JP2017091730A - 発光パネルモジュール、発光装置、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光パネルモジュール同士のつなぎ目を目立ちにくくして、発光領域の大面積化を容易とした発光パネルモジュール及び発光装置、並びにその製造方法を提供する。【解決手段】発光パネルモジュール1は、可撓性のある透明基材11の一方の面に、第1の電極13、発光機能層14、第2の電極15、及び封止基板17がこの順に積層される。各電極に電気的に接続し、平面視で封止基板17よりも側方に張り出し且つ透明基材11の一方の面に形成された一対の取出し電極を有する。透明基材11の他方の面には、取出し電極の張り出しの付け根側位置と透明基材11の厚さ方向で対向する位置に、透明基材11の厚さ方向途中位置までの深さの切り込みからなる切り込み部18を有する。その切り込み部18を中心に、取出し電極を折り曲げることにより狭額縁化させ、並べてもつなぎ目が目立たない発光装置を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、発光パネルモジュール、発光装置、及びその製造方法に関する。
近年、液晶表示素子(LCD)に続く次世代表示装置や照明装置(発光装置)の素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも略記する)等の自発光素子の研究開発が行われている。
有機EL素子は、陽極と、陰極と、これらの一対の電極間に形成される、例えば有機発光層、正孔注入層、等を有する有機EL層(発光機能層)を備える。有機EL素子では、有機発光層において正孔と電子が再結合することによって発生するエネルギーによって発光する。
このような有機EL素子は、照明装置などに用いられるが一般的に発光領域内に僅かな欠陥が存在するだけでも欠陥製品として扱われる。そのため、大型の発光装置を製造する場合、一枚の発光装置で大型化をするよりも複数の発光パネルモジュールをユニット化して大型化を図る方が歩留り的に有利である。更に大型の発光装置の発光均一性を得ようとすると大型発光装置よりも複数の小型発光装置(発光パネルモジュール)の組で構成する方が有利である。一方、ユニット化された大型発光装置は、小型発光装置を繋ぎ合わせているため繋ぎ目の非発光領域が目立つおそれがあると言う問題がある。
上記の繋ぎ目が目立たなくなる対策として、特許文献1には、発光素子から発せられた光を拡大することによりつなぎ目を目立たなくすることが記載されている。しかしながら、この特許文献1のディスプレイ装置は、パネル間のつなぎ目に画像を表示させるための光学装置が必要であり、装置構成が複雑になり結果的にコストアップにつながると言う問題がある。
また、特許文献2には、非発光領域の延長部を隣接する表示パネルの背面側に重ねるようにすることが記載されている。しかし、この方法は、各発光パネルモジュールの取出し電極部を表裏に設けるための追加機構が必要になり、形状も複雑化し歩留り低下やコストアップにつながるという問題がある。
特開2001−350428公報 特開2005−123153公報
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであって、発光パネルモジュール同士のつなぎ目を目立ちにくくすることが簡単に実施可能で、且つ大面積化することも容易な、発光パネルモジュール及び発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様である発光パネルモジュールは、可撓性のある透明基材の一方の面に、透明電極からなる第1の電極、発光機能層、第2の電極、及び封止基板がこの順に積層された発光パネルモジュールであって、上記各電極に電気的に接続し、平面視で、上記封止基板よりも側方に張り出し且つ上記透明基材の上記一方の面に形成された一対の取出し電極を有し、上記透明基材の他方の面には、上記取出し電極の上記張り出しの付け根側位置と上記透明基材の厚さ方向で対向する位置に、上記透明基材の厚さ方向途中位置までの深さの切り込みからなる切り込み部を有することを特徴とする。
本発明の態様によれば、発光パネルモジュールを並べて発光装置を構成する場合に、簡単に発光パネルモジュール間のつなぎ目を目立たなくすることが可能となる。このため発光エリアを大面積化することも容易となる。
従来の取出し電極を備えた発光パネルモジュールの概略上面図及び面図である。 第1の実施形態に係る取出し電極を備えた発光パネルモジュールの概略上面図及び断面図である。 従来の取出し電極を備えた発光パネルモジュールを横に並べて配置した概略上面図及び断面図である。 第1の実施形態に係る取出し電極を備えた発光パネルモジュールを横に並べて配置した概略上面図及び断面図である。 第2の実施形態に係る取出し電極を備えた発光パネルモジュールの概略上面図である。 第2の実施形態に係る取出し電極を備えた発光パネルモジュールを横に並べて配置した概略上面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子から発光パネルモジュールが構成する場合を例示している。但し、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されることはない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の照明装置(発光装置2)に用いられる発光パネルモジュール1の一例について、図2及び図4を参照しながら説明する。以下、発光パネルモジュール1が一枚の照明パネルに相当する構成を例示して説明するが、これに限定されることはない。
図2に示すように、本実施形態に用いられる発光パネルモジュール1は、透明基材の本体を挟んで向かい合う2辺に延出部が形成された平面部を有する可撓性の透明基材11を備えている。平面視で、延出部は、封止基板17の外形の外側に存在し、且つ向かい合う2辺のみにあることが好ましい。
