以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係るマットレス1及びベッド2について説明する。
[マットレス]
まず、本発明の実施の形態1に係るマットレス1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るマットレス及びベッドを斜め上方から見たときの斜視図である。図2は、実施の形態1のマットレスに係る分解斜視図である。
図1では、使用者がマットレス1の上で、仰向きの寝姿勢になった状態で、使用者の頭側の方向を前方向、使用者の足側と後方向、使用者の右側を右方向、使用者の左側を左方向、使用者の上側を上方向、使用者の下側を下方向としている。そして、図2以降の各図に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。
図1に示すように、マットレス1は、ベッド用のマットレスであり、後述する、回動可能に連結されたボトム210を有するベッド2に載置される。この場合、マットレス1は、直接ベッド2に敷かれてもよいし、布カバー等を被せてからベッド2に敷かれてもよい。ベッド2を利用する使用者は、マットレス1に横たわって寝姿勢をとる。
以下の説明では、ボトム210が同一平面を構成する状態で、ベッド2にマットレス1が載置された状態について説明する。
マットレス1は、第1クッション層10と、第1中間層20と、第2中間層30と、第2クッション層40と、第1端部材51と、第2端部材52とを備えている。マットレス1は、マットレス1をベッド2に載置した場合において、第1クッション層10、第1中間層20、第2中間層30及び第2クッション層40の順に下層から上層に向かって積層された積層体である。
マットレス1は、全体形状が平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。また、第1クッション層10及び第2クッション層40は、いずれも外形が同じ形状で、外形寸法も同じである。さらに、第1中間層20及び第2中間層30は、いずれも外形が同じ形状で、外形寸法も同じである。また、後述する、第1端部材51と第2端部材52との間に第1中間層20及び第2中間層30を挟持した場合では、これらと、第1クッション層10及び第2クッション層40とは、いずれも外形が同じ形状で、外形寸法も同じである。
マットレス1の詳細な構成について、図2を参照しつつ、図2〜図8について説明する。
図2は、実施の形態1のマットレスに係る分解斜視図である。図3は、実施の形態1のマットレスに係り、第1クッション層を示す正面図である。図4の(A)は、図3のIVA−IVA線における実施の形態1のマットレスに係り、第1クッション層を示す部分拡大断面図である。図4の(B)は、図3のIVB−IVB線における実施の形態1のマットレスに係り、第1クッション層を示す部分拡大断面図である。図5は、実施の形態1のマットレスに係り、第1中間層を示す正面図である。図6は、実施の形態1のマットレスに係り、第2中間層を示す正面図である。図7の(A)は、図5のVIIB−VIIB線における実施の形態1のマットレスに係り、第2中間層を示す拡大断面図である。図7の(B)は、図6のVIIA−VIIA線における実施の形態1のマットレスに係り、第1中間層を示す拡大断面図である。図8は、実施の形態1のマットレスに係り、第2クッション層を示す正面図である。
図2に示すように、マットレス1の最もベッド2側(下側)に位置する第1クッション層10は、下面10a(ベッド側面の一例)と、上面10bとを有している。
第1クッション層10の下面10aは、マットレス1をベッド2に載置した場合に、ベッド2と対面する。第1クッション層10の下面10aは、直接的又は布カバー等を介して間接的に、ベッド2に載置される面である。
第1クッション層10の上面10bは、第1中間層20及び第2中間層30を挟んで第2クッション層40と対面する。第1クッション層10の上面10bは、第1中間層20が配置される面であって第1中間層20の下面(後述する、頭側端部22の下面22e、弾性部21の下面21c、足側端部23の下面23e)と接合する面である。
第1クッション層10は、発泡ウレタン(クッション材の一例)からなる層であり、全体形状が平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。本実施の形態において、第1クッション層10の前後方向(長手方向の一例)の長さL10は1910mmであり、第1クッション層10の左右方向(短手方向の一例)の長さW10は910mmである。また、第1クッション層10は、上下方向(鉛直方向)の厚みt10が30mmで、密度が25〜35kg/m3で、40%硬さが200〜220N/314cm2であることが好ましい。特に、第1クッション層10は、密度が30kg/m3で、40%硬さが210N/314cm2であることが好ましい。なお、上下方向の厚みt10は30mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
図2及び図3に示すように、第1クッション層10の下面10aには、前後方向で等間隔に並んだ5本の凹部11が形成されている。凹部11は、第1クッション層10の下面10aから上方に向かって凹む直線状の溝である。凹部11は、第1クッション層10の前後方向と略直交する左右方向に沿って第1クッション層10の一方の側端縁から第1クッション層10の他方の側端縁まで延びている。凹部11は、少なくとも1本以上形成されていればよく、6本以上形成されていてもよい。
各凹部11は、後述するように、図9に示すベッド2における膝ボトム213(第1ボトム及び第2ボトムの一例)と足ボトム214(第1ボトム及び第2ボトムの一例)との連結部分に対応する箇所に形成される。つまり、凹部11は、マットレス1の上で寝姿勢になる使用者の足側に対応する位置に形成される。
図3に示すように、各凹部11は、第1クッション層10における前後方向の前側端縁から長さL11aと長さL11bとの間の領域に形成されている。本実施の形態において、各凹部11は、長さL11aが1500mmで、長さL11bが1210mmであり、領域の長さA11は290mmである。これらの長さL11a、L11b及び領域の長さA11は、適宜変更してもよい。
図4の(A)に示すように、各凹部11における前後方向の開口幅W11は、20mm以上であればよい。実施の形態1では、各凹部11における前後方向の開口幅W11をそれぞれ35mmとしている。実施の形態1において、各凹部11の開口幅W11はそれぞれ同じである。また、各凹部11の断面形状は、矩形である。なお、凹部11の断面形状は、逆三角形、逆台形等でもよい。また、各凹部11において、1本の凹部11と、これに隣接する凹部11とは、それぞれ30mmの間隔S11を隔てて略平行に並んでいる。
