JP2017095787A - めっき装置およびめっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき領域に被めっき物を通過させ、めっき膜厚のばらつきの少ない、品質の良好なめっき膜を形成することが可能なめっき方法およびめっき装置を提供する。【解決手段】(a)めっき液11と被めっき物12の混合流体10を、めっき液と被めっき物濃縮体13とに分離する分離部1と、(b)めっき液保持領域20と、めっき液に浸漬するように配設されるアノード21と、めっき液は通し、被めっき物は通さない隔壁25に囲まれ、被めっき物濃縮体を下方に通過させる被めっき物通過領域23と、被めっき物と接触するように、被めっき物通過領域内に配設されたカソード22を備えためっき部2と、(c)分離部で分離されためっき液を流動させることで生じさせた吸引力で、被めっき物通過領域の下端部から被めっき物濃縮体を誘引するとともに、被めっき物をめっき液に分散させる被めっき物誘引・ほぐし部3とを設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、めっき装置およびめっき方法に関し、詳しくは、チップ型電子部品のような被めっき物にめっきを行う場合に用いられるめっき装置およびめっき方法に関する。
例えば、チップ型積層コンデンサなどの電子部品においては、はんだ喰われを防止したり、はんだ付けによる実装の信頼性を向上させたりする目的で、電子部品が備える外部電極の表面に、NiめっきやSnめっきを施すことが一般的に行われている。
そして、このような電子部品に、NiめっきやSnめっきなどのめっきを施す場合、特許文献1に開示されているような、バレルめっきの方法で行われることが多い。
そして、バレルめっきを行うにあたっては、被めっき物が陰極となるように、バレル内の被めっき物群と接するように陰極端子をバレル内に配置するとともに、バレルの外側に、めっき液に浸かるように陽極端子を配置し、両極に電流を印加して通電することにより、被めっき物に対してめっきが行われる。
特開平10−212596号公報
しかしながら、上記従来のバレルめっきの方法では、被めっき物が小型化すると、被めっき物がめっき液に浮いてしまったり、バレルが備える、被めっき物の出し入れのための蓋や、回転軸部分の隙間に被めっき物が挟まったりして、良好なめっき膜を形成することができない場合がある。
さらに、バレルめっきの方法で形成しためっき膜は、導電メディアと被めっき物との接触時の通電により成膜が進行するものであり、ばらつきのある様々な電流密度で成膜されためっき膜が積み重なった膜となるため、めっき膜の膜厚の均一性が低下するとともに、めっき膜として応力が大きくなる傾向がある。そして、被めっき物の下地との密着性の低下や、被めっき物の機械的強度の低下を招く場合があるという問題点がある。
また、バレルめっきの場合、局所的な高電流密度領域がめっき浴の限界電流密度を超えると、めっき金属の析出効率が低下して水素ガス発生が発生するため、全体の平均電流密度を限界電流密度に対して低く抑えてめっきを行うことが必要になり、系全体に投入できる電流量が制約されることから、生産の向上が妨げられる場合がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、被めっき物が確実にめっき領域を確実に通過し、均一な電流密度でめっきが行われるようにすることが可能なめっき装置、および、めっき方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のめっき方法は、
(a)めっき液と被めっき物とを含む混合流体を、前記めっき液と、前記被めっき物を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに分離する分離部と、
(b)前記分離部の下方に位置し、前記分離部で分離された前記被めっき物濃縮体を通過させる際に前記被めっき物に電解めっきを施すめっき部であって、
めっき液を保持するめっき液保持領域と、
少なくとも一部が前記めっき液に浸漬されるように配設されたアノードと、
少なくとも一部が、前記めっき液は通過させるが前記被めっき物は通過させない隔壁に囲まれ、上方から下方に向かって前記被めっき物濃縮体を通過させる被めっき物通過領域と、
前記被めっき物通過領域内を通過する前記被めっき物と接触するように、前記被めっき物通過領域内に配設されたカソードと
を備えためっき部と、
(c)前記分離部で分離された前記めっき液を流動させることで生じさせた吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体を誘引し、前記被めっき物濃縮体に含まれる前記被めっき物を流動する前記めっき液に分散させて前記分離部に供給する被めっき物誘引・ほぐし部と
を具備することを特徴としている。
また、本発明のめっき方法においては、前記分離部から、前記めっき部の前記被めっき物通過領域を経て、前記被めっき物誘引・ほぐし部の始端部にいたるまでの領域が、同心円状の空間として構成されていることが好ましい。
上記構成とすることにより、被めっき物を、分離部からめっき物通過領域を経て前記被めっき物誘引・ほぐし部まで、より円滑に移動させることが可能になり、安定しためっきを行うことができるようになる。
なお、本発明において、同心円状の空間とは、例えば空間が円柱状である場合や、円柱状の空間の中心部を電極などの部材が貫通している場合などを含むものである。
