JP2017099874A - 調節眼内レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】水晶体嚢の僅かな動きにより焦点調節機能を効果的に発現させることができる調節眼内レンズを提供する。【解決手段】 ディバイス10と、水晶体嚢拡張ディバイス10の内部に設けられる規制部材20と、規制部材20の内部に設けられ、弾性変形する光学部30とから構成される。規制部材20は、光学部30の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部21と、光学部20の後方に配置される後方規制部22と、前方規制部21と後方規制部22を連結する複数の規制部材用連結部23とを備える。光学部30は、中央部31aが前方規制部21の開口部21aから露出するとともに、周縁部32が互いに隣接する規制部材用連結部23の間から露出し、露出した周縁部32がディバイス10の連結部13に係止される。【選択図】図1

Description

本発明は、白内障手術、屈折矯正手術あるいは老視矯正手術として行われる水晶体嚢外摘出手術のような眼科手術において前嚢切開された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズに関するものである。
通常、人の眼の焦点調節(以下、調節という)は、水晶体の厚みを変化させることによって行われている。
水晶体Lは、図15に示すように、直径が約9〜10mm、厚みが約4〜5mmの凸形状をした透明なレンズであり、虹彩Iの後方において透明な水晶体嚢Sに包まれた状態でチン小帯Zを介して毛様体Cに固定され、調節時に毛様体Cの動きに応じて、主に水晶体L前面の曲率を変化させることにより焦点を調節している。
具体的な調節のメカニズムを説明すると、例えば遠方を見る場合では、図15(a)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは弛緩しており、毛様体Cが水晶体嚢Sから離間する方向に引っ込んだ位置にある。この状態であることにより、毛様体Cと水晶体嚢赤道部Seの間に位置するチン小帯Zには比較的強い張力が生じる。このことによって、水晶体嚢赤道部Seは径方向外側に引っ張られるため、これに伴って水晶体嚢S内の水晶体Lの前面の曲率が小さくなることによって、遠方視時における焦点調整を行っている。
一方、近くの物を見るように調節努力すると、図15(b)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは収縮して毛様体Cが求心性(水晶体嚢赤道部Se方向)に突出し、毛様体Cが水晶体嚢Sに近接する方向に位置する。これによりチン小帯Zの張力が弱まるため、水晶体Lが本来持つ弾力性により前面の曲率が大きくなることによって、近方視時における焦点調整を行っている。なお、この焦点調節時において、水晶体前嚢Sfの中央に近いほどよく動き、水晶体後嚢Sbはほとんど動かないことがわかっている。
このように毛様体Cの毛様体筋Cmが収縮および弛緩することに応じて、主に水晶体Lの前面の曲率を変化させ、眼に入る光を屈折させることによって焦点調節を行っている。なお、この調節のメカニズムにおいて、毛様体Cの毛様体筋Cmによる収縮機能および弛緩機能は、高齢になっても比較的よく保たれていることがわかっているが、その一方で水晶体Lの内容物である皮質や核は高齢になると硬化して柔軟性が失われ、水晶体Lの前面の曲率が変化しにくくなるため、遠方視時から近方視時にかけて随意に焦点を調節する力が失われてしまうこと(これを老視という)がわかっている。
ところで、上記水晶体Lに生じる病気には、主に加齢が原因となって混濁する白内障という病気があり、多くの患者がこの白内障を治療するための白内障手術を受けている。この手術は、通常前嚢Sfに円形状の孔を切開して、そこから超音波水晶体乳化吸引術により混濁した水晶体の内容物を摘出し、切開した状態の透明な水晶体嚢Sだけを残してこの水晶体嚢S内に眼内レンズを挿入するという方法が適用されている。この方法による白内障手術は、現在日本で年間100万人以上、米国で年間300万人以上の患者に対して施されており、ここに用いられる眼内レンズには特許文献1に示す調節眼内レンズが知られている。
この特許文献1の調節眼内レンズは、白内障手術等において内容物が除去された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズであって、水晶体嚢拡張ディバイスと、弾性変形する光学部とから構成される。この水晶体嚢拡張ディバイスは、前嚢の内面に接する態様で設けられ、後方側に光を通過させる前方支持部と、前記前方支持部の後方側において該前方支持部と対向しながら後嚢の内面に接する態様で設けられ、前方側からの光を後方側に通過させる後方支持部と、前記前方支持部と前記後方支持部を離間させる方向に付勢力を有する態様で前記前方支持部と前記後方支持部とを連結する連結部とを備える。そして、前記連結部の付勢力により、前記前方支持部が前嚢の内面を押圧するとともに、前記後方支持部が後嚢の内面を押圧し、前記光学部は、前記水晶体嚢拡張ディバイスの前記連結部に周囲を囲まれる態様で前記連結部に直接的または間接的に係止され、水晶体嚢の動きにより前記前方支持部と前記後方支持部の近接離間方向に移動するときの前記連結部の動きに応じて、前記連結部から直接的または間接的に力が作用して光学部の曲率が変化する。
特願2013−257870号
しかしながら、従来の調節眼内レンズは、実用的な焦点調節機能を発現するものの、レンズの光学部が弱い力で光学特性良く変形して、若い時の眼と同様の高度で旺盛な焦点調節機能を発現させにくかった。このため、毛様体筋の収縮や弛緩という弱い力でひき起こされる水晶体嚢の微小な動きにより調節眼内レンズの焦点調節機能を一層効果的に発現させ、調節眼内レンズの焦点調節機能をより若い時の自然な状態の眼に近付ける技術が切望されていた。
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、焦点調節機能を効果的に発現させることができる調節眼内レンズを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、眼科手術において内容物が除去された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズであって、水晶体嚢拡張ディバイスと、該水晶体嚢拡張ディバイスの内部に設けられる規制部材と、該規制部材の内部に設けられ、弾性変形する光学部とから構成される。前記水晶体嚢拡張ディバイスは、前嚢の内面に接する態様で設けられる前方支持部と、前記前方支持部の後方側において該前方支持部と対向しながら後嚢の内面に接する態様で設けられる後方支持部と、前記前方支持部と前記後方支持部を離間させる方向に付勢力を有する態様で前記前方支持部と前記後方支持部を連結する連結部とを備える。また、前記規制部材は、前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、前記光学部の後方に配置される後方規制部と、前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部とを備える。また、前記光学部は、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から露出し、露出した前記周縁部が前記水晶体嚢拡張ディバイスの前記連結部に係止されている。