第1クッション層10の下面10aからの深さD11は、10mm以上であればよい。実施の形態1では、各凹部11の深さD11はそれぞれ同じ長さである。実施の形態1では、第1クッション層10の下面からの深さD11を20mmとしている。
図2及び図3に示すように、第1クッション層10の下面10aには、さらに、前後方向で等間隔に並んだ7本の連続切り込み部12が形成されている。連続切り込み部12は、第1クッション層10の下面10aから上方に向かって切り込まれている直線状のスリットである。連続切り込み部12は、第1クッション層10の前後方向と略直交する左右方向に沿って第1クッション層10の一方の側端縁から第1クッション層10の他方の側端縁まで延びている。連続切り込み部12は、少なくとも1本以上形成されていればよく、8本以上形成されていてもよい。
各連続切り込み部12は、後述するように、図1に示すベッド2における腰ボトム212(第1ボトム及び第2ボトムの一例)に対応する箇所に形成される。つまり、連続切り込み部12は、マットレス1の上で寝姿勢になる使用者の腰側に対応する位置に形成される。
図3に示すように、連続切り込み部12は、第1クッション層10における前後方向の前側端縁から長さL12aと長さL12bとの間の領域に形成されている。本実施の形態において、各連続切り込み部12は、長さL12aが1000mmで、長さL12bが700mmであり、領域の長さA12は300mmである。これらの長さL12a、L12b及び領域の長さA12は、適宜変更してもよい。
図4の(B)に示すように、各連続切り込み部12において、1本の連続切り込み部12と、これに隣接する連続切り込み部12とは、それぞれ50mmの間隔S12を隔てて略平行に並んでいる。つまり、各連続切り込み部12のそれぞれの間隔S12は、凹部11の間隔S11よりも大きくしている。なお、各連続切り込み部12の切り込み形状は、直線であるが、曲線、波線等でもよい。また、各凹部11において、1本の凹部11と、これに隣接する凹部11とは、それぞれ30mmの間隔S12を隔てて略平行に並んでいる。
各連続切り込み部12における第1クッション層10の下面10aからの深さD12は、適宜設定してもよい。実施の形態1では、第1クッション層10の下面10aからの深さD12を20mmとしている。
図2及び図5に示すように、第1中間層20は、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層されている。具体的には、第1中間層20は、第1クッション層10と第2中間層30との間に積層され、第1クッション層10の上面10bに接着剤等で接着されている。第1中間層20は、マットレス1における最下層から第2層目である。第1中間層20は、全体形状が、平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。本実施の形態において、第1中間層20の前後方向の長さL20は1910mmであり、第1中間層20の左右方向の長さW21は530mmである。
第1中間層20は、弾性部21と、頭側端部22と、足側端部23とを有している。
弾性部21は、ポリエステル樹脂等の樹脂素材からなる三次元網状構造をなしている。弾性部21は、第1中間層20の主領域である。弾性部21は、全体形状が平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。なお、弾性部21を構成する糸状の樹脂繊維としては、パイプ状に形成された中空の糸状の樹脂繊維を用いてもよい。
弾性部21は、前側の面を構成する前面21aと、後側の面を構成する後面21bと、右側の側面を構成する右面21fと、左側の側面を構成する左面21gと、上側の面を構成する上面21dと、下側の面を構成する下面21cとが形成されている。
図5に示すように、本実施の形態では、弾性部21の前後方向の長さL21は1710mmであり、弾性部21の左右方向の長さW21は530mmである。また、本実施の形態において、弾性部21は、上下方向の厚みt20が30mmで、密度が50〜55kg/m3であることが好ましい。特に、弾性部21の密度が50kg/m3であることが好ましい。なお、上下方向の厚みt20は30mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
弾性部21は、例えば、無数の糸状の樹脂素材がランダムに絡み合うように形成された三次元網状のスプリング構造であるので、通気性、高反発性(クッション性)及び耐久性等の性能を有している。
図2及び図5に示すように、頭側端部22及び足側端部23は、発泡ウレタンからなる層であり、左右方向に延びる直方体部材である。頭側端部22及び足側端部23は、第2中間層30と第1クッション層10との間に積層されている。
図5に示すように、本実施の形態において、頭側端部22及び足側端部23は、前後方向の長さL22が100mmであり、左右方向の長さW21が530mmである。また、頭側端部22及び足側端部23は、上下方向の厚みt20が30mmで、密度が25〜35kg/m3で、40%硬さが200〜220N/314cm2であることが好ましい。特に、頭側端部22及び足側端部23は、密度が30kg/m3で、40%硬さが210N/314cm2であることが好ましい。なお、上下方向の厚みt20は30mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
頭側端部22は、後側の面を構成する後面22aと、右側の側面を構成する右面22bと、左側の側面を構成する左面22cと、上側の面を構成する上面22dと、下側の面を構成する下面22eとが形成されている。
頭側端部22の後面22aは、弾性部21の前端側の前面21aと接触しているだけでもよく、接着剤等で接着されていてもよい。頭側端部22の下面22eは、マットレス1の左右方向の前側で第1クッション層10の上面10bに接着剤等で接着している。
足側端部23は、前側の面を構成する前面23aと、右側の側面を構成する右面23bと、左側の側面を構成する左面23cと、上側の面を構成する上面23dと、下側の面を構成する下面23eとが形成されている。足側端部23の前面23aは、弾性部21の後端側の後面21bと接触しているだけでもよく、接着剤等で接着されていてもよい。足側端部23の下面23eは、マットレス1の左右方向の後側で第1クッション層10の上面10bに接着剤等で接着している。つまり、頭側端部22及び足側端部23は、弾性部21を挟持している。
図2及び図6に示すように、第2中間層30は、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層されている。具体的には、第2中間層30は、第1中間層20と第2クッション層40との間に積層され、第1中間層20の上面(頭側端部22の上面22d、足側端部23の上面23d、弾性部21の上面21d)に接着剤等で接着されている。第2中間層30は、マットレス1における最下層から第3層目である。第2中間層30は、全体形状が、平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。図6に示すように、本実施の形態において、第2中間層30の前後方向の長さL30は1910mmであり、第2中間層30の左右方向の長さW31は530mmである。