また、前記被めっき物通過領域の中心を通るように、軸方向に沿って前記カソードが配設され、前記被めっき物通過領域の外側に、前記被めっき物通過領域を取り囲むように、前記カソードと同心円状に前記アノードが配設されており、前記カソードの外周面と、前記被めっき物通過領域の内周面の間の領域を、前記被めっき物が通過するように構成されていることが好ましい。
上記構成とすることにより、アノードとカソードの配置から、電流密度分布の均一性が高くなり、めっき時の電流密度のばらつきを小さくして、均質で良好なめっき膜を形成することが可能になる。
また、前記分離部が下方に位置する前記めっき部に向かって先細りの形状を有する液体サイクロンであることが好ましい。
上記構成とすることにより、めっき液と被めっき物とを含む混合流体を、めっき液と、被めっき物を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに確実に分離することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
また、前記分離部の下端部との接続部である、前記めっき部の上端部の水平方向の断面積が、前記分離部の下端部の水平方向の断面積よりも大きいことが好ましい。
上記構成とすることにより、分離部からの被めっき物濃縮体が、めっき部の被めっき物通過領域に移行する際に引っ掛かって円滑に流れなくなることを抑制することが可能になるとともに、分離部における液流の影響が被めっき物通過領域に及ぶことを抑制して、めっき部に、被めっき物が均一に堆積した安定した被めっき物濃縮体を供給することが可能になる。
また、前記被めっき物誘引・ほぐし部が、前記めっき液を流体として利用して吸引力を生じさせるように構成されたエゼクタまたはインジェクタであることが好ましい。
上記構成とすることにより、被めっき物を被めっき物通過領域から効率よく、被めっき物誘引・ほぐし部に誘引してほぐし、めっき液に分散させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明のめっき装置は、
前記分離部および前記めっき部の中心部を軸方向に貫通し、前記被めっき物誘引・ほぐし部にまで達する管状のカソードを備え、
前記分離部で分離された前記めっき液が、前記管状のカソードの内部を上方から下方に向かって通過し、下端から噴射されることで生じる吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体が誘引されるように構成されていること
が好ましい。
上記構成とすることにより、簡潔な構成で、めっき部を通過した被めっき物濃縮体を被めっき物誘引・ほぐし部に確実に誘引して、めっき液に分散させることが可能で、良好なめっきを施すことが可能なめっき装置を提供することが可能になる。なお、この構成の場合、カソードの下端部のめっき液が排出される領域が、被めっき物誘引・ほぐし部として機能することになる。
また、本発明のめっき方法は、
(a)めっき液と被めっき物とを含む混合流体を、前記めっき液と、前記被めっき物を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに分離する工程と、
(b)少なくとも一部が、前記めっき液は通過させるが前記被めっき物は通過させない隔壁に囲まれ、中央に軸方向に沿ってカソードが配設された筒状の被めっき物通過領域と、前記隔膜の外側に、前記カソードと同心円状に配置されたアノードを備えためっき部の、前記被めっき物通過領域を、上方から下方に前記被めっき物濃縮体を通過させて、前記被めっき物に電解めっきを行う工程と、
(c)前記分離部で分離した前記めっき液を流動させることで生じさせた吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体を誘引し、前記被めっき物を、流動する前記めっき液に分散させて前記分離部に供給する工程と
を備えていること
を特徴としている。
また、本発明のめっき方法においては、前記(a),(b),(c)の工程を繰り返して前記被めっき物に電解めっきを施すことが好ましい。
上記構成とすることにより、被めっき物に十分な膜厚のめっき膜を形成することができる。
また、本発明のめっき方法においては、前記被めっき物を、0.1〜30cm/secの速度で、前記被めっき物通過領域を通過させることが好ましい。
上記構成とすることにより、適切なめっき時間を確保して、信頼性の高いめっきを行うことができる。
本発明のめっき方法は、上述のよう構成された分離部と、めっき部と、被めっき物誘引・ほぐし部とを備えているので、被めっき物を、確実にめっきが行われるべき領域であるめっき部を通過させ、安定した電流密度で良好なめっきを行うことが可能になる。その結果、めっき膜の応力が小さく、かつ、めっき膜厚のばらつきの少ない、安定しためっき膜を確実に形成することが可能になる。
なお、本発明のめっき装置は、めっきを行う際に被めっき物と導電メディアを共存させるようにしてもよく、また、導電メディアを共存させずに被めっき物だけでめっきを行うことも可能である。
