JP2008277506A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、単位電流あたりの発光効率(電流発光効率)のよい有機発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、共役系高分子を含む電子輸送層と共役系高分子を含む正孔輸送層との間に、非共役系高分子を含む発光層を有する有機発光素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は有機発光素子に関する。
有機発光素子は一対の電極からの電流注入によって発光する有機化合物(有機発光材料)を含む素子である。有機発光素子は陰極から供給された電子と陽極から供給された正孔が有機発光材料内で再結合する際のエネルギーを光として外部へ取り出すものである。
主に低分子の有機化合物を用いる有機発光素子(以下、「低分子有機発光素子」と言う)では、低分子化合物薄膜を真空蒸着法で成膜させるため高価で大掛かりな装置が必要である事から、これら低分子有機発光素子とは別に、高分子化合物を用いた有機発光素子(以下、「高分子発光素子」と言う)が提案されている[例えば、非特許文献1〜2]。これら高分子発光素子は、湿式塗布により簡便に有機薄膜を成膜することが出来るので、低分子有機発光素子と比較して、大面積化や低コスト化に有利である。
高い発光輝度を得る為には、より多くの電子と正孔が有機薄膜中を流れる必要がある為、従来は、高分子発光素子の各有機薄膜層が高い電子移動度・正孔移動度を持つ様に工夫されて来た[例えば、特許文献1]。
特開2002-146348号公報 Appl. Phys. Lett., 58 (1991) pp.1982 Jpn. J. Appl. Phys., 30 (1991) pp.L1941
しかしながら、従来の高分子発光素子では、単位電流あたりの発光効率(電流発光効率)が悪いと言う問題点があった。
上記課題を解決する為に鋭意研究を行った結果、共役系高分子を含む電子輸送層及び正孔輸送層と、非共役系高分子を含む発光層とを組み合わせることにより上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、共役系高分子を含む電子輸送層と共役系高分子を含む正孔輸送層との間に、非共役系高分子を含む発光層を有する有機発光素子を提供する。
また、本発明の有機発光素子において、好ましくは前記発光層における電子移動度は前記電子輸送層における電子移動度の1/2以下であり、且つ、前記発光層における正孔移動度は前記正孔輸送層における正孔移動度の1/2以下である。
また、本発明の有機発光素子において、好ましくは非共役系高分子を含む発光層の厚みは40nm以下である。
本発明の効果を図2を用いて説明する。図2の左図は従来の高分子発光素子構造である。この構造では電子輸送層と正孔輸送層における電子・正孔の移動度が高く、多数の電子・正孔が発光層に注入される。さらにこの構造では、発光層における電子・正孔の移動度が高いため、発光層に注入された電子は薄膜内を速やかに移動し、電子数の分布は正孔輸送層との界面に偏る。また、発光層に注入された正孔も同じく速やかに移動し、分布が電子輸送層との界面に偏る。この場合、電子と正孔の分布の位置が異なる為、電子・正孔の再結合確率が低くなり、単位電流あたりの発光効率が低くなる。
一方、図2の右図は本発明の有機発光素子構造である。この構造では、電子輸送層と正孔輸送層における電子・正孔の移動度が高く、多数の電子・正孔が発光層に注入される。さらにこの構造では、発光層に非共役系高分子を用いている。非共役系高分子では、一般に、電子・正孔の移動度が低いため、本素子の発光層における電子・正孔の移動度が低いことから、発光層に注入された電子は薄膜内を移動し難く、電子数の分布は発光層全体に広がる。また、発光層に注入された正孔も同じく薄膜内を移動し難い為、分布が発光層全体に広がる。この場合、電子と正孔の分布の位置が一致する為、電子・正孔の再結合確率が高くなり、単位電流あたりの発光効率が高くなる。
また、この構造では、電子輸送層と正孔輸送層の電子・正孔の移動度が高い為、低い駆動電圧でも十分な電子・正孔を発光層に供給出来るので素子の駆動電圧が低い。この様に、本発明によれば、有機薄膜への高い電流供給と、高い電流発光効率を両立する高分子発光素子が実現される。
本発明の有機発光素子は、共役系高分子を含む電子輸送層を有する。本発明の有機発光素子の電子輸送層で用いることができる共役系高分子としては、例えば、フェニレンビニレン系高分子、フェニルシロール系高分子、フルオレン系高分子等が挙げられる。フェニレンビニレン系高分子としては、例えば、ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)[電子移動度:1×10-4 cm2/Vs]、ポリ(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキソキシ)-1,4-フェニレンビニレン)(MEH-PPV)[電子移動度:3×10-5 cm2/Vs]、ポリ(2,5-ジヘキソキシ-a,a0-ジシアノ-p-キシリリデン-alt-2,5-ジヘキソキシ-p-キシリリデン)(CN-PPV)[電子移動度:4×10-5 cm2/Vs]等が挙げられる。