図2及び図6に示すように、第2中間層30は、頭側支持部31と、腰側支持部32と、足側支持部33とを有している。頭側支持部31、腰側支持部32及び足側支持部33は、使用者の頭側から足側に向かって順番に並んでいる。頭側支持部31、腰側支持部32及び足側支持部33は、発泡ウレタンからなる層である。
頭側支持部31は、マットレス1の前方側に位置し、使用者の頭側に対応している。頭側支持部31は、後側の面を構成する第1接合面31aと、右側の側面を構成する右面31bと、左側の側面を構成する左面31cと、上側の面を構成する上面31dと、下側の面を構成する下面31eとを有している。
図2及び図7の(A)に示すように、頭側支持部31の第1接合面31aは、前方から後方に向かって下り傾斜し、上方を向いている。頭側支持部31の下面31eは、第1中間層20の上面に接着している。つまり、頭側支持部31の下面31eは、頭側端部22の上面22d、及び、弾性部21の上面21dの前方側と接着剤等で接着している。なお、頭側支持部31の下面31eと弾性部21の上面21dとは、接触しているだけでもよい。
図7の(A)に示すように、頭側支持部31は、上辺が短辺、下辺が長辺であり、図6のVIIA−VIIA断面が台形形状をなした平板状の部材である。頭側支持部31の下面31eと頭側支持部31の第1接合面31aとが交差する角度θは、30°〜50°が好ましく、より好ましい角度θは、30°である。
図2及び図7の(A)に示すように、腰側支持部32は、マットレス1の中央側に位置し、使用者の腰側に対応している。腰側支持部32は、前側の面を構成する第1接合面32aと、後側の面を構成する第2接合面32bと、右側の側面を構成する右面32cと、左側の側面を構成する左面32dと、上側の面を構成する上面32fと、下側の面を構成する下面32gとを有している。
腰側支持部32の第1接合面32aは、前方から後方に向かって下り傾斜し、下方に向いている。腰側支持部32の第2接合面32bは、前方から後方に向かって上り傾斜し、下方に向いている。腰側支持部32の下面32gは、第1中間層20の上面と接着している。つまり、腰側支持部32の下面32gは、弾性部21の中央側の上面21dと接着剤等で接着している。なお、腰側支持部32の下面32gと弾性部21の上面21dとは、接触しているだけでもよい。
図7の(A)に示すように、腰側支持部32は、上辺が長辺、下辺が短辺であり、図6のVIIA−VIIA断面が台形形状をなした平板状の部材である。腰側支持部32の上面32fと腰側支持部32の第1接合面32aとが交差する角度θ、及び、腰側支持部32の上面32fと腰側支持部32の第2接合面32bとが交差する角度θは、30°〜50°が好ましく、より好ましい角度θは、30°である。
図2及び図7の(A)に示すように、足側支持部33は、マットレス1の後方側に位置し、使用者の足側に対応している。足側支持部33は、前側の面を構成する第2接合面33aと、右側の側面を構成する右面33bと、左側の側面を構成する左面33cと、上側の面を構成する上面33eと、下側の面を構成する下面33fとを有している。
足側支持部33の第2接合面33aは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。足側支持部33の下面33fは、第1中間層20の上面に接着されている。つまり、足側支持部33の下面33fは、足側端部23の上面23d、及び、弾性部21の上面21dの後方側と接着剤等で接着している。なお、足側支持部33の下面33fと弾性部21の上面21dとは、接触しているだけでもよい。
図7の(A)に示すように、足側支持部33は、上辺が短辺、下辺が長辺であり、図6のVIIA−VIIA断面が台形形状をなした平板状の部材である。足側支持部33の下面33fと足側支持部33の第2接合面33aとが交差する角度θは、30°〜50°が好ましく、より好ましい角度θは、30°である。
腰側支持部32は、頭側支持部31及び足側支持部33と硬さが異なっている。腰側支持部32は、頭側支持部31及び足側支持部33よりも硬い。
本実施の形態において、頭側支持部31は前後方向の長さL31が650mmであり、腰側支持部32は前後方向の長さL32が450mmであり、足側支持部33は前後方向の長さL33が810mmである。長さL31と長さL32と長さL33との合計は、長さL30と等しい。また、頭側支持部31及び足側支持部33において、上下方向の厚みt30が20mmで、密度が20〜30kg/m3で、40%硬さが100〜120N/314cm2である。また、本実施の形態では、腰側支持部32は、上下方向の厚みt30が20mmで、密度が25〜35kg/m3で、40%硬さが200〜220N/314cm2である。特に、頭側支持部31及び足側支持部33において、密度が26kg/m3で、40%硬さが110N/314cm2であることが好ましい。特に、腰側支持部32において、密度が30kg/m3で、40%硬さが210N/314cm2であことが好ましい。なお、頭側支持部31、腰側支持部32及び足側支持部33において、上下方向の厚みt30は20mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
図2及び図7の(A)に示すように、ボトム210が同一平面を構成する状態で、ボトム210にマットレス1が載置された場合に、頭側支持部31の接合部分である第1接合面31aと、腰側支持部32の接合部分である第1接合面32aとは、頭側支持部31と腰側支持部32とが上下に重なり合うように平面に対して斜めとなっている。つまり、頭側支持部31の接合部分である第1接合面31aは腰側支持部32の下に入り込んでいる状態であり、腰側支持部32の接合部分である第1接合面32aは頭側支持部31の上に覆いかぶさっている状態である。頭側支持部31の第1接合面31aと腰側支持部32の第1接合面32aとは、接着剤等で接着している。
ボトム210が同一平面を構成する状態で、ベッド2にマットレス1が載置された場合に、腰側支持部32の接合部分である第2接合面32bと、足側支持部33の接合部分である第2接合面33aとは、腰側支持部32と足側支持部33とが上下に重なり合うように平面に対して斜めとなっている。つまり、腰側支持部32の接合部分である第2接合面32bは足側支持部33の上に覆いかぶさっている状態であり、腰側支持部32の接合部分である第2接合面32bは足側支持部33の下に入り込んでいる状態である。腰側支持部32の第2接合面32bと足側支持部33の第2接合面33aとは、接着剤等で接着している。
