JP2001262775A - 鋼管柱の製造方法および鋼管柱 - Google Patents

鋼管柱の製造方法および鋼管柱

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JP2001262775A JP2000073197A JP2000073197A JP2001262775A JP 2001262775 A JP2001262775 A JP 2001262775A JP 2000073197 A JP2000073197 A JP 2000073197A JP 2000073197 A JP2000073197 A JP 2000073197A JP 2001262775 A JP2001262775 A JP 2001262775A
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Hiroshi Nakajima
拓 中島
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功雄 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各コーナ部の曲率半径が揃い、突き合わせ溶
接部が傾斜状になるなどの変形は生ぜず、コンクリート
を剥離し難く充填できる鋼管柱の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定の板厚tの半成形長尺鋼管1と、半
成形長尺鋼管1よりも板厚が厚くTかつ梁材連結部を形
成する長さLの半成形短尺鋼管2を有する。半成形短尺
鋼管2の内面2bに突起体3群を溶接結合4し、半成形
長尺鋼管1と半成形短尺鋼管2は突き合わせ溶接1a,
2aした。外周形状は、最終製品形状よりも大きくして
同一状に形成した。半成形長尺鋼管1と半成形短尺鋼管
2を、半成形短尺鋼管2を梁材連結位置として長さ方向
で溶接結合5して半成形鋼管柱7を形成した。半成形鋼
管柱7を加熱したのち、外周形状が最終製品形状になる
ように熱間成形した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば鉄骨構造
物の支柱として使用される鋼管柱の製造方法および鋼管
柱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、支柱側に対してダイヤフラムを取
り付ける方式として、たとえば通しダイヤフラム方式や
内ダイヤフラム方式などが提供されている。
【0003】このうち通しダイヤフラム方式は、たとえ
ば図9に示されるように、支柱が、その長さ方向におい
て下部支柱31とパネルゾーン用のコラム32と上部支
柱33とに切断(分断)されている。そして下部支柱3
1の上端に、裏当て材を介して下部ダイヤフラム34が
溶接されるとともに、この下部ダイヤフラム34上に裏
当て材を介してコラム32の下端が溶接される。さらに
コラム32の上端に、裏当て材を介して上部ダイヤフラ
ム35が溶接されるとともに、この上部ダイヤフラム3
5上に裏当て材を介して上部支柱33の下端が溶接され
る。
【0004】このようにして形成された支柱36に対す
る梁材(主にH形鋼材)37の連結は、この梁材37の
遊端を、両ダイヤフラム34,35やコラム32に溶接
することで行っていた。そして両ダイヤフラム34,3
5は、応力の伝達の役目を成していた。
【0005】また内ダイヤフラム方式は、たとえば図1
0に示されるように、支柱が、その長さ方向において下
部支柱41と上部支柱42とに切断(分断)されてい
る。そして下部支柱41内の上部と上部支柱42内の下
部とに、それぞれ裏当て材を介してダイヤフラム43が
溶接結合されている。これら下部支柱41と上部支柱4
2とは、直線状に位置されたのち、その遊端間が溶接結
合されている。
