JP2017098048A - ヒータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータ装置の接触検知層が故障した場合において人がヒータ装置に触れた際に熱的不快感を低減することができるヒータシステムを提供する。
【解決手段】制御装置は、ヒータ装置14の放熱面14aへの接触が第1接触検知層21では検知されず且つその放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知された場合には、ヒータ層20の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行する。そして、制御装置は、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知されなくなっても、その第1の発熱低下措置を継続する。従って、第1接触検知層21が検知不能になるという故障が生じた場合に、その第1接触検知層21の故障を発見することが可能である。それと共に、第1接触検知層21の故障という状況に合わせて、乗員がヒータ装置14に触れた場合の熱的な不快感を低減することが可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱を放射するヒータ装置を含むヒータシステムに関するものである。
この種のヒータシステムと同様に熱を放射する放熱装置が従来から知られている。例えば、特許文献1に記載された電気ストーブがそれである。その特許文献1の電気ストーブは、放射熱を放射するヒータと、ヒータに対する一方側としての熱放射側へ向けてヒータからの放射熱を反射する反射板と、ヒータに対する熱放射側に配置されたガードとを有している。そのガードは、放射熱の伝わりを妨げないように柵状に形成され、ヒータに対し熱放射側に或る程度の間隔を空けて配置されている。これにより、ガードは、人がヒータに直接触れることを防止している。
特開2008−281220号公報
特許文献1の電気ストーブにおいて、上述したように、人はガードが設けられていることよってヒータに直接触れることができない。しかし、ガードがヒータに対し熱放射側に或る程度の間隔を空けて配置されていることから判るように、ガードを設けるためには、十分な空間的な余裕がヒータ周りに必要になる。
すなわち、発明者は、例えば自動車の室内空間のような狭い空間に配置されるヒータ装置を想定した場合、ガードを設けるための空間的な余裕がそのヒータ装置周りに無いことが多いと考えた。そして、発明者は、ガードを設けることに替えて、ヒータ装置に対する接触を検知するスイッチ等の検知装置を設けることを考えた。これにより、ヒータ装置に対する接触が検知された場合にヒータ装置の発熱を弱めれば、人がヒータ装置に触れた際に感じる熱的な不快感が低減されるからである。
しかし、発明者は更に検討を重ねた結果、検知装置が故障する場合が想定され、その検知装置の故障が発見されずにヒータ装置が発熱を継続すると、人がヒータ装置に触れた際に熱的な不快感を低減することができないという課題を見出した。
本発明は上記点に鑑みて、検知装置が故障した場合において人がヒータ装置に触れた際に熱的不快感を低減することができるヒータシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、面状に広がるように形成され、厚み方向(DRt)の一方側に放熱面(14a)を有し、その放熱面から熱を放射するヒータ装置(14)と、
そのヒータ装置の発熱を制御する制御装置(16)とを備えたヒータシステムであって、
ヒータ装置は、厚み方向へ相互に積層されたヒータ層(20)と第1接触検知層(21)と第2接触検知層(22)とを有し、
ヒータ層は通電により発熱し、
第1接触検知層および第2接触検知層は、物体(64)が放熱面に接触したか否かを検知可能にそれぞれ構成されており、
制御装置は、放熱面への接触が第1接触検知層では検知されず且つその放熱面への接触が第2接触検知層で検知された場合には、放熱面への接触が第2接触検知層で検知される前に比してヒータ層の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行し、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面への接触が第2接触検知層で検知されなくなっても、第1の発熱低下措置を継続する。
上述のように、制御装置は、放熱面への接触が第1接触検知層では検知されず且つその放熱面への接触が第2接触検知層で検知された場合には、上記第1の発熱低下措置を実行し、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面への接触が第2接触検知層で検知されなくなっても、第1の発熱低下措置を継続する。従って、上記検知装置に相当する第1接触検知層が検知不能になるという故障が生じた場合に、第2接触検知層の検知の状況に応じてその第1接触検知層の故障を発見することが可能である。それと共に、第1接触検知層の故障という状況に合わせて、人がヒータ装置に触れた場合の熱的な不快感を低減することが可能である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態においてヒータシステム10の概略構成を示した図である。 第1実施形態において、ヒータシステム10に含まれるヒータ装置14の断面を模式的に示した断面図である。 第1実施形態において、図2のヒータ装置14に含まれる第1接触検知層21および第2接触検知層22の電気的な概略構成を示した回路図である。 図3の電気回路構成を用いてA/Dコンバータ32の入力電圧に基づき識別される複数の事象と、その事象毎の電気接続状況とを示した図である。 第1実施形態に対する比較例において、ヒータシステム10に含まれるヒータ装置14の断面を模式的に示した断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。 第1実施形態において、図1の制御装置16が実行する制御処理を示したフローチャートである。 