JP6596984B2 - シート製造装置、シート製造方法及びシート製造装置の制御方法 - Google Patents

シート製造装置、シート製造方法及びシート製造装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート製造装置、シート製造方法及びシート製造装置の制御方法に関する。
繊維状の物質を堆積させ、堆積させた繊維の相互間に結合力を働かせてシート状あるいはフィルム状の形成体を得ることは古くから行われている。その典型例として、水を用いた抄造(抄紙)によって紙を製造することが挙げられる。抄造法で製造される紙は、一般に、例えば木材等に由来するセルロースの繊維が互いに絡み合い、バインダー(紙力増強剤(デンプン糊、水溶性樹脂等))によって互いに部分的に結着されている構造を有するものが多い(例えば、特許文献1参照)。
しかし、抄造法は湿式であるため、大量の水を使用する必要があり、また、紙が形成された後、脱水・乾燥等の必要が生じ、そのために費やすエネルギーや時間が非常に大きい。また、使用した水は、排水として適切に処理する必要がある。したがって昨今の省エネルギー、環境保護等の要請に応えることは難しくなってきている。また抄造法に用いる装置は、水、電力、排水設備等の大型のユーティリティーが必要となることが多く、小型化することは難しい。これらの観点から、抄造法に代る紙の製造方法として、乾式法と称する水を全く又はほとんど用いない方法が期待されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−140738号公報 特開2012−144819号公報
一般に紙等のシートを製造する工程では、繊維等を堆積させて形成したウェブ及びこれを加圧(加熱)したシートを搬送する機構が含まれる。ウェブやシートの搬送は、例えば、ベルト上にウェブやシートを載せてベルトを移動させることにより行われたり、一対のローラーによってウェブやシートを挟んでローラーを回転させることによって行われたりする。
一方、シートの製造を終了(又は中断)する場合に、製造装置内にシートが残存しないように、製造装置内のシートの全てを製造装置から排出した状態で装置を停止させる場合がある。このような場合において、その後シートの製造を開始(又は再開)すると、形成されるウェブ又はシートの先端の厚さが不十分となる場合があった。
このような先端の厚さの不十分なウェブ又はシートが搬送されると、ウェブをベルトから剥がすことが困難となったり、ローラーに挟みにくくなったり、ローラーに巻き付きやすくなったりする。そのため、装置内においてウェブやシートの詰まり(いわゆるジャム)を生じやすかった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、シートの製造を開始する際におけるウェブやシートのジャムが抑制されたシート製造装置、シート製造方法、及びシート製造装置の制御方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本発明に係るシート製造装置の一態様は、
繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、大気中で混合する混合部と、
回転する複数の開口を有し、前記混合部により混合された混合物を前記開口を通過させて降下させるドラム部を備えた堆積部と、
前記ドラム部の開口を通過した前記混合物を堆積させるメッシュベルトを有し、前記メッシュベルト上にウェブを形成するウェブ形成部と、
前記ウェブを挟持して搬送するローラー対を備え、前記ウェブからシートを形成するシート形成部と、
を有するシート製造装置であって、
前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに前記混合物を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動する制御部を有することを特徴とする。
このようなシート製造装置によれば、シートの製造を開始する際におけるウェブやシートのジャムを抑制することができる。すなわち、このようなシート製造装置によれば、メッシュベルト上に一定量以上の混合物が堆積された後にメッシュベルトが起動されるため、ウェブの先端(先頭)部分を厚く形成することができる。これにより、メッシュベルトからウェブを剥がす際のウェブの残存の抑制、シート形成部のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブの巻き付きの抑制の少なくとも一つを達成することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記ウェブ形成部は、前記混合物を前記メッシュベルト上に吸引する吸引部と、前記吸引部により吸引され前記メッシュベルトのメッシュを通過した廃粉を捕集する捕集部と、を有してもよく、前記制御部は、前記ドラム部を起動する前に前記吸引部を起動させてもよい。
このようなシート製造装置によれば、メッシュベルトを篩として用いることができ、廃粉を軽減させたシートを製造することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記制御部は、前記解繊部と前記混合部とを起動して前記混合物を前記ドラム部内に滞留させた後、前記ドラム部を起動させてもよい。
このようなシート製造装置によれば、ドラム部内に混合物が滞留した状態でドラム部を回転させるため、ドラム部の開口を混合物がより均一に通過しやすいため、形成されるウェブの堆積ムラを抑制することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記制御部は、前記ウェブの先端部の厚さが標準厚を超える前に前記メッシュベルトを起動してもよい。
このようなシート製造装置によれば、ウェブの先端(先頭)の厚さを確保しつつ、混合物の使用量を低減することができる。
