JP2017095816A - シート製造装置およびシート製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】堆積物が加圧部に貼り付くことを抑制することができるシート製造装置を提供する。【解決手段】繊維を含む原料を気中で解繊する解繊部と、前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する混合部と、前記混合部により混合された混合物を堆積させる堆積部と、前記堆積部により堆積された堆積物を挟持して加圧する加圧部と、前記加圧部の前記堆積物との接触面を外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させるための第1加熱部と、を備える、ことを特徴とするシート製造装置。【選択図】図2
Description
本発明は、シート製造装置およびシート製造方法に関する。
従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料を水に投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。
そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている。例えば特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊し、サイクロンにおいて繊維の脱墨を行い、脱墨された繊維を、フォーミングドラム表面の小孔スクリーンを通過させて、サクション装置で吸引することによってメッシュベルト上に堆積させ、堆積物(ウェブ)を加圧した後、さらに加熱と加圧とを同時に行ってシートを成形することが記載されている。特許文献1では、堆積物を加圧するために一対の加圧ローラーを用いている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、加圧ローラー(加圧部)とその周囲の温度とに差が生じ、加圧部が結露して加圧部の表面に水滴が付いて、堆積物(ウェブ)が加圧部に貼り付く場合があった。また、加圧部の結露を防ぐために、加圧部を高温に加熱しすぎると、繊維を結着させるための樹脂が溶融して、堆積物が加圧部に貼り付く場合があった。その結果、ジャム(紙づまり)が発生する場合があった。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、堆積物が加圧部に貼り付くことを抑制することができるシート製造装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、堆積物が加圧部に貼り付くことを抑制することができるシート製造方法を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、
繊維を含む原料を気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する混合部と、
前記混合部により混合された混合物を堆積させる堆積部と、
前記堆積部により堆積された堆積物を挟持して加圧する加圧部と、
前記加圧部の前記堆積物との接触面を外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させるための第1加熱部と、
を備える。
繊維を含む原料を気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する混合部と、
前記混合部により混合された混合物を堆積させる堆積部と、
前記堆積部により堆積された堆積物を挟持して加圧する加圧部と、
前記加圧部の前記堆積物との接触面を外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させるための第1加熱部と、
を備える。
このようなシート製造装置では、金属ローラーの接触面が結露したとしても、金属ローラーの接触面の一部(第1加熱部と接触している部分)は、瞬間的に第1加熱部と同じ温度(または第1加熱部とほぼ同じ温度)になることができ、該接触している部分において、水分を蒸発させることができる。さらに、第1加熱部は、加圧部の接触面の水分を蒸発させるために加熱している。そのため、第1加熱部の加熱によって、樹脂(繊維を結着させるための樹脂)は溶融しない。したがって、このようなシート製造装置では、堆積物が加圧部に貼り付くことを抑制することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記第1加熱部は、前記接触面の温度が前記樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように加熱してもよい。
前記第1加熱部は、前記接触面の温度が前記樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように加熱してもよい。
このようなシート製造装置では、堆積物が加圧部に貼り付くことを、より確実に抑制することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記第1加熱部は、前記接触面に接触して加熱する接触式の加熱部であってもよい。
前記第1加熱部は、前記接触面に接触して加熱する接触式の加熱部であってもよい。
このようなシート製造装置、効率よく加圧部の接触面を加熱することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記第1加熱部は、前記接触面に接触せずに加熱する非接触式の加熱部であってもよい。
