JP2017098208A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたハイレートサイクル特性を有する非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】上記課題を解決するべく提供される非水電解液二次電池は、正極、負極およびセパレータを備えた電極体と、非水電解液と、を含み、前記負極は、負極合材層を有し、前記負極合材層は、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(A−DPH)を有する。なお、前記負極合材層に含まれるA−DPHは、前記負極合材層全体の0.21wt%〜0.42wt%である。【選択図】図2
Description
本発明は非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、例えば、車両駆動用の高出力電源として好ましく利用されている。車両駆動用の高出力電源では、高電流値(ハイレート)による充放電が繰り返されるため、性能の劣化(ハイレート劣化)が発生しやすいことが知られている。上記非水電解液二次電池は典型的には、正極、負極およびセパレータを備える電極体と非水電解液とを含む構成を有する。この種の二次電池において、上記ハイレート劣化の抑制(ハイレートサイクル特性の向上)を目的とした従来技術を開示する文献として、例えば特許文献1が挙げられる。
特許文献1は、非水電解液二次電池の捲回電極体の捲回軸の方向において、正極活物質層と負極活物質層のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部が、当該縁部を除く中間部よりも、非水電解液に対して膨潤度が高い構成を開示した技術文献である。このような構成によると、捲回軸方向の中間部において非水電解液が保たれるため、ハイレート劣化による抵抗上昇や入出力特性の低下などを小さく抑えられることが開示されている。
しかしながら、本発明者の検討によると、従来の技術では捲回電極体からの電解液の流出は抑制できるものの、ハイレートサイクル特性は十分ではなかった。
そこで、本発明者が鋭意検討したところ、上記ハイレートサイクル特性は電池材料の劣化に起因しており、捲回電極体からの電解液の流出抑制だけでは十分に効果を得られないことを発見した。そこで本発明者が種々検討した結果、上記ハイレートサイクルによる電池材料の劣化を抑制できる優れた有効な手段を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は優れたハイレートサイクル特性を有する非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解液二次電池(以下、単に「二次電池」ともいう。)は、正極、負極およびセパレータを備えた電極体と、非水電解液と、を含み、前記負極は、負極合材層を有し、前記負極合材層は、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(以下、A−DPH)を有し、前記負極合材層に含まれるA−DPHは、前記負極合材層全体の0.21wt%〜0.42wt%であることを特徴とする。
このような構成によれば、ハイレートによる充放電を繰り返した場合であっても、材料の劣化を抑制することができる。よって、ハイレートサイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
以下、非水電解液二次電池に係る好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。また、本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、「非水電解液二次電池」とは、電解液として非水電解液を利用する二次電池をいい、代表的な例としてリチウムイオン二次電池等がある。また、電極活物質とは、電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
まず、本実施形態に適用される二次電池100の構造について、図1および図2を用いて簡単に説明する。なお、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池100を示している。この非水電解液二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体20と電池ケース30とを備えている。本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池100は、図1に示すように、扁平形状の捲回電極体20が、図示しない液状電解質(電解液)とともに、扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されている。
電池ケース30は、一端(電池の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体32と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる蓋体34とから構成される。電池ケース30の材質は、例えばアルミニウムが例示される。図1に示すように、蓋体34には外部接続用の正極端子42および負極端子44が形成されている。蓋体34の両端子42、44の間には、安全弁36が形成されている。
捲回電極体20は、長尺なシート状正極(正極シート50)と、該正極シート50と同様の長尺シート状負極(負極シート60)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ70)とを備えている。
正極シート50は、帯状の正極集電体52と正極活物質層54とを備えている。正極集電体52には、例えば、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電体52の幅方向片側の縁部に沿って正極活物質層非形成部52aが設定されている。図示例では、正極活物質層54は、正極集電体52に設定された正極活物質層非形成部52aを除いて、正極集電体52の両面に保持されている。正極活物質層54には、正極活物質や導電材、結着材(バインダ)などが含まれている。