本発明に係るシート製造装置において、
前記解繊部により解繊された解繊物に前記樹脂を供給する樹脂供給部を有してもよく、前記制御部は、前記シート製造装置を起動するとき、前記樹脂供給部による樹脂の供給を停止した状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに前記解繊物を堆積させてもよい。
このようなシート製造装置によれば、ウェブの先端部の樹脂量を少なくすることで、加熱ローラー等への貼り付きを抑制することができる。
本発明に係るシート製造方法の一態様は、
繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊工程と、
前記解繊工程で形成された解繊物と樹脂とを、大気中で混合する混合工程と、
前記混合工程で混合された混合物を、回転する複数の開口を有するドラム部に導入し、前記開口を通過させて降下させる堆積工程と、
前記ドラム部の開口を通過した前記混合物を、メッシュベルト上に堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、
ローラー対により前記ウェブを挟持して搬送し、前記ウェブからシートを形成するシート形成工程と、
を含み、
前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記メッシュベルトに前記混合物を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動して前記シートを形成する。
このようなシート製造方法によれば、シートの製造を開始する際におけるウェブやシートのジャムを抑制することができる。すなわち、このようなシート製造方法によれば、メッシュベルト上に一定量以上の混合物が堆積された後にメッシュベルトが起動されるため、ウェブの先端(先頭)部分を厚く形成することができる。これにより、メッシュベルトからウェブを剥がす際のウェブの残存の抑制、シート形成部のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブの巻き付きの抑制、の少なくとも一つを達成することができる。
本発明に係るシート製造装置の制御方法の一態様は、
繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、
前記解繊部により解繊された解繊物と樹脂とを、大気中で混合する混合部と、
回転する複数の開口を有し、前記混合部により混合された混合物を前記開口を通過させて降下させるドラム部を備えた堆積部と、
前記ドラム部の開口を通過した前記混合物を堆積させるメッシュベルトを有し、前記メッシュベルト上にウェブを形成するウェブ形成部と、
前記ウェブを挟持して搬送するローラー対を備え、前記ウェブからシートを形成するシート形成部と、
を有するシート製造装置の制御方法であって、
前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに混合物を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動する。
このようなシート製造方法の制御方法によれば、シートの製造を開始する際におけるウェブやシートのジャムを抑制することができる。すなわち、このような制御方法によれば、メッシュベルト上に一定量以上の混合物が堆積された後にメッシュベルトが起動されるため、ウェブの先端(先頭)部分を厚く形成することができる。これにより、シート製造装置における、メッシュベルトからウェブを剥がす際のウェブの残存の抑制、シート形成部のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブの巻き付きの抑制、の少なくとも一つを達成することができる。
実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。 実施形態に係るシート製造装置の要部を模式的に示す図。 実施形態に係るシート製造装置の一部を模式的に示す図。 メッシュベルト上に形成されるウェブの厚さ変化の概念図。 メッシュベルト上に形成されるウェブの厚さ変化の概念図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1. シート製造装置
1.1. 構成
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
シート製造装置100は、図1に示すように、供給部10と、製造部102と、制御部104と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、シート形成部80と、切断部90と、を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2を介して、解繊部20に移送(搬送)される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。具体的には、解繊部20としては、インペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するよ
うな気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、解繊物を排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。なお、解繊部20から選別部40に解繊物を搬送させるための気流は、解繊部20が発生させる気流を利用してもよいし、ブロアー等の気流発生装置を設け、その気流を利用してもよい。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウェブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、吸引部(サクション機構)48と、を含む。