前記第1加熱部は、前記接触面に接触せずに加熱する非接触式の加熱部であってもよい。
このようなシート製造装置では、加圧部の接触面に付着した異物が第1加熱部に転移して熱伝導を阻害することを抑制することができる。さらに、このようなシート製造装置では、第1加熱部が加圧部と接触することにより加圧部を汚したり傷つけたりすることを抑制することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記加圧部により加圧された前記堆積物を加熱してシートを成形する第2加熱部を備えていてもよい。
前記加圧部により加圧された前記堆積物を加熱してシートを成形する第2加熱部を備えていてもよい。
このようなシート製造装置では、加圧により繊維間の距離が小さくなった状態で、加熱により樹脂を溶融させて繊維同士を結着することができる。これにより、このようなシート製造装置では、高密度で高強度のシートを製造することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記第2加熱部は、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で前記堆積物を加熱してもよい。
前記第2加熱部は、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で前記堆積物を加熱してもよい。
このようなシート製造装置では、第2加熱部において、樹脂を溶融させることができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記加圧部は、ローラー対を含み、
前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対間を通過する前に、前記ローラー対の少なくとも一方のローラーを加熱してもよい。
前記加圧部は、ローラー対を含み、
前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対間を通過する前に、前記ローラー対の少なくとも一方のローラーを加熱してもよい。
このようなシート製造装置では、堆積物の先端部分がローラー対間を通過する前に、ロ
ーラーの接触面の水分を蒸発させることができる。
ーラーの接触面の水分を蒸発させることができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対に達するまで加熱してもよい。
前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対に達するまで加熱してもよい。
このようなシート製造装置では、低消費電力化を図ることができる。
本発明に係るシート製造方法の一態様は、
繊維を含む原料を気中で解繊する工程と、
前記解繊する工程において解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する工程と、
前記混合する工程において混合された混合物を堆積させる工程と、
前記堆積させる工程において堆積された前記堆積物を挟持して加圧する加圧部の前記堆積物との接触面を、外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させる工程と、
前記堆積物を前記加圧部で挟持して加圧する工程と、
を備える。
繊維を含む原料を気中で解繊する工程と、
前記解繊する工程において解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する工程と、
前記混合する工程において混合された混合物を堆積させる工程と、
前記堆積させる工程において堆積された前記堆積物を挟持して加圧する加圧部の前記堆積物との接触面を、外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させる工程と、
前記堆積物を前記加圧部で挟持して加圧する工程と、
を備える。
このようなシート製造方法では、堆積物が加圧部に貼り付くことを抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. シート製造装置
1.1. 構成
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
1.1. 構成
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
シート製造装置100は、図1に示すように、供給部10と、製造部102と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、大気中(空気中)等の気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。なお、解繊部20から選別部40に解繊物を搬送させるための気流は、解繊部20が発生させる気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40は、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有している。ドラム部41としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。ドラム部41は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベ
ルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bと、を有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。これは、メッシュベルト46が損傷を受けずにウェブVを切断することが可能な距離である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給する添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造
されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤 、繊維等を燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集や樹脂の凝集を抑制するための凝集抑制剤 、繊維等を燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60は、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有している。ドラム部61としては、回転する円筒の篩を用いる。ドラム部61は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートS
を成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
を成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、カレンダーローラー対85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、加熱ローラー対86を備えている。加熱部84を加熱ローラー対86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー対85(加圧部82)は、加熱ローラー対86(加熱部84)によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー対85や加熱ローラー対86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
1.2. 加圧部および第1加熱部
図2は、シート製造装置100の加圧部82近傍を模式的に示す図である。シート製造装置100は、図2に示すように、第1加熱部110を備える。以下、加圧部82および第1加熱部110について、詳細に説明する。
図2は、シート製造装置100の加圧部82近傍を模式的に示す図である。シート製造装置100は、図2に示すように、第1加熱部110を備える。以下、加圧部82および第1加熱部110について、詳細に説明する。
加圧部82は、堆積部60により堆積された堆積物(ウェブW)を挟持して加圧する。具体的には、加圧部82は、メッシュベルト72によって搬送されるウェブWを挟持して加圧する。なお、解繊部20は、繊維を含む原料を気中で解繊する。混合部50は、解繊部20により解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する。堆積部60は、混合部50により混合された混合物を堆積させる。
加圧部82は、カレンダーローラー対85を含む。図示の例では、カレンダーローラー対85は、金属ローラー85aと弾性ローラー85bとによって構成されている。金属ローラー85aは、少なくとも表面185aが金属で構成されている。金属ローラー85aを構成する金属の種類は、特に限定されない。弾性ローラー85bは、少なくとも表面185bが弾性部材で構成されている。弾性ローラー85bを構成する弾性部材の材質は、例えば、プラスチックなどの樹脂である。
金属ローラー85aおよび弾性ローラー85bの形状は、例えば、円柱形である。例えば、ローラー85a,85bの直径は、100mm程度であり、ローラー85a,85bの回転軸方向の長さは、300mm程度である。
金属ローラー85aは、例えば、駆動部(図示せず)を有し、該駆動部の駆動により能動的に回転する。弾性ローラー85bは、例えば、金属ローラー85aの回転に従って受動的に回転する。図示の例では、金属ローラー85aは時計回りに回転し、弾性ローラー
85bは反時計回りに回転する。これにより、ウェブWは、矢印の方向αに搬送される。なお、加圧部82は、ウェブWを加圧することができれば、その形態は特に限定されず、図示はしないが、例えばプレス装置によって構成されていてもよい。
85bは反時計回りに回転する。これにより、ウェブWは、矢印の方向αに搬送される。なお、加圧部82は、ウェブWを加圧することができれば、その形態は特に限定されず、図示はしないが、例えばプレス装置によって構成されていてもよい。
図3に示すように、カレンダーローラー対85がウェブWを挟持していない状態で、例えば、弾性ローラー85bの表面185bは、金属ローラー85aと接触して窪み285bを生じることができる。これにより、ローラー85a,85bの少なくとも一方の表面に凹凸が存在したとしても、ローラー85a,85bが互いに接触することにより凸部あるいは凸部に接触する部分が窪んで、ローラー85a,85bの回転軸方向において、加圧する圧力の均一性を向上させることができる。例えばカレンダーローラー対85の2つのローラーが金属ローラーの場合は、仮に金属ローラーの表面に凹凸が存在すると、金属ローラー同士が互いに接触することによって窪みが生じないので、凸部に集中的に圧力がかかり、回転軸方向において、加圧する圧力の均一性が悪化する場合がある。
