JP2017089125A - 突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法 - Google Patents

突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】角部寸法の異なる角形鋼管どうしを溶接の欠陥なく、確実に突合せ溶接することができる突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法を提供する。【解決手段】断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管1、2どうしを突合せ溶接した継手構造であって、一方の角形鋼管1の端部の内側面に、他方の角形鋼管2の端部に向けて突出した第一裏当て金3aを取り付けるとともに、他方の角形鋼管2の端部の内側面に第二裏当て金3bを取り付けて、第一裏当て金3aと第二裏当て金3bを当接状態にして角形鋼管1、2どうしを突合せ溶接した。【選択図】図8

Description

本発明は、例えば、鋼構造物の柱梁接合部のノンダイアフラム仕口に用いられる柱の突合せ溶接継手を構成する突合せ溶接継手構造、およびこの突合せ溶接継手構造を有する仕口構造、ならびにこの突合せ溶接継手構造または仕口構造を有する構造物および接合方法に関するものである。
従来、鋼構造物の柱と梁の接合部やトラス架構など部材が交差する結節点において、柱等の主部材よりも厚肉の断面を有する接合部材を使用することで、ダイアフラムやリブを省略した合理化構造が広く採用されている。このような構造を採用する場合、柱等の主部材と梁等の副部材の外形のサイズ(辺長)は略同一とすることが多い。この構造の一例として柱梁接合部のノンダイアフラム仕口がある。
従来のノンダイアフラム仕口としては、厚肉の仕口部鋼管に鋳鋼を用いたもの(例えば、特許文献1を参照)や、溶接組立による角形鋼管を用いたもの(例えば、特許文献2を参照)などが知られている。また、断面角部に曲率を有する角形鋼管で、角部寸法の異なる鋼管どうしを接合する構造として、例えば特許文献3に示すような構造が知られている。特許文献3は、角形鋼管からなる2つの主部材を、主部材と同一辺長でかつ主部材よりも肉厚の角形鋼管を介して接合するものである。
上記の特許文献1においては、柱と接合金物の溶接部ディテールが開示されておらず、開先形状や裏当て金などの開先の構成方法は不明である。また、上記の特許文献2においては、板厚の薄い方の角形鋼管に、鋼管端面から突出した裏当て金を取り付け、この裏当て金を対向する板厚の厚い方の溶接組立角形鋼管の端面に当てて開先を構成することが開示されている。上記の特許文献3においても、特許文献2と同様に、板厚の薄い方の角形鋼管側に、鋼管端面から突出した裏当て金を取り付け、この裏当て金を対向する板厚の厚い方の角形鋼管の端面に当てて開先を構成することが開示されている。
特開2003−82761号公報 特開2010−106515号公報 特開2014−224377号公報
上記の特許文献2または3に示される従来の開先の構成方法では、接合しようとする2つの角形鋼管について、板厚の薄い方の鋼管断面が、板厚の厚い方の鋼管断面に断面全周にわたって完全に包含されないと、開先内に隙間が生じることになり溶接ができない。
また、上記の特許文献3のように、接合しようとする2つの角形鋼管の角部寸法の関係を規定することで、板厚の薄い方の鋼管断面が板厚の厚い方の鋼管断面に断面全周にわたって完全に包含されるようにした場合においても、2つの鋼管内周面が面一となるような場合には、開先内からの溶接金属の溶け落ちなどによる溶接欠陥の発生が懸念される。加えて角形鋼管は工業製品であるため寸法形状にバラツキを有しており、公称寸法で「板厚の薄い方の鋼管断面が板厚の厚い方の鋼管断面に完全に包含される」ように計画しても、実物で開先内に隙間が生じる可能性が懸念される。
このような問題は、板厚の薄い方の角形鋼管の断面角部が曲率を有し、板厚の厚い方の角形鋼管の断面角部が直角であるような場合にも生じ得る。すなわち、板厚の薄い方の鋼管断面が板厚の厚い方の鋼管断面に完全には包含されず、隙間が生じる可能性がある。
また、上記の問題は、ノンダイアフラム仕口のみならず、断面の辺長が略同一で角部寸法の異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接する際にも同様に発生する。例えば、公称径300mm、公称板厚22mmの冷間ロール成形角形鋼管BCR295を、公称径300mm、公称板厚25mmの熱間成形角形鋼管BSH325に突き合せる場合、BCR295の公差±3mm、BSH325の辺の公差±3mmにより、最も厳しい組合せでは6mmの食い違いが生じる可能性がある。
また、各鋼管で、それぞれ辺長、板厚の公差0mmであったとしても、BCR295の角部半径を交差の範囲内で最も小さい半径である、外側半径が板厚の3.0倍、内側半径が板厚の2.0倍とし、BSH325の角部内側の半径を交差なしで板厚の1.0倍とした場合でも、BCR295の内面がBSH325の内面よりも3.6mm内側に位置することになる。
