JP2017088458A - 多孔質ガラス母材の脱水焼結装置および脱水焼結方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱炉2内の多孔質ガラス母材5に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材5の脱水焼結装置1であって、加熱炉2内のガスを加熱炉2外に排出する排気経路4を備え、排気経路4は、開度調整バルブ10と、加熱炉2と開度調整バルブ10との間にパージガス供給経路11が合流する合流部12と、が設けられている。
【選択図】図1
Description
前記加熱炉内のガスを加熱炉外に排出する排気経路を備え、
前記排気経路は、
開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間にパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられている。
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記加熱炉内のガスと前記パージガス供給経路から供給されるパージガスとを前記合流部で合流させて加熱炉外に排出する。
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間に設けられた開閉バルブと、前記開閉バルブと前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記開閉バルブを開閉させて前記加熱炉内の圧力を所定の範囲内に制御すると共に、前記パージガス供給経路から前記排気経路へのパージガスの供給を前記開閉バルブが閉じている間のみに行う。
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
実施形態に係る多孔質ガラス母材の脱水焼結装置は、
(1) 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結装置であって、
前記加熱炉内のガスを加熱炉外に排出する排気経路を備え、
前記排気経路は、
開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間にパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられている。
脱水またはフッ素添加のためのガスは水分と反応して粉体が生じるが、上記(1)の構成では、排気経路にパージガス供給経路との合流部が設けられているので、加熱炉から排出する粉体を含むガスをパージガスで希釈できる。加熱炉から排出するガスをパージガスで希釈しながら開度調整バルブを通過させることにより、開度調整バルブに粉体が堆積しにくくなり、排気経路の閉塞を防ぐことができる。
上記(2)の構成では、開閉バルブが設けられているので、開閉バルブを開閉することにより、加熱炉内の圧力が所定の範囲内となるよう制御することができる。
(3) 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結方法であって、
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記加熱炉内のガスと前記パージガス供給経路から供給されるパージガスとを前記合流部で合流させて加熱炉外に排出する。
脱水またはフッ素添加のためのガスは水分と反応して粉体が生じるが、上記(3)の方法により、加熱炉から排出する粉体を含むガスをパージガスで希釈できる。パージガスで希釈されたガスが開度調整バルブを通過するので、開度調整バルブに粉体が堆積しにくくなり、排気経路の閉塞を防ぐことができる。
(4) 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結方法であって、
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間に設けられた開閉バルブと、前記開閉バルブと前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記開閉バルブを開閉させて前記加熱炉内の圧力を所定の範囲内に制御すると共に、前記パージガス供給経路から前記排気経路へのパージガスの供給を前記開閉バルブが閉じている間のみに行う。
加熱炉から排出するガスに含まれる粉体が開度調整バルブを通過する際に堆積して堆積物となる。上記(4)の方法によれば、開閉バルブが閉じている間のみパージガスを流すので、加熱炉内の圧力に影響を与えずに、上記堆積物を吹き飛ばして減らすことができる。これにより、開度調整バルブに堆積物が詰まって排気経路が閉塞することを防ぐことができる。
パージガスの供給流量を加熱炉内から排出するガスの流量よりも多くすることにより、開度調整バルブの堆積物をより確実に減らして、排気経路の閉塞を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る多孔質ガラス母材の脱水焼結装置および脱水焼結方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1を参照して、第一実施形態の多孔質ガラス母材の脱水焼結装置1を説明する。図1は多孔質ガラス母材の脱水焼結装置1の概略図である。
脱水焼結装置1は、加熱炉2と、ガス供給経路3と、排気経路4とを備えている。
加熱炉2は、多孔質ガラス母材5が挿入される有底円筒状に形成された炉心管6と、炉心管6内に挿入された多孔質ガラス母材5を加熱するヒータ7と、炉心管6の上蓋を昇降自在に挿通して炉心管6内に多孔質ガラス母材5を吊持する支持棒8とを備えている。
排気経路4は、加熱炉2内の炉心管6から排出される排ガスを、排ガス処理装置9に送出する経路である。排気経路4には、開度調整バルブ10が設けられており、加熱炉2と開度調整バルブ10との間には、パージガス供給経路11が合流する合流部12が設けられている。
開度調整バルブ10は、例えば、ニードルバルブ、バタフライバルブなどであり、開度の調整ができるバルブである。パージガス供給経路11は、水分が入っていないパージガス(例えば、N2などの不活性ガス)を供給する経路である。