吸引部48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47および吸引部48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74およびサクション機構76と同様である。
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウェブVが混合部50に搬送される前に、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウェブ形成部45により搬送された第1選別物)と、樹脂を含む添加物と、を混合する。混合部50は、添加物を供給す
る添加物供給部52と、第1選別物と添加物とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加物は、添加物供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加物とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加物とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加物供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加物供給部52から供給される添加物は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加物供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加物供給部52から供給される添加物は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加物供給部52から供給される添加物には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集抑制剤 、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加物との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加物供給部52から供給される添加物の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウェブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウェブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転
することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加物が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウェブ形成部70(ウェブ形成工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、ウェブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウェブWに対して水や水蒸気を添加して、ウェブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウェブWを加圧加熱してシートSを成形する。シート形成部80では、ウェブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加物の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加物(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー85(加圧部82)は、加熱ローラー86(加熱部84)によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85や加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
1.2. 堆積部及びウェブ形成部
堆積部60及びウェブ形成部70(上述の第2ウェブ形成部70に相当する。)についてより詳細に説明する。図2は、本実施形態のシート製造装置100の堆積部60、ウェ
ブ形成部70及びシート形成部80の近傍を拡大して示す模式図である。
堆積部60は、筒状の形状を有し、解繊物を通過させるための複数の開口が形成された網部(網)を有するドラム部64(篩)と、ドラム部64の外周面から離間して、ドラム部64を覆うハウジング部66を有している。
ドラム部64は、筒状の形状であり、当該筒の中心軸周りに回転可能なドラム(篩)である。また、管54がドラム部64の側面部に接続されており、ドラム部64の内部に混合物が供給される。そして、ドラム部64が回転することにより、混合物がドラム部64の開口を通過して、ドラム部64の外側、かつハウジング部66の内側に篩われる。篩われた混合物は、ウェブ形成部70のメッシュベルト72上に降下して堆積する。
ハウジング部66は、篩われた混合物をメッシュベルト72上に導くフードの機能を有する。ハウジング部66は、ドラム部64を収容しており、下端において、メッシュベルト72に接している。また、ハウジング部66のメッシュベルト72に接する部分は、パイルシールやシールローラーが設けられ、ハウジング部66内部の必要に応じた気密性が確保される。図2の例では、ハウジング部66は、シールローラー67を有している。シールローラー67は、例えば、金属製のローラーであり、自重や、ばね等の付勢部材によって付勢され、メッシュベルト72上にウェブWが堆積されていない状態で、メッシュベルト72と接している。メッシュベルト72上にウェブWが堆積された状態では、ウェブWの搬送方向下流側に位置するシールローラー67(図2では右側のローラー)は、ウェブWの上面と接することになる。シールローラー67は、ドラム部64によって篩われた混合物が、ハウジング部66とメッシュベルト72との隙間から漏出することを抑制することができる。