図2、図5及び図6に示すように、第1中間層20及び第2中間層30は、第1端部材51と、第2端部材52との2つの直方体部材によって左右方向から挟持されている。第2端部材52は、マットレス1の左端側でマットレス1の前後方向に向かって延びている。第1端部材51及び第2端部材52は、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層されている。つまり、マットレス1において、左右方向の両端側は、第1クッション層10と、第1端部材51又は第2端部材52と、第2クッション層40との3層構造である。
第1端部材51及び第2端部材52は、発泡ウレタンからなる層であり、前後方向に延びる直方体部材である。図5及び図6に示すように、本実施の形態において、第1端部材51及び第2端部材52の前後方向の長さL20は1910mmであり、第1端部材51及び第2端部材52の左右方向の長さW22は190mmである。すなわち、第1端部材51及び第2端部材52の左右方向の長さW22、W22と、弾性部21の左右方向の長さW21との合計は、第1クッション層10の左右方向の長さW10と等しい。また、第1端部材51及び第2端部材52の左右方向の長さW22、W22と、第2中間層30の左右方向の長さW31との合計は、第1クッション層10の左右方向の長さW10と等しい。
また、本実施の形態では、第1端部材51及び第2端部材52において、上下方向の厚みt21、t22が50mmで、密度が38kg/m3〜48kg/m3で、40%硬さが290〜310N/314cm2であることが好ましい。特に、第1端部材51及び第2端部材52において、密度が43kg/m3で、40%硬さが300N/314cm2である。なお、第1端部材51及び第2端部材52において、上下方向の厚みt21、t22は50mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
図2、図5及び図6に示すように、第1端部材51は、マットレス1の右端側でマットレス1の前後方向に向かって延びている。第1端部材51は、左側の側面を構成する左面51aと、上側の面を構成する上面51bと、下側の面を構成する下面51cとを有している。
第1端部材51の左面51aは、頭側端部22の右面22bと、弾性部21の右側の右面21fと、足側端部23の右面23bと、頭側支持部31の右面31bと、腰側支持部32の右面32cと、足側支持部33の右面33bと接着剤等で接着している。第1端部材51の下面51cと第1クッション層10の上面10bの右端側とは、接着剤等で接着している。
第2端部材52は、マットレス1の左端側でマットレス1の前後方向に向かって延びている。第2端部材52は、右側の側面を構成する右面52aと、上側の面を構成する上面52bと、下側の面を構成する下面52cとを有している。
第2端部材52の右面52aは、頭側端部22の左面22cと、弾性部21の左側の左面21gと、足側端部23の左面23cと、頭側支持部31の左面31cと、腰側支持部32の左面32dと、足側支持部33の左面33cと接着剤等で接着している。第2端部材52の下面52cと第1クッション層10の左端側の上面10bとは、接着剤等で接着している。
図2及び図8に示すように、第2クッション層40は、第2中間層30の上に積層されている。つまり、第2クッション層40の下面40aは、第2中間層30の上面、第1端部材51の上面51b、及び、第2端部材52の上面52bに接着剤等で接着されている。第2クッション層40は、マットレス1における最下層から第4層目、すなわち最上層である。第2クッション層40は、発泡ウレタンからなる層である。第2クッション層40は、全体形状が、平板状の直方体であり、平面視形状が矩形状となっている。
図8に示すように、本実施の形態において、第2クッション層40の前後方向の長さL40は1910mmであり、第2クッション層40の左右方向の長さW40は910mmである。長さL40は、第1クッション層10の長さL10と、第1中間層20の長さL20と、第2中間層30の長さL30と等しい。また、長さW40は、第1クッション層10の長さW10と等しい。本実施の形態では、上下方向の厚みt40が20mmで、密度が43kg/m3〜53kg/m3で、40%硬さが40〜50N/314cm2であることが好ましい。特に、第2クッション層40において、密度は48kg/m3であり、40%硬さが45N/314cm2であることが好ましい。つまり、第2クッション層40は、このマットレス1に用いられている部材の中で最も柔らかい。また、第2クッション層40は、このマットレス1に用いられている部材の中で、発泡ウレタンの連続気泡構造のキメが最も細かい。なお、第2クッション層40において、上下方向の厚みt40は20mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
このように構成されるマットレス1において、第1クッション層10、第1中間層20、第2中間層30、第2クッション層40、第1端部材51及び第2端部材52における各層の厚みは、上述のように、t10=30mm、t20=30mm、t30=20mm、t40=20mm、t21=50mm、t22=50mmとなっている。つまり、第1クッション層10と第1中間層20とが同等の厚みであり、第2中間層30と第2クッション層40とが同等の厚みであり、かつ厚みが最も薄い。
第1クッション層10の密度は、上述のように、ρ=30kg/m3になっている。頭側端部22、弾性部21、足側端部23の各密度は、上述のように、ρ=30kg/m3、ρ=50kg/m3、ρ=30kg/m3になっている。頭側支持部31、腰側支持部32、足側支持部33の各密度は、上述のように、ρ=26kg/m3、ρ=30kg/m3、ρ=26kg/m3になっている。第2クッション層40の密度は、上述のように、ρ=48kg/m3になっている。第1端部材51及び第2端部材52における各層の密度は、上述のように、ともにρ=43kg/m3になっている。つまり、腰側支持部32の密度は、第1クッション層10、頭側端部22及び足側端部23と同じ密度である。また、頭側支持部31及び足側支持部33の密度は、このマットレス1に用いられている部材の中で、最も小さい密度である。さらに、第2クッション層40の密度は、頭側支持部31、腰側支持部32、足側支持部33、第1端部材51、第2端部材52等よりも大きく、弾性部21の密度の次に大きい。
使用者は、第2クッション層40の表面上又は、布カバー等を介してマットレス1の上で寝姿勢になる。このため、第2クッション層40は、第2中間層30よりも柔らかい。
