JP2017088519A - Ck19に特異的なモノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマ、癌の検出キット、癌の検出方法および癌の転移の判定方法 - Google Patents

Ck19に特異的なモノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマ、癌の検出キット、癌の検出方法および癌の転移の判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストかつ短時間で、精度よく、癌を検出することができる癌の検出キットと、癌の検出方法および癌の転移の判定方法を提供すること。
【解決手段】サイトケラチン19と抗原抗体反応する第1抗体と標識物質とが結合した標識抗体、および、サイトケラチン19と抗原抗体反応する第2抗体が固相化された抗体捕捉部を備えるクロマトグラフ媒体、を含むイムノクロマトグラフィーによる癌の検出キットであって、第1抗体を受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体とし、第2抗体を受託番号NITE P−02135のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイトケラチン19(CK19)に特異的なモノクローナル抗体およびこれを産生するハイブリドーマに関する。さらに、本発明は、このモノクローナル抗体を利用した癌の検出キット、癌の検出方法および癌の転移の判定方法に関する。
現在、乳癌の転移を診断する方法として、センチネルリンパ節診断が行われている。センチネルリンパ節とは、最も癌に近いと考えられるリンパ節であり、癌からのリンパ流を最初に受けるリンパ節である。癌の転移が起きる場合、センチネルリンパ節に最初の転移が起きると考えられている。センチネルリンパ節は、放射性物質や染色などによって、しこり部位からリンパ液がどのように流れているかを測定し、最も早く到達したリンパ節として判断される。センチネルリンパ節において癌の転移を診断することで、腋窩リンパ節郭清を行うか否かを判断することができる。
センチネルリンパ節診断としては、局所麻酔または全身麻酔を行った後、組織採取をし、薄切片を顕微鏡にて観察し、乳癌由来と思われる上皮細胞を見つける方法が知られている。この方法は、手術室から検体を病理室へ運び、リンパ節に割を入れた後、割面の押印細胞診をとり、リンパ節を迅速凍結させ、割面を薄切切片としてヘマトキシリン・エオジン染色を行い、病理専門医が転移の有無を検討することにより実施される。この方法は、(A)検体を病理室まで運ぶ、(B)薄切切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン染色する、(C)必要に応じて細胞診を行う、(D)組織診断を行う、といった数多くのプロセスが必要である。このため、検査の完結までに病理医が常勤している施設でも約20〜40分、病理医の常勤していない施設では数時間要するという問題がある。また、(A)〜(D)の工程に、細胞診や病理診断に関する専門技術もしくは専門的知識が必要である。また、施設差はあるが、リンパ節に割を入れた面のみを薄切する場合は、微小な転移などに関しては偽陰性となる可能性がある。実際、手術中の診断では陰性であったが、術後の確定診断によって陽性と判断されることもあった。
別の方法としては、リンパ節の可溶化からRT-LAMP法による遺伝子増幅までを一工程で行うOSNA法(One-Step Nucleic acid Amplification assay)が知られている(例えば非特許文献1)。
しかしながら、OSNA法においても、検査結果が判明するまでに約30〜50分かかるため、手術中に行うには更なる時間の短縮が望まれている。また、小規模の病院では、高価な機器(遺伝子増幅機など)やそれを運用するスタッフの新たな導入が必要となるため、実際には導入が難しい場合があるという問題がある。さらに、OSNA法の場合、検体を溶解させる必要があるため、同一の検体において病理検査を並行して行うことができないという問題もある。
このように、高価な機器を必要とせず、かつ、病理医などの専門スタッフでなくとも、迅速に癌の転移を検出することができる簡便な癌の検出方法の開発が求められていた。
そして、このような問題を解決する方法として、癌細胞に特異的な抗体を用いたドットブロット法を用いて癌のリンパ節転移を検出する方法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1の方法では、上皮細胞の癌の患者から生体外へ分離されたリンパ節の試料中に、サイトケラチンが含まれるか否かを、サイトケラチンに特異的な抗体を用いたドットブロット解析により評価している。そして、リンパ節の試料中に、正常リンパ節の試料中に含まれるサイトケラチンの量を上回る量のサイトケラチンが検出された場合に、上皮細胞の癌のリンパ節への転移が存在する可能性があると評価している。
特許第5610125号
Intra-operative rapid diagnostic method based on CK19 mRNA expression for the detection of lymph node metastases in breast cancer.Visser M, Jiwa M, Horstman A, Brink AA, Pol RP, van Diest P, Snijders PJ, Meijer CJ.Int J Cancer. 2008 Jun 1;122(11):2562-7.
しかしながら、特許文献1の方法においても、癌の有無、転移についての判定に40分以上の時間を要する。また、特許文献1の方法の場合、再現性を確保することが必ずしも容易でないという問題がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、低コストかつ短時間で、精度よく、癌を検出することができる癌の検出キットと、癌の検出方法および癌の転移の判定方法を提供することを課題としている。また、このような癌の検出キットおよび癌の検出方法に利用されるモノクローナル抗体と、これを産生するハイブリドーマを提供することを課題としている。
本発明は、以下のモノクローナル抗体、ハイブリドーマ、癌の検出キット、癌の検出方法および癌の転移の判定方法を提供する。
<1>サイトケラチン19に特異的なモノクローナル抗体であって、受託番号NITE P−02135、または、受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体。
<2>受託番号NITE P−02135、または、受託番号NITE P−02136のハイブリドーマ。
<3>サイトケラチン19と抗原抗体反応する第1抗体と標識物質とが結合した標識抗体と、サイトケラチン19と抗原抗体反応する第2抗体が固相化された抗体捕捉部を備えるクロマトグラフ媒体と、を含むイムノクロマトグラフィーによる癌の検出キットであって、
第1抗体が受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体であり、かつ、第2抗体が受託番号NITE P−02135のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体である癌の検出キット。
<4>前記癌の検出キットを用いた、イムノクロマトグラフィーによる癌の検出方法であって、以下の工程:
(1)被験者のリンパ節由来の試料と前記標識抗体を含む混合液を前記抗体捕捉部へ展開させる工程;および
(2)前記試料中のサイトケラチン19と前記標識抗体との複合体が、前記抗体捕捉部で検出された場合に、前記試料に癌細胞が含まれていると判定する工程
を含むことを特徴とする癌の検出方法。
<5>前記<3>の癌の検出キットとして、互いに検出感度の異なる低感度検出キットおよび高感度検出キットの2種を用いた、イムノクロマトグラフィーによる癌の転移の判定方法であって、以下の工程:
(1)被験者のリンパ節由来の試料と前記標識抗体を含む混合液を前記抗体捕捉部へ展開させる工程;および
