JP6638349B2 - H形鋼の継手構造、h形鋼同士の接合方法、および当て金 - Google Patents

H形鋼の継手構造、h形鋼同士の接合方法、および当て金 Download PDF

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Description

本発明は、H形鋼の継手構造に関し、殊に建築構造物の柱部材として用いられる極厚H形鋼同士の接合において好適なH形鋼の継手構造、H形鋼同士の接合方法、およびその接合に用いられる当て金に関するものである。
建築構造物の柱部材として広くH形鋼が用いられ、大規模構造物の場合には、極厚断面の極厚H形鋼が使用される。H形鋼は、製造や輸送の制約から所定の長さに切断されており、柱部材として用いる際には、工場あるいは建設現場で接合する必要がある。例えば、柱部材の接合方法として、ガスシールドアーク溶接による溶接接合を行う場合があるが、鋼部材が極厚断面の場合には多層盛溶接を行う必要があるため、多大な時間を要し、製造効率が悪い。
特許文献1には、フランジに斜め方向に開先部を設け、その開先部を囲うようにフランジ内側及び外側に当て金を設置して、開先線に沿ってエレクトロスラグ溶接する極厚H形鋼の柱継ぎ溶接方法が開示されている。
特許第4038003号公報
ところが、特許文献1の場合、溶接を行うために、フランジを切り欠いて開先部を設けるという加工やスカラップを設けることが必要であり、さらにウェブをボルト接合または溶接するため、工程が多く極めて手間がかかる。
本発明は、かかる課題を解決し、H形鋼の継手製造における部品点数や加工工数を低減し、簡易な部品構成および工程でH形鋼同士の柱継手を効率的に製造できるようにすることを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、断面形状寸法が等しい一対のH形鋼の端面同士を接合した継手構造であって、前記一対のH形鋼のウェブ同士の間に、平面形状が矩形で、前記H形鋼のフランジ内面の両フィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離よりも小さい幅を有し、前記ウェブの内法高さ方向の前記ウェブ全長を覆う支圧鋼板が、ウェブ中心面を略対称面にして配置されて、前記支圧鋼板を挟んで前記ウェブ同士が当接され、前記一対のH形鋼のフランジ同士がエレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接されていることを特徴とする、H形鋼の継手構造を提供する。
前記H形鋼の継手構造において、前記一対のH形鋼のフランジの外面および内面の溶接部に、前記支圧鋼板の厚さよりも幅寸法が大きい当て金が配置されていてもよい。その場合、前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記ウェブの側端面側に、前記フィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面を有することが好ましい。前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片を有してもよい。また、前記支圧鋼板の幅が、フィレット部を除く前記ウェブの厚さよりも大きく、前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部を有してもよい。
前記支圧鋼板と前記ウェブとが隅肉溶接されていてもよい。
また、本発明は、断面形状寸法が等しい一対のH形鋼の端面同士を接合する方法であって、前記一対のH形鋼のウェブ同士の間に、平面形状が矩形で、フランジ内面の両フィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離よりも小さい幅を有し、前記ウェブの内法高さ方向の前記ウェブ全長を覆う支圧鋼板を、ウェブ中心面を略対称面にして配置して、前記支圧鋼板を挟んで前記ウェブ同士を当接し、前記一対のH形鋼同士の間隙を塞ぐように、前記フランジの外面および内面に、鋼板、水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金を配置し、前記一対のH形鋼のフランジ同士をエレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接することを特徴とする、H形鋼同士の接合方法を提供する。
前記H形鋼同士の接合方法において、前記フランジの外面側の、前記一対のH形鋼同士の間隙の一部に前記水冷銅当て金を配置し、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接の溶接位置に応じて、前記水冷当て金を順次移動させてもよい。
さらに、本発明は、前記H形鋼の継手構造において、前記フランジの内面に配置される当て金であって、前記H形鋼のフランジの内面に当接する平面部と、前記H形鋼のフィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面と、前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片、または、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部および前記突出片と、を有することを特徴とする、当て金を提供する。
