JP2015207454A - 発光装置、及び発光装置の製造方法 - Google Patents

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宏一 増岡
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Abstract

【課題】金属細線構造と透明導電層を組合せた電極構造において、金属細線の一部が断線しても、均一に発光領域へ電流を流すことが可能な発光装置及び発光装置の製造方法を提供する。【解決手段】発光装置は、透明基材11と、この透明基材11の一方の面上に互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線12a1〜12m1からなる第一の細線構造部12と、この第一の細線構造部12上に形成された透明導電層14と、この透明導電層14上に積層された発光機能層と、この発光機能層上に形成された反射電極層15と、封止基材と、を備える。透明基材11には、発光機能層が積層される発光領域と、透明基材11と封止基材とが接合する接合領域19との間に、複数の細線12a1〜12m1を電気的に接続する第一の連結部13が少なくとも1個以上設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置、及び発光装置の製造方法に関する。特に有機エレクトロルミネッセンス発光装置に好適な発光装置に関する技術である。
近年、液晶表示素子(LCD)に続く次世代表示デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも略記する)等の、自発光素子を2次元配列した発光素子型の表示パネルを備えた発光装置の研究開発が行われている。
有機EL素子は、陽極と、陰極と、これらの一対の電極間に形成される有機EL層(発光機能層)とを備える。有機EL層は、例えば有機発光層、正孔注入層等を有する。有機EL素子では、有機EL層において正孔と電子が再結合することによって発生するエネルギーによって発光が生じる。
このような有機EL素子の光を取り出す側の陽極は、一般的には、錫ドープ酸化インジウム(Indium Thin Oxide;ITO)や亜鉛ドープ酸化インジウム(Indium Zinc Oxide;IZO)などの透明導電酸化物を用いて形成されるが、低抵抗を得るためには、厚く均一な膜を形成しなければならず、光透過率が減少したり、高価になったり、形成プロセスで高温処理が必要になったりするため、特にフィルム上での低抵抗化には、限界があった(例えば、特許文献1参照)。また、有機EL素子に電流を流すために、基板上には配線電極が設けられ、陽極及び陰極と接続されている。この配線電極にもITOのような透明導電酸化物を用いられることがあるが、上述同様の理由で低抵抗な電極としては限界がある。
そのため近年、ITOを用いない電極の技術が開示されている。例えば、一様な網目状、ストライプ型あるいはグリッド型等の金属及び/又は合金の細線構造部を配置した導電性面を作製し、その上に例えば、導電性高分子材料を適当な溶媒に溶解又は分散したインクを、塗布法や印刷法を用いて透明導電層を形成することによって、陽極を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献2、3参照)
特開平10−162961号公報 特開2005−302508号公報 特開2006−93123号公報
ここで、金属の細線構造の形成方法として、ウェット成膜ではコスト面を考慮しダイコートやノズルコートなどの無版印刷が好ましく、ドライ成膜ではパターニングのためのエッチングがいらないメタルマスク蒸着やスパッタが好ましい。これらの成膜方法で金属の細線構造を形成する場合、より容易にパターニングできるストライプ形状を選択することが多い。グリッド形状も成膜工程を縦横それぞれの細線に分けて形成することは可能だが、縦横の細線が交差する部分で厚膜化し、平面視において均一な導電膜が得られず、面内での発光ムラが生じることや材料使用量が増すことが懸念される。
上述したストライプ形状の金属細線構造と透明導電層を組合せた電極構造は、低抵抗かつ屈曲性に優れた機能を持つが、金属細線の一部が断線すると、均一に発光領域へ電流が流れず、発光機能の信頼性が低下するという問題を有していた。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであって、金属細線構造と透明導電層を組合せた電極構造において、金属細線の一部が断線しても、均一に発光領域へ電流を流すことが可能な発光装置及び発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の発光装置は、透明基材と、この透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第一の細線構造部と、この第一の細線構造部上に形成された透明導電層と、この透明導電層上に積層された発光機能層と、この発光機能層上に形成された反射電極層と、透明基材の一方の面上において透明基材と接合し、透明基材とともに第一の細線構造部、透明導電層、発光機能層及び反射電極層を封止する封止基材と、を備え、透明基材の一方の面上であって、発光機能層が積層される発光領域と、透明基材と封止基材とが接合する接合領域との間に、第一の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第一の連結部が少なくとも1個以上設けられたことを要旨とする。
また前記した発光装置において、第一の細線構造部をなす複数の細線は、透明基材上にストライプ状に配置され、第一の連結部は、平面視において長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が第一の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されてもよい。
また前記した発光装置において、第一の細線構造部は、発光領域に形成されて発光機能層に接続されるとともに、接合領域の外側に延在して形成されてもよい。
また前記した発光装置において、第一の細線構造部は、透明基材上における第一の連結部を挟んで接合領域側に位置する細線の密度が、透明基材上における第一の連結部を挟んで発光領域側に位置する細線の密度より小さく構成されてもよい。
また前記した発光装置において、透明基材の一方の面上には、互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部が形成され、発光領域と接合領域との間に、第二の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第二の連結部が少なくとも1個以上設けられてもよい。
また前記した発光装置において、第二の細線構造部をなす複数の細線は、透明基材上にストライプ状に配置され、第二の連結部は、平面視において長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が第二の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されてもよい。