(2)低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて、前記試料中のサイトケラチン19と前記標識抗体との複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさを超えるマクロ転移が存在すると判定し、
低感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されず、かつ、高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさ以下のマイクロ転移、0.2mm以下のIsolated Tumor Cells (ITCs)、上皮成分の混入のうちの少なくともいずれかが存在すると判定し、
低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されない場合に、癌の転移が存在しないと判定する工程
を含むことを特徴とする癌の転移の判定方法。
<6>リンパ節郭清を行う基準となる転移の大きさは、2mmであることを特徴とする前記<5>の癌の転移の判定方法。
<7>前記低感度検出キットの標識抗体は、粒径20〜60nmの金属コロイドで標識されており、前記高感度検出キットの標識抗体は、前記低感度検出キットの標識抗体の金属コロイドの粒径より大きく、かつ、粒径40〜80nmの金属コロイドで標識されていることを特徴とする癌の転移の判定方法。
本発明の癌の検出キットおよび検出方法によれば、低コストかつ短時間で、精度よく、乳癌などの癌を検出することができる。このため、例えば手術中に、癌の転移の有無などを評価し、その結果に基づいて、リンパ節を摘出すべきか、あるいはどの程度郭清すべきかなどの手術の方針を迅速に決定することができる。また、本発明の癌の検出キットおよび検出方法によれば、検体(組織片)を消費することなく癌の転移の有無を評価でき、同一の検体において他の検査(細胞診、病理検査)を並行して行うことができる。
本発明の癌の検出キットの一実施形態を例示した概要図である。
本発明者らは、乳癌に豊富に存在するサイトケラチン19(以下、「CK19」と記載することがある)に着目し、このCK19と特異的に結合する新規なモノクローナル抗体を利用した癌の検出キットを創案した。
以下、本発明の癌の検出キットについて説明する。
本発明の癌の検出キットは、イムノクロマトグラフィーを利用するものであって、CK19と抗原抗体反応する第1抗体と標識物質とが結合した標識抗体と、CK19と抗原抗体反応する第2抗体が固相化された抗体捕捉部を備えるクロマトグラフ媒体と、を含んでいる。
本発明の癌の検出キットによって検出可能な癌の種類としては、特に限定されないが、例えば、乳癌、肺癌、胃癌、大腸癌、食道癌、甲状腺癌、婦人科癌、皮膚癌、頭頸部癌などを例示することができる。本発明の癌の検出キットを用いると、僅かな量の組織の生検試料で癌の組織への転移の有無を判定することができるため、組織を採取する際の侵襲の大きさを最小限に抑えることができる。したがって、本発明の癌の検出キットおよび癌の検出方法は、特に、乳癌の腋窩リンパ節への転移の有無の検査に有利である。
図1は、本発明の癌の検出キットの一実施形態を例示した概要図である。
図1に示したように、この実施形態の癌の検出キット1は、試料を展開する方向(図1の矢印Yの方向)に沿って、試料添加パッド2、標識抗体保持パッド3、クロマトグラフ媒体4、および吸収パッド5がこの順に配置されている。
(試料添加パッド)
試料添加パッド2の材料は特に限定されないが、例えば、セルロース濾紙、ガラス繊維濾紙、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、ポリエステル不織布、綿布などの均一な特性を有するものを例示することができる。試料添加パッド2は、添加された試料を受入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子などを濾過する機能をも兼ねている。また、分析の際、試料中のCK19が試料添加パッド2に非特異的に吸着し、分析の精度が低下することを防止するため、試料添加パッド2は、予め非特異的な吸着を防止する処理を行うこともできる。
(標識抗体保持パッド、標識抗体)
標識抗体保持パッド3の素材としては、例えば、セルロース濾紙、ガラス繊維濾紙、および不織布などを例示することができる。標識抗体保持パッド3は、標識抗体6を含む懸濁液を抗体捕捉部7が形成されたクロマトグラフ媒体4に直接、塗布・乾燥などすることで形成することができる。また、標識抗体6を含む懸濁液を、別の多孔性物質、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維濾紙、ナイロン不織布などに塗布・乾燥させて標識抗体保持パッド3を形成し、抗体捕捉部7が形成されたクロマトグラフ媒体4と毛管で繋がるように配置することもできる。
なお、標識抗体保持パッド3はこの実施形態に限定されず、標識抗体6を移動相を構成する展開液に分散させることもできる。
標識抗体6は、第1抗体A1と標識物質Lとが結合している。
ここで、第1抗体A1は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 特許微生物寄託センターに寄託されているハイブリドーマ(受託番号:NITE P−02136、受領日:2015年10月5日)が産生するモノクローナル抗体である。後述するように、このモノクローナル抗体は、イムノクロマトグラフィーを利用した癌の検出キットに最適な標識抗体6(第1抗体A1)として、本発明者によって見出された新規な抗体である。このモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(受託番号:NITE P−02136)の培養は、in vitro、またはマウス、好ましくはマウス腹水中などのin vivoで行うことができる。この場合、モノクローナル抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清およびマウスの腹水から取得することができる。
また、標識物質Lとしては、一般には酵素なども使用し得るが、検出結果を目視で判定するのに適していることから、不溶性担体を用いることが好ましい。
標識物質Lとしての不溶性担体には、金、銀、白金の貴金属や、鉄、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、または水銀を用いることができ、さらに好ましくは金、銀、白金の貴金属を用いることができる。また、標識物質Lとしては、白金コロイド、金コロイド、銀コロイド、鉄コロイド、または水酸化アルミニウムコロイドなどの金属コロイド標識を好ましく例示することができる。さらに、標識物質Lとしては、鉄、銀、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、または水銀の各硫化物などの金属硫化物標識を好ましく例示することができる。標識物質Lは、例えば、これらの金属コロイド標識および/または金属硫化物標識のうちの1種または2種以上を用いることができるが、なかでも白金コロイド、金コロイド、銀コロイドであることが特に好ましい。
また、検出による強い色調を得るためには、白金コロイド、金コロイド、銀コロイドなどの金属コロイドの場合、平均粒径は1〜500nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましく、20〜100nmであることがさらに好ましい。なお、金属コロイド平均粒径を後述する範囲に設計することでより検出感度を高めることができる。
なお、第1抗体A1と金属コロイドとの結合は、物理吸着や化学結合などの従来公知の方法を採用することができる。例えば、金コロイドに第1抗体A1を感作させる場合は、金粒子がコロイド状に分散した溶液に第1抗体A1を加えて物理吸着させた後、牛血清アルブミン溶液を添加して抗体が未結合である粒子表面をブロッキングすることによって調製することができる。
さらに、標識物質Lとしては、合成高分子からなるラテックス粒子を用いることもできる。