また、本発明のめっき方法は、(a)めっき液と被めっき物とを含む混合流体をめっき液と、被めっき物を高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに分離する工程と、(b)めっき部の、めっき液は通過させるが被めっき物は通過させない隔壁に囲まれた被めっき物濃縮体を通過させてめっきを行う工程と、(c)分離部で分離しためっき液を流動させることで生じさせた吸引力により、被めっき物通過領域の下端部から被めっき物濃縮体を誘引し、被めっき物をめっき液に分散させて分離部に供給する工程とを備えており、上記各工程を順次繰り返すことにより被めっき物に電解めっきを施すようにしているので、被めっき物を、確実にめっきが行われるべき領域であるめっき部を通過させ、安定した電流密度で良好なめっきを行うことが可能になる。
本発明の実施形態1にかかるめっき装置の構成を示す正面断面図である。 本発明の実施形態1にかかるめっき装置を示す平面断面図である。 本発明の実施形態1にかかるめっき装置の要部構成を示す正面断面図である。 本発明の実施形態2にかかるめっき装置の構成を示す正面断面図である。 本発明の実施形態2にかかるめっき装置を示す平面断面図である。 本発明の実施形態2にかかるめっき装置の要部構成を示す正面断面図である。
以下に、本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
この実施形態1では、代表的なチップ型電子部品である積層セラミックコンデンサを被めっき物とし、その表面に形成された外部電極に電解めっきを施す場合に用いられるめっき装置を例にとって説明する。
図1は本発明の実施形態1にかかるめっき装置Aを示す正面断面図であり、図2は平面断面図である。また、図3は要部構成を拡大して示す正面断面図である。
図1〜3に示すように、このめっき装置Aは、
(a)めっき液11と被めっき物12とを含む混合流体10を、めっき液11と、被めっき物12を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体13とに分離する分離部1と、
(b)分離部1の下方に位置し、分離部1で分離された被めっき物濃縮体13を通過させる際に被めっき物12に電解めっきを施す、アノード21とカソード22を備えためっき部2と、
(c)めっきが行われた後の被めっき物濃縮体13をほぐし、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12をめっき液11に分散させて分離部1に供給する被めっき物誘引・ほぐし部3と
を備えている。
また、めっき装置Aは、アノード21とカソード22に通電するための電源31を備えているとともに、分離部1で分離されためっき液11を被めっき物誘引・ほぐし部3に循環、供給するための循環ライン32と、循環ライン32に配設されためっき液槽33と、供給ライン32のめっき液槽33より下流側に設けられたポンプ34を備えている。
そして、上記(a)の分離部1としては、下方のめっき部2に向かって、先細りの形状を有する液体サイクロン1aが用いられている。
なお、液体サイクロン1aは、めっき液11と被めっき物12の混合流体10が内壁に沿って旋回するように供給される供給口50を設けるとともに、上部の中央にボルテックスファインダー51、その上部に排出室52を設け、さらに排出室52の中心軸から外れた位置に、外部への排出口53を設けた構成のものを用いた。
液体サイクロン1aをこのように構成することにより、動作開始時にサイクロン内に空気柱が生じても、上部の排出室で空気柱が乱れ、生じた泡は系外へ排出されるため、サイクロンの内部にあった空気柱を速やかに消失させることができる。その結果、例えば、Snなどの酸化されやすいめっき金属を含むめっき浴を用いてめっきを行う場合に、空気によりめっき金属が酸化されてしまうことを抑制して、めっき浴の寿命を延ばすことが可能になる。
また、上記(b)のめっき部2は、めっき液11を保持するめっき液保持領域20と、少なくとも一部がめっき液11に浸漬されるように配設されたアノード21と、少なくとも一部が、めっき液11は通過させるが被めっき物12は通過させない隔壁25に囲まれ、上方から下方に向かって被めっき物濃縮体13を通過させる被めっき物通過領域23と、被めっき物通過領域23内を通過する被めっき物12と接触するように、被めっき物通過領域23内に配設された棒状の電極材料からなるカソード22とを備えている。
また、アノード21は、平面視環状で、被めっき物通過領域23から所定の間隔をおいて、被めっき物通過領域23を取り囲むように、カソード22と同心円状に配設されている。このめっき装置Aにおいては、上述のように、同心円状にアノード21に取り囲まれた被めっき物通過領域23を構成する隔壁25の内周面とカソード22の外周面との間の領域が、被めっき物濃縮体13(被めっき物12)が通過する領域、すなわち、被めっき物通過領域23となるように構成されているので、めっき時の電流密度のばらつきを小さくして、均一なめっき膜を形成することが可能になる。
また、被めっき物通過領域23を構成する隔壁25のうち、被めっき物通過領域23の上側部分は、通液性を有さないように構成されている。このように、隔膜25の、被めっき物通過領域23の上側部分を構成している領域が通液性を備えないようにすることにより、被めっき物通過領域23の上側部分における液体サイクロン1aの液流の影響を抑えて、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12が円滑に堆積しながら被めっき物通過領域23を安定して通過させることができるようになる。
