JP5933390B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石英管の内面にガラスを堆積させた後、前記石英管を加熱して中実化させることにより光ファイバ母材を製造する方法に関する。
内付け気相成長(MCVD)法およびプラズマ気相成長(PCVD)法による光ファイバ母材の製造は、主に石英管内面へのガラスの堆積と、加熱による石英管の中実化(コラプス)のプロセスからなる(特許文献1、2参照)。
図5は、光ファイバ母材の製造に用いられる製造装置の一例を示す図である。この製造装置21は、石英管2に原料ガスを供給するガス供給管3と、石英管2の一方端および他方端が接続されるシールボックス4、5と、石英管2内のガスを排出するガス排出管6と、石英管2を加熱する加熱源9と、を備えている。
ガス供給管3にはベント管11が分岐接続されている。
コラプス工程では、加熱源9による加熱によって石英管2の内径を小さくした後、石英管2の一部分を加熱して完全に中実化して、その部分を始点として加熱源9を低速度で石英管2の長さ方向に移動させつつ必要範囲を加熱して中実化する。
石英管2の内径を徐々に小さくする際の石英管2内部の圧力は、母材が非円化することを防ぐため、ガス供給管3から石英管2に酸素ガス、不活性ガス、塩素ガス等のガスを流すことで、大気圧よりも若干高い圧力に保たれている。
ガスの流れがせき止められて内圧が上昇して石英管2が膨らむのを防ぐため、石英管2の一部分を完全に中実化する直前に、バルブ11aを開けてガスをベント管11に逃がす。
特許第3900881号公報 特許第4466058号公報
しかしながら、上記製造方法では、コラプス時においてガスの流れを石英管2へ至る流路からベント管11に切り替えるタイミングが遅れた場合、石英管2の内圧が過剰に上昇して石英管2が膨らむ変形が起きる虞があった。また、ガスの流れをベント管11に切り替えると、ガスがベント管11に吸引されることで石英管2内のガスの逆流が生じる。石英管2内のガスが逆流すると、排気側から石英管2内に大気が混入する可能性が生じ、OH損失や窒素混入による損失が増加してしまうという虞があった。
このような問題を解決する手段として、例えば、特許文献1には、石英管のガス供給側に、一方端が石英管の排気側に接続されたバイパス管を設けることにより、石英管内におけるガスの逆流を防止する方法が記されている。
この方法においては、石英管内の圧力がその外部の圧力よりも高い状態で、石英管の一部分を完全に中実化した後、ベント管とバイパス管に設けられた弁の開閉を切り替えて石英管内の圧力をその外部の圧力よりも低い状態にして石英管の他部分を長さ方向に中実化していく。
しかし、この方法では石英管内の圧力がその外部の圧力よりも高い状態で一部分の中実化を行うため、石英管内の圧力が高くなりすぎると石英管が膨らんでしまう虞があり、これを避けるため、石英管内の精密な圧力調整が必要となる。また、一部分の中実化とその後の他部分の中実化との間に、ベント管とバイパス管に設けられた弁の開閉を切り替える必要があるため、操作は煩雑である。
特許文献2に記載の方法では、バイパス管に流量計を設けることにより一部分の中実化処理の進行状況をモニターし、進行状況に応じてガス供給量を減少させることにより石英管内の圧力が高くなりすぎることを防止している。しかし、この方法も特許文献1記載の方法と同様、石英管内の圧力が高くなりすぎると石英管が膨らんでしまう虞があるため、一部分の中実化に際して石英管内の精密な圧力調整が必要となる。
また、バイパス管内の流量に応じてガス供給量を調節する機構の追加が必要であり、装置の構成が複雑になりコスト高の要因となる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、石英管を中実化する光ファイバ母材の製造工程において、石英管内の圧力上昇による石英管の膨張を回避するとともに、石英管内におけるガスの逆流を防止して、安定した品質の光ファイバ母材を製造することができる光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明は、石英管を加熱し中実化して光ファイバ母材を製造する方法であって、前記石英管にガスを供給するガス供給管と、前記石英管内のガスを排出するガス排出管と、前記ガス供給管内のガスを前記石英管を迂回して前記ガス排出側に導くバイパス管とを用い、前記ガス供給管より原料ガスを供給し前記石英管に流通させつつ前記石英管内面にガラスを堆積させるデポジション工程と、前記デポジション工程の後に、前記ガス供給管よりガスを前記石英管に供給しつつ前記石英管を加熱し中実化させて光ファイバ母材を得るコラプス工程と、を有し、前記コラプス工程において、前記石英管の少なくとも一部を閉塞させるにあたって、前記ガス供給管内のガスの一部を前記バイパス管を通して前記ガス排出側に流通可能とするとともに、前記石英管内の圧力を外気圧より小さく設定する光ファイバ母材の製造方法を提供する。
