JP2017088562A - パック用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】水素ガス、炭酸ガス、酸素ガス等の気体を含む化粧料を肌に塗布してパックを行なうときに、美白効果等の美容効果や、しわ、しみ、くすみ等を少なくするアンチエイジング効果を向上させることができるパック用シートの提供。
【解決手段】気体を含む化粧料を介して肌に貼り付けるパック用シートであって、無機酸化物層(A)、第1樹脂層(B)、金属層(C)、及び第2樹脂層(D)の、この順番での積層体であるパック用シート。無機酸化物層(A)は例えば第1樹脂層(B)の一方の表面に形成された蒸着膜であり、無機酸化物層(A)の第1樹脂層と接っする反射側の表面に積層される透明樹脂からなるトップコート層(E)を更に有するパックシート。
【選択図】なし

Description

本発明はパック用シートに関し、より詳しくは、気体を含む化粧料を介して肌に貼り付けるパック用シートに関する。
最近の種々の研究報告等から、炭酸ガスが肌表面から人体内に容易に吸収され、血行を促進して肌の新陳代謝を活性化することにより、肌の美容効果が得られることや、肌表面で発生し、しわ、しみ、くすみ等の肌の老化の原因になる活性酸素が水素ガスとの反応により除去され、肌のアンチエイジング効果が得られること等が判ってきている。炭酸ガスや水素ガスは人体に対する安全性が高いことから、肌表面に炭酸ガスや水素ガス等の気体を供給するパック用化粧料が広く市場に出回りつつある。
代表的な形態のパック用化粧料は、通常、気体発生化合物を含む気体発生剤と、気体発生化合物と反応して気体を発生させる、水等の気体発生助剤と、を含み、気体発生剤及び気体発生助剤がそれぞれ個別に包装され、不織布等からなるパック用シートと共に市販されている。そして、使用者は肌をパックするときに、気体発生剤と気体発生助剤とを混合して気体を含む混合物を調製し、これを肌表面に塗布し、パック用シートをその上に重ねて貼り付けることにより、肌表面に気体を供給する。なお、炭酸ガスを発生するパック用化粧料には多くの市販品があり、また、水素ガスを発生するパック用化粧料にも、ハイドロジェン・セラム(商品名、(株)メディカル・マインド製)、Auter(商品名、水素健康医学ラボ(株)製)等の市販品がある。
このような市販のパック用化粧料には、化粧料中の気体含有量や、化粧料中の気体発生化合物及び気体発生助剤の各含有量から算出される理論気体発生量、に基づいて想定される美容効果やアンチエイジング効果、より具体的には肌の美白効果や、きめ、艶等の向上効果が十分に得られないという問題がある。
特許文献1は、水素を含有する化粧料が保持された化粧料保持層と、化粧料保持層の一方の面に積層された水素不透過層と、化粧料保持層と水素不透過層との間に介在する接着層と、を有する肌用シートを開示する。化粧料保持層は、溶存水素を含有する化粧水、クリーム、ジェル、軟膏等を可撓性シートに含浸させるか又は塗布したものであり、可撓性シートは紙、布、不織布、樹脂等からなり、細孔や網目構造を有するものである。水素不透過層は、水素ガスを通過させ難い水素ガスバリア材料からなり、該材料としては、金属箔、金属箔を積層した樹脂フィルム、金属蒸着膜を形成した樹脂フィルム、水素ガスバリア性樹脂製フィルム等が挙げられている。金属箔を積層し又は金属蒸着膜を形成する樹脂フィルムを構成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン樹脂等が挙げられている。接着層は、樹脂系接着剤からなる。
特許文献2は、一方の面を肌に貼り付けるように構成されたシート状の化粧料保持層と、化粧料保持層の他方の面に剥離可能に積層された合成樹脂製フィルムと、を有するパック用シートを開示する。化粧料保持層は、紙や綿製不織布で構成される。合成樹脂製フィルムは、このパック用シートを肌に貼り付けたときに、体温により化粧料保持層から水分が蒸発するのを防止するために設けられたものであり、該フィルムを構成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられている。
特開2014−213064号公報 特開2015−081240号公報
特許文献1の肌用シートを用いて水素パックを実施しても、該シートが水素ガスバリア材料からなる水素不透過層を有するにもかかわらず、化粧料保持層中の溶存水素量に基づいて想定される美容効果やアンチエイジング効果は得られない。また、特許文献2のパック用シートを用いて気体パックを実施した場合、得られる美容効果やアンチエイジング効果は、特許文献1の肌用シートを用いた場合よりもさらに低いものとなる。
本発明の目的は、水素ガス、炭酸ガス、酸素ガス等の気体を含む化粧料を用いて肌のパックを行なうときに、美容効果やアンチエイジング効果を向上させることができるパック用シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、厚み方向の一方の表面に無機酸化物層を配置し、かつ該無機酸化物層を含めた特定の4種の層を特定の順番で積層した積層体からなるパック用シートを見出した。そして、本発明者らは、気体を含む化粧料のパックに該パック用シートを用いた場合には、パックによる美容効果やアンチエイジング効果、特に肌の美白効果や、肌理、艶、張りを整える効果が顕著に向上し、該化粧料の気体含有量や理論気体発生量に見合う十分な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(11)のパック用シートを提供する。