これによれば、水晶体嚢拡張ディバイスの連結部の付勢力により、前方支持部が前嚢の内面を押圧するとともに、後方支持部が後嚢の内面を押圧することによって、水晶体嚢赤道部の周辺部分が前後方向に伸展拡張しようとして水晶体嚢赤道部が広がると同時に、水晶体嚢赤道部が求心性に移動して、水晶体嚢赤道部の径が縮まる。これによりチン小帯は水晶体嚢側と毛様体側の両方向に引っ張られ、チン小帯に適度な強さの緊張が持続的に付与され、その結果、水晶体嚢に適度な緊張が付与される。このため、チン小帯が毛様体の毛様体筋の僅かな収縮および弛緩を水晶体嚢に精度良く伝達することができる。
また、近方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が離間方向に移動するときの前記連結部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢拡張ディバイスの連結部により径方向内側に押圧されることにより、前記光学部が前後方向に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部の周縁部が規制部材により前後方向および/または径方向の変形を規制されるため、光学部の中央部が前方規制部の開口部から前方に大きく膨出し、前記光学部の中央部の曲率を効果的に増大させることができる。
一方、遠方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が近接方向に移動するときの連結部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢拡張ディバイスの連結部により径方向内側に押圧されなくなることにより、前記光学部が自己の弾性力により径方向に膨らむ態様で変形しようとする。このとき、光学部が元の形状まで復元するため、光学部の中央部が前方規制部の開口部まで後方に大きく後退し、前記光学部の中央部の曲率を効果的に減少させることができる。
また、前記水晶体嚢拡張ディバイスは、前記連結部に前記前方支持部および前記後方支持部の径方向外側に広がる態様で曲がる屈曲部が形成され、前記光学部は、露出した前記周縁部が前記連結部の屈曲部に係止されるのが好ましい。これによれば、光学部の周縁部が連結部の屈曲部から径方向内側に押圧されるため、光学部が光学特性良く効果的に変形することができる。
また、前記光学部は、前記規制部材の前方規制部および後方規制部よりも径大に形成されているのが好ましい。この場合、前記光学部は、前記規制部材の規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出してもよい。あるいはまた、前記光学部は、周縁部において径方向外側に突出する突出部が周方向に沿って複数設けられ、各突出部が前記規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出してもよい。これによれば、光学部の周縁部が規制部材用連結部の間から露出する面積が大きくなるため、規制部材用連結部の間から露出した前記光学部の前記周縁部が前記連結部により径方向内側に押圧され易くなる。
また、前記光学部は、5〜250μmの厚みの弾性膜で形成され、内部に流動性物質が充填されているのが好ましい。これによれば、光学部の周縁部は局所的な歪みが少なくなって、周縁部が全体的に均一に変形し易くなり、それに伴って光学部の中央部も均一に変形し易くなる。
また、前記光学部は、周縁部が50〜250μmの厚み、中央部が5〜100μmの厚みの弾性膜で形成されてもよい。これによれば、光学部の周縁部は厚く、かつ光学部の中央部は薄く形成されることにより、光学部の中央部が変形し易くなるため、光学部が光学特性良く効果的に変形することができる。
また、前記光学部は、周縁部が50〜250μmの厚み、前方の中央部が5〜100μmの厚み、後方の中央部が100〜250μmの厚みの弾性膜で形成されてもよい。これによれば、光学部は前方の中央部が薄く、かつ後方の中央部が厚く形成されるため、光学部の中央部が前方に変形しやすく後方に変形しにくい人眼水晶体を疑似的に再現することができる。
また、前記光学部は、周縁部の内面において内側に向かって膨らむ態様の膨隆部が形成されてもよい。これによれば、光学部が変形するときに、膨隆部の付近において光学部の周縁部がくびれ易くなり、それに伴って光学部の中央部が前方規制部の開口部から前方に膨出し易くなる。
また、前記光学部は、前方および/または後方の中央部が周縁部と別体に構成されてもよい。これによれば、前方および/または後方の中央部を薄い弾性膜とする一方、その他の部分を厚い弾性膜として別々に形成し得るため、各部の厚みが異なる光学部を容易に製造することができる。
また、前記光学部は、後方の中央部に患者の症例に合わせた屈折力を有する凸レンズが設けられてもよい。これによれば、凸レンズにより光学部の中央部が後方に変形しにくくなるため、調節時に光学部の中央部が前方に変形しやすく後方に変形しにくい人眼水晶体を疑似的に再現することができる。また、光学部における凸レンズの度数を変更することにより、患者の状態に合わせて光学部の屈折力を容易に変更することができる。
また、前記規制部材は、前記前方規制部と前記後方規制部の間において複数の第2の規制部材用連結部が周方向に沿って設けられているのが好ましい。これによれば、第2の規制部材用連結部により前方規制部と後方規制部の前後方向の移動が規制される。このため、近方視の際、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢拡張ディバイスの連結部により径方向内側に押圧されることにより、光学部の内部の流動性物質が光学部の周縁部から第2の規制部材用連結の間を通って中央部に確実に流入するため、光学部の中央部は前方規制部の開口部から前方に均一に膨出することができる。一方、遠方視の際、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢拡張ディバイスの連結部により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部の内部の流動性物質が光学部の中央部から第2の規制部材用連結部の間を通って周縁部に流入するため、光学部の中央部は前方規制部の開口部まで均一に後退することができる。
また、本発明に係る調節眼内レンズ用規制部材は、前記調節眼内レンズに用いられる調節眼内レンズ用規制部材であって、前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、前記光学部の後方に配置される後方規制部と、前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部を備えることを特徴とする。
また、この調節眼内レンズ用規制部材は、内部に前記光学部が設けられ、前記光学部は、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から露出していてもよい。
また、本発明は、眼科手術において内容物が除去された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズであって、水晶体嚢拡張ディバイスと、該水晶体嚢拡張ディバイスの内部に設けられる規制部材と、該規制部材の内部に設けられ、弾性変形する光学部とから構成され、前記水晶体嚢拡張ディバイスは、前嚢の内面に接する態様で設けられる前方支持部と、前記前方支持部の後方側において該前方支持部と対向しながら後嚢の内面に接する態様で設けられる後方支持部と、前記前方支持部と前記後方支持部を離間させる方向に付勢力を有する態様で前記前方支持部と前記後方支持部を連結する連結部とを備え、前記規制部材は、前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、前記光学部の後方に配置される後方規制部と、前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部とを備え、前記光学部は、周縁部において径方向外側に突出する突出部が周方向に沿って複数設けられ、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部の各突出部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出し、露出した前記突出部が水晶体嚢赤道部に係止されていることを特徴とする。