金属ローラー85aの近傍には、図2に示すように、温度センサー120が設けられている。温度センサー120は、例えば、金属ローラー85aの回転を妨げない状態で、金属ローラー85aの表面185aに接して設けられている。温度センサー120は、表面185aの温度を検知することができる。温度センサー120の形態は、表面185aの温度を検知することができれば、特に限定されない。なお、図示はしないが、温度センサー120は、金属ローラー85aと離間して設けられていてもよい。
弾性ローラー85bの近傍には、位置センサー122が設けられている。位置センサー122は、例えば、弾性ローラー85bの回転を妨げない状態で、弾性ローラー85bの表面185bに接して設けられている。位置センサー122は、検知面123を有し、検知面123と対向している位置に、ウェブWが存在しているか否か検知することができる。位置センサー122の形態は、ウェブWが存在しているか否か検知することができれば、特に限定されない。なお、図示はしないが、位置センサー122は、弾性ローラー85bと離間して設けられていてもよい。
図2に示す例では、位置センサー122は、2つ設けられている(位置センサー122a,122b)。位置センサー122aは、図4に示すように、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟まれる直前に位置しているか否かを検知することができる。図示の例では、位置センサー122aは、先端部分Wsが、カレンダーローラー対85に挟まれる位置から弾性ローラー85bの略半径分上流側に位置していることを検知することができる。位置センサー122bは、図5に示すように、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟まれる直後に位置していか否かを検知することができる。図示の例では、位置センサー122bは、先端部分Wsが、カレンダーローラー対85に挟まれる位置から弾性ローラー85bの略半径分下流側に位置していることを検知することができる。
第1加熱部110は、加圧部82の堆積物(ウェブW)との接触面を外部から加熱して、該接触面の水分を蒸発させるための部材である。具体的には、第1加熱部110は、金属ローラー85aのウェブWとの接触面(表面)185aを外部から加熱して、表面185aの水分を蒸発させるための部材である。
ここで、例えばシート製造装置100の製造部102は、図示せぬ筐体に収容されており、シート製造装置100を起動すると、製造部102を収容する筐体内の空間の温度は高くなる。しかしながら、特に起動直後では、金属ローラー85aの表面185aの温度は高くならずに、筐体内の空間(金属ローラー85aの周囲)と、表面185aと、で温度差が生じる。これにより、金属ローラー85aの表面185aが結露し、表面185a
に水分が付着する場合がある。特に、シート製造装置100では、調湿部78を有しているため、表面185aに水分が付着しやすい。
に水分が付着する場合がある。特に、シート製造装置100では、調湿部78を有しているため、表面185aに水分が付着しやすい。
図6は、シート製造装置100の機能ブロック図である。第1加熱部110は、図2および図6に示すように、発熱体112と、制御部104と、を有している。
発熱体112は、図2に示すように、金属ローラー85aの表面185aに接触している。すなわち、第1加熱部110は、表面185aに接触して加熱する接触式の加熱部である。発熱体112の位置は、表面185aと接触していれば、特に限定されない。図示の例では、発熱体112は、熱源113と、伝熱部114と、を含む。熱源113は、例えば、ハロゲンヒーターである。伝熱部114は、熱源113を覆って設けられている。伝熱部114の材質は、熱源113の熱を表面185aに伝えることができれば特に限定されず、例えば、金属である。発熱体112の表面の(電熱部112bの表面の)最高温度は、例えば、80℃以上200℃以下である。
制御部104は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および記憶部(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory))を含んで構成されている。制御部104は、図6に示すように、発熱体112の熱源113に制御信号を出力し、熱源113を駆動させる(発熱させる)。また、制御部104は、熱源113に制御信号を出力し、熱源113の駆動を停止させる(発熱を停止させる)。
Access Memory))を含んで構成されている。制御部104は、図6に示すように、発熱体112の熱源113に制御信号を出力し、熱源113を駆動させる(発熱させる)。また、制御部104は、熱源113に制御信号を出力し、熱源113の駆動を停止させる(発熱を停止させる)。
第1加熱部110は、金属ローラー85aの表面185aの温度が、添加物供給部52から供給される樹脂(複数の繊維を結着させるための樹脂)のガラス転移温度よりも低い温度になるように、表面185aを加熱する。具体的には、制御部104は、表面185aの温度が、添加物供給部52から供給される樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように、熱源113を制御する。例えば、ポリエステルのガラス転移温度は50℃以上60℃以下であり、スチレンアクリルのガラス転移温度は80℃以上130℃以下である。
