JP2017099364A - 極小セルロースの製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、気相反応で漂白されたパルプを用いて極小セルロースを製造する方法であって、機械的微細化処理の負担が少ない製造方法を提供することである。【解決手段】気相反応で漂白されたパルプをパルプ濃度8〜17質量%で酵素処理する工程、酵素処理されたパルプを叩解処理する工程、および叩解処理により得られたミクロフィブリルセルロース繊維を機械的に微細化処理する工程を含む、極小セルロースの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、極小セルロースの製造方法に関する。
近年、物質をナノメートルレベルまで微細化し、物質が持つ従来の性状とは異なる新たな物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。化学処理、粉砕処理等のナノテクノロジーによりセルロース系原料から製造される極小セルロースは、強度、弾性、熱安定性等に優れているため、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂およびゴムの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途に用いられている。また、極小セルロースは、水系分散性に優れているため、食品、化粧品、塗料等の粘度の保持剤、食品原料生地の強化剤、水分保持剤、食品安定化剤、低カロリー添加物、乳化安定化助剤などの多くの用途における利用が期待されている。
極小セルロースの製造方法として、特許文献1には、セルロース繊維を気相中でオゾン処理した後、水に分散し、得られたセルロース繊維の水懸濁液を粉砕処理する方法が提案されており、このようなオゾン処理を施すことで、酸化反応と共に繊維を膨潤させることができ、その後の粉砕処理で効率的に微細化を行うことができるとされている。
特開2010−254726号公報
しかし、特許文献1に記載の方法は、極小セルロースを得るために何度も機械的微細化処理をしなければならず、機械的微細化処理の負担が大きいものである。
本発明の課題は、気相反応で漂白されたパルプを用いて極小セルロースを製造する方法であって、機械的微細化処理の負担が少ない製造方法を提供することである。
この課題解決のため、機械的微細化処理の前処理を試みたところ、意外なことに、所定範囲のパルプ濃度で酵素処理をした後に叩解処理をすると、叩解処理後に好適なミクロフィブリルセルロース繊維が得られ、このミクロフィブリルセルロース繊維を用いて機械的微細化処理すると、少ない負担で極小セルロースが製造できることがわかった。
本発明は、気相反応で漂白されたパルプをパルプ濃度8〜17質量%で酵素処理する工程、酵素処理されたパルプを叩解処理する工程、および叩解処理により得られたミクロフィブリルセルロース繊維を機械的に微細化処理する工程を含む、極小セルロースの製造方法に関する。
本発明によれば、気相反応で漂白されたパルプを用いて極小セルロースを製造する方法であって、機械的微細化処理の負担が少ない製造方法を提供することができる。
実施例1における酵素処理後のパルプの写真である。 実施例1における叩解処理後のミクロフィブリルセルロース繊維の写真である。 実施例4における機械的微細化処理後の極小セルロースの写真である。 ミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径を示すグラフである。
本実施形態の製造方法は、酵素処理する工程、叩解処理する工程、および微細化処理する工程を含む(以下、「酵素処理工程」、「叩解処理工程」、「微細化処理工程」ともいう)。
酵素処理工程は、気相反応で漂白されたパルプを酵素処理する工程である。
気相反応で漂白(脱リグニン処理)されたパルプとしては、オゾンを用いたオゾン漂白により処理されたパルプが好適な手段として例示される。オゾンの水への溶解度は酸素に比べ数倍から10倍大きいと言われているものの、従来漂白に用いられていた塩素を比べると約1/10であり水に対して難溶性と言える。従ってオゾン漂白は、パルプ濃度が低濃度の場合、セルロースを覆う水の層が厚く、オゾンの水への溶解度が低いためオゾンの反応速度が遅くなる問題を有し、更に反応性の低いリグニンに対し強い酸化力を付与する手段として、原料パルプ濃度が25質量%以上の高濃度で、所謂気相反応でオゾンを原料パルプに対して反応させる気相反応で処理させることが好ましい。オゾン処理に置き換えて、酸素を用いた気相反応での漂白処理も好適に採用される。
原料パルプは、植物由来の各種クラフトパルプや機械パルプが好適に用いられるが、脱リグニン処理を行なっても除去しきれないリグニンに対しても強い酸化力を持つオゾン処理が効果的に機能する広葉樹クラフトパルプ(LUKP)や針葉樹クラフトパルプ(NUKP)などのクラフトパルプ、特には、後段の酵素処理する工程、叩解処理する工程、機械的な微細化処理工程での処理性の観点から、広葉樹クラフトパルプ(LUKP)を使用することが好ましい。
