JP2017097283A - 光学積層フィルムとその製造方法、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[2] 前記基材層における前記紫外線吸収剤の含有量は、前記シクロオレフィン系樹脂に対して0.5〜5質量%である、[1]に記載の光学積層フィルム。
[3] 前記基材層における前記酸化防止剤の含有量は、前記シクロオレフィン系樹脂に対して0.5〜5質量%である、[1]又は[2]に記載の光学積層フィルム。
[4] 前記アミド系樹脂は、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学積層フィルム。
[5] 前記基材層は、前記残留溶媒として100〜300ppmのトルエンを含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学積層フィルム。
[6] 前記Mc/Msが0.7以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学積層フィルム。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の光学積層フィルムと、その易接着層側の面に配置された偏光子とを含む、偏光板。
[8] 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、前記保護フィルムF1及びF2の少なくとも一方が、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第1の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されているか、及び/又は前記保護フィルムF3及びF4の少なくとも一方が、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第2の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されている、液晶表示装置。
[9] 前記保護フィルムF1及びF2の少なくとも一方が、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第1の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されている、[8]に記載の液晶表示装置。
[10] シクロオレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを含む基材層であって、その表面に垂直な切断面において、少なくとも一方の表面から厚み方向に0.1tの位置までの領域Sにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMs、前記基材層の中心から厚み方向に±0.1tの位置までの領域Cにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMcとしたとき(但し、前記基材層の厚みをtとする)、Mc/Msが0.01以上1未満であり、且つ残留溶媒量が100ppm以上2000ppm以下である基材層を得る工程と、前記基材層の前記領域Sを構成する面に、親水化処理を施す工程と、前記基材層の親水化処理が施された面に、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂又はシランカップリング剤を含む易接着層用組成物を塗布した後、乾燥又は硬化させて易接着層を形成する工程と、を含む、光学積層フィルムの製造方法。
図1は、本発明の光学積層フィルムの構成の一例を示す模式図である。図1に示されるように、本発明の光学積層フィルム10は、基材層11と、易接着層13とを含む。
基材層11は、シクロオレフィン系樹脂を主成分として含み、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方をさらに含む。
シクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン単量体の重合体、又はシクロオレフィン単量体とそれ以外の共重合性単量体との共重合体である。
(1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
(2)シクロオレフィン単量体とそれと開環共重合可能な共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加物
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)シクロオレフィン系単量体のビニル系環状炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物
(7)シクロオレフィン系単量体と(メタ)アクリレートとの交互共重合体
紫外線吸収剤は、光学積層フィルムの耐久性を向上させる目的で添加される。そのような紫外線吸収剤は、400nm以下の紫外線を吸収する化合物であることが好ましく、具体的には、波長370nmの光の透過率が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下の化合物である。
酸化防止剤は、高温高湿下における光学積層フィルムの劣化を抑制する目的で添加されうる。酸化防止剤の例には、ヒンダードフェノール系化合物が含まれる。ヒンダードフェノール系化合物の例には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアネート等が含まれる。酸化防止剤は、1種類であってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