ラテックス粒子は、種々のモノマーを重合又は共重合させることによって得ることができる。ここにモノマーとしては、例えばスチレン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどの重合性不飽和芳香族類、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの重合性不飽和カルボン酸類、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレングリコール−ジ−(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルなどの重合性不飽和カルボン酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなどの不飽和カルボン酸アミド類、重合性不飽和ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、共役ジエン類などを挙げることができる。これらのモノマーは、標識物質Lとして要求される表面特性、比重などによって適宜選択され、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。ラテックス粒子は通常白色であるため、そのままでは標識物質Lとして使用することはできないが、例えば油溶性染料によって、特に水系媒体中のラテックス粒子を、油溶性染料の油性有機溶剤による溶液のエマルジョンによって染色することにより、所望の色彩を所望の濃さで有するものとすることができる。
(クロマトグラフ媒体、抗体捕捉部)
クロマトグラフ媒体4は、毛管現象を示す微細多孔性物質からなる不活性のものであって、使用される標識抗体6(第1抗体A1)などと反応しないものであり、かつ、短時間での判定で十分な感度が得られる展開速度を有していれば、特にその素材が限定されるものではない。
具体的には、クロマトグラフ媒体4としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、アルミナなどのセラミック微粒子または有機高分子の微粒子、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロースまたは酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などで構成される繊維状または不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿などを例示することができる。また、微粒子はそれ自体が多孔性でなくとも、充填された状態では微粒子間に空隙が形成されることでクロマトグラフ媒体4として機能させることができる。これらのなかでも、クロマトグラフ媒体4は、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維濾紙、不織布、布であることが好ましい。
そして、クロマトグラフ媒体4は、CK19と抗原抗体反応する第2抗体A2が任意の位置に固相化された抗体捕捉部7を有している。
第2抗体A2は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 特許微生物寄託センターに寄託されているハイブリドーマ(受託番号:NITE P−02135、受領日:2015年10月5日)が産生するモノクローナル抗体である。後述するように、このモノクローナル抗体は、イムノクロマトグラフィーを利用した癌の検出キットに最適な捕捉抗体(第2抗体A2)として、本発明者によって見出された新規な抗体である。このモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(受託番号:NITE P−02135)の培養は、in vitro、またはマウス、好ましくはマウス腹水中などのin vivoで行うことができ、モノクローナル抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清およびマウスの腹水から取得することができる。
抗体捕捉部7を形成する方法は特に限定されないが、例えば、第2抗体A2を、クロマトグラフ媒体4の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させることができる。また、別の方法としては、第2抗体A2をラテックス粒子などの不溶性微粒子に物理的または化学的に結合させ、この不溶性微粒子をクロマトグラフ媒体4の一部にトラップさせて間接的に固定化させることもできる。
直接固定化する方法としては、物理吸着を利用してもよいし、共有結合によってもよい。一般にクロマトグラフ媒体4がニトロセルロース膜または混合ニトロセルロースエステル膜の場合、物理吸着を行うことができる。共有結合ではクロマトグラフ媒体4の活性化には一般的に臭化シアン、グルタルアルデヒド、カルボジイミドなどを用いることができる。
また、間接的に固定化する方法においては、不溶性微粒子の粒径はクロマトグラフ媒体4に捕捉されるが移動することのできないサイズのものを選択することができ、好ましくは平均粒径10μm程度以下の微粒子である。これらの粒子としては抗原抗体反応に使用されるものが種々知られており、本発明でもこれら公知の粒子を使用することができる。例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体などの乳化重合法によって得られる有機高分子ラテックス粒子などの有機高分子物質の微粒子、ゼラチン、ベントナイト、アガロース、架橋デキストランなどの微粒子、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナなどの無機酸化物や無機酸化物にシランカップリング処理などで官能基を導入した無機粒子などが挙げられる。
本発明の癌の検出キットにおいては、感度調整の容易さなどの観点から、第2抗体A2がクロマトグラフ媒体4に直接固定化されていることが好ましい。また、抗体捕捉部7の形態としては特に限定されないが、円形のスポット、クロマトグラフ媒体4の展開方向に対して直交するライン、数字、文字、記号などの形状として固定化することもできる。
さらに、第2抗体A2をクロマトグラフ媒体4に固定化した後、非特異的な吸着により分析の精度が低下することを防止するため、必要に応じて、クロマトグラフ媒体4に、公知の方法でブロッキング処理を行うことができる。一般にブロッキング処理はウシ血清アルブミン、スキムミルク、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質が好適に用いられる。このようなブロッキング処理後に、必要に応じて、ツイーン20、トリトンX−100、SDSなどの界面活性剤を1つまたは2つ以上組み合わせて洗浄することもできる。
また、クロマトグラフ媒体4の形態および大きさは特に制限されるものではなく、実際の操作性や反応結果の観察の容易性を考慮して適宜設計することができる。操作をより簡便にするためには、抗体捕捉部7が表面に形成されているクロマトグラフ媒体4の裏面に、プラスチックなどからなる支持体を設けることが好ましい。
(吸収パッド)
吸収パッド5は、添加された試料や展開液がクロマト移動により物理的に吸収されるとともに、クロマトグラフ媒体4の検出部に不溶化されない未反応の標識物質Lなどを吸収除去する部位である。また、吸収パッド5は、添加された試料のクロマト移動を一定に保つ役割を有している。
吸収パッド5の材料としては、例えば、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテートなどを例示することができる。
(その他)
クロマトグラフ媒体4は、コントロール用抗体A3を固定化した領域であるコントロール部8を備えることができる。コントロール用抗体は、CK19との反応性を有しておらず、標識抗体6(第1抗体A1)との反応性を有している抗体を適宜使用することができ、具体的には、抗マウスIgGウサギポリクローナル抗体、抗マウスIgGヤギポリクローナル抗体などを例示することができる。
展開液は、イムノクロマトグラフ法において移動相を構成する液体であり、固定相であるクロマトグラフ媒体4上を、試料および標識抗体6とともに移動する。このような展開液であれば、どのようなものであってもよい。