フェニルシロール系高分子としては、例えば、1,1,2,3,4,5-ヘキサフェニルシロール(HPS)[電子移動度:3×10-6 cm2/Vs]、1,1-2置換2,3,4,5-テトラフェニルシロール、1-メチル-1,2,3,4,5-ペンタフェニルシロール(MPPS)[電子移動度:2×10-6 cm2/Vs]等が挙げられる。フルオレン系高分子としては、例えば、ポリ(9,9-ジオクチフルオレン)(F8)[電子移動度:5×10-3 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-alt-ベンゾチアジアゾール)(F8-BT)[電子移動度:5×10-3 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-alt-ビチオフェン)(F8-T2)[電子移動度:6×10-3 cm2/Vs]、(2,7-9,9ジnオクチルフルオレンジイル)(2,7-9,9ジイソアミルフルオレンジイル)共重合化合物(F8-F5)[電子移動度:2×10-2 cm2/Vs]等が挙げられる。これらの中でも、発光層とのエネルギーギャップ整合性の観点からは、F8-F5、F8-BT等が望まれる。これらの共役系高分子は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、有機薄膜(正孔輸送層、電子輸送層、発光層)中の電子移動度は、「有機トランジスタ材料の評価と応用」(工藤一浩 監修、CMC出版、2005年)を参考にして、Time-of-Flight法、有機薄膜電界効果トランジスタの特性による移動度見積り等の方法によって測定できる。
本発明の有機発光素子は、共役系高分子を含む正孔輸送層を有する。本発明の有機発光素子の正孔輸送層で用いることができる共役系高分子としては、例えば、フェニレンビニレン系高分子、フェニルシロール系高分子、フルオレン系高分子等が挙げられる。フェニレンビニレン系高分子としては、例えば、ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)[正孔移動度:1.4×10-5 cm2/Vs]、ポリ(2-メトキシ-5-(2-エチルヘキソキシ)-1,4-フェニレンビニレン)(MEH-PPV)[正孔移動度:2.5×10-6 cm2/Vs]、ポリ(p-フェニレン-1,2-(ジフェノキシフェニル)ビニレン)(DPOP-PPV)[正孔移動度:2×10-4 cm2/Vs]、ポリ(2-フェニル-p-フェニレンビニレン)(PPPV)[正孔移動度:5×10-5 cm2/Vs]等が挙げられる。フェニルシロール系高分子としては、例えば、N-ヘキシル-3,6-カルバゾールと1,1-ジメチル-2,3,4,5-テトラフェニルシロールとの共重合体(PCz-PSP)[正孔移動度:9.3×10-6 cm2/Vs]等が挙げられる。フルオレン系高分子としては、例えば、ポリ(9,9-ジオクチフルオレン)(F8)[正孔移動度:4×10-4 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-alt-ビチオフェン)(F8-T2)[正孔移動度:5×10-3 cm2/Vs]、ポリ(9,9'-ジオクチルフルオレン-co-N-(4-ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(F8-TFB)[正孔移動度:2×10-3 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-co-ビス-N,N'-(4-ブチルフェニル)-ビス-N,N'-フェニル-1,4-フェニレンジアミン)(F8-PFB)[正孔移動度:4.5×10-4 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-co-ビス-N,N'-(4-メトキシフェニル)-ビス-N,N'-フェニル-1,4-フェニレンジアミン)(F8-PFMO)[正孔移動度:4×10-4 cm2/Vs]、ポリ(9,9'-ジオクチルフルオレン-co-ビス-N,N'-(4-ブチルフェニル)-ビス-N,N'-フェニルベンジジン)(F8-BFB)[正孔移動度:3×10-4 cm2/Vs]、ポリ(9,9-ビス(4-ヘキシルフェニル)フッ素-2,7-ジイル-co-N-(4-ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(PF6-TFB)[正孔移動度:1.5×10-3 cm2/Vs]等が挙げられる。これらの中でも、発光層とのエネルギーギャップ整合性の観点からは、F8-TFB、PF6-TFB等が望まれる。これらの共役系高分子は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、有機薄膜(正孔輸送層、電子輸送層、発光層)中の正孔移動度は、前記電子移動度の測定と同様の方法を用いて測定できる。
本発明の有機発光素子は、非共役系高分子を含む発光層を有する。発光層は、電子・正孔を注入することができ、注入された電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有するものである。本発明の有機発光素子の発光層で用いることができる非共役系高分子としては、具体的にはポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ( N−ビニルカルバゾール) 、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)であれば正孔移動度は4×10-7 cm2/Vs、電子移動度は1×10-7 cm2/Vs以下であり、ポリ(メチル-メタクリラート)(PMMA)であれば電子・正孔の移動度は共に1×10-8 cm2/Vs以下である。