これによれば、連結部の付勢力により、前方支持部が前嚢の内面を押圧するとともに、後方支持部が後嚢の内面を押圧することによって、水晶体嚢赤道部の周辺部分が前後方向に伸展拡張しようとして水晶体嚢赤道部が広がると同時に、水晶体嚢赤道部が求心性に移動して、水晶体嚢赤道部の径が縮まる。これによりチン小帯は水晶体嚢側と毛様体側の両方向に引っ張られ、チン小帯に適度な強さの緊張が持続的に付与され、その結果、水晶体嚢に適度な緊張が付与される。このため、チン小帯が毛様体の毛様体筋の僅かな収縮および弛緩を水晶体嚢に精度良く伝達することができる。
また、近方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が離間方向に移動するときの水晶体嚢赤道部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の突出部が水晶体嚢赤道部により径方向内側に押圧されることにより、前記光学部が前後方向に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部の周縁部が規制部材により前後方向および/または径方向の変形を規制されるため、光学部の中央部が前方規制部の開口部から前方に大きく膨出し、前記光学部の中央部の曲率を凸レンズとして光学特性良く効果的に増大させることができる。
一方、遠方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が近接方向に移動するときの水晶体嚢赤道部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の突出部が水晶体嚢赤道部により径方向内側に押圧されなくなることにより、前記光学部が自己の弾性力により径方向に膨らむ態様で変形しようとする。このとき、光学部が元の形状まで復元するため、光学部の中央部が前方規制部の開口部まで後方に大きく後退し、前記光学部の中央部の曲率を効果的に減少させることができる。
本発明によれば、連結部の付勢力により前方支持部が前嚢の内面を押圧するとともに後方支持部が後嚢の内面を押圧することによって、チン小帯に適度な強さの緊張が持続的に付与され、その結果、水晶体嚢に適度な緊張が付与される。このため、チン小帯が毛様体の毛様体筋の僅かな収縮および弛緩を水晶体嚢に精度良く伝達し、水晶体嚢が変形することができる。
また、近方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が離間方向に移動するときの連結部または水晶体嚢赤道部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢ディバイスの連結部または水晶体嚢赤道部により径方向内側に押圧されることにより、前記光学部が前後方向外側に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部の周縁部が規制部材により前後方向および/または径方向の移動を規制されているため、光学部の中央部が前方規制部の開口部から前方に大きく膨出し、前記光学部の中央部の曲率を効果的に増大することができる。
一方、遠方視の際、水晶体嚢の動きにより前方支持部と後方支持部が近接方向に移動するときの連結部または水晶体嚢赤道部の動きに応じて、規制部材用連結部の間から露出した光学部の周縁部が水晶体嚢ディバイスの連結部または水晶体嚢赤道部により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部が自己の弾性力により径方向外側に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部が本来有する形状まで復元することにより規制部材による周縁部の規制が低下するため、光学部の中央部が前方規制部の開口部まで後方に大きく後退し、光学部の中央部の曲率を効果的に減少することができる。
したがって、水晶体嚢に適度な緊張が付与され、水晶体嚢が柔軟性を保って変形可能な状態のもと、毛様体の毛様体筋の僅かな収縮および弛緩がチン小帯を介して水晶体嚢に精度良く伝達され、近方視・遠方視のいずれの際も、水晶体嚢の僅かな動きにより前記光学部が凸レンズとして光学特性良く変化することができる。よって、調節眼内レンズの焦点調節機能を効果的に発現させることができるため、調節眼内レンズの焦点調節機能をより若い時の自然な状態の眼に近付けることが可能となる。
第1の実施形態に係る調節眼内レンズを示す縦断面図である。 水晶体嚢拡張ディバイスを示す(a)平面図、(b)縦断面図である。 光学部が設けられた規制部材を示す(a)平面図、(b)縦断面図、(c)側面図である。 調節眼内レンズの動作を示す縦断面図である。 図1の光学部の変形例を示す縦断面図である。 第2の実施形態に係る調節眼内レンズにおける光学部が設けられた規制部材を示す平面図である。 図6の光学部の変形例を示す平面図である。 第3の実施形態に係る調節眼内レンズにおける光学部を示す縦断面図である。 第4の実施形態に係る調節眼内レンズを示す(a)平面図、(b)縦断面図である。 図9の調節眼内レンズにおける光学部が設けられた規制部材を示す平面図である。 第5の実施形態に係る調節眼内レンズを示す平面図である。 第6の実施形態に係る調節眼内レンズにおける光学部が設けられた規制部材を示す平面図である。 図12のXIII−XIII断面における光学部が設けられた規制部材を示す縦断面図である。 第7の実施形態に係る調節眼内レンズにおける光学部が設けられた規制部材を示す平面図である。 人の眼における焦点調節時の動きを示す側面図である。
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第1の実施形態について図1〜図4を参照しつつ説明する。
この調節眼内レンズ1は、図1に示すように、水晶体嚢拡張ディバイス(以下、ディバイス10という)と、ディバイス10の内部に設けられる規制部材20と、規制部材20の内部に設けられる光学部30を備えている。なお、図面中に示す矢印Aが指す方向を前方、その反対方向を後方として以下説明する。
[ディバイスの構成]
前記ディバイス10は、図2に示すように、白内障手術、屈折矯正手術あるいは老視矯正手術として行われる水晶体嚢外摘出手術のような眼科手術において前嚢Sfが切開された水晶体嚢S内に設置されるものである。このディバイス10は、図1に示すように、水晶体嚢S内の前方側に位置する前方支持部11と、水晶体嚢S内の後方側に位置する後方支持部12と、前方支持部11と後方支持部12を連結する連結部13とを備えている。 前記前方支持部11は、中央に開口部11aが形成された環状の弾性部材である。この前方支持部11は、前面側において内周縁部11cから外周縁部11dに向かうに連れて次第に後方側に傾斜する傾斜面11bを有している。このため前方支持部11は、白内障手術等において水晶体嚢Sの前嚢Sfの内面に接する態様で設けられた際、傾斜面11bにより前嚢Sfへの接触負荷を軽減することができる。また、前方支持部11は弾性素材からなるため、前嚢Sfから受ける力に応じて多少変形し、前方支持部11と前嚢Sfにおける接触負荷をより軽減することができる。