さらに、電解めっきが行われる領域における隔膜の表面電流密度分布を均一化する目的で、被めっき物通過領域23の上側部分と下側部分を取り囲むように、被めっき物通過領域23を構成する隔壁25の外側に所定の間隔をおいて、上側マスク部材24aと下側マスク部材24bが配設されている。
また、(c)の被めっき物誘引・ほぐし部3は、分離部1で分離されためっき液11を流動させることで生じさせた吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部から被めっき物濃縮体13を誘引し、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12をめっき液11に分散させて分離部1に供給することができるように構成されている。
そしてこの被めっき物誘引・ほぐし部3は、被めっき物通過領域23の下方に続く、下端に向かって先細りになっているテーパ形状部3aと、エゼクタ40を備えた構成とされている。また、テーパ形状部3aの下端側は、エゼクタ40のスロート部40aに接続されている。
すなわち、このめっき装置Aでは、分離部1の液体サイクロン1aにおいて分離されためっき液11を、めっき液槽33およびポンプ34を経て、エゼクタ40の一端側から供給し、スロート部40aを高速で通過させることより生じさせた吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部からテーパ形状部3a、エゼクタ40のスロート部40aを経て、被めっき物濃縮体13を誘引し、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12をめっき液11に分散させて、循環ライン32を経て分離部1に戻すように構成されている。
また、この実施形態1のめっき装置Aにおいては、分離部1から、めっき部2の被めっき物通過領域23を経て、被めっき物誘引・ほぐし部3の途中部(エゼクタ40の手前までの領域)が、同心円状の空間として構成されている。したがって、被めっき物12を、分離部1からめっき物通過領域23を経て被めっき物誘引・ほぐし部3まで、途中で装置内部の構造物などに被めっき物12が引っ掛かったりすることを防止して、円滑に移動させることが可能になり、安定した電解めっきを行うことができる。
また、カソード22の、上側マスク部材24aの下端に対応する高さ位置から、下側マスク部材24bの上端に対応する高さ位置の間の領域においては、外周面を導電性とする一方、カソード22の、上側マスク部材24aの下端に対応する高さ位置より上側の領域と、下側マスク部材24bの上端に対応する高さ位置より下側の領域については、上側絶縁材22a、下側絶縁材22bで被覆するようにしているので、めっきが行われる領域における電流密度を均一化することが可能になり、良好なめっきを確実に行うことができる。
次に、上述のように構成されたこの実施形態1のめっき装置Aを用いて、被めっき物12にめっきを行う方法について説明する。
本発明のめっき方法において、めっきは、
(a)めっき液11と被めっき物12とを含む混合流体10をめっき液11と、被めっき物濃縮体13とに分離する工程と、
(b)めっき部2の、被めっき物通過領域23を、上方から下方に被めっき物濃縮体13を通過させて被めっき物12に電解めっきを行う工程と、
(c)めっき液11を流動させることで生じさせた吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部から被めっき物濃縮体13を誘引し、被めっき物12をほぐし、めっき液11に分散させて分離部1に供給する工程
を順に繰り返して実施することにより行われる。
まず、上記(a)の分離工程は、分離部1において、混合流体10を、めっき液11と、被めっき物濃縮体13とに分離する工程であり、液体サイクロン1aにより、被めっき物12が分離され、液体サイクロン1aの下部から、めっき部2の被めっき物通過領域23にかけて、被めっき物12が濃縮され堆積しながら、下方に移動する。
また、上記(b)のめっきの工程では、電源31からアノード31とカソード22に通電しつつ、被めっき物濃縮体13を、上方から下方に向かって被めっき物通過領域23を通過させることにより、めっきが行なわれる。
そして、前記(c)の工程で、めっきが施された被めっき物12は、被めっき物誘引・ほぐし部3においてほぐされ、被めっき物12が被めっき液11に分散された状態で、分離部1に戻される。
一方、分離部1の液体サイクロン1aで、被めっき物12と分離されためっき液11は、回収され、循環ライン32を経てめっき液槽33に戻る。
そして、めっき液槽33に戻っためっき液11は、循環ライン32を経てエゼクタ40に供給される。
そして、めっき液11が、エゼクタ40の一端側から供給され、スロート部40aを高速で通過する際に生じた吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部から被めっき物濃縮体(堆積物)13が、被めっき物誘引・ほぐし部3に誘引される。
誘引された被めっき物濃縮体13は、めっき液11の噴射流の剪断力によってほぐされ、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12が、めっき液11に分散した状態で、循環ライン32を経て前記分離部に戻される。
