガスに対して高い除去率が得られており、より少ない貴金属量で高い活性を示すことが明らかである。なお、本実施形態の場合には、メタンの転化率は、被処理ガスにおけるメタンの除去率と同義である。
上記結果を総括する。
本実施例に係るメタン酸化除去用触媒はいずれもメタン分解能を発揮した。
表1、2および図1によれば、イリジウムおよび白金の合計の担持量が酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜5質量%であり、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1〜2である場合に、本実施例に係るメタン酸化除去用触媒は高いメタン分解能を発揮し、単位貴金属担持量あたりの触媒活性として良好な活性を得られることが分かった。
また、イリジウムおよび白金の合計の担持量が酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%である場合に、より優れた触媒活性を得られる。さらに言えば、イリジウムおよび白金の合計の担持量が酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜2.5質量%である場合には特に優れた触媒活性が得られる。
さらに、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1.1〜1.7である場合に、より優れた触媒活性を得られる。特に、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1.3〜1.6である場合に、より優れた触媒活性を得られる。
また、本実施例に係るメタン酸化除去用触媒、即ち、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持することによって、イリジウムおよび白金が当該酸化ジルコニウム担体に担持されてなるものが優れている。
そして、当該担持方法としては、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を調整し、当該複合貴金属コロイド溶液に酸化ジルコニウム担体を浸漬(すなわち、酸化ジルコニウム担体に当該複合貴金属コロイド溶液を接触)させて、複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に吸着させたのち、当該複合貴金属コロイド溶液の液体成分を流出させて固液分離して複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持する場合が優れている。
特に、硝酸イリジウム、ジニトロジアンミン白金、保護高分子および脂肪族アルコールを含む混合水溶液を調製し、この混合水溶液を加熱して複合貴金属コロイド粒子を調製(すなわち、複合貴金属コロイド溶液を調整)し、複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液に酸化ジルコニウム担体を浸漬し、固液分離したのち、乾燥、焼成して、イリジウムおよび白金を酸化ジルコニウム担体に担持されてなるメタン酸化物触媒が優れている。
また、本実施例に係るメタン酸化除去用触媒の製造条件は、混合水溶液のイリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%である場合に、より良好な結果を示した。特に、混合水溶液のイリジウム含有量が0.8〜2質量%かつ白金含有量が0.5〜1.2質量%である場合に、さらに良好な結果を示した。
また、混合水溶液にカルボン酸としてシュウ酸またはクエン酸を含む場合に、さらに良好な触媒活性を示すことがわかった。
従来、酸化ジルコニウム担体にイリジウムおよび白金を担持してなる触媒をコロイド法で調製する方法は未確立である上に、従来のコロイド法における触媒調製それ自体も、実用的には多くの課題を抱えていた。
特に酸化ジルコニウム担体にイリジウムおよび白金を担持してなる触媒をコロイド法で調製して製造する場合に多くの課題があった。
例えば非特許文献5の方法に従う場合、3質量%のイリジウムと2質量%の白金を酸化ジルコニウム担体に担持した触媒100gの調製に適用しようとするなら、担持金属の質量は5gであるから、その1万倍すなわち50kgの溶液を加熱還流しなければならなかった。
また、従来法である含浸法で調製して製造された触媒よりも高活性な触媒を得られるかどうかについて何らの知見も得られていなかった。
しかし、本実施例で開示したように、酸化ジルコニウム担体にイリジウムおよび白金を担持してなる触媒においても、イリジウムと白金とが複合化した複合貴金属コロイドを調製し、これを酸化ジルコニウム担体に担持することで、担持金属粒子の粒径や、担持金属粒子内でのイリジウムおよび白金の存在状態を制御して、より高活性な触媒を得ることができた。
メタンおよび酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中のメタンの酸化除去する場合に、単位貴金属担持量に対して高いメタン分解能を発揮するメタン酸化除去用触媒の製造方法およびメタン酸化除去用触媒を提供することができる。

Claims (7)

  1. メタンおよび前記メタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中の前記メタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒の製造方法であって、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を含む複合貴金属コロイド溶液を酸化ジルコニウム担体に接触させて、前記複合貴金属コロイド粒子を前記酸化ジルコニウム担体に吸着させたのち、当該複合貴金属コロイド溶液の液相を流出させて固液分離することにより前記複合貴金属コロイド粒子を前記酸化ジルコニウム担体に担持するメタン酸化除去用触媒の製造方法。
  2. イリジウムおよび白金の合計の担持量を前記酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%とし、イリジウムと白金の担持量の比をイリジウム/白金の質量比で1〜2とする請求項1に記載のメタン酸化除去用触媒の製造方法。
  3. 硝酸イリジウム、ジニトロジアンミン白金、保護高分子および脂肪族アルコールを含み、イリジウム含有量が0.8〜3質量%かつ白金含有量が0.5〜2質量%の混合水溶液を調製し、
    前記混合水溶液を加熱して前記複合貴金属コロイド溶液を調製し、当該複合貴金属コロイド溶液に前記酸化ジルコニウム担体を浸漬し、固液分離したのち、乾燥、焼成する請求項1または2に記載のメタン酸化除去用触媒の製造方法。
  4. 前記保護高分子がポリビニルピロリドンであり、前記脂肪族アルコールがエタノールである請求項3に記載のメタン酸化除去用触媒の製造方法。
  5. 前記混合水溶液が、さらにシュウ酸またはクエン酸を含む請求項3または4に記載のメタン酸化除去用触媒の製造方法。
  6. メタンおよび前記メタンの酸化当量以上の酸素を含む被処理ガス中の前記メタンを酸化除去するためのメタン酸化除去用触媒であって、イリジウムおよび白金の複合貴金属コロイド粒子を酸化ジルコニウム担体に担持することにより、イリジウムおよび白金が前記酸化ジルコニウム担体に担持されてなるメタン酸化除去用触媒。
  7. イリジウムおよび白金の合計の担持量が前記酸化ジルコニウム担体に対する質量比で0.9〜3質量%であり、イリジウムと白金の担持量の比がイリジウム/白金の質量比で1〜2である請求項6に記載のメタン酸化除去用触媒。
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