JP2017094589A - 樹脂成形品の成形方法及び当該成形に用いる一次成形品 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び当該成形に用いる一次成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】基材2の凹凸模様が形成された表面が可視光線透過性を有する表層で覆われた樹脂成形品を得る。表層を射出成形したときに基材2の表面の凹凸模様が崩れることを防止する。
【解決手段】基材2の上記表面側に表層成形用のキャビティ13を形成し、キャビティ13に樹脂材料を射出することによって上記表層を成形する。キャビティ13のゲート18の一部を、樹脂材料の射出方向に延びてキャビティ18の基材2に続く樹脂製ゲート部19で形成し、樹脂材料を樹脂製ゲート部19の表面上から基材2の表面上に流入させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、基材の凹凸模様が形成された表面が可視光線透過性を有する表層で覆われてなる樹脂成形品の成形方法及び当該成形に用いる一次成形品に関する。
自動車の内装材や外装材、家庭用品、事務用品など様々な製品が合成樹脂によって成形されているが、近年はこのような樹脂成形品に対する加飾の要求が高くなっている。その加飾技術に関し、特許文献1は、透明又は不透明の第一合成樹脂フィルムの上面に光輝性のあるシボが形成され、このシボの上に1層又は複数層からなる透明の第二合成樹脂フィルムが積層されてなる加飾フィルムを開示する。
また、特許文献1には、第一合成樹脂フィルムに、フレーク状や粉状の光輝材を練り込んだ合成樹脂を使用すること、第二合成樹脂フィルムを第一合成樹脂フィルムに積層するときの加熱によってシボが潰れないように、両フィルムを形成する合成樹脂のメルトフローレイトの差を0.5〜50g/分にすること、両合成樹脂フィルムには着色してもよいこと、さらに、シボが光輝性を有するので、光を良く反射し、見る方向によって光の反射が異なり、また陰の出方が異なるので、立体感があり高級感が得られることが記載されている。
特開2005−14374号公報
ところで、基材の凹凸模様が形成された表面に可視光透過性を有する表層を積層してなる樹脂成形品を得るにあたり、その表層の成形に射出成形を採用すると、基材表面の凹凸模様が射出された樹脂材料によって崩れるという問題がある。すなわち、例えば、表層成形用のキャビティに基材をインサートした状態で表層成形用の樹脂材料を射出すると、そのキャビティ内を基材の表面に沿って流動する樹脂材料のせん断発熱やその流動に伴って凹凸模様に加わるせん断力によって、凹凸模様の凹凸が潰れたように変形するという、言うならば、基材表面の溶損問題である。特に、キャビティのゲート近傍では、射出が終了するまで基材の凹凸模様にせん断発熱及びせん断力が加わり続けるため、凹凸模様が崩れ易い。
本発明の課題は、キャビティに射出された表層用の樹脂材料によって基材表面の凹凸模様が崩れるという問題を解決することにある。
本発明者は、種々の実験・研究により、キャビティのゲート近傍において基材表面の凹凸模様が崩れ易い原因の一つは、樹脂材料の流動抵抗がゲートからキャビティに流入したときに変化することにあることを突き止めた。
すなわち、ランナーやゲートは金属で形成されているが、金型内に設けられている基材は樹脂で成形されている。従って、樹脂材料がゲートからキャビティに流入すると、その樹脂材料の接触する面が金属から樹脂に変わる。樹脂材料の流れる面が金属で形成されているときは、その金属の表面温度が溶融している樹脂材料の熱によって高くなるから、樹脂材料が流れ易い。これに対して、樹脂材料の流れる面が樹脂で形成されているときは、溶融している樹脂材料の熱によって、当該樹脂の表面が軟化するから、樹脂材料の流動抵抗が金属面上を流れる場合に比べて高くなる。このように、樹脂材料が流れている面の材質が途中から変わってその流動抵抗が変化すると、樹脂材料の流動に乱れを生ずる。キャビティのゲート近傍は、樹脂材料が金属製ゲートから樹脂製基材の表面に流れ込んだ部分であるため、樹脂材料の流動に乱れを生じ易く、そのために、基材の凹凸模様が崩れ易いということである。
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、上記キャビティのゲートに樹脂製のゲート部を設けるようにした。