また、前記前方支持部11は、一般的な水晶体の直径が約9〜10.5mmで、厚みが約3.5〜6.0mmであることに基づいて、外周縁部11dの直径が7.5mm、開口部11a(内周縁部11c)の直径が5.0mm、前嚢Sfと接する傾斜面11bの幅が1.5mmで、厚みが0.2〜0.6mmに形成されている。
また、前方支持部11は、前面において内周縁部11cから外周縁部11dまで径方向に延びる溝11eと、全周に亘って周方向に延びる溝11fが設けられている。このように溝11e,11fが設けられたことにより、前房水が内周縁部11cから内周縁側の溝11eを通って溝11fに流入して水晶体嚢Sの前嚢Sfに接した後、外周縁側の溝11eを通って外周縁部11dから流出することにより、水晶体嚢Sの前嚢Sfに残留する水晶体上皮細胞から分泌され、水晶体上皮細胞の増殖を促すサイトカイン等の化学伝達物質を洗い流すことができる。
また、前記前方支持部11は、径方向外側に突出して延びる6個の前方ウイング部11gを備え、各前方ウイング部11gが前方支持部11の周方向に沿って互いに所定間隔を空けて設けられている。これら前方ウイング部11gは、先端に向かうに従って厚みが薄くなるよう形成されているため、先端に向かうに従い湾曲の度合を大きくしながら、前嚢Sfの外側部を前方に柔らかく押圧することができる。また、前方ウイング部11gは、前面に前方支持部11の周方向に延びる溝11hが設けられているため、前房水が溝11hに流入し水晶体嚢Sの前嚢Sfの外側部に接することにより、水晶体嚢Sの前嚢Sfの外側部に残留する水晶体上皮細胞から分泌され、水晶体上皮細胞の増殖を促すサイトカイン等の化学伝達物質を洗い流すことができる。
前記後方支持部12は、図2に示すように、前方支持部11と同様に、中央に開口部12aが形成された環状の弾性部材であり、前方支持部11の後方側において前方支持部11と平行に対向する態様で配置されている。この後方支持部12は、後面側に内周縁部12cから外周縁部12dに向かうに連れて次第に前方側に傾斜する傾斜面12bを有している。このため後方支持部12は、水晶体嚢Sの後嚢Sbの内面に接する態様で設けられた際、傾斜面12bにより後嚢Sbへの接触負荷を軽減することができる。また、後方支持部12は弾性素材からなるため、後嚢Sbから受ける力に応じて多少変形し、後方支持部12と後嚢Sbにおける接触負荷をより軽減することができる。
また、前記後方支持部12は、一般的な水晶体の大きさに基づいて、外周縁の直径が7.0mm、開口部12a(内周縁)の直径が5.0mm、後嚢Sbとの接する傾斜面12bの幅が2.0mm、厚みが内周縁から外周縁に向かって0.9mm〜0.4mmで形成されている。このように、後方支持部12は前方支持部11より幅を大きく設定されることにより、前方支持部11が前嚢Sfと接触するよりも後方支持部12が後嚢Sbと広く接触するため、水晶体嚢S内において後方支持部12を安定して配置することができる。なお、後方支持部12の厚みは、内周縁部12cから外周縁部12dに向かって次第に薄くなる態様で形成されるのが好ましい。
また、前記後方支持部12は、図2に示すように、径方向外側に突出して延びる6個の後方ウイング部12eを備え、各後方ウイング部12eは後方支持部12の周方向に沿って互いに所定間隔を空けて設けられている。
前記連結部13は、図2に示すように、前方支持部11および後方支持部12の周方向に沿って互いに所定間隔を空けて設けられた6個の連結片131からなる。この連結片131は、合成樹脂等の弾性素材からなる薄い板状部材であり、一方端部が前方支持部11の後面側に直交方向またはやや径方向外側に向かう態様で固定されているとともに、他方端部が後方支持部12の前面側に直交方向またはやや径方向外側に向かう態様で固定されている。
また、前記連結部13は、連結片131が弾性変形していない自然な状態では、前方支持部11と後方支持部12を所定間隔で連結する。この所定間隔は、本ディバイス10が水晶体嚢S内に設置されたときに連結片131が僅かに曲がることができる程度の長さである。
また、前記連結部13は、前方支持部11および後方支持部12が互いに近接する方向に移動した場合、前方支持部11および後方支持部12の径方向外側に広がる態様で曲がる。このため、ディバイス10が水晶体嚢S内に設置された際には、連結片131が径方向外側に曲がった状態となり、そのときに生じる元に戻ろうとする弾性力を利用して、前方支持部11と後方支持部12を離間させる方向に付勢する。よって、この連結部13は、複数の連結片131の付勢力により、全周に亘って効率的に前嚢Sfと後嚢Sbを前後方向に伸展拡張して水晶体嚢赤道部Seを広げると同時に、水晶体嚢赤道部Seを求心性に移動させ、チン小帯Zおよび水晶体嚢Sに適度な強さの緊張を与えることができる。
また、前記連結部13は、前方支持部11および後方支持部12の径方向外側に広がる態様で連結片131が屈曲するための屈曲部132が予め形成されている。このため、後述するように前方支持部11と後方支持部12が近接方向に移動した場合、この屈曲部132に基づいて連結部13が径方向外側に広がる態様で確実に曲がることができる。
なお、本実施形態では、屈曲部132は、U字状またはV字状に形成されているため、後述するように光学部30を前後方向から確実に係止することができる。
これら各屈曲部132は、前方支持部11と後方支持部12が近接方向に移動することにより連結部13の径方向外側に広がる度合いが大きくなると、径方向において互いに離間する方向に移動して、対向する屈曲部132間の距離が長くなる。一方、各屈曲部132は、前方支持部11と後方支持部12が離間方向に移動することにより連結部13の径方向外側に広がる度合いが小さくなると、径方向において互いに近接する方向に移動して、対向する屈曲部132間の距離が短くなる。
また、本実施形態では、ディバイス10は、図1に示すように、後方支持部12の開口部12aに凸レンズ40が嵌め込まれている。これによれば、光学部30は主に調節力を得る目的で使用し、後方支持部12に設けられた凸レンズ40は患者の症状の合わせた屈折力を得る目的で使用することができる。
[規制部材の構成]
前記規制部材20は、図3に示すように、光学部30の前方に配置される前方規制部21と、光学部30の後方に配置される後方規制部22と、光学部30の側方に配置され、前方規制部21と後方規制部22を連結する6個の規制部材用連結部23とを備えている。
前記前方規制部21は、中央に開口部21aが形成された環状の剛性部材であって、外周縁の直径が5.4mm〜7.8mm、開口部21a(内周縁)の直径が5.0mm〜7.0mm、厚みが0.4mm〜0.8mmに形成されている。この前方規制部21は、図3(b)に示すように、後面が光学部30の周縁部32の前面に沿うようにほぼ水平に設けられている。このため、前方規制部21は、後述するように光学部30の周縁部32の前面に確実に当接することができる。
前記後方規制部22は、中央に開口部22aが形成された環状の剛性部材であって、外周縁の直径が5.4mm〜7.8mm、開口部22a(内周縁)の直径が5.0mm〜7.0mm、厚みが0.4mm〜0.8mmに形成されている。この後方規制部22は、図3(b)に示すように、前面が光学部30の周縁部32の後面に沿うようほぼ水平に設けられている。このため、後方規制部22は、後述するように光学部30の周縁部32の後面に確実に当接することができる。
前記規制部材用連結部23は、径方向外側に向けて湾曲した板状の剛性部材であって、前後方向の長さが0.8mm〜2.5mm、周方向の幅が0.5mm〜2.0mm、厚みが0.3mm〜0.6mmに形成され、一方端部が前方規制部21の外周縁に径方向外側に向かう態様で固定されるとともに、他方端部が後方規制部22の外周縁に径方向外側に向かう態様で固定されている。