中でも、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
基材層11は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤の例には、可塑剤、熱安定剤、微粒子(マット剤)、界面活性剤、フッ素系界面活性剤及び剥離助剤等が含まれる。
微粒子は、基材層の表面に凹凸を付与し、滑り性を向上させうる。微粒子は、無機微粒子又は有機微粒子でありうる。無機微粒子の例には、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物の微粒子や;炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム等の微粒子が含まれる。有機微粒子の例には、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等の微粒子が含まれる。中でも、ヘイズを生じ難く、着色も少ないことから、シリカ粒子が好ましい。
(紫外線吸収剤/酸化防止剤の含有分布)
基材層11は、少なくとも易接着層13が配置された面に紫外線吸収剤と酸化防止剤の少なくとも一方が偏在していることが好ましい(図1参照)。図1の例では、濃いグラデーション領域が紫外線吸収剤及び酸化防止剤が偏在している領域を示す。
1)光学積層フィルム10をミクロトームで切断し、光学積層フィルム10の表面に垂直な切断面を得る。
2)得られた光学積層フィルム10の切断面のうち、基材層11の領域Sと領域Cを含む測定領域における有機物の面分布像を、Thermo Fisher Scientific 社のNicolet380を用いてATR法により測定する。測定領域は、基材層の厚みをtとしたとき、1.5t×1.5tの領域としうる。
3)測定対象となる紫外線吸収剤又は酸化防止剤のピーク(測定対象ピーク)を抽出し、その吸光度から含有量を数値化し、可視化したIRイメージ像を得る。IRイメージ像から、基材層11の切断面における紫外線吸収剤又は酸化防止剤の分布状態を把握する。
Mc/Msの値は、上記測定領域のうち、領域Sにおける測定対象ピークの吸光度の積算値と、領域Cにおける測定対象ピークの吸光度の積算値との比から求めることができる。測定対象ピークは、予め測定しておくものとする。Mc/Ms’の値も同様にして測定することができる。
基材層11に含まれる残留溶媒量は、100〜2000ppmであることが好ましい。残留溶媒量が100ppm以上であると、基材層11が適度な柔軟性を有しうる。それにより、光学積層フィルム10の易接着層13に水系接着剤を塗布して偏光子と貼り合わせる際に、易接着層13が吸水して膨張する力に基材層11が追従しやすく、両者の層に歪みが生じにくい。それにより、光学積層フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸との軸ズレが生じにくく、光学ムラを抑制できる。残留溶媒量が2000ppm以下であると、基材層11の強度が損なわれ難い。基材層11中の残留溶媒量は、100〜800ppmであることがより好ましい。
基材層11の厚みは、光学積層フィルム10のRoとRthが後述する範囲を満たし、且つ薄型化する観点から、例えば10〜200μmであり、10〜100μmであることが好ましく、15〜60μmであることがより好ましく、15〜30μmであることがさらに好ましい。
易接着層13は、例えば偏光子との接着性を高める機能を付与する機能を有する。易接着層13は、特に水系接着剤を用いた際の接着性を高めうる層であることが好ましい。
易接着層13は、主成分として、加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するカップリング剤(アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤;チタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤;アルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等);又はアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂及びウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂を含むことが好ましい。
アミド系樹脂は、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂であることが好ましい。水溶性ポリアミドエポキシ樹脂は、ポリアミンとポリカルボン酸の縮重合物にエピハロヒドリンを反応させて得られるものである。
ウレタン系樹脂は、(i)多価アルコール成分と(ii)多価イソシアネート成分との反応物由来の繰り返し単位を含む。
ポリエーテルポリオールの例には、前述のポリオール化合物のアルキレンオキシド付加物;アルキレンオキシドと環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン)との開環(共)重合体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールの共重合体;グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のグリコール類が含まれる。