第1クッション層10、頭側端部22及び足側端部23の各硬さは、上述のように、ともにH=210N/314cm2になっている。頭側支持部31、腰側支持部32、足側支持部33の各硬さは、上述のように、H=110N/314cm2、H=210N/314cm2、H=110N/314cm2になっている。第2クッション層40の硬さは、上述のように、H=45N/314cm2になっている。第1端部材51及び第2端部材52における各層の硬さは、上述のように、ともにH=300N/314cm2になっている。つまり、腰側支持部32は、第1クッション層10、頭側端部22及び足側端部23と同じ硬さである。また、頭側支持部31及び足側支持部33は、第1クッション層10、頭側端部22、足側端部23等よりも柔らかく、第2クッション層40よりも硬い。さらに、第2クッション層40は、このマットレス1に用いられている部材の中で、最も柔らかい。
[ベッド]
次に、本発明の実施の形態1に係るベッド2の全体構成について説明する。
図1に示すように、ベッド2は、病院、介護施設又は家庭において、要介護者又は患者等が利用するベッド2であって、使用者を支持するボトム210と、ボトム210の姿勢及び高さを調節する図示しない調節機構と、ベッド2フレームと、調節機構に動作指令を与えるためのリモコン等の図示しない操作部とを備えている。なお、ボトム210の上には、上記のマットレス1が例えば布カバーを被せた状態で配置される。
ボトム210は、複数に分割されており、互いにヒンジ(蝶番)等で回動可能に順次連結された複数の部位からなる。ボトム210は、例えば4つに分割されており、背ボトム211(第1ボトム及び第2ボトムの一例)及び腰ボトム212の他に、膝ボトム213と、足ボトム214とを有している。なお、ボトムは4つに分割されているが、3つ以下に分割されていてもよく5つ以上に分割されていてもよい。
背ボトム211は、ベッド2の使用者の背中部分に対応する位置に配置される。腰ボトム212は、ベッド2の使用者の腰部分(腰側)に対応する位置に配置されている。膝ボトム213は、ベッド2の使用者の大腿部分(足側)に対応する位置に配置されている。足ボトム214は、ベッド2の使用者の下腿部分(足側)に対応する位置に配置されている。
調節機構は、操作部から送られてくる動作指令に従ってボトム210の姿勢及び高さを調節する機構である。この調節機構は、制御回路と、その制御回路による制御の下で動作する電動アクチュエータ(モータ等)と、電動アクチュエータによって可動するリンク機構(背上げリンク機構、膝上げリンク機構等)とを有している。
ベッド2は、例えば、ボトム210を支持するメインフレームと、ベッド2を利用する使用者の頭側に設けられたヘッドボードと、その使用者の足側に設けられたフットボードとを備える。
このように構成されるベッド2では、背ボトム211、腰ボトム212、膝ボトム213及び足ボトム214の各ボトムの連結部分(ヒンジ)を支点としてギャッジ動作を行うことによって、ベッド2の使用者の起き上がり動作を補助する。例えば、背ボトム211が背上げリンク機構によって可動するとともに、膝ボトム213及び足ボトム214が膝上げリンク機構によって可動する。これにより、ボトム210は、図8に示すような姿勢に変形する。
図9は、背上げ及び膝上げのギャッジ動作を行ったときの本発明の実施の形態1に係るマットレス及びベッドの側面図である。
具体的には、まず、図9に示すように、背ボトム211、腰ボトム212、膝ボトム213及び足ボトム214が水平状態のボトム210の上にマットレス1(不図示)を介して使用者が寝ているときに、ボトム210の背上げのギャッジ動作を行うための操作ボタンが押下されると、調節機構の膝上げリンク機構が動作して、膝ボトム213と足ボトム214と山形に起き上がるように傾斜する。
次いで、膝ボトム213及び足ボトム214の傾斜動作中に、調節機構の背上げリンク機構が動作して、背ボトム211が起き上がるように傾斜する。その後、膝ボトム213及び足ボトム214は、最大膝上げ位置まで起き上がっていくと同時に、背ボトム211も最大背上げ位置まで起き上がっていく。これにより、ボトム210の背上げが完了する。このように、本実施の形態では、背上げに膝上げを連動させて使用者の起き上がり動作を補助している。
[作用効果]
次に、本実施の形態1におけるマットレス1の作用効果について説明する。
上述したように、実施の形態1に係るマットレス1は、マットレス1の最も下層に位置する第1クッション層10と、マットレス1の最も上層に積層されている第2クッション層40と、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層されている第1中間層20及び第2中間層30とを備えている。第1クッション層10、第2クッション層40及び第2中間層30は、クッション材からなっている。第1中間層20は、樹脂素材からなる三次元網状構造を形成する弾性部21を有している。
この構成によれば、このマットレス1では、使用者がマットレス1の上に乗ると、マットレス1が変形し、使用者が下方に沈む。しかし、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層されている樹脂素材の弾性部21は、その弾性力により、使用者が下方に沈みすぎることを抑制している。このため、例えば、使用者が略水平に載置しているマットレス1の上に寝ている場合に、圧力が集中する使用者の腰側が下方に沈み難く、使用者の寝姿勢が略水平に維持される。
弾性部21は、三次元網状のスプリング構造であるため、通気性を有するのでムレにくく、高反発性を有するので寝返りを打ちやすく、耐久性を有するので繰り返し圧縮に耐えることができる。これにより、このマットレス1では、三次元網状構造の弾性部21とし、それ以外の部分を発泡ウレタンとすることによって、放熱性や通気性に優れ、より体圧分散性を確保しつつ、適度な硬さを確保できる。
したがって、このマットレス1では、優れた寝姿勢を維持することができる。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1では、第2中間層30は、第1中間層20の上に積層されている。
この構成によれば、使用者がマットレス1の上で寝姿勢になると、発泡ウレタンからなる第2クッション層40及び第2中間層30が使用者の圧力により変形し、第1中間層20の弾性部21が第2クッション層40及び第2中間層30を支持する。このため、このマットレス1によれば、体圧分散を行い易い。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1では、第2中間層30は、使用者の頭側を支持する頭側支持部31と、使用者の腰側を支持する腰側支持部32と、使用者の足側を支持する足側支持部33とを有している。そして、腰側支持部32は、頭側支持部31及び足側支持部33と硬さが異なっている。
この構成によれば、使用者がマットレス1に寝姿勢となった場合に、圧力が集中する腰側は、頭側及び足側と異なる体圧分散がされる。
次に、比較例におけるマットレス1と本実施の形態1におけるマットレス1との作用効果について、図10及び図11を用いて説明する。
図10は、比較例のマットレスに係り、使用者が寝姿勢となった状態を示す模式断面図である。図11は、実施の形態1のマットレスに係り、使用者が寝姿勢となった状態を示す模式断面図である。