即ち、発光パネルモジュール1は、可撓性のある透明基材11の一方の面に、透明電極からなる第1の電極、発光機能層14、第2の電極、及び封止基板17がこの順に積層されている。また、各電極に電気的に接続し、平面視で、上記封止基板よりも側方に張り出し且つ上記透明基材11の延出部の一方の面に形成された一対の取出し電極(陽極側取出し電極12b、陰極側取出し電極15b)を有する。
下記の説明では、上記の透明電極は、複数の導電層12と透明導電層13とで構成されている。この透明電極が第1の電極を構成し、陰極15が、第2の電極を構成する。本実施形態では、透明電極が陽極となる場合を例示している。
透明基材11の他方の面には、取出し電極12b、15bの上記張り出しの付け根側位置と上記透明基材11の厚さ方向で対向する位置に、上記透明基材11の厚さ方向途中位置までの深さの切り込みからなる切り込み部18を有する。そして、その切り込み部18を中心(起点)として、延出部及び各取出し電極12b、15bが封止基板17側に折り曲げられている。図2では、更に、延出部の先端部側も内側(封止基板17側)に折り曲げられている。
(透明基材11)
透明基材11としては、プラスチックフィルムなどの可撓性を有する基板を用いることができる。
プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
透明基材11は、表面平滑性に優れているものが好ましい。表面の平滑性は算術平均粗さRaが5nm以下且つ最大高さRyが50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくはRaが1nm以下かつRyが20nm以下である。透明基材11の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨などの機械加工によって平滑にすることもできる。また、透明導電層13の塗布、接着性を向上させるため、コロナ、プラズマ、UV/オゾンによる表面処理をしてもよい。ここで、表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から算出することができる。また、基板厚さは、0.1mm以下が好ましく、二枚以上の積層基板にて前述した厚さを形成してもよく、90°以上折り曲げることを鑑みると折り曲げ部の基材厚さは0.07mm以下の厚さが好ましい。
また、大気中の酸素、水分を遮断する目的でガスバリア層を設けるのが好ましい。ガスバリア層の形成材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特に、バリア性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。また、ガスバリア層は必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、無機層のみで構成してもよいし、無機層と有機層で構成してもよい。ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法を用いることができる。また、ガスバリア層の厚さに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり50nm〜500nmである。ガスバリア層は透明基材11の少なくとも一方の面に設けられ、両面に設けてもよい。
(導電層12)
本発明における導電層12としては、電気抵抗が低いことが好ましく、その材料は通常は10S/cm以上の電気伝導度を有する材料が使用される。かかる導電材料の具体例としては、アルミニウム、銀、クロミニウム、金、銅、タンタル、モリブデン等の金属および/またはその合金を挙げることができる。これらの中でも、電気導電度の高さ、および材料のハンドリングの容易さの観点から、アルミニウム、クロミニウム、銅、銀およびその合金が好ましい。
金属および/またはその合金の導電層12の高さ(厚さ)は、0.01μm以上、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.02μm以上、2μm以下である。細線幅と細線高さの関係については、細線高さは所望の導電性に応じて決めればよいが、その場合、同一導電層のみで構成してもよいし、異なる導電層で構成してもよい。
(透明導電層13)
塗布電極層を塗布法により形成する際に用いられる溶液は、塗布電極層となる材料と溶媒とを含む。塗布電極層は導電性を示す高分子化合物を含むことが好ましい。該高分子化合物は、ドーパントを含有していてもよい。該高分子化合物の導電性は通常、導電率で10−5〜10S/cmであり、好ましくは10−3〜10S/cmである。また、透明導電層13は、実質的に導電性を示す高分子化合物から成ることが好ましい。透明導電層13の構成材料としては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、等を挙げることができる。ドーパントとしては、公知のドーパントを用いることができ、その例としては、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸、PF、AsF、SbF等のルイス酸が挙げられる。また導電性を示す高分子化合物は、ドーパントが高分子化合物に直接結合した自己ドープ型の高分子化合物であってもよい。
透明導電層13は、ポリチオフェン及び/またはポリチオフェンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的にポリチオフェン及び/またはポリチオフェンの誘導体から成ることが好ましい(ポリチオフェン及び/またはポリチオフェンの誘導体はドーパントを含有していてもよい)。ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、または、ポリチオフェンとポリチオフェンの誘導体との混合物は、水およびアルコールなどの水系溶媒に溶解、もしくは分散しやすいの、塗布法に用いられる塗布液の溶質として好適に用いられる。またこれらは導電性が高く、電極材料として好適に用いられる。さらにこれらは、HOMOエネルギーが5.0eV程度であり、通常の有機EL素子に用いられる有機発光層のHOMOエネルギーとの差が1eV程度と低く、有機発光層に正孔を効率的に注入することができるので、特に、陽極の材料として好適に用いることができる。また、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