オゾン処理としては特に制限されるものではないが、公知のオゾン発生装置を使用して、オゾン濃度10〜20質量%、オゾン添加率は、絶乾パルプ100質量部当たり好ましくは0.05〜2質量部、より好ましくは0.1〜1質量部、処理温度としても特に制約されるものではなく、0〜50℃の範囲で適宜調整される。オゾンとパルプの反応は早く、オゾン処理時間が一般的に数分間以内で済むため、気相反応でのオゾン処理時間は問題なく、反応温度が主因子となる。オゾン処理されたパルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LUKP)をオゾン処理した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましい。
酵素処理は、酵素がセルロースのβ−1,4−グルコシド結合を加水分解によって開裂し、解重合を引き起こす処理であり、その触媒としてはセルラーゼ系酵素、ヘミセルラーゼ系酵素などが挙げられ、セルラーゼ系酵素が好ましい。
セルラーゼ系酵素としては、トリコデルマ(Trichoderma、糸状菌)属、アクレモニウム(Acremonium、糸状菌)属、アスペルギルス(Aspergillus、糸状菌)属、ファネロケエテ(Phanerochaete、担子菌)属、トラメテス(Trametes、担子菌)属、フーミコラ(Humicola、糸状菌)属、バチルス(Bacillus、細菌)属、スエヒロタケ(Schizophyllum、担子菌)属、ストレプトミセス(Streptomyces、細菌)属、シュードモナス(Pseudomonas、細菌)属などが産生するセルラーゼ系酵素が挙げられ、種類が豊富で、産生性も高いため糸状菌セルラーゼ系酵素が特に好ましい。
このようなセルラーゼ系酵素は、試薬や市販品として購入可能であり、CX7L(ジェネンコア社製)、FiberCare D(ノボザイム社製)などが挙げられる。
酵素処理時のパルプ濃度は、後述する叩解処理により得られるミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径を小さくする観点から、8〜17質量%であり、8〜14質量%が好ましく、9〜12質量%がより好ましい。
本明細書において、ミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径は、ISO−13320(2009)に準拠し、粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折法により測定される、ミクロフィブリルセルロース繊維の水分散液における個々の粒子径diおよび粒子体積Viを用いて、下記式(1)によって算出される平均値MVを指す。なお、ミクロフィブリルセルロース繊維は粒子状ではないため、ここでいう粒子径diおよび粒子体積Viとは、当該繊維を、粒子と仮定した測定により得られる値である。
疑似粒度分布曲線体積平均粒子径MV=Σ(di×Vi)/ΣVi (1)
酵素処理時のパルプ濃度が8〜17質量%であると、叩解処理により得られるミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径が小さくなる理由は定かではないが、パルプ濃度が8質量%以上であると、水溶液中に遊離する酵素の量がパルプ繊維に吸着する量よりも少なくなるため、酵素による加水分解効果を十分に得ることが可能に成るためと考えられ、パルプ濃度が17質量%以下であると酵素とパルプ繊維の均一な混合を確保できるため、酵素による加水分解を抑制できるためと推定される。
酵素処理温度は、30〜60℃が好ましく、酵素の効果的な作用効果を得る観点から、40〜50℃がより好ましい。酵素処理温度は、処理液の温度であり、処理液とは、酵素処理の処理槽内で混合されるものを含む液を指す。即ち、気相反応で漂白されたパルプ、酵素、水などの混合液を指す。
酵素処理において気相反応で漂白されたパルプに酵素を作用させる方法は、例えば、気相反応で漂白されたパルプと酵素液(酵素を含む液)とを混合する態様により行われる。この場合において、処理液が、好ましくは酵素量(FPU)0.1〜300U/ml、より好ましくは1〜200U/mlの酵素液を、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜5質量%含むものとなるように混合することが好ましい。また、酵素液中に含まれる酵素のタンパク質濃度は、25〜230mg/mlが好ましく、90〜120mg/mlがより好ましい。本発明は酵素液を使用する当該態様に限定されるものではなく、公知の種々の態様を取り得る。
酵素量(FPU)とは、1分間に1μmolの基質を変換する酵素量を1Uとする。測定手順としては、試験管にWhatman No.1 filterと0.05Mクエン酸ナトリウムバッファー(pH4.8)を入れ、希釈された酵素液を適量添加し混合する。50℃、1時間反応させた後、DNS試薬を添加して5分間沸騰させる。得られたサンプルを希釈して吸光光度計540nmで評価し、2mgグルコースを得る酵素の希釈率から、FPU/mlを算出する。
酵素処理時間は、1〜6時間が好ましく、酵素の活性を効果的に利用する観点と、酵素の加水分解による頭打ちを考慮し、2〜5時間がより好ましく、2〜3時間がさらに好ましい。
好ましい実施態様として、混練処理する工程(以下、「混練処理工程」ともいう)をさらに含むことができる。
混練処理工程は、酵素処理の前に、気相反応で漂白されたパルプを混練処理する工程である。混練処理をすることにより、より均一な酵素処理をすることができ、叩解処理により得られるミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径を小さくすることができる。
混練処理は、特に制限されるものではないが、ニーダーおよびディスパーザーから選ばれる少なくとも1つ以上による混練、解繊手段にて対応することができる。