また前記した発光装置において、第二の細線構造部と反射電極層と第二の連結部とは電気的に接続され、第二の細線構造部は、接合領域の外側に延在して形成されてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の発光装置の製造方法は、透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて複数の導電性を有する細線を並設して第一の細線構造部を形成する工程と、形成された第一の細線構造部上に透明導電層を形成する工程と、形成された透明導電層上に発光機能層を積層する工程と、積層された発光機能層上に反射電極層を形成する工程と、形成された透明基材の一方の面上に封止基材を接合する工程と、を備える発光装置の製造方法において、透明基材の一方の面上であって、発光機能層が積層される発光領域と、透明基材と封止基材とが接合する接合領域との間に、第一の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第一の連結部を少なくとも1個以上設ける工程を含むことを要旨とする。
また前記第一の細線構造部を形成する工程において、第一の細線構造部をなす複数の細線を、透明基材上にストライプ状に配置し、第一の連結部を少なくとも1個以上設ける工程において、平面視において長方形状の第一の連結部を、長辺方向が第一の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設してもよい。
また前記第一の細線構造部を形成する工程において、第一の細線構造部を、発光領域に形成して発光機能層に接続させるとともに、接合領域の外側に延在させてもよい。
また前記第一の細線構造部を形成する工程において、第一の細線構造部をなす複数の細線を、透明基材上における第一の連結部を挟んで接合領域側に位置する細線の密度が、透明基材上における第一の連結部を挟んで発光領域側に位置する細線の密度より小さくなるように並設させてもよい。
また前記した発光装置の製造方法において、透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部を並設して第二の細線構造部を形成する工程と、透明基材の一方の面上であって、発光領域と接合領域との間に、第二の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第二の連結部を少なくとも1個以上設ける工程と、を備えてもよい。
また前記第二の細線構造部を形成する工程において、第二の細線構造部をなす複数の細線を、透明基材上にストライプ状に配置し、第二の連結部を少なくとも1個以上設ける工程において、平面視において長方形状の第二の連結部を、長辺方向が第二の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設してもよい。
また前記した発光装置の製造方法において、第二の細線構造部と反射電極層と第二の連結部とを電気的に接続する工程を備え、第二の細線構造部を形成する工程において、第二の細線構造部を、接合領域の外側に延在させてもよい。
本発明によれば、発光領域と接合領域との間に、複数の細線を電気的に接続する連結部を形成することで、長期的に発光領域へ均一に電流を流すことが可能となる。このため、この電極構造を採用することで、長期的に均一な発光面を保持し、さらに屈曲性に優れた発光装置が得られる。
また、第一の細線構造部をなす複数の細線が透明基材上にストライプ状に配置され、第一の連結部の長辺方向が複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されることにより、生産効率に優れる発光装置とすることができる。
また、第一の細線構造部が発光機能層に接続されるとともに、接合領域の外側に延在して形成されることにより、第一の細線構造部と発光領域との接続性、及び第一の細線構造部と接合領域の外側との接続性を高めることができる。
また、第一の細線構造部が、第一の連結部を挟んで接合領域側に位置する細線の密度が、発光領域側に位置する細線の密度より小さく構成されることにより、接合領域において透明基材と封止基材との接合性を向上させることができる。
また、透明基材の一方の面上には、互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部が形成され、発光領域と接合領域との間に、第二の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第二の連結部が少なくとも1個以上設けられることにより、長期的に発光領域へ均一に電流を流す効果を高めることができる。
また、第二の細線構造部をなす複数の細線が透明基材上にストライプ状に配置され、第二の連結部の長辺方向が複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されることにより、生産効率に優れる発光装置とすることができる。
また、第一の細線構造部が発光機能層に接続されるとともに、接合領域の外側に延在して形成されることにより、第一の細線構造部と発光領域との接続性、及び第一の細線構造部と接合領域の外側との接続性を高めることができる。
また、第二の細線構造部と反射電極層と第二の連結部とが電気的に接続され、第二の細線構造部が、接合領域の外側に延在して形成されることにより、第二の細線構造部と反射電極層との接続性、及び第二の細線構造部と接合領域の外側との接続性を高めることができる。
第1の実施形態に係る電極の構成を示した概略平面図である。 第2の実施形態に係る電極の構成を示した概略平面図である。
以下、この発明の実施形態に係る発光装置の製造方法、発光装置について説明する。
以下の説明では発光装置として、有機EL素子を使用した有機EL発光装置を例に説明する。なお、発光機能は、有機EL素子による発光機能に限定されない。
本実施形態の有機EL発光装置は、有機EL素子が透明基材上に形成されている。有機EL素子は透明電極を担う陽極と有機発光層を含む発光機能層と反射電極を担う陰極で構成されている。有機EL素子の発光領域が、透明基材、接着剤、及び封止基材によって封止された構造となっている。また、本実施形態の陽極は第一の細線構造部と第一の連結部13と透明導電層とを備えており、陰極は第二の細線構造部と第二の連結部17と反射電極層とを備えた構成になっており、各細線構造はストライプ形状をしている。さらに、各金属機能層の配置は、発光領域と接着剤の間に設けられ、各細線構造部に接し且つ垂直に横切る様に形成された構造となっている。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る発光装置は、図1に示すように、透明基材11と、この透明基材11の一方の面上に、互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線12a1〜12m1からなる第一の細線構造部12とを備える。また発光装置は、この第一の細線構造部12上に形成された透明導電層14と、この透明導電層14上に積層された不図示の発光機能層と、この発光機能層上に形成された反射電極層15とを備える。また発光装置は、透明基材11の一方の面上に、互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部16,16を備える。
また発光装置の透明基材11の一方の面上には、発光機能層が積層される領域が発光領域として透明基材11の略中央部に形成される。また透明基材11の一方の面上には、透明基材11と封止基材とが接合する接合領域19が、発光領域を囲むように、発光領域から所定の間隔を空けて形成されている。発光領域と接合領域19との間には、第一の細線構造部12をなす複数の細線12a1〜12m1を電気的に接続する第一の連結部13,13が少なくとも1個以上設けられている。第一の細線構造部12と第一の連結部13,13と透明導電層14とは、電気的に接続されている。
また発光領域と接合領域19との間には、第二の細線構造部16,16をなす複数の細線12a2〜12m2を電気的に接続する第二の連結部17が少なくとも1個以上設けられている。反射電極層15と第二の細線構造部16,16と第二の連結部17とは電気的に接続されている。