以上のように、本発明の癌の検出キットは、CK19と抗原抗体反応する第1抗体A1と標識物質Lとが結合した標識抗体6と、CK19と抗原抗体反応する第2抗体A2が固相化された抗体捕捉部7を備えるクロマトグラフ媒体4と、を含むイムノクロマトグラフィーによる癌の検出キットである。そして、第1抗体A1が受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体であり、かつ、第2抗体A2が受託番号NITE P−02135のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体である。
本発明の癌の検出キットは、上記の通りの新規なモノクローナル抗体を使用したイムノクロマトグラフィーを利用するため、低コスト、かつ、およそ5分〜10分程度の短時間で、精度良く、癌の転移の有無などを検出することができる。
次に、本発明の癌の検出方法の一実施形態について説明する。
本発明の癌の検出方法は、上述した本発明の癌の検出キットを用いたイムノクロマトグラフィーによる癌の検出方法である。本発明の癌の検出キットについての説明は省略する。
本発明の癌の検出方法は、以下の工程:
(1)被験者のリンパ節由来の試料と標識抗体を含む混合液を抗体捕捉部へ展開させる工程;および
(2)試料中のCK19と標識抗体との複合体が抗体捕捉部で検出された場合に、試料に癌細胞が含まれていると判定する工程
を含む。
本発明の癌の検出方法の対象となる被験者は、哺乳動物であり、好ましくはヒトである。
本発明の癌の検出方法で分析される試料は、被験者由来のリンパ節の可溶化物を例示することができる。なかでも、リンパ節は、センチネルリンパ節であることが好ましい。センチネルリンパ節とは、癌細胞がリンパ流に乗って最初に到達するリンパ節を意味する。センチネルリンパ節は、腫瘍直上の真皮内や乳輪(乳癌の場合)などに、放射性物質や色素などの標識物質を注入し、この標識物質が最も早く到達したリンパ節を選択することにより、容易に決定することができる。センチネルリンパ節を決定する方法については、例えば、乳癌診療ガイドライン 外科療法、2008年版、日本乳癌学会/編、金原出版株式会社などに記載されている。乳癌の場合には、通常、同側腋窩リンパ節のいずれかがセンチネルリンパ節である。
リンパ節の可溶化物は、従来公知の方法により調製することができる。例えば、生理的緩衝液(PBS、TBS、液体培地など)でリンパ節を洗浄し、リンパ節内の実質細胞をリンパ節の支持構造(間質)から遊離させ、遊離した実質細胞を可溶化緩衝液などで可溶化することができる。この場合、単にリンパ節割面の細胞を押印する場合よりも、可溶化物中の癌細胞由来成分の含有量が高まるので、癌腫のリンパ節転移の検出感度が上昇することが期待される。
また、試料は、被験者から採取された組織を適当な展開液で希釈して用いることができる。このような展開液としては、例えば、水、生理食塩液、または緩衝液など、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒を適宜使用することができる。
本発明の癌の検出方法の工程(1)では、被験者のリンパ節由来の試料と標識抗体6を含む混合液を抗体捕捉部7へ展開させる。
具体的には、例えば、所定量の試料を試料添加パッド2に添加すると、毛細管現象により試料は標識抗体保持パッド3に移動する。標識抗体保持パッド3では、標識抗体6が展開液に速やかに溶解して自由に移動できるようになり、試料と標識抗体6を含む混合液が、標識抗体保持パッド3からクロマトグラフ媒体4に毛細管現象で移動し、抗体捕捉部7側へ展開する。
この際、試料中にCK19が含まれている場合には、CK19と標識抗体6とが抗原抗体反応によって特異的に結合して複合体が形成される。この抗原抗体反応は、通常の抗原抗体反応と同様に行なうことができる。
そして、この複合体が標識抗体保持パッド3からクロマトグラフ媒体4に毛細管現象によって展開されて、クロマトグラフ媒体4上に形成された抗体捕捉部7に到達すると、CK19と標識抗体6との複合体は、抗体捕捉部7の第2抗体A2と特異的結合することにより捕捉される。
工程(2)では、試料中のCK19と標識抗体6との複合体が抗体捕捉部7で検出された場合に、試料に癌細胞が含まれていると判定する。
CK19と標識抗体6との複合体は、抗体捕捉部7の第2抗体A2と特異的結合することにより捕捉されると、抗体捕捉部7では、捕捉された標識抗体6の標識物質Lが濃縮されるため、これらを目視または適当な機器を用いて、試料中にCK19が存在することを定性的、定量的に分析することができる。
また、本発明の癌の検出キットのクロマトグラフ媒体4にコントロール部が設けられている場合には、CK19と未結合の標識抗体6がコントロール部のコントロール抗体と結合する。これによって、試料および標識抗体6がクロマトグラフ媒体4上を展開したことを確認することができる。
一方、試料中にCK19が含まれていない場合には、標識抗体6との複合体は形成されず、抗体捕捉部7の第2抗体A2との特異的結合も生じない。この場合、標識抗体6がコントロール部のコントロール抗体と結合するため、コントロール部における標識物質Lの濃縮のみを確認することができる。
また、試料中にCK19が含まれていても、その含有量が予め設定された検出限界以下である場合も同様に、標識抗体6がコントロール部のコントロール抗体と結合するため、コントロール部における標識物質Lの濃縮のみを確認することができる。
このように、本発明の癌の検出方法は、上記の通りの新規なモノクローナル抗体を使用したイムノクロマトグラフィーを利用するため、低コストかつおよそ5分〜10分程度の短時間で、精度良く、癌の有無や転移を検出することができる。このため、例えば、組織として、癌の摘出手術の過程で患者から分離されたものを用い、摘出手術が行われている間に、本発明の癌の検出キットおよび検出方法によって、癌の転移が存在する可能性の判定を行うことができる。このため、癌の転移の有無を確認しながら癌の摘出手術を進行することが可能となる。また、本発明の癌の検出キットおよび検出方法によれば、検体(組織片)を消費することなく癌の転移の有無を評価でき、同一の検体において他の検査(細胞診、病理検査)を並行して行うことができる。
したがって、この判定結果は、治療方針や組織郭清領域を決定する際の指標の1つとして用いることができる。すなわち、例えば、乳癌、肺癌、胃癌、大腸癌、食道癌、甲状腺癌、婦人科癌、皮膚癌、頭頸部癌などの患者から癌の原発巣の近傍のリンパ節組織をバイオプシーにより採取し、本発明の癌の検出キットおよび検出方法によって、癌のリンパ節転移の可能性が判定可能であるため、リンパ節を摘出すべきか、あるいはどの程度郭清すべきかなどの方針を決定するための判断材料にすることができる。
さらに、本発明の癌の転移の検出方法の一実施形態について説明する。上記の実施形態として説明した内容についての説明は一部省略する。
この実施形態では、本発明の癌の検出キットとして、感度の異なる2種類(低感度、高感度)の検出キットを使用する。
この実施形態においても、標識抗体6の第1抗体A1は、受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体であり、かつ、第2抗体A2は、受託番号NITE P−02135のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体である。
低感度検出キットは、例えば、標識物質として平均粒径20〜60nm、好ましくは平均粒径30〜50nmの金属粒子(好ましくは金粒子)を含む金属コロイド溶液を用いて調製された標識抗体を使用することができる。また、低感度検出キットにおける標識抗体を調製する際の金属コロイド溶液の濃度は特に限定されないが、例えば、最大吸光度として0.8〜1.2、好ましくは最大吸光度1.0の金コロイド溶液を用いて調製された標識抗体を使用することができる。