このように、図1〜3に示すめっき装置Aを用いて、被めっき物12にめっきを施すことにより、被めっき物12をめっき液11を保持するめっき液保持領域20や、めっき液槽33に流出させることなく、循環系(閉鎖系)内を確実に循環させながら、めっき液槽33を経て循環する新鮮なめっき液11と十分に接触させることが可能になる。その結果、安定しためっきを行って、信頼性の高いめっき膜を形成することが可能になる。
なお、めっき工程についてさらに詳しく説明すると、分離部1の液体サイクロン1aから下降した被めっき物12が被めっき物通過領域23内に堆積し、徐々に下降しながらめっきが行われるが、堆積層の上部では被めっき物12がまだ流動状態を維持する流動層となる。このとき、上述の、被めっき物通過領域23を構成する隔壁25のうち、被めっき物通過領域23の上側部分の通液性を有さない部分と、その下側の通液性を有する部分の境界部が、上記堆積層と流動層の境界部よりも下側になるようにすることにより、安定して堆積した状態にある被めっき物12に対してのみ、安定した電流密度でめっきを行うことが可能になり、良好なめっきを施すことができるようになる。
また、上記実施形態1にかかるめっき装置Aを用いて上述の方法でめっきを行った場合、
(a)アノード21とカソード22を上述のように同心円状に配設した構成、
(b)被めっき物通過領域の上側および下側の所定の領域が、マスク部材24a,24bにより遮蔽された構成、
(c)カソード22の所定の領域、すなわち、マスク部材24a,24bにより遮蔽されていない領域に対応する領域のみを導電性とし、他の領域、すなわち、マスク部材24a,24bにより遮蔽されている領域に対応する領域を上側絶縁材22a、下側絶縁材22bで被覆した構成
などを備えていることから、安定した堆積状態で被めっき物通過領域23を通過する被めっき物(被めっき物濃縮体)に対して、電流密度分布の均一性が高い条件下で、安定した良好なめっきを行うことが可能になる。
なお、実施形態1のように構成されためっき装置Aの場合、被めっき物の表層の電流密度分布のシミュレーションによる解析にて、電流密度分布のばらつきは、回転バレルめっきの場合の1/100程度にまで改善されることが確認されている。なお、電流密度分布のばらつきは、電流の最大値と最小値との差を電流の平均値で割ることによって求められる。
また、被めっき物通過領域23を構成する隔壁25の表面と、中心部のカソードの表面の間隔を、めっき浴特性のめっき時の析出深さより僅かに大きくすることにより、より効率的にめっきを行うことができるようになる。
また、この実施形態1の方法でめっきを行うことにより、形成されるめっき膜が均質化し、被めっき物のたわみ強度が改善し、試験後にクラックの発生が認められなくなることが確認されている。
また、被めっき物が例えば超小型のチップ型電子部品であるような場合、めっき液に浮いてしまい、良好なめっきを行うことができなくなる場合もあるが、上記実施形態1のめっき装置Aの場合、液体サイクロンの遠心力により、被めっき物に付着した泡が分離され、泡は系外へ排出されるため、被めっき物はめっき液に浮くことなく被めっき物通過領域に向かって沈降する。その結果、被めっき物が小型である場合にも確実に良好なめっきを行うことができる。
<実験例>
図1〜3に示すような構成を備えためっき装置Aにおいて、めっき部2の被めっき物通過領域23を、筒状の隔壁25をポリエステルメッシュ材料で構成した。被めっき物通過領域23の内径は20mmとした。
また、被めっき物通過領域23の高さは200mmとし、通液性のあるメッシュ部の高さ方向の寸法を150mm、その上側50mmを通液性のないポリプロピレン製のパイプで構成した。
そして、その上に、分離部1として液体サイクロン1aを接続した。
また、カソード22としては、細長い円柱状(棒状)のチタン材をカソード22として用いた。
そして、カソード22は上部と下部を上側および下側絶縁材(絶縁性の収縮チューブ)22a,22bで被覆し、上部の絶縁された領域と下部の絶縁された領域の間の、表面が導電性を有する領域をカソード端子として機能させるようにした。
また、隔壁25を備えた被めっき物通過領域23の周囲に、同心円状にアノード21を配置した。
そして、めっき液保持領域20をめっき液11で満たし、閉じた系とした。また、上部の分離部1を構成する液体サイクロン1aは、めっき液11の投入部の内径は、60mmとし頂角を20°とした。
また、液体サイクロン1aのめっき部2の被めっき物通過領域23への接続部の内径は、被めっき物通過領域23の内径20mmよりも僅かに小さい18mmとした。
液体サイクロン1aとしては、めっき液11と被めっき物12の混合流体10が内壁に沿って旋回するように供給される供給口50を設けるとともに、上部の中央にボルテックスファインダー51、その上部に排出室52を設け、さらに排出室52の中心軸から外れた位置に、外部への排出口53を設けた構成のものを用いた。
被めっき物誘引・ほぐし部3は、被めっき物通過領域23の下部に設けられたテーパ形状部3aと、エゼクタ40を備えた構成とした。
すなわち、エゼクタ40の一端側からめっき液11を供給し、スロート部40aを高速で通過させることにより生じさせた吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部からテーパ形状部3aを経て、被めっき物濃縮体13を誘引し、被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12をめっき液11に分散させて、後述の循環ライン32を経て分離部1に戻すようにした。