前記コラプス工程においては、加熱源により前記石英管を加熱して前記石英管を長さ方向の一部である初期閉塞部分で閉塞させた後、前記加熱源を前記石英管の長さ方向に移動させつつ前記石英管の他部を加熱することによって、前記初期閉塞部分から連続するように前記他部を中実化させることが好ましい。
本発明では、前記デポジション工程の後、前記コラプス工程に先立って、前記石英管を加熱する加熱工程を有し、この加熱工程における前記石英管内の圧力を外気圧以上とすることが好ましい。
前記加熱工程は、加熱により前記石英管を縮径する縮径工程を含むことが好ましい。
前記バイパス管の内径は、3mm〜20mmであることが好ましい。
本発明に係る光ファイバ母材の製造方法では、コラプス工程において、ガス供給管内のガスをバイパス管を通してガス排出側に流通可能とするので、石英管の内径が小さくなって石英管を流れるガス流量が減少するのに伴って、バイパス管を流れるガス流量が相対的に増大する。
石英管の少なくとも一部が中実化する前後で石英管内の圧力を外部の圧力よりも低く保つため、石英管が膨張することなく、確実に石英管の中実化が行われる。この際、ガスの供給によって、ガス供給管内の圧力はガス排出管内の圧力以上に保たれるため、石英管内でのガスの逆流は生じない。そのため、石英管内への外気の侵入は起こらない。
また、石英管の少なくとも一部が中実化した後、弁の開閉を切り替えることなく、長さ方向にわたり初期閉塞部分から連続する中実化を行うことができる。
従って、本発明の製造方法によれば、石英管の内面が大気中の水分や窒素に触れることを防止でき、OH損失や窒素混入による損失増を抑制した光ファイバを製造できる光ファイバ母材を得ることができる。また、装置構成が簡略であるため、母材製造装置の低コスト化を図ることができる。
本発明の光ファイバ母材の製造方法の一例に使用できる光ファイバ母材の製造装置を示す概略構成図である。 光ファイバ母材の製造工程を説明する説明図である。 前図に続く製造工程を説明する説明図である。 前図に続く製造工程を説明する説明図である。 従来の光ファイバ母材の製造方法の一例に使用できる光ファイバ母材の製造装置を示す概略構成図である。
本発明に係る光ファイバ母材の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、図面の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の光ファイバ母材の製造方法の一例に使用できる光ファイバ母材の製造装置を示す概略構成図である。
この製造装置1は、石英管2に原料ガスを供給するガス供給管3と、石英管2の一方端2aが気密に接続される供給側シールボックス4と、石英管2の他方端2bが気密に接続される排出側シールボックス5と、石英管2内のガスを排出するガス排出管6と、原料ガスを石英管2を迂回してガス排出側に導くバイパス管7と、石英管2を軸回りに回転させる旋盤8と、石英管2を加熱する加熱源9(加熱手段)と、を備えている。
石英管2は、旋盤8によって軸回りに回転しても外気が浸入しないように供給側シールボックス4および排出側シールボックス5に気密に接続されている。
ガス供給管3は、供給側シールボックス4に接続されており、供給側シールボックス4を介して石英管2にガスを供給できる。ガス供給管3には、差圧計3aが設けられ、ガス供給管3内のガスの圧力を測定できる。
ガス排出管6は、排出側シールボックス5に接続されており、石英管2内のガスを、ガス排出管6の出口側に設置した排気装置(図示略)により排出側シールボックス5を介して排出できる。
バイパス管7は、ガス供給管3から分岐し、石英管2を迂回して排出側シールボックス5に接続されており、ガス供給管3内の原料ガスを、直接、排出側シールボックス5に導くことができる。
バイパス管7としては、耐腐食性の材料からなる管体、例えばステンレス管やテフロン(登録商標)管を使用することができる。
バイパス管7の内径は、小さすぎるとガス供給管3からバイパス管7へのガスの流れが阻害される。バイパス管7の内径が大きすぎると、本コラプス工程においてガスの圧力上昇によって石英管2の閉塞を検知するのが難しくなる。