高感度検出キットは、例えば、標識物質として平均粒径40〜80nm、好ましくは平均粒径50〜70nmの金属粒子(好ましくは金粒子)を含む金属コロイド溶液を用いて調製された標識抗体を使用することができる。また、低感度検出キットにおける標識抗体を調製する際の金コロイド溶液の濃度は特に限定されないが、例えば最大吸光度として1.8〜2.2、好ましくは最大吸光度2.0の金コロイド溶液を用いて調製された標識抗体を使用することができる。そして、高感度検出キット用の標識抗体を調製する場合、低感度検出キット用の標識抗体を調製する金コロイドの粒径よりも大きく、かつ、濃度が高いものを使用する。これによって、高感度検出キットは、低感度検出キットの4倍〜6倍、実際的には5倍程度感度を高めることができる。
この実施形態では、高感度検出キットは、低感度検出キットの4倍〜6倍の検出感度を有していることが好ましい。なお、異なる検出感度の高感度検出キットおよび低感度検出キットを作製する方法は、上記の方法に限定されることはなく、抗原抗体反応の効率を調整可能な各種の方法を採用することができる。具体的には、例えば、検出感度を低下させたい場合は、抗体量(標識抗体量)を低く設定することで、所望の検出感度まで低下させた低感度検出キットを作製することができる。一方、検出感度を上げたい場合は、抗体量の飽和などを考慮しつつ、抗体量(標識抗体量)を増やす方法などを例示することができる。
なお、上述した検出感度の調整方法については、本発明のイムノクロマトグラフィーに適した方法を例示している。したがって、例えば特許文献1に記載されているようなドットブロット法などに適用される公知の検出感度の調整方法の場合、必ずしも十分な検出感度の調整ができないことも考えられる。
そして、この実施形態では、低感度検出キットと高感度検出キットの感度を調整することで、例えば、低感度検出キットと高感度検出キットの両方が陽性である場合(CK19が検出された場合)には、リンパ節郭清が必要である2mmより大きな癌(例えば乳癌)の転移が存在すると判断することができる。
また、例えば、低感度検出キットが陰性であり(CK19が検出されない)、高感度検出キットが陽性である場合には、リンパ節郭清を要しない2mm以下の癌(乳癌)の転移または0.2mm以下のIsolated Tumor Cell(ITCs)または上皮成分の混入があると判断することができる。
さらに、低感度検出キットと高感度検出キットの両方が陰性である場合には、癌(乳癌)の転移はないと判断することができる。
このように、低感度検出キットと高感度検出キットを組み合わせることで、癌のマクロ転移、マイクロ転移を判別することができ、リンパ節を摘出すべきか、あるいはどの程度郭清すべきかなどの方針を決定することができる。
なお、上記の通り、2mmより大きな癌の転移が存在する場合にリンパ節郭清を行うことが一般的であるが、リンパ節郭清を行うか否かの基準となる転移の大きさは、例えば2mm〜5mm程度の範囲において決定し得る。したがって、この実施形態では、臨床においてリンパ節郭清を行うか否かの基準となる転移の大きさに応じて低感度検出キットと高感度検出キットの感度を調整することで、基準となる大きさを超える転移(リンパ節郭清が必要である癌の転移)、または基準となる大きさ以下の転移(リンパ節郭清が不要である癌の転移)などを正確に判定することができる。
すなわち、この癌の転移の検出方法は、癌の検出キットとして、互いに検出感度の異なる低感度検出キットおよび高感度検出キットの2種を用いた、イムノクロマトグラフィーによる癌の転移の判定方法であって、以下の工程:
(1)被験者のリンパ節由来の試料と前記標識抗体を含む混合液を前記抗体捕捉部へ展開させる工程;および
(2)低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて、前記試料中のサイトケラチン19と前記標識抗体との複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさを超えるマクロ転移が存在すると判定し、
低感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されず、かつ、高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさ以下のマイクロ転移、0.2mm以下のIsolated Tumor Cells (ITCs)、上皮成分の混入のうちの少なくともいずれかが存在すると判定し、
低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されない場合に、癌の転移が存在しないと判定する工程
を含む。
本発明の癌の検出キットおよび癌の検出方法は、以上の実施形態に限定されることはない。例えば、本発明の癌の検出キットは、従来利用されているイムノクロマトグラフィーの各種の形態であってよく、目的や検出精度などに応じて様々な形態に適宜設計することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら限定されるものではない。
<実施例1>免疫用サイトケラチン蛋白質の調製
サイトケラチン19(Homo sapiens keratin 19, KRT19, Accession No. NM_002276.4)のcDNAはOrigene社から購入した(Catalog No. RC209707)。これを、同じくOrigene社のベクター、pEX-N-His-GSTに組み込み、His-GST融合サイトケラチン19発現ベクターを構築した。これを大腸菌に導入して形質転換を行った。この形質転換体を培養することにより、Inclusion bodyと呼ばれる不溶性画分にHis-GST融合サイトケラチン19蛋白質を得た。この画分を6M 尿素を含むPBS溶液(pH 8.0)で可溶化し、Ni-NTAを用いて当該蛋白質の精製品を得た。
<実施例2>スクリーニング用サイトケラチン19蛋白質の調製
抗体産生ハイブリドーマを選別する際には、免疫に用いた蛋白質中の主にGST部分を認識する抗体産生ハイブリドーマを排除する必要がある。そこでスクリーニング用サイトケラチン19蛋白質発現ベクターとして、Origene社から購入したベクター、pCMV6-AC-Myc-Hisにサイトケラチン19のcDNAを組み込んだpCMV6-AC-Myc-His-CK19を構築した。これをFree Style 293細胞にトランスフェクションしたところ、細胞質内に蛋白質発現を認めたため、6M 尿素を含むPBS溶液(pH 8.0)で細胞を可溶化し、Ni-NTAで当該蛋白質を精製した。続いて、透析によって徐々に尿素濃度を下げてリフォールディングを行い、可溶性Myc-His融合サイトケラチン19蛋白質を得た。
<実施例3>スクリーニング用サイトケラチン19蛋白質の活性の確認
Myc-His融合サイトケラチン19蛋白質は、20倍モル濃度のSulfo-NHS-LC-Biotinを用いてBiotin修飾を行った。このビオチン化蛋白質について、既にサイトケラチン19フラグメント(Cyfra21.1)の測定系に用いられている市販抗サイトケラチン19抗体クローンKs19.1を用いて反応性を調べ、これがスクリーニングに使用可能であることを確認した。
<実施例4>モノクローナル抗体の調製
実施例1で得た蛋白質溶液を、等量のTiterMax Gold(TiterMax USA, Inc.)と混和して乳剤を調製し免疫源とした。モノクローナル抗体は、K. Watanabe et al., Vasohibin as an endothelium-derived negative feedback regulator of angiogenesis, J. Clin. Invest. 114 (2004), 898-907に記載されている方法で作製した。すなわち、5週齢の雌Balb/c系マウスあるいはA/J系マウスに、投与1回につき、一匹当たり50μgの当該蛋白質を、皮下あるいは腹腔内に等量に分けて投与した。5回の免疫後に、最終のブースター(細胞融合の4日前)を行ったマウスから脾臓を摘出し、脾細胞を調製した。続いて脾細胞とミエローマ細胞(P3U1)との細胞融合を行った。希釈と培養を繰り返し、その都度、抗体価と親和性を測定することにより、親和性の高い10種のモノクローナル抗体(1H1、2G12、2D5、3A6、3E10、4E2、7A9、8C3、14E9、8A9)を産生するハイブリドーマを取得した。