透明導電層13は、ポリアニリン及び/またはポリアニリンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的にポリアニリン及び/またはポリアニリンの誘導体から成ることが好ましい(ポリアニリン及び/またはポリアニリンの誘導体はドーパントを含有していてもよい)。ポリアニリン及び/またはポリアニリンの誘導体は、導電性および安定性に優れるために、電極材料として好適に用いられる。また、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
<透明電極の製造方法>
本実施形態にかかる、透明電極の製造方法について説明する。通常、透明基材11上に設けられ、導電層12、及び透明導電層13が透明基材11側からこの順に作製されて、透明電極となる。
導電層12を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、または金属薄膜を熱圧縮するラミネート法等により、細線構造部の構成材料から成る膜を形成した後に、フォトレジストを用いたエッチング法により前述したパターンを形成する方法が挙げられる。
また、導電層12となる材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、細線構造部となる材料を溶解させるものであれば、特に制限はない。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの塗布法を挙げることができる。特に、前述したパターンを直接形成できる成膜方法が好ましく、適宜選択可能であるが、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの吐出による塗布法が好適である。その後、乾燥固化して細線構造部が形成される。
次いで、透明電極の形成領域に塗布導電材料を塗布して、透明導電層13を成膜する。このとき、透明基材11と貼り合せる封止基材(詳細は後述する)の封止接着剤が形成される領域を除くように、透明導電層13を形成する。成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの塗布法を挙げることができる。特に、透明電極の形成領域を全面に渡って成膜するため、一様に塗布成膜する方法が好ましく、適宜選択可能であるが、スピンコート法、バーコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布法が好適である。
次いで、透明電極の形成領域全面に塗布導電材料が塗布された透明基材11を、乾燥処理室内で、例えば100℃以上の温度条件で加熱処理する。これにより、塗布導電材料溶液に含まれる溶媒を気化させて、透明基材11、および細線構造部の上に塗布導電材料を固着させて、透明導電層13を形成する。
(有機EL素子の構成)
有機EL素子は発光機能層14を構成する。本実施形態の有機EL素子は、透明電極を陽極として用い、有機発光層、陰極15、封止構造については有機EL素子に一般的に使われている材料、構成等の任意のものを用いることができる。
有機EL素子の層構成としては、例えば、次のような各種の構成のものを例示出来る。
陽極/有機発光層/陰極15、
陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極15、
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極15、
陽極/正孔注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極15、
陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極15、
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同様。)
本実施形態の有機EL素子は、2層以上の有機発光層を有していてもよく、2層の有機発光層を有する有機EL素子としては、以下に示す層構成を挙げることができる。
陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極15
また、3層以上の有機発光層を有する有機EL素子としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位として、以下に示す上記繰り返し単位を2つ以上含む層構成を挙げることができる。
陽極/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極15
上記層構成において、陽極、陰極15、有機発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
ここで、電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば、酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどからなる薄膜を挙げることができる。
以下、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極15の各層、及び封止構造について説明する。
(陽極と有機発光層との間に設けられる層)
必要に応じて陽極と有機発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔注入層または陽極により近い層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。また、正孔注入層または正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である、
(正孔注入層)