(1)気体を含む化粧料を介して肌に貼り付けるパック用シートであって、無機酸化物層(A)、第1樹脂層(B)、金属層(C)、及び第2樹脂層(D)の、この順番での積層体である、パック用シート。
(2)無機酸化物層(A)の第1樹脂層(B)と接する側とは反対側の表面に積層され、透明性樹脂からなるトップコート層(E)をさらに有する、上記(1)のパック用シート。
(3)無機酸化物層(A)が無機酸化物の蒸着膜である、上記(1)又は(2)のパック用シート。
(4)無機酸化物層(A)を構成する無機酸化物がシリカを含む、上記(1)〜(3)のいずれかのパック用シート。
(5)第1樹脂層(B)が、酸素透過度200ml/(m2・d・MPa)以下及び/又は水蒸気透過度100g/(m2・d)以下である熱可塑性樹脂を含む、上記(1)〜(4)のいずれかのパック用シート。
(6)熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、及びポリ塩化ビニリデンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(5)のパック用シート。
(7)金属層(C)が金属箔又は金属蒸着層である、上記(1)〜(6)のいずれかのパック用シート。
(8)金属層(C)を構成する金属がアルミニウムである、上記(1)〜(7)のいずれかのパック用シート。
(9)第2樹脂層(D)が、ポリエステル及びポリエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記(1)〜(8)のいずれかのパック用シート。
(10)気体が水素ガス、炭酸ガス又は酸素ガスである、上記(1)〜(9)のいずれかのパック用シート。
(11)気体が水素ガスであり、化粧料が、水素化アルカリ土類金属及び水素化ホウ素金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の水素発生化合物を含む水素発生剤と、水及び親水性増粘剤を含み、親水性増粘剤がポリエチレングリコール含有高分子化合物を含む水素発生助剤と、の混合物である、上記(10)のパック用シート。
本発明によれば、気体を含む化粧料で肌をパックするときに、本発明のパック用シートを用いることにより、美容効果やアンチエイジング効果を向上させることができる。
本発明のパック用シートの一実施形態の外観を模式的に示す正面図である。 一実施形態の化粧料の包装体の構成を模式的に示す斜視図である。
本発明のパック用シートは、無機酸化物層(A)、第1樹脂層(B)、金属層(C)、及び第2樹脂層(D)をこの順番で積層したフィルム状積層体からなり、水素ガス、炭酸ガス、酸素ガス等の気体を含む美容用及び/又はアンチエイジング用化粧料を肌に塗布した状態で、該化粧料を介して肌に貼り付けられ、該化粧料による美容効果やアンチエイジング効果(特に肌の美白効果や肌の肌理、艶、張り等を整える効果)を向上させる。本発明のパック用シートにより前述の優れた効果が得られる理由は現状では十分明確ではないが、本発明のパック用シートの特定の積層構造により該化粧料中の気体の大気中への飛散が顕著に抑制され、該化粧料における気体含有量又は理論気体発生量に見合う効果が得られるためであると考えられる。
ここで、気体を含む化粧料(以下単に「化粧料」と呼ぶことがある)としては、例えば、気体発生化合物を含む気体発生剤と気体発生化合物と反応して気体を発生させる気体発生助剤とを混合した化粧料、化粧料成分に気体を溶存させた化粧料、化粧料成分に気体を注入した化粧料、等が挙げられる。
本発明のパック用シートを肌に貼り付けるときは、無機酸化物層(A)、及び第2樹脂層(D)のいずれを肌に最も近接する側(最も肌側)に配置してもよいが、肌への馴染み易さや、水素ガスの揮散防止の観点から、無機酸化物層(A)を最も肌側に配置することが好ましい。このとき、無機酸化物層(A)や第2樹脂層(D)は、従来のパック用シートの肌側の層のように化粧料保持層としては機能しない。すなわち、本発明のパック用シートは、無機酸化物層(A)や第2樹脂層(D)が化粧料を含まない状態で肌に貼り付けられる。化粧料を含まない状態とは、無機酸化物層(A)や第2樹脂層(D)に化粧料を塗布又は含浸することにより、これらの表面及び/又は内部の少なくとも一部に該化粧料が付着していない状態をいう。なお、化粧料を介して本発明のパック用シートを肌に貼り付けた後には、無機酸化物層(A)や第2樹脂層(D)に化粧料の少なくとも一部が付着することは言うまでもない。
無機酸化物層(A)を最も肌側に配置する場合には、パック用シートの縁辺と肌表面との密着性が大きくなり、化粧料中の気体を肌表面に留める効果が高くなるものと考えられるが、無機酸化物層(A)のみ、また、無機酸化物層(A)及び第1樹脂層(B)のみでは、化粧料の気体含有量又は理論気体発生量に見合う十分な美容効果及び/又はアンチエイジング効果を得ることはできず、無機酸化物層(A)以外の(B)、(C)及び(D)の各層が必要である。
以下、本発明のパック用シートを構成する(A)〜(E)の各層についてさらに詳しく説明する。
無機酸化物層(A)は無機酸化物の薄膜であり、肌に塗布した化粧料中の気体が大気中に飛散するのを抑制し、気体を肌表面に留める効果が高いものと考えられる。なお、無機酸化物層(A)は前述のように化粧料保持層ではない。無機酸化物層(A)を構成する無機酸化物としては、例えば、アルミナ、マグネシア、シリカ(非晶質シリカ)等の、金属元素や非金属元素の酸化物が挙げられる。無機酸化物層(A)は、前記した無機酸化物の1種又は2種以上を含んでいてもよいが、化粧料の気体含有量又は理論気体発生量に見合う十分な美容効果及び/又はアンチエイジング効果を得、また、化粧料が有機溶剤や酸を含む場合があること等から、好ましくは非晶質シリカを主成分として含み、より好ましくは非晶質シリカからなり、さらに好ましくは非晶質シリカのみからなることが望ましい。