本実施形態では、排気用ポンプ13を設けることにより、より強く排ガスを吸引できると共に、下流側(排ガス処理装置9側)の圧力変動を上流側(加熱炉2側)に及ぼさないようにすることができる。
上記脱水焼結装置1を用いた、第一実施形態の多孔質ガラス母材5の脱水焼結方法について図1を参照して説明する。
多孔質ガラス母材5を吊り下げた支持棒8を炉心管6内に導入する。そして、脱水剤としての塩素系ガス(例えば、SiCl4等)と不活性ガスをガス供給経路3から炉心管6内に供給し、ヒータ7を加熱させて炉内温度を脱水温度にする。炉内が脱水温度となった状態で、多孔質ガラス母材5の脱水処理を行う。
図2を参照して、第二実施形態の多孔質ガラス母材の脱水焼結装置1Aについて説明する。図2は多孔質ガラス母材の脱水焼結装置1Aの概略図である。
脱水焼結装置1Aが、図1の第一実施形態の脱水焼結装置1と異なる点は、図2に示すように、加熱炉2と合流部12との間に開閉バルブ14が設けられている点と、パージガス供給経路11に開閉バルブ15が設けられている点である。開閉バルブ14,15は、全開或いは全閉のいずれかの状態となるバルブである。他の構成は、第一実施形態の脱水焼結装置1と同様であり、同一符号を付けて説明は省略する。
上記脱水焼結装置1Aを用いた、第二実施形態の多孔質ガラス母材5の脱水焼結方法について図2を参照して説明する。
多孔質ガラス母材5を吊り下げた支持棒8を炉心管6内に導入する。そして、脱水剤としての塩素系ガス(例えば、SiCl4等)と不活性ガスをガス供給経路3から炉心管6内に供給し、ヒータ7を加熱させて炉内温度を脱水温度にする。炉内が脱水温度となった状態で、多孔質ガラス母材5の脱水処理を行う。
第二実施形態の多孔質ガラス母材の脱水焼結装置および脱水焼結方法は、開閉バルブ14が閉じたときに、パージガス供給経路11の開閉バルブ15を開けてパージガスを流すので、加熱炉2内の圧力に影響を与えずに、開度調整バルブ10の堆積物を吹き飛ばして減らすことができる。これにより、開度調整バルブ10に堆積物が詰まって排気経路4が閉塞することを防ぐことができる。
このように、パージガスの供給流量を加熱炉2内から排出するガスの流量よりも多くすることにより、開度調整バルブ10の堆積物をより確実に減らして、排気経路4の閉塞を防ぐことができる。
以下、実施例1、2と比較例を挙げて比較した結果を示す。
(実施例1)
脱水焼結装置1を用いて、第一実施形態の脱水焼結方法の手順によって、多孔質ガラス母材5の脱水焼結処理を連続して行った。パージガス供給経路11からのパージガスの供給流量を変えることにより、パージガスの供給流量と排ガスの流量(加熱炉2内から排出するガスの流量)との比を、0.5、1.0、1.5とした場合について、それぞれ開度調整バルブ10に堆積物が詰まって排気経路4が閉塞するまでに、脱水焼結処理した多孔質ガラス母材5の本数を求めた。
脱水焼結装置1Aを用いて、第二実施形態の脱水焼結方法の手順によって、多孔質ガラス母材5の脱水焼結処理を連続して行った。パージガス供給経路11からのパージガスの供給流量を変えることにより、パージガスの供給流量と排ガスの流量(加熱炉2内から排出するガスの流量)との比を、0.5、1.0、1.5とした場合について、それぞれ開度調整バルブ10に堆積物が詰まって排気経路4が閉塞するまでに、脱水焼結処理した多孔質ガラス母材5の本数を求めた。
図1の脱水焼結装置1とは、パージガス供給経路11が設けられていないことのみが異なる装置を用いて、パージガスを供給しないこと以外は第一実施形態の脱水焼結方法の手順に準じて、多孔質ガラス母材5の脱水焼結処理を連続して行った。このとき、開度調整バルブ10に堆積物が詰まって排気経路4が閉塞するまでに、脱水焼結処理した多孔質ガラス母材5の本数を求めた。
2 加熱炉
3 ガス供給経路
4 排気経路
5 多孔質ガラス母材
6 炉心管
7 ヒータ
8 支持棒
9 排ガス処理装置
10 開度調整バルブ
11 パージガス供給経路
12 合流部
13 排気用ポンプ
14、15 開閉バルブ
Claims (5)
- 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結装置であって、
前記加熱炉内のガスを加熱炉外に排出する排気経路を備え、
前記排気経路は、
開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間にパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられている、多孔質ガラス母材の脱水焼結装置。 - 前記排気経路は、前記加熱炉と前記合流部との間に開閉バルブが設けられている、請求項1に記載の多孔質ガラス母材の脱水焼結装置。
- 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結方法であって、
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記加熱炉内のガスと前記パージガス供給経路から供給されるパージガスとを前記合流部で合流させて加熱炉外に排出する、多孔質ガラス母材の脱水焼結方法。 - 加熱炉内の多孔質ガラス母材に脱水またはフッ素添加のためのガスを供給して加熱する多孔質ガラス母材の脱水焼結方法であって、
前記加熱炉内のガスを排出する排気経路に、開度調整バルブと、前記加熱炉と前記開度調整バルブとの間に設けられた開閉バルブと、前記開閉バルブと前記開度調整バルブとの間でパージガス供給経路が合流する合流部と、が設けられており、
前記開閉バルブを開閉させて前記加熱炉内の圧力を所定の範囲内に制御すると共に、前記パージガス供給経路から前記排気経路へのパージガスの供給を前記開閉バルブが閉じている間のみに行う、多孔質ガラス母材の脱水焼結方法。 - 前記パージガス供給経路からの前記パージガスの供給流量を前記加熱炉内から排出するガスの流量よりも多くする、請求項3または請求項4に記載の多孔質ガラス母材の脱水焼結方法。
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