ドラム部64の駆動は、制御部104により、任意に制御することができ、ドラム部64が停止した状態でメッシュベルト72(張架ローラー74)等の他の構成を駆動することもできるし、メッシュベルト72等の他の構成が停止した状態でドラム部64を駆動することもできる。
ウェブ形成部70(上述の第2ウェブ形成部70に相当する。)は、図2に示すように、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウェブWを形成する。本実施形態のシート製造装置100では、ウェブ形成部70は、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、捕集部77と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積することができるが、メッシュベルト72の駆動は、制御部104により任意に制御することができ、停止した状態でウェブW(混合物)を堆積させることもできる。
本実施形態のシート製造装置100では、サクション機構76による下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)は、ブロワー79により発生され、ブロワー79の排気口には、捕集部77が接続されている。
捕集部77は、メッシュベルト72を通過した廃粉(例えば、上流で除去されずに残ったトナーや解繊物の微粉)を捕集するフィルターを備えている。フィルターは、メッシュベルト72を通過した気流を通過させ、廃粉が存在する場合にこれを捕集して気体を透過させる。したがって、ブロワー79は、サクション機構76において気体を吸引する吸引部とみなすことができる。ブロワー79及び捕集部77は、図示の例ではメッシュベルト72からこの順で設置されているが、捕集部77及びブロワー79の順に配置されてもよい。
サクション機構76の駆動についても、制御部104により、任意に制御することができ、例えば、サクション機構76が停止した状態でメッシュベルト72を駆動することができるし、メッシュベルト72が停止した状態でサクション機構76を駆動することができる。
1.3. 制御部
制御部104についてより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るシート製造装置100の一部を模式的に示す図である。図3では、ウェブWの搬送方向Mの上流側にある選別部40、第1ウェブ形成部45、及び混合部50などは省略して示している。また、特に断らない限り、本明細書において「上流」はウェブWの搬送方向Mにおける上流であり、「下流」はウェブWの搬送方向Mにおける下流である。
図3に示すように、制御部104は、シート製造装置100の各処理部の動作を制御するものであり、少なくとも添加物供給部52における添加物の供給動作、堆積部60におけるドラム部64(篩)の回転動作、張架ローラー74(メッシュベルト72)の回転動作、サクション機構76の吸引動作を制御する。
制御部104は、例えば、各種処理を実行するCPU、CPUによって実行される制御プログラム等を格納するROM、CPUの作業領域を提供するRAMなどを含む。また、制御部104は、その他の構成の動作を制御してもよい。制御部104は、各構成の起動、停止、それらの順序、及び、それらのタイミングを制御することができる。
制御部104は、シート製造装置100内にウェブW及びシートSが残存しないように、シートSの製造を終了(又は中断)した場合や、シート製造装置100内に、原料(繊維等)、ウェブW及びシートSのいずれも存在しない場合(シート製造装置100をはじめて稼働させる場合や、メンテナンス(清掃)の後に稼働させる場合など)において、以下に示すような制御を行う。
1.3.1. ドラム部及びメッシュベルトの制御
制御部104は、ドラム部64及びメッシュベルト72(張架ローラー74)の起動タイミングを制御する。係る制御は、メッシュベルト72上にウェブWが存在しない状態で行われる。
制御部104は、メッシュベルト72を停止させた状態で、ドラム部64を起動してメッシュベルト72に混合物を堆積させ、その後、メッシュベルト72を起動する。ドラム部64は、ドラム部64内に混合物が存在する状態であっても、ドラム部64内に混合物が存在しない場合であっても起動することができる。ドラム部64内に混合物が存在しない場合には、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、及び混合部50を駆動して原料を供給することよって、ドラム部64内に混合物が導入され、メッシュベルト72に対して混合物を降らせる(降下させる)ことができる。
また、ドラム部64内に混合物が少ないあるいは存在しない状態でシートSの製造を開始する場合、ドラム部64の起動は、粗砕部12、解繊部20、選別部40、第1ウェブ形成部45、回転体49、及び混合部50等を動作させて、混合物をドラム部64内に滞留させた後、ドラム部64を起動してもよい。このようにすれば、ドラム部64を起動した際に、より均一な降下量(速度)で、より密度のばらつきが少ない状態で、混合物を降下させることができる。これにより、ドラム部64の開口を混合物がより均一に通過しやすいため、形成されるウェブWの堆積ムラをより抑制することができる。また、ドラム部64からの混合物の降下量の増減が抑制されるため、メッシュベルト72の起動タイミン
グを、ドラム部64の起動からの時間(待機時間)によって制御する場合に、ウェブWの先端の堆積量をより正確に設定することができる。