また本発明の第1の実施形態に係る発光装置は、透明基材11の一方の面上において透明基材11と接合し、透明基材11とともに第一の細線構造部12、透明導電層14、発光機能層及び反射電極層15を封止するための、不図示の封止基材を備える。
発光領域の外縁は、透明基材11の一方の面を平面視して、透明導電層14の輪郭形状と略等しい形状で示されるものであり、図1中には略正方形状で示されている。発光領域の外縁形状は、正方形に限定されるものでなく、長方形等他の形状に適宜変更されてよい。
接合領域19は、例えば接着剤を、発光領域を囲うように、透明基材11の一方の面上に、略正方形の枠状に塗布することによって形成することができる。透明基材11の一方の面上で接合領域19を含んだ接合領域19より内側の領域が、封止基材が配置される領域(封止基材配置領域18)となる。尚、接合領域19の形成方法は接着剤を用いる手段に限定されず、他の接合手段が用いられてもよい。また接合領域19の形状は、略正方形の枠状に限定されず、例えば枠型の一部が開口した形状等でもよく、透明基材11と封止基材とが互いに接合可能である限り適宜変更されてよい。
第一の細線構造部12は、図1中上下方向に左右方向に延在する13本の細線12a1〜12m1からなり、13本の細線12a1〜12m1は、透明基材11上に上下方向に等間隔で並設配置されている。13本の細線12a1〜12m1は、上下方向に等間隔で並設配置されることにより、図1を正面視して横ストライプ状に表われる。また13本の細線12a1〜12m1はいずれも、透明基材11の左右両端部に亘って配設されている。すなわち、13本の細線12a1〜12m1はいずれも、透明基材11の面上の発光領域に形成されて発光機能層に電気的に接続されているとともに、接合領域19の外側に延在して形成されている。
第一の連結部13,13は、略正方形状の発光領域の左右の各辺の外側、かつ、接合領域19の左右の各辺の内側の位置にそれぞれ配設されている。すなわち、発光領域を挟んで2本の第一の連結部13,13が配設されるとともに、2本の第一の連結部13,13は各々、13本の細線12a1〜12m1に接続されている。
第一の連結部13,13は、図1中縦長に表われる長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が第一の細線構造部12をなす13本の細線12a1〜12m1の延在方向(図1中左右方向)に直交する向きに配設されている。第一の連結部13,13は金属等、導電性を有する素材であればよい。2本の第一の連結部13,13の長辺は、いずれも、13本の細線12a1〜12m1の延設方向(図1中上下方向)において両端の2本の細線12a1,12m1の外側まで形成されている。これにより各第一の連結部13,13は、13本の細線12a1〜12m1すべてに接続され、13本の細線12a1〜12m1の電流を集約する。
第二の細線構造部16,16は、1組が、図1中上下方向に延在する7本の細線16a〜16gからなり、図1に示すように、透明基材11の上下両端にそれぞれ1組ずつ配設され、合計2組配設されている。7本の細線16a〜16gは、透明基材11上に左右方向に略等間隔で並設配置されることにより、図1を正面視して縦ストライプ状に表われる。2組の第二の細線構造部16,16の各々の7本の細線16a〜16gは、いずれも接合領域19の外側に延在して形成されている。一方、発光領域には7本の細線16a〜16gが配設されておらず、第二の細線構造部が形成されていない。
第二の連結部17,17は、略正方形状の発光領域の上下の各辺の外側、かつ、接合領域19の上下の各辺の内側に配設されている。すなわち、透明基材11の上端側の7本の細線16a〜16gと、透明基材11の下端側の7本の細線16a〜16gとは、それぞれが別個に、第二の連結部17に接続されている。
第二の連結部17,17は、図1中横長に表われる長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が第二の細線構造部16をなす7本の細線16a〜16gの延在方向に直交する向きに配設されている。第二の連結部17,17は金属等、導電性を有する素材であればよい。2本の第二の連結部17,17の長辺は、いずれも、7本の細線16a〜16gの延設方向(図1中左右方向)において両端の2本の細線16a,16gの外側まで形成されている。これにより各第二の連結部17,17は、7本の細線16a〜16gすべてに接続され、7本の細線16a〜16gの電流を集約する。
次に、第1の実施形態に係る構成及び製造方法についてより詳細に説明する。
<透明基材>
本実施形態では、透明基材として、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラスなどを用いることができる。
プラスチックフィルム及びプラチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
透明基材は、表面平滑性に優れているものが好ましい。表面の平滑性は算術平均粗さRaが5nm以下且つ最大高さRyが50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくはRaが1nm以下かつRyが20nm以下である。透明基材の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨などの機械加工によって平滑にすることもできる。また、透明導電層の塗布、接着性を向上させるため、透明基材に対しコロナ、プラズマ、UV/オゾンによる表面処理をしてもよい。ここで、表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から算出することができる。
また、大気中の酸素、水分を遮断する目的でガスバリア層を設けるのが好ましい。ガスバリア層の形成材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物が使用できる。これらの材料は、水蒸気バリア機能のほかに酸素バリア機能も有する。特に、バリア性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。また、ガスバリア層は必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、無機層のみで構成してもよいし、無機層と有機層で構成してもよい。ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。また、ガスバリア層の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10nm〜200nmである。ガスバリア層は透明基材の少なくとも一方の面に設けられ、両面に設けられるのが好ましい。
<陽極の構成>
本実施形態の陽極は、金属及び/又は合金からなるストライプ形状の第一の細線構造部と、同様に金属及び/又は合金からなる第一の連結部13と、塗布法や印刷法を用いて形成されてなる透明導電層とを有する。陽極は、透明基材上に設けられ、例えば第一の細線構造部、透明導電層は透明基材側からこの順に積層されるが、第一の連結部13の形成は特に限定しない。
本実施形態の陽極は、有機EL素子に用いた場合に輝度を向上させる観点から、陽極の導電性面の表面抵抗率は0.01Ω/□以上、100Ω/□以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1Ω/□以上、10Ω/□以下である。
(第一の細線構造部)
