JP2017091943A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れるSEIを備える非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】非水電解液二次電池の製造方法は、負極合材層のBET比表面積をX〔m2/g〕とし、電解液中のLi[B(SO4)2]の含有量をY〔質量%〕とする2次元直交座標系において、点(3,0.05)、点(3,0.3)、点(4.3,0.7)および点(4.3,0.5)の4点を頂点とする四角形領域に、点(X,Y)が含まれるように、該負極合材層を形成し、かつ該電解液を調製する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
特開2014−35949号公報(特許文献1)には、黒鉛系負極活物質の表面に、LiBOB〔Li[B(C242]〕に由来する被膜を形成する技術が開示されている。
特開2014−35949号公報
リチウム(Li)イオンを電気化学的に挿入できる物質として、黒鉛が知られている。黒鉛にLiイオンを可逆的に挿入し、二次電池の負極活物質として利用するためには、SEI(Solid Electrolyte Interface)の存在が必須となる。
SEIとは、黒鉛(固体;Solid)と電解液(電解質;Electrolyte)との界面(Interface)に存在する被膜である。SEIは、初回の充電時に、電解液中の溶媒が還元分解されることにより、形成されると考えられている。一旦SEIが形成されると、溶媒和LiイオンがSEIを通過する際、脱溶媒和し、単体のLiイオンとして黒鉛層間に挿入されるようになる。これにより黒鉛層間へのLiイオンの可逆的な挿入が可能になると考えられている。これに対して、SEIが存在しない場合は、溶媒和Liイオンがそのまま黒鉛層間に挿入され(「共挿入」と称されている)、黒鉛層間において溶媒の分解反応が進行し、黒鉛の結晶構造が破壊されていくため、二次電池として利用できない。
上記のようにSEIが形成されることにより、黒鉛を二次電池の負極活物質として利用できる。しかしSEIは半永久的な被膜ではなく、電池の長期使用に伴って劣化し、部分的に剥離する可能性がある。SEIが剥離した部分では、再び溶媒の共挿入が起こり、溶媒の分解によってガスが発生する。このガスの発生に伴い、電池の内圧が上昇するため、電池の構造信頼性が低下する場合もある。
これまでに、良質なSEIを形成するために各種添加剤、たとえば特許文献1に示されるオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩等が検討されている。しかしながら、SEIの長期使用に対する耐久性については未だ向上の余地がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、耐久性に優れるSEIを備える、非水電解液二次電池を提供することである。
本発明の非水電解液二次電池の製造方法は、以下のステップを含む。
黒鉛系負極活物質を含有する負極合材層を形成する。
リチウムジスルファトボレートを含有する電解液を調製する。
黒鉛系負極活物質の表面に、リチウムジスルファトボレートに由来する被膜を形成する。
当該製造方法は、負極合材層のBET比表面積をX〔m2/g〕とし、電解液中のリチウムジスルファトボレートの含有量をY〔質量%〕とする2次元直交座標系において、点(3,0.05)、点(3,0.3)、点(4.3,0.7)および点(4.3,0.5)の4点を頂点とする四角形領域に、点(X,Y)が含まれるように、該負極合材層を形成し、かつ該電解液を調製する。
本発明者の検討によると、リチウムジスルファトボレート〔Li[B(SO42]〕に由来する被膜(SEI)は耐久性に優れる。すなわち当該被膜は、長期に亘り安定的に存在し、溶媒の分解を持続的に抑制すると考えられる。
ここで「リチウムジスルファトボレートに由来する被膜」とは、リチウムジスルファトボレートが還元分解されて生成された成分を含む被膜を示す。かかる成分を含む限り、被膜は、その他の電解液成分(たとえば溶媒、支持塩等)が還元分解されて生成された成分を含んでいてもよい。
ただし被膜の生成量が過度に多いと、Liイオンの移動が阻害され、電池抵抗が増加する場合もある。また被膜の生成量が過度に少ないと、溶媒の分解を抑制する効果が得られない場合もある。
