JP3220661U - 介護用補助クッション - Google Patents
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Abstract
【課題】被介護者が使用しているマットレスを交換することなく、必要とする機能を付加することが可能な介護用補助クッションを提供する。
【解決手段】介護用補助クッションC1は、上下方向の厚さが10mm以上25mm以下の平板状でJIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さが35kPa以上56kPa以下の範囲の発泡ポリエチレンからなる。介護用補助クッションC1がマットレスMの長手方向略中央部で且つマットレスMの幅方向両端部に配置されることにより被介護者の端座位の姿勢維持が補助される。
【選択図】図1
【解決手段】介護用補助クッションC1は、上下方向の厚さが10mm以上25mm以下の平板状でJIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さが35kPa以上56kPa以下の範囲の発泡ポリエチレンからなる。介護用補助クッションC1がマットレスMの長手方向略中央部で且つマットレスMの幅方向両端部に配置されることにより被介護者の端座位の姿勢維持が補助される。
【選択図】図1
Description
本考案は介護用補助クッションに関し、より詳細にはマットレスの所定位置に配置することによりマットレスに所定の介護機能を付加する介護用補助クッションに関するものである。
介護用のマットレスに求められる機能としては、例えば、寝たきりの要介護者の場合には床ずれ(褥瘡)の発生を抑制する観点から体圧分散性が求められる。一方、軽度の要介護者の場合には体位変換や起き上がりなどの自立を促進させる観点から高反発性が求められる。また、汗などの湿気を逃しやすくする観点からは通気性といった機能も求められる。加えて、要介護者の状態変化などそのときどきでマットレスに求められる機能も変わってくる。このような様々な要求に対応して多様な品種のマットレスを準備することは生産者及び販売者の負担が大きすぎ現実的ではない。
そこで、様々な機能を一つのマットレスで発揮させようとこれまで種々の提案がなされている。例えば特許文献1では、上層、中層、下層の三層からなるマットレスにおいて、下層を複数の構成体で構成し、使用者の体格及び腰痛の有無により身体の各部位に対応する構成体の硬度・クッション性を調整可能とする技術が提案されている。また特許文献2では、面剛性の異なる複数のクッション材を積層して充填材とし、体圧分散性を高めて床ずれの抑制や起き上がり性の向上を図る技術が提案されている。
また本出願人も、特性の異なる2以上の層が積層されてなり、各層の積層順が組み替え可能な構成を有し、最小限の品数で被介護者の様々な要求に対応可能なマットレスを提案した(特許文献3)。
上記提案技術によればマットレスに要求される様々な機能のいくつかは満たされる。しかし、例えば体圧分散性を向上させるためにマットレスを低反発性にすると、仰臥位から側体位への体位変換や端座位への移行動作が行いにくくなる。反対に、前記体位変換や移行動作を行いやすくするためにマットレスの硬度を高めると、体圧分散性が低下して褥瘡が発生しやすくなる。このように一つのマットレスで全ての要求に応えることには限界があった。
本考案はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被介護者が使用しているマットレスを交換することなく、必要とする機能を付加することが可能な介護用補助クッションを提供することにある。
前記目的を達成する本考案に係る介護用補助クッションは、マットレスの所定位置に配置することにより前記マットレスに所定の介護機能を付加するクッションであって、上下方向の厚さが10mm以上25mm以下の平板状の発泡ポリエチレン及び/又は発泡ポリウレタンからなり、前記発泡ポリエチレンのJIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さが35kPa以上56kPa以下の範囲であり、前記発泡ポリウレタンのJIS K 6400−2に準拠して測定した25%圧縮硬さが110kPa以上150kPa以下の範囲であることを特徴とする。
前記構成の介護用補助クッションにおいて、前記介護用補助クッションが前記発泡ポリエチレンからなり、前記マットレスの長手方向略中央部で且つ前記マットレスの幅方向の少なくとも一方端部に配置することにより前記幅方向の一方端部における被介護者の端座位の姿勢維持を補助する構成としてもよい。