正極活物質は、特に限定されず、非水電解液二次電池に用いられる正極活物質の1種または2種以上を用い得る。例えば、スピネル構造または層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物、オリビン型のリチウム遷移金属化合物等を用い得る。好ましい一態様では、正極活物質として、Liおよび少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはNi、CoおよびMnのうちの少なくとも1種)を含むリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。具体例としては、LiNiO2、LiCoO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等が挙げられる。正極活物質層に占める正極活物質の割合は凡そ70〜97重量%(例えば75〜95重量%)とすることが好ましい。
また、導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックを好ましく用い得る。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;等の1種または2種以上を用い得る。これらを適当な分散媒体に分散させて混練することによって、正極活物質層形成用組成物(ペースト)を調製することができる。正極活物質層54は、この正極活物質層形成用組成物を正極集電体52に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
負極シート60は、帯状の負極集電体62と負極活物質層64とを備えている。負極集電体62には、例えば、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体62の幅方向片側には、縁部に沿って負極活物質層非形成部62aが設定されている。負極活物質層64は、負極集電体62に設定された負極活物質層非形成部62aを除いて、負極集電体62の両面に保持されている。負極活物質層64には、負極活物質、アクリレート樹脂であるジペンタエリストールヘキサアクリレート(A−DPH)、および結着材などが含まれている。
負極活物質としては、特に限定されず、非水電解液二次電池に用いられる負極活物質の1種または2種以上を用い得る。例えば、黒鉛や、例えばグラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。上記天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであってもよい。また、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末を用いてもよい。
負極活物質層はアクリレート樹脂の一つであるジペンタエリストールヘキサアクリレート(A−DPH)を備える。なお、A−DPHの詳細については後述する。
かかる負極活物質およびA−DPHを、SBR、CMC(増粘剤としても機能し得る)等の結着材とともに適当な分散媒体に分散させて混練することによって、負極活物質層形成用組成物(ペースト)を調製することができる。なお、負極活物質層形成用組成物を調整する上で、環境面および作業面より、好ましくは、分散媒体は水系溶媒であり、更に好ましくは水である。負極活物質層64は、この負極活物質層形成用組成物を負極集電体62に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
セパレータ70は、正極シート50と負極シート60とを隔てる部材である。この例では、セパレータ70は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状の基材から構成されている。該基材には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造(例えばポリエチレンの単層構造)のシート材、或いは積層構造(例えばポリプロピレンとポリエチレンとポリプロピレンの3層構造)のシート材を用いることができる。
捲回電極体20は、電池ケース30(この例では、蓋体34)に取り付けられた電極端子42、44に取り付けられている。捲回電極体20は、捲回軸に直交する一の方向において扁平に押し曲げられた状態で電池ケース30に収納されている。また、捲回電極体20は、捲回軸方向において、正極シート50の正極活物質層非形成部52aと負極シート60の負極活物質層非形成部62aとが互いに反対側にはみ出ている。このうち、一方の電極端子42は、正極集電体52の正極活物質層非形成部52aに固定されており、他方の電極端子44は、負極集電体62の負極活物質層非形成部62aに固定されている。かかる捲回電極体20は、ケース本体32の扁平な内部空間に収容される。ケース本体32は、捲回電極体20が収容された後、蓋体34によって塞がれる。
電解液(非水電解液)としては、従来から非水電解液二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、等を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF6等のリチウム塩を用いることができる。非水電解液には、シクロヘキシルベンゼン(CHB)が添加されている。CHBは、凡そ4.35Vから4.6V程度の過充電時において重合反応が活性化し、水素ガスを発生させる。非水電解液に対するCHBの添加量は、例えば、凡そ0.1質量%以上10質量%以下(好ましくは3質量%以上8質量%、例えば6±1質量%)にするとよい。
また、この非水電解液二次電池100は、電流遮断機構90を備えている。電流遮断機構90は、電池ケース内の圧力が異常に高くなった場合に、電流経路を遮断する機構である。この実施形態では、電流遮断機構90は、図1に示すように、正極における電池電流の導通経路が遮断されるように、正極端子42の内側に構築されている。
