JP2017088733A - ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法を提供する。【解決手段】カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01となるように、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを水に溶解させることを含む方法によって、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を得る。該水溶液を用いて乳脂質を分散させてホイップクリームなどを得る。【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法に関する。
一般に、ヒドロキシプロピルセルロースのみを含有する水溶液は、下限臨界溶液温度(約45℃)を境界に、低温側において均一状態に、高温側において白濁状態に、可逆的に変化する。これは、ヒドロキシプロピルセルロースと水との水素結合の量(水和度)が温度に応じて変動するからである。この現象を熱凝集と一般に呼んでいる。
熱凝集状態のヒドロキシプロピルセルロースが塊りになると、製造装置に設置されているフィルターなどを詰まらせることがある。そのため、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法が要望されている。
熱凝集状態のヒドロキシプロピルセルロースが塊りになると、製造装置に設置されているフィルターなどを詰まらせることがある。そのため、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法が要望されている。
ところで、ヒドロキシプロピルセルロースは、乳脂質などの分散をするために使用されることがある。例えば、特許文献1は、約55から93質量%の水、約5から45質量%の脂肪、約1から10質量%のタンパク質、約0.5から10質量%のデンプン、有効量の乳化剤、有効量の安定剤及び有効量の緩衝剤を含むクッキングクリームであって、安定剤が、カラジーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性セルロース及びそれらの混合物から成る群から選択されるものを開示している。
特許文献2は、(a)7〜24質量%の水溶性炭水化物、(b)8〜16質量%の脂肪、(c)0.3〜1.5質量%の乳化剤、(d)0.2〜1質量%の、場合によりメチル化されたヒドロキシプロピルセルロース、(e)0.05〜0.5質量%のカルボキシメチルセルロース、(f)0〜1質量%の、成分(a)、成分(d)及び成分(e)とは異なる非タンパク質ヒドロコロイド安定剤、(g)0〜0.2質量%未満のタンパク質、及び、(h)53〜84質量%の水を含む、ホイップ可能なトッピング組成物であって、すべての百分率はホイップ可能なトッピング組成物の合計質量を基準とし、場合によりメチル化されたヒドロキシプロピルセルロース(d)/カルボキシメチルセルロース(e)の質量比は1.7:1〜3.5:1の範囲内にある、ホイップ可能なトッピング組成物を開示している。
本発明の課題は、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法を提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕 カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01となるように、
ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを水に溶解させることを含む、
ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法。
ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを水に溶解させることを含む、
ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法。
〔2〕 前記ヒドロキシプロピルセルロース粉末は、2%水溶液の20℃における粘度150〜4000mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度2.0〜10.0mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものである、〔1〕に記載の方法。
〔3〕 ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを含有し、且つ
カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01である、混合粉末。
〔4〕 前記ヒドロキシプロピルセルロース粉末は、2%水溶液の20℃における粘度150〜4000mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度2.0〜10.0mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものである、〔3〕に記載の混合粉末。
カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01である、混合粉末。
〔4〕 前記ヒドロキシプロピルセルロース粉末は、2%水溶液の20℃における粘度150〜4000mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度2.0〜10.0mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものである、〔3〕に記載の混合粉末。
本発明の製造方法によれば、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を得ることができる。本発明の製造方法で得られる水溶液は、熱が加わっても、製造装置に設置されているフィルターなどを詰まらせることがほとんどない。本発明の製造方法で得られる水溶液は、ホイップクリームなどの製造に好適である。
本発明の混合粉末は、ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性を低減させることができる質量比で、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを含有しているので、本発明に係るヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法において、好ましく用いることができる。
本発明に係るヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法は、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを水に溶解させることを含むものである。
ヒドロキシプロピルセルロースは、WO2011/065350などに記載の公知の方法に従って製造することができる。具体的には、原料のセルロースに、水酸化ナトリウムを作用させてアルカリセルロースとし、次いでアルカリセルロースとプロピレンオキサイドとを置換反応させることによって得ることができる。置換反応の後、反応液に、酢酸や塩酸などの酸を加えて水酸化ナトリウムを中和し、次いで精製することができる。
本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロースは、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が、好ましくは40〜80質量%、より好ましくは53〜78質量%である。ヒドロキシプロポキシ基の含有量は、日本薬局方に記載の方法に準じた方法によって求めることができる。
本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロースは、2%水溶液の20℃における粘度が、好ましくは2.0〜4000mPa・s、より好ましくは6.0〜400mPa・sである。粘度は第十六改正日本薬局方に基づき測定される。