このため、バイパス管7の内径は、3mm〜20mmであることが好ましく、5mm〜15mmであることがより好ましい。バイパス管7の内径をこの範囲とすることによって、ガス供給管3からバイパス管7へのガスの流れが阻害されず、かつ本コラプス工程において石英管2の閉塞を検知するのが容易になる。
バイパス管7の内径は、例えば本コラプス工程において石英管2内の圧力を外気圧より低くする時点での石英管2の内径とほぼ同程度とすることができる。
バイパス管7には、バルブ7aが設けられており、バルブ7aを開にすることによって、ガス供給管3からバイパス管7へのガス流入が可能となる。
旋盤8は、チャック8aによって石英管2を把持し、石英管2を軸回りに回転させることができる。石英管2の軸方向とは、図1における左右方向である。
加熱源9としては、酸水素バーナ、電気炉、誘導加熱炉等が使用できる。加熱源9は、石英管2の長さ方向(図1における左右方向)に移動可能である。
次に、製造装置1を用いた場合を例として、光ファイバ母材の製造方法の一例を説明する。
以下に説明する光ファイバ母材の製造方法は、石英管2内面を清浄化する第1エッチング工程と、石英管2内面にガラスを堆積させるデポジション工程と、石英管2内を縮径させる予備コラプス工程と、ガラス層内面を清浄化する第2エッチング工程と、石英管2を加熱し中実化させて光ファイバ母材を得る本コラプス工程と、を有する。
(第1エッチング工程)
図1に示すように、バルブ7aを閉じた状態で、SFやCなどのエッチング用ガスを、OやHeなどのキャリアガスとともにガス供給管3を通して供給側シールボックス4に供給し、石英管2に一方端2aから流入させ、石英管2に流通させる。石英管2内のガスは、排出側シールボックス5、ガス排出管6を通して系外に排出する。
エッチング用ガスの供給は、石英管2を略全長にわたって加熱しながら行う。すなわち、石英管2は、旋盤8によって石英管2を軸回りに回転させるとともに、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させることによって、略全長にわたって加熱する。これによって、石英管2内面の表層部分が除去され、石英管2の内面は清浄化される。
(デポジション工程)
デポジション工程は、内付け気相成長(MCVD)法により石英管2内面にガラスを堆積させる工程である。
図2に示すように、SiClやGeClなどの原料ガスを、OやHeなどのキャリアガスとともにガス供給管3を通して供給側シールボックス4に供給し、石英管2に一方端2aから流入させ、石英管2に流通させ、他方端2bから排出させる。石英管2内のガスは、排出側シールボックス5、ガス排出管6を通して排出する。
原料ガスの供給は、石英管2を軸回りに回転させるとともに、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させて石英管2を全長にわたって加熱しながら行う。
これによって、原料ガスは酸化され、石英管2内面にSiO、GeOなどを主成分とするガラスが堆積し、ガラス層10(スート)が加熱源9の下流側に形成される。ガラス層10(スート)は、加熱源9よって加熱され、石英管2に一体化するとともに、焼結され透明化される。
加熱温度は、種々の条件(石英管2の外径、内圧、加熱源9のトラバース速度、原料ガスの流量など)により異なるが、例えば1900〜2400℃とすることができる。
透明化して堆積したガラス層10Aの厚さは、例えば0.5mm〜5.0mmとすることができる。石英管2の内径は、例えば10mm〜40mmとすることができる。
(予備コラプス工程)
予備コラプス工程では、加熱により石英管2を縮径させることができる。前記加熱は、内径および外径が所定の径(例えば内径2mm〜15mm)となるまで行うことができる。本工程は、石英管2を縮径させるため、縮径工程と呼ぶこともできる。
加熱温度は、種々の条件により異なるが、例えば1900〜2400℃とすることができる。
(第2エッチング工程)
SFやCなどのエッチング用ガスを、OやHeなどのキャリアガスとともにガス供給管3を通して供給側シールボックス4に供給し、石英管2に流通させて排出側シールボックス5、ガス排出管6を通して排出する。
エッチング用ガスの供給は、石英管2を軸回りに回転させるとともに、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させて石英管2を全長にわたって加熱しながら行う。これによって、エッチングによりガラス層10Aの表層部分が除去されるため、表面に付着した水分を除去するとともに、Geの揮発した部分を除去することができる。