制御部104は、ドラム部64を起動させた後、メッシュベルト72を起動する。メッシュベルト72の起動は、ドラム部64を起動させてから、所定の時間が経過した後に起動(時間による制御)されてもよいし、停止しているメッシュベルト72上のウェブWの厚さに応じて起動(厚さによる制御)されてもよい。時間による制御の場合には、例えば、制御部104に、計時部を備え、制御部104がドラム部64の起動からの経過時間を計時部から取得し、係る時間が所定時間に達したことに基づいてメッシュベルト72を起動するようにしてもよい。また、厚さによる制御の場合には、例えば、シート製造装置100に、ハウジング部66内のメッシュベルト72上のウェブWの厚さを計測するセンサーを設け、制御部104がセンサーからウェブWの厚さを取得し、係る厚さが所定厚さに達したことに基づいてメッシュベルト72を起動するようにしてもよい。
1.3.2. ウェブの厚さの制御例
図4及び図5は、シート製造装置100のメッシュベルト72上に形成されるウェブWの厚さ変化の概念図である。図4及び図5は、本実施形態の制御部104によるウェブWの厚さ制御の一態様をそれぞれ模式的に示している。なお、図4及び図5では、図2に破線で囲んだ領域Aのメッシュベルト72とウェブWとを拡大した模式図であり、ウェブWの厚さを説明するために、ウェブWの厚さを誇張して描いている。また、図4及び図5では、図中(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)が付されているが、この順に時間が経過することを示している。また、図4のメッシュベルト72は、破線で表され、メッシュベルト72のハウジング部66内となる位置(ハウジング部66に対向する位置)に、符号66aを付してある。さらに、図4、図5中の矢印は、メッシュベルト72が移動していることを示している。
メッシュベルト72の駆動が停止している状態で、ドラム部64を回転(起動)し、ドラム部64内の混合物を降下させる(図4(a))。ウェブWが所定の厚さXに達したら(図4(b))、メッシュベルト72を駆動(起動)する。そうすると、図4(c)に示すように、ウェブWは、先端(先頭)の厚さが厚さXとなった状態で搬送される。そして、図4(d)に示すように、ハウジング部66(シールローラー66間)の長さ(66a)の距離搬送された時点で、メッシュベルト72が停止している状態で堆積された部分(図4(b))への混合物の堆積が終了する。さらにウェブWの搬送が進むと、図4(e)に示すように、標準厚Y(所定のシートSを形成するための厚さ)のウェブWが形成される。
所定の厚さXは、適宜に設定され得るが、例えば、ウェブWの先端の機械的強度(コシ、ハリ等)が十分となる程度の厚さである。厚さXは、メッシュベルト72からウェブWの先頭を剥がす際のウェブWの残存の抑制、シート形成部80のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブWの巻き付きの抑制、の少なくとも一つを達成することができる厚さである。
また、所定の厚さXは、標準厚Yよりも小さくてもよい。すなわち、制御部104は、ウェブWの先端部の厚さXが標準厚Yを超える前にドラム部64を起動してもよい。図5に示すように、メッシュベルト72の駆動が停止している状態で、ドラム部64を回転(起動)し、ドラム部64内の混合物を降下させる(図5(a))。ウェブWが、標準厚Yよりも小さい所定の厚さXに達したら(図5(b))、メッシュベルト72を駆動(起動)する。そうすると、図5(c)に示すように、ウェブWは、先端(先頭)の厚さが標準厚Yよりも小さい厚さXとなった状態で搬送される。そして、図5(d)に示すように、ハウジング部66(シールローラー66間)の長さ(66a)の距離搬送された時点で、
メッシュベルト72が停止している状態で堆積された部分(図5(b))への混合物の堆積が終了する。さらにウェブWの搬送が進むと、図5(e)に示すように、標準厚Y(所定のシートSを形成するための厚さ)のウェブWが形成される。
このようにしてもウェブWの先頭の機械的強度(コシ、ハリ等)が十分である限り、上記と同様の効果を得ることができる。また、このようにすれば、ウェブWの先端(先頭)の厚さXを確保して機械的強度を維持しつつ、混合物の使用量を低減することができる。
なお、図示しないが、ドラム部64及びメッシュベルト72の起動を同時に、又は、メッシュベルト72が起動した後にドラム部64が起動される場合には、ウェブWの先端(先頭)は、非常に薄い状態となって搬送され、メッシュベルト72からウェブWの先頭を剥がすこと、及び、シート形成部80のローラー対への狭みこみが困難となり、また、ローラー対へのウェブWの巻き付きが生じやすいことは理解されよう。
1.3.3. 吸引部及び添加物供給部の制御
さらに、制御部104は、吸引部(サクション機構76)、及び/又は、添加物供給部52(樹脂供給部)の起動タイミングを制御してもよい。
吸引部(サクション機構76)は、上述の通り、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させ、空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引する。しかし、ドラム部64が回転していない場合に、サクション機構76を動作させると、管54からドラム部64内へ、混合物を導入する気流の一部を形成することができる。ドラム部64を回転させない状態でサクション機構76を動作させると、混合物をドラム部64内に導き、滞留させることができる。
そのため、ドラム部64内に混合物が少ないあるいは存在しない状態でシートSの製造を開始する場合、制御部104により、ドラム部64を起動する前に、サクション機構76(吸引部)を起動させることにより、混合物をドラム部64内に滞留させた後、ドラム部64を起動することができる。このようにすれば、ドラム部64を起動した際に、より均一な降下量(速度)で、より密度のばらつきが少ない状態で、混合物を降下させることができる。