(1)抗体価の測定法
抗血清とハイブリドーマ上清の抗体価の評価は、DELFIA法にて行った。すなわち、ヤギ抗マウスIgG抗体を固相した96穴マイクロプレートに、抗血清あるいはハイブリドーマ上清を添加し、さらにビオチン化Myc-His融合サイトケラチン19蛋白質とEu標識ストレプトアビジンを混合攪拌後、室温で2時間あるいは4℃で終夜反応させた。反応後、洗浄液(0.01% Tween 20と0.1% ProClin 150を含む生理食塩水)にて3回洗浄し、100μLの増強試薬を加え、攪拌後5分間静置し、615nmにおける時間分解蛍光をARVO MX(Perkin Elmer)で測定した。抗血清やハイブリドーマを未添加の場合に得られるシグナルの3倍を超えるシグナル強度を示す場合を陽性と判断した。
(2)モノクローナル抗体の親和性とサブクラス
取得した10種のモノクローナル抗体(1H1、2G12、2D5、3A6、3E10、4E2、7A9、8C3、14E9、8A9)の親和性とサブクラスを表1に示す。
<実施例5>ELISA組み合わせの確認
イムノクロマトグラフィーに適する標識抗体と捕捉抗体の組み合わせを決定するために、獲得したすべての抗体(1H1、2G12、2D5、3A6、3E10、4E2、7A9、8C3、14E9、8A9)についてサンドイッチELISAを行った。これにより良好な抗体の組み合わせが分かるだけでなく、エピトープが重なる組み合せ、類似の特異性を持つ抗体、修飾によって活性が低下する抗体を判別することができる。
確立したすべてのモノクローナル抗体を、Sulfo-NHS-LC-Biotinを用いてビオチン修飾し、検出用抗体とした。抗原は免疫源としたサイトケラチン19蛋白質を用いた。
サンドイッチELISAのアッセイ条件は次の通りである。まず、10種の精製抗体それぞれを固相した抗体固相プレートを準備する。ここにアッセイバッファー(50mM PBS(pH7.4), 1% BSA, 0.05% proclin150)とサイトケラチン19蛋白質溶液を加え、4℃で一晩静置する。アッセイバッファーで3回洗浄したのち、ビオチン標識モノクローナル抗体を加え、室温で2時間反応させる。アッセイバッファーで3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ(HRP)標識ストレプトアビジンを加え、室温で1時間静置する。再度アッセイバッファーで3回洗浄し、テトラメチルベンジジン(TMB)を加え、室温で10分静置後、H2SO4溶液を入れて吸光度(450nm)を測定する。
結果を表2に示す。縦は固相抗体、横はビオチン化抗体を表し、数字はおおよそ吸光度を示している。
表2に示したように、3A6と4E2、8C3はビオチン化によって反応性がなくなることが判る。また、例えば、3E10と14E9のように吸光度が出ない組み合わせは、Epitopeが近い抗体同士であることが推察できる。このようにして得られた組合せから、比較的反応性の良い5つの抗体を抜き出したのが次の表3である。
<実施例6>イムノクロマトグラフィー用検出キット(テストストリップ)の作製
実施例5で比較的反応性が高かった5つのクローン(1H1、2D5、3A6、3E10、14E9)について抗体を調製し、イムノクロマトグラフィー用検出キットの作製検討に供した。
(判定紙)
抗体 5 種をそれぞれ 1mg/mL に希釈し、塗布溶液とした。塗布溶液をメンブレンに塗布、乾燥させて、抗体(第2抗体)5 種が固定された抗体捕捉部(判定ライン)を形成した後、ブロッキング処理を行い、判定紙(図1におけるクロマトグラフ媒体4)を 5 種作製した。
(1)判定紙の作製
ニトロセルロース・アセテートメンブレン(ミリポア社製ハイフロープラス(HFC135))を机上に固定し、抗マウスIgG抗体(1mg/mL、10mMリン酸緩衝液で希釈)溶液をディスペンサーを用いてライン状に塗布してコントロール部8を形成した。また、ニトロセルロース・アセテートメンブレンに抗体(第2抗体)5種(1mg/mL、10mMリン酸緩衝液で希釈)の溶液を、ディスペンサーを用いてライン状に塗布して抗体補捉部7を形成した。このニトロセルロースメンブレンを、1重量%のスキムミルクと2重量%のショ糖、0.02重量%のSDSを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.4)中に含浸し、取出した後、乾燥させ、室温で乾燥材入りのバッグに使用するまで保存し、図1に示した抗体補足部7およびコントロール部8が形成されたクロマトグラフ媒体4を得た。
(試薬紙)
抗体 5 種を使用して、それぞれ同一条件で金コロイド標識された標識抗体(標識化第1抗体)を作製し、支持体に含浸させて乾燥し、試薬紙(図1における標識抗体保持パッド3)を5種作製した。
(2)試薬紙の作成
(2−1)標識化第1抗体の調製
市販の平均粒径40nm(OD530=約1.0)の金コロイド溶液20mLに50mMトリシン緩衝液(pH8.15)を2mL添加して撹拌した。その後、2mMトリシン緩衝液(pH8.15)で0.1mg/mLに希釈した抗体1.6mLを添加して撹拌し、その後、30分静置した。続いて10重量%牛血清アルブミン(pH9.0)2.4mLを添加し、10分撹拌し、得られた混合物を1.5mLチューブに分注し、8℃で10分間、6100×g の遠心分離を行って精製した。沈下した標識化第1抗体のペレットを蒸留水で再懸濁し1mLとし、使用するまで4℃で保存した。
(2−2)試薬紙の作成
上記(2−1)で得られた標識化第一抗体を、1.5重量%の牛血清アルブミンと2重量%のショ糖とを含む150mMトリシン緩衝液(pH8.15)を用いて希釈した。この時、標識化第一抗体が5容量%となるように希釈した。得られた溶液1mLをガラス繊維濾紙に含浸、乾燥させ、室温で乾燥材入りのバッグに保存した。
(テストストリップ)
5種類ずつの判定紙および試薬紙をそれぞれ組合せてテストストリップを20種類作製した。
(3)試験片及び分析装置の作成
片面が粘着加工された乳白ポリエステル台紙を、粘着面を上にして机上に固定し、上記(1)で作製した判定紙(クロマトグラフ媒体4)を貼り合わせた。続いて、上記(2)で作製した試薬紙(標識抗体保持パッド3)を貼り合わせ、クロマトグラフ媒体4と標識抗体保持パッド3とが約2mmの重なりを有した状態で連設した。さらに、ポリエステル不織布からなる試料添加パッド2を、標識抗体保持パッド3を一部覆うように貼り合わせた。また、濾紙を貼り合わせて吸収パッド5とした。
<実施例7>テストストリップによる判定試験
(1)試験1
(i)抗原は、CK19-Hisを使用した。抗原をPBS(pH7.4)で10ng/mLに希釈したものを検体液とした。検体液の濃度調製は、CK19としての濃度で調製した。
(ii)試験チューブに検体液を100μL添加し、テストストリップを試験チューブに挿入した。
(iii)10分後に抗体捕捉部(判定ライン)の着色の度合いを目視判定した。
(2)判定基準
抗体捕捉部(判定ライン)の着色の度合いは、以下の判定基準に従って目視判定した。
++ :強陽性(着色が強く、明確に判定ラインが確認される)
+ :陽性(はっきりと判定ラインが確認できる)
± :弱陽性(ごく薄い判定ラインが確認できる)
Tr :判定ラインの痕跡が認められる(弱陽性より着色が弱い)
− :陰性(判定ラインが確認されない)
(3)結果
結果を表4に示す。
表4に示したように、作製したテストストリップ20 種類のうち16 種類の組み合わせで、CK19-His 10 ng/mL の検出が可能であった。CK19 検出が可能な組合せについては、表3とほぼ同等の結果が得られた。
なかでも、捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体)として、1H1×3E10、1H1×14E9、2D5×14E9、3A6×14E9、2D5×3E10、3E10×1H1、14E9×1H1、14E9×2D5の8種類の組み合わせで、良好な結果を示していた。
(4)試験2
試験1で抽出した 前記の8 種類の組み合わせについて、抗原 MCF7 Lysate 2.5 ng/mL および 5 ng/mL(細胞溶解液で調製)の検出を試みた。試験方法、判定基準は、試験1に準じて行った。