また、本発明は、請求項1に記載のH形鋼の継手構造を製造する際に、前記フランジの内面に配置される水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金であって、前記H形鋼のフランジの内面に当接する平面部と、前記H形鋼のフィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面と、前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片、または、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部および前記突出片と、を有することを特徴とする、水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金を提供する。
本発明によれば、H形鋼にスカラップ等の特別な加工を施すことなく、容易にH形鋼の柱継手を製造することができる。したがって、柱部材としてH形鋼を用いる建築構造物の生産性を向上させて工期短縮に貢献することができる。特に、極厚H形鋼の場合にも、容易に柱継手を製造することができる。
本明細書におけるH形鋼の方向や寸法等の呼称の説明図である。 本発明の一実施形態にかかる継手構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる継手構造を説明する図であり、(a)はH形鋼の端面に対する支圧鋼板の幅寸法を示す図、(b)は継手構造をH形鋼の側面から見た図である。 図3の実施形態における当て金の形状を説明する図であり、(a)は図3(b)のA−A線から見た部分拡大断面図、(b)はH形鋼同士の間隙に(a)と同じ断面形状の当て金を当てた場合の部分拡大断面図、(c)は図3(b)のB−B線から見た部分拡大断面図を示す。 図3の実施形態における内面側の当て金の形状を示す斜視図である。 本発明の異なる実施形態にかかる継手構造を説明する図であり、(a)はH形鋼の端面に対する支圧鋼板の幅寸法を示す図、(b)は継手構造をH形鋼の側面から見た図である。 図6の実施形態における当て金の形状を説明する図であり、(a)は図6(b)のA−A線から見た部分拡大断面図、(b)は図6(b)のB−B線から見た部分拡大断面図を示す。 図6の実施形態における内面側の当て金の形状を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる継手構造を構成する部品の分解斜視図である。 本発明の実施形態にかかる接合方法の一例を説明する断面図である。 本発明の異なる実施形態にかかる、H形鋼の端面に対する支圧鋼板の幅寸法を示す図である。 図11の支圧鋼板を用いた場合の継手構造を示す部分斜視図である。 図12の実施形態における内面側の当て金の形状を示す斜視図である。 支圧鋼板の幅寸法がフィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離と等しい場合の内面側の当て金の形状を示す斜視図である。 本発明のさらに異なる実施形態を示し、(a)はH形鋼の端面に対する支圧鋼板の形状を示す図、(b)は(a)の支圧鋼板を用いた場合の継手構造の一例、(c)は(a)の支圧鋼板を用いた場合の継手構造の異なる例を示す。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明は、圧延によって製造されるH形鋼の大入熱溶接特性の高さを活かして、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接を用いて容易に製造できるH形鋼の継手構造を着想したものであり、特に柱部材として用いる圧延極厚H形鋼同士の接合に適している。なお、本実施形態において、極厚H形鋼とは、フランジの板厚が40mm以上のH形鋼を指す。本明細書においては、図1に示すように、H形鋼断面のフランジ11の外側の面11aを「外面」、ウェブ12側の面11bを「内面」と称する。また、H形鋼10の「フランジの幅」はa、「ウェブの内法高さ」はb、「フランジの厚さ」はc、「ウェブの厚さ」はdとする。また、「フィレット部」は、フランジ11とウェブ12との境界の湾曲部分(13)であり、「R止まり」は、フィレット部13の湾曲部分の端(14)を指す。したがって、「フランジ内面の両フィレット部R止まり」は、図1において符号14、14で示す位置のことであり、「フランジ内面の両フィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離」は、図1のwfを指す。
図2および図3は、本発明の一実施形態にかかるH形鋼の継手構造1の構成を説明する図である。断面形状寸法が等しい一対のH形鋼10、10のウェブ12、12同士の間に、H形鋼10に作用する鉛直荷重を伝達する支圧鋼板2が配置され、支圧鋼板2を挟んでウェブ12、12同士が当接されている。つまり、一対のH形鋼10、10のウェブ12、12同士は、圧縮応力のみを伝達するメタルタッチにより当接されている。一方、曲げ座屈に対して抵抗する必要があるフランジ11は、エレクトロスラグ溶接による完全溶け込み溶接で接合されている。