これについて、図17を用いて具体的に説明する。図17の角部モデルに示すように、断面が300mm×300mmの正方形と仮定した場合の角を点Pとする。そして、図17(1)に示すように、点PからBCR295(寸法300mm×300mm、板厚22mm)の角部内面中央Qまでの距離をL1とし、図17(2)に示すように、点PからBSH325(寸法300mm×300mm、板厚25mm)の角部内面中央Qまでの距離をL2とすれば、
L1 = (21/2−1) ×3×22+22 = 49.3mm
L2 = 21/2 ×25 + (21/2−1) ×25 = 45.7mm
となり、BCR295の内面のほうがBSH325の内面よりも点Pから遠くにあり(内側寄り)、その差は3.6mmとなる。
このため、角部寸法の異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接する構造において、板厚の薄い方の鋼管断面が板厚の厚い方の鋼管断面に完全に包含されない場合や、完全に包含されるものの2つの鋼管内周面が面一となるような場合でも、開先内からの溶接金属の溶け落ちなどによる溶接欠陥の発生がなく確実に突合せ溶接することのできる構造が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、角部寸法の異なる角形鋼管どうしを溶接の欠陥なく、確実に突合せ溶接することができる突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る突合せ溶接継手構造は、断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接してなる継手構造であって、一方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられ、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金と、他方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられた第二裏当て金とを有し、第一裏当て金と第二裏当て金の当接部を突合せ溶接してなることを特徴とする。
また、本発明に係る他の突合せ溶接継手構造は、上述した発明において、板厚の厚い方の角形鋼管の角部の内側面が、板厚の薄い方の角形鋼管の角部の内側面よりも断面外側に位置しており、かつ、これら2つの角形鋼管の角部の内側面の食い違い寸法が、下記の(1)、(2)のいずれかを満たす値に設定されていることを特徴とする。
(1)板厚の薄い方の角形鋼管の板厚が15mm以下の場合には、食い違い寸法を3.0mm以下とする。
(2)板厚の薄い方の角形鋼管の板厚が15mmを超える場合には、食い違い寸法を6.0mm以下、かつ板厚の1/5以下とする。
また、本発明に係る他の突合せ溶接継手構造は、上述した発明において、板厚の厚い方の角形鋼管が熱間成形角形鋼管からなることを特徴とする。
また、本発明に係る仕口構造は、上述した突合せ溶接継手構造を有することを特徴とする。
また、本発明に係る構造物は、上述した突合せ溶接継手構造または仕口構造を有することを特徴とする。
また、本発明に係る接合方法は、断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接する接合方法であって、一方の角形鋼管の端部の内側面に、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金を取り付けるとともに、他方の角形鋼管の端部の内側面に第二裏当て金を取り付けて、第一裏当て金と第二裏当て金を当接状態にして角形鋼管どうしを突合せ溶接することを特徴とする。
本発明に係る突合せ溶接継手構造によれば、断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接してなる継手構造であって、一方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられ、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金と、他方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられた第二裏当て金とを有し、第一裏当て金と第二裏当て金の当接部を突合せ溶接してなるので、板厚の薄い方の角形鋼管の断面が板厚の厚い方の角形鋼管の断面に断面全周にわたって完全に包含されなくとも、または、完全に包含されるものの2つの角形鋼管の内側面が面一となるような場合でも、角形鋼管にそれぞれ取り付けた第一裏当て金と第二裏当て金を当接状態にして突合せ溶接することにより、開先内で隙間が生じることを未然に防止できる。