混練処理時のパルプ濃度は、5〜20質量%が好ましく、充分な混練効果を得る観点から、6〜18質量%がより好ましく、8〜17質量%がさらに好ましい。
叩解処理工程は、酵素処理されたパルプを叩解処理する工程である。
叩解処理は、後述する微細化処理に適したミクロフィブリルセルロース繊維を得ることができるものであれば特に制限されるものではないが、加圧もしくは大気圧リファイニング装置として、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー、ナイヤガラビーター、およびPFIミルから選ばれる1つ以上により処理することができる。
叩解処理時のパルプ濃度は、5〜20質量%が好ましく、充分な所謂フィブリル化を来す叩解効果を得る観点から、6〜18質量%がより好ましく、8〜17質量%がさらに好ましい。
本明細書において、ミクロフィブリルセルロース繊維は、極小セルロースを得る前段として、JIS P 8121に準拠したパルプのろ水度試験におけるカナダ標準ろ水度で100mL以下のセルロース繊維を指す。
叩解処理により得られるミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径は、特に制限されるものではないが、機械的微細化処理負担を少なくし、高回収率の極小セルロースを確保する観点から、大きくとも95μm以下が好ましく、93μm以下がより好ましく、90μm以下がさらに好ましい。
叩解処理後に得られるパルプの性状はパルプ粘度で判断され、特定の粘度が好適とされるものではないが、25℃において、1〜10mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sがより好ましい。
本明細書において、粘度は、JIS P 8215により測定されるものである。
ミクロフィブリルセルロース繊維の回収率は、特に制限されるものではないが、95%以上が好ましい。
本明細書において、ミクロフィブリルセルロース繊維の回収率は、下記式(2)により算出される値である。
100×得られたミクロフィブリルセルロース繊維の質量/出発原料質量 (2)
微細化処理工程は、叩解処理により得られたミクロフィブリルセルロース繊維を機械的微細化処理して極小セルロースを得るための工程である。
機械的微細化処理は、極小セルロースを得ることができるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、高圧ホモジナイザー、石臼型分散機、およびボールミルから選ばれる1つ以上により処理することができる。
本明細書において、極小セルロースは、疑似粒度分布曲線において単一のピークを有しており、複数のピークを有しないものを指す。このように、疑似粒度分布曲線において単一のピークを有することで、十分に微細化が進行しているものと判断することができる。疑似粒度分布曲線のピーク値は、5μm以上25μm以下が好ましい。
本明細書において、疑似粒度分布曲線は、ISO−13320(2009)に準拠し、粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折法により測定される極小セルロースの水分散液における体積基準粒度分布を示す曲線を指し、疑似粒度分布曲線のピーク値は、極小セルロースの最頻径を指す。なお、極小セルロースは粒子状ではないため、ここでいう体積基準粒度分布および最頻径とは、極小セルロースを、粒子と仮定した測定により得られる値である。
従来の気相反応で漂白されたパルプをそのまま機械的に微細化処理して極小セルロースを得ようとすると、複数回の処理が必要であるなど、機械的微細化処理の負担が大きいものであったが、本実施形態の酵素処理工程、叩解処理工程などを経て機械的微細化処理をすることにより、処理回数が減るなど、その負担を少なくすることができる。より詳しくは、気相反応で漂白処理されたパルプを予め酵素処理を施し、酵素処理されたパルプを所望の大きさで、且つバラツキの小さい状態に叩解処理を施すと、機械的な微細化処理時に、省エネルギーで、極小セルロースを得ることができる。
<ミクロフィブリルセルロース繊維の調製>
実施例1〜3、比較例3〜5
漂白手段にオゾン処理を用いた市販の広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を使用し、この漂白されたパルプをパルプ濃度20質量%でニーダー解繊機(山本百馬製作所製、型式SUS−T型)にて1回、混練処理をした。混練処理されたパルプ2,500g(水分80質量%)に18U/mlのセルラーゼ系酵素液(ジェネンコア社製、製品名CX7L)および清水を表1に記載された割合になるように混合し、25℃で撹拌した後、水温50℃にしたウォーターバス中で5時間、酵素処理をした(例えば、実施例1における添加量は、セルラーゼ系酵素液50g、清水2,450gであった)。酵素処理されたパルプをパルプ濃度10質量%に調整し、この調整されたパルプ300gをPFIミル(熊谷理機工業社製)にて9600回転で1回、叩解処理をし、ミクロフィブリルセルロース繊維を得た。代表例として実施例1における酵素処理後のパルプの写真を図1に、叩解処理後のミクロフィブリルセルロース繊維の写真を図2に示す。
実施例4
混練処理を行わなかった以外は実施例1と同様に調製した。
比較例1
混練処理および酵素処理を行わなかった以外は実施例1と同様に調製した。
比較例2
叩解処理を行わなかった以外は実施例1と同様に調製した。