ここで、前記発泡ポリエチレンの前記幅方向の長さは90mm以上110mm以下の範囲であり、上下方向の厚さは15mm以上25mm以下の範囲であるのが好ましい。
また前記構成の介護用補助クッションにおいて、前記介護用補助クッションが前記発泡ポリウレタンからなり、前記マットレスの長手方向略中央部で且つ前記マットレスの幅方向中央部に配置することにより、前記マットレスと共にベッドを背上げした際に前記マットレス上で半座位となった被被介護者の仙骨にかかる体圧を分散させ褥瘡を抑制する構成としてもよい。
ここで、前記発泡ポリウレタンの前記幅方向の長さは600mm以上800mm以下の範囲であり、上下方向の厚さは10mm以上20mm以下の範囲であるのが好ましい。
また前記構成の介護用補助クッションは、前記発泡ウレタンからなる第1部材と、前記第1部材の幅方向の少なくとも一方側に設けられた前記発泡ポリエチレンからなる第2部材とを備える構成としてもよい。
本考案に係る介護用補助クッションによれば、被介護者が使用しているマットレスを交換することなく、必要とする機能を付加することが可能となる。
以下、本考案に係る介護用補助クッション(単に「補助クッション」と記すことがある。)について図に基づいてさらに説明するが、本考案はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書における長手方向、幅方向、上下方向は、各図に示す長手方向、幅方向、上下方向をいうものとする。
(第1実施形態)
図1に第1実施形態に係る補助クッションが挿入されたマットレスMの斜視図、図2に第1実施形態に係る補助クッションC1の斜視図、図3に第1実施形態に係る補助クッションC1の使用例を説明する図をそれぞれ示す。
図1に第1実施形態に係る補助クッションが挿入されたマットレスMの斜視図、図2に第1実施形態に係る補助クッションC1の斜視図、図3に第1実施形態に係る補助クッションC1の使用例を説明する図をそれぞれ示す。
(マットレス)
まずマットレスMについて説明する。図1に示すマットレスMは、積層された平面視が略同一の長方形状の3つの層を有する。積層方向上側から順に第1層1、第2層2、第3層3とが積層されている。これら各層は固定・接着されておらず単に積層されているだけであり、所望の積層順に組み替え可能である。なお、実使用においては積層体は型崩れしないように外カバーに包覆されて使用されてもよい。
まずマットレスMについて説明する。図1に示すマットレスMは、積層された平面視が略同一の長方形状の3つの層を有する。積層方向上側から順に第1層1、第2層2、第3層3とが積層されている。これら各層は固定・接着されておらず単に積層されているだけであり、所望の積層順に組み替え可能である。なお、実使用においては積層体は型崩れしないように外カバーに包覆されて使用されてもよい。
マットレスMの第1層1はウレタンフォームから構成されている。ウレタンフォームは反発弾性率が低いため体圧分散性が高く、例えば褥瘡の抑制効果が得られる。また、ウレタンフォームがセル膜を有しない三次元網目構造のものであると通気性及び透水性の効果も得られる。第1層1の層厚は、通常、30mmから70mmの範囲である。
また第1層1の下面側は平面である一方、第1層1の上面側には、図3に示すように、幅方向の一方端から他方端にわたって直線状に連続する溝部11が長手方向に所定間隔で複数本形成されている。このような溝部11が形成されることによって第1層1の材質(ウレタンフォーム)と相俟って第1層1の体圧分散性が更に向上する。溝部11の形成間隔が短くなるほど体圧分散性は向上するので、第1層1における溝部11の形成間隔は頭側よりも足側が短く設定されている。なお、腰部の載置領域に形成されている溝部11は体圧分散性を向上させる目的と共にマットレスが載置されたベッドが背上げ姿勢とされた際にベッドの形状に添ってマットレスが屈曲変形しやすくする目的もある。
図3には表れていないが、溝部11の断面形状は、表面開口から内方に向かう途中部において長手方向に拡がる拡幅部を有し、底面部は円弧状とされている。溝部11の断面形状をこのような形状とすることによって、例えばマットレスが載置されたベッドが背上げ姿勢とされた場合に、第1層1がベッドの形状に添って屈曲しやすくなると共に、長手方向に拡がる力が溝部11に加わったとき(図3において上方に凸となる屈曲形状となったとき)でも、溝部11の底面部から積層方向に亀裂が生じるのが抑制される。