この規制部材用連結部23は、前方規制部21および後方規制部22の周方向に沿って、互いに所定間隔0.5mm〜2.0mmを空けて設けられている。このため規制部材用連結部23は、所定間隔ごとに光学部30の周縁部32に当接するとともに、所定間隔ごとに光学部20の周縁部32を露出させることができる。なお、この規制部材用連結部23は、図3(b)に示すように、光学部30の周縁部32に沿う態様で径方向外側に緩やかに湾曲しているため、後述するように光学部30の周縁部32に密着状態に当接することができる。
また、前記規制部材用連結部23は、前方規制部21と後方規制部22を所定間隔で連結する。この所定間隔は、光学部30が規制部材20の内部に設けられたときに、前方規制部21および後方規制部22が光学部30の周縁部32の前面および後面に自然に当接できる程度の長さであるのが好ましい。なお、前記規制部20と前記光学部30は、一体成形により設けられてもよい。
[光学部の構成]
前記光学部30は、図3(b)に示すように、10〜200μmの厚みの弾性膜33で一体成型により形成された凸レンズであって、内部に流動性物質34が充填されている。これによれば、光学部30の周縁部32は局所的な歪みが少なくなって、周縁部32が全体的に均一に変形し易くなり、それに伴って光学部30の中央部31も均一に変形し易くなる。
また、光学部30は、シリコンポリマー、アクリルポリマー、セグメント化ポリウレタン、温度応答性の形状記憶疎水性アクリル、Hydroxyethyl Methacrylate、光硬化性樹脂、またはハイドロゲルなど若年者の水晶体と同程度の弾性を有する素材で構成されている。これによれば、光学部30は、周縁部32が連結部13により径方向に力を受けたときに弾性変形し易くなるため、前後方向に効果的に変形することができる。
また、光学部30は、直径が6.0mm〜8.0mm、最大厚みが0.4mm〜1.5mmで形成されており、該直径が互いに対向する規制部材用連結部23の間隔と同一に形成されている。このため、光学部30は、規制部材20の内部に設けられた際に、周縁部32の前面が前方規制部21の後面に当接し、かつ周縁部32の後面が後方規制部22の前面に当接するとともに、周縁部32が規制部材用連結部23の内面に所定間隔ごとに密着状態に当接する。
また、光学部30は、周縁部32が規制部材用連結部23の間から所定間隔ごとに露出した状態になり、露出した周縁部32にディバイス10の連結部13が係止される。このため規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が、連結部13により径方向内側に押圧されたり、あるいは連結部13により径方向内側に押圧されなくなったりする。
特に本実施形態では、光学部30は、直径が前記規制部材20の前方規制部21および後方規制部22よりも径大に形成されている。これにより光学部30の周縁部32が規制部材用連結部23の間から露出する面積が大きくなるため、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が連結部13により径方向内側に押圧され易くなる。
また、光学部30は、前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aから露出した状態となる。このため規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が、ディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されることにより、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aから前方に膨出することができる。このとき、光学部30の周縁部32が規制部材20の前方規制部21および後方規制部22により前後方向の変形を規制されるとともに、規制部材22の規制部材用連結部23により径方向の変形を規制されるため、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aから前方に大きく膨出することができる。一方、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32がディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aまで大きく後退することができる。
また、光学部30は、後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aから露出した状態となる。このため規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が、ディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されることにより、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aから後方に大きく膨出することができる。一方、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32がディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aまで大きく後退することができる。
[調節眼内レンズの動作]
次に、水晶体嚢S内に設置された調節眼内レンズ1の動作について説明する。
はじめに、図4(a)に示すように、連結部13の付勢力により前方支持部11が前嚢Sfの内面を押圧するとともに後方支持部12が後嚢Sbの内面を押圧することによって、チン小帯Zに適度な強さの緊張が持続的に付与され、その結果、水晶体嚢Sに適度な緊張が付与される。これにより、チン小帯Zが毛様体Cの毛様体筋Cmの僅かな収縮および弛緩を水晶体嚢Sに精度良く伝達することができる状態となる。
近方を見る場合(調節時)、図4(a)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmが弛緩して毛様体Cが周方向外側に位置することによりチン小帯Zや水晶体嚢Sを引っ張ることによって、チン小帯Zや水晶体嚢Sが緊張した状態から、図4(b)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは収縮して求心性(水晶体嚢S側)に突出し、チン小帯Zの緊張の度合いが低下する。それによって、水晶体嚢赤道部Seの周辺部分における緊張が緩むため、連結部13による付勢力により前方支持部11および後方支持部12が付勢され、チン小帯Zの張力に抗しながら離間方向に移動していく。
このとき、連結片131が弾性変形して自然な状態に戻っていき、連結部13が径方向外側に曲がる度合いが小さくなるため、各屈曲部132が互いに近接方向に移動して、対向する屈曲部132の距離が短くなる。すると、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が連結部13により径方向内側に押圧されることにより、光学部30が前後方向に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部30の周縁部32が規制部材20により前後方向の変形を規制されるとともに、規制部材20の規制部材用連結部23により径方向の変形を規制されるため、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aから前方に大きく膨出し、光学部30の前方の中央部31aの曲率を効果的に増大させることができる。同様に、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aから後方に大きく膨出し、光学部30の後方の中央部31bの曲率を効果的に増大させることができる。