図10に示すように、比較例のマットレス1は、実施例1のマットレス1と同じ構成であるため、同じ構成については、同様の符号を用いる。実施例1のマットレス1と、比較例のマットレス1との相違点は、実施例1のマットレス1では腰側支持部32が頭側支持部31及び足側支持部33よりも硬いのに対し、比較例のマットレス1では腰側支持部32が頭側支持部31及び足側支持部33よりも柔らかい。
比較例のマットレス1でも、使用者が寝姿勢のときに、腰側がマットレス1に最も圧力がかかる。このため、比較例のマットレス1では、腰側支持部32が頭側支持部31及び足側支持部33よりも柔らかいため、使用者が寝姿勢となっているときに、腰側が下方に沈んでしまう。このため、使用者の寝姿勢は、水平面に対して略平行となり難い。このため、高齢者や療養者等の要介護者又は患者等の使用者が寝がえりをうち難い。その結果、比較例のマットレス1では、使用者が長時間使用した場合に、身体の歪みや痛みが生じる等の苦痛を受け易い。
これに対して、図11に示すように、実施の形態1に係るマットレス1では、腰側支持部32は、頭側支持部31及び足側支持部33よりも硬い。
この構成によれば、使用者がマットレス1に寝姿勢となった場合に、圧力が集中する腰側は、頭側及び足側に比べて、マットレス1の下方に深く沈みこむことが抑制される。つまり、使用者が寝姿勢となっているときに、腰側が下方に沈み難い。このため、使用者は、頭側から足側にかけて略直線状の姿勢を保つことができる。言い換えれば、使用者の寝姿勢は、水平面に対して略平行となる。このため、このマットレス1では、使用者が寝返りを打ち易く、優れた寝姿勢を維持することができる。その結果、比較例のマットレス1では、長時間使用した場合でも、身体の歪みや痛みが生じる等の苦痛を受け難くなる。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1では、ボトム210が同一平面を構成する状態で、ボトム210上にマットレス1が載置されている場合である。この場合、頭側支持部31と腰側支持部32との接合部分である第1接合面31a、32aは、頭側支持部31と腰側支持部32とが上下に重なり合うように平面に対して斜めとなっている。また、この場合、腰側支持部32と足側支持部33との接合部分である第2接合面32b、33aは、腰側支持部32と足側支持部33とが上下に重なり合うように平面に対して斜めとなっている。
この構成によれば、使用者がマットレス1の上に寝姿勢となった場合に、頭側支持部31と腰側支持部32との接合部分及び腰側支持部32と足側支持部33との接合部分の硬さが徐々に変化するように感じる。すなわち、使用者は、マットレス1の上に寝姿勢となった場合に、この接合部分において、頭側支持部31から腰側支持部32に向かって徐々に硬くなり、腰側支持部32から足側支持部33に向かって徐々に硬くなっていくように感じる。このため、使用者は、これらの接合部分から違和感を覚え難い。
図12の(B)は、実施の形態1のマットレスに係り、図9に示す状態のマットレスの連続切り込み部の周辺の断面図である。
図12の(B)は、背ボトム211が最大位置まで起き上がっている場合に、ベッド2にマットレス1を載置した状態を示している。
図12の(B)に示すように、ベッド2を稼働させ、背ボトム211が腰ボトム212に対して起き上がるように傾斜した場合に、これらの接合部分は、屈曲する。頭側支持部31と腰側支持部32との接合部分、及び、腰側支持部32と足側支持部33との接合部分が端に平面に対して略垂直となっている場合に比べ、接合面積が大きく、曲げに強くなる。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1は、平板状の直方体形状をなしている。マットレス1は、第1端部材51と、第2端部材52とを有している。第1端部材51は、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層され、マットレス1の左右方向の一端側(右側)でマットレス1の前後方向に向かって延びている。第2端部材52は、第1クッション層10と第2クッション層40との間に積層され、左右方向の他端側(左側)で前後方向に向かって延びている。第1端部材51と第2端部材52との間には、第1中間層20と第2中間層30とが挟持されている。
この構成によれば、使用者がマットレス1の上に寝姿勢となった場合に、マットレス1の中央部分が変形したとしても、第1端部材51と第2端部材52とが第1クッション層10及び第2クッション層40とを挟持しているため、左右方向への変形を抑制することができる。
また、通常、使用者がマットレス1の上で寝姿勢になる場合、又は、マットレス1から外に出る場合、マットレス1の中央側から左右方向の両端側のいずれかで腰を掛ける。ここで、第1端部材51及び第2端部材52は、このマットレス1のクッション材において、最も硬く、硬さがH=300N/314cm2である。腰側支持部32は、第1端部材51及び第2端部材52の次に硬く、硬さがH=210N/314cm2である。頭側支持部31及び足側支持部33は、硬さがH=110N/314cm2である。この場合、第1端部材51及び第2端部材52と腰側支持部32の硬度差は、第1端部材51及び第2端部材52と頭側支持部31及び足側支持部33との硬度差に比べて小さい。このため、このマットレス1では、使用者がマットレス1に深く腰をかけたときに、使用者の姿勢が安定し易い。その結果、マットレス1に腰掛けた使用者は、起き上がりから立ち上がり、及び、立ち下りから寝転びの連動動作をスムーズに行うことができる。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1では、第2クッション層40は、第2中間層30よりも柔らかい。
この構成によれば、第2クッション層40には、使用者が直接的又は布カバー等を介して間接的に接触する。このため、第2クッション層40は、使用者がマットレス1の上に乗った場合に、使用者の圧力を分散する、つまり、体圧分散をすることができる。特に、この第2クッション層40は、発泡ウレタンの連続気泡構造であり、このマットレス1において最もキメが細かいため、触り心地がなめらかであり、肌触りがよい。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1において、第1クッション層10では、第1クッション層10のベッド2側と対面する第1クッション層10の下面10aにおける膝ボトム213と足ボトム214との連結部分に対応する箇所には、凹部11が形成されている。凹部11は、少なくとも1つ以上形成されていればよい。凹部11は、深さが10mm以上、かつ、開口幅W11が20mm以上である。
図12の(A)は、実施の形態1のマットレスに係り、図9に示す状態のマットレスの凹部の周辺の断面図である。