本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロース粉末は、高粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と低粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものであることが好ましい。高粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)は、2%水溶液の20℃における粘度が、好ましくは150〜4000mPa・s、より好ましくは150〜400mPa・sである。低粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)は、2%水溶液の20℃における粘度が、好ましくは2.0〜10.0mPa・s、より好ましくは6.0〜10.0mPa・sである。高粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)に対する低粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)の質量比((B)/(A))は、特に限定されないが、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは1/1〜5/1である。
本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロース粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD50が、好ましくは50〜230μm、より好ましくは140〜200μmである。本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロース粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD90が、好ましくは150〜500μm、より好ましくは260〜330μmである。本発明に用いられるヒドロキシプロピルセルロース粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD10が、好ましくは20〜120μm、より好ましくは60〜100μmである。
高粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と低粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有する場合、高粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)は、体積基準累積粒度分布におけるD50が好ましくは130〜190μm、より好ましくは140〜180μmであり、体積基準累積粒度分布におけるD90が好ましくは250〜330μm、より好ましくは260〜320μmであり、低粘性ヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)は、体積基準累積粒度分布におけるD50が好ましくは145〜230μm、より好ましくは160〜200μmであり、体積基準累積粒度分布におけるD90が好ましくは290〜370μm、より好ましくは300〜330μmである。
ヒドロキシプロピルセルロース粉末の粒度分布は、例えば、分級や粉砕、噴霧乾燥などにより調整することができる。好ましくは、超音波篩による分級、ジェットミルによる粉砕により、上記の体積基準累積粒度分布を有するヒドロキシプロピルセルロース粉末を得ることができる。なお、体積基準累積粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、東日本コンピュータ社製「LDSA−2400」)を用いて、空気圧3.0kgf/cm2、焦点距離100mmの条件で測定したものである。
混合粉末に含まれるヒドロキシプロピルセルロース粉末の量は、特に制限されないが、混合粉末に対して、好ましくは77.80〜99.99質量%、より好ましくは80.0〜99.5質量%、さらに好ましくは90.0〜99.0質量%である。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは、水酸化ナトリウムの存在下に、セルロースとクロロ酢酸とを反応させることにより合成することができる。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは、エーテル化度が、好ましくは0.45〜1.45、より好ましくは0.55〜0.85、さらに好ましくは0.65〜0.75である。エーテル化度は次のようにして決定する。試料(無水物)0.5〜0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化する。冷却したのち、これを500mlビーカーに移し、水を約250ml、さらにピペットで0.05モル/l硫酸35mlを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1モル/l水酸化カリウムで逆滴定して、次式によってエーテル化度を算出する。
エーテル化度=162×A/(10000−80×A)
Aは試料1g中の結合アルカリに消費された0.05モル/l硫酸の量[ml]である。
エーテル化度=162×A/(10000−80×A)
Aは試料1g中の結合アルカリに消費された0.05モル/l硫酸の量[ml]である。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは、1%水溶液の25℃における粘度が、好ましくは10〜15000mPa・s、より好ましくは1000〜10000mPa・s、さらに好ましくは6000〜8000mPa・sである。粘度は次のようにして決定する。カルボキシメチルセルロースナトリウム1%水溶液を一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間かきまぜ、完全な溶液としたのち、口径約45mm、高さ約145mmのフタつき容器に移し、30分間25±0.2℃の恒温槽に入れ、溶液が25℃になればガラス棒でゆるくかきまぜて、BM型粘度計の適当なローターおよびガードをとり付け、ローターを回転させ開始3分後の目盛りを読み取る(回転数は30rpm、あるいは60rpm)。ローターの種類、および回転数に応じて定められた係数を読み取り目盛値に乗じて粘度値を算出する。
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末は、粒度が、好ましくは見開き200μm全通、より好ましくは目開き180μm全通である。
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウムス粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD50が、好ましくは70〜130μm、より好ましくは80〜120μmである。本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD90が、好ましくは170〜250μm、より好ましくは190〜230μmである。本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD10が、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜60μmである。
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウムス粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD50が、好ましくは70〜130μm、より好ましくは80〜120μmである。本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD90が、好ましくは170〜250μm、より好ましくは190〜230μmである。本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD10が、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜60μmである。
カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末の粒度は、例えば、分級や粉砕、噴霧乾燥などにより調整することができる。好ましくは、超音波篩による分級、ジェットミルによる粉砕により、上記の粒度を有するカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末を得ることができる。
混合粉末に含まれるカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末の量は、特に制限されないが、混合粉末に対して、好ましくは0.01〜22.20質量%、より好ましくは0.5〜20.0質量%、さらに好ましくは1.0〜10.0質量%である。