本発明において、支圧鋼板2の幅wは、H形鋼10のフランジ11内面の両フィレット部R止まり14、14間のフランジ幅方向距離wfよりも小さい寸法であり、ウェブ12の内法高さb方向の全長を覆うように、ウェブ12中心面を略対称面にして配置されている。図3(a)に示す本実施形態では、支圧鋼板2の幅wは、フィレット部13を除くウェブ厚さd(図1参照)よりも小さく、幅wに対して直角方向である支圧鋼板2の長さは、ウェブ12の内法高さbに等しい。支圧鋼板2の厚さt2は、支圧鋼板2を介して対向する一対のH形鋼10、10のフランジ11、11同士の間隙g(図2参照)となり、この間隙gが溶接部15となる。したがって、この間隙gにエレクトロスラグ溶接を行う際のノズルが挿入できるように、支圧鋼板2の厚さt2は、10mm〜60mm程度、好ましくは15mm〜30mm程度とする。
そして、一対のH形鋼10、10の各フランジ11の外面および内面の溶接部15に、支圧鋼板2の厚さt2よりもH形鋼高さ方向の寸法が大きい当て金3、4が配置されている。当て金3、4は、フランジ11、11同士をエレクトロスラグ溶接する際に溶融スラグや溶融金属が溶接範囲外へ流れ出ないように、H形鋼10、10同士の間隙gを塞ぐものである。本実施形態では、鋼板からなる当て金3、4が、溶接後もH形鋼10に取り付けられた状態で継手構造1が構成されている。なお、本明細書において、「H形鋼高さ方向」とは、柱部材として用いられるH形鋼10自体の長手方向を指す。
フランジ11の外面に設けられる当て金3は、一対のH形鋼10、10のフランジ11、11同士の間隙gの外面側を塞ぐ平板状のものであり、当て金3のH形鋼高さ方向の寸法は、H形鋼10、10同士の間隙g、すなわち支圧鋼板2の厚さt2よりも大きく、当て金3のフランジ幅方向の寸法は、フランジ幅aと等しい。
一方、フランジ11の内面に設けられる当て金4は、H形鋼10のフィレット部13の形状や、支圧鋼板2のサイズに応じた形状とする必要がある。図4は、内面側の当て金4の形状を説明する部分拡大断面図である。図4(a)は、図3(b)のA−A線で切断した断面の部分拡大図である。H形鋼10のフランジ11が存在する位置においては、当て金4は、フランジ11の内面に当接する平面部41、および、ウェブ12の側端面側に、フィレット部13に沿って接する湾曲面42を有している。ところが、H形鋼10、10同士の間隙部分に、平面部41と湾曲面42とからなる断面形状の当て金4を配置すると、図4(b)に示すように、当て金4と支圧鋼板2との間に隙間が生じ、フランジ11、11間をエレクトロスラグ溶接する際に、溶融スラグや溶融金属がその隙間から流れ出てしまう。したがって、H形鋼10、10同士の間隙部分では、図4(c)に示すように、当て金4を支圧鋼板2およびフィレット部13の側面、すなわち、フィレット部13の、H形鋼10の端面側の面に当接する形状にし、隙間が生じないようにする必要がある。つまり、当て金4は、図5に示すように、H形鋼10のフランジ11の内面に当接する平面部41と、H形鋼10のフィレット部13に沿って接する湾曲面42とを有し、湾曲面42においてフランジ11同士の間隙に対応する位置に、支圧鋼板2およびフィレット部13の側面に当接する突出片43を有している。このような当て金4が、図3(a)に点線で示すように、両フランジ11の内面に、それぞれウェブ12を挟んで両側に配置される。なお、図4および図5に示す実施形態では、当て金4の厚さt4は、フィレット部13の半径と等しい寸法としているが、さらに厚さを増してもよいし、薄くして湾曲面42がフィレット部13の一部に沿って接するようにしても構わない。
以上のような当て金3、4を配置することにより、フランジ11、11同士の間隙が塞がれて、フランジ11の端部と当て金3、4で囲まれた空間が形成され、エレクトロスラグ溶接による溶接部15となる。
図6は、継手構造1において、異なる支圧鋼板2を用いた場合の実施形態を説明する図である。この実施形態では、支圧鋼板の幅寸法wは、H形鋼10のウェブ厚さdと等しい。この場合も、上記実施形態と同様、H形鋼10のフランジ11が存在する位置において、フランジ11の内面に設けられる当て金4は、フランジ11の内面に当接する平面部41およびフィレット部13に沿って接する湾曲面42を有しており(図7(a))、間隙部分では、図7(b)に示すように、当て金4を支圧鋼板2およびフィレット部13に当接する形状にして、溶融スラグや溶融金属の漏れを防ぐ。つまり、当て金4は、図8に示すように、H形鋼10のフランジ11の内面に当接する平面部41と、H形鋼10のフィレット部13に沿って接する湾曲面42とを有し、湾曲面42においてフランジ11同士の間隙に対応する位置に、支圧鋼板2およびフィレット部13に当接する突出片43を有している。
次に、本発明の実施形態にかかるH形鋼同士の接合方法を説明する。
図9に示すように、被接合材である一対のH形鋼10、10のウェブ12、12同士の間に、フランジ11内面の両フィレット部R止まり14、14間のフランジ幅方向距離wfよりも小さい幅を有し、ウェブ12の内法高さb方向のウェブ全長を覆う支圧鋼板2を、ウェブ12中心面Cを略対称面にして配置する。
