JP2017098185A - 透明電極、透明電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子、透明電極の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

透明電極、透明電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子、透明電極の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低抵抗化と電流リークの抑制を両立できる透明電極を提供する。【解決手段】透明基材2と、透明基材1上に配置され、導電材料で形成された第一導電層3と、この第一導電層3上に配置され、導電材料で形成された第二導電層4と、を含む細線構造5と、透明基材2及び細線構造5上に配置された透明導電層6と、によって透明電極1を構成する。第一導電層3の体積抵抗率は、第二導電層4の体積抵抗率よりも大きく、且つ、第二導電層4は、第一導電層を被覆している。【選択図】図1

Description

近年、液晶表示素子(Liquid Crystal Display:LCD)に続く次世代表示デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも記す)等の自発光素子を二次元配列した発光素子型の表示パネルを備えた発光装置の研究開発が行われている。
有機EL素子は、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に形成される、例えば、有機発光層、正孔注入層等を有する有機EL層(発光機能層)を備える。また、有機EL素子は、有機発光層において正孔と電子が再結合することによって発生するエネルギーにより発光する。
有機EL素子の光を取り出す側の透明電極は、一般的に、錫ドープ酸化インジウム(Indium Thin Oxide:以下、「ITO」とも記す)や亜鉛ドープ酸化インジウム(Indium Zinc Oxide: 以下、「IZO」とも記す)等の膜を用いて形成される。低抵抗の透明電極を得るためには、透明電極に用いられる膜の厚さを厚く、かつ均一にしなければならない。膜厚が厚く、均一な膜を有する透明電極では、光透過率の減少、価格の高騰、形成プロセスにおける高温処理の手間等が発生する。このため、特に、膜を用いて形成される透明電極の低抵抗化には限界があった(例えば、特許文献1を参照)。
このため、近年では、ITOを用いない透明電極の技術が開示されている。このような透明電極の技術では、例えば、金属または合金の細線構造を形成し、その上に、例えば、導電性高分子材料を適当な溶媒に溶解または分散したインクを、塗布法や印刷法を用いて塗布することによって透明導電層を形成する。このような技術は、例えば、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されている。
特開平10−162961号公報 特開2005−302508号公報 特開2006−93123号公報 特願2012−509433号公報
ところで、上述した透明電極において、フォトリソグラフィー法にてパターン形成した細線構造は、エッジ部が立ち易くシャープな形状となる。このため、導電性高分子材料を含んだインクが、上層の透明導電層で細線構造を十分に被覆することができず、エッジ部を起点として電流リークが生じるという課題を有していた。
また、塗布法または印刷法にてパターン形成された細線構造は、材料に金属インクが用いられる。そのため、インクに含まれる溶媒や金属粒子の保護剤などが各金属粒子の導電ネットワークを阻害し、導電性を下げてしまい透明電極の低抵抗化が難しいという問題があった。加えて、体積抵抗を極力下げるために、溶媒等を十分に揮発させたいが、焼成温度を高めると、選択できる基材が限定されてしまうという課題も有していた。
本発明は、このような点を解決しようとするものであり、低抵抗化と電流リークの抑制を両立できる透明電極、透明電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子、透明電極の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の透明電極は、透明基材と、前記透明基材上に配置され、導電材料で形成された第一導電層と、当該第一導電層上に配置され、導電材料で形成された第二導電層と、を含む細線構造と、前記透明基材及び前記細線構造上に配置された透明導電層と、を備え、前記第一導電層の体積抵抗率は、前記第二導電層の体積抵抗率よりも大きく、且つ、前記第二導電層が前記第一導電層を被覆している。
本発明の一態様の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記態様の透明電極を備えている。
本発明の透明電極の製造方法の一態様は、透明基材上に、導電材料で形成された第一導電層と、当該第一導電層上に配置され、導電材料で形成された第二導電層と、を含む細線構造を形成する工程と、前記透明基材及び前記細線構造上に透明導電層を形成する工程と、を含み、前記第一導電層の体積抵抗率は、前記第二導電層の体積抵抗率よりも大きく、且つ、前記第二導電層が前記第一導電層を被覆している。
本発明の一態様の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、上記態様の透明電極の製造方法の工程を含んでいる。
上記態様により、本発明は、透明電極の低抵抗化と電流リークの抑制を両立することが可能な透明電極、透明電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子、透明電極の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態の透明電極の構成を示す断面図である 図1に示した透明電極を使って製造された有機EL素子を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[透明電極]