このため、本発明によれば、開先内からの溶接金属の溶け落ちなどによる溶接の欠陥なく、確実に突合せ溶接することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る突合せ溶接継手構造を仕口構造に適用することで、接合部周りのディテールがシンプルなものとなり、外部からのメンテナンスが容易になるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る突合せ溶接継手構造の実施の形態1を示す横断面図であり、突合せ溶接される角形鋼管の断面の重なり状態を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る角形鋼管への裏当て金の取り付け例を示す図であり、(1)は板厚の薄い方の角形鋼管の先端の横断面図、(2)は板厚の厚い方の角形鋼管の先端の横断面図である。 図3は、図1のA−A線に沿った溶接前の側断面図である。 図4は、図1のB−B線に沿った溶接前の側断面図である。 図5は、図1のA−A線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。 図6は、図1のB−B線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。 図7は、図1のA−A線に沿った溶接後の側断面図である。 図8は、図1のB−B線に沿った溶接後の側断面図である。 図9は、本発明に係る突合せ溶接継手構造の実施の形態2を示す横断面図であり、突合せ溶接される角形鋼管の断面の重なり状態を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態2に係る角形鋼管への裏当て金の取り付け例を示す図であり、(1)は板厚の薄い方の角形鋼管の先端の横断面図、(2)は板厚の厚い方の角形鋼管の先端の横断面図である。 図11は、図9のA−A線に沿った溶接前の側断面図である。 図12は、図9のB−B線に沿った溶接前の側断面図である。 図13は、図9のA−A線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。 図14は、図9のB−B線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。 図15は、図9のA−A線に沿った溶接後の側断面図である。 図16は、図9のB−B線に沿った溶接後の側断面図である。 図17は、角部モデルを示す図であり、(1)はBCR295の角部モデル、(2)はBSH325の角部モデルである。
以下に、本発明に係る突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1について図1〜図8を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態1に係る突合せ溶接継手構造の横断面図を示したものである。この図に示すように、断面の辺長が同じで板厚および角部の曲率寸法が異なる角形鋼管1、2どうしを突合せ溶接する継手構造において、それぞれの角形鋼管1、2の角部寸法の組合せによっては、板厚の薄い方の角形鋼管1の内側面1aが、板厚の厚い方の角形鋼管2の内側面2aよりも内側に入る場合が生じ得る。図1の例では、断面角部がこの場合に該当している。このとき、板厚の薄い方の角形鋼管1の先端にレ形開先加工を施して、板厚の厚い方の角形鋼管2の先端に対向させると、開先内の断面角部で隙間が生じてしまう。
そこで、本実施の形態1では、図2(1)および図3に示すように、板厚の薄い方の角形鋼管1(一方の角形鋼管)の端部の内側面1aの全周に、板厚の厚い方の角形鋼管2(他方の角形鋼管)の端部に向けて突出した裏当て金3a(第一裏当て金)を取り付ける。一方、図2(2)および図4に示すように、角形鋼管2の端部の内側面2aの角部周囲に裏当て金3b(第二裏当て金)を取り付ける。この裏当て金3bの先端面は、角形鋼管2の先端面と面一とする。
そして、図3および図4に示すように、角部周囲における裏当て金3aの先端面と裏当て金3bの先端面を当接状態にして角形鋼管1、2どうしを突合せて開先4を溶接する。これにより、図7および図8の側断面図に示すような本実施の形態1の突合せ溶接継手構造が得られる。なお、図7および図8中の符号6は溶接金属を示している。
ここで、断面角部において図4に示すような裏当て金3bが無いと仮定すると、開先4内に隙間が発生することが理解できる。裏当て金3bは特に大きな隙間が生じる角部のみ取り付ければ十分であるが、本発明はこれに限るものでなく、例えば内側面2a全周に取り付けてもよい。
図5および図6は、それぞれ図1のA−A線およびB−B線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。これらの図に示すように、板厚の厚い方の角形鋼管2の角部の内側面2aに裏当て金3b(不図示)が存在することによって、開先内で隙間が生じることを防止できる。なお、図5および図6中の符号5は開先面を示している。