そして、上述のように構成されためっき装置Aに、長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmのチップ型積層セラミックコンデンサを被めっき物12として見掛けで40ccと、直径0.7mmの金属球を見掛けで20cc投入した。
そして、ポンプ34を稼働させることにより、めっき液11を、エゼクタ40に供給し、スロート部40aを高速で通過させることにより、被めっき物通過領域23の下端から、被めっき物12を被めっき物誘引・ほぐし部3に誘引し、大きな剪断力を与えて被めっき物12をめっき液11に分散させ、めっき液11と被めっき物12とを含む混合流体10を、分離部1の液体サイクロン1aに循環させた。
そして、この循環状態を維持しながら、アノード21とカソード22に通電することにより被めっき物12にNiめっきを行った。Niめっきは、一般的なワット浴を用い、めっき電流5.0A、90minの条件で実施した。
めっき後、被めっき物12に形成されたNiめっき膜の膜厚を蛍光X線膜厚計で30個測定した結果、Niめっき膜厚の平均値は4.2μm、膜厚ばらつきCVは5.3%と良好であった。膜厚ばらつきCVは、被めっき物の表面に成膜されためっき膜の厚みを蛍光X線膜厚計で30個測定し、平均値と標準偏差を求め、標準偏差を平均値で割ることにより求めた。
また、めっき後、被めっき物12どうしのくっつきやメディアどうしのくっつきも認められなかった。
また、同じめっき装置Aを用い、Niめっきが施された被めっき物12に、さらにSnめっきを施した。Snめっきは、Snめっき液として市販のSn浴を用い、めっき電流3A、50minの条件で実施した。
めっき後、被めっき物12に形成されたSnめっき膜の膜厚を測定した結果、Snめっき膜の膜厚の平均値は3.9μm、膜厚ばらつきCVは5.8%と良好であった。
また、めっき後、被めっき物12どうしのくっつきやメディアどうしのくっつきも認められなかった。なお、これはエゼクタ40でのほぐし効果によるものと考えられる。
また、同じめっき装置Aを用い、長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mmのチップ型積層セラミックコンデンサを被めっき物12として、NiめっきおよびSnめっきを行った。
Niめっきを行うにあたっては、被めっき物12を40cc、直径が0.3mmのSnボールを20cc投入し、Niめっきは、一般的なワット浴を用い、めっき電流8A、120minの条件でNiめっきを行った。
また、被めっき物12の被めっき物通過領域23を通過する速度は、2cm/secとした。なお、この速度は、通常0.1〜30cm/secとすることが好ましい。
めっき後、被めっき物12に形成されたNiめっき膜の膜厚を測定した結果、Niめっき膜の膜厚の平均値は4.2μm、膜厚ばらつきCVは6.5%と良好であった。
また、めっき後、被めっき物12どうしのくっつきやメディアどうしのくっつきも認められなかった。
また、同じめっき装置Aを用い、Niめっきが施された被めっき物12に、さらにSnめっきを施した。Snめっきは、Snめっき液として市販のSn浴を用い、めっき電流4A、90minの条件で実施した。
めっき後、被めっき物12に形成されたSnめっき膜の膜厚を測定した結果、Snめっき膜の膜厚の平均値は4.4μm、膜厚ばらつきCVは5.4%と良好であった。
また、めっき後、被めっき物12どうしのくっつきやメディアどうしのくっつきも認められなかった。
上述の結果から、本発明のめっき装置Aおよびめっき方法は、微細な被めっき物にめっきを施す場合に用いるのに特に有意義であることがわかる。
[実施形態2]
図4は本発明の実施形態2にかかるめっき装置Aを示す正面断面図であり、図5は平面断面図である。また、図6は要部構成を拡大して示す正面断面図である。
この実施形態2のめっき装置Bは、実施形態1のめっき装置Aと同様に、めっき液11と被めっき物とを含む混合流体10を、めっき液11と、被めっき物12を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体13とに分離する分離部1と、分離部1の下方に位置し、分離部1で分離された被めっき物濃縮体13を通過させる際に被めっき物12に電解めっきを施すめっき部2と、めっきが行われた後の被めっき物濃縮体13に含まれる被めっき物12をめっき液11に分散させて分離部1に供給する被めっき物誘引・ほぐし部3とを具備している。
そして、この実施形態2のめっき装置Bは、
(a)カソードとして、内部をめっき液11が通過するように構成された管状のカソード22が用いられていること、
(b)管状のカソード22が、分離部1の液体サイクロン1aの中心を軸心方向に貫通するとともに、被めっき物通過領域23の中心を軸心方向に貫通し、被めっき物誘引・ほぐし部3にまで達するように配設されていること、
(c)管状のカソード22の内部を通過しためっき液11を、下端側から噴出させることにより、周囲を負圧にして吸引力を生じさせ、被めっき物通過領域23の下端部から、被めっき物濃縮体13を誘引するとともに、カソード22の下端から噴射されるめっき液11の剪断力により、堆積した被めっき物12を分散させることができるようにしているので、実施形態1で用いたエゼクタを用いる必要がないこと
などの点において、実施形態1のめっき装置Aとはその構成を異にしている。