(全体構成)
図1は、本実施形態の透明電極1の構成を示す図である。図1に示すように、透明電極1は、透明基材2と、第一導電層3及び第二導電層4から成る細線構造5と、透明導電層6と、を備えている。透明電極1は、透明基材2、第一導電層3、第二導電層4及び透明導電層6が、透明基材2側からこの順に形成されている。
第一導電層3は、導電材料をドライプロセスやめっき法によって第1導電層3を形成すべき領域の全面に堆積して導電材料膜を形成(ベタ形成)した後、フォトリソグラフィー法にてパターニングすることによって形成される。第二導電層4は、導電材料を塗布法または印刷法を用いて、第一導電層を被覆する様に形成されている。各成膜法にて形成される第一導電層3及び第二導電層4は、導電材料及び形状に違いがあり、それぞれの利点を取り入れることを目的として細線構造5は積層構造となっている。
なお、ドライプロセスとしては、蒸着またはスパッタリングが採用される。
また、本実施形態の透明電極1は、有機EL素子に用いた場合に輝度を向上させる観点から、透明電極1の導電性面の表面抵抗率は、0.01Ω/□以上100Ω/□以下の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1Ω/□以上10Ω/□以下の範囲内である。
また、本実施形態の透明電極1は、LCD、エレクトロルミネッセンス素子、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル等の透明電極、電子ペーパー、電磁波遮蔽材等に用いることが可能であるが、導電性、透明性に優れ、また、平滑性も高いため、有機EL素子に用いることが好ましい。
以下、透明電極1の各層を、形成の順序に沿って説明する。
(透明基材)
透明基材2としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス等を用いることが可能である。透明基材2に用いるプラスチックフィルム及びプラチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることが可能である。
透明基材2は、表面平滑性に優れているものが好ましい。具体的には、透明基材2の表面の平滑性は、算術平均粗さRaが5nm以下であるとともに、最大高さRyが50nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、算術平均粗さRaが1nm以下であるとともに、最大高さRyが20nm以下である。
また、透明基材2の表面は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等の下塗り層を付与して平滑化してもよいし、研磨等の機械加工によって平滑にしてもよい。また、透明基材2の表面は、透明導電層6の塗布、接着性を向上させるために、コロナ、プラズマ、UV/オゾンによる表面処理をしてもよい。ここで、透明基材2の表面の平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)等による測定から算出することが可能である。
また、透明基材2には、大気中の酸素や水分を遮断する目的で、ガスバリア層を設けることが好ましい。
この場合、ガスバリア層の形成材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、金属窒化物等を用いることが可能である。これらの材料は、水蒸気バリア機能の他に、酸素バリア機能も有する。特に、バリア性、耐溶剤性、透明性が良好な窒化シリコン、酸化窒化シリコンが好ましい。
また、ガスバリア層は、必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、無機層のみで構成してもよいし、無機層と有機層で構成してもよい。
また、ガスバリア層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることが可能である。また、ガスバリア層の厚みに関しては、特に限定されないが、1層あたり5nm以上500nm以下の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、1層あたり10nm以上200nm以下の範囲内である。
また、ガスバリア層は、透明基材2の少なくとも一方の面に設けられ、透明基材2の両面に設けられるのがさらに好ましい。
(第一導電層)
第一導電層3の導電材料としては、金属または合金が選択される。第一導電層3に含まれる導電材料の濃度は、第二導電層4に含まれる導電材料の濃度より高い。第一導電層3は、導電材料を使ってドライプロセスまたはめっき法を用いて形成された導電材料膜をフォトリソグラフィーによってパターにングすることによって形成される。
第一導電層3では、例え成膜中に不純物が混在しても、形成された膜に占める導電材料の濃度は、95質量%以上を保つことができる。そのため、第一導電層3は金属が本来持つ体積抵抗率に近い物性が得られるため、電極の低抵抗化を実現することができる。このような第一導電層3の体積抵抗率は、第二導電層4の体積抵抗率よりも高いものとなる。
第一導電層3の材料としては、10-6Ω・cmオーダーの体積抵抗率を有する導電材料を用いることが好ましい。導電材料としては、例えば、アルミニウム、銀、金、銅の金属や、これらの金属の合金を用いることが好ましい。
また、第一導電層3は、必要に応じて多層構成にすることも可能である。その場合、少なくとも一層に、上記した導電材料を用いていれば良い。
第一導電層3を形成する場合、先ず、金属または合金の導電材料を蒸着またはスパッタリング、無電解メッキすることによって透明基材2上に所定の厚さ堆積させて導電材料膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー法にて、導電材料膜を所望の形状にパターニングする工程を行う。パター二ングの工程では、感光性エッチングレジストを堆積膜の全面に塗布した後、パターンマスクを密着させて露光し、その後現像液で露光し、露光部と未露光部との溶解度差を利用してレジストパターンを形成する。さらにエッチング液でパターン部分を除いた導電材料膜を溶出させ、第一導電層3を形成する。