第1実施形態において図6の制御処理の内容をまとめた表である。 第2実施形態において、ヒータシステム10に含まれるヒータ装置14の断面を模式的に示した断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。 第3実施形態において、ヒータシステム10に含まれるヒータ装置14の断面を模式的に示した断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。 第1実施形態の一変形例において、ヒータシステム10に含まれるヒータ装置14の断面を模式的に示した断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のヒータシステム10は、車両に搭載され車室内の乗員61へ放射熱を放出する暖房装置である。その車室内の暖房を行うために、ヒータシステム10は、熱を放射するヒータ装置14と、そのヒータ装置14の発熱を制御する制御装置16とを備えている。なお、図1には、ヒータシステム10が搭載される車両の上下方向および前後方向が矢印で示されている。
ヒータ装置14は自動車(以下、単に「車両」とも呼ぶ)の車室内に設置される。そして、ヒータ装置14は、車両に搭載された電池または発電機などの電源から給電されて発熱する電気的な発熱装置である。
例えば図1に示すように、ヒータシステム10が搭載される車両は、ステアリングホイール63を支持するためのステアリングコラム62を有している。ヒータ装置14は、そのステアリングコラム62の下側において、斜め後方且つ下側を向いて乗員61へ放熱するように設置されている。すなわち、そのステアリングコラム62は、ヒータ装置14が固定される固定部材となっている。例えばヒータ装置14は、接着剤等を用いた接着などによってステアリングコラム62に固定される。ヒータ装置14は、湾曲面にも倣って貼り付けられるように十分な柔軟性を備えている。
詳細には、ヒータ装置14は、面状に広がるように形成されている。例えばヒータ装置14はシート状または薄い板状であって、ヒータ装置14を厚み方向DRtから見た形状は略矩形形状を成している。ヒータ装置14は、そのヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて一方側に放熱面14aを有している。それと共に、ヒータ装置14は、ステアリングコラム62に固着される固着面14bを、厚み方向DRtの他方側に有している。
そして、ヒータ装置14は、放熱面14aが、運転席60に着座した乗員61の下肢611に対向するように配置されている。ヒータ装置14は、電力が供給されると発熱すると共に、加熱対象物としての乗員61の下肢611を暖めるために、主として放熱面14aから放射熱R(言い換えれば、輻射熱R)を放射する。
また、ヒータ装置14が単位時間当たりに発熱する熱量、要するにヒータ装置14の発熱量は、ヒータ装置14へ供給される供給電流の大きさに応じて増減される。すなわち、その供給電流の大きさが大きくなるほど、ヒータ装置14の発熱量も大きくなる。ヒータ装置14の発熱量の単位は、例えば「W」である。また、ヒータ装置14のうちで発熱する部位は図2のヒータ層20であるので、ヒータ装置14の発熱量をヒータ層20の発熱量と称してもよい。
ヒータ装置14は、図2に示すように、ヒータ部としてのヒータ層20と、第1接触検知部としての第1接触検知層21と、第2接触検知部としての第2接触検知層22とを有している。そして、ヒータ装置14は、そのヒータ層20と第1接触検知層21と第2接触検知層22とがヒータ装置14の厚み方向DRtへ相互に積層された三層構造になっている。
詳細には、第1接触検知層21は、ヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて、ヒータ層20に対し上記一方側に積層されている。また、第2接触検知層22は、その厚み方向DRtにおいて、ヒータ層20に対し上記一方側とは反対側の他方側に積層されている。例えば第1接触検知層21と第2接触検知層22との相対的な位置関係に言及すれば、第1接触検知層21は、第2接触検知層22に対しヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて上記一方側に配置されている。従って、ヒータ装置14の放熱面14aは第1接触検知層21に形成されており、ヒータ装置14の固着面14bは第2接触検知層22に形成されている。
ヒータ層20は、通電により発熱する層である。例えばヒータ層20は、特開2014−208515号公報に記載された公知技術と同様の構成になっている。すなわち、ヒータ層20は、シート状に形成され通電により発熱する発熱体201と、厚み方向DRtにおいて発熱体201の一方側を覆う表側絶縁シート202と、厚み方向DRtにおいて発熱体201の他方側を覆う裏側絶縁シート203とを有している。そして、表側絶縁シート202、発熱体201、および裏側絶縁シート203は厚み方向DRtに積層されている。表側絶縁シート202および裏側絶縁シート203は例えば、ポリイミド樹脂等の絶縁性の高い樹脂で構成されている。
ヒータ層20の温度、およびヒータ装置14の発熱量すなわちヒータ出力は、図1の制御装置16によって制御される。その制御装置16は、図2に示すヒータ層20の発熱体201に印加する電圧値および電流値を制御することにより、ヒータ装置14のヒータ出力および温度等を制御できる。従って、制御装置16は、乗員61に対して与える輻射熱量(言い換えれば、放射熱量)を可変する。
例えばヒータ装置14のヒータ層20への通電が制御装置16によって開始されると、ヒータ装置14の放熱面14aの温度すなわち表面温度は、制御する所定放射温度まで急速に上昇する。このため、ヒータシステム10は、冬期などにおいても、乗員61に対し迅速に暖かさを与えることができる。
第1接触検知層21は、1つの接点212と1つのプラス電極213pと1つのマイナス電極213mとから構成されたスイッチ211を複数有している。それと共に、第1接触検知層21は、複数のスペーサ214とカバー215とを有している。スイッチ211の接点212、プラス電極213p、およびマイナス電極213mはそれぞれ、導電性樹脂または導電性金属により構成されている。