そこで本発明の製造方法では、負極合材層のBET比表面積、および電解液中のLi[B(SO42]の含有量により、被膜の生成量を所望の範囲に制御している。ここで「BET比表面積」は、BET法によって測定される比表面積を示す。BET比表面積が大きいほど、黒鉛系負極活物質と電解液との反応性が高くなり、被膜が形成されやすくなる。しかしBET比表面積が過度に大きくなると、黒鉛系負極活物質を劣化させる反応、溶媒の分解反応等も起こり易くなるため、電池の耐久性がかえって低下する可能性もある。
図1は、負極合材層のBET比表面積をX〔m2/g〕とし、電解液中のLi[B(SO42]の含有量をY〔質量%〕とする2次元直交座標系である。本発明者の検討によると、当該2次元直交座標系において、点(3,0.05)、点(3,0.3)、点(4.3,0.7)および点(4.3,0.5)の4点を頂点とする四角形領域Aに、点(X,Y)が含まれるように、負極合材層を形成し、かつ電解液を調製することにより、耐久性に優れる被膜を形成できる。
図1中、Xが3.0m2/g未満の領域Bでは、BET比表面積が過度に小さいため、黒鉛系負極活物質と電解液との反応性が低く、被膜の生成量が少ない。さらに反応性が低いために電池抵抗も増加する傾向にある。
図1中、Xが4.3m2/gを超える領域Eでは、BET比表面積が過度に大きいため、黒鉛系負極活物質と電解液との反応性が高くなり、Li[B(SO42]の有無にかかわらず、電池の耐久性が低下する。
図1中、Xが3.0m2/g以上4.3m2/g以下であり、Yが0.3質量%を超え、かつ四角形領域Aに属しない領域Dでは、被膜の生成量が過度に多くなり、電池抵抗が増加する傾向にある。さらにYが0.7質量%を超えると、Li[B(SO42]を電解液に溶解させること自体が困難になる。
図1中、Xが3.0m2/g以上4.3m2/g以下であり、Yが0.5質量%未満であり、かつ四角形領域Aに属しない領域Cでは、被膜の生成量が過度に少なくなり、ガス発生を抑制する効果が得られない可能性がある。
上記によれば、耐久性に優れるSEIを備える、非水電解液二次電池が提供される。
負極合材層のBET比表面積と、電解液中のLi[B(SO42]の含有量との関係を説明する図である。 本発明の実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)を説明する。ただし本発明は、以下の説明に限定されるものではない。以下の説明では、非水電解液二次電池を単に「電池」と記す場合がある。
<非水電解液二次電池の製造方法>
図2は、本実施形態の製造方法の概略を示すフローチャートである。図2に示されるように、本実施形態の製造方法は、負極板製造ステップ(S01)、正極板製造ステップ(S02)、電極群製造ステップ(S03)、ケース収容ステップ(S04)、電解液調製ステップ(S05)、注液ステップ(S06)、および初回充電ステップ(S07)を含む。以下、各ステップを説明する。
《負極板製造ステップ(S01)》
負極板製造ステップでは、黒鉛系負極活物質を含有する負極合材層を形成する。ここで「黒鉛系負極活物質」とは、少なくとも一部に黒鉛層間(グラフェンシート間の空隙)を含む負極活物質を示す。本実施形態では、少なくとも一部に黒鉛層間を含む限り、たとえば難黒鉛化性炭素(「ハードカーボン」とも称される)、易黒鉛化性炭素(「ソフトカーボン」とも称される)等も、黒鉛系負極活物質に包含されるものとする。すなわち黒鉛系負極活物質は、黒鉛、難黒鉛化性炭素および易黒鉛化性炭素を含む。黒鉛系負極活物質は、好ましくは天然黒鉛を含む。たとえば黒鉛系負極活物質は、球形化処理が施された粒子状の天然黒鉛と、該天然黒鉛の表面に付着している無定形炭素(アモルファスカーボン)とを含む複合粒子であってもよい。
本実施形態において、黒鉛系負極活物質のd50は、たとえば1〜20μm程度である。ここで「d50」は、レーザ回折/散乱法によって測定された体積基準の粒度分布における累計値50%での粒径(「メジアン径」とも称される)を示すものとする。
負極合材層の形成方法は特に限定されない。たとえば、黒鉛系負極活物質を含有する負極合材ペーストを調製し、該負極合材ペーストを負極集電体(たとえば銅箔)の表面に塗工し、乾燥させることにより、負極合材層を形成することができる。乾燥後、負極合材層を圧縮してもよい。さらに電極群の仕様に合わせて所定の寸法に裁断することにより、負極板が製造される。たとえば巻回型の電極群を製造する場合には、負極板は帯状に裁断される。