【0006】このようにして形成された支柱44に対す
る梁材45の連結は、この梁材45の遊端を、上下のダ
イヤフラム43に対向させた状態で、下部支柱41と上
部支柱42との外面に溶接結合することで行われてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいて、図9に示される通しダイヤフラム方式による
と、支柱(鋼管)36は、短く切断するとともに溶接の
ための開先加工を行い、そして両ダイヤフラム34,3
5は、それぞれ上下の二箇所、合計四箇所を溶接するこ
とから、組立て工数が多くかつ溶接長さは長くなり、以
て全体作業が複雑化するとともに製作費が高くなる。
【0008】また図10に示される内ダイヤフラム方式
によると、両ダイヤフラム43のそれぞれの溶接と、下
部支柱41と上部支柱42との溶接との、合計三箇所の
溶接が必要となることから、組立て工数が多くかつ溶接
長さは長くなり、以て全体作業が複雑化するとともに製
作費が高くなる。さらにダイヤフラム43は、下部支柱
41と上部支柱42との端部近くにしか配置できず、ま
た下部支柱41と上部支柱42との溶接結合部46を跨
いで梁材45が溶接結合されることから、支柱44は、
梁材45の連結位置に応じて短く切断され、長い一本も
のの支柱にはできなかった。
【0009】さらに両方式ともに、ダイヤフラム34,
35やダイヤフラム43の存在によって、強度や耐火の
ためのコンクリートを、その中に充填することは容易に
行えない。また、充填したコンクリートは、風などによ
り支柱36、44が揺れたときの変形で、下部支柱3
1、コラム32、上部支柱33や、下部支柱41、上部
支柱42などの内面から剥離し易いものとなり、以て所
期の強度や耐火の作用が十分に発揮されない状態にな
る。
【0010】なお、別に外ダイヤフラム方式もあるが、
これによると支柱外部の構造物が大型、重量大となり、
しかも溶接長さが長いものとなる。そこで本発明のうち
請求項1記載の発明は、各コーナ部の曲率半径が揃い、
しかも突き合わせ溶接部が傾斜状になるなどの変形は生
ぜず、しかもコンクリートを剥離し難く充填し得る鋼管
柱の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0011】また請求項3記載の発明は、二箇所の溶接
でよく、しかも十分な強度を持ち、さらにコンクリート
を容易に充填し得るとともに、コンクリートは剥離し難
くした鋼管柱を提供することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した第1の目的を達
成するために、本発明のうちで請求項1記載の鋼管柱の
製造方法は、所定の板厚の半成形長尺鋼管と、この半成
形長尺鋼管よりも板厚が厚くかつ梁材連結部を形成する
長さの半成形短尺鋼管とを有し、この半成形短尺鋼管の
内面に突起体群が溶接結合され、前記半成形長尺鋼管と
半成形短尺鋼管とは、少なくとも一箇所が突き合わせ溶
接されるとともに、その外周形状は、最終製品形状より
も大きくして同一状に形成されており、これら半成形長
尺鋼管と半成形短尺鋼管とを、半成形短尺鋼管を梁材連
結位置として長さ方向で溶接結合して半成形鋼管柱を形
成し、この半成形鋼管柱を加熱したのち、その外周形状
が最終製品形状になるように熱間成形することを特徴と
したものである。
【0013】したがって請求項1の発明によると、半成
形鋼管柱に対して熱間成形を行うことで、その全長にお
いて各コーナ部の曲率半径を揃えた角形鋼管柱を製造し
得る。また熱間成形によって、平板部とコーナ部とを均
質化した角形鋼管柱を製造し得るとともに、各溶接が母
材に一体化されて、突起体の結合は強固に行われるとと
もに、塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得
る。