複数のスイッチ211はそれぞれ、一定間隔毎に配列され二次元的に配置されている。そして、複数のスイッチ211は、ヒータ層20のほぼ全面にわたって設けられている。例えば、第1接触検知層21は数百個程度のスイッチ211を有し、それらのスイッチ211は電気的に並列接続されている。従って、第1接触検知層21は、複数のスイッチ211のオンオフにより、乗員61の身体の一部たとえば指等である物体64が放熱面14a全体のうちの何れかの部位に接触したか否かを検知する。
スペーサ214は、絶縁性樹脂により構成されている。スイッチ211の接点212とプラス電極213pとの間、および、接点212とマイナス電極213mとの間にはそれぞれ、スペーサ214によって空間が形成されている。すなわち、物体64が放熱面14aに接触していない自由状態であれば、接点212はプラス電極213pとマイナス電極213mとの各々に対して非接触となっている。言い換えれば、その自由状態においては、接点212とプラス電極213pとの間、および、接点212とマイナス電極213mとの間はそれぞれ、スペーサ214によって絶縁されている。
カバー215は複数のスイッチ211を保護するシート状の部材であり、その複数のスイッチ211に対し厚み方向DRtの一方側に配置されている。そして、カバー215は、厚み方向DRtの一方側において、複数のスペーサ214および複数のスイッチ211の全部を覆っている。
例えば、第1接触検知層21において、カバー215が、乗員61の指等である物体64により厚み方向DRtの一方側すなわち放熱面14a側から他方側へ押圧されると、カバー215が変形するとともに接点212が変位して、接点212はプラス電極213pおよびマイナス電極213mに接触する。このように、接点212がプラス電極213pおよびマイナス電極213mに接触すると、プラス電極213pおよびマイナス電極213mは接点212を介して互いに導通する。要するに、スイッチ211が閉じる。
また、カバー215の表面側すなわち上記一方側から上記他方側への押圧力が無くなると、スペーサ214によってカバー215は変形する前の形状に戻る。これにより、接点212とプラス電極213pとの間、および、接点212とマイナス電極213mとの間はそれぞれ非接触となる。このように、接点212とプラス電極213pとの間、および、接点212とマイナス電極213mとの間が非接触となると、プラス電極213pおよびマイナス電極213mは非導通となる。要するに、スイッチ211が開く。
このように、第1接触検知層21は、その第1接触検知層21の少なくとも一部にてヒータ装置14の厚み方向DRtに押圧された場合に、放熱面14aへの物体64の接触を検知する。
第2接触検知層22も、第1接触検知層21と同様に、物体64が放熱面14a全体のうちの何れかの部位に接触したか否かを検知する。物体64が放熱面14aを厚み方向DRtの他方側へ押圧すれば、第1接触検知層21およびヒータ層20が撓むことに伴い、第2接触検知層22のスイッチ221も閉じるからである。すなわち、第2接触検知層22は、第1接触検知層21と同様に、第2接触検知層22の少なくとも一部にて厚み方向DRtに押圧された場合に、放熱面14aへの物体64の接触を検知する。
第2接触検知層22は、上述した第1接触検知層21と同様の構成になっている。すなわち、図2に示すように、第2接触検知層22のスイッチ221は第1接触検知層21のスイッチ211に相当する。また、第2接触検知層22の接点222は第1接触検知層21の接点212に相当する。また、第2接触検知層22のプラス電極223pは第1接触検知層21のプラス電極213pに相当する。また、第2接触検知層22のマイナス電極223mは第1接触検知層21のマイナス電極213mに相当する。また、第2接触検知層22のスペーサ224は第1接触検知層21のスペーサ214に相当する。また、第2接触検知層22のカバー225は第1接触検知層21のカバー215に相当する。
また、ヒータ装置14の厚み方向DRtを法線方向とした二次元平面に沿った第2接触検知層22の各スペーサ224の位置は、第1接触検知層21の各スペーサ214の位置に一致している。従って、その二次元平面に沿った第2接触検知層22の各スイッチ221の位置は、第1接触検知層21の各スイッチ211の位置に一致している。要するに、第2接触検知層22の各スイッチ221は、第1接触検知層21の各スイッチ211に対し厚み方向DRtに重ねて設けられている。更に言い換えれば、第2接触検知層22の個々のスイッチ221は、第1接触検知層21の個々のスイッチ211に対し厚み方向DRtに並ぶように配置されている。
次に、第1接触検知層21および第2接触検知層22の電気的構成について説明する。図3に示す第1制御回路161および第2制御回路162は制御装置16の一部を構成している。そして、第1制御回路161は、一対のコネクタ24a、24bとワイヤーハーネス26とを介して第1接触検知層21の各スイッチ211へ電気的に接続されている。この各スイッチ211は、図3に示すように並列接続になっている。
また、第2制御回路162は、一対のコネクタ28a、28bとワイヤーハーネス30とを介して第2接触検知層22の各スイッチ221へ電気的に接続されている。この各スイッチ221は、図3に示すように並列接続になっている。図3に示すワイヤーハーネス26、30は束ねられて1本のワイヤーハーネスを構成する。
図3に示すように、第1制御回路161は、グランドGNDとA/Dコンバータ32とプラス電源端子34とを備えている。そのグランドGNDは、接地電位となる部位であり、例えば車両ボデーと同電位となるように車両ボデーに対して電気的に接続されている。また、プラス電源端子34には、一定のプラス電圧V1が印加されている。本実施形態では接地電位は0Vである。
ワイヤーハーネス26に含まれるプラス側電線の一方の端子である電源側プラス端子は、所定の抵抗を介してA/Dコンバータ32に接続されると共に、第1抵抗R1を介してプラス電源端子34にも接続されている。また、プラス側電線の他方の端子であるスイッチ側プラス端子は、第1接触検知層21に含まれる第2抵抗R2を介して第1接触検知層21の複数のプラス電極213pにそれぞれ接続されている。