負極合材ペーストは、たとえば黒鉛系負極活物質、増粘材(たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム;CMC−Na等)およびバインダ(たとえばスチレンブタジエンゴム;SBR等)を、溶媒(たとえば水等)中で混練することにより調製できる。負極合材の配合は、たとえば黒鉛系負極活物質:96〜99質量%程度、増粘材:0.5〜2.0質量%程度、バインダ:0.5〜2.0質量%程度でよい。
本実施形態では、負極合材層のBET比表面積をX、電解液中のLi[B(SO42]の含有量をYとするとき、点(X,Y)が図1中の四角形領域Aに含まれるように、負極合材層を形成する。負極合材層のBET比表面積(X)は、黒鉛系負極活物質(粉体)のBET比表面積、負極合材ペーストの塗工質量、負極合材層の圧縮率等により調整可能である。負極合材層のBET比表面積(X)は、3.0m2/g以上4.3m2/g以下の範囲において、後述のLi[B(SO42]の含有量(Y)との兼ね合いで決定される。
負極合材層のBET比表面積は、一般的な比表面積測定装置を用いて測定することができる。測定ガスには窒素を用いる。たとえば負極板から2cm×5cm程度の矩形領域を負極集電体ごと切り出し、測定試料とする。負極集電体がたとえば銅(Cu)箔である場合、負極集電体のBET比表面積は、負極合材層のBET比表面積に比して無視できるほど小さいため、負極集電体を含む測定試料のBET比表面積を、負極合材層のBET比表面積とみなすことができる。
《正極板製造ステップ(S02)》
正極板製造ステップでは、正極板を製造する。正極板の製造方法は特に限定されない。たとえば、正極活物質を含有する正極合材ペーストを調製し、該正極合材ペーストを正極集電体(たとえばアルミニウム箔)の表面に塗工し、乾燥させることにより、正極合材層を形成することができる。乾燥後、正極合材層を圧縮してもよい。さらに電極群の仕様に合わせて所定の寸法に裁断することにより、正極板が製造される。
正極合材ペーストは、たとえば正極活物質、導電材(たとえばアセチレンブラック等)およびバインダ(たとえばポリフッ化ビニリデン;PVdF等)を、溶媒(たとえばN−メチル−2−ピロリドン;NMP等)中で混練することにより調製できる。正極活物質は、典型的にはLi含有金属酸化物である。たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNi1/3Co1/3Mn1/32等のLi含有金属酸化物を正極活物質として使用できる。正極合材の配合は、たとえば正極活物質:80〜98質量%程度、導電材:1〜10質量%程度、バインダ:1〜10質量%程度でよい。
《電極群製造ステップ(S03)》
電極群製造ステップでは、上記で得られた負極板と正極板とを含む電極群を製造する。たとえば電極群は、セパレータを挟んで負極板と正極板とを積層することにより製造される。積層後、さらに巻回してもよい。すなわち電極群は、積層型(「スタック型」とも称される)の電極群であってもよいし、巻回型の電極群であってもよい。セパレータは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等から構成される微多孔膜等でよい。
《ケース収容ステップ(S04)》
ケース収容ステップでは、電極群を電池ケースに収容する。電池ケースは、金属製の硬質ケースであってもよいし、あるいはアルミラミネートの袋等であってもよい。電池ケースには、電解液を注入するための注液口等が設けられていてもよい。
《電解液調製ステップ(S05)》
電解液調製ステップでは、リチウムジスルファトボレートを含有する電解液を調製する。リチウムジスルファトボレートは、たとえば下記化学式(I)で表すことができる。
Figure 2017091943
上記化学式(I)において各原子結合状態はあくまで一例である。たとえば、π電子の位置は、上記化学式(I)と異なる位置に移動することもあり得る。またπ電子が非局在化して、π電子の位置を特定できない場合もあり得る。