加熱温度は、種々の条件により異なるが、例えば1900〜2400℃とすることができる。
予備コラプス工程および第2エッチング工程では、石英管2の内圧を外気圧以上に(すなわち外気圧と同じまたは外気圧より大きく)設定することが好ましい。石英管2の内圧は、例えば外気圧よりも5Pa〜100Pa大きく設定することができる。予備コラプス工程および第2エッチング工程で石英管2内に供給するガスは、例示したものに限らず、アルゴンガス等の不活性ガスでもよい。
石英管2の内圧は、石英管2へのガス供給量および石英管2からのガス排出量の調整により設定できる。石英管2の内圧は、差圧計3aにより確認できる。
石英管2の内圧を外気圧以上とすることによって、石英管2の非円率の悪化を防ぐことができる。
予備コラプス工程および第2エッチング工程は、加熱工程と呼ぶこともできる。
(本コラプス工程)
バルブ7aを開とした後、Clなどの脱水用ガスを、OやHeなどのキャリアガスとともにガス供給管3を通して供給側シールボックス4に供給し、石英管2に流通させ、排出側シールボックス5、ガス排出管6を通して排出する。
バルブ7aが開とされたことにより、ガス供給管3内のガスは石英管2にもバイパス管7にも流通可能となり、一部はバイパス管7を通して排出側シールボックス5に流れる。
図3に示すように、加熱源9を石英管2の所定の位置で静止または低速度で長さ方向に移動させながら石英管2を軸回りに回転させることによって、石英管2の長さ方向の一部分を全周にわたって加熱し、完全に中実化させる。中実化により、この部分の石英管2は閉塞する。この部分を初期閉塞部分10aという。
石英管2が閉塞する過程では、徐々に小さくなる内径に応じて石英管2を流れるガスの圧力損失が大きくなり、石英管2のガス流量が減少するに伴って、バイパス管7を流れるガス流量が相対的に増大する。すなわち、ガス供給管3からバイパス管7に流れるガス流量の比率(全流量に対する比率)が、石英管2に流れるガス流量の比率に対して徐々に多くなる。
石英管2が閉塞した後は、前記ガスは全量がバイパス管7に流れる。なお、この過程を通じて、原料ガスの供給量は一定としてもよいし、増減させてもよい。
このため、石英管2の内圧が過剰に高くなることはなく、石英管2の膨張を回避できる。
また、ガス供給は閉塞の前後を通じて行われるため、閉塞の過程では、ガス供給管内の圧力はガス排出管内の圧力以上に保たれる。
石英管2を初期閉塞部分10aで閉塞させるにあたっては、石英管2の内圧(ガス供給管3からの供給ガス圧力)を外気圧より小さい値に低下させる。石英管2の内圧は、例えば外気圧(例えば大気圧)よりも10Pa〜500Pa小さく設定するのが好ましい。石英管2の内圧は、石英管2へのガス供給量および石英管2からのガス排出量の調整により設定できる。
本コラプス工程で石英管2に供給するガスは、例示したものに限らず、アルゴンガス等の不活性ガスでもよい。
この工程では、石英管2内のガラス層10Aは十分に厚くされており、また予備コラプス工程により内径が小さくなっているため、石英管2の内圧が外気圧より小さくなっても非円化は起こらない。
石英管2の内圧を外気圧より小さくすることによって、閉塞時における石英管2内圧の上昇による石英管2の膨張を確実に回避できる。また、短時間で中実化を完了することができるため、Geの揮発を最小限に抑制できる。
次いで、図4に示すように、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させつつ石英管2の他部分10b、10c(初期閉塞部分10a以外の部分)を加熱することによって、初期閉塞部分10aから連続するように他部分10b、10cを中実化させ、光ファイバ母材を得る。
他部分10b、10cを中実化させる際には、初期閉塞部分10aから連続するように、すなわち閉塞部分が長さ方向に伸長するように加熱位置を調整する。これによって、長さ方向にわたって完全に中実化した光ファイバ母材が得られる。
加熱温度は、種々の条件により異なるが、例えば1900〜2400℃とすることができる。
この光ファイバ母材の製造方法によれば、本コラプス工程において、ガス供給管3内の原料ガスの一部をバイパス管7を通してガス排出側に流通可能とするので、石英管2の内径が小さくなって石英管2を流れるガス流量が次第に減少するのに伴って、バイパス管7を流れるガス流量が相対的に増大する。