(第二導電層)
第二導電層4の導電材料としては、溶媒に金属粒子が分散されたインクが用いられる。インクに分散される金属粒子としては、例えば、卑金属又は貴金属のコロイド粒子が挙げられる。卑金属としては、例えば、ニッケル、チタン、コバルト、銅、クロム、マンガン、鉄、ジルコニウム、スズ、タングステン、モリブデン、バナジウム等を挙げることができる。貴金属としては、例えば、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム等を挙げることができる。上記卑金属又は貴金属のコロイド粒子の中でも、銅、銀がより好ましい。
溶媒としては金属粒子を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、有機溶媒等を挙げることができる。有機溶媒等としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類等を挙げることができ、単独でも2種以上を混合して用いても、又水と混合して用いても良い。また、芳香族炭化水素溶剤も用いることができ、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
第二導電層4を形成する方法としては、例えば、第二導電層4となる材料を含む溶液からの成膜を用いることが可能である。この場合、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、第二導電層4となる材料を溶解させるものであれば、特に制限はない。また、溶液からの成膜方法としては、例えば、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。その後、乾燥固化させて、第二導電層4を形成する。
第二導電層4に占める導電材料の濃度は、第一導電層3に含まれる導電材料の濃度よりも低い。このため、第二導電層4の体積抵抗率は、第一導電層3の体積抵抗率よりも低くなっている。第二導電層4を形成するインクには、金属粒子以外にも金属粒子の酸化や凝集を防ぐための保護剤や成膜性を高めるための界面活性剤等の添加剤が含まれている。そのため、第二導電層4の導電材料の濃度は添加剤の量に左右され、5質量%以上、95質量%以下の範囲となる。このため、第二導電層4は、第一導電層3ほどの導電性は得られない。
しかし、前述した第一導電層3は、形状をフォトリソグラフィー法にてパターン形成するためにエッジ部が立ち易くシャープな形状に成り易い。このエッジ部の形状を維持したままの透明電極を有機EL素子などの発光デバイスに適応すると、エッジ部を起点とした電流リークが生じる恐れがある。これに対し、第二導電層4の導電材料としてのインクは、透明基材2上へ滴下または転写されると、固化するまでに流動が起きる。このため、第二導電層4の形状は、エッジ部はだれて円弧状となる。このため、細線構造5の最表層に第二導電層4を設けることで、第一導電層3による電流リークが生じることのない透明電極を実現することができる。
(細線構造)
第一導電層3及び第二導電層4は、細線構造5を構成する。細線構造5は、一様な網目状、櫛型またはグリッド型等のパターンで配置され、導電性面を形成して通電性を向上させている。細線構造5の幅は、任意であるが、0.1μm以上、1000μm以下の範囲内程度が好ましい。また、細線構造5は、1μm以上、5cm以下の範囲内の間隔のピッチで配置されていることが好ましく、特に、1μm以上、1cm以下の範囲内の間隔のピッチが好ましい。
金属及び金属の合金のうち少なくとも一方からなる第一導電層3の高さ(厚み)は、0.02μm以上10μm以下の範囲内が好ましく、さらに好ましくは、0.1μm以上1μm以下の範囲内である。
細線構造5を透明基材2に形成することで、光の透過率が減少するが、減少は可能な限り小さいことが重要であるため、細線の間隔を狭くしすぎたり、細線幅を大きく取りすぎたりすることなく、好ましくは、80%以上の光の透過率を確保することが重要である。
また、細線幅と細線間隔の関係について、細線幅は、その平面配置上、目的に応じて決めればよいが、細線間隔の1/10000以上1/5以下の範囲内が好ましく、さらに好ましくは、1/100以上1/10以下の範囲内である。
(透明導電層)
透明導電層6は、塗布法により形成される。透明導電層6に用いられる溶液は、透明導電層6となる材料と溶媒とを含む。
透明導電層6の材料は、導電性を示す高分子化合物を含むことが好ましい。高分子化合物は、ドーパントを含有していてもよい。高分子化合物の導電性は、導電率で10−5以上S/cm、10S/cm以下の範囲内であり、好ましくは10−3S/cm以上、10S/cm以下の範囲内である。また、透明導電層6は、実質的に導電性を示す高分子化合物から成ることが好ましい。
透明導電層6を構成する材料としては、例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等を用いることが可能である。ドーパントとしては、公知のドーパントを用いることが可能であり、その例としては、ポリスチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸、PF、AsF、SbF等のルイス酸が挙げられる。また、導電性を示す高分子化合物は、ドーパントが高分子化合物に直接結合した自己ドープ型の高分子化合物であってもよい。
また、透明導電層6は、ポリチオフェン及びポリチオフェンのうち少なくとも一方の誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的には、ポリチオフェン及びポリチオフェンのうち少なくとも一方の誘導体から成ることが好ましい。なお、ポリチオフェン及びポリチオフェンのうち少なくとも一方の誘導体は、ドーパントを含有していてもよい。