また、ワイヤーハーネス26に含まれるマイナス側電線の一方の端子である電源側マイナス端子は、グランドGNDに接続されている。また、マイナス側電線の他方の端子であるスイッチ側マイナス端子は、第1接触検知層21の複数のマイナス電極213mにそれぞれ接続されている。更に、第1接触検知層21の複数のプラス電極213pは、第1接触検知層21に含まれる第3抵抗R3を介して複数のマイナス電極213mに接続されている。
このような電気的接続構成を利用して、制御装置16は、A/Dコンバータ32の入力電圧に基づき、図4の表に分類される複数の事象を識別して検出する。具体的には、制御装置16は、「+電極/−電極ライン断線」という第1のライン故障事象と、「ハーネスGNDショート」という第2のライン故障事象と、それらのライン故障事象の何れにも該当しない事象(すなわち、正常時の事象)とを識別して検出する。
図4に示す「+電極/−電極ライン断線」とは、ワイヤーハーネス26に含まれるプラス側電線とマイナス側電線との少なくとも一方が断線する事象である。この事象が生じた場合、図4に示すように、A/Dコンバータ32の入力電圧は、第1接触検知層21に含まれるスイッチ211のオンオフに関わらず、プラス電源端子34の電圧V1になる。
また、「ハーネスGNDショート」とは、ワイヤーハーネス26に含まれるプラス側電線とマイナス側電線とがワイヤーハーネス26の噛み込み等に起因して短絡する事象である。この事象が生じた場合、図4に示すように、A/Dコンバータ32の入力電圧は、第1接触検知層21に含まれるスイッチ211のオンオフに関わらず、グランドGNDと同じ接地電位になる。
また、上記「+電極/−電極ライン断線」と「ハーネスGNDショート」との何れにも該当しない正常時すなわちハーネスラインの正常時において、第1接触検知層21に含まれる複数のスイッチ211のうちの何れかが閉じてオン(すなわち、ON)になっている場合には、A/Dコンバータ32の入力電圧は、下記式F1から得られる電圧Vonになる。
Von=V1×R2/(R1+R2) ・・・(F1)
そして、正常時において、第1接触検知層21に含まれる複数のスイッチ211全部が開いてオフ(すなわち、OFF)になっている場合には、A/Dコンバータ32の入力電圧は、下記式F2から得られる電圧Voffになる。
Voff=V1×(R2+R3)/(R1+R2+R3) ・・・(F2)
ここで、上記式F1および式F2において、V1はプラス電源端子34の電圧値であり、R1は第1抵抗R1の抵抗値であり、R2は第2抵抗R2の抵抗値であり、R3は第3抵抗R3の抵抗値である。
このように、図4に示すそれぞれの事象毎にA/Dコンバータ32の入力電圧が異なるので、制御装置16は、図4に示すそれぞれの事象を識別することができる。更に、図4に示す正常時には、第1接触検知層21に含まれるスイッチ211のオンとオフとに応じてA/Dコンバータ32の入力電圧が異なるので、制御装置16は、ヒータ装置14に対する物体64の接触が検知されているか否かを示す検知信号を第1接触検知層21から得ることができる。
図3に示すように、第2制御回路162は上述の第1制御回路161と同様に構成され、第2接触検知層22は上述の第1接触検知層21と同様に構成されている。従って、制御装置16は、第2制御回路162および第2接触検知層22に関しても、図4に示すそれぞれの事象を識別することができる。そして、第2制御回路162から第2接触検知層22までの電気的接続が図4の正常時に該当する場合には、制御装置16は、ヒータ装置14に対する物体64の接触が検知されているか否かを示す検知信号を第2接触検知層22からも得ることができる。
ここで、例えば2つの接触検知層21、22のうち、図5に示す比較例のように第2接触検知層22を有さないヒータ装置14zも想定できる。この比較例のヒータ装置14zが用いられる場合であっても、図3に示す第1制御回路161が採用されることで、ワイヤーハーネス26の断線およびグランドGNDへの短絡は検出可能となっている。
しかし、比較例のヒータ装置14zでの第1接触検知層21の故障の一態様として、図5に示す接点212とプラス電極213pまたはマイナス電極213mとの間に異物混入や析出物(例えば酸化物)が蓄積することに起因して、スイッチ211がその内部にて絶縁状態になり、OPEN故障になることが想定される。そのようにスイッチ211がOPEN故障になった場合には、乗員61がヒータ装置14zの放熱面14aに触れてもスイッチ211は開いたままである。すなわち、ヒータ装置14zのヒータ出力を停止または制限するための検知信号が得られずに、乗員61に与える熱的な不快感をその検知信号に基づいて低減することができない。
そこで、本実施形態のヒータシステム10では、図2に示すように2層の接触検知層21、22を有するヒータ装置14が採用されている。そして、制御装置16は、その2層の接触検知層21、22を利用して図6のフローチャートに示す制御処理を実行する。この制御装置16は、不図示のCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成された電子制御装置である。制御装置16に接続されたセンサ等からの信号は、A/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
図6は、図1の制御装置16が実行する制御処理を示したフローチャートである。制御装置16は、例えば不図示の起動スイッチの操作によってヒータシステム10が起動されると図6の制御処理を開始し、その図6の制御処理を周期的に繰り返し実行する。
図6に示すように、制御装置16は、まず、ステップS101では、制御装置16は、AD入力処理を行う。例えば、ヒータ装置14の放熱面14aに対する物体64の接触が検知されているか否かを示す検知信号が第1接触検知層21と第2接触検知層22との各々から制御装置16へ入力される。そして、その検知信号は制御装置16のA/Dコンバータ32によってA/D変換される。ステップS101の次はステップS102へ進む。