ここに開示する樹脂成形品の成形方法は、表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品を成形する方法であって、
上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層を成形するためのキャビティを金型によって形成する工程と、
上記キャビティに樹脂材料を射出することによって上記表層を成形する工程とを備え、
上記キャビティのゲートの一部を、上記樹脂材料の射出方向に延びて上記キャビティの上記基材に続く樹脂製ゲート部で形成し、上記樹脂材料を上記樹脂製ゲート部の表面上から上記基材の表面上に流入させることを特徴とする。
この成形方法によれば、表層を成形する樹脂材料は、樹脂製ゲート部の表面を通って樹脂製の基材表面に流れていくから、樹脂材料がゲートからキャビティに流入したときの樹脂材料の流動の乱れが小さくなる。
つまり、樹脂材料が金型のランナー等から樹脂製ゲート部の表面に移ったときは、樹脂材料の流路面の材質の変化によって樹脂材料の流動に乱れを生ずるが、樹脂製ゲート部の表面を流れていくに従って乱れは収まっていく。そうして、樹脂材料が樹脂製ゲート部の表面から基材の表面に移行するときは、基材が樹脂製ゲートと同じく樹脂で形成されているから、流動抵抗が大きく変化することがない。
従って、樹脂材料はその流動の乱れが少ない状態で基材の表面上を流れていくことになり、キャビティのゲート近傍において基材表面の凹凸模様が崩れることが避けられる。よって、得られる樹脂成形品は、表層を通して基材表面の凹凸模様が強い陰影感及び奥行き感(立体感)をもって明りょうに現れ、その意匠性の向上に有利になる。
ここに、上記表層の厚さが0.8mmよりも小さくなると、表層の形成が難しくなり、8mmよりも大きくなると、表面の平滑性の確保が難しくなる。
また、上記凹凸模様の凹凸高さが5μmよりも小さくなると、凹凸模様の視認性が悪くなり、700μmを超えて大きくなると、細かい模様の形成に不利になる。好ましいのは、凹凸高さを10μm以上350μm以下にすることである。
上記成形方法の好ましい実施形態では、上記基材の表面と上記樹脂製ゲート部の表面が面一になっている。これにより、樹脂材料の流動の乱れ防止にさらに有利になる。
上記樹脂製ゲート部としては、上記基材とは別種の樹脂材料によって別体に形成したものを用いてもよいが、好ましい実施形態では、上記基材と上記樹脂製ゲート部は同じ樹脂材料によって一体に成形される。これにより、基材及び樹脂製ゲート部を金型にセッティングすることが容易になるとともに、樹脂材料がゲートからキャビティに流入したときに流動抵抗が変化することが避けられるため、樹脂材料の流動の乱れ防止にさらに有利になる。
上記成形方法の好ましい実施形態では、上記ゲートの幅(mm単位)をW、該ゲートの厚さ(mm単位)をT1、上記表層の厚さ(mm単位)をT2、上記樹脂製ゲート部の長さ(mm単位)Lとしたとき、指標値K=W×T1×T2×Lを375以上とする。ここにKは表層を射出成形したときの基材表面の凹凸模様の崩れ防止に関する指標値である。
本発明者の実験によれば、ゲートの幅W、ゲートの厚さT1、表層の厚さT2又は樹脂製ゲート部の長さLが変わると、基材表面の凹凸模様の変形の程度が異なるという結果が得られている。ゲートが幅広になってゲート断面積が大きくなるほど、また、表層の厚さが大きくなるほど、基材の表面に沿って流動する樹脂材料の流速が小さくなるためである。すなわち、樹脂材料から基材の凹凸模様に加わるせん断発熱及びせん断力が小さくなるためである。また、樹脂製ゲート部が長くなるほど、樹脂材料が金型のランナー等から樹脂製ゲート部の表面に移ったときの流動の乱れは収まっていく。
そうして、上記ゲートの幅W、ゲートの厚さT1、表層の厚さT2及び樹脂製ゲート部の長さLよりなる指標値Kが375以上であるとき、表層の射出成形に伴う基材表面の凹凸模様の崩れが少ない。より好ましいのは指標値Kが450以上であることであり、指標値Kが525以上であることがさらに好ましい。
上記ゲートの幅Wが5mm以上であり、上記ゲートの厚さT1が0.5mm以上であることが好ましい。さらに、好ましいのは、上記ゲートの幅Wが15mm以上であり、上記ゲートの厚さT1が1.0mm以上であることである。さらに好ましいのは、上記ゲート幅Wが20mm以上であり、上記ゲートの厚さT1が1.2mm以上であることである。