図12の(A)は、膝ボトム213及び足ボトム214が最大位置まで起き上がっている場合に、ベッド2にマットレス1を載置した状態を示している。
図12の(A)に示すように、この構成によれば、マットレス1は、ギャッジ動作における膝ボトム213及び足ボトム214の姿勢変形に連動して、マットレス1における膝ボトム213と足ボトム214との連結部分に対応する箇所も山形に屈曲する。つまり、ボトム210が屈曲変形するに従って凹部11の開口幅W11が小さくなり、マットレス1が屈曲する。このため、ボトム210のライン形状に合った形でマットレス1の自然なラインを形成することができる。このため、ベッド2のギャッジ動作においてマットレス1にしわやたるみ等が発生するといったことを抑制できる。その結果、このマットレス1では、ギャッジ動作の膝上げによるボトム210の姿勢変形に精度良く追従させることができるため、ギャッジ性が優れている。
これにより、ギャッジ性だけではなく、体圧分散性、肌触り、寝返り易さ及び通気性にも優れたマットレス1を実現できる。つまり、このマットレス1によれば、寝心地のよいマットレス1を実現できる。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1では、凹部11は、左右方向に沿って第1クッション層10の一方の側端縁から他方の側端縁にわたって形成されている。
この構成によれば、マットレス1が屈曲しやすくなるので、マットレス1における膝ボトム213と足ボトム214との連結部分に対応する箇所は、膝ボトム213及び足ボトム214の姿勢変形に連動して変形する。その結果、このマットレス1では、ギャッジ動作の膝上げによるボトム210の姿勢変形により精度良く追従させることができるため、ギャッジ性がより優れている。
さらに、実施の形態1に係るマットレス1において、第1クッション層10の下面10aには、少なくとも1つ以上の連続切り込み部12が左右方向に沿って第1クッション層10の一方の側端縁から他方の側端縁にわたって形成されている。
図12の(B)に示すように、この構成によれば、マットレス1が屈曲しやすくなるので、マットレス1における背ボトム211と腰ボトム212との連結部分に対応する箇所は、背ボトム211及び腰ボトム212の姿勢変形に連動して変形する。したがって、このマットレス1では、腰側においても、ギャッジ動作の背上げによるボトム210の姿勢変形に精度良く追従させることができるため、ギャッジ性がより優れている。
(実施の形態1の変形例1)
次に、本実施の形態1の変形例1におけるマットレス1について図13の(A)を用いて説明する。図13の(A)は、実施の形態1の変形例1におけるマットレスに係り、第2中間層を示す部分断面図である。
図13の(A)に示すように、第2中間層30の頭側支持部31は、上辺が長辺、下辺が短辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。頭側支持部31の第1接合面31aは、前方から後方に向かって上り傾斜し、下方を向いている。
第2中間層30の腰側支持部32は、上辺が短辺、下辺が長辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。腰側支持部32の第1接合面32aは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。
また、腰側支持部32の第2接合面32bは、前方から後方に向かって下り傾斜し、上方を向いている。
第2中間層30の足側支持部33は、上辺が長辺、下辺が短辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。足側支持部33の第2接合面33aは、前方から後方に向かって下り傾斜し、下方を向いている。
なお、実施の形態1の変形例1は、実施の形態1の第2中間層30の上下を裏返した構成と同様である。
実施の形態1の変形例1においても、他の構成については、実施の形態1と同様の構成であり、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態1の変形例2)
次に、本実施の形態1の変形例2におけるマットレス1について図13の(B)を用いて説明する。図13の(B)は、実施の形態1の変形例2におけるマットレスに係り、第2中間層を示す部分断面図である。
図13の(B)に示すように、第2中間層30の頭側支持部31は、上辺が短辺、下辺が長辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。頭側支持部31の第1接合面31pは、前方から後方に向かって下り傾斜し、上方を向いている。
第2中間層30の腰側支持部32は、上辺と下辺と略同一の長さで、断面が平行四辺形状をなした平板状の部材である。腰側支持部32の第1接合面32pは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。また、腰側支持部32の第2接合面32qは、前方から後方に向かって下り傾斜し、上方を向いている。
なお、腰側支持部32の下面32gと腰側支持部32の第1接合面32pとが交差する角度θと、腰側支持部32の上面32fと腰側支持部32の第2接合面32qとが交差する角度θとは略等しい。つまり、第1接合面32pと第2接合面32qとは略平行である。
第2中間層30の足側支持部33は、上辺が長辺、下辺が短辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。足側支持部33の第2接合面33pは、前方から後方に向かって下り傾斜し、下方を向いている。
実施の形態1の変形例2においても、他の構成については、実施の形態1と同様の構成であり、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態1の変形例3)
次に、本実施の形態1の変形例3におけるマットレス1について図13の(B)を用いて説明する。図13の(C)は、実施の形態1の変形例3におけるマットレスに係り、第2中間層を示す部分断面図である。
図13の(C)に示すように、第2中間層30の頭側支持部31は、上辺が長辺、下辺が短辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。頭側支持部31の第1接合面31pは、前方から後方に向かって上り傾斜し、下方を向いている。
第2中間層30の腰側支持部32は、上辺と下辺と略同一の長さで、断面が平行四辺形状をなした平板状の部材である。腰側支持部32の第1接合面32pは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。また、腰側支持部32の第2接合面32qは、前方から後方に向かって上り傾斜し、下方を向いている。
第2中間層30の足側支持部33は、上辺が短辺、下辺が長辺であり、断面が台形形状をなした平板状の部材である。足側支持部33の第2接合面33pは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。