なお、前記共役系高分子の電子移動度及び正孔移動度は、電子輸送層及び正孔輸送層で用いる共役系高分子と同様に測定することができる。
移動度の低い発光層を得る観点からは、好ましくは、PMMA、ポリカーボネート等である。これらの非共役系高分子は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、本発明の有機発光素子の発光層で用いることができる非共役系高分子は、蛍光又は燐光を発することが可能な高分子発光材料であってもよい。
本発明の有機発光素子の発光層には、さらにペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系色素材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどの低分子色素材料を含有してもよい。
低分子色素材料と非共役系高分子の混合組成物を発光層として用いる場合、例えば、ルブレンとPMMAを用いた場合には、混合組成物に対するルブレンの重量濃度が3%以下であれば、電子・正孔の移動度は共に1×10-5 cm2/Vs以下に抑えられる。
本発明の有機発光素子において、好ましくは前記発光層における電子移動度は前記電子輸送層における電子移動度の1/2以下である。このような発光層の非共役系高分子と電子輸送層の共役系高分子との組合せとしては、例えば、発光層材料として非共役系高分子のPMMAとルブレンの混合組成物、電子輸送層材料として共役系高分子のF8-F5が挙げられる。
本発明の有機発光素子において、好ましくは前記発光層における正孔移動度は前記正孔輸送層における正孔移動度の1/2以下である。このような発光層の非共役系高分子と正孔輸送層の共役系高分子との組合せとしては、例えば、発光層材料として非共役系高分子のPMMAとルブレンの混合組成物、正孔輸送層材料として共役系高分子のF8-TFBが挙げられる。
なお、前記発光層に用いられる非共役系高分子及び低分子色素材料と非共役系高分子の混合組成物の電子移動度・正孔移動度は、電子輸送層及び正孔輸送層で用いる共役系高分子と同様に測定することができる。
本発明の有機発光素子の層構成としては、
(1)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
などが挙げられる。
本発明の有機発光素子が有する陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層等に正孔を供給するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。陽極の材料には、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物又はこれらの混合物等を用いることができる。具体的には、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、又は金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの導電性金属酸化物と金属との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリアニリン類、PEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン))、ポリピロール等の有機導電性材料及びこれらとITOとの積層物等が挙げられる。
本発明の有機発光素子が有する陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層等に電子を供給するものであり、陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物又はこれらの混合物を用いることができる。陰極の材料の具体例としては、アルカリ金属(Li、Na、K等)及びそのフッ化物もしくは酸化物、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba、Cs等)及びそのフッ化物もしくは酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、合金または混合金属類〔ナトリウム− カリウム合金、ナトリウム− カリウム混合金属、リチウム− アルミニウム合金、リチウム−アルミニウム混合金属、マグネシウム−銀合金もしくはマグネシウム−銀混合金属等〕、希土類金属〔インジウム、イッテルビウム等〕等が挙げられる。