本実施形態における第一の細線構造部は、電気抵抗が低いことが好ましく、その材料は通常は10S/cm以上の電気伝導度を有する材料が使用される。かかる導電材料の具体例としては、アルミニウム、銀、クロミニウム、金、銅、タンタル、モリブデン等の金属及び/又はその合金を挙げることができる。これらの中でも、電気導電度の高さ、及び材料のハンドリングの容易さの観点から、アルミニウム、クロミニウム、銅、銀及びその合金が好ましい。
本実施形態では、上述の導電材料からなる複数の細線を、透明基材の表面に、ストライプ型に配置して第一の細線構造部とする。このように複数の細線を配置することで導電性面を作製して通電性を向上している。この際、発光領域から延在する形で、接合領域より内側である封止領域よりも外側の配線電極領域まで配置する。これは、本形態の電極構成は屈曲性に優れるため、フレキシブル有機EL素子の作製も可能だが、この配置にすることでよりフレキシブル耐性の強いデバイスが実現できるからである。有機EL素子を設けたフレキシブル基材と封止基材を貼り合せるために、発光領域を囲むように接着剤が形成された領域(接合領域)がある。このような有機EL素子を曲げると、接着剤が形成された接合領域で周辺よりも負荷(応力)が掛かりやすい。この時、接着剤がフレキシブル基材と密着性の弱い金属膜と多く接していると、この膜をきっかけに基材同士が剥れることがある。そのため、接着剤は透明基材と極力接することが可能な上述の形態を取るのが好ましい。この剥れの問題は、以降の透明電極層や有機EL層など有機EL素子を構成する全ての層に同様であり、接合領域には堆積しない形態が好ましい。
第一の細線構造部の金属や合金からなる細線の幅は、特にこだわらないが、0.1μmから1000μmの間が好ましい。隣り合う細線は、50μmから5cmの間隔のピッチで配置されていることが好ましく、特に、100μm以上、1cm以下のピッチが好ましい。
ここで、第一の細線構造部が発光領域に配置されると、透明基材の光の透過率が減少する。この減少は出来るだけ小さいことが重要で、細線の間隔を狭くしすぎたり、細線幅を大きく取りすぎたりすることなく、好ましくは80%以上の光の透過率が確保出来るように細線の間隔は細線幅を設定することが重要である。細線幅と細線間隔の関係については、細線幅は、その平面配置上、目的に応じて決めればよいが、細線間隔の1/10000以上、1/5以下が好ましく、さらに好ましくは1/100以上、1/10以下である。
第一細線構造部の高さ(厚み)は、0.05μm以上、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上、1μm以下である。細線幅と細線高さの関係については、細線高さは所望の導電性に応じて決めればよいが、細線幅の1/10000以上、10倍以下の範囲で好ましく用いられる。また、第一及び第二の細線構造部は必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、同一導電材料のみで構成してもよいし、異なる導電材料で構成してもよい。
(第一の連結部)
本実施形態における第一の連結部は、第一の細線構造部にそれぞれ垂直に横切る様に配置している。さらに、第一の連結部は発光領域と接着剤との間に1本以上形成させる。金属機能層としては、細線構造部と同様に電気抵抗が低いことが好ましく、その材料は通常は10S/cm以上の電気伝導度を有する材料が使用される。かかる導電材料の具体例としては、アルミニウム、銀、クロミニウム、金、銅、タンタル、モリブデン等の金属及び/又はその合金を挙げることができる。これらの中でも、細線構造部と電気的に接するため、第一の連結部と第一の細線構造部の接触抵抗がなるべく小さい材料を選択するのが好ましく、各細線構造部と同じ材料にて形成することがより好ましい。
本実施形態における第一の連結部の線幅として、第一の細線構造部に垂直な方向は各細線構造部を横切る様に、平行方向は発光領域と接着剤の形成領域の間に収まる範囲に、それぞれ線幅を選択することができる。そのため、第一の連結部は1本に限定する必要はない。
第一の連結部の高さ(厚み)は、0.05μm以上、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上、1μm以下である。細線幅と細線高さの関係については、細線高さは所望の導電性に応じて決めればよいが、細線幅の1/10000以上、10倍以下の範囲で好ましく用いられる。また、第一の連結部は必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、同一導電材料のみで構成してもよいし、異なる導電材料で構成してもよい。
(透明導電層)
透明導電層を塗布法により形成する際に用いられる溶液は、透明導電層となる材料と溶媒とを含む。透明導電層は導電性を示す高分子化合物を含むことが好ましい。該高分子化合物は、ドーパントを含有していてもよい。該高分子化合物の導電性は通常、導電率で10−5S/cm〜10S/cmであり、好ましくは10−3S/cm〜10S/cmである。また、透明導電層は、実質的に導電性を示す高分子化合物から成ることが好ましい。透明導電層の構成材料としては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、等を挙げることができる。ドーパントとしては、公知のドーパントを用いることができ、その例としては、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸、PF5、AsF5、SbF5等のルイス酸が挙げられる。また導電性を示す高分子化合物は、ドーパントが高分子化合物に直接結合した自己ドープ型の高分子化合物であってもよい。
透明導電層は、ポリチオフェン及び/又はポリチオフェンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的にポリチオフェン及び/又はポリチオフェンの誘導体から成ることが好ましい(ポリチオフェン及び/又はポリチオフェンの誘導体はドーパントを含有していてもよい)。ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、又は、ポリチオフェンとポリチオフェンの誘導体との混合物は、水及びアルコールなどの水系溶媒に溶解、もしくは分散しやすいので、塗布法に用いられる塗布液の溶質として好適に用いられる。またこれらは導電性が高く、電極材料として好適に用いられる。さらにこれらは、HOMOエネルギーが5.0eV程度であり、通常の有機EL素子に用いられる有機発光層のHOMOエネルギーとの差が1eV程度と低く、有機発光層に正孔を効率的に注入することができるので、特に、陽極の材料として好適に用いることができる。また、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
透明導電層は、ポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的にポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体から構成されることが好ましい(ポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体はドーパントを含有していてもよい)。ポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体は、導電性及び安定性に優れるために、電極材料として好適に用いられる。また、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
<陽極の製造方法>
本実施形態にかかる、陽極の製造方法について説明する。