より具体的には、制御部104は、温度センサー120で検知された温度に基づいて、表面185aの温度が樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように、熱源113を制御する。例えば添加物供給部52から供給される樹脂としてポリエステルを用いた場合、温度センサー120が49℃に達すると、制御部104は、熱源113に制御信号を出力し、熱源113の駆動を停止させる。
なお、制御部104は、金属ローラー85aの表面185aの温度が、添加物供給部52から供給される樹脂の溶融温度よりも低い温度になるように、熱源113を制御してもよい。ポリエステルの溶融温度は75℃以上130℃以下である。さらに、制御部104は、表面185aの温度が、添加物供給部52から供給される樹脂の軟化温度よりも低い温度になるように、熱源113を制御してもよい。
第1加熱部110は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85間を通過する前に、金属ローラー85aを加熱する。具体的には、シート製造装置100は、ユーザーからの入力を受け付ける入力部を有し、入力部がシート製造装置100を起動させるための信号を受けると、制御部104は、発熱体112の熱源113に制御信号を出力し、熱源113を駆動させる。これにより、発熱体112は、金属ローラー85aを加熱する。
なお、図示はしないが、例えば、第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46上にウ
ェブVが在るか否かを検知する位置センサーを有しており、制御部104は、該位置センサーがウェブVの存在を検知したら、熱源113を駆動させてもよい。
ェブVが在るか否かを検知する位置センサーを有しており、制御部104は、該位置センサーがウェブVの存在を検知したら、熱源113を駆動させてもよい。
第1加熱部110は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達するまで、金属ローラー85aの表面185aを加熱する。すなわち、第1加熱部110は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達した後は、表面185aを加熱しない。
ここで、「ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達するまで」とは、先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟持される直前や直後を含む。例えば、「先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟持される直前」とは、先端部分Wsが、カレンダーローラー対85に挟まれる位置から弾性ローラー85bの半径以内で上流側に位置していることをいう(図4参照)。また、「先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟持される直後」とは、先端部分Wsが、カレンダーローラー対85に挟まれる位置から弾性ローラー85bの半径以内で下流側に位置していることをいう(図5参照)。
例えば、制御部104は、位置センサー122aがウェブWの存在を検知したら、熱源113の駆動を停止させる。これにより、制御部104は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟持される直前で、熱源113の駆動を停止させることができる。または、制御部104は、位置センサー122bがウェブWの存在を検知したら、熱源113の駆動を停止させる。これにより、制御部104は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に挟持される直後で、熱源113の駆動を停止させることができる。
なお、制御部は、入力部がシート製造装置100を起動させるための信号を受けてから所定時間経過した後(例えば1分〜8分経過後)に、熱源113に制御信号を出力し、熱源113の駆動を停止させてもよい。ここで、所定時間は、例えば、シート製造装置100の起動後、メッシュベルト72上に通過物が積もり始める迄またはウェブWが形成される迄に要する時間である。あるいは、金属ローラー85aの表面185aに付着した水分の少なくとも一部を蒸発させ、ウェブWが張り付かない程度の濡れ状態になるまでに要する時間である。
第2加熱部84は、図1に示すように、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱してシートを形成する。第2加熱部84は、添加物供給部52から供給される樹脂のガラス転移温度以上の温度でウェブWを加熱する。
なお、第2加熱部84の加熱ローラー対86の表面は、フッ素加工されているため、ウェブWは、加熱ローラー対86の表面に貼り付き難い。第2加熱部84は、加圧部82に比べてウェブWに加える圧力が小さいため、加熱ローラー対86の表面をフッ素加工しても、加熱ローラー対86の表面は破損し難い。
1.3. 制御部の処理
次に、制御部104の処理の一例について、図面を参照しながら説明する。図7は、制御部104の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
次に、制御部104の処理の一例について、図面を参照しながら説明する。図7は、制御部104の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、図7に示すように、ユーザーがシート製造装置100の入力部にシート製造装置100を起動させる信号を入力し、入力部が該信号を受けると、制御部104は、発熱体112を駆動させる(S1)。
次に、制御部104は、温度センサー120に基づいて、発熱体112を制御する。具