第2層2は立体網状繊維集合体から構成されている。第2層2が立体網状繊維集合体から構成されていることにより、第2層2は十分なクッション性と優れた強度とを有する。第2層2の厚みは、通常、10mmから50mmの範囲である。立体網状繊維集合体としては、例えば樹脂繊維がランダムな方向性を有して融着したものが例示される。このような立体網状繊維集合体としては、例えば、プロピレン系重合体を含んでなる樹脂から構成される多数又は複数の繊維を、溶融状態でランダムまたは螺旋状の方向性を持たせて互いに融着させ、立体的な網状の構造としてものが挙げられる。繊維が溶融状態で互いに接することにより、繊維同士が融着することができ、立体網状繊維集合体としての構造を強固に保持することができる。ここで、ランダムな方向性を持つとは、繊維が無秩序に曲がりくねった状態にあることをいう。また、螺旋状の方向性を持つとは、繊維が、回転しながら回転面に垂直方向に上昇した状態にあることをいう。また、多数の繊維とは、立体網状繊維集合体の形態を維持するために必要な数の繊維を意味し、例えば幅1000mm、厚み30mmの立体網状繊維集合体中において50〜1800本程度の本数の繊維が存在することを意味する。立体網状繊維集合体を構成する繊維の繊度は150dtexから100000dtex、好ましくは1000dtexから10000dtexの範囲である。樹脂繊度が上記範囲内であると、立体網状繊維集合体を圧縮した際に、圧縮した面全体で均一な圧力を生じさせることができる。
第3層3は固綿から構成されている。ここで使用されている固綿は、ポリエステルや羊毛などに樹脂加工や熱加工を加え圧縮し、一定以上の硬度、密度を有する板状としたものである。これによりマットレスにコシが生まれクッション性と支持性が生じると共に、繊維組織を有しているので通気性、透湿性に優れる。第3層3の厚みは、通常、30mmから70mmの範囲である。
図1及び図3の斜視図にわずかに確認されるように、第3層3の下面には複数本の凹部31が形成されている。これら凹部31は幅方向の一方端から他方端にわたって直線状に連続している。これらの凹部31によって体圧分散性が向上すると共に、マットレスが載置されたベッドが背上げ姿勢とされた場合に第3層3がベッドの形状に添って屈曲しやすくなる。
(介護用補助クッション)
以上のような構造のマットレスの第1層1と第2層2との間に本考案に係る補助クッションC1が介挿される。具体的には、図1に示すように、第2層2の上面の長手方向略中央部で且つ幅方向の両端部に補助クッションC1が載置される。補助クッションC1は発泡ポリエチレンから構成され、JIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さは35kPa以上56kPa以下の範囲である。補助クッションC1がこのような範囲の圧縮硬さであることによって、被介護者自身による端座位の姿勢維持を補助することなどが可能となる。
以上のような構造のマットレスの第1層1と第2層2との間に本考案に係る補助クッションC1が介挿される。具体的には、図1に示すように、第2層2の上面の長手方向略中央部で且つ幅方向の両端部に補助クッションC1が載置される。補助クッションC1は発泡ポリエチレンから構成され、JIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さは35kPa以上56kPa以下の範囲である。補助クッションC1がこのような範囲の圧縮硬さであることによって、被介護者自身による端座位の姿勢維持を補助することなどが可能となる。
図2に示すように、補助クッションC1は平板状で平面視において長手方向に長い長方形状を有する。被介護者の端座位の姿勢維持を補助する働きを奏すさせるには、前述のように補助クッションC1が所定の圧縮硬さを有すると共に上下方向の厚さD1が10mm以上25mm以下であることも重要である。補助クッションC1の厚さD1が10mm未満であると所定の効果が発揮されない一方、厚さD1が25mmを超えるとマットレスM表面に段差が顕著に表れ被介護者が補助クッション上に移動しにくくなるとともに、補助クッションC1をマットレスMへの差し入れにくくなる。本実施形態の補助クッションC1のより好ましい厚さD1は15mm以上25mm以下である。
本実施形態の補助クッションC1の平面形状には特に限定はなく、被介護者が端座位となり得るベッド上の位置などを考慮し適宜決定すればよい。例えば、被介護者が端座位を取り得るのはベッド上の端部であるから、マットレスMの幅方向両端部の長手方向全体に補助クッションC1を取り付けるようにしてもよい。すなわち、補助クッションC1の長手方向の長さをマットレスMの長手方向の長さと同じにしてもよい。しかし、介護用ベッドの幅方向両側にはサイドレールが通常取り付けられている。そして、サイドレールの少なくともベッドの長手方向中央部分は、被介護者がベッドに昇降できるようにするために取り外し可能としているか、当初からサイドレールは設けられていない。