ポリエステルポリオールの例には、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸又はその無水物と、エチレングリコール、プロピレングリコール等のポリオール化合物とを、水酸基過剰の条件下で重縮合させたものが含まれる。
ポリエーテルエステルポリオールの例には、ポリテトラメチレングリコール−アジピン酸縮合物が含まれる。
ポリカーボネートポリオールの例には、一般式:HO−R−(O−C(O)−O−R)x−OH(Rは、炭素原子数1〜12の飽和脂肪酸ポリオール残基を示し、xは分子の繰り返し単位の数を示し、5〜50の整数である)で示される化合物等が含まれる。
シラン系カップリング剤の例には、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有アルコキシシラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有アルコキシシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有アルコキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有アルコキシシラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン基含有アルコキシシラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアネート等のイソシアネート基含有アルコキシシラン類、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル、及びこれらの誘導体が含まれる。
易接着層13は、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分の例には、微粒子(マット剤)等が含まれる。微粒子(マット剤)は、基材層11に含まうる微粒子(マット剤)と同様のものを使用できる。
易接着層13の厚みは、特に制限はないが、接着性の改善効果が得られる範囲であればよく、0.001〜10μmであることが好ましい。易接着層13の厚みが0.001μm以上であると、水系接着剤を用いた際の偏光子との十分な接着性が得られやすい。易接着層13の厚みが10μm以下であると、得られる偏光板の厚みが過剰に厚くなるのを抑制できる。易接着層13の厚みは、0.01〜1μmであることがより好ましい。
(位相差値)
光学積層フィルム10は、用途に応じて種々の位相差値をとり得る。例えば、光学積層フィルムが、VAモードやIPSモードの液晶表示装置の光学フィルムとして用いられる場合、光学積層フィルム10の、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Ro及び厚み方向の位相差Rthは、例えば下記関係を満たしうる。
0nm≦Ro≦300nm
−200nm≦Rth≦200nm
式(2a):Ro=(nx−ny)×d
式(2b):Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、
nxは、光学積層フィルムの面内遅相軸方向の屈折率を表し、
nyは、光学積層フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、光学積層フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、光学積層フィルムの厚み(nm)を表す。)
1)光学積層フィルム10を23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この光学積層フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後の光学積層フィルム10の、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRthを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。具体的には、
i)フィルム面の法線方向に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRoを、アクソスキャンにて測定する。
ii)さらに、アクソスキャンにより、試料片の面内遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、試料片の表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときの位相差R(θ)を測定した。位相差R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で10°毎に6点行う。試料片の面内遅相軸は、アクソスキャンにより確認する。
iii)測定されたRo及びR(θ)と、前述の平均屈折率と厚みとから、アクソスキャンがnx、ny及びnzを算出し、上記式(2b)に基づいて測定波長590nmでのRthを算出する。
光学積層フィルム10の厚みは、RoとRthが前述の範囲を満たし、且つ薄型化する観点から、例えば10〜210μmであり、10〜110μmであることが好ましく、15〜70μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましい。