このように、本実施の形態1によれば、板厚の薄い方の角形鋼管1の断面が板厚の厚い方の角形鋼管2の断面に断面全周にわたって完全に包含されなくとも、角形鋼管1、2にそれぞれ取り付けた裏当て金3aと裏当て金3bを当接状態に角形鋼管1、2を突合せることにより、開先4内で隙間が生じることを防げるので、開先4内からの溶接金属6の溶け落ちなどによる溶接欠陥の発生を回避して、角形鋼管1、2双方を確実に突合せ溶接することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図9〜図16を参照しながら説明する。
図9は、本実施の形態2に係る突合せ溶接継手構造の横断面図を示したものである。この図に示すように、辺長が同じで角部が直角の角形鋼管2と角部に曲率を有する角形鋼管1を突合せ溶接する継手構造の場合にも、板厚の薄い方の角形鋼管1の内側面1aが、板厚の厚い方の角形鋼管2の内側面2aよりも内側に入る場合が生じ得る。図9の例では、断面角部がこの場合に該当している。
そこで、上記の実施の形態1の場合と同様に、板厚の厚い方の角形鋼管2の端部の内側面2aの角部に裏当て金3bを配する。こうすることで、開先内の隙間を塞ぐことができるため、確実な突合せ溶接が可能となる。
より具体的には、図10(1)および図11に示すように、板厚の薄い方の角形鋼管1の端部の内側面1aの全周に、板厚の厚い方の角形鋼管2の端部に向けて突出した裏当て金3aを取り付ける。一方、図10(2)および図12に示すように、角形鋼管2の端部の内側面2aの直角の角部に裏当て金3b(第二裏当て金)を取り付ける。この裏当て金3bは角形鋼管2の直角の角部に沿って延びる角柱状とし、その先端面は角形鋼管2の先端面と面一とする。
そして、図11および図12に示すように、角部における裏当て金3aの先端面と裏当て金3bの先端面を当接状態にして角形鋼管1、2どうしを突合せて開先4を溶接する。これにより、図15および図16の側断面図に示すような本実施の形態2の突合せ溶接継手構造が得られる。なお、図15および図16中の符号6は溶接金属を示している。
図13および図14は、それぞれ図9のA−A線およびB−B線に沿う方向から見た溶接前の側面図である。これらの図に示すように、板厚の厚い方の角形鋼管2の角部の内側面2aに裏当て金3b(不図示)が存在することによって、開先内で隙間が生じることを防止できる。なお、図13および図14中の符号5は開先面を示している。
このように、本実施の形態2によれば、角部が直角の角形鋼管2と角部に曲率を有する角形鋼管1を突合せ溶接する場合、板厚の薄い方の角形鋼管1の断面が板厚の厚い方の角形鋼管2の断面に断面全周にわたって完全に包含されなくとも、角形鋼管1、2にそれぞれ取り付けた裏当て金3aと裏当て金3bを当接状態に角形鋼管1、2を突合せることにより、開先4内で隙間が生じることを防げるので、開先4内からの溶接金属6の溶け落ちなどによる溶接欠陥の発生を回避して、角形鋼管1、2双方を確実に突合せ溶接することができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、上記の実施の形態1、2の突合せ溶接継手構造において、角形鋼管1、2の角部での食い違い寸法を、法令に規定された所定範囲の値に基づいて設定したものである。
法令上、突合せ溶接継手の食い違いは、原則として下記の(a)、(b)の要件を充足することが要求されている(下記の参考文献1を参照)。
(a)板厚が薄い方の角形鋼管の板厚が15mm以下の場合には、食い違い寸法を1.5mm以下とする。
(b)板厚が薄い方の角形鋼管の板厚が15mmを超える場合には、食い違い寸法を3.0mm以下、かつ板厚の1/10以下とする。
[参考文献1] 「鉄骨造の継手又は仕口の構造方法を定める件」、建設省告示第1464号、平成12年5月31日
そこで、本実施の形態3においては、図1および図9に示すように、板厚の厚い方の角形鋼管2の角部の内側面2aが、板厚の薄い方の角形鋼管1の角部の内側面1aよりも断面外側に位置するようにし、かつ、これら2つの角形鋼管1、2の角部の内側面1a、2aの食い違い寸法を、下記の(1)、(2)のいずれかを満たす値に設定した。
(1)板厚の薄い方の角形鋼管1の板厚が15mm以下の場合には、食い違い寸法を3.0mm以下とする。
(2)板厚の薄い方の角形鋼管1の板厚が15mmを超える場合には、食い違い寸法を6.0mm以下、かつ板厚の1/5以下とする。
ここで、上記の(1)、(2)は、法令に規定されている上記の要件(a)、(b)に基づいて設定したものである。
本実施の形態3の突合せ溶接継手構造によれば、角形鋼管1、2の角部での食い違い寸法を法令に規定された所定範囲の値に基づいて設定することで、所期の軸方向応力を負担または伝達することが可能となる。
特に、裏当て金3bがなければ断面角部の開先4内に隙間が生じる場合であっても、上記の実施の形態1、2に示したように角形鋼管1、2の内側面1a、2aに裏当て金3a、3bをそれぞれ配置するとともに、食い違い寸法を上記の(1)、(2)に示した制限値に設定すれば、所期の軸方向応力を負担または伝達することが可能である。