体的には、制御部104は、温度センサー120に基づいて、金属ローラー85aの表面185aの温度が第1温度(例えば樹脂としてポリエステルを用いている場合は49℃)以上か否か判定する(S2)。
体的には、制御部104は、温度センサー120に基づいて、金属ローラー85aの表面185aの温度が第1温度(例えば樹脂としてポリエステルを用いている場合は49℃)以上か否か判定する(S2)。
表面185aの温度が第1温度以上と判定した場合(Noの場合)は、制御部104は、引き続き、発熱体112の駆動を駆動させる(S1)。
表面185aの温度が第1温度より低いと判定した場合(Yesの場合)は、制御部104は、発熱体112の駆動を停止させる(S3)。
次に、制御部104は、位置センサー122に基づいて、ウェブWの存在を検知する(S4)。
位置センサー122がウェブWの存在を検知した場合(Yesの場合)は、制御部104は、処理を終了させる。
位置センサー122がウェブWの存在を検知しない場合(Noの場合)は、制御部104は、温度センサー120に基づいて、金属ローラー85aの表面185aの温度が第2温度(例えば35℃)以下か否か判定する(S5)。
表面185aの温度が第2温度以下である場合(Yesの場合)は、制御部104は、再び、発熱体112の駆動を駆動させる(S1)。
表面185aの温度が第2温度よりも高いと判定した場合(Noの場合)は、引き続き、発熱体112の駆動を停止させる(S3)。
シート製造装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
シート製造装置100では、加圧部82のウェブWとの接触面(表面)185aを外部から加熱して表面185aの水分を蒸発させるための第1加熱部110を備える。そのため、シート製造装置100では、例えば、シート製造装置100の起動直後において、金属ローラー85aの周囲の温度と、表面185aの温度と、の差を小さくすることができる。これにより、シート製造装置100では、金属ローラー85aの表面185aが結露し、表面185aに水分が付着することを抑制することができる。さらに、シート製造装置100では、表面185aが結露したとしても、表面185aの発熱体112と接触する部分は、瞬間的に発熱体112の表面と同じ温度(または発熱体112の表面とほぼ同じ温度)になることができ、該接触する部分において、水分を蒸発させる(気化させる)ことができる。したがって、シート製造装置100では、ウェブWが加圧部82に貼り付くことを抑制することができる。
さらに、第1加熱部110は、表面185aの水分を蒸発させるために表面185aを加熱している。そのため、第1加熱部110の加熱によって、樹脂(繊維を結着させるための樹脂)は溶融せず、ウェブWが加圧部82に貼り付くことを抑制することができる。
以上により、シート製造装置100では、ジャムの発生を抑制することができる。
シート製造装置100では、第1加熱部110は、表面185aの温度が樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように加熱する。そのため、シート製造装置100では、ウェブWが加圧部82に貼り付くことを、より確実に抑制することができる。例えば表面185aの温度が樹脂のガラス転移温度以上になると、樹脂は流動性が増して、ウェブW
が加圧部82に貼り付きやすくなる。さらに、第1加熱部110は、製造されるシートSの品質が低下することを抑制することができる。例えば加圧部82において、ウェブWを加圧しながら樹脂が溶け出すと、シートSの密度が所望の値より小さくなって、シートSの品質が低下する場合がある。
が加圧部82に貼り付きやすくなる。さらに、第1加熱部110は、製造されるシートSの品質が低下することを抑制することができる。例えば加圧部82において、ウェブWを加圧しながら樹脂が溶け出すと、シートSの密度が所望の値より小さくなって、シートSの品質が低下する場合がある。
シート製造装置100では、第1加熱部110は、表面185aに接触して加熱する接触式の加熱部である。そのため、シート製造装置100では、非接触式の加熱部を用いる場合に比べて、効率よく表面185aを加熱することができる。
シート製造装置100では、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱してシートを成形する第2加熱部84を備える。そのため、シート製造装置100では、加圧により繊維間の距離が小さくなった状態で、加熱により樹脂を溶融させて繊維同士を結着することができる。これにより、シート製造装置100では、高密度で高強度のシートSを製造することができる。
シート製造装置100では、第2加熱部84は、樹脂のガラス転移温度以上の温度でウェブWを加熱する。そのため、シート製造装置100では、第2加熱部84において、樹脂を溶融させることができる。
シート製造装置100では、第1加熱部110は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85間を通過する前に、カレンダーローラー対85対の少なくとも一方のローラー(上記の例では金属ローラー85a)を加熱する。そのため、シート製造装置100では、先端部分Wsがカレンダーローラー対85間を通過する前に、金属ローラー85aの表面185aの水分を蒸発させることができる。