ポリチオフェン、ポリチオフェンの誘導体、または、ポリチオフェンとポリチオフェンの誘導体との混合物は、水及びアルコール等の水系溶媒に溶解、もしくは分散しやすいため、塗布法に用いられる塗布液の溶質として好適に用いられる。また、これらは、導電性が高く電極材料として好適に用いられる。さらに、これらは、HOMOエネルギーが5.0eV程度であり、通常の有機EL素子に用いられる有機発光層12のHOMOエネルギーとの差が1eV程度と低く、有機発光層12に正孔を効率的に注入することが可能である。このため、これらは、特に陽極の材料として好適に用いることが可能である。また、これらは、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
また、透明導電層6は、ポリアニリン及びポリアニリンのうち少なくとも一方の誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的には、ポリアニリン及びポリアニリンのうち少なくとも一方の誘導体から成ることが好ましい。なお、ポリアニリン及びポリアニリンのうち少なくとも一方の誘導体は、ドーパントを含有していてもよい。
ポリアニリン及びポリアニリンのうち少なくとも一方の誘導体は、導電性及び安定性に優れるために、電極材料として好適に用いられる。また、透明性が高く、有機EL素子の発光取り出し側の電極として好適に用いられる。
透明導電層6の形成工程では、図1に示すように、細線構造5上を含む透明基材2に透明導電層6の塗布導電材料が塗布される。
透明導電層6の成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。特に、透明電極形成領域11を全面に亘って成膜するため、一様に塗布成膜する方法が好ましく、適宜選択可能であるが、スピンコート法、バーコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布法が好適である。
透明電極が形成される領域の全面に塗布導電材料が塗布された透明基材2は、乾燥処理室内で、例えば、100℃以上の温度条件で加熱処理される。これにより、塗布導電材料を含む溶液に含まれる溶媒が気化し、透明基材2及び細線構造5の上に塗布導電材料が固着して透明導電層6が形成される。
[有機EL素子]
次に、本実施形態の有機EL素子の詳細な構成について説明する。
図2は、本実施形態の有機EL素子100の構成を説明するための図である。有機EL素子100は、上述した構成の透明電極1を備え、透明電極1を陽極として用いている。有機EL素子100は、正孔注入層10、正孔輸送層11、有機発光層12、電子輸送層13、電子注入層14及び陰極15を有している。有機発光層12、陰極15については、有機EL素子100に一般的に使われている材料及び構成等、任意のものを用いることが可能である。
有機EL素子100の素子構成としては、例えば、以下に示す(A)〜(E)等、各種の構成のものを用いることが可能である。
(A)陽極/有機発光層/陰極
(B)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極
(C)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極
(D)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(E)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
本発明の明細書において、上記の(A)〜(E)中に示す記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。
また、有機EL素子としては、2層以上の有機発光層を有する構成としてもよい。2層以上の有機発光層を有する有機EL素子としては、例えば、以下の(F)に示す層構成を用いることが可能である。
(F)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/電荷発生層/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
また、3層以上の有機発光層を有する有機EL素子としては、具体的には、(電荷発生層/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層)を、一つの繰り返し単位として、以下の(G)に示す繰り返し単位を2つ以上含む層構成を用いることが可能である。
(G)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/(該繰り返し単位)/(該繰り返し単位)/・・・/陰極
なお、上記した(A)から(G)の各層構成において、陽極、陰極、有機発光層以外の各層は、必要に応じて削除することが可能である。
ここで、電荷発生層とは、電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば、酸化バナジウム、ITO、酸化モリブデン等からなる薄膜を用いることが可能である。
以下、陽極と有機発光層12との間に設けられる層である正孔注入層10、正孔輸送層11と、有機発光層12と、陰極15と有機発光層12との間に設けられる層である電子輸送層13、電子注入層14と、陰極15と、について説明する。
(陽極と有機発光層との間に設けられる層)
(i)正孔注入層
正孔注入層10は、陽極と正孔輸送層11との間、または、陽極と有機発光層12との間に設けることが可能である。
正孔注入層10を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることが可能であり、特に制限はない。したがって、正孔注入層10を構成する材料としては、例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化モリブデン等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等を用いることが可能である。