[実施の形態1〜3の変形例]
上記の実施の形態1〜3において、板厚の厚い方の角形鋼管2を熱間成形角形鋼管で構成してもよい。
また、上記の実施の形態1〜3の突合せ溶接継手構造を仕口構造に適用してもよい。このようにすれば、接合部周りのディテールがシンプルなものとなり、外部からのメンテナンスが容易になる。さらに、上記の実施の形態1〜3の突合せ溶接継手構造または上記の仕口構造を、鋼構造物などの構造物で使用される継手や仕口として適用することもできる。この場合、例えば上記の実施の形態1〜3の突合せ溶接継手構造を、鋼構造物の柱梁接合部のノンダイアフラム仕口に用いられる柱の突合せ溶接継手に用いてもよい。
以上説明したように、本発明に係る突合せ溶接継手構造によれば、断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接した継手構造であって、一方の角形鋼管の端部の内側面に、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金を取り付けるとともに、他方の角形鋼管の端部の内側面に第二裏当て金を取り付けて、第一裏当て金と第二裏当て金を当接状態にして角形鋼管どうしを突合せ溶接したので、板厚の薄い方の角形鋼管の断面が板厚の厚い方の角形鋼管の断面に断面全周にわたって完全に包含されなくとも、または、完全に包含されるものの2つの角形鋼管の内側面が面一となるような場合でも、角形鋼管にそれぞれ取り付けた第一裏当て金と第二裏当て金を当接状態にして突合せ溶接することにより、開先内で隙間が生じることを未然に防止できる。このため、本発明によれば、開先内からの溶接金属の溶け落ちなどによる溶接の欠陥なく、確実に突合せ溶接することができる。
また、角形鋼管の角部での食い違い寸法を法令に規定された所定範囲の値に基づいて設定することで、所期の軸方向応力を伝達することが可能となる。
また、本発明に係る突合せ溶接継手構造を仕口構造に適用することで、接合部周りのディテールがシンプルなものとなり、外部からのメンテナンスが容易になる。
以上のように、本発明に係る突合せ溶接継手構造、仕口構造、構造物および接合方法は、断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接するのに有用であり、特に、角形鋼管どうしを溶接の欠陥なく確実に突合せ溶接するのに適している。
1 角形鋼管(一方の角形鋼管)
1a 内側面
2 角形鋼管(他方の角形鋼管)
2a 内側面
3a 裏当て金(第一裏当て金)
3b 裏当て金(第二裏当て金)
4 開先
5 開先面
6 溶接金属

Claims (6)

  1. 断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接してなる継手構造であって、
    一方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられ、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金と、他方の角形鋼管の端部の内側面に取り付けられた第二裏当て金とを有し、第一裏当て金と第二裏当て金の当接部を突合せ溶接してなることを特徴とする突合せ溶接継手構造。
  2. 板厚の厚い方の角形鋼管の角部の内側面が、板厚の薄い方の角形鋼管の角部の内側面よりも断面外側に位置しており、かつ、これら2つの角形鋼管の角部の内側面の食い違い寸法が、下記の(1)、(2)のいずれかを満たす値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の突合せ溶接継手構造。
    (1)板厚の薄い方の角形鋼管の板厚が15mm以下の場合には、食い違い寸法を3.0mm以下とする。
    (2)板厚の薄い方の角形鋼管の板厚が15mmを超える場合には、食い違い寸法を6.0mm以下、かつ板厚の1/5以下とする。
  3. 板厚の厚い方の角形鋼管が熱間成形角形鋼管からなることを特徴とする請求項1または2に記載の突合せ溶接継手構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の突合せ溶接継手構造を有することを特徴とする仕口構造。
  5. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の突合せ溶接継手構造または請求項4に記載の仕口構造を有することを特徴とする構造物。
  6. 断面の辺長が略同一で板厚および角部の寸法が異なる角形鋼管どうしを突合せ溶接する接合方法であって、
    一方の角形鋼管の端部の内側面に、他方の角形鋼管の端部に向けて突出した第一裏当て金を取り付けるとともに、他方の角形鋼管の端部の内側面に第二裏当て金を取り付けて、第一裏当て金と第二裏当て金を当接状態にして角形鋼管どうしを突合せ溶接することを特徴とする接合方法。
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