そして、支圧鋼板2を挟んでウェブ12、12同士を当接し、さらに、一対のH形鋼10、10同士の間隙を塞ぐように、フランジ11の外面および内面に、鋼板、水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製のいずれかからなる当て金3、4を配置する。
その後、フランジ11、11同士の隙間を、エレクトロスラグ溶接により接合する。この場合、フランジ11、11同士の隙間と当て金3、4とで囲まれた空間に溶接ワイヤを挿入し、溶接を行う。
当て金3、4が鋼板の場合には、溶接後、H形鋼10に取り付けられたままの状態で継手構造1が構成される。当て金3、4が、水冷当て金や、セラミックスまたはフラックス製の当て金の場合は、溶接後は取り外して繰り返し使用される。当て金3、4を取り外した場合には、溶接部15の表面は、フランジ11の外面および内面と面一となる。図10は、当て金3、4として水冷当て金を用いた場合の溶接方法の例を説明するものであり、フランジ11の外面側には、H形鋼10、10同士の間隙の一部に当て金3を配置し、溶接ワイヤ9による溶接位置に応じて当て金3を順次移動させてもよい。
本発明にかかる継手構造1は、H形鋼10のウェブ12を、メタルタッチによる当接とし、フランジ11を、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接による完全溶け込み溶接とすることで、H形鋼10の製品の端面をそのまま利用して、簡易且つ迅速にH形鋼同士を接合することができる。
本実施形態による継手構造1は、例えば構真柱や免震構造の建物の柱等、主に鉛直荷重を支持するための極厚H形鋼の柱継手の構造であり、柱継手に特化することで、構造が簡略化され、加工数を削減することができる。すなわち、ウェブ12に開先加工して多層溶接する方法や、ウェブ12もエレクトロスラグ溶接等により溶接する方法に比べて、工数や時間を大幅に削減できる。なお、支圧鋼板2をウェブ12に溶接することにより、ウェブ12にせん断力を伝達させることもできる。
また、エレクトロスラグ溶接でフランジ11、11同士を接合することにより、1パスで効率的且つ高品質な接合を行うことができ、従来極厚H形鋼等において行われていた、例えば被接合部材に開先加工し多層盛溶接で接合する方法に比べ、接合時間を大幅に削減することができる。例えば、フランジ板厚100mmのH形鋼同士を溶接する場合、多層盛溶接では20時間以上を要するのに対し、エレクトロスラグ溶接の場合には30分程度で行うことができる。
さらに、エレクトロスラグ溶接を行う際、上記の実施形態にかかる当て金3、4を用いることにより、被接合部材(H形鋼)への開先加工やスカラップ加工等を必要とせず、溶融スラグや溶融金属の漏れを簡易且つ確実に防ぐことができる。したがって、本発明によれば、H形鋼10の接合面またはその近傍に特別な加工を施すことなく、高品質の柱継手構造を製造することができる。
なお、上記実施形態では、フランジ11、11同士の接合をエレクトロスラグ溶接として説明したが、エレクトロガスアーク溶接でもよい。
また、一般に、極厚H形鋼のフィレット部13は、フランジ11やウェブ12の厚みによらず一定の曲率を有した形状であることから、このような当て金3、4を1セット製造しておけば、複数種類の極厚H形鋼の接合に用いることができる。さらに、当て金を水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金とすれば、繰り返し使用することができ、継手構造1の製造を極めて経済的に行うことができる。
図11は、さらに異なる支圧鋼板2の実施形態を示す。本実施形態では、支圧鋼板2の幅寸法wは、H形鋼10のウェブ厚さdよりも大きく、フィレット部R止まり14間のフランジ幅方向距離wfよりも小さい。このような支圧鋼板2を用いた場合の継手構造101において、フランジ11の内面側に配置する当て金4は、図12に示すように、フランジ11の内面に当接する平面部41およびフィレット部13に沿って接する湾曲面42を有し、且つ、ウェブ12よりも外側に突出している支圧鋼板2の側部と嵌合する切り欠き部44を有する。さらに、図13に示すように、フランジ11同士の間隙に対応する位置に、支圧鋼板2およびフィレット部13の側面に当接する突出片43を有する。これにより、フランジ内面側の当て金4が、フィレット部13および支圧鋼板2に接してフランジ11、11同士の間隙を塞ぎ、溶接時の溶融スラグや溶融金属の流出を防ぐことができる。なお、図14は、支圧鋼板2の幅寸法wがwfと等しい場合の、フランジ11の内面側に配置する当て金4の形状を示す参考図であり、この場合には、湾曲面42に切り欠き部44のみを有する形状でよい。
図15は参考例を示す。この実施形態では、図15(a)に示す支圧鋼板2は、接合するH形鋼10と同じ寸法のH形鋼から、フィレット部13を含むウェブ12を切り出し加工して成形されている。したがって、この支圧鋼板2は、被接合部材であるH形鋼10のフィレット部13と同じ形状の湾曲部分を有している。このような支圧鋼板2を用いた場合の継手構造102において、フランジ11の内面に配置される当て金4は、切削加工(図15(b))または曲げ加工(図15(c))によりH形鋼10のフィレット部13に沿って接する湾曲面45を有するものとする。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、建築構造物等の主に圧縮力を受けるH形鋼の継手構造に適用できる。