上記基材及び表層には種々の樹脂材料を採用することができるが、基材用樹脂材料としては、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、PC−ABS(PCとABS樹脂のポリマーアロイ)等を好適に採用することができ、表層用樹脂としては、PC、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等を好適に採用することができる。
上記基材は光輝材及び/又は無機顔料を含有するものであることが好ましい。これにより、基材のメルトフローレートが該基材を構成するマトリックス樹脂自体のメルトフローレートよりも低くなる。よって、表層を射出成形したときに、流動する樹脂材料によって基材の凹凸模様が崩れることを避ける上で有利になる。このことは、表層用の樹脂材料として、必ずしも、基材のマトリックス樹脂よりも融点が低い樹脂材料を採用することを要しないことを意味する。従って、樹脂材料の選択幅が広がる。
上記光輝材としては、例えばアルミフレークを採用することができ、上記無機顔料としては、チタン、カーボン、酸化鉄等を採用することができる。
また、ここに開示する樹脂成形品の成形に用いる一次成形品は、表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形に用いられるものである。
この一次成形品は、上記表層を射出成形するキャビティを形成すべく金型内に挿入される上記基材と、上記基材に一体に連なり上記キャビティのゲートの一部を形成する樹脂製ゲート部とを備えなり、上記表層を成形する樹脂材料を上記樹脂製ゲート部の表面上から上記基材の表面上に流入させることを特徴とする。
この一次成形品によれば、これを表層成形用金型にインサートすることにより、上記樹脂成形品の成形方法を実施することができる。
上記一次成形品の好ましい実施形態では、上記基材の表面と上記樹脂製ゲート部の表面が面一になっている。
上記一次成形品の好ましい実施形態では、上記基材と上記樹脂製ゲート部が同じ樹脂材料によって一体に成形されている。
上記一次成形品の好ましい実施形態では、上記基材の凹凸模様の凹凸高さが10μm以上350μm以下である。
上記一次成形品の好ましい実施形態では、上記基材が光輝材及び/又は無機顔料を含有する。
上記一次成形品の好ましい実施形態では、上記基材が上記光輝材としてアルミフレークを含有する。
本発明によれば、基材の凹凸模様が形成された表面が可視光線透過性を有する表層で覆われてなる樹脂成形品を成形するにあたり、基材の表面側に表層を成形するためのキャビティを設け、該キャビティのゲートの一部を樹脂材料の射出方向に延びて上記基材に続く樹脂製ゲート部によって形成し、樹脂材料を樹脂製ゲート部の表面上から上記基材の表面上に流入させるようにしたから、樹脂材料はその流動の乱れが少ない状態で基材の表面上を流れていくことになり、キャビティのゲート近傍において基材表面の凹凸模様が崩れることが避けられる。よって、得られる樹脂成形品は、表層を通して基材表面の凹凸模様が強い陰影感及び奥行き感(立体感)をもって明りょうに現れ、その意匠性の向上に有利になる。
樹脂成形品を一部断面にして示す斜視図。 樹脂成形品の成形装置の一例を模式的に示す一部断面にした側面図。 金型から離型した樹脂成形品の一部を示す斜視図。 金型の断面図。 図4のV−V線断面図。 一次成形品の斜視図。 一次成形品を成形する金型の断面図。 一次成形品を用いて樹脂成形品を成形する金型の断面図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<樹脂成形品の一例>
図1に示す樹脂成形品1において、2は基材、3は基材2の表面を覆う表層である。基材2の表面に凹凸模様4が形成されている。表層3は可視光線透過性を有する樹脂材料で形成されているため、表層3を通して基材2の表面の凹凸模様4を視認することができる。基材2は光輝材及び/又は無機顔料を含有する樹脂材料によって形成され、表層3は着色材を含有する又は着色材を含有しない樹脂材料によって形成されている。基材2の凹凸模様4の凹凸高さは5μm以上700μm以下であり、表層3の厚さは0.8mm以上8mm以下である。
<樹脂成形品の成形装置>