このような現状を考慮すると、図1に示すように、補助クッションC1の平面形状はマットレスMの長手方向中央部で幅方向端部に載置可能な形状とするのが経済的である。また、補助クッションC1の長手方向の長さをマットレスMの長手方向の長さと同じにした場合には、頭部及び脚部の幅方向両端部に補助クッションC1による硬度の高い領域ができ被介護人がベッド上で横たわる領域が実質的に狭められる。これに対して補助クッションC1をマットレスMの長手方向中央部で幅方向端部にのみ載置した場合には被介護人がベッド上で横たわる領域が実質的に狭められることはない。マットレスM(ベッド)の平面形状は通常サイズの場合、長手方向長さ1910mm、幅方向長さ910mmであるので、本実施形態の補助クッションC1の長手方向長さL1は400mm以上500mm以下の範囲が好ましく、幅方向長さW1は90mm以上110mm以下の範囲が好ましい。図2に示す本実施形態の補助クッションC1では、長手方向長さL1は450mm、幅方向長さW1は100mm、上下方向厚みD1は20mmに設定されている。
(使用形態)
図3に、本実施形態に係る補助クッションC1の使用例を説明する図を示す。なお、補助クッションC1はマットレスMの図1に示した位置に配置されている。
図3に、本実施形態に係る補助クッションC1の使用例を説明する図を示す。なお、補助クッションC1はマットレスMの図1に示した位置に配置されている。
マットレスMの第1層1は反発弾性率の低いウレタンフォームから構成されているので体圧分散性が高く、褥瘡の抑制効果などが得られる。一方、例えば被介護者がベッドから車椅子に移動する場合、被介護者は仰臥状態からベッドの幅方向端部に移動して端座位姿勢となる必要があるところ、第1層1が反発弾性率の低いウレタンフォームからなるマットレスMでは筋力の衰えた被介護者は独力で端座位の姿勢を十分には維持できない。このような場合には、マットレスMの長手方向中央部で且つ幅方向端部に補助クッションC1を挟み込む。補助クッションC1はウレタンフォームよりも高い圧縮硬さを有しているので、図3に示すように、被介護者の端座位の姿勢維持を補助することが可能となる。また、被介護者の状態が回復し独力で十分に端座位を維持可能となった場合には、マットレスMから補助クッションC1を引き抜くことによりマットレスMを通常の使用状態に戻すことができる。
(第2実施形態)
図4に第2実施形態に係る補助クッションC2が挿入されたマットレスMの斜視図、図5に第2実施形態に係る補助クッションC2の斜視図、図6に第2実施形態に係る補助クッションC2の使用例を説明する図をそれぞれ示す。なお、マットレスMは第1実施形態と同一であるのでここではマットレスMの構造等の説明は省略し、同一部材及び同一部分には同一の符号を付すこととする。
図4に第2実施形態に係る補助クッションC2が挿入されたマットレスMの斜視図、図5に第2実施形態に係る補助クッションC2の斜視図、図6に第2実施形態に係る補助クッションC2の使用例を説明する図をそれぞれ示す。なお、マットレスMは第1実施形態と同一であるのでここではマットレスMの構造等の説明は省略し、同一部材及び同一部分には同一の符号を付すこととする。
(介護用補助クッション)
図4に示すように、マットレスMの第1層1と第2層2との間に補助クッションC2が配置されている。具体的には、第2層2の長手方向略中央部で且つ幅方向中央部に補助クッションC2が載置されている。補助クッションC2は発泡ポリウレタンから構成され、JIS K 6400−2に準拠して測定した25%圧縮硬さは110kPa以上150kPa以下の範囲である。補助クッションC2がこのような範囲の圧縮硬さであることによって、ベッドの背上げを行って被介護者が上半身を起こして半座位姿勢となったときに被介護者の仙骨にかかる体圧が分散されて褥瘡が抑制されるといった作用が得られる。
図4に示すように、マットレスMの第1層1と第2層2との間に補助クッションC2が配置されている。具体的には、第2層2の長手方向略中央部で且つ幅方向中央部に補助クッションC2が載置されている。補助クッションC2は発泡ポリウレタンから構成され、JIS K 6400−2に準拠して測定した25%圧縮硬さは110kPa以上150kPa以下の範囲である。補助クッションC2がこのような範囲の圧縮硬さであることによって、ベッドの背上げを行って被介護者が上半身を起こして半座位姿勢となったときに被介護者の仙骨にかかる体圧が分散されて褥瘡が抑制されるといった作用が得られる。