石英管2の一部分が中実化する前後で石英管2内の圧力を外部の圧力よりも低く保つため、石英管2が膨張することなく、確実に前記一部分の中実化が行われる。この際、原料ガスの供給によって、ガス供給管3内の圧力はガス排出管6内の圧力以上に保たれるため、石英管2内でのガスの逆流は生じない。そのため、石英管2内への外気の侵入は起こらない。
また、石英管2の一部分が完全に中実化した後、従来装置とは異なり、ベント管とバイパス管に設けられた弁の開閉を切り替えることなく、長さ方向にわたり初期閉塞部分から連続する中実化を行うことができる。
よって、上記の製造方法によれば、石英管2の内面が大気中の水分や窒素に触れることを防止でき、OH損失や窒素混入による損失増を抑制した光ファイバを製造できる光ファイバ母材を得ることができる。また、装置構成が簡略であるため、母材製造装置の低コスト化を図ることができる。
(実施例1)
図1に示す光ファイバ母材の製造装置を使用して、以下のようにして光ファイバ母材を製造した。
石英管2の外径は32mmとし、バイパス管7としてはテフロン(登録商標)製で内径3mmのものを使用した。
(第1エッチング工程)
バルブ7aを閉じた状態で、加熱源9(酸水素バーナ)を石英管2の長さ方向に移動させて石英管2を全長にわたって加熱しながら、エッチング用ガス(C)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、内面を清浄化した。
(デポジション工程)
図2に示すように、加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、原料ガス(SiClおよびGeCl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、石英管2内面にガラス層10Aを形成した。石英管2の内径(ガラス層10Aの内径)は25mmとなった。
(予備コラプス工程)
加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、脱水用ガス(Cl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させた。加熱により石英管2は縮径し、石英管2の内径(ガラス層10Aの内径)は5mmとなった。
(第2エッチング工程)
加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、エッチング用ガス(C)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、ガラス層10A内面を清浄化した。
予備コラプス工程および第2エッチング工程では、石英管2へのガス供給量および石英管2からのガス排出量の調整により、石英管2の内圧を外気圧(大気圧)よりも30Pa大きく設定した(すなわち「外気圧プラス30Pa」とした)。
(本コラプス工程)
バルブ7aを開として、ガス供給管3内のガスが石英管2にもバイパス管7にも流通できる状態で、脱水用ガス(Cl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から石英管2に供給した。
ガス供給量およびガス排出量の調整によって、石英管2の内圧は、外気圧よりも50Pa小さく設定した(すなわち「外気圧マイナス50Pa」とした)。
図3に示すように、石英管2を軸回りに回転させつつ、加熱源9によって石英管2の一部分(初期閉塞部分10a)を中実化させた。石英管2の閉塞によって、石英管2の内圧はやや上昇し、外気圧マイナス20Paとなった。
次いで、図4に示すように、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させつつ石英管2の他部分10b、10cを加熱して中実化させ、光ファイバ母材を得た。
(実施例2)
図1に示す光ファイバ母材の製造装置を使用して、以下のようにして光ファイバ母材を製造した。
石英管2の外径は37mmとし、バイパス管7としてはテフロン(登録商標)製で内径20mmのものを使用した。
以下、実施例1と同じ構成を採用する場合には記載を省略する。
(第1エッチング工程)
バルブ7aを閉じた状態で、加熱源9(酸水素バーナ)を石英管2の長さ方向に移動させて石英管2を全長にわたって加熱しながら、エッチング用ガス(C)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、内面を清浄化した。
(デポジション工程)
図2に示すように、加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、原料ガス(SiClおよびGeCl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、石英管2内面にガラス層10Aを形成した。石英管2の内径(ガラス層10Aの内径)は28mmとなった。