本実施形態では、陽極は透明基材上に設けられ、陽極は、透明基材上に対し第一の細線構造部、第一の連結部、透明導電層の順に形成して製造される。但し、第一の連結部の形成順はこれに限定されるものではない。ここで、平面視において、透明基材上の領域は、中央側の発光領域、その発光領域を囲む接合領域、接合領域よりも外側の配線電極形成領域を有する(図1参照)。
本実施形態にかかる陽極の製造方法では、まず、前述した透明基材の一方の面側に、前述したストライプ型の第一の細線構造部を形成する。第一の細線構造部は、発光領域に形成すると共に、配線電極形成領域まで延在させる。
第一の細線構造部を形成する方法として、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法といったドライ成膜が挙げられる。ここで、これらの製法を用いてストライプ型にパターニングする場合には、安価且つ工程数が少なく形成可能なメタルマスクを使用することが好ましい。
また、第一の細線構造部となる材料を含む溶液を用いた成膜を挙げることができる。成膜を形成するために用いられる溶媒としては、第一の細線構造部となる材料を溶解させるものであれば、特に制限はない。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、ノズルプリント法、インクジェットプリント法などの塗布法を挙げることができる。特に、前述したパターンを容易に形成でき、且つ材料利用効率が高い成膜方法が好ましい。適宜選択可能であるが、ノズルプリント法、スリットコート法などの吐出による塗布法が好適である。その後、乾燥固化して第一の細線構造部が形成される。
次いで、第一の細線構造部を形成した透明基材上での発光領域と透明基材と貼り合せる封止基材(詳細は後述する)の接着剤が形成される接合領域の間に、第一の連結部を第一の細線構造部と同様の製法で成膜する。
次いで、第一の細線構造部を形成した透明基材上での陽極の形成領域に、塗布導電材料を塗布して、透明基材上に透明導電層を成膜する。この際、透明導電層の形成領域は、第一の細線構造部が外周領域まで形成され配線電極の機能を果しているため、前述で記載した接着剤領域の密着性や材料使用量低減などを考慮すると発光領域のみ形成するのが好ましい。
成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの塗布法を挙げることができる。特に、陽極の形成領域を全面に渡って成膜するため、一様に塗布成膜する方法が好ましい。この観点から、スピンコート法、バーコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布法が好適である。
次いで、陽極となる塗布導電材料が塗布された透明基材を、乾燥処理室内で、例えば100℃以上の温度条件で加熱処理する。これにより、塗布導電材料溶液に含まれる溶媒を気化させることで、第一の細線構造部を形成した透明基材の上に塗布導電材料を固着させて、透明導電層を形成する。
<発光機能層の構成>
本実施形態の有機発光層を含む発光機能層の層構成としては、例えば以下のような構成を例示できる。
有機発光層、
正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層、
正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層、
正孔注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層、
正孔注入層/有機発光層/電子注入層、
ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下の説明においても同様である。
本実施形態の発光機能層は、2層以上の有機発光層(発光機能層)を有していてもよく、2層の有機発光層を有する発光機能層としては、以下に示す層構成を挙げることができる。
電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層
また、3層以上の有機発光層を有する発光機能層としては、具体的には、(電荷発生層/電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層)を一つの繰り返し単位として、以下に示す前記繰り返し単位を2つ以上含む層構成を挙げることができる。
電荷注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電荷注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・
上記層構成において、有機発光層以外の各層は必要に応じて削除することができる。
ここで、電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば、酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデンなどからなる薄膜を挙げることができる。
以下、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層について説明する。
(透明導電層と有機発光層との間に設けられる層)
必要に応じて透明導電層と有機発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられる。正孔注入層は、透明導電層からの正孔注入効率を改善する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔注入層又は陽極により近い層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。また、正孔注入層又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を電子ブロック層と称することがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である、
(正孔注入層)
正孔注入層は、透明導電層と正孔輸送層との間、又は透明導電層と有機発光層との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化モリブデン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔注入層の成膜方法としては、例えば、正孔注入層となる材料(正孔注入材料)を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔注入材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル系溶媒、及び水を挙げることができる。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法などの塗布法を挙げることができる。
また、正孔注入層の厚みとしては、5〜300nm程度であることが好ましい。この厚みが5nm未満では、製造が困難になる傾向があり、他方、300nmを越えると、駆動電圧、及び正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
これらの中でも、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましい。低分子の正孔輸送材料の場合は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