電解液は、非水溶媒(非プロトン性溶媒)に、支持塩となるLi塩と、Li[B(SO42]とを溶解させることにより、調製される。非プロトン性溶媒は、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートとしては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)およびγ−ブチロラクトン(γBL)等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。非水溶媒は、少なくともECを含むことが望ましい。非水溶媒において、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5程度である。
支持塩となるLi塩は、たとえばLiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22](略称「LiFSI」)等でよい。電解液中の支持塩の濃度は、たとえば0.5〜2.0モル/リットル程度(典型的には0.8〜1.2モル/リットル程度)でよい。
本実施形態では、電解液にLi[B(SO42]を含有させる。前述のように電解液中のLi[B(SO42]の含有量(Y)は、0.05質量%以上0.7質量%以下の範囲内において、負極合材層のBET比表面積(X)との兼ね合いで決定される。
なお電解液は上記の成分を含む限り、その他の成分を含有するように調製してもよい。その他の成分としては、たとえばシクロヘキシルベンゼン(CHB)等の過充電添加剤等が挙げられる。
《注液ステップ(S06)》
注液ステップでは、上記で調製した電解液を電池ケースに注入する。注入された電解液は、電極群に含浸される。これにより電極群の内部において負極合材層と電解液とが接触し、負極合材層内の細孔にも電解液が浸透することになる。このステップでは、電解液の浸透を促進するために、減圧、加圧、加温等の操作を行ってもよい。
《初回充電ステップ(S07)》
初回充電ステップでは、非水電解液二次電池に対して初回の充電を行う。これにより、電解液中のLi[B(SO42]が還元分解され、黒鉛系負極活物質の表面にLi[B(SO42]に由来する被膜が形成される。その後、所定の封止手段(たとえばカシメ加工、レーザ溶接等)により、電池ケースが密閉される。
初回充電ステップにおける充電レートは、たとえば0.1〜1C程度(好ましくは0.2〜0.8C程度)でよい。ここで電流レートの単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流レートを示している。またこのときの到達SOC(State Of Charge)は、たとえば50〜100%程度でよい。
以上のステップを経ることにより、本実施形態の非水電解液二次電池を製造することができる。当該非水電解液二次電池では、黒鉛系負極活物質の表面に、Li[B(SO42]に由来する被膜が形成されている。かかる被膜は、長期に亘って安定的に存在し、溶媒の分解反応を持続的に抑制することができる。
本実施形態は、長期に亘る構造信頼性が要求される用途に好適である。そうした用途としては、たとえば車載用途等を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明する。ただし、本実施形態は以下の例に限定されるものではない。たとえば以下の例では円筒形電池を用いているが、本実施形態は角形電池、ラミネート式電池等にも適用可能である。
<非水電解液二次電池の製造>
以下のように図2のフローチャートに従って、各種非水電解液二次電池を製造した。
《実施例1〜4》
1.負極板製造ステップ(S01)
黒鉛系負極活物質として天然黒鉛を準備した。プラネタリミキサを用いて、天然黒鉛、CMC−NaおよびSBRを水中で混練することにより、負極合材ペーストを調製した。ダイコータを用いて、負極合材ペーストを負極集電体(Cu箔)の表面に塗工し、乾燥させた。これにより負極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて、負極合材層を圧縮した。さらにスリッタを用いて所定の寸法に裁断した。
以上のように、黒鉛系負極活物質を含有する負極合材層を形成し、負極板を製造した。負極合材の配合は、天然黒鉛:CMC−Na:SBR=98:1:1(質量比)とした。負極合材層のBET比表面積は、表1に示す各値となるように調整した。
2.電解液調製ステップ(S05)
Li[B(SO42]を準備した。EC、EMCおよびDMCを、体積比でEC:EMC:DMC=3:4:3となるように混合し、非水溶媒を調製した。非水溶媒に、LiPF6(1モル/リットル)を溶解させ、さらに表1に示す各含有量となるようにLi[B(SO42]を溶解させた。これにより電解液を調製した。