添加物供給部52(樹脂供給部)は、上述の通り、ホッパー9を介して管54に添加物を供給する。そして添加物(樹脂)と繊維とが、混合部50によって混合され、混合物となる。しかし、添加物供給部52を停止させた状態で、第1選別物を混合部50に送ることも可能である。すなわち、添加物供給部52を停止させると、混合物中の添加物の量を減少させる、又は、無くすることができる。なお、ここでは、添加物供給部52から添加物が供給されずに混合部50を通過した第1選別物については、便宜上混合物と称する。
添加物供給部52を停止した状態で得られる混合物は、樹脂を含まないため、シート形成部80を通過しても十分な結着力が得られない。しかし、係る混合物は、メッシュベルト72に堆積された場合に、メッシュベルト72からより剥がれやすく、また、ローラーに、より巻き付きにくくなる。したがって、メッシュベルト72上にウェブWが存在しない状態でシートSの製造が開始される際には、ウェブWの先端(先頭)を、添加物供給部52を停止した状態で得た混合物にて形成すれば、さらにシート製造装置100内のウェブWやシートSのジャム(詰まり等)を生じにくくすることができる。
そしてこの場合、例えば、メッシュベルト72を起動した後に、添加物供給部52を起動することにより、所定の量の添加物を混合物に配合することができる。このようにして形成されるウェブWは、先頭部分に添加物が添加されておらず、先頭部分に続いて形成さ
れる部分には、所定量の添加物が含まれるため、シートSの先頭部分を切断等により除去すれば、所定のシートSの製造を開始することができる。なお、この場合、添加物が配合されていないウェブW又はシートSの先頭部分は、切断等された後、例えば、解繊部20に戻すことによって、再利用することができる。
2. シート製造方法及びシート製造装置の制御方法
本実施形態のシート製造方法は、解繊工程と、混合工程と、堆積工程と、ウェブ形成工程と、シート形成工程と、を含み、メッシュベルトを停止させた状態で、メッシュベルトに混合物を堆積させ、その後メッシュベルトを起動してシートSを形成する。
本実施形態のシート製造方法は、例えば、上述のシート製造装置100を用いて行うことができる。例えば、解繊工程は、上述の解繊部20により行うことができる。混合工程は、上述の混合部50により行うことができる。堆積工程は、上述の堆積部60により行うことができる。ウェブ形成工程は、上述の堆積部60及びウェブ形成部70により行うことができる。シート形成工程は、上述のシート形成部80(加熱部)により行うことができる。また、本実施形態のシート製造方法で使用する繊維、添加物及び混合物は、上述のシート製造装置の項で述べたと同様であるため、詳細な説明を省略する。
このようなシート製造方法によれば、シートSの製造を開始する際におけるウェブWやシートSのジャムを抑制することができる。すなわち、このようなシート製造方法によれば、メッシュベルト72上に一定量以上の混合物が堆積された後にメッシュベルト72が起動されるため、ウェブWの先端(先頭)部分を厚く形成することができる。これにより、メッシュベルト72からウェブWを剥がす際のウェブWの残存の抑制、シート形成部80のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブWの巻き付きの抑制、の少なくとも一つを達成することができる。
また、本実施形態のシート製造装置の制御方法は、上述のシート製造装置(例えばシート製造装置100)の制御方法であって、メッシュベルトを停止させた状態で、ドラム部を起動してメッシュベルトに混合物を堆積させ、その後メッシュベルトを起動する。係る制御方法は、例えば、上述した制御を、プログラムによって実行することができる。制御部104は、係るプログラムを実行するコンピューターを含むことができる。そのようなプログラムとしては、シート製造装置100を動作させるプログラムであって、制御部104を、ドラム部64の起動からの時間又はウェブWの堆積厚さに基づいて、メッシュベルト72(張架ローラー74)を起動させる制御部104として機能させる。このような制御方法によれば、シートSの製造を開始する際におけるウェブWやシートSのジャムを抑制することができる。すなわち、このような制御方法によれば、メッシュベルト72上に一定量以上の混合物が堆積された後にメッシュベルト72が起動されるため、ウェブWの先端(先頭)部分を厚く形成することができる。これにより、シート製造装置100における、メッシュベルト72からウェブWを剥がす際のウェブWの残存の抑制、シート形成部80のローラー対への狭持の容易化、及び、ローラー対へのウェブWの巻き付きの抑制、の少なくとも一つを実現することができる。
3.その他の事項
本明細書において、「均一」との文言は、均一な分散や混合という場合には、2種以上又は2相以上の成分を定義できる物体において、1つの成分の他の成分に対する相対的な存在位置が、系全体において一様、又は系の各部分において互いに同一若しくは実質的に等しいことを指す。また、着色の均一性や色調の均一性は、シートを平面視したときに色の濃淡がなく、一様な濃度であることを指す。
本明細書において、「均一」「同じ」「等間隔」など、密度、距離、寸法などが等しい