無機酸化物層(A)は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法、PVD(物理気相成長)法、イオンプレーティング法等の公知の成膜法により、後述する第1樹脂層(B)の一方の表面に無機酸化物を成膜化することにより形成できる。これらの方法の中でも、美容効果及び/又はアンチエイジング効果を一層高める観点、及び本発明のパック用シートのコストの観点から、蒸着膜からなる無機酸化物層(A)が好ましい。
第1樹脂層(B)は熱可塑性樹脂を含むフィルム状の層であり、例えば、無機酸化物層(A)と協働して化粧料中に含まれる気体の大気中への飛散を防止するとともに、無機酸化物層(A)にクラック等が発生するのを防止するために設けられる。第1樹脂層(B)を構成する熱可塑性樹脂は、気体の大気中への飛散防止の観点から、厚みがミクロンオーダーであるフィルム状に成形した場合に、温度25℃、湿度90%RHの条件で測定された酸素透過度(以下単に「酸素透過度」とすることがある)200ml/(m2・d・MPa)以下及び/又は、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定された水蒸気透過度(以下単に「水蒸気透過度」とすることがある)100g/(m2・d)以下である熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
上記のような酸素透過度及び/又は水蒸気透過度を持たせることのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン等が好ましく、ポリ塩化ビニリデンがより好ましい。熱可塑性樹脂は1種を単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて使用できる。
前述の熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層(B)の一方の表面に無機酸化物層(A)を形成することにより、例えば、酸素透過度5.0ml/(m2・d・MPa)以下及び/又は水蒸気透過度0.7g/(m2・d)以下のガスバリア性フィルムが得られる。第1樹脂層(B)の一方の表面にシリカ蒸着膜等の無機酸化物層(A)が形成され、酸素透過度及び/又は水蒸気透過度が前記範囲内であるガスバリア性フィルムは市販されており、その具体例としては、例えば、テックバリア(商標名、三菱樹脂(株)製)、エコシアール(商標名、東洋紡(株)製)、バリアロックス(商標名、東レフィルム加工(株)製)、BR(商品名、東レフィルム加工(株)製)、GL FILM(商品名、凸版印刷(株)製)、PRIME BARRIER(商標名、凸版印刷(株)製)、MOS(商品名、尾池工業(株)製)、バイオマテック(商標名)IB−PETフィルム(商品名、大日本印刷(株)製)等が挙げられる。
金属層(C)は、第1樹脂層(B)の無機酸化物層(A)が積層される表面とは厚み方向反対側の表面に積層された、金属からなるフィルム状の層である。金属層(C)は、本発明のパック用シートによる美容効果及びアンチエイジング効果の向上を得るためには、無機酸化物層(A)及び第1樹脂層(B)と共に、欠くべからざる層である。金属層(C)は、金属酸化物ではなく、金属からなる点で無機酸化物層(A)とは異なっている。
金属層(C)は、好ましくは、金属箔又は前述の公知の成膜法(より好ましくは蒸着法)により形成された金属薄膜である。金属箔及び金属薄膜を構成する金属としては特に限定されないが、本発明のパック用シートの耐久性や取扱い性、軽量性等の観点から、金属箔としてはアルミニウム、金、銀等の高延性の金属が好ましく、さらにコストの観点を加味すればアルミニウムがより好ましく、商品価値の向上の観点からは金、銀がより好ましい。また、金属薄膜としてはアルミニウムが好ましい。金属層(C)は、例えば、接着剤を用いる方法又は熱融着等により、第1樹脂層(B)に積層される。
第2樹脂層(D)は、金属層(C)の第1樹脂層(B)と接する表面とは厚み方向反対側に積層された、合成樹脂からなるフィルム状の層であり、例えば、金属層(C)にクラックが発生するのを抑制すると共に、パック用シート全体としての剛性を維持するために設けられる。第2樹脂層(D)を構成する合成樹脂としては、フィルム状に成形可能な合成樹脂であれば特に限定されないが、パック用シートの剛性とコストとのバランスの観点から、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。
本発明では、第2樹脂層(D)の厚み方向における一方の表面に、前述の公知の成膜法により金属層(C)としての金属薄膜を形成した積層フィルムを用いてもよい。このような積層フィルムは市販されており、その具体例としては、例えば、ML(商品名、アルミ蒸着フィルム、三井化学東セロ(株)製)、VM−PET、VM−CPP、DMS(いずれも商品名、アルミ蒸着フィルム、東レフィルム加工(株)製)、ヒタパックス(商標名、アルミ蒸着フィルム、日立化成(株)製)、テトライト、ピーブライト(いずれも商標名、アルミ蒸着フィルム、尾池工業(株)製)、バイオマテック(商標名)VM−PETフィルム(商品名、アルミ蒸着フィルム、大日本印刷(株)製)等が挙げられる。