なお、実施の形態1の変形例3は、実施の形態1における変形例2の第2中間層30の上下を裏返した構成と同様である。
実施の形態1の変形例3においても、他の構成については、実施の形態1と同様の構成であり、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態2)
[構成]
次に、本発明の実施の形態2に係るマットレス100の構成について、図14及び図15を用いて説明する。図14は、実施の形態2のマットレスに係る分解斜視図である。図15は、実施の形態2のマットレスに係り、第1クッション層を示す正面図である。
図14及び図15に示すように、このマットレス100における他の構成は、実施の形態1のマットレス1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。また、ベッド2においては、実施の形態2のベッド2と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
実施の形態2におけるマットレス100では、第2中間層30の足側支持部33は、第1足側支持部133と、第2足側支持部134とを有している。
第1足側支持部133は、マットレス1の後方側に位置し、使用者の大腿部側と下腿部側とに対応している。第1足側支持部133は、前側の面を構成する第2接合面133aと、右側の側面を構成する右面133bと、左側の側面を構成する左面133cと、上側の面を構成する上面133eと、下側の面を構成する下面133fと、後側の面を構成する後面133gとを有している。
第1足側支持部133の第2接合面133aは、前方から後方に向かって上り傾斜し、上方を向いている。第1足側支持部133の下面133fは、第1中間層20の上面に接着されている。つまり、第1足側支持部133の下面133fは、足側端部23の上面23d、及び、弾性部21の上面21dの後方側と接着剤等で接着している。なお、足側支持部33の下面33fと弾性部21の上面21dとは、接触しているだけでもよい。第1足側支持部133は、実施の形態1の足側支持部33と前後方向の長さが異なるだけで、他の構成は実施の形態1の足側支持部33と同様である。
第2足側支持部134は、踵側に対応している。第2足側支持部134は、左右方向に延びる直方体部材である。第2足側支持部134は、前側の面を構成する前面134aと、右側の側面を構成する右面134bと、左側の面を構成する左面134cと、上側の面を構成する上面134dと、下側の面を構成する下面134eとを有している。第2足側支持部134の前面134aは、第1足側支持部133の後面133gと接着剤等で接着している。第2足側支持部134の下面134eは、第1中間層20の上面(足側端部23の上面23d、弾性部21の上面21dの後側)と接着剤等で接着している。なお、第2足側支持部134の下面134eと弾性部21の上面21dとは、接触しているだけでもよい。第2足側支持部134の上面134dは、第2クッション層40の下面40aと接着剤等で接着している。
本実施の形態において、第1足側支持部133は前後方向の長さL133が400mmであり、第2足側支持部134は前後方向の長さL134が410mmである。長さL133と長さL134との合計は、実施の形態1の足側支持部33の長さL33と等しい。また、第2足側支持部134において、上下方向の厚みが20mmで、密度が25〜35kg/m3で、40%硬さが200〜220N/314cm2である。第2足側支持部134は、頭側支持部31及び第1足側支持部133と腰側支持部32との間の硬さ及び密度である。また、本実施の形態では、特に、第2足側支持部134において、密度が30kg/m3で、40%硬さが210N/314cm2であることが好ましい。なお、第2足側支持部134において、上下方向の厚みは20mmより大きくてもよく、この厚みより小さくてもよい。
[作用効果]
次に、本実施の形態2におけるマットレス100の作用効果について説明する。
このマットレス100における他の作用効果は、実施の形態1のマットレス1と同一の作用効果であり、同一の作用効果については詳細な説明を省略する。
上述したように、実施の形態2に係るマットレス100において、第2足側支持部134は、腰側支持部32、頭側支持部31及び第1足側支持部133と硬さが異なっている。
この構成によれば、使用者がマットレス100に寝姿勢となった場合に、踵側は、頭側、腰側、大腿部側及び下腿部側と異なる体圧分散がされる。
さらに、実施の形態2に係るマットレス100において、第2足側支持部134は、腰側支持部32よりも柔らかく、頭側支持部31及び第1足側支持部133よりも硬い。
この構成によれば、使用者がマットレス100に寝姿勢となった場合に、第2足側支持部134は、下方に沈み難い。つまり、このマットレス1では、足側が足以外の身体よりも下方に下がり過ぎず、足側が足以外の身体よりも情報に上がり過ぎず、適度な硬さとなっている。このため、使用者の身体は、水平面と略平行に保つことができる。
(その他変形例等)
以上、本発明に係るマットレス1、100及びベッド2について、実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例1、2、3に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例1、2、3に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態及び上記実施の形態1の変形例において、連続切り込み部12は、第1クッション層10の厚み方向に貫通していてもよいし貫通していなくてもよい。また、連続切り込み部12は、一定の切り込み幅を有するようにマットレス1、100の一部を除くように形成されていてもよいが、単にマットレス1、100を切断するように形成されていてもよい。後者の場合、連続切り込み部12は、ボトム210が屈曲変形する前の状態(ボトム210が平坦の状態)においては開口していないが、ボトム210が屈曲変形するに従って連続切り込み部12は開口するように変形する。
また、マットレス1、100は、電動式のベッド、及び、非電動式のボトムが変形するベッドに適用してもよく、ベッド2に載置することなく地面に直接載置してもよい。
また、第1中間層20の上には第2中間層30を積層しているが、第2中間層30の上に第1中間層20を積層してもよい。
その他、実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例1、2、3に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例1、2、3における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。