正孔輸送層の厚みは、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、1〜1000nm程度であることが好ましい。この厚みが前記下限値未満となると、製造が困難になる、又は正孔輸送の効果が十分に得られないなどの傾向があり、他方、前記上限値を超えると、駆動電圧及び正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向がある。したがって正孔輸送層の厚みは、好ましくは、1〜1000nmであるが、より好ましくは、2〜500nmであり、さらに好ましくは、5〜200nmである。
(有機発光層)
有機発光層は、主として蛍光又は燐光を発光する有機物(低分子化合物及び高分子化合物)を有する。なお、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。本実施形態において用いることができる有機発光層を形成する材料としては、例えば以下のものが挙げられる。
「色素系材料」
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
「金属錯体系材料」
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、Beなど又はTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
「高分子系材料」
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。
「ドーパント材料」
有機発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させる目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクドリン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、有機発光層の厚さは、通常約2〜200nmである。
有機発光層の成膜方法としては、有機発光材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、有機発光材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
(反射電極と発光層との間に設けられる層)
必要に応じて反射電極と有機発光層の間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられる。反射電極と有機発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、反射電極に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。
電子注入層は、反射電極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、反射電極、電子注入層又は陰極反射電極により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
(電子輸送層)
電子輸送層を構成する電子輸送材料としては、公知のものを使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン若しくはその誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体などを挙げることができる。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の電子輸送材料では、高分子バインダーと電子輸送材料とを含む混合液からの成膜を挙げることができ、高分子の電子輸送材料では、電子輸送材料を含む溶液からの成膜を挙げることができる。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、電子輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層の項で例示した溶媒をその一例として挙げることができる。溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができる。
電子輸送層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、少なくともピンホールが発しないような厚さが必要である。膜厚として、例えば、1〜1000nm程度であることが好ましく、より好ましくは、2〜500nmであり、さらに好ましくは、5〜200nmである。
(電子注入層)
電子注入層を構成する材料としては、有機発光層の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうちの1種類以上含む合金、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、又はこれらの物質の混合物などを挙げることができる。アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物、及び炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルブジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウムなどを挙げることができる。また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、及び炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよく、例えばフッ化リチウム/カルシウムなどを挙げることができる。電子注入層は、各種蒸着法、スパッタリング法、各種塗布法などにより形成される。電子注入層の膜厚としては、1〜1000nm程度が好ましい。
<陰極の構成>
本実施形態の陰極は、発光領域を覆うように発光機能層上に形成する反射電極と、金属及び/又は合金からなるストライプ形状の第二の細線構造部と、同様に金属及び/又は合金からなる第二の連結部とを有する。これら陰極を構成する3つの層は導通していることが条件であるが、全ての電極層が同領域で交わる必要はなく配置できる。例えば、反射電極と第二の細線構造部は互いに接することのない領域に形成した場合、これら2つの電極層の各形成領域の一部と接するように第二の連結部を形成することで、導通した陰極形態を可能とする。また、第二の細線構造部及び第二の連結部の形成は発光機能層上に形成する必要がないため、陽極を構成する第一の細線構造部及び第一の連結部の形成と同時に成膜しても良い。以降、反射電極及び第二の細線構造に関しての詳細を記載するが、陰極として形成する第二の連結部は陽極に用いた構成と説明が類似しているため省略する。
(反射電極)
反射電極の材料としては、仕事関数が小さく、有機発光層への電子注入が容易な材料及び/又は電気導電度が高い材料及び/又は可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物、酸化亜鉛等の無機半導体などを挙げることができる。
上記金属としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属やIII−b属金属等を用いることができる。これらの金属の具体的例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることができる。
また、合金としては、上記金属の少なくとも一種を含む合金を挙げることができ、具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を挙げることができる。