1、101、102 継手構造
2 支圧鋼板
3、4 当て金
10 H形鋼
11 フランジ
12 ウェブ
13 フィレット部
14 R止まり
15 溶接部
41 平面部
42 湾曲面
43 突出片
44 切り欠き部

Claims (10)

  1. 断面形状寸法が等しい一対のH形鋼の端面同士を接合した継手構造であって、
    前記一対のH形鋼のウェブ同士の間に、平面形状が矩形で、前記H形鋼のフランジ内面の両フィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離よりも小さい幅を有し、前記ウェブの内法高さ方向の前記ウェブ全長を覆う支圧鋼板が、ウェブ中心面を略対称面にして配置されて、前記支圧鋼板を挟んで前記ウェブ同士が当接され、
    前記一対のH形鋼のフランジ同士がエレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接されていることを特徴とする、H形鋼の継手構造。
  2. 前記一対のH形鋼のフランジの外面および内面の溶接部に、前記支圧鋼板の厚さよりも幅寸法が大きい当て金が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の継手構造。
  3. 前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記ウェブの側端面側に、前記フィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面を有することを特徴とする、請求項2に記載のH形鋼の継手構造。
  4. 前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片を有することを特徴とする、請求項3に記載のH形鋼の継手構造。
  5. 前記支圧鋼板の幅が、フィレット部を除く前記ウェブの厚さよりも大きく、
    前記フランジの内面に配置された前記当て金は、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部を有することを特徴とする、請求項4に記載のH形鋼の継手構造。
  6. 前記支圧鋼板と前記ウェブとが隅肉溶接されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のH形鋼の継手構造。
  7. 断面形状寸法が等しい一対のH形鋼の端面同士を接合する方法であって、
    前記一対のH形鋼のウェブ同士の間に、平面形状が矩形で、フランジ内面の両フィレット部R止まり間のフランジ幅方向距離よりも小さい幅を有し、前記ウェブの内法高さ方向の前記ウェブ全長を覆う支圧鋼板を、ウェブ中心面を略対称面にして配置して、前記支圧鋼板を挟んで前記ウェブ同士を当接し、
    前記一対のH形鋼同士の間隙を塞ぐように、前記フランジの外面および内面に、鋼板、水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金を配置し、前記一対のH形鋼のフランジ同士をエレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接することを特徴とする、H形鋼同士の接合方法。
  8. 前記フランジの外面側の、前記一対のH形鋼同士の間隙の一部に前記水冷銅当て金を配置し、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接の溶接位置に応じて、前記水冷当て金を順次移動させていくことを特徴とする、請求項7に記載のH形鋼同士の接合方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のH形鋼の継手構造において、前記フランジの内面に配置される当て金であって、
    前記H形鋼のフランジの内面に当接する平面部と、
    前記H形鋼のフィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面と、
    前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片、または、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部および前記突出片と、
    を有することを特徴とする、当て金。
  10. 請求項1に記載のH形鋼の継手構造を製造する際に、前記フランジの内面に配置される水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金であって、
    前記H形鋼のフランジの内面に当接する平面部と、
    前記H形鋼のフィレット部の一部または全部に沿って接する湾曲面と、
    前記湾曲面において前記フランジ同士の間隙に対応する位置に、前記支圧鋼板および前記フィレット部の側面に当接する突出片、または、前記支圧鋼板の側部に嵌合する切り欠き部および前記突出片と、
    を有することを特徴とする、水冷銅当て金、セラミックスまたはフラックス製の当て金。
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