3.初回充電ステップ(S07)
その後、図2のフローチャートに従って、その他のステップを実行し、18650サイズ(直径:18mm、高さ:65mm)の円筒形電池を製造し、初回充電ステップを実行した。以上より、実施例1〜4に係る非水電解液二次電池を製造した。
《比較例1〜4》
負極合材層のBET比表面積、および電解液中のLi[B(SO42]の含有量を表1に示す各値に調整することを除いては、実施例1〜4と同様にして、比較例1〜4に係る非水電解液二次電池を製造した。
《比較例5および6》
電解液にLi[B(SO42]を含有させないことを除いては、実施例1〜4と同様にして、比較例5および6に係る非水電解液二次電池を製造した。
《比較例7〜10》
Li[B(SO42]に代えて、LiBOB〔Li[B(C242]〕を用いることを除いては、実施例1〜4と同様にして、比較例7〜10に係る非水電解液二次電池を製造した。
《比較例11〜14》
Li[B(SO42]に代えて、LiFOB〔Li[B(C24)F2]〕を用いることを除いては、実施例1〜4と同様にして、比較例11〜14に係る非水電解液二次電池を製造した。
Figure 2017091943
<評価>
以下のようにして、上記各例において製造された非水電解液二次電池の性能を評価した。
《初期抵抗》
電池のSOCを100%に調整した。−10℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、2時間静置した。その後、同環境において電池の内部抵抗を測定した。結果を表1に示す。
《耐久性試験(60℃30日保存)》
電池のSOCを100%に調整した。電池に内圧センサを取り付け、保存前の内圧を測定した。60℃に設定された恒温槽内に電池を配置し、同環境で30日間保管した。30日経過後、電池を恒温槽から取り出し、保存後の内圧を測定した。保存後の内圧を保存前の内圧で除することにより、内圧上昇率(百分率)を求めた。ここで、円筒形電池ケースの体積変化は無視できるほど小さいため、かかる内圧上昇率は、保存後の電池ケース内のガス量を、保存前の電池ケース内のガス量で除した値(すなわちガス増加率)とみなすことができる。結果を表1の「ガス増加率」の欄に示す。表1中、ガス増加率が低いほど、溶媒の分解が持続的に抑制されている、すなわち耐久性に優れるSEIが形成されていることを示している。
また保存前後で電池容量を測定し、保存後の容量を保存前の容量で除することにより、容量維持率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。
<結果と考察>
表1および図1から分かるように、負極合材層のBET比表面積をX〔m2/g〕とし、電解液中のLi[B(SO42]の含有量をY〔質量%〕とする2次元直交座標系において、点(3,0.05)、点(3,0.3)、点(4.3,0.7)および点(4.3,0.5)の4点を頂点とする四角形領域Aに、点(X,Y)が含まれるように、該負極合材層を形成し、かつ該電解液を調製している実施例1〜4は、かかる条件を満たさない比較例に比し、耐久性に優れるSEIを備える非水電解液二次電池を製造することができた。
実施例1〜4の結果と、比較例7〜14の結果とを比較すると、実施例で使用したLi[B(SO42]が、従来知られたLi[B(C242]等に比し、耐久性に優れるSEIを形成することが分かる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 四角形領域、B,C,D,E,F 領域。

Claims (1)

  1. 黒鉛系負極活物質を含有する負極合材層を形成するステップと、
    リチウムジスルファトボレートを含有する電解液を調製するステップと、
    前記黒鉛系負極活物質の表面に、前記リチウムジスルファトボレートに由来する被膜を形成するステップと、を含み、
    前記負極合材層のBET比表面積をX〔m2/g〕とし、前記電解液中の前記リチウムジスルファトボレートの含有量をY〔質量%〕とする2次元直交座標系において、
    点(3,0.05)、点(3,0.3)、点(4.3,0.7)および点(4.3,0.5)の4点を頂点とする四角形領域に、点(X,Y)が含まれるように、前記負極合材層を形成し、かつ前記電解液を調製する、非水電解液二次電池の製造方法。
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