本発明の光学積層フィルムは、1)シクロオレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤と酸化防止剤の少なくとも一方とを含み、Mc/Msが0.01以上1未満を満たし、且つ残留溶媒量が100ppm以上2000ppm以下を満たす前述の基材層11(以下、「基材フィルム」ともいう)を得る工程と、2)基材フィルムの領域Sを構成する面に、親水化処理を施す工程と、3)基材フィルムの親水化処理が施された面に、易接着層用組成物を塗布した後、乾燥又は硬化させて易接着層を得る工程とを経て製造される。
シクロオレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤と酸化防止剤の少なくとも一方とを含み、Mc/Msが0.01以上1未満を満たし、且つ残留溶媒量が100ppm以上2000ppm以下を満たす基材フィルムを得る。基材フィルムのMc/Msは、光学フィルムにおけるMc/Msと同様に定義される。即ち、基材フィルムにおけるMsは、基材フィルムの易接着層が配置される面を含む領域Sにおける紫外線吸収剤及び酸化防止剤の合計含有量を示す。
少なくともシクロオレフィン系樹脂と紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを溶媒に溶解させてドープを得る。シクロオレフィン系樹脂と紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを溶媒に同時に混合及び溶解させてドープを得てもよいし、シクロオレフィン系樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液と、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを溶媒に溶解させた添加剤溶液とを混合してドープを得てもよい。
得られたドープを流延ダイから吐出させて金属支持体上に流延し、得られた流延膜を乾燥及び剥離して膜状物を得る。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(Mは、膜状物の質量を示し、Nは、当該膜状物を120℃で1時間の加熱した後の質量を示す)
剥離して得られた膜状物を延伸して、位相差を調整することが好ましい。
前記(1-2)又は(1-4)で得られた膜状物を乾燥させて、基材フィルムを得る。基材フィルムの残留溶媒量は、主に本工程で調整されうる。従って、乾燥温度及び乾燥時間は、得られる基材フィルムにおける残留溶媒量が前述の範囲となるように調整されうる。
親水化処理の例には、コロナ(放電)処理、プラズマ処理、フレーム処理、イトロ処理、グロー処理、オゾン処理、及びプライマー塗布処理が含まれる。中でも、生産性の観点から、コロナ処理及びプラズマ処理が好ましい。
易接着層用組成物を、基材フィルムの親水化処理が施された面に塗布した後、乾燥又は硬化させて易接着層を形成する。即ち、易接着層用組成物が熱硬化成分(熱硬化性樹脂及び架橋剤)を含む場合、易接着層用組成物を、基材フィルム上に塗布した後、硬化(加熱処理)させて易接着層を形成する。易接着層用組成物が前述の熱硬化成分を含まない場合、易接着層用組成物を、基材フィルム上に塗布した後、乾燥して易接着層を形成する。中でも、生産性を高める観点では、易接着層用組成物を、基材フィルム上に塗布した後、乾燥して易接着層を形成することが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と、2つの保護フィルムとを含み、保護フィルムの少なくとも一方を本発明の光学積層フィルムとし得る。本発明の光学積層フィルムが偏光子の一方の面にのみ配置される場合は、偏光子の他方の面には、他のフィルムが配置され得る。
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
本発明の光学積層フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に配置されうる。光学積層フィルムの易接着層と偏光子とは、直接又は接着剤層を介して積層されていることが好ましい。
偏光子の他方の面には、必要に応じて他のフィルムが配置されてもよい。他のフィルムの例には、市販のセルロースアシレートフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC6UA、KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UE、KC4UE、KC4HR−1、KC4KR−1、KC4UA、KC6UA以上コニカミノルタオプト(株)製)等が含まれる。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の光学積層フィルムとを接着剤又は粘着剤を介して貼り合わせて得ることができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含む。
1)基材フィルムの材料
<シクロオレフィン系樹脂の合成>
(合成例1)
シクロオレフィン単量体として一般式(A−1)の例示化合物11を100質量部と、分子量調節剤である1−ヘキセンを3.6質量部と、トルエンを200質量部とを窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これに、重合触媒としてトリエチルアルミニウム((C2H5)3Al)1.5モル/lのトルエン溶液を0.17質量部と、t−ブタノ−ル及びメタノールで変性した六塩化タングステン(WCl6)を含み、t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35:0.3:1(モル比)であるWCl6溶液(濃度0.05モル/l)を1.0質量部とを加え、80℃で3時間加熱攪拌して開環重合反応させて、重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は96%であった。