ステップS102では、ヒータシステム10がシステム異常であるか否かを判定する。そのシステム異常とは、第1接触検知層21および第2接触検知層22によって実現される接触検知機能の異常、ヒータ出力するパワー素子(例えば、MOSFET等)のショート故障など、ヒータ装置14の機能損失等にかかわる重大な故障のことである。このステップS102では、システム異常の際にヒータ装置14を再び駆動させないように判定処理を行う。
例えば、図4に示す「+電極/−電極ライン断線」という故障事象が生じた場合、および、「ハーネスGNDショート」という故障事象が生じた場合には、ヒータシステム10がシステム異常であると判定する。
また、後述のステップS108で設定される異常判定フラグが1である場合には、ヒータシステム10がシステム異常であると判定する。逆に、異常判定フラグが0である場合には、システム異常のうちの接触検知機能の異常はないと判定する。
その異常判定フラグの初期値は0である。例えば、異常判定フラグが1に一旦設定されると、予め定められたリセット操作が為されるまで、異常判定フラグは1のままになっている。また、異常判定フラグの値はヒータシステム10の電源がオフになっても保持される。
ステップS102において、ヒータシステム10がシステム異常であると判定された場合には、ステップS110へ進む。その一方で、ヒータシステム10がシステム異常ではないと判定された場合には、ステップS103へ進む。
ステップS103では、第1接触検知層21および第2接触検知層22に対する接触判定処理を行う。具体的にその接触判定処理では、第1接触検知層21から入力された検知信号に基づいて、第1接触検知層21がオンであるかオフであるかを判定し認識する。それと共に、第2接触検知層22から入力された検知信号に基づいて、第2接触検知層22がオンであるかオフであるかを判定し認識する。
ここで、第1接触検知層21のオンとは、第1接触検知層21に含まれる複数のスイッチ211のうちの何れか又は全部が閉じていることである。言い換えれば、第1接触検知層21のオンとは、その複数のスイッチ211のうちの何れか又は全部においてプラス電極213pとマイナス電極213mとが接点212を介して短絡されていることである。逆に、第1接触検知層21のオフとは、第1接触検知層21に含まれる複数のスイッチ211のうちの全部が開いていることである。第2接触検知層22のオンオフも第1接触検知層21のオンオフと同様である。ステップS103の次はステップS104へ進む。
ステップS104では、ステップS103での接触判定処理に基づいて、第1接触検知層21がオンであるか否かを判定する。
ステップS104において、第1接触検知層21がオン(すなわち、ON)であると判定された場合には、ステップS105へ進む。その一方で、第1接触検知層21がオフ(すなわち、OFF)であると判定された場合には、ステップS106へ進む。
ステップS105では、ヒータ層20のヒータ出力をオフにする。すなわち、ヒータ層20への通電を止めてヒータ層20の発熱を停止する。また、既にヒータ出力がオフになっていれば、オフのまま継続する。
ステップS106では、ステップS103での接触判定処理に基づいて、第2接触検知層22がオンであるか否かを判定する。
ステップS106において、第2接触検知層22がオンであると判定された場合には、ステップS108へ進む。その一方で、第2接触検知層22がオフであると判定された場合には、放熱面14aへの物体64の接触は無いと認識して、ステップS107へ進む。
ステップS107では、通常のヒータ出力制御を実行する。既にそのヒータ出力制御が実行されているのであればそのヒータ出力制御を継続する。そのヒータ出力制御では、例えば、ヒータ層20の目標温度に応じたヒータ出力デューティ(Duty)の設定、およびヒータ層20の出力処理などを実施し、それにより、ヒータ層20の温度をコントロールしつつヒータ層20から発熱させる。
ステップS108では、第1接触検知層21の接触検知機能の異常すなわち第1接触検知層21の接触検知故障が発生したとして、システム異常の設定を行う。要するに、異常判定フラグを1に設定する。ステップS108の次はステップS109へ進む。
ステップS109では、ヒータ層20のヒータ出力をオフにする。また、既にヒータ出力がオフになっていれば、オフのまま継続する。
ステップS110でも、ヒータ層20のヒータ出力をオフにする。また、既にヒータ出力がオフになっていれば、オフのまま継続する。
図6のステップS105、S107、S109、S110の次はステップS101へ戻る。
この図6の制御処理をまとめると、その制御処理の内容は図7の表のようになる。具体的に言えば図7に示すように、第1接触検知層21がオフであり且つ第2接触検知層22がオンである場合には、制御装置16は、第1接触検知層21の接触検知故障(具体的には、OPEN故障)が発生し第1接触検知層21が検知スイッチとしては作動不能であると判断して、ヒータ層20のヒータ出力をオフにする。そして、異常判定フラグを1に設定することにより、そのヒータ出力のオフを、各接触検知層21、22のオンオフに関わらず継続する。要するに、この場合、制御装置16は、ヒータシステム10の暖房機能を停止するヒータシステム停止を実施する。
すなわち、制御装置16は、図2の放熱面14aへの接触が第1接触検知層21では検知されず且つ放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知された場合には、放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知される前に比してヒータ層20の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行する。そして、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知されなくなっても、その第1の発熱低下措置を継続する。上記のヒータ層20の発熱量を低下させることには、ヒータ出力を低下させることだけでなく、ヒータ層20への通電を止めてヒータ層20の発熱を停止することも含まれる。