(予備コラプス工程)
加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、脱水用ガス(Cl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させた。加熱により石英管2は縮径し、石英管2の内径(ガラス層10Aの内径)は10mmとなった。
(第2エッチング工程)
加熱源9(酸水素バーナ)で石英管2を加熱しながら、エッチング用ガス(C)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から供給し、石英管2に流通させ、ガラス層10A内面を清浄化した。
予備コラプス工程および第2エッチング工程では、石英管2へのガス供給量および石英管2からのガス排出量の調整により、石英管2の内圧を外気圧よりも30Pa大きく設定した(すなわち「外気圧プラス30Pa」とした)。
(本コラプス工程)
バルブ7aを開として、ガス供給管3内のガスが石英管2にもバイパス管7にも流通できる状態で、脱水用ガス(Cl)をキャリアガス(O)とともにガス供給管3から石英管2に供給した。
ガス供給量およびガス排出量の調整によって、石英管2の内圧は、外気圧よりも50Pa小さく設定した(すなわち「外気圧マイナス50Pa」とした)。
図3に示すように、石英管2を軸回りに回転させつつ、加熱源9によって石英管2の一部分(初期閉塞部分10a)を中実化させた。石英管2の閉塞によって、石英管2の内圧はやや上昇し、外気圧マイナス40Paとなった。
次いで、図4に示すように、加熱源9を石英管2の長さ方向に移動させつつ石英管2の他部分10b、10cを加熱して中実化させ、光ファイバ母材を得た。
実施例1、2のいずれにおいても、光ファイバ母材には、石英管2の膨張による変形や非円化は生じなかったことが確認された。
なお、上述の製造方法では、石英管2の一部分(初期閉塞部分10a)を閉塞した後、他部分10b、10cを閉塞させたが、本発明では、石英管2の全長を同時に中実化し閉塞させてもよい。
1・・・光ファイバ母材の製造装置、2・・・石英管、3・・・ガス供給管、6・・・ガス排出管、7・・・バイパス管、9・・・加熱源、10・・・ガラス層。

Claims (5)

  1. 石英管を加熱し中実化して光ファイバ母材を製造する方法であって、
    前記石英管にガスを供給するガス供給管と、前記石英管内のガスを排出するガス排出管と、前記ガス供給管内のガスを前記石英管を迂回して前記ガス排出側に導くバイパス管とを用い、
    前記ガス供給管より原料ガスを供給し前記石英管に流通させつつ前記石英管内面にガラスを堆積させるデポジション工程と、
    前記デポジション工程の後に、前記ガス供給管よりガスを前記石英管に供給しつつ前記石英管を加熱し中実化させて光ファイバ母材を得るコラプス工程と、を有し、
    前記コラプス工程において、前記石英管の少なくとも一部を閉塞させるにあたって、前記ガス供給管内のガスの一部を前記バイパス管を通して前記ガス排出側に流通可能とするとともに、前記石英管内の圧力を外気圧より小さく設定することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記コラプス工程において、加熱源により前記石英管を加熱して前記石英管を長さ方向の一部である初期閉塞部分で閉塞させた後、前記加熱源を前記石英管の長さ方向に移動させつつ前記石英管の他部を加熱することによって、前記初期閉塞部分から連続するように前記他部を中実化させることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記デポジション工程の後、前記コラプス工程に先立って、前記石英管を加熱する加熱工程を有し、この加熱工程における前記石英管内の圧力を外気圧以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記加熱工程は、加熱により前記石英管を縮径する縮径工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記バイパス管の内径は、3mm〜20mmであることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
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