シート製造装置100では、第1加熱部110は、ウェブWの先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達するまで加熱する。すなわち、シート製造装置100では、第1加熱部110は、先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達した後は、表面185aを加熱しない。そのため、シート製造装置100では、先端部分Wsがカレンダーローラー対85に達した後も表面185aを加熱している場合に比べて、低消費電力化を図ることができる。
なお、ウェブWは、先端部分Wsにおいて特に加圧部82に貼り付きやすく、先端部分Wsがカレンダーローラー対85間を通過した後は、仮にローラー85a,85bの表面に水分が付着することがあっても、その水分は微量であり、ウェブWに吸収して除去される。また、先端部分Wsが加熱ローラー対86間を通過した後は、ウェブWには、カレンダーローラー対85と加熱ローラー対86とによってテンション(張力)が加えられるので、ウェブWは加圧部82に貼り付き難くなる。
本実施形態に係るシート製造方法では、例えば、シート製造装置100を用いる。シート製造装置100を用いたシート製造方法では、上記のように、繊維を含む原料を気中で解繊する工程と、解繊する工程において解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する工程と、混合する工程において混合された混合物を堆積させる工程と、堆積させる工程において堆積された堆積物(ウェブW)を挟持して加圧する加圧部82のウェブWとの接触面(表面)185aを、外部から加熱して表面185aの水分を蒸発させる工程と、ウェブWを加圧部82で挟持して加圧する工程と、を備える。そのため、本実施形態に係るシート製造方法では、ウェブWが加圧部82に貼り付くことを抑制することができる。
なお、上記では、第1加熱部110が金属ローラー85aのみを加熱する例について説明したが、第1加熱部110は、弾性ローラー85bのみを加熱してもよいし、金属ロー
ラー85aおよび弾性ローラー85bの両方を加熱してもよい。ただし、弾性ローラー85bには、図3に示したように窪み285bが生じるので、弾性ローラー85bは、金属ローラー85aよりもウェブWが貼り付き難い。したがって、第1加熱部110は、少なくとも金属ローラー85aを加熱することが好ましい。
ラー85aおよび弾性ローラー85bの両方を加熱してもよい。ただし、弾性ローラー85bには、図3に示したように窪み285bが生じるので、弾性ローラー85bは、金属ローラー85aよりもウェブWが貼り付き難い。したがって、第1加熱部110は、少なくとも金属ローラー85aを加熱することが好ましい。
また、本発明に係るシート製造装置では、解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、分級部(図示せず)に移送されてもよい。そして、分級部において分級された分級物が、選別部40に搬送されてもよい。分級部は、解繊部20を通過した解繊物を分級する。具体的には、分級部は、解繊物の中で比較的小さいものや密度の低いもの(樹脂粒や色剤や添加剤など)を分離して除去する。これにより、解繊物の中で比較的大きいもしくは密度の高いものである繊維の占める割合を高めることができる。分級部としては、例えば、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。
2. シート製造装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の変形例に係るシート製造装置200を模式的に示す図である。図8は、シート製造装置200の加圧部82近傍を示している。
次に、本実施形態の変形例に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の変形例に係るシート製造装置200を模式的に示す図である。図8は、シート製造装置200の加圧部82近傍を示している。
以下、本実施形態の変形例に係るシート製造装置200において、本実施形態にかかるシート製造装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したシート製造装置100では、図2に示すように、第1加熱部110は、金属ローラー85aの表面185aに接触して加熱する接触式の加熱部であった。これに対し、シート製造装置200では、図8に示すように、第1加熱部110は、表面185aに接触せずに加熱する非接触式の加熱部である。すなわち、第1加熱部110の発熱体112は、金属ローラー85aと離間している。
シート製造装置200では、発熱体112は、熱源113と、リフレクター(反射板)115と、を有している。熱源113は、例えば、赤外線ヒーターやカーボンヒーターである。熱源113の最高温度は、例えば、400℃以上500℃以下である。リフレクター115は、熱源113の金属ローラー85a側とは反対側に設けられている。リフレクター115は、回転方物面である面を有していてもよい。リフレクター115は、熱源113の熱を輻射熱によって金属ローラー85aに伝えることができる。
シート製造装置200では、第1加熱部110は、表面185aに接触せずに加熱する非接触式の加熱部である。そのため、シート製造装置200では、例えば、金属ローラー85aの表面185aに付着した異物が第1加熱部110に転移して熱伝導を阻害することを抑制することができる。さらに、シート製造装置200では、第1加熱部110が表面185aと接触することにより表面185aを汚したり傷つけたりすることを抑制することができる。