また、図7に示すように、第1接触検知層21および第2接触検知層22が共にオンである場合、および、第1接触検知層21がオンであり且つ第2接触検知層22がオフである場合には、制御装置16は、放熱面14aへ物体64が接触していると判断して、ヒータ層20のヒータ出力をオフにする。その後、第1接触検知層21および第2接触検知層22が共にオフになった場合には、制御装置16は、放熱面14aへ物体64が接触しなくなったと判断して、通常のヒータ出力制御を実行する。言い換えれば、通常どおりヒータ層20を発熱させる。
すなわち、制御装置16は、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21では検知され且つ放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知されない場合には、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21で検知される前に比してヒータ層20の発熱量を低下させる第2の発熱低下措置を実行する。そして、その第2の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22の何れでも検知されなくなった場合には、その第2の発熱低下措置を解除する。
更に、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22で共に検知された場合もこれと同様である。つまり、制御装置16は、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22で共に検知された場合にも、上記の第2の発熱低下措置を実行する。そして、その第2の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22の何れでも検知されなくなった場合には、その第2の発熱低下措置を解除する。この第2の発熱低下措置においても、ヒータ層20の発熱量を低下させることには、ヒータ出力を低下させることだけでなく、ヒータ層20への通電を止めてヒータ層20の発熱を停止することも含まれる。
なお、上述した図6の各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する機能部を構成し、その機能部は制御装置16に含まれる。
上述したように、本実施形態によれば、図6のフローチャートに示すように、制御装置16は、ヒータ装置14の放熱面14aへの接触が第1接触検知層21では検知されず且つその放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知された場合には、放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知される前に比してヒータ層20の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行する。そして、制御装置16は、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知されなくなっても、その第1の発熱低下措置を継続する。従って、第1接触検知層21が検知不能になるという故障が生じた場合に、第2接触検知層22の検知の状況に応じてその第1接触検知層21の故障を発見することが可能である。それと共に、第1接触検知層21の故障という状況に合わせて、乗員61がヒータ装置14に触れた場合の熱的な不快感を低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、図2に示すように、第1接触検知層21は、第2接触検知層22に対し厚み方向DRtにおいて放熱面14a側である一方側に配置されている。ここで、ヒータ装置14が一般的な状態で取り付けられていれば、2つの接触検知層21、22のうち、放熱面14a側に配置された第1接触検知層21の方が物体64の接触に対して反応しやすい。従って、上記第1の発熱低下措置を実行することによる効果、すなわち第1接触検知層21の故障対策としてヒータ層20のヒータ出力をオフにする効果を、一般的な状態で取り付けられたヒータ装置14において得ることが可能である。
また、本実施形態によれば、図6のフローチャートに示すように、制御装置16は、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21では検知され且つ放熱面14aへの接触が第2接触検知層22で検知されない場合には、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21で検知される前に比してヒータ層20の発熱量を低下させる第2の発熱低下措置を実行する。そして、その第2の発熱低下措置の開始後に放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22の何れでも検知されなくなった場合には、その第2の発熱低下措置を解除する。更に、制御装置16は、放熱面14aへの接触が第1接触検知層21および第2接触検知層22で共に検知された場合も、これと同様に第2の発熱低下措置を実行し或いはそれを解除する。従って、第1接触検知層21および第2接触検知層22の何れも故障していない場合において、第1接触検知層21および第2接触検知層22の検知の状況から、乗員61がヒータ装置14に触れた場合の熱的な不快感を低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、図2に示すように、第1接触検知層21は、ヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて、ヒータ層20に対し放熱面14a側である一方側に積層されている。また、第2接触検知層は、その厚み方向DRtにおいて、ヒータ層20に対し上記一方側とは反対側の他方側に積層されている。従って、ヒータ層20からの放射熱をできるだけ多く乗員61へ放出させるということと、第1接触検知層21が放熱面14aへの物体の接触を検知する性能をできるだけ高めるということとを両立させることが可能である。