反射電極の膜厚は、電気導電度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば、10〜10000nmであり、好ましくは20〜1000nmであり、さらに好ましくは、50〜500nmである。
(第二の細線構造)
本実施形態における第二の細線構造部は、第一の細線構造と同様な材料及び形状で形成される。但し、配置は発光領域に形成する必要はなく、反射電極及び/又は陰極用の金属機能層と接する位置から延在する形で、封止領域よりも外の配線電極領域まで配置する。また、線幅やピッチ間隔、膜厚は第一の細線構造と比較すると制約範囲は広い。線幅は0.1μmから1000μmの間、隣り合う細線は50μmから5cmの間隔のピッチで配置されていることが好ましい。膜厚は0.05μm以上、10μm以下の範囲が好ましく用いられる。
(封止構造)
続いて、接着剤を用いて封止基材上に接着層を形成した後、貼り合せることで発光領域の封止を行う。最初に透明基材11側に接着層を形成しても良い。接着層として、熱硬化型の接着層も使用することができるが、有機ELを構成する材料への影響を鑑みると光硬化型の接着剤が好ましい。例えば、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤などが挙げられ、中でも酸素による阻害がなく、光照射後も重合反応が進行するカチオン系接着剤が好ましい。カチオン系硬化型タイプとしては、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が好ましく、また、100mW/cm以上の紫外線を照射した際に、10〜90秒以内に硬化する紫外線硬化型接着剤が特に好ましい。この時間内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への影響を排除しつつ、接着剤が充分に硬化して適切な接着強度を備えることができる。また、生産工程の効率の観点からも、前述した時間範囲内であることが好ましい。また、接着剤の種類に関わらず、低透湿性且つ高接着性のものが好ましい。接着層を封止基材上に形成する方法の一例として、ディスペンス法、押出ラミネート法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。接着層の厚みとしては特に制限はないが、薄膜であることが好ましく1〜100μmであり、特に好ましくは5〜50μmである。
封止基材としては、透明性が必要なトップエミッション型の有機EL素子の場合にはガラス、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのプラスチックフィルムを用いることができ、特に透明性が必要ないボトムエミッション型の有機EL素子の場合には上記の材料に加えてステンレスやアルミなどの金属材料や不透明なガラス、プラスチック材料を用いることができる。
以上により有機EL発光装置は構成される。
また、本実施形態における有機EL発光装置は、自発光型ディスプレイ、液晶用バックライト、照明等に用いることができる。
<作用効果その他>
次に、上述したような透明電極の構成とその製造方法を用いた場合の作用効果について、図1を参照して説明する。
図1に透明基材11上にストライプ型の第一の細線構造部12、第一の連結部13、透明導電層14から成る陽極、反射電極層15、第二の細線構造部16、第二の連結部17から成る陰極を形成した概略平面図を示す。分かりやすくするため、発光機能層、封止基材、接着剤は省略し、発光領域、封止基材配置領域18、接合領域19のみ示している。
図1に示すように、透明基材11上には第一の細線構造部12を配線電極の機能も担うように、発光領域から封止基材配置領域18にまで延在させ形成している。その後、発光領域と接合領域19の間に位置し、さらに第一の細線構造部12と垂直に横切る様に第一の連結部13を形成する。その後、透明導電層14を、発光領域に形成し、陽極を作製する。また、陰極用の第二の細線構造部16及び第二の連結部17は陽極形成と同時に形成しても良いし、陰極形成時に別途形成しても良い。反射電極層15は、有機EL層を形成した後に発光領域を覆い、且つ第二の連結部17及び第二の細線構造部16と電気的に接合するように形成される。これにより陰極が作製される。更に、接着剤を接合領域19に配置し、その接着剤を介して、透明基材11と封止基材を貼り合わせて、基材同士を接合する。
ここで、本実施形態の電極において、発光領域外の一部で各細線構造部が断線する恐れがある。例えば、作製工程中で透明導電層や有機EL層を塗布形成する場合、発光領域外にも滴下された膜を除去するために拭取り処理を行うと配線へ傷が入る可能性がある。また、反射電極などをメタルマスク蒸着により形成する工程においても、基材へ堆積しない領域はメタルマスクで遮蔽するため、マスク面と接した配線部が傷つくことがある。さらに、フィルム基材を用いたフレキシブル有機EL素子に適応した際は、フレキシブル耐性に強いデバイス形態で作製しても、曲げを繰返すことで接着剤下に位置する細線構造の一部の膜を剥す可能性がある。
しかし、このような作製工程中や完成後の取扱いにより発光領域外の各細線構造部の一部で断線が生じても、発光領域へ電流が流れ込む手前に第一及び第二の連結部を設けることで一度電流が集約されるため、発光領域内には均一に電流を流すことが可能となる。これにより、長期的に均一な発光面を保持し、さらに、屈曲性に優れた有機EL発光装置が得られる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る有機EL発光装置について説明する。
<透明電極の構成>
第2の実施形態に係る発光装置の構成及び製造方法は、上述した第1の実施形態と基本構成が同じである。ただし、陽極の電極構成において、第一の細線構造部の平面構成に関して第1の実施形態と異なる。そのため、図2を参照し、陽極の構成を説明し、その他については省略する。
上述した第1の実施形態においては、一様な第一の細線構造部を形成する構成を説明した。第2の実施形態においては、第一の細線構造部の細線の本数が第一の連結部を境に発光領域側と非発光領域側(接合領域側)とで異なることを特徴とする。
第一の細線構造部12は、透明基材11上における第一の連結部13を挟んで接合領域19側の領域B,Bに位置する細線の密度が、透明基材11上における第一の連結部13を挟んで発光領域側の領域Aに位置する細線の密度より小さく構成されている。すなわち、第一の細線構造部12をなす13本の細線12a2〜12m2のうち、接合領域19の外側には、5本の細線12a2,12d2,12g2,12j2,12m2が延在するように構成されている。一方、透明基材11上で発光領域を挟んだ左右2本の第一の連結部13,13の間には、8本の細線12b2,12c2,12e2,12f2,12h2,12i2,12k2,12l2が配設されている。8本の細線12b2,12c2,12e2,12f2,12h2,12i2,12k2,12l2は、接合領域19の外側に延在しないように構成されている。このように、第一の細線構造部12に関し、発光領域側の細線の本数が、非発光領域側(接合領域側)の細線の本数より少ない。
図2に示す例では、第一の細線構造部12が第一の連結部13を境に非発光領域側の細線の本数を減らすことで、非発光領域において、第一の細線構造部12の透明基材11上における密度が小さくなるよう形成している。このとき、配線電極として必要な抵抗値によって制限はあるが、低減させる効果を鑑みると、発光領域に対する非発光領域での本数を、1/2以下の本数にすることが好ましく、また1/3以下の本数にすることがより好ましい。
<作用効果その他>
ここで上述の図2における透明電極の構成を用いた場合の作用効果について説明する。