本発明の有機発光素子の正孔注入層は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。公知の材料を適宜選択して使用できるが、具体例としてはカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 誘導体、有機シラン誘導体、およびこれらを含む重合体が挙げられる。また、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、PEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン))、ポリピロール等の有機導電性材料も挙げることができる。前記材料は単成分であってもあるいは複数の成分からなる組成物であってもよい。また、前記正孔注入層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、正孔輸送層で用いることができる共役系高分子として列記した材料も正孔注入層で用いることができる。高電流化の観点からは正孔注入層が、正孔輸送層と同様に共役系高分子を含むことが好ましい。
本発明の有機発光素子の電子注入層は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。公知の材料を適宜選択して使用できるが、具体例としてはトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、多核錯体化合物などが挙げられる。また、前記電子注入層は、前記材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、電子輸送層で用いることができる共役系高分子として列記した材料も電子注入層で用いることができる。高電流化の観点からは電子輸送層が、電子輸送層と同様に共役系高分子からなることが好ましい。
本発明の有機発光素子の各有機層の好ましい膜厚は材料の種類や層構成によって異なり特に制限されないが、一般的には膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nm から1μmの範囲が好ましい。発光層の膜厚は、電流注入の観点からは40nm以下である事がより好ましく、発光輝度の観点からは15nm以上である事がより好ましい。
本発明の有機発光素子において、その素子構造は、共役系高分子を含む電子輸送層と共役系高分子を含む正孔輸送層との間に、非共役系高分子を含む発光層を有するものであれば特に限定されないが、ガラスまたはプラスチック基板上にインジウムスズ酸化物(ITO)から成る陽極が形成され、その上に正孔注入層が成膜され、その上に正孔輸送層が成膜され、その上に発光層が成膜され、その上に電子輸送層が成膜され、その上に電子注入層が成膜され、その上に陰極が形成された構造が望ましい。
本発明の有機発光素子における有機薄膜層(正孔輸送層、電子輸送層、発光層)の形成方法は特に限定されず公知の方法を使用できるが、製造プロセスを簡略化できる点で、湿式塗布法(キャスティング法、スピンコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット法、スプレーコート法、ノズルコート法、キャピラリ−コート法等)で成膜することが好ましい。
前記湿式塗布法によって有機薄膜の積層構造を作る際に、先に塗布した層が後から塗布する層に含まれる溶媒に溶解して積層構造を作製できなくなる場合は、下層を架橋させることによって溶媒不溶にする方法を用いることができる。溶媒不溶にする方法としては、高分子化合物自体に架橋基を合成的に付けるもの方法、芳香族ビスアジドに代表される芳香環を有する架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合させる方法、アクリレート基に代表される芳香環を有しない架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合させる方法、等が挙げられる。
また、架橋以外で下層を溶解させずに積層するその他の方法として、隣り合った層に異なる極性の溶液を用いる方法があり、例えば、下層に水溶性の高分子化合物を用い、上層に油溶性の高分子化合物を用いて、塗布しても下層が溶解しないようにする方法等がある。
前記湿式塗布法では、塗布液を調製し、該塗布液を所望の層(あるいは電極)上に、塗布・乾燥することによって形成することができる。塗布液中にはホスト材料及び/又はバインダーとして樹脂を含有させてもよく、樹脂は溶媒に溶解状態とすることも、分散状態とすることもできる。前記樹脂としては、非共役系高分子(例えば、ポリビニルカルバゾール)、共役系高分子(例えば、ポリオレフィン系高分子)を使用することができる。より具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等から目的に応じて選択できる。溶液は目的に応じて副成分として、酸化防止剤、粘度調整剤等を含有してもよい。
溶液の溶媒は薄膜の成分を均一に溶解または分散し安定なものを公知の溶媒から適宜選択して使用できる。このような溶媒として、アルコール類〔メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等〕、ケトン類〔アセトン、メチルエチルケトン等〕、有機塩素類〔クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等〕、芳香族炭化水素類〔ベンゼン、トルエン、キシレン等〕、脂肪族炭化水素類〔ノルマルヘキサン、シクロヘキサン等〕、アミド類〔ジメチルホルムアミド等〕、スルホキシド類〔ジメチルスルホキシド等〕等が挙げられる。溶媒は単成分であっても複数の成分の混合物であっても良い。
インクジェット法においてはインクの吐出性ならびにその再現性のために公知の成分を用いることが出来る。たとえばノズルからの蒸発を押さえるために高沸点の溶媒〔アニソール、ビシクロヘキシルベンゼン等〕を成分に用いることができる。また成分を選択して溶液の粘度を1〜100mPa・sとすることが好ましい。