また、本実施形態によれば、図2に示すように、第1接触検知層21は、その第1接触検知層21の少なくとも一部にて厚み方向DRtに押圧された場合に放熱面14aへの接触を検知する。そして、第2接触検知層22も、その第2接触検知層22の少なくとも一部にて厚み方向DRtに押圧された場合に放熱面14aへの接触を検知する。従って、放熱面14aへの物体の接触を検知する機能を簡単な構成で得ることが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の第3実施形態でも同様である。
図8に示すように、第1接触検知層21および第2接触検知層22の両方が、ヒータ層20に対し、ヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて放熱面14a側である一方側に配置されている。この点が第1実施形態とは異なっている。なお、本実施形態において第1接触検知層21は、第2接触検知層22に対し厚み方向DRtにおいて上記一方側に配置されている。この点は第1実施形態と同様である。なお、図8では、ヒータ層20、第1接触検知層21、および第2接触検知層22の内部構造は省略されて図示されている。このことは、後述の図9および図10でも同様である。
本実施形態によれば、ヒータ層20、第1接触検知層21、および第2接触検知層22が図8のように積層されているので、輻射熱を放出する輻射暖房装置としての性能は低下するおそれがある。しかし、例えば図2の積層構造と比較して、ヒータ層20が損傷を受けることを接触検知層21、22によって防止し易いというメリットがある。従って、ヒータ層20が故障しにくいヒータ装置14を提供することが可能である。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図9に示すように、第1接触検知層21および第2接触検知層22の両方が、ヒータ層20に対し、ヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて固着面14b側である他方側に配置されている。この点が第1実施形態とは異なっている。なお、本実施形態において第2接触検知層22は、第1接触検知層21に対し厚み方向DRtにおいて上記他方側に配置されている。この点は第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、ヒータ層20、第1接触検知層21、および第2接触検知層22が図9のように積層されているので、ヒータ層20が上記3つの層20、21、22のうちでヒータ装置14の放熱面14aに最も近づいて配置される。従って、ヒータ装置14が乗員61へ放射する輻射エネルギーを最大にすることができる。すなわち、見方を変えれば、ヒータ装置14自体の小型化を図ることなどが可能となる。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態において、第1接触検知層21は、第2接触検知層22に対しヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて放熱面14a側である一方側に配置されているが、その積層順序が逆であることが適切な場合もあり得る。すなわち、図10に示すように、第2接触検知層22が、第1接触検知層21に対しヒータ装置14の厚み方向DRtにおいて上記一方側に配置されている場合もあり得る。
例えば、2つの接触検知層21、22のうち、放熱面14a側に配置された接触検知層の方が放熱面14aへの物体64の接触に対してオンになりやすいのが通常である。しかしながら、ヒータ装置14が固着される相手物が柔軟である等その相手物の柔軟度合いによっては、2つの接触検知層21、22のうち固着面14b側に配置されたものの方がオンになりやすいということも例外的にあり得るからである。このことは、上述の第2および第3実施形態でも同様である。
(2)上述の各実施形態において、図6のステップS105、S109、S110ではヒータ層20の発熱が停止させられるが、その発熱が完全に停止されずにヒータ出力が制限されるだけであっても差し支えない。例えば、ステップS105、S109、S110のうちの何れか又は全部にて出力されるヒータ層20の発熱量が、そのステップへ移る前に実行されていたステップS107でのヒータ出力制御によるヒータ層20の発熱量に比して低下しているだけであってもよい。また、その低下後のヒータ層20の発熱量は、ステップS105、S109、S110の相互間で同じになっている必要はない。
(3)上述の各実施形態において、ヒータ装置14は、第1接触検知層21とヒータ層20と第2接触検知層22とから構成されているが、網目状の格子から成る格子層をヒータ装置14の放熱面14a上に有していても差し支えない。そのようにしたとすれば、第1接触検知層21とヒータ層20と第2接触検知層22とから成る積層体へ物体64が直接接触し難くなり、ヒータ装置14の長寿命化を図ることが可能である。
(4)上記各実施形態において、第1接触検知層21は、接点212とプラス電極213pとマイナス電極213mとから構成されたスイッチ211を多数含んで構成されているが、このような接点式以外の方式のスイッチ211が第1接触検知層21に採用されていても差し支えない。例えば第1接触検知層21のスイッチ211は、静電容量式センサ、光学式センサ、またはソナー式センサなどで構成されていても差し支えない。
(5)上記各実施形態では、ヒータシステム10は車両に搭載される暖房装置であるが、例えば、船舶もしくは航空機等の移動体の室内、または、土地に固定された建物の室内等に設置されても差し支えない。