正孔注入層は、陽極(透明電極)と正孔輸送層との間、または陽極と有機発光層との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化モリブデン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔注入層の成膜方法としては、例えば、正孔注入層となる材料(正孔注入材料)を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔注入材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒、および水を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの塗布法を挙げることができる。
また、正孔注入層の厚さとしては、5〜300nm程度であることが好ましい。この厚さが5nm未満では、製造が困難になる傾向があり、他方、300nmを越えると、駆動電圧、および正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
これらの中でも、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
正孔輸送層の厚さは、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、1〜1000nm程度であることが好ましい。この厚さが上記下限値未満となると、製造が困難になる、または正孔輸送の効果が十分に得られないなどの傾向があり、他方、上記上限値を超えると、駆動電圧および正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向がある。したがって正孔輸送層の厚さは、好ましくは、1〜1000nmであるが、より好ましくは、2〜500nmであり、さらに好ましくは、5〜200nmである。
(有機発光層)
有機発光層は、主として蛍光または燐光を発光する有機物(低分子化合物および高分子化合物)を有する。なお、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。本実施形態において用いることができる有機発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。
(色素系材料)
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
(金属錯体系材)
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
(高分子系材料)
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、およびそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
(ドーパント材料)
有機発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させる目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクドリン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、有機発光層の厚さは、通常約2〜200nmである。
有機発光層の成膜方法としては、有機発光材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、有機発光材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
(陰極15と発光層との間に設けられる層)
必要に応じて陰極15と有機発光層の間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。陰極15と有機発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極1514に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。
電子注入層は、陰極15からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極15、電子注入層または陰極15により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、および/または電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
(電子輸送層)
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知のものを使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン若しくはその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の電子輸送材料では、高分子バインダーと電子輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の電子輸送材料では、電子輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、電子輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、少なくともピンホールが発しないような厚さが必要である。膜厚として、例えば、1〜1000nm程度であることが好ましく、より好ましくは、2〜500nmであり、さらに好ましくは、5〜200nmである。
(電子注入層)
