JP2017086591A - 気道確保装置用の調整器具および気道確保装置 - Google Patents

気道確保装置用の調整器具および気道確保装置 Download PDF

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Abstract

【課題】上顎側装着体と下顎側装着体とを備える気道確保装置で使用される気道確保装置用の調整器具において、上顎側装着体および下顎側装着体に対する固定強度を確保することが可能な気道確保装置用の調整器具を提供する。
【解決手段】気道確保装置用の調整器具4では、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に固定される基部材7は半筒部7aを備え、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に固定されるスライド部材8は半筒部8aを備えており、半筒部7aと半筒部8aとによって内周側に調整用ボルト9が配置される筒部12が形成されている。この調整器具4では、半筒部7aの基端に、フランジ状に広がるフランジ部7bが形成され、半筒部8aの基端に、フランジ状に広がるフランジ部8bが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、睡眠時無呼吸症候群の治療を行うための気道確保装置で使用される気道確保装置用の調整器具に関する。また、本発明は、かかる調整器具を備える気道確保装置に関する。
従来、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用される気道確保装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の気道確保装置は、患者の下顎を前側に引き出して睡眠時の気道を確保するための装置である。この気道確保装置は、口腔内の上顎側に装着される上顎側装着体と、口腔内の下顎側に装着される下顎側装着体と、上顎側装着体に対して下顎側装着体を動かして上顎側装着体と下顎側装着体との相対位置を調整する調整器具とを備えている。調整器具は、基部材と、基部材に対してスライド可能なスライド部材と、基部材とスライド部材とを繋ぐ調節ねじとから構成されている。基部材は、線材を介して上顎側装着体に固定されており、この線材の先端部は、上顎側装着体に埋め込まれている。スライド部材は、線材を介して下顎側装着体に固定されており、この線材の先端部は、下顎側装着体に埋め込まれている。
特許第5319421号公報
特許文献1に記載の気道確保装置では、上顎側装着体と下顎側装着体との相対位置を調整するときに、基部材と上顎側装着体との連結部分、および、スライド部材と下顎側装着体との連結部分に大きな力が作用することがある。しかしながら、特許文献1に記載の気道確保装置では、基部材と上顎側装着体とを繋ぐ線材の先端部が上顎側装着体に埋め込まれて固定され、スライド部材と下顎側装着体とを繋ぐ線材の先端部が下顎側装着体に埋め込まれて固定されているため、上顎側装着体や下顎側装着体に対する線材の固定強度を確保できなくなるおそれがある。
したがって、この気道確保装置では、上顎側装着体と下顎側装着体との相対位置を調整するときに、基部材と上顎側装着体との連結部分やスライド部材と下顎側装着体との連結部分に大きな力が作用すると、上顎側装着体や下顎側装着体から線材が外れてしまうおそれがある。すなわち、この気道確保装置では、上顎側装着体や下顎側装着体に対する調整器具の固定強度を確保できなくなるおそれがあり、その結果、上顎側装着体と下顎側装着体との相対位置を調整するときに、上顎側装着体や下顎側装着体から調整器具が外れてしまうおそれがある。
そこで、本発明の課題は、上顎側装着体と下顎側装着体とを備える気道確保装置で使用される気道確保装置用の調整器具において、上顎側装着体および下顎側装着体に対する固定強度を確保することが可能な気道確保装置用の調整器具を提供することにある。また、本発明の課題は、かかる気道確保装置用の調整器具を備える気道確保装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の気道確保装置用の調整器具は、患者の口腔内の上顎側に装着される上顎側装着体と患者の口腔内の下顎側に装着される下顎側装着体とを備える気道確保装置で使用される気道確保装置用の調整器具において、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に固定される基部材と、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に固定され基部材に対してスライド可能なスライド部材と、基部材に対してスライド部材をスライドさせる調整用ボルトとを備え、基部材は、略半筒状に形成される基部材側半筒部を備え、スライド部材は、略半筒状に形成されるスライド部材側半筒部を備え、基部材側半筒部とスライド部材側半筒部とによって内周側に調整用ボルトが配置される略筒状の筒部が形成されており、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に固定される基部材側半筒部の基端には、フランジ状に広がる基部材側フランジ部が形成され、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に固定されるスライド部材側半筒部の基端には、フランジ状に広がるスライド部材側フランジ部が形成されていることを特徴とする。