無機酸化物層(A)の第1樹脂層(B)との接触面とは反対側の表面には、透明性樹脂からなるフィルム状のトップコート層(E)を設けてもよい。トップコート層(E)を構成する透明性樹脂としては、透明性であり、フィルム状に成形可能であり、かつ人体に対して安全な合成樹脂を特に限定なく使用できるが、無機酸化物層(A)との密着性が良好なものが好ましい。
本発明のパック用シートは、例えば、第1樹脂層(B)の一方の表面に無機酸化物層(A)を形成した第1積層フィルムと、第2樹脂層(D)の一方の表面に金属層(C)を形成した第2積層フィルムとを、第1樹脂層(B)の他方の表面と金属層(C)の第2樹脂層(D)に接していない側の表面とを接着することにより、厚み10〜500μm程度、好ましくは15〜200μm程度、より好ましくは20〜100μm程度の、(A)〜(D)の各層の積層体として製造することができる。接着方法としては、例えば、接着剤を用いる方法、金属層(C)に対し第1樹脂層(B)を熱融着させる方法等が挙げられる。
こうして得られた本発明のパック用シート(積層体)を、例えば、図1に示す形状に裁断することにより、気体を含む化粧料の顔パックに使用するフェイスマスクが得られる。図1に示すフェイスマスクは、4つの角部が円弧状に形成された平面視略台形状のマスク本体と、マスク本体の両目との対応位置において瞼が開いたときの輪郭に沿うように形成された2つの切り込みと、鼻及び口との対応位置にそれぞれの輪郭に沿うように開けられた2つの穴と、顔の立体形状の変化に対応するためにマスク本体の周縁に設けられた複数の切り込みと、マスク本体の下端ほぼ中央からマスク本体と離反する方向に突出するように設けられ、マスク本体を顔表面に固定するために、下顎の領域に密着させる凸部と、を有している。図1に示すフェイスマスクにおいて、口に対応する穴が開けられた側の端部がマスク本体の下端である。このフェイスマスクを、気体を含む化粧料を塗布した顔に貼り付けることにより、パックを行なうことができる。
フェイスマスク及びマスク本体の平面形状は、肌に貼り付けたときに視覚や呼吸の邪魔にならないように、両目、鼻及び口に対応する位置に穴及び/又は切込み、好ましくは両目、鼻及び口の輪郭に沿った穴及び/又は切込みを有するものであれば特に限定されず、任意の形状とすることができる。なお、本発明のパック用シートを首、腕、足、胸部、腹部、背中等に用いる場合は、裁断や穴、切込み等の形成を行なってもよいが、裁断や穴、切込み等の形成を行なうことなく、そのまま、例えば長方形、正方形、平行四辺形、ひし形。五角形、六角形等の多角形、円形、長円形、楕円形等の形状のシートとして用いてもよい。
本発明のパック用シートの使用に適した、気体を含む化粧料としては、酸素ガスパック、炭酸ガスパック、水素ガスパック等の気体パックに用いられる市販の化粧料を特に限定なく使用できる。以下に、その一例として、水素ガスを含む化粧料の具体例を挙げる。
一実施形態の化粧料は、水と反応して水素を発生する水素発生化合物を含む水素発生剤と、水及び親水性増粘剤を含む水素発生助剤とを含む。水素発生剤及び水素発生助剤は、それぞれ別個に包装され、使用時(肌への施用時)に混合することで、水素を含む化粧料となる。
水素発生剤は、水素発生化合物を必須成分として含み、公知の粉末状化粧料用添加剤を水素発生化合物と粉体混合した状態で含んでいてもよい。
水素発生化合物は、水素化アルカリ土類金属及び水素化ホウ素金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。水素化アルカリ土類金属としては、例えば、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等が挙げられる。水素化ホウ素金属塩としては、例えば、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素アルカリ金属塩が挙げられる。水素発生化合物の中でも、水素化マグネシウムが好ましい。水素発生化合物は通常粉末の形態で用いられるが、肌に安全な非水溶媒(水を含まない有機溶剤)に水素発生化合物を分散させて用いてもよい。
粉末状化粧料用添加剤としては、例えば、球状シリカ、球状ポリエチレン、ポリアミド球状樹脂粉末(ナイロン球状粉末)、架橋型ポリ(メタ)クリル酸メチル球状樹脂粉末等の球状添加剤、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉄、γ−酸化鉄、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の無機顔料;金属顔料;有機顔料;天然色素;ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン等の高分子シリコーン系粉末;シリコーン系樹脂以外の樹脂粉末;雲母、絹雲母、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機粉末;金属石鹸;等の非球状添加剤が挙げられる
粉末状化粧料用添加剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
水素発生助剤は、水及び親水性増粘剤を必須成分として含み、酸や、保湿剤、油剤、界面活性剤、その他の化粧料用添加剤等を任意成分として含んでいてもよい。以下、各成分について説明する。
親水性増粘剤は、ポリエチレングリコール(以下「PEG」とすることがある)含有高分子化合物を含み、PEG含有高分子化合物と共に多糖系高分子化合物を含むことが好ましい。