一方、遠方を見る場合(非調節時)、図4(b)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmが収縮しチン小帯Zや水晶体嚢Sの緊張の度合が低下した状態から、図4(a)に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは弛緩してて毛様体Cが周方向外側に位置することによりチン小帯Zや水晶体嚢Sを引っ張ることによって、チン小帯Zの緊張の度合いが高くなる。それによって、水晶体嚢赤道部Seの周辺部分における緊張が高くなるため、水晶体嚢Sの前嚢Sfおよび後嚢Sbにより前方支持部11および後方支持部12が付勢され、連結部13による付勢力に抗しながら近接方向に移動していく。
このとき、連結片131が弾性変形して前後方向に縮んでいき、連結部13が径方向外側に広がる度合いが大きくなるため、各屈曲部132が互いに離間方向に移動して、対向する屈曲部132の距離が長くなる。すると、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が連結部13により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部30が自己の弾性力により径方向に膨らむ態様で変形しようとする。このとき、光学部30が元の形状まで復元するため、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aまで大きく後退し、光学部30の前方の中央部31aの曲率を効果的に減少させることができる。同様に、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aまで大きく後退し、光学部30の後方の中央部31bの曲率を効果的に減少させることができる。
したがって、チン小帯Zおよび水晶体嚢Sに適度な緊張が付与され、チン小帯Zが毛様体Cの毛様体筋Cmの僅かな収縮および弛緩を水晶体嚢Sに精度良く伝達する状態のもと、近方視・遠方視のいずれの際も、水晶体嚢Sの僅かな動きにより光学部30の曲率が効果的に変化することができる。よって、調節眼内レンズ1の焦点調節機能を効果的に発現させることができるため、調節眼内レンズの焦点調節機能をより若い時の自然な状態の眼に近付けることが可能となる。
なお、光学部30が前後方向に膨らむ態様に変形しようとする際、光学部30の変形に伴って規制部材20の前方規制部21と後方規制部22が離間方向に多少移動してもよい。この場合、各規制部材用連結部23は、互いに近接方向に移動して、光学部30の周縁部32を径方向内側に押圧する。このため、光学部30は、ディバイス10の連結部13と規制部材20の規制部材用連結部23とにより周縁部32が全周に亘って径方向内側に押圧されるため、径方向に歪みなく効果的に幅広く変形することができ、光学部30は光学特性良く大きく変形することが可能となる。
(変形例1−1)
本変形例に係る光学部30は、図5(a)に示すように、周縁部32が100〜200μmの厚み、前方および後方の中央部31が20〜50μmの厚みの弾性膜33で形成されている。これによれば、光学部30の周縁部32は厚く、かつ光学部30の中央部31は薄く形成されることにより、光学部30の中央部31が変形し易くなるため、光学部30が光学特性良く効果的に変形することができる。
(変形例1−2)
本変形例に係る光学部30は、図5(b)に示すように、周縁部32が100〜200μmの厚み、前方の中央部31aが20〜50μmの厚み、後方の中央部31bが100〜250μmの厚みの弾性膜33で形成されている。これによれば、光学部30は前方の中央部31aが薄く、かつ後方の中央部31bが厚く形成されるため、光学部30の中央部31が前方に変形しやすく後方に変形しにくい人眼水晶体を疑似的に再現することができる。
(変形例1−3)
本変形例に係る光学部30は、図5(c)に示すように、前方および/または後方の中央部31が周縁部32と別体に構成されている。具体的には、20〜50μmの厚みの弾性膜33で形成された前方の中央部31aおよび後方の中央部31bが、リング状部材で形成された周縁部32に貼着されて構成されている。これによれば、前方および/または後方の中央部31a、31bを薄い弾性膜とする一方、その他の部分を厚い弾性膜として別々に形成し得るため、各部の厚みが異なる光学部30を容易に製造することができる。
(変形例1−4)
本変形例に係る光学部30は、図5(d)に示すように、全体が扁平な形状に形成され、周縁部32の内面において内側に向かって膨らむ態様の膨隆部32aが形成されている。これによれば、光学部30が前後方向に変形するときに、膨隆部32aの付近において光学部30の周縁部32がくびれ易くなり、それに伴って光学部30の中央部31が前方規制部21の開口部21aから前方に膨出し易くなる。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第2の実施形態について図6〜図7を参照しつつ説明する。
本実施形態の光学部30は、図6に示すように、規制部材20の内側で弾性変形することにより、周縁部32が隣接する規制部材用連結部23の間から径方向外側に突出する態様で露出している。これによれば、光学部30の周縁部32が規制部材用連結部23の間から露出する面積が一層大きくなるため、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が連結部13により径方向内側に押圧され易くなる。
(変形例2−1)
本変形例の光学部30は、図7に示すように、周縁部32において径方向外側に突出する突出部32bが周方向に沿って所定間隔を空けて複数設けられている。この突出部32bは、光学部30が規制部材20の内部に設けられると、規制部材用連結部23の間から径方向外側に突出する態様で露出する。これによれば、光学部30の周縁部32が規制部材用連結部23の間から露出する面積が一層大きくなるため、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が連結部13により径方向内側に押圧され易くなる。
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第3の実施形態について図8を参照しつつ説明する。
本実施形態の光学部30は、図8に示すように、後方の中央部31bに患者の症例に合わせた屈折力を有する凸レンズ35がリング部材36を介して設けられている。これによれば、凸レンズ35により光学部30の中央部31が後方に変形しにくくなるため、調節時に光学部30の中央部31が前方に変形しやすく後方に変形しにくい人眼水晶体を疑似的に再現することができる。また、光学部30における凸レンズ35の度数を変更することにより、患者の状態に合わせて光学部30の屈折率を容易に変更することが可能となる。
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第4の実施形態について図9および図10を参照しつつ説明する。なお、各図は、右半分が近方視時の状態を表し、左半分が遠方視時の状態を表している。
本実施形態の光学部30は、図9および図10に示すように、周縁部32において径方向外側に突出する突出部32bが周方向に沿って所定間隔を空けて8個設けられている。そして、光学部30は、中央部31が前方規制部11の開口部11aから露出するとともに、周縁部32の各突出部32bが互いに隣接する規制部材用連結部23の間から径方向外側に突出する態様で露出している。そして、露出した突出部32bは、さらにディバイス10の連結部13の連結片131の間から突出する態様で露出し、水晶体嚢赤道部Seに直接係止されている。