以下、この非水電解液二次電池100をより詳細に説明する。ここで、提案される非水電解液二次電池100では、負極活物質層64が、負極活物質とジペンタエリストールヘキサアクリレート(A−DPH)を含んでいる。そして負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合が、0.21wt%〜0.42wt%である。
ここで開示される非水電解液二次電池100に用いられる、A−DPHの構造式を図3に示す。A−DPHは、一般的な樹脂であるSBRに比べて大きな網目構造を有しており、容易に電解液を構造中に取り組むことが可能である。よって、SBRに比べ、A−DPHは吸液率が高く、最大でSBRの5倍の電解液を吸液・保持することが可能である。また、A−DPHは、水系溶液との相性が良く、例えばシリカ系などのその他の材料に比べ、水系溶媒への分散性が高い。よって、負極活物質の分散溶媒に水系溶媒を用いることができるため、環境への負荷が小さく、また作業性よく、負極活物質層形成用組成物(ペースト)を調製することが出来る。
また、ここで開示される非水電解液二次電池100において、負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合が、0.21wt%〜0.42wt%である。上記割合のA−DPHを含有する場合、負極の電解液保持性が高められ、ハイレート充放電を行った場合であっても、捲回電極体内に電解液が不足する箇所の発生を抑制できるため、材料劣化を抑制でき、ハイレートサイクル特性が向上したと考えられる。
ここで、負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合が0.21wt%未満である場合、A−DPHによる電解液を吸液・保持する性能が不十分となり、ハイレートサイクル特性の向上効果が不十分になるおそれがある。また、A−DPHの割合が0.42wt%より多い場合、A−DPHの増加に伴い、抵抗増加に伴う発熱によって材料劣化が生じるおそれがある。すなわち、材料劣化により、ハイレートサイクル特性が低下すると考えられる。よって、ハイレートサイクル特性を向上させる観点より、負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合は0.21wt%〜0.42wt%が好適である。
負極活物質層中のA−DPHの含有割合が異なる負極を作製し、該負極を用いた非水電解液二次電池の性能を評価した。
<実施例1>
評価用セルの負極は、次のようにして作製した。まず、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の質量比が98.39:0.70:0.70:0.21となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。この負極活物質層用組成物を長尺シート状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。
<実施例1>
評価用セルの負極は、次のようにして作製した。まず、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の質量比が98.39:0.70:0.70:0.21となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。この負極活物質層用組成物を長尺シート状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。
評価用セルの正極は、次のようにして作製した。まず、正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)粉末と、PVdFとABとを、これらの材料の質量比が91:3:6となるようにNMP中で混合して、正極活物質層用組成物を調製した。この正極活物質層用組成物を長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた正極シートを作製した。
評価用セルのセパレータとしては、多孔質ポリエチレン(PE)シートを使用した。
評価用セルの非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。
正極シートおよび負極シートを2枚のセパレータシートを介して捲回することによって捲回電極体を作製した。このようにして得られた捲回電極体を非水電解液とともにラミネート袋に入れて、真空封止し、評価用セルを作製した。
<実施例2>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が98.19:0.70:0.70:0.42となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例1>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が98.60:0.70:0.70:0となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例2>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が97.78:0.69:0.69:0.83となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例3>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が92.58:0.66:0.66:6.10となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<ハイレート放電後のIV抵抗>
各評価用セルについて、初期容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%)に調整した後、25℃の環境雰囲気下において、初期のIV抵抗を算出した。また、10Cの電流値で10秒間の放電を行い、放電開始から10秒後の電圧値を測定し、ハイレート放電後のIV抵抗を算出した。負極活物質層中にA−DPHを含まない比較例1の初期IV抵抗を100%とし、上記ハイレート放電後のIV抵抗を図4に示す。図4は、ハイレート放電試験前後のIV抵抗と各電池の関係を示すグラフである。