(5)結果
結果を表5に示す。
表5に示したように、条件 No.2(捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体):1H1×14E9)の感度が最も良いことが確認された。
モノクローナル抗体(1H1)を産生するハイブリドーマは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 特許微生物寄託センターに寄託されている(受託番号:NITE P−02135、受領日:2015年10月5日)。同様に、モノクローナル抗体(14E9)を産生するハイブリドーマは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 特許微生物寄託センターに寄託されている(受託番号:NITE P−02136、受領日:2015年10月5日)。
<実施例8>感度試験
実施例7の(4)試験2で選択した抗体の組み合わせ(捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体):1H1×14E9)について、実施例7の試験1、2と同様に、抗原(CK19-His、MCF7 lysate)の濃度を変更して感度試験を行った。
結果を表6、表7に示す。
表6、表7に示したように、このテストストリップ(捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体):1H1(受託番号NITE P−02135)×14E9(受託番号:NITE P−02136))は、CK19-Hisでは0.1ng/mL、MCF7 lysateでは5ng/mLにおいて、検出が可能であることが確認された(弱陽性(±))。
<実施例9>イムノクロマトグラフィーによるリンパ節転移診断
(1)実施例8で使用したテストストリップ(捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体):1H1(受託番号NITE P−02135)×14E9(受託番号:NITE P−02136))について、141例の臨床検体(蛋白抽出液)を用いて、癌(乳癌)の転移の有無を評価した。
なお、蛋白抽出液は、以下の手順で作製した。
(i)手術で摘出したリンパ節をメス刃で2mm幅の割を入れ、メス刃をリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate Buffered Saline: PBS) 2mLで20回転倒混和して洗浄する。
(ii)割を入れたリンパ節を同じPBSで20回転倒混和して洗浄し、取り出したリンパ節は病理診断に提出する。
(iii)リンパ節洗浄液を1分間遠心分離(5200×g)し、上清を捨てる。
(iv)残った細胞集塊に細胞溶解液40μLを加え、細胞集塊を破砕して3分間待つ。細胞溶解液は、以下の組成試薬を使用した。
0.1%NP40/PBS(pH 7.4)/プロテアーゼ阻害剤
PBS:8.1mM Na2HPO4, 1.47mM KH2PO4, 2.68mM KCl, 137mM NaCl
(v)細胞溶解液をフィルターに注入し、15秒間遠心分離(5200×g)する。フィルターを除去し、蛋白抽出液を得る。
(2)結果を表8に示す。表8では、テストストリップによる陽性および陰性を、それぞれ、「SDB 陽性」および「SDB 陰性」と記載している。また、病理判定は、リンパ節の組織切片を顕微鏡観察し、癌細胞が確認された場合は陽性、確認されない場合は陰性と判定している。
表8に示したように、このテストストリップによれば、感度は80.7%(46/57×100)であり、特異度は100%(84/84×100)であり、一致率92.2%(130/141×100)であった。
なお、「感度」とは、陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率であり、「特異度」とは、陰性のものを正しく陰性と判定する確率であり、「一致率」とは、病理判定とテストストリップによる判定が一致した割合をいう。
一方、臨床では、組織切片に癌細胞が存在し、かつ、2mmより大きいマクロ転移が確認された場合に、センチネルリンパ節の周囲の腋窩リンパ節の郭清を行っている(転移陽性)。また、臨床では、2mm以下のマイクロ転移またはIsolated Tumor Cells (ITCs)は予後に影響を与えないため、腋窩リンパ節の郭清は行われない(転移陰性)。
この実施例では、病理判定で陽性と判定され、このテストストリップで陰性と判定された11例のうちの9例は、臨床で転移陰性と判断される単発マイクロ転移以下のものであり、残りの2例は、臨床で転移陽性と判断されるマクロ転移であった。
臨床で転移陽性と判断されるマクロ転移は44例であり、このテストストリップは、臨床で転移陽性と判断されるマクロ転移については、感度95.5%(42/44×100)で検出可能であることが確認された。
<実施例10>高感度テストストリップの作製と感度評価
実施例8、9で使用したテストストリップ(捕捉抗体(第2抗体)×標識抗体(第1抗体):1H1(受託番号NITE P−02135)×14E9(受託番号:NITE P−02136))について、横置きのハウジングタイプを採用したテストストリップを作製した。
(1)判定紙(図1におけるクロマトグラフ媒体4)の作成
ニトロセルロースメンブレン(GEヘルスケアジャパン製immunoporeRP(孔径8μm))を机上に固定し、抗マウスIgG抗体(1mg/mL、2重量%ショ糖を含む10mMリン酸緩衝液で希釈)溶液をディスペンサーを用いてライン状になるように塗布してコントロール部8を形成した。また、ニトロセルロースメンブレンに補捉抗体(第2抗体:1H1(受託番号NITE P−02135)1mg/mL、2重量%ショ糖を含む10mMリン酸緩衝液で希釈)溶液を、ディスペンサーを用いてライン状に塗布して抗体捕捉部7を形成した。このニトロセルロースメンブレンを、1重量%のスキムミルクと2重量%のショ糖、0.02重量%のSDSを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.4)中に含浸、乾燥させ、室温で乾燥材入りのバッグに使用するまで保存した。
(2)試薬紙(図1における標識抗体保持パッド3)の作成
(2−1)標識化第1抗体(標識抗体)の調製
市販の平均粒径60nm(OD530=約2.0)の金コロイド溶液20mLに50mMトリシン緩衝液(pH8.15)を4mL添加して撹拌した。その後、2mMトリシン緩衝液(pH8.15)で0.1mg/mLに希釈した第1抗体14E9(受託番号NITE P−02136)1.0mLを添加して撹拌し、その後、室温で静置した。続いて0.1重量%カゼインを含む20mMトリス緩衝液2.0mLを添加して撹拌し、得られた混合物を1.5mLチューブに分注し、8℃で10分間、3400×g の遠心分離を行って精製した。沈下した標識化第1抗体のペレットを蒸留水で再懸濁し1mLとし、使用するまで4℃で保存した。
(2−2)試薬紙の作成
上記(2−1)で得られた標識化第一抗体を1.5重量%の牛血清アルブミンと2重量%のショ糖とを含む300mMトリシン緩衝液(pH8.15)を用いで希釈した。この時、標識化第一抗体が5.5容量%となるように希釈した。得られた溶液1mLをガラス繊維濾紙に含浸、乾燥させ、室温で乾燥材入りのバッグに保存した。
(3)試験片および分析装置の作成
片面が粘着加工された乳白ポリエステル台紙を、粘着面を上にして机上に固定し、上記(1)で作製したクロマトグラフ媒体4を貼り合わせた。続いて、透明ポリプロピレンフィルムからなる保護カバーを、粘着面側を下にして貼り合わせた。続いて、上記(2)で作製した標識抗体保持パッド3を貼り合わせ、クロマトグラフ媒体4と標識抗体保持パッド3とが約2mmの重なりを有した状態で連設した。さらに一端を合わせて、ポリエステル製不織布からなる試料添加パッド2を、標識抗体保持パッド3を一部覆うように貼り合わせた。また、濾紙を貼り合わせて吸収パッド5とした。