図2に樹脂成形品1の成形装置5の一例を模式的に示す。この成形装置5は、二色成形法で樹脂成形品1を成形するものである。
成形装置5において、6は基材2の凹凸模様を成形する成形面6aを備えた一次キャビティ型、7は表層3の表面を成形する成形面7aを備えた二次キャビティ型、8は両キャビティ型6,7に共通のコア型である。一次キャビティ型6のキャビティ面6aは基材表面に凹凸模様を成形すべくシボ加工されている。
両キャビティ型6,7は、コア型8を挟んで相対するようにベース9上に配置され、互いに離反する方向(型開き方向)に可動になっている。コア型8は、垂直軸まわりに回転するロータリー11に支持され、その互いに逆向きになった両面に基材2の裏面側を成形する成形面8aを備えている。
一次キャビティ型6とコア型8によって基材成形用キャビティ12が形成される。本例の基材成形用キャビティ12は、枠付きの基材を成形することができるように、周縁部に枠成形部を有する。二次キャビティ型7とコア型8によって、基材2を収容し、該基材2の凹凸模様が形成された表面側に表層3を射出成形するためのキャビティ13を形成する金型14が構成される。図2において、15は基材成形用キャビティ12に通ずるランナー、16は同キャビティ12のゲートである。また、17は表層成形用キャビティ13に通ずるランナー、18は同キャビティ13のゲートである。
一次キャビティ型6の背部には基材成形用の第1樹脂材料21を射出するための第1射出ユニット22が配置されている。二次キャビティ型7の背部には表層成形用の第2樹脂材料23を射出するための第2射出ユニット24が配置されている。両射出ユニット22,24各々は、キャビティ型6,7に対して進退可能になっている。
図3乃至図5に模式的に示すように、表層成形用キャビティ13のゲート18はフィルムゲートである。図3において、19は基材成形用キャビティ12のゲート16で成形された樹脂製ゲート部、20は表層形成用キャビティ13のゲート18で成形されたゲート部である。図4に示すように、表層形成用キャビティ13のゲート18の一部は、基材2と一体に成形された樹脂製ゲート部19によって形成されている。すなわち、この樹脂製ゲート部19は第2樹脂材料23の射出方向に延びて表層形成用キャビティ13の基材2に続いている。基材2の表面と樹脂製ゲート部19の表面は面一になっている。
ゲート18の幅Wは5mm以上であり、該ゲート18の厚さT1は0.5mm以上である。表層3の厚さT2は0.8mm以上8mm以下である。樹脂製ゲート部19の長さLは5mm以上である。
ゲート18の幅W、ゲート18の厚さT1、表層3の厚さT2及び樹脂製ゲート部19の長さL各々をmm単位で表したとき、凹凸模様の崩れ防止に関する指標値K=W×T1×T2×Lは375以上である。
<樹脂成形品の成形方法>
上記成形装置5を用いた樹脂成形品1の成形方法を説明する。キャビティ型6,7及びコア型8を型締めし、第1射出ユニット22を前進させ、溶融した第1樹脂材料21を基材成形用キャビティ12に射出する。これにより、表面に凹凸模様を有する基材2が形成される。
型開き後に、ロータリー11によって、コア型8を、成形された基材2と共に180度反転させ、型締めする。これにより、当該基材2の表面と二次キャビティ型7の間に表層成形用キャビティ13が形成される。また、基材2と一体に形成された樹脂製ゲート部19がキャビティ13のゲート18の一部を形成した状態になる。
第2射出ユニット24を前進させ、溶融した第2樹脂材料23を表層成形用キャビティ13に射出する。これにより、基材2の表面を覆う表層3が形成され、基材2と表層3の界面に凹凸模様を有する樹脂成形品1が得られる。
上記表層3の射出成形において、第2樹脂材料23が金属製のランナー17を通ってゲート18の樹脂製ゲート部19に至ったときは、流路面の一部の材質が金属から樹脂へ変化することが一因となって、第2樹脂材料23の流動に乱れを生ずる。しかし、その流動の乱れは第2樹脂材料23が樹脂製ゲート部19を流れていくに従って収まっていく。
そして、第2樹脂材料23がゲート18からキャビティ13に流入するとき、ゲート18の樹脂製ゲート部19とキャビティ13の基材2は材質が同じく樹脂であるから、材質の変化に起因する新たな流動の乱れを生ずることがない。すなわち、第2樹脂材料23は、流動の乱れが収まった状態で、樹脂製ゲート部19の表面上から基材2の表面上に流入する。よって、第2樹脂材料23の流動の乱れによって基材2の表面の凹凸模様が崩れることが避けられ、得られる樹脂成形品は、表層を通して基材表面の凹凸模様が強い陰影感及び奥行き感(立体感)をもって明りょうに現れ、その意匠性の向上に有利になる。