【0014】また本発明の請求項2記載の鋼管柱の製造
方法は、上記した請求項1記載の構成において、半成形
長尺角形鋼管と半成形短尺角形鋼管とが使用され、これ
ら半成形長尺角形鋼管と半成形短尺角形鋼管とのコーナ
部は、最終製品の曲率半径よりも大きい曲率半径に形成
されており、溶接結合して形成した半成形角形鋼管柱を
加熱したのち、そのコーナ部が最終製品の曲率半径にな
るように熱間成形することを特徴としたものである。
【0015】したがって請求項2の発明によると、溶接
結合を行った半成形角形鋼管柱に対して熱間成形を行う
ことで、その全長において各コーナ部の曲率半径を揃
え、しかも平板部とコーナ部とを均質化した角形鋼管柱
を製造し得る。さらに突き合わせ溶接部が傾斜せず直線
状のままであるなどの変形が生じない角形鋼管柱を製造
し得る。前述した第2の目的を達成するために、本発明
の請求項3記載の鋼管柱は、所定の板厚の長尺鋼管と、
この長尺鋼管よりも板厚が厚くかつ梁材連結部を形成す
る長さの短尺鋼管とからなり、この短尺鋼管は内面に突
起体群を有し、前記長尺鋼管と短尺鋼管とは、短尺鋼管
を梁材連結位置として長さ方向で溶接結合されるととも
に、溶接結合後に熱間成形することで、その外周形状を
整形して構成され、中にコンクリートが充填されている
ことを特徴としたものである。
【0016】したがって請求項3の発明によると、短尺
鋼管の両端に長尺鋼管を溶接結合することで、この短尺
鋼管によって厚い板厚の梁材連結部を形成し得、その際
に二箇所の溶接でよいことから、組立て工数を削減し得
るとともに溶接長さは短くなる。また長尺鋼管と短尺鋼
管とは、長さ方向で溶接結合したのち熱間成形すること
で、その外周形状を整形し得る。さらに梁材連結部は、
予めの厚い板厚によって十分な強度を確保し得、梁材の
溶接結合は何ら支障なく行える。
【0017】そして角形鋼管柱はパイプジョイント形式
で得られ、内蔵リブや裏当て金などがない状態に仕上げ
得る。したがって、中にコンクリートを充填させる構成
も容易に採用し得る。さらに角形鋼管柱は、中に充填さ
せたコンクリートによって、強度や耐火に対処し得る。
その際に梁材連結部では、突起体間の間隔(隙間)や、
内面と突起体対向面との間隔などを通して、コンクリー
を内面まで十分に充填させ得る。また、充填したコンク
リートは、風などにより角形鋼管柱が揺れて変形したと
きでも、突起体群によって内面から剥離し難いものとな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態を、四角形の角形鋼管を採用した状態として、図1〜
図8に基づいて説明する。
【0019】図1、図2に示されるように、所定の板厚
tでかつ各コーナ部が大きい曲率半径Rに成形された半
成形長尺角形鋼管(半成形長尺鋼管)1と、この半成形
長尺角形鋼管1の板厚tよりも厚い板厚Tでかつかつ同
様に各コーナ部が大きい曲率半径Rに成形された半成形
短尺角形鋼管(半成形短尺鋼管)2とが準備される。
【0020】その際に半成形長尺角形鋼管1と半成形短
尺角形鋼管2とは、その一つの平板部に、突き合わせ溶
接による突き合わせ溶接部1a,2aが形成されてお
り、そして少し長めの外寸W+αとして半成形されてい
る。さらに半成形短尺角形鋼管2は、梁材連結部を形成
する長さ(高さ)Lとされている。
【0021】ここで所定の板厚tとは、鉄骨構造物の規
模に応じて採用される鋼管柱の外寸Wなどにより決定さ
れるもので、たとえば外寸Wが600mmのときに板厚
tは25mmである。また半成形長尺角形鋼管1の板厚
tと半成形短尺角形鋼管2の板厚Tとは、たとえば2t
≒Tとされている。また半成形長尺角形鋼管1と半成形
短尺角形鋼管2とは、各コーナ部を大きい曲率半径Rと
しかつ少し長めの外寸W+αとすることで、その外周形
状は、最終製品形状(角形鋼管柱)よりも大きくして同
一状に形成されている。