本実施形態のように、第一の連結部13を境に非発光領域側において、第一の細線構造部12の透明基材11上での密度が小さくなるよう形成することによって、第1の実施形態の構成と比較すると、第一の細線構造部12と接着剤が密着する領域が低減し、透明基材11と接着剤が密着する領域が増えるため、さらに密着性が向上する。また、第一の細線構造部12の形状に関わらず、透明基材11上に形成される細線構造部12の体積(若しくは面積)が低減するため、第一の細線構造部12の材料使用量を低減させることができるためより好ましい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
11…透明基材
12…第一の細線構造部
12a1〜12m1,12a2〜12m2…細線
13…第一の連結部
14…透明導電層
15…反射電極層
16…第二の細線構造部
16a〜16g…細線
17…第二の連結部
18…封止基材配置領域
19…接合領域
A…発光領域側の領域
B…接合領域側の領域

Claims (14)

  1. 透明基材と、
    該透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第一の細線構造部と、
    該第一の細線構造部上に形成された透明導電層と、
    該透明導電層上に積層された発光機能層と、
    該発光機能層上に形成された反射電極層と、
    前記透明基材の一方の面上において前記透明基材と接合し、前記透明基材とともに前記第一の細線構造部、前記透明導電層、前記発光機能層及び前記反射電極層を封止する封止基材と、
    を備え、前記透明基材の一方の面上であって、前記発光機能層が積層される発光領域と、前記透明基材と前記封止基材とが接合する接合領域との間に、前記第一の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第一の連結部が少なくとも1個以上設けられたことを特徴とする発光装置。
  2. 前記第一の細線構造部をなす複数の細線は、前記透明基材上にストライプ状に配置され、
    前記第一の連結部は、平面視において長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が前記第一の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第一の細線構造部は、前記発光領域に形成されて前記発光機能層に接続されるとともに、前記接合領域の外側に延在して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第一の細線構造部は、前記透明基材上における前記第一の連結部を挟んで前記接合領域側に位置する細線の密度が、前記透明基材上における前記第一の連結部を挟んで前記発光領域側に位置する細線の密度より小さく構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記透明基材の一方の面上には、互いに間隔を空けて並設された複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部が形成され、
    前記発光領域と前記接合領域との間に、前記第二の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第二の連結部が少なくとも1個以上設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記第二の細線構造部をなす複数の細線は、前記透明基材上にストライプ状に配置され、
    前記第二の連結部は、平面視において長方形状とされるとともに、長方形の長辺方向が前記第二の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記第二の細線構造部と前記反射電極層と前記第二の連結部とは電気的に接続され、
    前記第二の細線構造部は、前記接合領域の外側に延在して形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の発光装置。
  8. 透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて複数の導電性を有する細線を並設して第一の細線構造部を形成する工程と、
    形成された前記第一の細線構造部上に透明導電層を形成する工程と、
    形成された前記透明導電層上に発光機能層を積層する工程と、
    積層された前記発光機能層上に反射電極層を形成する工程と、
    形成された前記透明基材の一方の面上に封止基材を接合する工程と、を備える発光装置の製造方法において、
    前記透明基材の一方の面上であって、前記発光機能層が積層される発光領域と、前記透明基材と前記封止基材とが接合する接合領域との間に、前記第一の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第一の連結部を少なくとも1個以上設ける工程を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  9. 前記第一の細線構造部を形成する工程において、前記第一の細線構造部をなす複数の細線を、前記透明基材上にストライプ状に配置し、
    前記第一の連結部を少なくとも1個以上設ける工程において、平面視において長方形状の前記第一の連結部を、長辺方向が前記第一の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設することを特徴とする請求項8に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記第一の細線構造部を形成する工程において、前記第一の細線構造部を、前記発光領域に形成して前記発光機能層に接続させるとともに、前記接合領域の外側に延在させることを特徴とする請求項8又は9に記載の発光装置の製造方法。
  11. 前記第一の細線構造部を形成する工程において、前記第一の細線構造部をなす複数の細線を、前記透明基材上における前記第一の連結部を挟んで前記接合領域側に位置する細線の密度が、前記透明基材上における前記第一の連結部を挟んで前記発光領域側に位置する細線の密度より小さくなるように並設することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  12. 前記透明基材の一方の面上に互いに間隔を空けて複数の導電性を有する細線からなる第二の細線構造部を並設して第二の細線構造部を形成する工程と、
    前記透明基材の一方の面上であって、前記発光領域と前記接合領域との間に、前記第二の細線構造部をなす複数の細線を電気的に接続する第二の連結部を少なくとも1個以上設ける工程と、を備えることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
  13. 前記第二の細線構造部を形成する工程において、前記第二の細線構造部をなす複数の細線を、前記透明基材上にストライプ状に配置し、
    前記第二の連結部を少なくとも1個以上設ける工程において、平面視において長方形状の前記第二の連結部を、長辺方向が前記第二の細線構造部をなす複数の細線の延在方向に直交する向きに配設することを特徴とする請求項12に記載の発光装置の製造方法。
  14. 前記第二の細線構造部と前記反射電極層と前記第二の連結部とを電気的に接続する工程を備え、
    前記第二の細線構造部を形成する工程において、前記第二の細線構造部を、前記接合領域の外側に延在させることを特徴とする請求項12又は13に記載の発光装置の製造方法。
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