ことを意味する言葉を用いている。これらは、等しいことが望ましいが、完全に等しくすることは難しいため、誤差やばらつきなどの累積で値が等しくならずにずれるのも含むものとする。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…ホッパー、2,3,4,5,7,8…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊部、22…導入口、24…排出口、40…選別部、42…導入口、44…排出口、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、47,47a…張架ローラー、48…吸引部、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50…混合部、52…添加物供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、62…導入口、64…ドラム部、66…ハウジング部、67…シールローラー、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、77…捕集部、78…調湿部、79…ブロワー(吸引部)、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、102…製造部、104…制御部、S…シート、V,W…ウェブ

Claims (9)

  1. 繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、
    回転する複数の開口を有し、前記解繊部により解繊された繊維を前記開口を通過させて降下させるドラム部を備えた堆積部と、
    前記ドラム部の開口を通過した前記解繊された繊維を堆積させるメッシュベルトを有し、前記メッシュベルト上にウェブを形成するウェブ形成部と、
    前記ウェブを挟持して搬送するローラー対を備え、前記ウェブからシートを形成するシート形成部と、
    を有するシート製造装置であって、
    前記ウェブが前記メッシュベルト上に存在しない状態から、前記シートの製造を開始する場合に、
    前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに前記解繊された繊維を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動する制御部を有することを特徴とする、シート製造装置。
  2. 前記ウェブ形成部は、
    前記混合物を前記メッシュベルト上に吸引する吸引部と、
    前記吸引部により吸引され前記メッシュベルトのメッシュを通過した廃粉を捕集する捕集部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記ドラム部を起動する前に前記吸引部を起動させることを特徴とする、請求項1に記載のシート製造装置。
  3. 前記解繊された繊維と樹脂とを、大気中で混合する混合部を有する、請求項1又は請求項2に記載のシート製造装置。
  4. 前記制御部は、前記解繊部と前記混合部とを起動して前記混合物を前記ドラム部内に滞留させた後、前記ドラム部を起動させることを特徴とする、請求項3に記載のシート製造
    装置。
  5. 前記制御部は、前記ウェブの先端部の厚さが標準厚を超える前に前記メッシュベルトを起動することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  6. 前記解繊部により解繊された繊維に樹脂を供給する樹脂供給部を有し、
    前記制御部は、前記シート製造装置を起動するとき、前記樹脂供給部による樹脂の供給を停止した状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに前記解繊された繊維を堆積させることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  7. 前記制御部は、前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記繊維を第1の層として堆積させ、そのあとに、前記メッシュベルトを駆動させ、前記第1の層の上に前記繊維をさらに堆積させ第2の層を形成するように制御することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のシート製造装置。
  8. 繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊工程と、
    前記解繊工程で解繊された繊維を、回転する複数の開口を有するドラム部に導入し、前記開口を通過させて降下させる堆積工程と、
    前記ドラム部の開口を通過した前記解繊された繊維を、メッシュベルト上に堆積させてウェブを形成するウェブ形成工程と、
    ローラー対により前記ウェブを挟持して搬送し、前記ウェブからシートを形成するシート形成工程と、
    を含み、
    前記ウェブが前記メッシュベルト上に存在しない状態から、前記シートの製造を開始する場合に、
    前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記メッシュベルトに前記解繊された繊維を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動して前記シートを形成することを特徴とする、シート製造方法。
  9. 繊維を含む原料を大気中で解繊する解繊部と、
    回転する複数の開口を有し、前記解繊部により解繊された繊維を前記開口を通過させて降下させるドラム部を備えた堆積部と、
    前記ドラム部の開口を通過した前記解繊された繊維を堆積させるメッシュベルトを有し、前記メッシュベルト上にウェブを形成するウェブ形成部と、
    前記ウェブを挟持して搬送するローラー対を備え、前記ウェブからシートを形成するシート形成部と、
    を有するシート製造装置の制御方法であって、
    前記ウェブが前記メッシュベルト上に存在しない状態から、前記シートの製造を開始する場合に、
    前記メッシュベルトを停止させた状態で、前記ドラム部を起動して前記メッシュベルトに前記解繊された繊維を堆積させ、その後前記メッシュベルトを起動する、制御方法。
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