得られた重合体溶液の4000質量部をオートクレーブに入れ、この重合体溶液にRuHCl(CO)[P(C6H5)3]3を0.48質量部加え、水素ガス圧を10MPa、反応温度160℃の条件で3時間加熱攪拌して、水素添加反応を行った。
得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収した。回収した凝固物を乾燥させて、シクロオレフィン系樹脂1を得た。
紫外線吸収剤A:Tinuvin928(2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)(下記式参照)
紫外線吸収剤C:CHIMASSORB 81 (下記式参照)
<基材フィルム1の作製>
(微粒子添加液の調製)
下記成分を、ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。さらに、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを、日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を得た。
微粒子(アエロジルR812:日本アエロジル株式会社製、一次平均粒子径:7nm、見掛け比重50g/L):4質量部
メチレンクロライド:96質量部
次いで、下記成分を加熱しながら十分に溶解させて、ドープ液を得た。
合成例1で得たシクロオレフィン系樹脂1:100質量部
紫外線吸収剤A:8質量部
IRGANOX1010(酸化防止剤):0.2質量部
メチレンクロライド:210質量部
微粒子添加液:3質量部
得られたドープ液を40℃に保ち、40℃に保温された無端の金属支持体であるステンレスベルト上に均一に流延した。この流延膜を、残留溶媒量が80質量%となるまで乾燥させた後、ステンレスベルト上から剥離して膜状物を得た。得られた膜状物を、残留溶剤量が5質量%となるまで40℃で乾燥させた後、幅方向に延伸倍率1.5倍で延伸した。得られた膜状物を、多数のロールで搬送させながら120℃でさらに乾燥させて、厚み20μm、幅1.3mの基材フィルム1を得た。
基材フィルム1の作製において、ドープの溶媒組成を表2に示されるように変更した以外は同様にして基材フィルム2〜5を得た。
基材フィルム3の作製において、ドープの溶媒組成と延伸後の乾燥温度を表2に示されるように変更した以外は同様にして基材フィルム6〜11を得た。
基材フィルム3の作製において、ドープに含まれる紫外線吸収剤の含有量を表2に示されるように変更した以外は同様にして基材フィルム12〜16を得た。
基材フィルム15の作製において、ドープに含まれるシクロオレフィン系樹脂の種類を表2に示されるように変更した以外は同様にして基材フィルム17〜19を得た。
基材フィルム2の作製において、ドープに含まれる紫外線吸収剤の種類と含有量を表2に示されるように変更した以外は同様にして基材フィルム20〜22を得た。
(ペレットの作製)
乾燥させたシクロオレフィン系樹脂1を100質量部と、紫外線吸収剤A:3質量部と、IRGANOX1010(酸化防止剤):0.2質量部とを、二軸押出機により混合した。得られた混合物を、押出機に接続されたホッパーへ投入し、単軸押出機で溶融押出してペレットを得た。
基材フィルム20の作製において、延伸を行わなかった以外は同様にして基材フィルム24を得た。
基材フィルム2の作製において、紫外線吸収剤を添加せず、シクロオレフィン系樹脂1の添加量を108質量部とした以外は同様にして基材フィルム25を得た。
基材フィルムのMc/Msを、以下の手順で測定した。即ち、
1)基材フィルムをミクロトームで切断し、基材フィルムの表面に垂直な切断面を得た。
2)得られた基材フィルムの切断面における測定対象物の面分布像(IRイメージ像)を、Thermo Fisher Scientific社製のNicolet 380を用いてATR法にてよって測定した。
(測定条件)
各測定領域:30μm×30μm(基材フィルムの表面と内部を含む領域)
3)測定領域について、測定対象となる紫外線吸収剤又は酸化防止剤のピーク(測定対象ピーク)を抽出し、その吸光度から含有量を数値化し、可視化したIRイメージ像を得た。
また、上記測定領域において、基材フィルムの一方の面から厚み方向に2μmの位置までの領域における測定対象ピークの吸光度の積算値As1、基材フィルムの他方の面から厚み方向に2μmの位置までの領域における測定対象ピークの吸光度の積算値As2、及び基材フィルムの厚み方向の中心から厚み方向に±2μmの位置までの領域における測定対象ピークの吸光度の積算値Acを測定し、それらの比Ac/As1、Ac/As2をそれぞれ算出した。これらの比のうち、小さいほうの値を「Mc/Ms」とした。
得られた基材フィルム中の残留溶媒の定性及び定量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにより行った。ヘッドスペースガスクロマトグラフィーでは、試料を容器に封入して加熱し、容器中に揮発成分が充満した状態で速やかに容器中のガスをガスクロマトグラフに注入し、質量分析を行って化合物の同定を行いながら揮発成分の定量を行った。揮発成分の定量は、濃度が既知の試料を用いて検量線を予め作成しておき、測定で得られた揮発成分のピーク面積と検量線とを照合して行った。