【0022】そして半成形短尺角形鋼管2の内面2b
に、突起体3群が溶接結合4されている。ここで突起体
3としてTボルト状のものが使用されているが、その際
に突起体3間の間隔(隙間)Sや、内面2bと突起体対
向面との間隔Sなどは、コンクリートの粒状物(最大で
約50mm)が入り込めるように設定されている。このよ
うな半成形長尺角形鋼管1と半成形短尺角形鋼管2と
を、その外周形状を同一状として、かつ突き合わせ溶接
部1a,2aを同一直線状として位置させる。そして、
半成形長尺角形鋼管1と半成形短尺角形鋼管2との相当
接間を溶接結合5することで、図3、図4(a)に示さ
れるように、半成形短尺角形鋼管2を梁材連結位置とし
て半成形角形鋼管柱(半成形鋼管柱)7を構成する。
【0023】ここで半成形短尺角形鋼管2の両端で内面
には、その厚さを半成形長尺角形鋼管1の板厚tに合わ
せるための段部2cが形成されている。そして溶接結合
5を施工する際に、その段部2cを利用して溶接箇所の
内側には、必要に応じてリング状のフラットバー6がセ
ットされる(図7参照。)。なお、フラットバー6を使
用しないときには、内外からの溶接結合が採用される。
【0024】次いで、大きい曲率半径Rの半成形角形鋼
管柱(原鋼管)7に対して熱間成形(整形)を行う。す
なわち、半成形角形鋼管柱7が加熱手段(加熱炉など)
15において加熱され、そして成形手段(成形ロール装
置など)16において熱間成形(熱間絞り成形)され
る。
【0025】このように外周形状を熱間成形することに
より、図3、図4(b)に示すように、全長に亘って所
望の外寸Wであり、かつ各コーナが同様な曲率半径rで
あり、そして所定の板厚tの長尺角形鋼管(長尺鋼管)
1Aと、厚い板厚Tの梁材連結部を形成しかつ内面に突
起体3群を有する短尺角形鋼管(短尺鋼管)2Aとを、
長さ方向で溶接結合5して構成してなる角形鋼管柱(鋼
管柱)10、すなわち、外周形状を最終製品形状とした
角形鋼管柱10が得られる。
【0026】このような角形鋼管柱10は、所定本数が
建築現場などに運搬され、そして図5〜図7に示すよう
に、梁材連結部を形成する長さLの短尺角形鋼管2Aの
外面に、梁材11が溶接結合12によって連結される。
なお角形鋼管柱10は、図5の仮想線に示すように、積
上げ状に配置されたのち、その上下間が溶接結合12さ
れることで、所定長さ(高さ)に構成される。そして積
上げ溶接の前後において、角形鋼管柱10の中にコンク
リート13が充填される。
【0027】したがって角形鋼管柱10は、中にコンク
リート13を充填させることで、強度や耐火に対処し得
る。その際に梁材連結部では、突起体3間の間隔(隙
間)Sや、内面2bと突起体対向面との間隔Sなどを通
して、コンクリー13が内面2bまで十分に充填され
る。
【0028】上述した角形鋼管柱10の製造方法による
と、半成形短尺角形鋼管2の両端に半成形長尺角形鋼管
1を溶接結合5したことで、この半成形短尺角形鋼管2
Aによって梁材連結部を形成し得る。したがって、二箇
所の溶接でよいことから組立て工数を削減し得るととも
に溶接長さは短くなり、以て全体を簡略化して経済的と
なり、かつ溶接歪などが生じ難いものとなる。
【0029】また半成形長尺角形鋼管1と半成形短尺角
形鋼管2とを、その外周形状を同一状(同様な少し長め
の外寸W+α、同様な大きい曲率半径R)として相当接
間を長さ方向で溶接結合5することで、その溶接結合5
は十分に強固にかつ綺麗に行える。
【0030】そして半成形角形鋼管柱7に対して熱間成
形を行うことで、その全長において各コーナ部の曲率半
径rを揃え、しかも突き合わせ溶接部1a,2aが傾斜
せず直線状のままであるなどの変形が生じない角形鋼管
柱10を製造し得る。さらに熱間成形によって、平板部
とコーナ部とを均質化した角形鋼管柱10を製造し得る