PEG含有高分子化合物は、PEGをモノマー成分として含有する化粧料成分用親水性コポリマーであり、水素発生剤と水素発生助剤との混合化粧料からの水素ガスの大気中への飛散を抑制し、水素ガスの肌表面での滞在時間を長くする。その具体例としては、PEG・ラウリルジメチコン・コポリマー、PEG・ステアリルアルコール・メチレンジフェニルジイソシアネート・コポリマー、PEG・デシルアルコール・メチレンジフェニルジイソシアネート・コポリマー、PEG・ラウリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル・テトラメトキシメチルグリコウリル・コポリマー及びPEG・デシルテトラデシルアルコール・ヘキサメチレンジイソシアネート・コポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
PEG・ラウリルジメチコン・コポリマーとしては、例えば、PEG−10/ラウリルジメチコン/クロスポリマー、PEG−15/ラウリルジメチコン/クロスポリマー等が挙げられる。PEG・ステアリルアルコール・メチレンジフェニルジイソシアネート・コポリマーとしては、例えば、PEG−150/ステアリルアルコール/メチレンジフェニルジイソシアネート/コポリマー等が挙げられる。PEG・デシルアルコール・メチレンジフェニルジイソシアネート・コポリマーとしては、例えば、PEG−150/デシルアルコール/メチレンジフェニルジイソシアネート/コポリマー等が挙げられる。PEG・ラウリルアルコールとポリエチレングリコールとのエーテル・テトラメトキシメチルグリコリル・コポリマーとしては、例えば、PEG−180/ラウレス−50/テトラメトキシメチルグリコウリル/コポリマー等が挙げられる。PEG・デシルテトラデシルアルコール・HDI・コポリマーとしては、PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI/コポリマー等が挙げられる。これらのPEG含有高分子化合物の中でも、水素発生剤と水素発生助剤との混合物中における水素発生化合物の分散性や水素保持性、後述する多糖系高分子化合物等との相溶性等を考慮すると、PEG・デシルテトラデシルアルコール・HDI・コポリマーがさらに好ましい。
多糖系高分子化合物は、PEG含有高分子化合物との併用により、水素発生剤と水素発生助剤とをより均一に混合できるので、水素発生化合物がダマになり難くなる。その結果、水素発生化合物と水とが万遍なく接触して、十分量の水素ガスが発生すると共に、混合後の化粧料の肌に対する感触が滑らかになり、肌表面での延び性が向上する。多糖系高分子化合物は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、タマリンドウガム、ジェランガム、サクシノグルカン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム、及びマルメロ種子エキスよりなる群から選ばれる少なくとも1種の天然物由来の化粧料成分用親水性多糖類であることが好ましい。
これらの天然物由来の化粧料成分用親水性多糖類中でも、水素発生剤と水素発生助剤との混合物中での各成分の分散性を一層高め、該混合物中に濁りやオリ等が発生するのを防止する観点等から、カラギーナンが好ましい。なお、天然物由来の親水性多糖類とは、天然物から分離、精製される親水性多糖類、及び、天然物を原料として酵素処理、微生物処理、化学合成的処理等の様々な処理方法により得られる親水性多糖類を包含する。
水素発生助剤における親水性増粘剤の含有量(PEG含有高分子化合物と多糖系高分子化合物との合計含有量)は特に限定されないが、水素発生助剤の全量に対し、好ましくはの0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%である。PEG含有高分子化合物と多糖系高分子化合物とを併用する場合、その使用割合は特に限定されないが、PEG含有高分子化合物:多糖系高分子化合物(重量基準)が、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは5:95〜95:5、さらに好ましくは10:90〜90:10、特に好ましくは30:70〜70:30である。
水素発生助剤は、PEG含有高分子化合物及び多糖系高分子化合物の効果を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、カルボキシビニルポリマー、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン等の一般的な親水性増粘剤を含んでいてもよい。
酸は、水素化マグネシウムや水素化ホウ酸金属塩と水との反応を促進し、水素ガスを効率的に発生させ得る。酸は肌に悪影響を及ぼさない酸であり、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、アスコルビン酸等の有機酸、グルタミン酸等のアミノ酸、スルファミン酸、ホウ酸、メタホウ酸等の無機酸等が挙げられる。酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの酸の中でも、化粧料という用途の観点から、有機酸が好ましく、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等がより好ましい。酸の使用量は特に限定されないが、水素発生助剤の全量に対して、好ましくは0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜0.9重量%である。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、マルチトール、還元水あめ、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシン、シクロデキストリン、アミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ等が挙げられる