図5に示すように、補助クッションC2は平板状で平面視において幅方向に長い長方形状を有する。補助クッションC2が半座位姿勢となったときの被介護者の仙骨にかかる体圧を分散させる働きを奏するには、前述のように補助クッションC2が所定の圧縮硬さを有すると共に上下方向の厚さD1が10mm以上25mm以下であることも重要である。補助クッションC2の厚さD2が10mm未満であると所定の効果が発揮されない一方、厚さD2が25mmを超えるとマットレスM表面に段差が顕著に表れ、被介護者が仰臥状態となったときなどに不快感を感じるおそれがある。本実施形態の補助クッションC2のより好ましい厚さD2は10mm以上20mm以下である。
本実施形態の補助クッションC2の平面形状には特に限定はなく、被介護者が半座位姿勢となったときに被介護者の仙骨が当接する領域に配置可能であればよい。生産性などを考慮すると、図5に示すように、補助クッションC2の平面形状は長方形状とするのが経済的である。前述のように、マットレスM(ベッド)の平面形状は通常サイズの場合、長手方向長さ1910mm、幅方向長さ910mmであるから、本実施形態の補助クッションC2の長手方向長さL2は400mm以上500mm以下の範囲が好ましく、幅方向長さW2は600mm以上800mm以下の範囲が好ましい。図5に示す本実施形態の補助クッションC2では、長手方向長さL2は450mm、幅方向長さW2は700mm、上下方向厚みD1は15mmに設定されている。
(使用形態)
図6に、本実施形態に係る補助クッションC2の使用例を説明する図を示す。なお、補助クッションC2はマットレスMの図4に示した位置に配置されている。
図6に、本実施形態に係る補助クッションC2の使用例を説明する図を示す。なお、補助クッションC2はマットレスMの図4に示した位置に配置されている。
マットレスMの第1層1は反発弾性率の低いウレタンフォームから構成されているので体圧分散性が高く褥瘡の抑制効果などが得られるものの、食事や医療措置などの際にベッドの背上げを行って被介護者を上半身を起こした半座位姿勢としたとき、被介護者の荷重が仙骨周辺に集中することになりマットレスMだけでは褥瘡の発生を抑制しにくい。加えて、使用等による劣化でマットレスMによる体圧分散性が低下すると褥瘡の発生は一層抑制しにくくなる。
このような場合には、マットレスMの長手方向中央部で且つ幅方向中央部、すなわち背上げを行って被介護者を半座位姿勢としたときに被介護者の仙骨が当たる部分に補助クッションC2を配置する。補助クッションC2は前述のように所定圧縮硬さを有しているので、図6に示すように被介護者の半座位姿勢となったときの仙骨が当たる部分のマットレスMによる荷重分散が補助クッションC2によって補助される。これにより被介護者の褥瘡の発生が一層抑えられる。
(第3実施形態)
図7に第3実施形態に係る補助クッションC3の斜視図を示す。図7の補助クッションC3は、第2実施形態の補助クッションC2(第1部材)の幅方向両端に第1実施形態の補助クッションC1(第2部材)を接続した構成を有する。補助クッションC1及び補助クッションC2の材質、特性及び外形は第1実施形態及び第2実施形態で説明したものと同じであるので、ここではそれらの説明は省略する。
図7に第3実施形態に係る補助クッションC3の斜視図を示す。図7の補助クッションC3は、第2実施形態の補助クッションC2(第1部材)の幅方向両端に第1実施形態の補助クッションC1(第2部材)を接続した構成を有する。補助クッションC1及び補助クッションC2の材質、特性及び外形は第1実施形態及び第2実施形態で説明したものと同じであるので、ここではそれらの説明は省略する。
補助クッションC1と補助クッションC2とは着脱自在に接続されていてもよいし、分離不能に接続されていてもよい。着脱自在に接続する場合には面ファスナーやボタンなど従来公知の着脱可能接続部材を用いることができる。また分離不能に接続する場合には、接着剤による貼着や熱溶着など従来公知の接続手段を用いることができる。
補助クッションC3の幅方向長さ(W1+W2+W1)は、通常のマットレスM(ベッド)の幅方向長さ(例えば910mm)と同一又は若干短く設定されているのが好ましい。これにより、補助クッションC3をマットレスMに配置する際に、補助クッションC3とマットレスMの幅方向端部を一致させることで幅方向の位置合わせが容易できるようになる。
このような構成の補助クッションC3によれば補助クッションC1と補助クッションC2とを合わせた効果、すなわち被介護者が端座位となったときの姿勢維持の補助および被介護者が半座位姿勢となったときの仙骨が当接する部分の圧力分散の補助が果たされる。
なお、補助クッションC3は、補助クッションC2の幅方向一方側にのみ補助クッションC1を接続した形態としても構わない。
(その他)