とともに、各溶接(1a,2a,4,5)が母材(半成
形短尺角形鋼管や半成形長尺角形鋼管)に一体化され、
以て突起体3の結合を強固に行えるとともに、塑性変形
性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得る。
【0031】また、梁材連結部は、予めの厚い板厚Tに
よって十分な強度を確保し得、梁材11の溶接結合12
は何ら支障なく行える。そして角形鋼管柱10はパイプ
ジョイント形式で得られ、内蔵リブや裏当て金などがな
い状態に仕上げ得る。したがって、中にコンクリート1
3を充填させる構成も容易に採用し得る。
【0032】そして角形鋼管柱10は、中にコンクリー
ト13を充填させることで、強度や耐火に対処し得る。
その際に梁材連結部では、突起体3間の間隔(隙間)S
や、内面2bと突起体対向面との間隔Sなどを通して、
コンクリー13が内面2bまで十分に充填させ得る。ま
た、充填したコンクリート13は、風などにより角形鋼
管柱10が揺れて変形したときでも、突起体3群によっ
て内面2bから剥離し難いものとなり、以て所期の強度
や耐火の作用を十分に発揮し得る。
【0033】なお、上記した第1の実施の形態におい
て、半成形長尺角形鋼管1や半成形短尺角形鋼管2は、
鋼板をプレス成形したのち突き合わせ溶接することで得
たり、あるいは、鋼板を曲げ成形したのち突き合わせ溶
接することで丸形鋼管を成形したのち、この丸形鋼管を
プレス方式やロール方式により成形することで得てい
る。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態を、図8
に基づいて説明する。すなわち図8(a)に示すよう
に、所定の板厚tの半成形長尺丸形鋼管(半成形長尺鋼
管)21と、この半成形長尺丸形鋼管21の板厚tより
も厚い板厚Tでかつ梁材連結部を形成する長さ(高さ)
Lの半成形短尺丸形鋼管(半成形短尺鋼管)22とから
なる。これら半成形長尺丸形鋼管21と半成形短尺丸形
鋼管22とは、その周方向の一箇所に、突き合わせ溶接
による突き合わせ溶接部21a,22aが形成されてお
り、少し大きめの直径D+αとして半成形されている。
そして半成形短尺丸形鋼管22の内面22bに、突起体
23群が溶接結合24されている。
【0035】次いで、突き合わせ溶接部20b,21b
を同一直線状として、半成形長尺丸形鋼管21と半成形
短尺丸形鋼管22との相当接間を溶接結合することで、
半成形短尺丸形鋼管22を梁材連結位置として半成形丸
形鋼管柱(半成形鋼管柱)25を構成する。
【0036】次いで半成形丸形鋼管柱25に対して熱間
成形(整形)を行うことにより、図8(b)に示すよう
に、全長に亘って所望の直径Dであり、かつ梁材連結位
置が厚い板厚Tの丸形鋼管柱(鋼管柱)26、すなわ
ち、外周形状を最終製品形状とした丸形鋼管柱26が得
られる。
【0037】このような丸形鋼管柱26は、所定本数が
建築現場などに運搬され、そして積上げ状に配置された
のち、その上下間が溶接結合されることで、所定長さ
(高さ)に構成される。そして積上げ溶接の前後におい
て、角形鋼管柱10の中にコンクリート27が充填され
る。
【0038】したがって丸形鋼管柱26は、中にコンク
リート27を充填させることで、強度や耐火に対処し得
る。その際に梁材連結部では、突起体23間の間隔(隙
間)Sや、内面22bと突起体対向面との間隔Sなどを
通して、コンクリート27が内面22bまで十分に充填
される。
【0039】上記した各実施の形態においては、突起体
3,23としてTボルト状のものが使用されているが、
これは、頭部が円板体のIボルト状やL字ブラケット状
のものなど、種々な形状の突起体が使用されるものであ
る。また、たとえば図7の仮想線に示されるように、短
尺角形鋼管2Aにおける段部2cよりも外の両端で板厚
の薄い部分に、突起体3a群が追加して設けられる形式