本発明の有機発光素子の用途は特に制限されないが、照明用光源、サイン用光源、バックライト用光源、ディスプレイ装置、プリンターヘッド等に用いることが出来る。ディスプレイ装置としては公知の駆動技術、駆動回路等を用い、セグンメント型、ドットマトリクス型等の構成を選択することが出来る。
本発明の有機発光素子の構造と製造方法を、図1を参照しながら以下に説明する。
ITO陽極(102)が成膜されたガラス基板(101)上に、例えば正孔注入材料溶液をスピンコート法によって成膜し、正孔注入層(103)とする。ついで、例えば正孔輸送性共役系高分子材料を溶媒に溶解させて調製した正孔輸送性高分子材料溶液を前記正孔注入層成膜済ガラス基板上にスピンコート法によって成膜し、正孔輸送層(104)とする。ついで、例えば発光性有機材料を溶媒に溶解させて調製した発光性有機材料溶液を前記正孔輸送層成膜済ガラス基板上にスピンコート法によって成膜し、発光層(105)とする。ついで、例えば電子輸送性共役系高分子材料を溶媒に溶解させて調製した電子輸送性高分子材料溶液を前記発光層成膜済みガラス基板上にスピンコート法によって成膜し、電子輸送層(106)とする。成膜されたガラス基板を加熱処理して溶媒を蒸発させる。ついで、前記有機薄膜成膜済ガラス基板上に真空蒸着装置にてバリウムを堆積させ、続いてアルミニウムを堆積させ陰極(107)とする。ついで、2液混合エポキシ樹脂と封止ガラス板を用いて、前記陰極形成済ガラス基板を封し、本発明の有機発光素子が製造される。
(実施例1)
ITO陽極が成膜されたガラス基板上に、スタルクヴイテック(株)より入手可能なPEDOT:PSS溶液(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルフォン酸、製品名:Baytron)を膜厚が50nmになるようにスピンコート法によって成膜し、正孔注入層とする。
ついで、サメイション(株)製のHT12をキシレン溶媒に重量濃度0.5%で溶解させ、正孔輸送性高分子材料溶液1とする。正孔輸送性高分子材料溶液1を前記正孔注入層成膜済ガラス基板上に膜厚が25nmになるようにスピンコート法によって成膜し、200℃熱処理を加えて正孔輸送層とする。ここで、前記正孔輸送層の正孔移動度は2×10-3 cm2/Vsである。
ついで、ポリメチルメタクリレート(PMMA)とペリレン(Perylene)とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を全固形分に対する重量濃度が100:3:10になるようにキシレン溶媒に溶解させ発光性有機材料溶液1とする。発光性有機材料溶液1を前記正孔輸送層成膜済ガラス基板上に膜厚が40nmになるようにスピンコート法によって成膜し、紫外光照射処理をして発光層とする。ここで、前記発光層の正孔移動度は1×10-6 cm2/Vs以下であり、電子移動度は1×10-5 cm2/Vs以下である。
ついで、(2,7-9,9ジnオクチルフルオレンジイル)(2,7-9,9ジイソアミルフルオレンジイル)共重合化合物をキシレン溶媒に重量濃度0.5%で溶解させ、電子輸送性高分子材料溶液1とする。電子輸送性高分子材料溶液1を前記発光層成膜済みガラス基板上に膜厚が25nmになるようにスピンコート法によって成膜し、電子輸送層とする。ここで、前記電子輸送層の電子移動度は8×10-3 cm2/Vsである。成膜されたガラス基板を加熱処理して溶媒を蒸発させる。
ついで、前記有機薄膜成膜済ガラス基板上に真空蒸着装置にてバリウムを堆積させ、続いてアルミニウムを堆積させ陰極とする。
ついで、2液混合エポキシ樹脂と封止ガラス板を用いて、前記陰極形成済ガラス基板を封し、有機発光素子が製造される。
以上、本発明の実施例を挙げたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明における実施例1に記載した有機発光素子の構造概略図。 本発明の有機発光素子の効果を説明する図。

Claims (4)

  1. 共役系高分子を含む電子輸送層と共役系高分子を含む正孔輸送層との間に、非共役系高分子を含む発光層を有する有機発光素子。
  2. 前記発光層における電子移動度が前記電子輸送層における電子移動度の1/2以下であり、且つ、前記発光層における正孔移動度が前記正孔輸送層における正孔移動度の1/2以下である請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 発光層の膜厚が40nm以下である請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. 共役系高分子がポリフルオレン誘導体を含む請求項1〜3の何れかに記載の有機発光素子。
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JP2016534551A (ja) * 2013-07-29 2016-11-04 メルク、パテント、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツングMerck Patent GmbH エレクトロルミネッセンス素子

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