油剤としては、植物油等の液体油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、セレシン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の高級脂肪酸、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセリンエーテル等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、乳酸セチル、イソステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、クロタミトン等のエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、高級アルキル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤;プロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、ソルビット脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸エステル類、アルキルエーテル類、エチレンジアミン縮合物、ヒマシ油や硬化ヒマシ油の誘導体、ミツロウ・ラノリン誘導体、ステロールや水素添加ステロール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アルキルアミン、脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等の非イオン界面活性剤;等が挙げられる。
その他の化粧料添加剤としては、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アラントイン等の抗炎症剤、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、パンテノール等のビタミン類、イザヨイバラ、セイヨウノコギリソウ、メリロート、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等の天然抽出物、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジル等の血行促進剤、l−メントール、ユーカリ油等の冷感剤、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、カプサイシン、ジンゲロール、バニリルブチルエーテル、バニリルブチルエーテル酢酸エステル等の温感剤、紫外線吸収剤、香料、色素等が挙げられる。
水素発生助剤は、例えば、上記特定の親水性増粘剤を水に溶解し、さらに必要に応じて他の親水性増粘剤、保湿剤、油剤、界面活性剤、その他の添加剤等から選ばれる少なくとも1種を溶解又は分散させることにより、調製できる。
水素発生剤と水素発生助剤との使用割合は特に限定されないが、水素発生剤に含まれる水素発生化合物100重量部に対して、水素発生助剤を好ましくは5000〜30000重量部、より好ましくは10000〜20000重量部使用する。
水素発生剤と水素発生助剤との混合物を肌表面に塗布した後、該混合物を介して本発明のパック用シートを肌に貼り付けて放置するパック時間は特に限定されず、使用者の嗜好等に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは1〜60分程度、より好ましくは5〜50分程度である。所定のパック時間が経過した後、該混合物を水洗等により肌から除去することができる。
本実施形態の化粧料は、水素発生剤及び水素発生助剤をそれぞれ個別に包装し、肌への施用時に水素発生剤と水素発生助剤とを混合し、得られた混合物を肌表面に塗布して用いられるものであり、例えば、図2に示す包装体1とすることができる。図2は、本発明のパック用シートに適した一実施形態の化粧料の包装体1の構成を模式的に示す斜視図である。図2(a)は水素発生剤と水素発生助剤とを混合する前の状態(市場に流通する状態)を示し、図2(b)は水素発生剤と水素発生助剤を混合した後の状態を示す。
包装体1は、図2(a)に示すように、外部応力により変形可能な2つの収容部10a、10bが仕切り部11を介して連設され、外部応力を負荷することにより仕切り部11が開放され2つの収容部10a、10bが連通可能になるように構成され、一方の収容部10aに水素発生剤12が、他方の収容部10bに水素発生助剤13がそれぞれ密封収容されている。