(測定条件)
ヘッドスペース装置:HP7694 Head Space Sampler(ヒューレットパッカード社製)
温度条件:トランスファーライン200℃、ループ温度200℃
サンプル量:0.8g/20mlバイアル
GC:HP5890(ヒューレットパッカード社製)
MS:HP5971(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−624(30m×内径0.25mm)
オーブン温度:初期温度40℃(保持時間3分)、昇温速度10℃/分、到達温度200℃(保持時間5分)
測定モード:SIM(セレクトイオンモニター)モード
1)易接着層の材料
<易接着層用組成物1の調製>
信越化学工業社製のKBM−603(アミノ系シランカップリング剤)を、1−メトキシ−2−プロパノールに溶解させて、濃度10重量%の易接着層用組成物1を得た。
田岡化学工業社製のスミレーズレジン650(ポリアミドエポキシ系樹脂)を純水に溶解させて、濃度10重量%の易接着層用組成物2を得た。
第一工業製薬社製のスーパーフレックス210(水系ウレタン系樹脂)と、架橋剤としてのアジピン酸とエポキシ樹脂とを純水に溶解させて、スーパーフレックス210の濃度10質量%の易接着層用組成物3を得た。
<光学積層フィルム1〜16及び28の作製>
表3に示される基材フィルムの領域Sを構成する面(表2のMc/Msの値を有する面)に、コロナ放電処理を施した。コロナ放電における電子照射量は500W/m2/minとした。得られた基材フィルムのコロナ処理面に、上記作製した易接着層用組成物1をバーコーターにて乾燥後の厚みが0.8μmとなるように塗布した後、80℃で5分間乾燥させて易接着層を形成した。それにより、基材フィルムと易接着層とを含む光学積層フィルム1〜16及び28を得た。
基材フィルム15上に、表3に示される易接着層用組成物を塗布した後、100℃で10分間乾燥させて易接着層を形成して、光学積層フィルム17〜18を得た。
光学積層フィルム15の作製において、易接着層を形成しなかった以外は同様にして光学積層フィルム19を得た。
表3に示される基材フィルム上に、上記作製した易接着層用組成物2を塗布した後、100℃で10分間乾燥させて易接着層を形成して、光学積層フィルム20〜27を得た。
1)偏光子の作製
厚さ25μmのポリビニルアルコールフィルムを、35℃の水で膨潤させた。得られたフィルムを、ヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5gおよび水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、さらにヨウ化カリウム3g、ホウ酸7.5gおよび水100gからなる45℃の水溶液に浸漬した。得られたフィルムを、延伸温度55℃、延伸倍率5倍の条件で一軸延伸した。この一軸延伸フィルムを、水洗した後、乾燥させて、厚さ7μmの偏光子を得た。
得られた光学積層フィルムの易接着層上に、水系接着剤であるポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3質量%水溶液を塗布した後、上記作製した偏光子を貼り合わせた。貼り合わせは、光学積層フィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とが直交するように行った。得られた積層物を60℃で5分間乾燥させて、評価用サンプルを得た。
◎:剥がれない
○:光学積層フィルムと偏光子との間の接着力に問題はなく、光学積層フィルムを剥がそうとすると、光学積層フィルムと偏光子の少なくとも一方の端部の一部に材料(基材)破壊が生じる
△:光学積層フィルムと偏光子との界面の一部が剥がれる
×:偏光板保護フィルムと偏光膜との界面の全部が剥がれる
<液晶表示装置1の作製>
偏光子として、前述の「偏光子との接着性」の評価に用いた偏光子を準備した。保護フィルムF1として、コニカミノルタタック KC6UA(コニカミノルタ社製)を準備した。保護フィルムF2として、上記作製した光学積層フィルム1を準備した。
液晶表示装置として、VA方式のSONY製液晶テレビ(型番:BRAVIA KJ−43X8500C)を準備した。この装置から視認側の偏光板を剥がしとり、液晶セルの視認側の面に上記作製した偏光板1を貼り付けて液晶表示装置1を得た。
偏光板1の貼り付けは、光学積層フィルム1(保護フィルムF2)が液晶セル側となり、偏光子の吸収軸と光学積層フィルム1の遅相軸とが直交し、且つ液晶セルから剥がしとる前の視認側偏光板の吸収軸と一致するように行った。
液晶表示装置1の作製において、偏光板の保護フィルムF2の種類を、表4に示されるように変更した以外は同様にして液晶表示装置2〜27を得た。
液晶表示装置1の作製において、偏光板の保護フィルムF1とF2の種類を、表4に示されるように変更した以外は同様にして液晶表示装置28〜29を得た。
◎:ムラが全く観察されない。
○:ムラがほとんど観察されない(ムラの合計面積が画面全体の面積の5%以下である)。
△:目視の角度によってはやや弱いムラが観察される(ムラの合計面積が画面全体の面積の5%超である)。
×:画面に強いムラがはっきりと観察される。
(偏光板29の作製)
保護フィルムF1として、コニカミノルタタック KC6UA(コニカミノルタ社製)を用い、保護フィルムF2として、上記作製した光学積層フィルム27を用いた以外は、前述と同様にして偏光板29を得た。