電子注入層を構成する材料としては、有機発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの1種類以上含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、またはこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルブジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、および炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよく、例えばフッ化リチウム/カルシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、各種蒸着法、スパッタリング法、各種塗布法などにより形成される。電子注入層の膜厚としては、1〜1000nm程度が好ましい。
(陰極15)
陰極15の材料としては、仕事関数が小さく、有機発光層への電子注入が容易な材料および/または電気導電度が高い材料および/または可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極15材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛等の無機半導体などを挙げることができる。
上記金属としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属やIII−b属金属等を用いることができる。これらの金属の具体的例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることができる。
また、合金としては、上記金属の少なくとも一種を含む合金を挙げることができ、具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を挙げることができる。
陰極15は必要に応じて透明電極とされるが、それらの材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、ITO、IZOなどの導電性酸化物、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの導電性有機物を挙げることができる。
なお、陰極15を2層以上の積層構造としてもよい。また、電子注入層が陰極15として用いられる場合もある。
陰極15の膜厚は、電気導電度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば、10〜10000nmであり、好ましくは20〜1000nmであり、さらに好ましくは、50〜500nmである。
(封止構造)
続いて、陰極15上に保護層(不図示)を形成する。保護膜は酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特に、バリア性、耐溶剤性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。また、保護層は必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、無機層のみで構成してもよいし、無機層と有機層で構成してもよい。保護層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCVD法を用いることができる。また、保護層の厚さに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10nm〜500nmである。
次に、保護層の上に接着層16を形成した後、封止基板17(封止基材)を貼り合せることで封止を行う。接着層16として、熱硬化型の接着層16も使用することができるが、有機ELを構成する材料への影響を鑑みると光硬化型の接着剤が好ましい。例えば、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤などが挙げられ、中でも酸素による阻害がなく、光照射後も重合反応が進行するカチオン系接着剤が好ましい。カチオン系硬化型タイプとしては、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が好ましく、また、100mW/cm以上の紫外線を照射した際に、10〜90秒以内に硬化する紫外線硬化型接着剤が特に好ましい。この時間内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への影響を排除しつつ、接着剤が充分に硬化して適切な接着強度を備えることができる。また、生産工程の効率の観点からも、前述した時間範囲内であることが好ましい。また、接着剤の種類に関わらず、低透湿性且つ高接着性のものが好ましい。接着層16を保護層の上に形成する方法の一例として、ディスペンス法、押出ラミネート法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。接着層16の厚さとしては特に制限はないが、薄膜であるとこが好ましく1〜100μmであり、特に好ましくは5〜50μmである。
封止基材としては、透明性が必要なトップエミッション型の有機EL素子の場合には薄ガラスやポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのプラスチックフィルムを用いることができ、特に透明性が必要ないボトムエミッション型の有機EL素子の場合には上記の材料に加えてステンレスやアルミなどの薄い金属材料や薄い不透明なガラス、プラスチック材料、或いはPETをアルミ箔に接着材を介して貼り合せた基材、例えばアルペットなども用いることができる。封止基板の厚さは1000μm以下が好ましい。
次に、透明基材11のうち、平面視で封止基板外側に設けられた延出部を折り曲げる。ボトムエミッションの場合、折り曲げる方向は封止基板側になる。このとき、延出部を折り曲げやすいように発光面側を封止基板エッジと平行にスーパーカッター、或いはレーザーなどで断裁しハーフカットの状態を形成して切り込み部18を形成する。そして、この切り込み部18を起点として延出部を封止基板側に折り曲げる。折り曲げられたモジュール形状は、設置面に近い側の封止基板と設置面に設けられた回路基板32との間に異方性導電膜(ACFなど)の厚さとフレキシブル回路基板(FPC31)の厚さと取出し電極の厚さと透明基板の厚さを足し合わせた厚さ以下の隙間にするのが好ましい。