<サイクル試験後の抵抗増加率>
各評価用セルそれぞれに対し、25℃環境下において、SOC60%の状態で30Cで5秒間放電を行った後、1.0Cで150秒間充電を行う充放電サイクルを2000回連続して繰り返した。その後、上記ハイレート放電後の初期のIV抵抗と同様の方法でIV抵抗を算出し、(サイクル試験後のIV抵抗/初期のIV抵抗)×100からサイクル試験後の抵抗増加率を算出した。結果を図5に示す。図5はサイクル試験後の抵抗増加率と各電池の関係を示すグラフである。
<実施例2>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が98.19:0.70:0.70:0.42となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例1>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が98.60:0.70:0.70:0となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例2>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が97.78:0.69:0.69:0.83となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<比較例3>
負極活物質層用組成物の調整時において、黒鉛と、SBRと、CMCと、A−DPHと、の材料の質量比が92.58:0.66:0.66:6.10となるように、水系溶媒としての純水中で混合して、負極活物質層用組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の手順で評価用セルを作製した。
<ハイレート放電後のIV抵抗>
各評価用セルについて、初期容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%)に調整した後、25℃の環境雰囲気下において、初期のIV抵抗を算出した。また、10Cの電流値で10秒間の放電を行い、放電開始から10秒後の電圧値を測定し、ハイレート放電後のIV抵抗を算出した。負極活物質層中にA−DPHを含まない比較例1の初期IV抵抗を100%とし、上記ハイレート放電後のIV抵抗を図4に示す。図4は、ハイレート放電試験前後のIV抵抗と各電池の関係を示すグラフである。
<サイクル試験後の抵抗増加率>
各評価用セルそれぞれに対し、25℃環境下において、SOC60%の状態で30Cで5秒間放電を行った後、1.0Cで150秒間充電を行う充放電サイクルを2000回連続して繰り返した。その後、上記ハイレート放電後の初期のIV抵抗と同様の方法でIV抵抗を算出し、(サイクル試験後のIV抵抗/初期のIV抵抗)×100からサイクル試験後の抵抗増加率を算出した。結果を図5に示す。図5はサイクル試験後の抵抗増加率と各電池の関係を示すグラフである。
図4において、実施例1、2に係る評価用セルは、負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合が、0.21wt%〜0.42wt%である。かかる評価セルは、比較例1〜3に比べて、ハイレートサイクル放電後のIV抵抗が低く、ハイレート劣化の耐性に優れていた。また、図5に示すように、実施例1、2に係る評価用セルは、比較例1〜3に比べて、サイクル試験後の抵抗増加率も小さかった。つまり、添加剤によるイオン伝導度の低下を最小限に抑制できることが分かった。この結果から、負極合材層64全体に占めるA−DPHの割合が、0.21wt%〜0.42wt%であることによって、ハイレートサイクル特性が向上した非水電解液二次電池が得られることが確認できた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
また、上記実施例では、ラミネートフィルムのパッケージを有する角型電池を採用したが、この形態に限られるものではない。例えば、金属製のパッケージを有する角型電池や円筒型電池、合成樹脂製のパッケージを有する電池であってもよい。
上記実施例の電池では、正極シートはアルミニウムで構成されているが、アルミニウムに限定されて構成される必要はない。ただし、一般的なリチウム二次電池に適用する場合には、高電位での安定性に優れるアルミニウムが好ましい。また、負極シートは、銅で構成されているが、銅に限定されて構成される必要はない。これら、電極を構成する金属箔は、導電性をもつ金属であれば特に限定することなく用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、鉄、ステンレス等の金属材料を用いることができる。
本明細書または図面に説明した技術的要素は、単独で或いは各種の組み合わせによって技術的な有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうち一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20 電極体(捲回電極体)
25 非水電解液
30 正極
40 負極
50A、50B セパレータ
100 非水電解液二次電池
25 非水電解液
30 正極
40 負極
50A、50B セパレータ
100 非水電解液二次電池
Claims (1)
- 正極、負極およびセパレータを備えた電極体と、非水電解液と、を含み、
前記負極は、負極合材層を有し、
前記負極合材層は、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(A−DPH)を有し、
前記負極合材層に含まれるA−DPHは、前記負極合材層全体の0.21wt%〜0.42wt%である、非水電解液二次電池。
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JP2015232478A JP2017098208A (ja) | 2015-11-27 | 2015-11-27 | 非水電解液二次電池 |
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