以上説明した実施形態では補助クッションをマットレスMの第1層と第2層の間に配置していたが、補助クッションを配置する上下方向位置に特に限定はなく、第2層と第3層の間に配置してもよい。あるいは第1層の上面や第3層の下面に配置してもよい。加えて、補助クッションを配置する対象となるマットレスは3層構造のものでなくてもよく、2層構造や4層以上の構造、あるいは単層構造のものであっても勿論構わない。
以上説明した実施形態では補助クッションをマットレスMの第1層と第2層の間に配置していたが、補助クッションを配置する上下方向位置に特に限定はなく、第2層と第3層の間に配置してもよい。あるいは第1層の上面や第3層の下面に配置してもよい。加えて、補助クッションを配置する対象となるマットレスは3層構造のものでなくてもよく、2層構造や4層以上の構造、あるいは単層構造のものであっても勿論構わない。
また補助クッションは必要なときだけ、すなわち端座位となるときや半座位となるときだけマットレスに配置し、それ以外のときは取り外しておく使用形態であってもよい。そしてまた、補助クッションがマットレスの配置した位置からズレないように面ファスナーなどの固定部材を補助クッションに設けてマットレスに対して補助クッションを固定・離脱可能としても構わない。
本考案に係る介護用補助クッションによれば、被介護者が使用しているマットレスを交換することなく、必要とする機能を付加することが可能となり有用である。
1 第1層
2 第2層
3 第3層
M マットレス
C1 補助クッション
C2 補助クッション
C3 補助クッション
11 溝部
31 凹部
2 第2層
3 第3層
M マットレス
C1 補助クッション
C2 補助クッション
C3 補助クッション
11 溝部
31 凹部
また前記構成の介護用補助クッションは、前記発泡ポリウレタンからなる第1部材と、前記第1部材の幅方向の少なくとも一方側に設けられた前記発泡ポリエチレンからなる第2部材とを備える構成としてもよい。
Claims (6)
- マットレスの所定位置に配置することにより前記マットレスに所定の介護機能を付加するクッションであって、
上下方向の厚さが10mm以上25mm以下の平板状の発泡ポリエチレン及び/又は発泡ポリウレタンからなり、
前記発泡ポリエチレンのJIS K 6767に準拠して測定した25%圧縮硬さが35kPa以上56kPa以下の範囲であり、
前記発泡ポリウレタンのJIS K 6400−2に準拠して測定した25%圧縮硬さが110kPa以上150kPa以下の範囲である
ことを特徴とする介護用補助クッション。 - 前記介護用補助クッションが前記発泡ポリエチレンからなり、
前記マットレスの長手方向略中央部で且つ前記マットレスの幅方向の少なくとも一方端部に配置することにより前記幅方向の一方端部における被介護者の端座位の姿勢維持を補助する請求項1記載の介護用補助クッション。 - 前記発泡ポリエチレンの前記幅方向の長さが90mm以上110mm以下の範囲であり、上下方向の厚さが15mm以上25mm以下の範囲である請求項2記載の介護用補助クッション。
- 前記介護用補助クッションが前記発泡ポリウレタンからなり、
前記マットレスの長手方向略中央部で且つ前記マットレスの幅方向中央部に配置することにより、前記マットレスと共にベッドを背上げした際に前記マットレス上で半座位となった被介護者の仙骨にかかる体圧を分散させ褥瘡を抑制する請求項1記載の介護用補助クッション。 - 前記発泡ポリウレタンの前記幅方向の長さが600mm以上800mm以下の範囲であり、上下方向の厚さが10mm以上20mm以下の範囲である請求項4記載の介護用補助クッション。
- 前記発泡ウレタンからなる第1部材と、前記第1部材の幅方向の少なくとも一方側に接続された前記発泡ポリエチレンからなる第2部材とを備える請求項1記載の介護用補助クッション。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018004896U JP3220661U (ja) | 2018-12-17 | 2018-12-17 | 介護用補助クッション |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7008154B1 (ja) * | 2021-06-23 | 2022-01-25 | アロン化成株式会社 | クッションを備えた介護用具 |
JP7486163B2 (ja) | 2020-05-29 | 2024-05-17 | 西川株式会社 | 寝具提案システム及び寝具提案方法 |
-
2018
- 2018-12-17 JP JP2018004896U patent/JP3220661U/ja active Active
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