以上により発光パネルモジュール1は構成され、これらを縦、横に並べることにより大面積化が可能となる。また、本発明における有機EL発光装置2は、大型バックライト、大型照明等に用いることができる。
<作用効果>
次に、上述したような発光パネルモジュール1の構成とその製造方法を用いた場合の作用効果について、図1、図2を参照にして説明する。
図1は、比較のための発光パネルモジュール1を示し、透明基材11上に導電層12、及び、透明導電層13を形成し、発光機能層14としての有機EL層、陰極15、接着層16、封止基材17、陰極側取出し電極15a、及び、陽極側取出し電極12aまで示した概略断面図を示す。
図2は、本実施形態の発光パネルモジュール1を示し、透明基材11上に導電層12、及び、透明導電層13を形成し、発光機能層14としての有機EL層、陰極15、接着層16、封止基材17、切り込み部18、折り曲げた陰極側取出し電極15b、及び、折り曲げた陽極側取出し電極12bまで示した概略断面図を示す。
図1に示すように、従来のような陰極側取出し電極15a、及び陽極側取出し電極12aのように取出し電極を折り曲げない発光パネルモジュール1を並べて、図3に示すような発光装置2を構成すると、取出し電極幅があるため額縁が広くつなぎ目が目立つ。
しかし、図2に示すような可撓性のある透明基板が50μmと薄く折り曲げも容易で狭額縁化しやすい。更に狭額縁化した発光パネルモジュール1を並べて図4に示すような本発明に基づく発光装置2を構成すると、つなぎ目が狭くなり大面積化してもつなぎ目が目立たない発光装置2を提供可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る照明装置(発光装置2)に用いられる発光パネルモジュール1の製造方法およびその構成は、上述した第一の実施形態に係る発光パネルモジュール1の製造方法およびその構成とは、基本構造が同じである。ただし、発光パネルモジュール1の狭額縁化に関して異なることを特徴としている。そのため、図5を参照し、狭額縁の構成を説明し、その他を省略する。
上述した第一の実施形態においては折り曲げ箇所(切り込み部18)を封止基板よりも外側にある取出し電極のみを折り曲げる構成を説明した。第2の実施形態においては、封止エリアから折り曲げることを特徴とする。
このとき、発光パネルモジュール1の狭額縁化を狙うために封止エリアの額縁付近から折り曲げるために図5に示すように封止エリアの半分程度の位置にハーフカット(切り込み)を入れる。その切り込み部18の基板厚さ、つまり刃を入れた後の基板厚さが50μm程度にすることが好ましい。
<作用効果>
ここで上述の図5おける狭額縁発光パネルモジュール1の構成を用いた場合の作用効果について説明する。
本実施形態のように、発光エリア20から折り曲げることにより更に狭額縁になり、図6に示すように発光パネルモジュール1を並べて構成された発光装置2では、横方向に額縁が更に目立たない長尺発光装置の大面積化が可能となる。
ここで、図5では、陰極15の外側位置になる接着層16の部分と平面視で重なるように斬り込み部を設定した場合に例である。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 発光パネルモジュール
2 発光装置
11 …透明基材
12 …導電層(第1の電極)
12a…陽極側取出し電極
13 …透明導電層(第1の電極)
14 …発光機能層
15 …陰極(第2の電極)
15a…陰極側取出し電極
16 …接着層
17 …封止基板
18 …切り込み部
20 …発光エリア
31 …FPC
32 …回路基板

Claims (6)

  1. 可撓性のある透明基材の一方の面に、透明電極からなる第1の電極、発光機能層、第2の電極、及び封止基板がこの順に積層された発光パネルモジュールであって、
    上記各電極に電気的に接続し、平面視で、上記封止基板よりも側方に張り出し且つ上記透明基材の上記一方の面に形成された一対の取出し電極を有し、
    上記透明基材の他方の面には、上記取出し電極の上記張り出しの付け根側位置と上記透明基材の厚さ方向で対向する位置に、上記透明基材の厚さ方向途中位置までの深さの切り込みからなる切り込み部を有することを特徴とする発光パネルモジュール。
  2. 上記切り込み部を構成する切り込みは、上記封止基板の端面の長手方向に沿って方向に向けて、連続若しくは断続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載した発光パネルモジュール。
  3. 上記各取出し電極及びその取出し電極が形成された透明基材部分は、上記切り込み部を中心に封止基板側に折り曲げられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した発光パネルモジュール。
  4. 複数の発光パネルモジュールが配置してなる発光エリアを有する発光装置であって、
    上記発光パネルモジュールは、請求項3に記載の発光パネルモジュールからなることを特徴とする発光装置。
  5. 可撓性のある透明基材の一方の面に、透明電極からなる第1の電極、発光機能層、第2の電極、及び封止基板がこの順に積層すると共に、上記各電極に電気的に接続し、平面視で上記封止基板よりも側方に張り出した一対の取出し電極を上記透明基材の延出部に形成し、
    上記透明基材の他方の面側に対し、上記取出し電極の上記張り出しの付け根側位置と上記透明基材の厚さ方向で対向する位置に、上記透明基材の厚さ方向途中位置までの深さの切り込みからなる切り込み部を形成し、
    その切り込み部を中心に、上記透明基材の延出部及び取出し電極を共に封止基板側に折り曲げることを特徴とする発光パネルモジュールの製造方法。
  6. 請求項5の方法で製造した発光パネルモジュールを配列することで発光エリアを形成したことを特徴とする発光装置の製造方法。
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