本発明において、カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比は、77.80/22.20〜99.99/0.01、好ましくは80.0/20.0〜99.5/0.5、より好ましくは90.0/10.0〜99.0/1.0、よりさらに好ましくは95.0/5.0〜99.0/1.0である。このような質量比でヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを含有する混合粉末は本発明の製造方法に好ましく用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる水は、軟水でも、硬水でもよい。係る水としては、水道水、工業用水、農業用水などを挙げることができる。ホイップクリームなどの食品に用いる場合は、飲料水、蒸留水、イオン交換水などを用いることが好ましい。
ヒドロキシプロピルセルロース粉末およびカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末の水への溶解は、その手法によって、特に制限されない。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース粉末を水に溶解させ、得られた水溶液にカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末を溶解させてもよいし、カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末を水に溶解させ、得られた水溶液にヒドロキシプロピルセルロース粉末を溶解させてもよいし、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを所定質量比で含有する混合粉末を水に溶解させてもよい。これらのうち、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを所定質量比で含有する混合粉末を水に溶解させる方法が好ましい。
本発明に係る混合粉末は、単に混ぜ合わせただけのものであってもよいが、造粒して一体化したもの(造粒混合粉末)が好ましい。係る造粒混合粉末は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを混ぜ合わせながら、水を噴きかけながら、乾燥させることによって、10〜150メッシュ通過程度の大きさに造粒することによって得ることができる。
本発明に係る造粒混合粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD50が、好ましくは150〜350μm、より好ましくは200〜240μmである。本発明に係る造粒混合粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD90が、好ましくは300〜1000μm、より好ましくは350〜450μmである。本発明に係る造粒混合粉末は、体積基準累積粒度分布におけるD10が、好ましくは50〜160μm、より好ましくは80〜140μmである。このような大きさの造粒混合粉末を用いると水溶液への溶解が容易になり、熱凝集性も低くなる傾向がある。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は当該実施例に限定されない。
実施例1
実施例1
ヒドロキシプロピルセルロース粉末(2%水溶液の20℃における粘度約275mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度約8mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)との混合物)77.6kgと1%水溶液の25℃における粘度約7000mPa・s、エーテル化度約0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末2.4kgとを混ぜ合わせた。該混合物を流動層造粒器に入れ、温度約47℃の熱風で流動させながら、温水8lを15分間に亘り噴霧した。噴霧終了後、57℃の熱風で流動させて、水分量0.9%、かさ密度0.26g/ml、80メッシュ通過率6.6%の造粒混合粉末を得た。造粒混合粉末は、D10が約107μm、D50が約220μm、D90が約410μmであった。
該造粒混合粉末を水に溶解させて0.5%水溶液を得た。該水溶液を熱して60℃にし、その状態を3.5時間維持した。次いで、該水溶液(60℃)を710μm篩に通した。篩上に熱凝集物の塊が残らなかった。
比較例1
2%水溶液の20℃における粘度約275mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)80kgを用意した。これを水に溶解させて0.5%水溶液を得た。該水溶液を熱して60℃にし、その状態を3.5時間維持した。次いで、該水溶液(60℃)を710μm篩に通した。篩上の約5面積%に熱凝集物の塊が残っていた。
2%水溶液の20℃における粘度約275mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)80kgを用意した。これを水に溶解させて0.5%水溶液を得た。該水溶液を熱して60℃にし、その状態を3.5時間維持した。次いで、該水溶液(60℃)を710μm篩に通した。篩上の約5面積%に熱凝集物の塊が残っていた。
実施例2
2%水溶液の20℃における粘度約275mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)77.6kgと1%水溶液の25℃における粘度約7000mPa・s、エーテル化度約0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末2.4kgとを混ぜ合わせた。該混合物を実施例1と同じ方法で造粒して、造粒混合粉末を得た。
該造粒混合粉末を水に溶解させて0.5%水溶液を得た。該水溶液を熱して60℃にし、その状態を3.5時間維持した。次いで、該水溶液(60℃)を710μm篩に通した。篩上に熱凝集物の塊が残らなかった。
2%水溶液の20℃における粘度約275mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)77.6kgと1%水溶液の25℃における粘度約7000mPa・s、エーテル化度約0.7のカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末2.4kgとを混ぜ合わせた。該混合物を実施例1と同じ方法で造粒して、造粒混合粉末を得た。
該造粒混合粉末を水に溶解させて0.5%水溶液を得た。該水溶液を熱して60℃にし、その状態を3.5時間維持した。次いで、該水溶液(60℃)を710μm篩に通した。篩上に熱凝集物の塊が残らなかった。
Claims (4)
- カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01となるように、
ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを水に溶解させることを含む、
ヒドロキシプロピルセルロースの熱凝集性が低減されたヒドロキシプロピルセルロース水溶液を製造する方法。 - 前記ヒドロキシプロピルセルロース粉末は、2%水溶液の20℃における粘度150〜4000mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度2.0〜10.0mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものである、請求項1に記載の方法。
- ヒドロキシプロピルセルロース粉末とカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末とを含有し、且つ
カルボキシメチルセルロースナトリウム粉末に対するヒドロキシプロピルセルロース粉末の質量比が77.80/22.20〜99.99/0.01である、混合粉末。 - 前記ヒドロキシプロピルセルロース粉末は、2%水溶液の20℃における粘度150〜4000mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(A)と2%水溶液の20℃における粘度2.0〜10.0mPa・sのヒドロキシプロピルセルロース粉末(B)とを含有するものである、請求項3に記載の混合粉末。
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