であってもよい。
【0040】上記した各実施の形態において、鋼管とし
ては、たとえば、ロール成形によるワンシーム角形鋼
管、プレス成形による一対のみぞ形材を向き合わせて突
き合わせ溶接したツーシーム角形鋼管、一対の圧延みぞ
形材を溶接してなるツーシーム角形鋼管、圧延山形材を
一対、向き合わせて溶接したツーシーム角形鋼管、四面
ボックス、シームレス鋼管など、いずれも既製の鋼管が
適宜に使用される。
【0041】上記した実施の形態では、角形鋼管として
断面で正四角形状の鋼管を採用しているが、これは断面
で長方形の鋼管も同様に採用し得るものである。さらに
は、正五角形や正六角形など、各種の多角形の鋼管にも
同様に採用し得るものである。
【0042】上記した各実施の形態では、エレクトロス
ラグ溶接機やエレクトロガスアーク溶接機による溶接で
あり、これによると、短時間で高品質の溶接を行うこと
ができる。なお、レーザなど他の溶接方式であってもよ
い。
【0043】
【発明の効果】上記した本発明の請求項1によると、半
成形鋼管柱に対して熱間成形を行うことで、その全長に
おいて各コーナ部の曲率半径を揃ることができ、しかも
平板部とコーナ部とを均質化した角形鋼管柱を製造でき
る。また熱間成形によって、各溶接を母材に一体化でき
て、突起体の結合を強固に行うことができるとともに、
塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止できる。
【0044】また上記した本発明の請求項2によると、
溶接結合を行った半成形角形鋼管柱に対して熱間成形を
行うことで、その全長において各コーナ部の曲率半径を
揃え、しかも平板部とコーナ部とを均質化した角形鋼管
柱を製造できる。さらに突き合わせ溶接部が傾斜せず直
線状のままであるなどの変形が生じない角形鋼管柱を製
造できる。
【0045】そして上記した本発明の請求項3による
と、短尺鋼管の両端に長尺鋼管を溶接結合することで、
この短尺鋼管によって厚い板厚の梁材連結部を形成で
き、その際に二箇所の溶接でよいことから、組立て工数
を削減できるとともに溶接長さを短くでき、以て全体を
簡略化して経済的となり、かつ溶接歪などが生じ難いも
のにできる。
【0046】また長尺鋼管と短尺鋼管とは、長さ方向で
溶接結合したのち熱間成形することで、その外周形状を
整形できる。さらに梁材連結部は、予めの厚い板厚によ
って十分な強度を確保でき、梁材の溶接結合は何ら支障
なく行うことができる。そして角形鋼管柱はパイプジョ
イント形式で得られ、内蔵リブや裏当て金などがない状
態に仕上げることができて、中にコンクリートなどを充
填させる構成も容易に採用できる。
【0047】さらに角形鋼管柱は、中に充填させたコン
クリートによって、強度や耐火に対処でき、その際に梁
材連結部では、突起体間の間隔(隙間)や、内面と突起
体対向面との間隔などを通して、コンクリーを内面まで
十分に充填できる。また、充填したコンクリートは、風
などにより角形鋼管柱が揺れて変形したときでも、突起
体群によって内面から剥離し難いものとなり、以て所期
の強度や耐火の作用を十分に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、鋼管柱の製
造方法における半成形角型鋼管柱の溶接結合前の一部切
り欠き斜視図である。
【図2】同鋼管柱の製造方法における半成形短尺角型鋼
管を示し、(a)は縦断正面図、(b)は平面図であ
る。
【図3】同鋼管柱の製造方法における熱間成形の工程説
明図である。
【図4】同鋼管柱の製造方法における説明図で、(a)
は半成形角形鋼管柱の横断平面図、(b)は角形鋼管柱
の横断平面図である。
【図5】同鋼管柱の縦断正面図である。
【図6】同鋼管柱の一部切り欠き斜視図である。
【図7】同鋼管柱の要部の縦断正面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示し、鋼管柱の製