この積層シートを、各部材を直角に横断するようにストリップ状に順次切断し、裁断した試験片をハウジングケースに充填し、分析試験で使用するまで室温で乾燥材入りバッグに保存した。
(1)試験
細胞溶解液で抗原(MCF7 lysate)を所定の濃度に希釈したものを検体液とした。検体液濃度調整は、CK19 としての濃度で調整した。また、細胞溶解液は、以下の組成試薬を使用した。
0.1% NP40 / PBS(pH7.4) / プロテアーゼ阻害剤
PBS:8.1mM Na2HPO4、1.47mM KH2PO4、2.68mM KCl、137mM NaCl
そして、調製した検体液を、テストストリップの試料添加パッドに添加して、クロマトグラフ媒体上に展開し、10分後に抗体捕捉部(判定ライン)の着色の度合いを目視判定した。
(2)判定基準
抗体捕捉部(判定ライン)の着色の度合いは、以下の判定基準に従って目視判定した。
+ :陽性(はっきりと判定ラインが確認できる)
± :弱陽性(ごく薄い判定ラインが確認できる)
Tr :判定ラインの痕跡が認められる(弱陽性より着色が弱い)
− :陰性(判定ラインが確認されない)
(3)結果
結果を表9に示す。
表9に示したように、このテストストリップでは、MCF7 lysate 1ng/mLの検体液を弱陽性(±)で検出可能であることが確認された。すなわち、このテストストリップでは、実施例8のテストストリップ(表7)と比較して、感度が5倍程度向上していることが確認された。
<実施例11>高感度テストストリップによるリンパ節転移診断
実施例10で作製したテストストリップについて、実施例9と同様に139例の臨床検体(蛋白抽出液)を用いて、癌(乳癌)の転移の有無を評価した。蛋白抽出液は、実施例9と同様の方法で調製した。
結果を表10に示す。
表10に示したように、このテストストリップによれば、感度は90.9%(51/55×100)であり、特異度は91.7%(77/84×100)であり、一致率92.1%(128/139×100)であった。
さらに、病理判定で陽性と判定され、このテストストリップで陰性と判定された4検体は、Isolated Tumor Cells (ITCs)(180μm)が1例、500×200μmの単発マイクロ転移が1例、500μmの単発マイクロ転移が1例、1500μmの単発マイクロ転移が1例であった。
また、病理判定で陽性と判定され、テストストリップで陽性と判定された51例のうち、臨床で転移陰性と判断されるマイクロ転移は8例であり、臨床で転移陽性と判断されるマクロ転移は、43例であった。したがって、このテストストリップは、臨床で転移陽性と判断されるマクロ転移に対しては、感度100%(43/43×100)であった。
<実施例12>感度の異なる2種のテストストリップ(検出キット)による転移巣の大きさの判定
実施例8、9で使用したテストストリップ(以下、「低感度テストストリップ」という)と、実施例10で使用したテストストリップ(以下、「高感度テストストリップ」という)の2種のテストストリップを用いる事で、転移巣の大きさを推定するかどうかを検討した。
具体的には、低感度テストストリップおよび高感度テストストリップがともに陽性である場合には2mmより大きなマクロ転移が存在すると判断する(SDB Macro)。低感度テストストリップが陰性で高感度テストストリップが陽性の場合には2mm以下のマイクロ転移または0.2mm以下のIsolated Tumor Cells (ITCs)または上皮成分の混入と判断する(SDB micro以下)。低感度テストストリップおよび高感度テストストリップがともに陰性である場合には転移なしと判断する(SDB micro以下)。
すなわち、定性反応を2つ組み合わせる事により、臨床で腋窩リンパ節郭清を行うマクロ転移と、腋窩リンパ節郭清を省略するマイクロ転移以下の転移または転移陰性を判定することができるか否かの試験を行った。
結果を表11に示す。
表11に示したように、感度の異なる2種のテストストリップを利用することで、感度95.3%(41/43×100)、特異度95.8%(92/96×100)、一致率95.7%(133/139×100)で判定できることが確認された。
すなわち、感度の異なる2種のテストストリップを利用することで、癌のマクロ転移とマイクロ転移を精度よく判別できることが確認された。
1 検出キット
2 試料添加パッド
3 標識抗体保持パッド
4 クロマトグラフ媒体
5 吸収パッド
6 標識抗体
7 抗体捕捉部
8 コントロール部
A1 第1抗体
A2 第2抗体
A3 コントロール抗体
L 標識物質

Claims (7)

  1. サイトケラチン19に特異的なモノクローナル抗体であって、受託番号NITE P−02135、または、受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体。
  2. 受託番号NITE P−02135、または、受託番号NITE P−02136のハイブリドーマ。
  3. サイトケラチン19と抗原抗体反応する第1抗体と標識物質とが結合した標識抗体、および、
    サイトケラチン19と抗原抗体反応する第2抗体が固相化された抗体捕捉部を備えるクロマトグラフ媒体、
    を含むイムノクロマトグラフィーによる癌の検出キットであって、
    前記第1抗体が受託番号NITE P−02136のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体であり、かつ、前記第2抗体が受託番号NITE P−02135のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体であることを特徴とする癌の検出キット。
  4. 請求項3の癌の検出キットを用いた、イムノクロマトグラフィーによる癌の検出方法であって、以下の工程:
    (1)被験者のリンパ節由来の試料と前記標識抗体を含む混合液を前記抗体捕捉部へ展開させる工程;および
    (2)前記試料中のサイトケラチン19と前記標識抗体との複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、前記試料に癌細胞が含まれていると判定する工程
    を含むことを特徴とする癌の検出方法。
  5. 請求項3の癌の検出キットとして、互いに検出感度の異なる低感度検出キットおよび高感度検出キットの2種を用いた、イムノクロマトグラフィーによる癌の転移の判定方法であって、以下の工程:
    (1)被験者のリンパ節由来の試料と前記標識抗体を含む混合液を前記抗体捕捉部へ展開させる工程;および
    (2)低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて、前記試料中のサイトケラチン19と前記標識抗体との複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさを超えるマクロ転移が存在すると判定し、
    低感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されず、かつ、高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出された場合に、リンパ節郭清を行う基準となる大きさ以下のマイクロ転移、0.2mm以下のIsolated Tumor Cells (ITCs)、上皮成分の混入のうちの少なくともいずれかが存在すると判定し、
    低感度検出キットおよび高感度検出キットにおいて前記複合体が前記抗体捕捉部で検出されない場合に、癌の転移が存在しないと判定する工程
    を含むことを特徴とする癌の転移の判定方法。
  6. リンパ節郭清を行う基準となる転移の大きさは、2mmであることを特徴とする請求項5の癌の転移の判定方法。
  7. 前記低感度検出キットの標識抗体は、平均粒径20〜60nmの金属コロイドで標識されており、前記高感度検出キットの標識抗体は、前記低感度検出キットの標識抗体の金属コロイドの粒径より大きく、かつ、平均粒径40〜80nmの金属コロイドで標識されていることを特徴とする請求項5または6の癌の転移の判定方法。
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