第2樹脂材料の溶融温度t2は第1樹脂材料の溶融温度t1よりも低いこと(例えば、温度差(t1−t2)が0℃以上50℃以下であること)が好ましい。基材2及び表層3の射出成形は、例えば、各々のマトリックス樹脂としてPCを用いる場合、例えば、型温度を80℃程度、射出ユニット22,24のシリンダ温度を250℃程度とすればよい。
<樹脂成形品の製造例>
表1に示すように、フィルムゲート18の幅W、厚さT1、及び/又は樹脂製ゲート部19の長さLを変えて、厚さT2の表層を基材表面に成形した。基材及び表層のマトリックス樹脂はいずれもPCである。基材表面の凹凸模様は凹凸高さが55μmの木目調とした。射出成形において、型温度は80℃、射出ユニット22,24のシリンダ温度は250℃とした。そうして、得られた樹脂成形品の凹凸模様の崩れ状態を目視で評価した。
表1の評価欄において、「◎」は凹凸模様の陰影感及び奥行き感(立体感)が強く、凹凸模様の崩れが認められない(品質最良)を、「○」は凹凸模様に陰影感及び奥行き感があり、凹凸模様の崩れが殆ど認められない(品質良好)を、「△」はゲート近傍において凹凸模様が少し流され、その崩れが認められる(低品質)を、「×」はゲート近傍から比較的広い範囲にわたって凹凸模様の崩れが認められる(不良)を、それぞれ意味する。
Figure 2017094589
表1によれば、製造例1−3の比較により、樹脂製ゲート部を設けると基材の凹凸模様の崩れを抑制できることがわかる。また、凹凸模様の崩れ防止に関する指標値Kが375以上であるケース(製造例2〜4)では、凹凸模様に陰影感及び奥行き感があり、得られる樹脂成形品の品質に大きな問題はなかった。特に指標値Kが450の製造例3及び指標値Kが540の製造例4は高い品質であった。
<樹脂成形品の成形に用いる一次成形品>
図6は図1に示す樹脂成形品1の成形に用いる一次成形品31を示す。この一次成形品31は、表面に凹凸模様4を有する基材2と、この基材2に一体に連なった樹脂製ゲート部19とを備えてなる。基材2の周縁部には、基材2の表面側に堤状に突き出た突起2aが設けられている。
基材2と樹脂製ゲート部19は同じ樹脂材料によって一体に成形されており、基材2の表面と樹脂製ゲート部19の表面は面一になっている。凹凸模様4の凹凸高さは5μm以上700μm以下、好ましくは、10μm以上350μm以下である。基材2は光輝材及び/又は無機顔料を含有し、好ましくは光輝材としてアルミフレークを含有する。突起2aは図1に示す表層3の厚さ(0.8mm以上8mm以下)に匹敵する高さに形成されている。
一次成形品31は、図7に一例を示す金型32を用いて射出成形によって形成することができる。図7において、33は固定型、34は可動型であり、固定型33と可動型34によって、基材2を成形するキャビティ12、ランナー15及びゲート16が形成されている。ゲート16によって上記樹脂製ゲート部19が成形される。
図8に示すように、一次成形品31は、樹脂成形品成形用の金型14内に挿入される。図8において、41は固定型、42は可動型である。一次成形品31は固定型41にインサートされ、基材2と可動型42によって表層成形用のキャビティ13が形成され、樹脂製ゲート部19と可動型43によってゲート18が形成される。
表層成形用の樹脂材料を金型14に射出すると、樹脂材料が固定型41と可動型42によって形成されたランナー17から樹脂製ゲート部19を有するゲート18に流入したとき、流路面の一部の材質が金属から樹脂へ変化することが一因となって、該樹脂材料の流動に乱れを生ずる。その流動の乱れは樹脂材料が樹脂製ゲート部19を流れていくに従って収まっていく。
樹脂材料がゲート18からキャビティ13に流入するとき、ゲート18の樹脂製ゲート部19とキャビティ13の基材2は材質が同じく樹脂であるから、材質の変化に起因する新たな流動の乱れを生ずることがない。従って、樹脂材料は、流動の乱れが収まった状態で、樹脂製ゲート部19の表面上から基材2の表面上に流入する。よって、樹脂材料の流動の乱れによって基材2の表面の凹凸模様4が崩れることが避けられる。その結果、得られる樹脂成形品は、可視光線透過性を有する表層を通して基材表面の凹凸模様が強い陰影感及び奥行き感(立体感)をもって明りょうに現れる。