また、前記連結部13は、前方支持部11の外周縁部と後方支持部12の外周縁部とを連結している。具体的には、連結部13は、図9(a)に示すように、前方支持部11および後方支持部12の周方向に沿って互いに所定間隔を空けて設けられた8個の連結片131からなり、各連結片131の一方端部が前方支持部11の外周縁部に径方向外側に向かう態様で固定されているとともに、他方端部が後方支持部12の外周縁部に径方向外側に向かう態様で固定されている。これにより、連結部13の屈曲に応じて光学部30の中央部31の曲率を効果的に変化させることができる。
次に、第4の実施形態に係る調節眼内レンズ1の動作について説明する。
近方を見る場合(調節時)、図9(b)左半分に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmが弛緩して毛様体Cが周方向外側に位置することによりチン小帯Zや水晶体嚢Sを引っ張ることによって、チン小帯Zや水晶体嚢Sが緊張した状態から、図9(b)右半分に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは収縮して求心性(水晶体嚢S側)に突出し、チン小帯Zの緊張の度合いが低下する。それによって、水晶体嚢赤道部Seの周辺部分における緊張が緩むため、連結部13による付勢力により前方支持部11および後方支持部12が付勢され、チン小帯Zの張力に抗しながら離間方向に移動していく。
このとき、水晶体嚢Sは、前方支持部11および後方支持部12に付勢され前後方向に膨らむ一方、径方向に収縮していくため、水晶体嚢赤道部Seは対向する内側面の距離が短くなる。すると、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の突出部32bが水晶体嚢赤道部Seにより径方向内側に押圧されることにより、光学部30が前後方向に膨らむ態様に変形しようとする。このとき、光学部30の周縁部32が規制部材20により前後方向の変形を規制されるとともに、規制部材20の規制部材用連結部23により径方向の変形を規制されるため、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aから前方に大きく膨出し、光学部30の前方の中央部31aの曲率を効果的に増大させることができる。同様に、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aから後方に大きく膨出し、光学部30の後方の中央部31bの曲率を効果的に増大させることができる。
一方、遠方を見る場合(非調節時)、図9(b)右半分に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmが収縮しチン小帯Zや水晶体嚢Sの緊張の度合が低下した状態から、図9(b)左半分に示すように、毛様体Cの毛様体筋Cmは弛緩して毛様体Cが周方向外側に位置することによりチン小帯Zや水晶体嚢Sを引っ張ることによって、チン小帯Zの緊張の度合いが高くなる。それによって、水晶体嚢赤道部Seの周辺部分における緊張が高くなるため、水晶体嚢Sの前嚢Sfおよび後嚢Sbにより前方支持部11および後方支持部12が付勢され、連結部13による付勢力に抗しながら近接方向に移動していく。
このとき、水晶体嚢Sは、前方支持部11および後方支持部12の動きに付随して前後方向に収縮する一方、チン小帯Zに引っ張られ径方向に膨らんでいくため、水晶体嚢赤道部Seは対向する内側面の距離が長くなる。すると、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の突出部32bが連結部13により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部30が自己の弾性力により径方向に膨らむ態様で変形しようとする。このとき、光学部30が元の形状まで復元するため、光学部30の前方の中央部31aが前方規制部21の開口部21aまで後方に大きく後退し、光学部30の前方の中央部31aの曲率を効果的に減少させることができる。同様に、光学部30の後方の中央部31bが後方規制部22の開口部22aまで後方に大きく後退し、光学部30の後方の中央部31bの曲率を効果的に減少させることができる。
<第5の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第5の実施形態について図11を参照しつつ説明する。
本実施形態の前記光学部30は、互いに隣接する規制部材用連結部23の間から露出した周縁部32が、係止部材50を介して水晶体嚢赤道部Seに係止されている。これによれば、水晶体嚢Sの僅かな動きが係止部材50を介して光学部30の周縁部32に伝達される。
<第6の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第6の実施形態について図12〜図13を参照しつつ説明する。
本実施形態の規制部材20は、前方規制部21と後方規制部22の間において複数の幅広の第2の規制部材用連結部24が周方向に沿って設けられている。この第2の規制部材用連結部24は、各規制部材用連結部23の間の位置に配置されており、これにより光学部30の内部の流動性物質が流通する複数の幅狭の流通孔25が周方向に沿って等間隔に設けられている。
これによれば、第2の規制部材用連結部24により前方規制部21と後方規制部22の前後方向の移動が規制される。
よって、近方視の際、図13に示すように、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が水晶体嚢拡張ディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されることにより、光学部30の内部の流動性物質が第2の規制部材用連結部24の間に形成された複数の流通孔25を通って光学部30の周縁部32から中央部31に流入するため、光学部30の中央部31は前方規制部21の開口部21aから前方に均一に膨出することができる。なお、図13において、連結部13の連結片131が規制部材20から露出した光学部30の周縁部32を径方向内側に押圧した状態を一部に図示している。
一方、遠方視の際、規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32が水晶体嚢拡張ディバイス10の連結部13により径方向内側に押圧されなくなることにより、光学部30の内部の流動性物質が第2の規制部材用連結部24の間に形成された複数の流通孔25を通って光学部30の中央部31から周縁部32に流入するため、光学部30の中央部31aは前方規制部21の開口部21aまで均一に後退することができる。
<第7の実施形態>
次に、本発明に係る調節眼内レンズの第7の実施形態について図14を参照しつつ説明する。
本実施形態の規制部材20は、前方規制部21と後方規制部22の間において複数の幅狭の第2の規制部材用連結部24が周方向に沿って設けられている。この第2の規制部材用連結部24は、各規制部材用連結部23に対向する位置に配置されており、これにより光学部30の内部の流動性物質が流通する複数の幅広の流通孔25が周方向に沿って等間隔に設けられている。
これによれば、第2の規制部材用連結部24により前方規制部21と後方規制部22の前後方向の移動が規制される。
なお、上記実施形態では、規制部材20は、剛性部材からなるものとしたが、弾性部材などその他の素材からなるものとしてもよい。
また、前記後方規制部22は、中央に開口部22aを有する環状に形成したが、少なくとも中央が透明な板状に形成してもよい。
また、前記後方規制部22は、開口部22aに患者の症例に合わせた屈折力を有するレンズが嵌め込まれてもよい。