液晶表示装置として、IPS方式のLGエレクトロニクス製液晶テレビ(型番:43UF6900)を準備した。この装置から視認側の偏光板を剥がしとり、液晶セルの視認側の面に上記作製した偏光板29を貼り付けて液晶表示装置30を得た。
偏光板29の貼り付けは、光学積層フィルム27(保護フィルムF2)が液晶セル側となり、偏光子の吸収軸と光学積層フィルム27の遅相軸とが直交し、且つ液晶セルから剥がしとる前の視認側偏光板の吸収軸と一致するように行った。
液晶表示装置30の作製において、偏光板の保護フィルムF1とF2の種類を、表5に示されるように変更した以外は同様にして液晶表示装置31〜33を得た。
11 基材層
13、48 易接着層
20 液晶表示装置
30 液晶セル
40 第1の偏光板
41 第1の偏光子
43 保護フィルム(F1)
45 保護フィルム(F2)
50 第2の偏光板
51 第2の偏光子
53 保護フィルム(F3)
55 保護フィルム(F4)
60 バックライト
Claims (10)
- シクロオレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを含む基材層と、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂又はシランカップリング剤を含む易接着層と
を含み、
前記基材層の表面に垂直な切断面において、前記基材層の前記易接着層が配置された面から厚み方向に0.1tの位置までの領域Sにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMs、前記基材層の中心から厚み方向に±0.1tの位置までの領域Cにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMcとしたとき(但し、前記基材層の厚みをtとする)、Mc/Msが0.01以上1未満であり、且つ
前記基材層の残留溶媒量が100ppm以上2000ppm以下である、光学積層フィルム。 - 前記基材層における前記紫外線吸収剤の含有量は、前記シクロオレフィン系樹脂に対して0.5〜5質量%である、請求項1に記載の光学積層フィルム。
- 前記基材層における前記酸化防止剤の含有量は、前記シクロオレフィン系樹脂に対して0.5〜5質量%である、請求項1又は2に記載の光学積層フィルム。
- 前記アミド系樹脂は、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学積層フィルム。
- 前記基材層は、前記残留溶媒として100〜300ppmのトルエンを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学積層フィルム。
- 前記Mc/Msが0.7以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学積層フィルム。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学積層フィルムと、その易接着層側の面に配置された偏光子とを含む、偏光板。
- 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、
前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、
前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
前記保護フィルムF1及びF2の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第1の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されているか、及び/又は
前記保護フィルムF3及びF4の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第2の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されている、液晶表示装置。 - 前記保護フィルムF1及びF2の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学積層フィルムであり、且つ前記第1の偏光子が、前記光学積層フィルムの易接着層側の面に配置されている、請求項8に記載の液晶表示装置。
- シクロオレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の少なくとも一方とを含む基材層であって、その表面に垂直な切断面において、少なくとも一方の表面から厚み方向に0.1tの位置までの領域Sにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMs、前記基材層の中心から厚み方向に±0.1tの位置までの領域Cにおける前記紫外線吸収剤及び前記酸化防止剤の合計含有量をMcとしたとき(但し、前記基材層の厚みをtとする)、Mc/Msが0.01以上1未満であり、且つ残留溶媒量が100ppm以上2000ppm以下である基材層を得る工程と、
前記基材層の前記領域Sを構成する面に、親水化処理を施す工程と、
前記基材層の親水化処理が施された面に、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂又はシランカップリング剤を含む易接着層用組成物を塗布した後、乾燥又は硬化させて易接着層を形成する工程と、
を含む、光学積層フィルムの製造方法。
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