造方法の説明図で、(a)は半成形丸形鋼管柱の横断平
面図、(b)は丸形鋼管柱の横断平面図である。
【図9】従来例を示し、鋼管柱の一部切り欠き斜視図で
ある。
【図10】別の従来例を示し、鋼管柱の一部切り欠き斜
視図である。
【符号の説明】
1 半成形長尺角形鋼管(半成形長尺鋼管) 1a 突き合わせ溶接部 1A 長尺角形鋼管(長尺鋼管) 2 半成形短尺角形鋼管(半成形短尺鋼管) 2a 突き合わせ溶接部 2b 内面 2A 短尺角形鋼管(短尺鋼管) 3 突起体 4 溶接結合 5 溶接結合 7 半成形角形鋼管柱(半成形鋼管柱) 10 角形鋼管柱(鋼管柱) 11 梁材 13 コンクリート 15 加熱手段 16 成形手段 21 半成形長尺丸形鋼管(半成形短尺鋼管) 21a 突き合わせ溶接部 22 半成形短尺丸形鋼管(半成形短尺鋼管) 22a 突き合わせ溶接部 22b 内面 23 突起体 24 溶接結合 25 半成形丸形鋼管柱(半成形鋼管柱) 26 丸形鋼管柱(鋼管柱) 27 コンクリート t 半成形長尺角形鋼管の板厚 T 半成形短尺角形鋼管の板厚 L 梁材連結部を形成する長さ W 鋼管柱の外寸 W+α 半成形角形鋼管柱の外寸 R 半成形角形鋼管の曲率半径 r 鋼管柱の曲率半径 D+α 半成形丸形鋼管の直径 D 丸形鋼管柱の直径 S 間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 拓 大阪府大阪市淀川区加島3丁目10番111号 ナカジマ鋼管株式会社内 (72)発明者 中島 功雄 大阪府大阪市淀川区加島3丁目10番111号 ナカジマ鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2E163 FA02 FB06 FD52 FF13 FF17 4E081 YB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の板厚の半成形長尺鋼管と、この半
    成形長尺鋼管よりも板厚が厚くかつ梁材連結部を形成す
    る長さの半成形短尺鋼管とを有し、この半成形短尺鋼管
    の内面に突起体群が溶接結合され、前記半成形長尺鋼管
    と半成形短尺鋼管とは、少なくとも一箇所が突き合わせ
    溶接されるとともに、その外周形状は、最終製品形状よ
    りも大きくして同一状に形成されており、これら半成形
    長尺鋼管と半成形短尺鋼管とを、半成形短尺鋼管を梁材
    連結位置として長さ方向で溶接結合して半成形鋼管柱を
    形成し、この半成形鋼管柱を加熱したのち、その外周形
    状が最終製品形状になるように熱間成形することを特徴
    とする鋼管柱の製造方法。
  2. 【請求項2】 半成形長尺角形鋼管と半成形短尺角形鋼
    管とが使用され、これら半成形長尺角形鋼管と半成形短
    尺角形鋼管とのコーナ部は、最終製品の曲率半径よりも
    大きい曲率半径に形成されており、溶接結合して形成し
    た半成形角形鋼管柱を加熱したのち、そのコーナ部が最
    終製品の曲率半径になるように熱間成形することを特徴
    とする請求項1記載の鋼管柱の製造方法。
  3. 【請求項3】 所定の板厚の長尺鋼管と、この長尺鋼管
    よりも板厚が厚くかつ梁材連結部を形成する長さの短尺
    鋼管とからなり、この短尺鋼管は内面に突起体群を有
    し、前記長尺鋼管と短尺鋼管とは、短尺鋼管を梁材連結
    位置として長さ方向で溶接結合されるとともに、溶接結
    合後に熱間成形することで、その外周形状を整形して構
    成され、中にコンクリートが充填されていることを特徴
    とする鋼管柱。
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