なお、図6〜8に示す実施形態は樹脂成形品を一個取りする例であるが、図2に示す2個取りのように多数個取りにすることもできる。
1 樹脂成形品
2 基材
3 表層
4 凹凸模様
5 成形装置
6 一次キャビティ型
7 二次キャビティ型
8 コア型
13 表層形成用キャビティ
14 金型
18 ゲート
19 樹脂製ゲート部
31 一次成形品

Claims (12)

  1. 表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形方法であって、
    上記基材の上記凹凸模様が形成された表面側に上記表層を成形するためのキャビティを金型によって形成する工程と、
    上記キャビティに樹脂材料を射出することによって上記表層を成形する工程とを備え、
    上記キャビティのゲートの一部を、上記樹脂材料の射出方向に延びて上記キャビティの上記基材に続く樹脂製ゲート部で形成し、上記樹脂材料を上記樹脂製ゲート部の表面上から上記基材の表面上に流入させることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 請求項1において、
    上記基材の表面と上記樹脂製ゲート部の表面が面一になっていることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記基材と上記樹脂製ゲート部が同じ樹脂材料によって一体に成形されていることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記ゲートの幅(mm単位)をW、該ゲートの厚さ(mm単位)をT1、上記表層の厚さ(mm単位)をT2、上記樹脂製ゲート部の長さ(mm単位)Lとしたとき、指標値K=W×T1×T2×Lを375以上とすることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記基材の凹凸模様の凹凸高さが10μm以上350μm以下であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記基材が光輝材及び/又は無機顔料を含有することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  7. 表面に凹凸高さが5μm以上700μm以下である凹凸模様が形成された基材の当該表面が可視光線透過性を有する厚さが0.8mm以上8mm以下の表層で覆われてなる樹脂成形品の成形に用いる一次成形品であって、
    上記表層を射出成形するキャビティを形成すべく金型内に挿入される上記基材と、
    上記基材に一体に連なり、上記キャビティのゲートの一部を形成する樹脂製ゲート部とを備えなり、
    上記表層を成形する樹脂材料を上記樹脂製ゲート部の表面上から上記基材の表面上に流入させることを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
  8. 請求項7において、
    上記基材の表面と上記樹脂製ゲート部の表面が面一になっていることを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
  9. 請求項7又は請求項8において、
    上記基材と上記樹脂製ゲート部が同じ樹脂材料によって一体に成形されていることを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか一において、
    上記基材の凹凸模様の凹凸高さが10μm以上350μm以下であることを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
  11. 請求項7乃至請求項10のいずれか一において、
    上記基材が光輝材及び/又は無機顔料を含有することを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
  12. 請求項11において、
    上記基材が上記光輝材としてアルミフレークを含有することを特徴とする樹脂成形品の成形に用いる一次成形品。
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