収容部10a、10bは、例えば樹脂製フィルム等で構成され、透明でも不透明でもよく、また着色されていても着色されていなくてもよい。なお、収容部10a、10bを構成する樹脂製フィルムが透湿性であると、水素発生剤12が樹脂製フィルムを介して収容部10a内に侵入してきた空気中の水分と反応して水素ガスを発生し、収容部10aが膨らんだ状態になって製品としての外観が低下し、また、肌への施用時に水素ガス発生量が減ることから、樹脂製フィルムとしては透湿性の低いものが好ましい。また、除湿性に優れた積層フィルムを用いてもよい。該積層フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂からなる多孔質フィルムと、ポリエチレンテレフタレート系不織布とを、接着剤層を介して積層した積層フィルムが挙げられる。このような積層フィルムは市販されており、例えば、ブレスロン(商標名、日東ライフテック(株)製)等が挙げられる。
仕切り部11は応力を負荷しない状態では密着し、収容部10a、10bを離隔しているが、例えば、包装体1に外部応力を負荷することにより開放され、図2(b)に示すように、収容部10a、10bが連通して水素発生剤12と水素発生助剤13とが混合され、混合物14が得られる。包装体1への外部応力の負荷は特に限定されず、例えば、包装体1の長手方向の一端部を軸芯にして包装体1を円筒状に丸めたり、収容部10a、10bのいずれか一方又は両方を押圧したりすること等により行なわれる。このように、包装体1の内部で水素発生剤12と水素発生助剤13とを混合した後、包装体1を開封して混合物14を肌表面に塗布すればよい。
また、別形態の包装体として、2つの容器と、2つの容器の内容物を混合しながら吐出する混合吐出手段と、2つの容器及び混合吐出手段を収容する外装体とを備える吐出装置において、一方の容器に水素発生剤が収容され、他方の容器に水素発生助剤が収容されている包装体が挙げられる。このような包装体は、例えば、スプレー缶として市販されているので、市販のスプレー缶内の2つの容器に水素発生剤及び水素発生助剤をそれぞれ収容することにより、本発明の化粧料の包装体が得られる。
また、本発明の化粧料と、パック用シートとを含む化粧セットの形態とすることができる。例えば、図1に示すフェイスマスクと、図2に示す化粧料とを同梱包装し、パックキットとすることができる。
以下に、参考例、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
(参考例1)
水素化マグネシウム粉末を水素発生剤とした。また、PEG−240・デシルテトラデセス−20・HDI・コポリマー濃度5重量%及びクエン酸濃度0.1重量%のジェル状の水素発生助剤を調製し、化粧料を得た。
(参考例2)
水素化マグネシウム粉末を水素発生剤とした。PEG−240・デシルテトラデセス−20・HDI・コポリマー濃度5重量%、カラギーナン濃度1重量%及びクエン酸濃度0.9重量%のジェル状の水素発生助剤を調製し、化粧料を得た。
(比較参考例1)
PEG−240・デシルテトラデセス−20・HDI・コポリマーを用いない以外は、実施例1と同様にして、粉末状の水素発生剤と液状の水素発生助剤とからなる化粧料を調製した。この化粧料の理論水素発生量は、参考例1の化粧料と同じであった。
参考例1、2及び比較参考例1の化粧料について、水素発生剤0.1gと水素発生助剤15gとを密閉した容器内で混合し、発生する気体を水上置換で捕集し、捕集した気体中の水素ガス含有の有無を水素検知管(商品名:GASTEC GV−100S、(株)ガステック製)を用いて1分毎又は5分毎に検知した。参考例1、2の化粧料は水素発生剤と水素発生助剤との混合直後から50分を経過するまで水素ガスを検知できたのに対し、比較参考例1の化粧料は水素発生剤と水素発生助剤との混合直後から2分経過しただけで水素ガスを検知できなかった。
(実施例1)
無機酸化物層(A)と第1樹脂層(B)との積層フィルムとして、シリカ蒸着ポリ塩化ビニリデンフィルム(商品名:テックバリアHX12μm、厚み12μm、三菱樹脂(株)製)を用いた。金属層(C)と第2樹脂層(D)との積層フィルムとして、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:VM−PET1310♯12、厚み12μm、東レフィルム加工(株)製)を用いた。この2つの積層フィルムを、脂肪族ポリイソシアネート樹脂系接着剤により、第1樹脂層(B)と金属層(C)とを合せて接着し、厚み約24μmの本発明のパック用シートを作製した。得られたパック用シートを用い、図1に示すフェイスマスクを作製した。
(比較例1)
シリカ蒸着ポリ塩化ビニリデンフィルム(テックバリアHX12μm)を同方向に2枚重ね合せ、実施例1と同様にして接着した厚み約24μmのシートを用い、図1に示す形状を有し、実施例1と同寸のフェイスマスクを作製した。
(比較例2)
アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(VM−PET1310♯12)を同方向に2枚重ね合せ、実施例1と同様にして接着した厚み約24μmパック用シートを用い、図1に示す形状を有し、実施例1と同寸のフェイスマスクを作製した。
(比較例3)
ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維からなる不織布、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合繊維からなる不織布、及びパルプ繊維からなる不織布をこの順番で積層した3層構造の不織布を用い、図1に示す形状を有し、実施例1と同寸のフェイスマスクを作製した。
(試験例1)