なお、図4〜6において、図1〜3と同一号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
以下に、実施形態1のめっき装置Aと異なる点を中心に説明を行う。
このめっき装置Bにおいては、カソード22として、図4〜6に示すように、管状のカソード22が用いられている。そして、管状のカソード22は、分離部1の液体サイクロン1aと、めっき部2の被めっき物通過領域23を貫通し、被めっき物誘引・ほぐし部3にまで達するように配設されている。
この管状のカソード22は、管状で、内部空間22cをめっき液11が通過するように構成されており、カソード22の下端部が、被めっき物誘引・ほぐし部3として機能するように構成されている。
すなわち、分離部1で分離されためっき液11が、カソード22の内部を上方から下方に向かって通過し、下端から噴射されることで生じる吸引力により、被めっき物通過領域23の下端部から被めっき物濃縮体13が誘引されるように構成されている。言い換えると、この実施形態2のめっき装置Bでは、管状のカソード22の下端部が、めっき液を流体として利用し、めっき液の流動によって発生する吸引力により被めっき物濃縮体13を誘引する、インジェクタのように働くことで、被めっき物誘引・ほぐし部3として機能するように構成されている。このように構成することにより、簡潔な構成で、安定した被めっき物の流動状態を確保し、めっき時の電流密度のばらつきを抑え、めっき部を通過した被めっき物濃縮体を確実に誘引してめっき液に分散させることが可能になる。
また、上記のめっき部2は、めっき液11を保持するめっき液保持領域20と、少なくとも一部がめっき液11に浸漬されるように配設されたアノード21と、少なくとも一部が、めっき液11は通過させるが被めっき物12は通過させない隔壁25に囲まれ、上方から下方に向かって被めっき物濃縮体13を通過させる被めっき物通過領域23と、被めっき物通過領域23内を通過する被めっき物12と接触するように、被めっき物通過領域23内に配設された、管状で、内部空間22cをめっき液11が通過するように構成された管状のカソード22とを備えている。すなわち、めっき部2は、カソード22として管状の構造のものが用いられている点、カソード22の下端が被めっき物誘引・ほぐし部3にまで達するように配設されている点を除けば、上述の実施形態1の場合と同様の構成を備えている。
また、この実施形態2のめっき装置Bにおいても、隔膜25の表面電流密度分布を均一化する目的で、被めっき物通過領域23の上側部分と下側部分を取り囲むように、被めっき物通過領域23を構成する隔壁25から少し距離をおいて、上側マスク部材24a,下側マスク部材24bが配設されている。
また、めっきが行われる領域におけるカソード22の表面電流密度分布を均一化する目的で、図4〜6に示すように、カソード22の、上側マスク部材24aの下端に対応する高さ位置から、下側マスク部材24bの上端に対応する位置の間の領域は、外周面が導電性とされており、カソード22の、上側マスク部材24aの下端に対応する高さ位置より上側の領域と、下側マスク部材24bの上端に対応する高さ位置より下側の領域は、それぞれ上側絶縁材22a、下側絶縁材22bで被覆されている。
上述のように構成されたこの実施形態2のめっき装置Bによれば、実施形態1のめっき装置Aで用いられているエゼクタ40を必要とすることなく、実施形態1のめっき装置Aを用いた場合と同様に、被めっき物に対して安定して高品質なめっきを行うことが可能になる。
なお、この実施形態2のめっき装置Bを用い、実施形態1の実験例の場合と同様に、長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmのチップ型積層セラミックコンデンサを被めっき物として、見掛けで40ccと、直径0.7mmの金属球を見掛けで20cc投入し、実施形態1の場合と同じ条件、すなわち、一般的なワット浴を用い、めっき電流5.0A、90minの条件で電解めっきを行った。
そして、めっき後、被めっき物に形成されたNiめっき膜の膜厚を測定した結果、Niめっき膜の膜厚の平均値は、4.3μm、膜厚ばらつきCVは、5.3%と、上記実施形態1の場合とほぼ同様の良好な結果が得られることが確認された。
また、被めっき物どうしのくっつきやメディアどうしのくっつきも認められなかった。
また、長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mmのチップ型積層セラミックコンデンサを被めっき物として、NiめっきおよびSnめっきを行った場合も、上記実施例1の場合に準じる結果が得られることが確認された。
なお、上記実施形態1および2では、チップ型積層セラミックコンデンサを被めっき物として、その外部電極にめっきを行う場合を例にとって説明したが、被めっき物の種類やめっきすべき対象に特別の制約はなく、積層コイル部品を被めっき物として、その表面導体にめっきを施す場合などにも適用することが可能である。
また、被めっき物は、電子部品に限らず電解めっきを行うことのできる粉体であってもよい。例えば、被めっき物は金属粉であってもよい。
なお、本発明は、その他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、めっき条件などに関し、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 分離部