(6)上述の各実施形態において、図6のフローチャートに示す各ステップの処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードロジックで構成されるものであっても差し支えない。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、制御装置は、放熱面への接触が第1接触検知層では検知されず且つその放熱面への接触が第2接触検知層で検知された場合には、放熱面への接触が第2接触検知層で検知される前に比してヒータ層の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行する。そして、制御装置は、その第1の発熱低下措置の開始後に放熱面への接触が第2接触検知層で検知されなくなっても、第1の発熱低下措置を継続する。
また、第2の観点によれば、第1接触検知層は、第2接触検知層に対し厚み方向において放熱面側である一方側に配置される。ここで、ヒータ装置が一般的な状態で取り付けられていれば、2つの接触検知層のうち、放熱面側に配置された接触検知層の方が物体の接触に対して反応しやすい。従って、上記第1の観点で触れた第1の発熱低下措置を実行することによる効果、すなわち故障対策としての効果を、一般的な状態で取り付けられたヒータ装置において得ることが可能である。
また、第3の観点によれば、制御装置は、放熱面への接触が第1接触検知層では検知され且つその放熱面への接触が第2接触検知層で検知されない場合には、放熱面への接触が第1接触検知層で検知される前に比してヒータ層の発熱量を低下させる第2の発熱低下措置を実行する。そして、制御装置は、その第2の発熱低下措置の開始後に放熱面への接触が第1接触検知層および第2接触検知層の何れでも検知されなくなった場合には、その第2の発熱低下措置を解除する。更に、制御装置は、放熱面への接触が第1接触検知層および第2接触検知層で共に検知された場合にも、上記の第2の発熱低下措置を実行する。そして、制御装置は、その第2の発熱低下措置の開始後に放熱面への接触が第1接触検知層および第2接触検知層の何れでも検知されなくなった場合には、その第2の発熱低下措置を解除する。従って、第1接触検知層および第2接触検知層の何れも故障していない場合において、第1接触検知層および第2接触検知層の検知の状況から、人がヒータ装置に触れた場合の熱的な不快感を低減することが可能である。
また、第4の観点によれば、第1接触検知層は、厚み方向において、ヒータ層に対し上記一方側に積層されている。また、第2接触検知層は、厚み方向において、ヒータ層に対し上記一方側とは反対側の他方側に積層されている。従って、ヒータ層からの放射熱をできるだけ多くユーザへ放出させるということと、第1接触検知層が放熱面への物体の接触を検知する性能をできるだけ高めるということとを両立させることが可能である。
また、第5の観点によれば、第1接触検知層は、その第1接触検知層の少なくとも一部にて厚み方向に押圧された場合に放熱面への接触を検知し、第2接触検知層も、その第2接触検知層の少なくとも一部にて厚み方向に押圧された場合に放熱面への接触を検知する。従って、放熱面への物体の接触を検知する機能を簡単な構成で得ることが可能である。
10 ヒータシステム
14 ヒータ装置
14a 放熱面
16 制御装置
20 ヒータ層
21 第1接触検知層
22 第2接触検知層
64 物体
DRt ヒータ装置14の厚み方向

Claims (5)

  1. 面状に広がるように形成され、厚み方向(DRt)の一方側に放熱面(14a)を有し、該放熱面から熱を放射するヒータ装置(14)と、
    該ヒータ装置の発熱を制御する制御装置(16)とを備えたヒータシステムであって、
    前記ヒータ装置は、前記厚み方向へ相互に積層されたヒータ層(20)と第1接触検知層(21)と第2接触検知層(22)とを有し、
    前記ヒータ層は通電により発熱し、
    前記第1接触検知層および前記第2接触検知層は、物体(64)が前記放熱面に接触したか否かを検知可能にそれぞれ構成されており、
    前記制御装置は、前記放熱面への接触が前記第1接触検知層では検知されず且つ該放熱面への接触が前記第2接触検知層で検知された場合には、前記放熱面への接触が前記第2接触検知層で検知される前に比して前記ヒータ層の発熱量を低下させる第1の発熱低下措置を実行し、該第1の発熱低下措置の開始後に前記放熱面への接触が前記第2接触検知層で検知されなくなっても、前記第1の発熱低下措置を継続するヒータシステム。
  2. 前記第1接触検知層は、前記第2接触検知層に対し前記厚み方向において前記一方側に配置される請求項1に記載のヒータシステム。
  3. 前記制御装置は、
    前記放熱面への接触が前記第1接触検知層では検知され且つ該放熱面への接触が前記第2接触検知層で検知されない場合には、前記放熱面への接触が前記第1接触検知層で検知される前に比して前記ヒータ層の発熱量を低下させる第2の発熱低下措置を実行し、該第2の発熱低下措置の開始後に前記放熱面への接触が前記第1接触検知層および前記第2接触検知層の何れでも検知されなくなった場合には前記第2の発熱低下措置を解除し、
    更に、前記放熱面への接触が前記第1接触検知層および前記第2接触検知層で共に検知された場合にも、前記第2の発熱低下措置を実行し、該第2の発熱低下措置の開始後に前記放熱面への接触が前記第1接触検知層および前記第2接触検知層の何れでも検知されなくなった場合には前記第2の発熱低下措置を解除する請求項2に記載のヒータシステム。
  4. 前記第1接触検知層は、前記厚み方向において、前記ヒータ層に対し前記一方側に積層され、
    前記第2接触検知層は、前記厚み方向において、前記ヒータ層に対し前記一方側とは反対側の他方側に積層されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載のヒータシステム。
  5. 前記第1接触検知層は、該第1接触検知層の少なくとも一部にて前記厚み方向に押圧された場合に前記放熱面への接触を検知し、
    前記第2接触検知層も、該第2接触検知層の少なくとも一部にて前記厚み方向に押圧された場合に前記放熱面への接触を検知する請求項1ないし4のいずれか1つに記載のヒータシステム。
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