<極小セルロースの調製>
実施例4、比較例4
前記調製により得られたミクロフィブリルセルロース繊維を石臼型分散機(増幸産業社製「スーパーマスコロイダー」)を用いて微細化処理をして、極小セルロース繊維を得た。実施例4における機械的微細化処理後の極小セルロースの写真を図3に示す。
<疑似粒度分布曲線体積平均粒子径>
ISO−13320(2009)に準拠し、粒度分布測定装置(セイシン企業社製「レーザー回折・散乱式粒度分布測定器」)を用いて、レーザー回折法により各実施例、比較例の叩解処理後のミクロフィブリルセルロース繊維の水分散液における個々の粒子径diおよび粒子体積Viを測定し、前記式(1)により疑似粒度分布曲線体積平均粒子径を算出した。結果を表1に示す。また、図4に、実施例1〜3、比較例3〜5における、酵素処理時のパルプ濃度と、その後に叩解処理をして得られるミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径のグラフを示す。
<パルプ粘度>
各実施例、比較例のミクロフィブリルセルロース繊維のパルプ粘度について、JIS P 8215に準拠して測定した。結果を表1に示す。
<回収率>
各実施例、比較例のミクロフィブリルセルロース繊維について、ミクロフィブリルセルロース繊維の回収率を前記式(2)により算出した。結果を表1に示す。
<疑似粒度分布曲線のピーク>
ISO−13320(2009)に準拠し、粒度分布測定装置(セイシン企業社製「レーザー回折・散乱式粒度分布測定器」)を用いて、レーザー回折法により実施例4、比較例4の微細化処理後の極小セルロース繊維の水分散液における体積基準粒度分布を測定し、疑似粒度分布曲線のピークの数およびピーク値を調べた。ここでピーク値は、上述した疑似粒度分布曲線の最頻径に該当するものである。結果を表2に示す。
実施例4と比較例4との対比から、ミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径が小さいほうが、微細化処理の処理回数を少なくすることができるなど、微細化処理の負担が少ないことがわかる。比較例4においては、処理回数が1回の場合、疑似粒度分布曲線のピーク数が単一でないなど、所望の極小セルロースとなっていないことがわかる。
実施例4と比較例1との対比から、酵素処理をするとミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径が小さくなることがわかる。また、実施例1〜3と比較例3、4、5との対比から、酵素処理時のパルプ濃度が8〜17質量%だとミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径が小さくなることがわかる。
実施例1と比較例2との対比から、叩解処理をするとミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径が小さくなることがわかる。
本発明は、上記の実施態様および実施例によりなんら限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の実施態様を取り得る。
本発明の方法により得られる極小セルロースは、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の基材、クロマトグラフィー分析機器の充填材、樹脂およびゴムの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料、乳化化粧料等の化粧品の配合剤の用途などに有用である。

Claims (7)

  1. 気相反応で漂白されたパルプをパルプ濃度8〜17質量%で酵素処理する工程、酵素処理されたパルプを叩解処理する工程、および叩解処理により得られたミクロフィブリルセルロース繊維を機械的に微細化処理する工程を含む、極小セルロースの製造方法。
  2. 前記酵素処理は、処理液の温度30〜60℃で、該処理液が酵素量(FPU)0.1〜300U/mlのセルラーゼ系酵素液を0.01〜15質量%含む条件下での処理である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記叩解処理は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー、ナイヤガラビーター、およびPFIミルから選ばれる1つ以上による処理である、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記微細化処理は、高圧ホモジナイザー、石臼型分散機、およびボールミルから選ばれる1つ以上による処理である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 前記酵素処理の前に、気相反応で漂白されたパルプを混練処理する工程をさらに含む、請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 前記混練処理は、ニーダーおよびディスパーザーから選ばれる少なくとも1つ以上による混練、解繊処理である、請求項5記載の製造方法。
  7. 前記ミクロフィブリルセルロース繊維の疑似粒度分布曲線体積平均粒子径は、20〜95μmである、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
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