1a 液体サイクロン
2 めっき部
3 被めっき物誘引・ほぐし部
3a 被めっき物通過領域の下方のテーパ形状部
10 めっき液と被めっき物とを含む混合流体
11 めっき液
12 被めっき物
12a 外部電極
13 被めっき物濃縮体
20 めっき液保持領域
21 アノード
22 カソード
22a 上側絶縁材
22b 下側絶縁材
22c 内部の空間
23 被めっき物通過領域
24a 上側マスク部材
24b 下側マスク部材
25 隔壁
31 電源
32 循環ライン
33 めっき液槽
34 ポンプ
40 エゼクタ
40a スロート部
50 供給口
51 ボルテックスファインダー
52 排出室
53 排出口
A,B めっき装置

Claims (9)

  1. (a)めっき液と被めっき物とを含む混合流体を、前記めっき液と、前記被めっき物を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに分離する分離部と、
    (b)前記分離部の下方に位置し、前記分離部で分離された前記被めっき物濃縮体を通過させる際に前記被めっき物に電解めっきを施すめっき部であって、
    めっき液を保持するめっき液保持領域と、
    少なくとも一部が前記めっき液に浸漬されるように配設されたアノードと、
    少なくとも一部が、前記めっき液は通過させるが前記被めっき物は通過させない隔壁に囲まれ、上方から下方に向かって前記被めっき物濃縮体を通過させる被めっき物通過領域と、
    前記被めっき物通過領域内を通過する前記被めっき物と接触するように、前記被めっき物通過領域内に配設されたカソードと
    を備えためっき部と、
    (c)前記分離部で分離された前記めっき液を流動させることで生じさせた吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体を誘引し、前記被めっき物濃縮体に含まれる前記被めっき物を流動する前記めっき液に分散させて前記分離部に供給する被めっき物誘引・ほぐし部と
    を具備することを特徴とするめっき装置。
  2. 前記分離部から、前記めっき部の前記被めっき物通過領域を経て、前記被めっき物誘引・ほぐし部の始端部にいたるまでの領域が、同心円状の空間として構成されていることを特徴とする請求項1記載のめっき装置。
  3. 前記被めっき物通過領域の中心を通るように、軸方向に沿って前記カソードが配設され、前記被めっき物通過領域の外側に、前記被めっき物通過領域を取り囲むように、前記カソードと同心円状に前記アノードが配設されており、前記カソードの外周面と、前記被めっき物通過領域の内周面の間の領域を、前記被めっき物が通過するように構成されていること特徴とする請求項1または2記載のめっき装置。
  4. 前記分離部が下方に位置する前記めっき部に向かって先細りの形状を有する液体サイクロンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめっき装置。
  5. 前記分離部の下端部との接続部である、前記めっき部の上端部の水平方向の断面積が、前記分離部の下端部の水平方向の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4記載のいずれかに記載のめっき装置。
  6. 前記被めっき物誘引・ほぐし部が、前記めっき液を流体として利用して吸引力を生じさせるように構成されたエゼクタまたはインジェクタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のめっき装置。
  7. 前記分離部および前記めっき部の中心部を軸方向に貫通し、前記被めっき物誘引・ほぐし部にまで達する管状のカソードを備え、
    前記分離部で分離された前記めっき液が、前記管状のカソードの内部を上方から下方に向かって通過し、下端から噴射されることで生じる吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体が誘引されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のめっき装置。
  8. (a)めっき液と被めっき物とを含む混合流体を、前記めっき液と、前記被めっき物を分離前に比べて高い固形分濃度で含む被めっき物濃縮体とに分離する工程と、
    (b)少なくとも一部が、前記めっき液は通過させるが前記被めっき物は通過させない隔壁に囲まれ、中央に軸方向に沿ってカソードが配設された筒状の被めっき物通過領域と、前記隔膜の外側に、前記カソードと同心円状に配置されたアノードを備えためっき部の、前記被めっき物通過領域を、上方から下方に前記被めっき物濃縮体を通過させて、前記被めっき物に電解めっきを行う工程と、
    (c)前記分離部で分離した前記めっき液を流動させることで生じさせた吸引力により、前記被めっき物通過領域の下端部から前記被めっき物濃縮体を誘引し、前記被めっき物を流動する前記めっき液に分散させて前記分離部に供給する工程と
    を備えていること
    を特徴とするめっき方法。
  9. 前記(a),(b),(c)の工程を繰り返して行うことにより、前記被めっき物に電解めっきを施すことを特徴とする請求項8記載のめっき方法。
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