また、前記規制部材用連結部23は、光学部30の周縁部32に密着状態に当接するものとしたが、光学部30の周縁部32との間に隙間が設けられてもよい。
また、前記規制部材用連結部23は、径方向外側に緩やかに湾曲する形状に形成したが、その他の形状に形成してもよい。
また、前記規制部材用連結部23は、周方向に6個設けるものとしたが、その他の個数設けてもよい。
また、前記規制部材用連結部23の間から露出した光学部30の周縁部32はディバイス10の連結部13に直接的に係止されるものとしたが、係止部材を介して連結部13に係止されてもよい。これによれば、光学部30の周縁部32は、連結部13により径方向内側に強く押圧され易くなる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1…調節眼内レンズ
10…水晶体嚢拡張ディバイス(ディバイス)
11…前方支持部
11a…開口部
11b…傾斜面
11c…内周縁部
11d…外周縁部
11e,11f…溝部
11g…前方ウイング部
11h…溝部
12…後方支持部
12a…開口部
12b…傾斜面
12c…内周縁部
12d…外周縁部
12e…後方ウイング部
13…連結部
131…連結片
132…屈曲部
20…規制部材
21…前方規制部
22…後方規制部
23…規制部材用連結部
24…第2の規制部材用連結部
25…流通孔
30…光学部
31…中央部
31a…前方の中央部
31b…後方の中央部
32…周縁部
32a…膨隆部
32b…突出部
33…弾性膜
34…流動性物質
35…凸レンズ
40…凸レンズ
50…係止部材
L…水晶体
S…水晶体嚢
Se…水晶体嚢赤道部
Sf…水晶体嚢の前嚢
Sb…水晶体嚢の後嚢
C…毛様体
Cm…毛様体筋
Z…チン小帯
I…虹彩

Claims (15)

  1. 眼科手術において内容物が除去された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズであって、
    水晶体嚢拡張ディバイスと、該水晶体嚢拡張ディバイスの内部に設けられる規制部材と、該規制部材の内部に設けられ、弾性変形する光学部とから構成され、
    前記水晶体嚢拡張ディバイスは、
    前嚢の内面に接する態様で設けられる前方支持部と、
    前記前方支持部の後方側において該前方支持部と対向しながら後嚢の内面に接する態様で設けられる後方支持部と、
    前記前方支持部と前記後方支持部を離間させる方向に付勢力を有する態様で前記前方支持部と前記後方支持部を連結する連結部とを備え、
    前記規制部材は、
    前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、
    前記光学部の後方に配置される後方規制部と、
    前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部とを備え、
    前記光学部は、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から露出し、露出した前記周縁部が前記水晶体嚢拡張ディバイスの前記連結部に係止されていることを特徴とする調節眼内レンズ。
  2. 前記水晶体嚢拡張ディバイスは、前記連結部に前記前方支持部および前記後方支持部の径方向外側に広がる態様で曲がる屈曲部が形成され、
    前記光学部は、露出した周縁部が前記連結部の屈曲部に係止されている請求項1に記載の調節眼内レンズ。
  3. 前記光学部は、前記規制部材の前方規制部および後方規制部よりも径大に形成されている請求項1または請求項2に記載の調節眼内レンズ。
  4. 前記光学部は、前記規制部材の規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出する請求項3に記載の調節眼内レンズ。
  5. 前記光学部は、周縁部において径方向外側に突出する突出部が周方向に沿って複数設けられ、各突出部が前記規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出する請求項4に記載の調節眼内レンズ。
  6. 前記光学部は、5〜250μmの厚みの弾性膜で形成され、内部に流動性物質が充填されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の調節眼内レンズ。
  7. 前記光学部は、周縁部が50〜250μmの厚み、中央部が5〜100μmの厚みの弾性膜で形成されている請求項6に記載の調節眼内レンズ。
  8. 前記光学部は、周縁部が50〜250μmの厚み、前方の中央部が5〜100μmの厚み、後方の中央部が100〜250μmの厚みの弾性膜で形成されている請求項6に記載の調節眼内レンズ。
  9. 前記光学部は、周縁部の内面において内側に向かって膨らむ態様の膨隆部が形成されている請求項6から請求項8のいずれかに記載の調節眼内レンズ。
  10. 前記光学部は、前方および/または後方の中央部が周縁部と別体に構成されている請求項6から請求項9のいずれかに記載の調節眼内レンズ。
  11. 前記光学部は、後方の中央部に患者の症例に合わせた屈折力を有する凸レンズが設けられている請求項1から請求項10のいずれかに記載の調節眼内レンズ。
  12. 前記規制部材は、前記前方規制部と前記後方規制部の間において複数の第2の規制部材用連結部が周方向に沿って設けられている請求項6から請求項11のいずれかに記載の調節眼内レンズ。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の調節眼内レンズに用いられる調節眼内レンズ用規制部材であって、
    前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、前記光学部の後方に配置される後方規制部と、前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部とを備えることを特徴とする調節眼内レンズ用規制部材。
  14. 内部に前記光学部が設けられ、
    前記光学部は、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から露出している請求項13に記載の調節眼内レンズ用規制部材。
  15. 眼科手術において内容物が除去された水晶体嚢内に挿入される調節眼内レンズであって、
    水晶体嚢拡張ディバイスと、該水晶体嚢拡張ディバイスの内部に設けられる規制部材と、該規制部材の内部に設けられ、弾性変形する光学部とから構成され、
    前記水晶体嚢拡張ディバイスは、
    前嚢の内面に接する態様で設けられる前方支持部と、
    前記前方支持部の後方側において該前方支持部と対向しながら後嚢の内面に接する態様で設けられる後方支持部と、
    前記前方支持部と前記後方支持部を離間させる方向に付勢力を有する態様で前記前方支持部と前記後方支持部を連結する連結部とを備え、
    前記規制部材は、
    前記光学部の前方に配置され、中央に開口部が形成されている前方規制部と、
    前記光学部の後方に配置される後方規制部と、
    前記前方規制部と前記後方規制部を連結する複数の規制部材用連結部とを備え、
    前記光学部は、周縁部において径方向外側に突出する突出部が周方向に沿って複数設けられ、中央部が前記前方規制部の開口部から露出するとともに、周縁部の各突出部が互いに隣接する前記規制部材用連結部の間から径方向外側に突出する態様で露出し、露出した前記突出部が水晶体嚢赤道部に係止されていることを特徴とする調節眼内レンズ。
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