なお、本発明に係るシート製造装置によって製造されるシートSは、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状ものに限定されず、ボード状、ウェブ状であってもよい。本明細書におけるシートは、紙と不織布に分けられる。紙は、パルプや古紙を原料とし薄いシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー(清掃用ティッシュペーパー)、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体(廃インクや油)吸収材、吸音材、断熱材、緩衝材、マットなどを含む。なお、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリ
エチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。
エチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。なお、製造部102は、シートを製造できる範囲において、一部の構成を省略したり、他の構成を追加したり、公知の構成と置き換えてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…ホッパー、2,3,7,8…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、44…排出口、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、47,47a…張架ローラー、48…吸引部、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50…混合部、52…添加物供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、63…ハウジング部、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、78…調湿部、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー対、85a…金属ローラー、85b…弾性ローラー、86…加熱ローラー対、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、102…製造部、104…制御部、110…第1加熱部、112…発熱体、113…熱源、114…伝熱部、115…リフレクター、120…温度センサー、122,122a,122b…位置センサー、123…検知面、185a,185b…表面、200…シート製造装置、285b…窪み、R…方向、S…シート、V,W…ウェブ、Ws…先端部分、α…方向
Claims (9)
- 繊維を含む原料を気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する混合部と、
前記混合部により混合された混合物を堆積させる堆積部と、
前記堆積部により堆積された堆積物を挟持して加圧する加圧部と、
前記加圧部の前記堆積物との接触面を外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させるための第1加熱部と、
を備える、ことを特徴とするシート製造装置。 - 前記第1加熱部は、前記接触面の温度が前記樹脂のガラス転移温度よりも低い温度になるように加熱する、ことを特徴とする請求項1に記載のシート製造装置。
- 前記第1加熱部は、前記接触面に接触して加熱する接触式の加熱部である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート製造装置。
- 前記第1加熱部は、前記接触面に接触せずに加熱する非接触式の加熱部である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート製造装置。
- 前記加圧部により加圧された前記堆積物を加熱してシートを成形する第2加熱部を備える、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート製造装置。
- 前記第2加熱部は、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で前記堆積物を加熱する、ことを特徴とする請求項5に記載のシート製造装置。
- 前記加圧部は、ローラー対を含み、
前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対間を通過する前に、前記ローラー対の少なくとも一方のローラーを加熱する、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート製造装置。 - 前記第1加熱部は、前記堆積物の先端部分が前記ローラー対に達するまで加熱する、ことを特徴とする請求項7に記載のシート製造装置。
- 繊維を含む原料を気中で解繊する工程と、
前記解繊する工程において解繊された解繊物と樹脂とを、気中で混合する工程と、
前記混合する工程において混合された混合物を堆積させる工程と、
前記堆積させる工程において堆積された前記堆積物を挟持して加圧する加圧部の前記堆積物との接触面を、外部から加熱して前記接触面の水分を蒸発させる工程と、
前記堆積物を前記加圧部で挟持して加圧する工程と、
を備える、ことを特徴とするシート製造方法。
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-
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