正孔注入層10は、例えば、正孔注入層10となる材料(正孔注入材料)を含む溶液から成膜することが可能である。溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔注入材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、水を用いることが可能である。
溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スリットコート法、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の塗布法を用いることが可能である。
また、正孔注入層10の厚さとしては、5nm以上300nm以下の範囲内程度であることが好ましい。これは、正孔注入層10の厚さが5nm未満では、製造が困難になる傾向があるためである。一方、正孔注入層10の厚さが300nmを越えると、駆動電圧や、正孔注入層10に印加される電圧が大きくなる傾向があるためである。
(ii)正孔輸送層
正孔輸送層11の正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリシランまたはその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリアリールアミンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)またはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)またはその誘導体等を用いることが可能である。
また、正孔輸送層11に用いる正孔輸送材料としては、上述した材料の中でも、ポリビニルカルバゾールまたはその誘導体、ポリシランまたはその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体ポリアニリン、またはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、ポリアリールアミンまたはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)またはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)またはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましい。なお、低分子の正孔輸送材料の場合は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層11の成膜方法としては、特に制限はないが、低分子の正孔輸送材料では、高分子バインダーと正孔輸送材料とを含む混合液から成膜をすることが可能である。また、高分子の正孔輸送材料では、正孔輸送材料を含む溶液から成膜をすることが可能である。
また、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層10の項で例示した溶媒を、その一例として用いることが可能である。また、溶液からの成膜方法としては、上述した正孔注入層10の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
正孔輸送層11の厚さは、特に制限されないが、目的に応じて適宜設計を変更することが可能であり、例えば、1nm以上、1000nm以下の範囲内程度であることが好ましい。これは、正孔輸送層11の厚さが1nm未満となると、製造が困難になる傾向や、正孔輸送の効果が十分に得られない等の傾向があるためである。一方、正孔輸送層11の厚さが1000nmを超えると、駆動電圧及び正孔輸送層11に印加される電圧が大きくなる傾向があるためである。したがって、正孔輸送層11の厚さは、好ましくは、1nm以上、1000nm以下の範囲内であるが、より好ましくは、2nm以上、500nm以下の範囲内であり、さらに好ましくは、5nm以上、200nm以下の範囲内である。
(有機発光層)
有機発光層12は、主として蛍光または燐光を発光する有機物(低分子化合物及び高分子化合物)を有する。なお、有機発光層12は、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。
有機発光層12を形成する材料としては、例えば、以下のものを用いることが可能である。
(i)色素系材料
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を用いることが可能である。
(ii)金属錯体系材料
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等、または、Tb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等を用いることが可能である。
(iii)高分子系材料
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したもの等を用いることが可能である。
上述した発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
また、上述した発光性材料のうち、緑色に発光する材料としては、キナクドリン誘導体、クマリン誘導体及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
また、上述した発光性材料のうち、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体等を用いることが可能である。
(iv)ドーパント材料
発光効率の向上や発光波長を変化させる目的で、有機発光層12中にドーパントを添加することが可能である。
ドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクドリン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等を用いることが可能である。なお、有機発光層12の厚さは、通常では、約2nm以上200nm以下の範囲内である。
有機発光層12は、有機発光材料を含む溶液から成膜することが可能である。また、溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、有機発光材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層10の項で例示した溶媒を、その一例として用いることが可能である。また、溶液からの成膜方法には、上述した正孔注入層10の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
(有機発光層と陰極との間に設けられる層)
有機発光層12と陰極15との間には、必要に応じて層が設けられる。このような層としては、例えば、電子輸送層13、電子注入層14及び正孔ブロック層等が挙げられる。有機発光層12と陰極15との間に電子輸送層13と電子注入層14の両方の層が設けられる場合、陰極15に接する層を電子注入層14といい、この電子注入層14を除く層を電子輸送層13という。
電子注入層14は、陰極15からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層13は、陰極15、電子注入層14または陰極15により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。
なお、電子輸送層13及び電子注入層14のうち少なくとも一方の層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
(i)電子輸送層13
電子輸送層13を構成する電子輸送材料としては、公知のものを用いることが可能であり、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンまたはその誘導体、ベンゾキノンまたはその誘導体、ナフトキノンまたはその誘導体、アントラキノンまたはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンまたはその誘導体、フルオレノンまたはその誘導体、ジフェニルジシアノエチレンまたはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンまたはその誘導体、ポリキノキサリンまたはその誘導体、ポリフルオレンまたはその誘導体等を用いることが可能である。
これらのうち、電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンまたはその誘導体、アントラキノンまたはその誘導体、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンまたはその誘導体、ポリキノキサリンまたはその誘導体、ポリフルオレンまたはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層13の成膜方法に特に制限はない。ただし、低分子の電子輸送材料では高分子バインダーと電子輸送材料とを含む混合液から電子輸送層13を成膜をすることが可能であり、高分子の電子輸送材料では、電子輸送材料を含む溶液から電子輸送層13を成膜することが可能である。
溶液からの成膜に用いられる溶媒としては、電子輸送材料を溶解させるものであれば、特に制限はなく、正孔注入層10の項で例示した溶媒を用いることが可能である。また、溶液からの成膜には、上述した正孔注入層10の成膜法と同様の塗布法を用いることが可能である。
電子輸送層13の膜厚は、用いる材料によって最適値が異なり、目的に応じて適宜設計を変更することが可能であるが、少なくとも、ピンホールが発しないような膜厚が必要である。したがって、電子輸送層13の膜厚としては、例えば、1nm以上1000nm以下の範囲内程度であることが好ましく、より好ましくは、2nm以上500nm以下の範囲内であり、さらに好ましくは、5nm以上200nm以下の範囲内である。
(ii)電子注入層
電子注入層14を構成する材料としては、有機発光層12の種類に応じて最適な材料が適宜選択され、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のうち少なくとも一つを含む合金、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、または、これらの物質の混合物等を用いることが可能である。
アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルブジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等を用いることが可能である。
また、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等を用いることが可能である。
なお、電子注入層14は、2層以上を積層した積層体で構成されていてもよい。この場合、電子注入層14を構成する材料としては、例えば、フッ化リチウム/カルシウム等を用いることが可能である。また、電子注入層14は、各種蒸着法、スパッタリング法、各種塗布法等により形成される。電子注入層14の膜厚としては、1nm以上、1000nm以下の範囲内程度が好ましい。
(陰極)
陰極15の材料としては、仕事関数が小さく、有機発光層12への電子注入が容易な材料、電気導電度が高い材料、可視光反射率の高い材料のうち、少なくとも一つの材料を用いることが好ましい。具体的には、陰極15の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛等の無機半導体等を用いることが可能である。
