JP2017087323A - チャック装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一般的に工作機械に搭載するチャック装置は、ユーザ要求による可能な限りのコンパクト化という制約の中で、把持力を高める技術やジョウの開閉ストローク量を大きくする技術など様々な技術が知られている。把持力を高める技術としては、例えば特許文献1(図1)に開示されるものがある。特許文献1(図1)は、ウェッジプランジャー6とマスタジョー4が楔部で摺動するようになっており、回転軸に対する楔部の傾斜角度を小さくすることで把持力を高めている。
上記構成によれば、第1の楔作用と傾斜角θ1の関係よりジョウの開閉ストローク量を長くすることが可能である。また、第2の楔作用と付勢手段と傾斜角θ2との関係より把持力を高めることが可能である。
第二の発明は、付勢手段は、チャックボデーの後端の内方側に設けた板バネであることを特徴とする。
上記構成によれば、変形には大きな力が必要だが、強い付勢力を発生させることが可能となる。
第三の発明は、ブッシュは、チャック軸線との成す傾斜方向を反転可能であることを特徴とする。
上記構成によれば、ワークの内径把握が可能となる。
本発明に係る実施形態を図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明に係るチャック断面図、図2は、チャック装置を構成する展開斜視図、図3はマスタージョウと該マスタージョウに把持動作を行わせるための楔作用の構成部分であるブッシュ及びプランジャとの展開斜視図である。
マスタージョウ50の前方面には、トップジョウ60がボルトB5で固定されている。
このようなチャックボデー10の収容部11と蓋部12と収容部11内に支持されているプランジャ20は、旋盤の図示しないスピンドルに対して、例えば6本のボルトB2により一体的に固定されている。
プランジャ20には、第1の楔作用の主要構成の1つであるブッシュ孔22が設けられており、このブッシュ孔22は、チャック軸線Jに対して外向きに傾斜角θ1で傾斜して貫通されている。尚、本実施形態では、傾斜角θ1は、40度としている。
ブッシュ40は略円柱部材であり、マスタージョウ50と係合する前方面に断面T字状の凹部41が設けられている。この凹部41には、後述のマスタージョウ50の噛合面54と噛合う噛合面42が設けられている。
一方、ブッシュ40は、後方面に接触面44を有しており、接触面44は後述する付勢手段である板バネ70と接している。すなわち、ブッシュ40は、ブッシュ孔22と板バネ70とマスタージョウ50とで支持されるように備えられている。
板バネ70は、一端側は前述の蓋部12の溝16に収納されており、他端側はブッシュ40と接触している。板バネ70を使用することで、変形には大きな力が必要だが、強い付勢力を発生させることを可能としている。すなわち、容易には変形しがたい付勢手段を選定している。
このブッシュ40の噛合面42およびマスタージョウ50の噛合面54は、夫々チャック軸線Jに対して外向きに傾斜角θ2で形成されている。尚、本実施形態では、傾斜角θ2は、15度としている。
図5は図1のチャック装置の動作状態を説明しており、ワークを把持していない状態、図6はワークとトップジョウが接触した瞬間の状態、図7はワークを把持した状態、を夫々示している。
なお、以下では、図面の左側を後方、右側を前方、そして図面の下側を径方と定義し、左側の方向を後方向、右側の方向を前方向、下側の方向を径方向とする。
チャック装置1のワーク把持動作は、例えば、図5から、図6、さらに図7といった流れで行われている。実際には、把持までは一連の動作で瞬時に行われている。
すなわち、ブッシュ40が径方向へ移動すると、ブッシュ40の凹部41に係合されているマスタージョウ50も、チャックボデー10に形成されたジョウガイド溝15に沿って径方向へ移動する。
また、マスタージョウ50の前方には、ワークWを把持するトップジョウ60がボルトB5で締結されており、ワークWに接触するまで移動する。
尚、ブッシュ40は、チャック軸線Jに対しての傾斜角θ1の角度を有しており、この角度が大きければ、その分トップショウ60の開閉ストローク量が大きくなる。
図6で示すように、図5と比較すると、ドローバーがドローバー連結部30を後方にひくと、プランジャ20は後方へ移動し、ブッシュ40とマスタージョウ50とトップジョウ60は径方向へ移動している。
この状態で更にブッシュ40に力P1が作用し続けると、ブッシュ40の接触面44が板バネ70を後方へ押圧する。それによって、板バネ70は弾性変形し、変形量分だけドローバー連結部30とプランジャ20とブッシュ40とが後方へ移動する。この時の状態を図7で示す。
また、傾斜角θ1を傾斜角θ2より大きくすることで、コンパクトなチャック装置1を提供することができる。
以上のように、実施形態を説明したが、本発明は、その目的の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更してもよく、この実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態は、傾斜角θ1とθ2を夫々40度と15度とで実施しているが、チャックのインチサイズの大小により適宜変更することが可能である。
また、本実施形態では板バネ70を使用しているが、板バネに限定にされるものではなく、変形させるには大きな力が必要だが、強い付勢力を発生させる部材であれば良く、例えば、皿バネなどであっても構わない。
また、本実施形態のプランジャ20の外周は円形となっているが、プランジャ20の外周の一部がチャックボデー10を形成する円筒部に支持される形状であれば良く、例えば、おにぎり形状や円形部の一部を肉抜きした形状であっても構わない。
また、ブッシュ40および、ブッシュ40を収容するブッシュ孔22は、チャック軸線J方向に対して外向きの傾斜角θ1で形成されているが、これに限らず、チャック軸線との成す傾斜方向を反転しても構わない。
また、傾斜方向を反転することで、ワークの内径把握が可能となる。
10 チャックボデー
15 ジョウガイド溝
20 プランジャ
40 ブッシュ
41 凹部
50 マスタージョウ
51 突出部
60 トップジョウ
70 板バネ
θ1、θ2 傾斜角
J チャック軸線
Claims (3)
- 一端側にジョウガイド溝を設けたチャックボデーと、前記ジョウガイド溝に係合されチャック半径方向に摺動自在なマスタージョウと、該マスタージョウに締結されたトップジョウと、前記チャックボデー内でチャック軸線方向に摺動自在なプランジャと、を備えるチャック装置であって、
前記プランジャはその一部に前記マスタージョウと係合して第1の楔作用を行うブッシュを収容し、
前記チャックボデーの他端の内方側に前記ブッシュを付勢する付勢手段を有し、
前記ブッシュはチャック軸線に対して傾斜角θ1を有し、
前記マスタージョウの後端は断面T字状の突起部を有し、
該突起部と前記ブッシュとの係合面はチャック軸線に対して傾斜角θ2を有し、
前記ブッシュは一端側に前記マスタージョウと係合し第2の楔作用を行う断面T字状の凹部を有し、
前記傾斜角θ1は前記傾斜角θ2より大きい構成であることを特徴とするチャック装置。 - 前記付勢手段は、前記チャックボデーの後端の内方側に設けた板バネであることを特徴とする請求項1に記載のチャック装置。
- 前記ブッシュは、チャック軸線との成す傾斜方向を反転可能であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のチャック装置。
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- 2015-11-06 JP JP2015218030A patent/JP6654405B2/ja active Active
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