参考例1、2及び比較参考例1と同様にして得られた、水素発生剤0.1gと水素発生助剤15gとの混合物である水素ガス含有化粧料を各20名(女性)のパネラー群A〜Eの顔に万遍なく施用(塗布)し、パネラー群A〜Dにはそれぞれ実施例1、及び比較例1〜3のフェイスマスクを該化粧料の上から顔にそれぞれ貼り付け、また、パネラー群Eにはフェイスマスクを貼り付けることなく、室温にて40分間水素ガスパックを行なった。パック終了後、パネラー群A〜Dについてはフェイスマスクを取り除き、パネラー群Eについてはそのまま、水で洗顔して該化粧料を顔から取り除き、その直後の肌の状態を目視観察し、美白効果及びアンチエイジング効果を調べた。
具体的には、下記評価基準に基づいて美白効果及びアンチエイジング効果の評価値を求め、得られた20名の評価値から算術平均値(小数点第2位を四捨五入)を求めた。なお、パネラー群A〜Eの各人のパック前の顔写真を撮影し、パック直後の肌の状態を比較評価した。結果を表1に示す。
[美白効果]
評価5:パック前に比べて肌の色が白くなったことを明確に認識できた。
評価4:パック前に比べて肌の色が白くなったことを認識できた。
評価3:パック前に比べて肌の色が僅かに白くなったことを認識できた。
評価2:パック前に比べて肌の色が僅かに白くなったと感じられた。
評価1:パック前に比べて肌の色が殆ど変らないと感じられた。
[アンチエイジング効果]
評価5:パック前に比べて、肌の艶や張りが良くなったことを明確に確認でき、また、肌表面の皮丘、皮溝の並びが比較的整然とし、毛孔が目立たない、肌理が非常に整った状態の肌になった。
評価4:パック前に比べて、肌の艶や張りが良くなったことを確認でき、また、肌表面の皮丘、皮溝の並びに雑然とした領域が減少し、毛孔があまり目立たない、肌理が比較的整った状態の肌になった。
評価3:パック前に比べて、肌の艶や張りが僅かに良くなったことを確認でき、また、肌表面の皮丘、皮溝の並びに雑然とした領域が減少したものの、毛孔はパック前とあまり変わらない見え方であった。
評価2:パック前に比べて、肌の艶や張りが僅かに良くなったと感じられ、また、肌表面の皮丘、皮溝の並びに雑然とした領域が僅かに減少したと感じられたものの、毛孔はパック前とあまり変わらない見え方であった。
評価1:パック前に比べて、肌の艶や張り、肌理が殆ど変らないと感じられた。
Figure 2017088562
表1から、本発明のパック用シートを用いることにより、水素ガスを含有する化粧料による美白効果及びアンチエイジング効果を高めることができることが判る。そして、水素発生助剤に含まれる親水性増粘剤としてPEG含有高分子化合物と多糖系高分子化合物とを併用した水素ガス含有化粧料を用い(参考例2)、かつ本発明のパック用シートを用いた場合に、美白効果及びアンチエイジング効果を顕著に高めることができることが判る。
1 包装体
10a、10b 収容部
11 仕切り部
12 水素発生剤
13 水素発生助剤
14 水素発生剤と水素発生助剤との混合化粧料

Claims (11)

  1. 気体を含む化粧料を介して肌に貼り付けるパック用シートであって、無機酸化物層(A)、第1樹脂層(B)、金属層(C)、及び第2樹脂層(D)の、この順番での積層体である、パック用シート。
  2. 前記無機酸化物層(A)の前記第1樹脂層(B)と接する側とは反対側の表面に積層され、透明性樹脂からなるトップコート層(E)をさらに有する、請求項1に記載のパック用シート。
  3. 前記無機酸化物層(A)が無機酸化物の蒸着膜である、請求項1又は2に記載のパック用シート。
  4. 前記無機酸化物層(A)を構成する無機酸化物がシリカを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパック用シート。
  5. 前記第1樹脂層(B)が、酸素透過度200ml/(m2・d・MPa)以下及び/又は水蒸気透過度100g/(m2・d)以下である熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパック用シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、及びポリ塩化ビニリデンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載のパック用シート。
  7. 前記金属層(C)が金属箔又は金属蒸着層である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパック用シート。
  8. 前記金属層(C)を構成する金属がアルミニウムを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパック用シート。
  9. 前記第2樹脂層(D)が、ポリエステル及びポリエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパック用シート。
  10. 前記気体が水素ガス、炭酸ガス又は酸素ガスである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパック用シート。
  11. 前記気体が水素ガスであり、前記化粧料が、水素化アルカリ土類金属及び水素化ホウ素金属塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の水素発生化合物を含む水素発生剤と、水及び親水性増粘剤を含み、前記親水性増粘剤がポリエチレングリコール含有高分子化合物を含む水素発生助剤と、の混合物である、請求項10に記載のパック用シート。
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