また、陰極15の材料として用いる金属としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属やIII−b属金属等を用いることが可能である。これらの金属の具体的な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等を挙げることが可能である。
また、陰極15の材料として用いる合金としては、上述した金属のうち少なくとも一種を含む合金を用いることが可能である。具体的には、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等を用いることが可能である。
陰極15は、必要に応じて透明電極とされるが、それらの材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、ITO、IZO等の導電性酸化物、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体等の導電性有機物を用いることが可能である。
なお、陰極15は、2層以上の積層構造としてもよい。また、電子注入層14を陰極15として用いてもよい。
陰極15の膜厚は、電気導電度や耐久性を考慮して、適宜選択することが可能であるが、例えば、10nm以上、10000nm以下の範囲内であり、好ましくは20nm以上、1000nm以下の範囲内であり、さらに好ましくは、50nm以上、500nm以下の範囲内である。
(有機EL素子の用途)
本実施形態の有機EL素子は、自発光型ディスプレイ、液晶用バックライト、照明等に用いることが可能である。また、本実施形態の有機EL素子は、均一にムラなく発光させることが可能であるため、照明用途で用いることが好ましい。
(作用効果)
次に、上述したような透明電極の構成とその製造方法を用いた場合の作用効果について、有機EL素子との組み合わせた場合で説明する。
第一導電層3に10-6μΩ・cmオーダーの低い体積抵抗を持つ金属膜を選択したことにより、透明電極の表面抵抗も下げることが可能となり、有機EL素子の発光面内において高い輝度均一性が得られる。また、エッジ部が円弧状となる第二導電層4を細線構造5の最上層に設けることで、透明電極の表面に局所的な凹凸がなく、有機EL素子の陰極15との直接的なコンタクトが生じず、電流リークの問題が解消される。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
また、上記本発明の実施形態において、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以上説明した実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
1 透明電極
2 透明基材
3 第一導電層
4 第二導電層
5 細線構造
6 透明導電層
10 正孔注入層
11 正孔輸送層
12 有機発光層
13 電子輸送層
14 電子注入層
15 陰極

Claims (9)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に配置され、導電材料で形成された第一導電層と、当該第一導電層上に配置され、導電材料で形成された第二導電層と、を含む細線構造と、
    前記透明基材及び前記細線構造上に配置された透明導電層と、を備え、
    前記第一導電層の体積抵抗率は、前記第二導電層の体積抵抗率よりも大きく、且つ、前記第二導電層が前記第一導電層を被覆していることを特徴とする透明電極。
  2. 前記第一導電層の導電材料は金属または合金であり、前記第二導電層の導電材料は金属粒子を含み、前記第一導電層に含まれる導電材料の濃度は、前記第二導電層に含まれる導電材料の濃度より高いことを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
  3. 前記第一導電層に含まれる金属または合金の濃度が95質量%以上、前記第二導電層に含まれる金属粒子の濃度が5質量%以上、95質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の透明電極。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載した透明電極を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 透明基材上に、導電材料で形成された第一導電層と、当該第一導電層上に配置され、導電材料で形成された第二導電層と、を含む細線構造を形成する工程と、
    前記透明基材及び前記細線構造上に透明導電層を形成する工程と、を含み、
    前記第一導電層の体積抵抗率は、前記第二導電層の体積抵抗率よりも大きく、且つ、前記第二導電層が前記第一導電層を被覆していることを特徴とする透明電極の製造方法。
  6. 前記第一導電層は、ドライプロセスまたはめっき法を用いて導電材料膜を形成した後、前記導電材料膜をパターニングすることによって形成され、前記第二導電層は、塗布法または印刷法にて形成されることを特徴とする請求項5に記載の透明電極の製造方法。
  7. 前記第一導電層の導電材料は金属または合金であり、前記第二導電層の導電材料は金属粒子を含み、前記第一導電層に含まれる導電材料の濃度は、前記第二導電層に含まれる導電材料の濃度より高いことを特徴とする請求項5または6に記載の透明電極の製造方法。
  8. 前記第一導電層に含まれる金属または合金の濃度が95質量%以上、前記第二導電層に含まれる金属粒子の濃度が5質量%以上、95質量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の透明電極の製造方法。
  9. 請求項5から8のいずれか1項に記載した透明電極の製造方法の工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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