本発明の気道確保装置用の調整器具では、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に固定される基部材側半筒部の基端に、フランジ状に広がる基部材側フランジ部が形成されている。そのため、本発明では、基部材側フランジ部を利用して、基部材の、上顎側装着体または下顎側装着体に固定される部分の面積を広くすることが可能になる。また、本発明では、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に固定されるスライド部材側半筒部の基端に、フランジ状に広がるスライド部材側フランジ部が形成されているため、スライド部材側フランジ部を利用して、スライド部材の、上顎側装着体または下顎側装着体に固定される部分の面積を広くすることが可能になる。したがって、本発明では、上顎側装着体または下顎側装着体に対する基部材の固定強度を確保することが可能になるとともに、上顎側装着体または下顎側装着体に対するスライド部材の固定強度を確保することが可能になる。すなわち、本発明では、上顎側装着体および下顎側装着体に対する調整器具の固定強度を確保することが可能になる。
本発明において、基部材側フランジ部およびスライド部材側フランジ部は、患者の歯列に沿うように広がる曲板部を備えることが好ましい。上顎側装着体および下顎側装着体は、患者の歯列に沿う形状となっているため、このように構成すると、基部材の、上顎側装着体または下顎側装着体に固定される部分の面積をより広くすることが可能になるとともに、スライド部材の、上顎側装着体または下顎側装着体に固定される部分の面積をより広くすることが可能になる。
本発明において、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に当接する基部材側フランジ部の当接面、および、上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に当接するスライド部材側フランジ部の当接面は、凹凸面となっていることが好ましい。また、本発明において、基部材側フランジ部には、基部材側フランジ部を貫通する貫通孔が形成され、スライド部材側フランジ部には、スライド部材側フランジ部を貫通する貫通孔が形成されていることが好ましい。
このように構成すると、たとえば、ポッティング樹脂や接着剤によって上顎側装着体または下顎側装着体に基部材側フランジ部が固定される場合、凹凸面の窪んだ部分や貫通孔に入り込んで硬化する樹脂や接着剤によって上顎側装着体または下顎側装着体に対する基部材側フランジ部の固定強度を高めることが可能になる。同様に、たとえば、ポッティング樹脂や接着剤によって上顎側装着体または下顎側装着体にスライド部材側フランジ部が固定される場合、凹凸面の窪んだ部分や貫通孔に入り込んで硬化する樹脂や接着剤によって上顎側装着体または下顎側装着体に対するスライド部材側フランジ部の固定強度を高めることが可能になる。また、このように構成すると、基部材側フランジ部およびスライド部材側フランジ部を弾性変形させやすくなるため、基部材側フランジ部の当接面やスライド部材側フランジ部の当接面を上顎側装着体や下顎側装着体に容易に当接させることが可能になる。したがって、上顎側装着体および下顎側装着体に対する基部材およびスライド部材の固定作業が容易になる。
本発明において、筒部の外形は、上顎側装着体および下顎側装着体に固定される筒部の基端から筒部の先端に向かうにしたがって小さくなっていることが好ましい。このように構成すると、患者の唇が触れる筒部の先端側の外形が小さくなっているため、気道確保装置を装着したときの患者の違和感を低減することが可能になる。したがって、患者は、気道確保装置を装着したときに違和感を感じにくくなり、その結果、患者は、気道確保装置を継続的に使用しやすくなる。また、このように構成すると、筒部の基端側の外形は大きくなっているため、筒部の強度の低下を抑制することが可能になる。すなわち、調整器具の強度の低下を抑制することが可能になる。
本発明において、調整用ボルトは、基部材に回転可能に保持され、基部材側半筒部の先端側に配置される調整用ボルトの先端は、基部材側半筒部の先端よりも基部材側半筒部の基端側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、患者等は、調整用ボルトに触れにくくなる。したがって、睡眠中の患者が無意識のうちに調整用ボルトに触れたり、調整器具を洗浄する際に患者等が調整用ボルトに触れたりすることを防止することが可能になる。その結果、一旦調整された後の上顎側装着体と下顎側装着体との相対位置のずれを防止することが可能になる。また、調整用ボルトに触れることで生じる患者等のけがを防止することが可能になる。
本発明において、気道確保装置用の調整器具では、調整用ボルトを含めた全ての部品が合成樹脂で形成されていることが好ましい。このように構成すると、金属アレルギーのある患者であっても気道確保装置を安心して使用することが可能になる。また、このように構成すると、調整器具の全ての部品を、たとえば、射出成形で製造することが可能になるため、気道確保装置用の調整器具のコストを低減することが可能になる。
本発明の気道確保装置用の調整器具は、上顎側装着体と下顎側装着体とを備える気道確保装置に用いることができる。この気道確保装置では、たとえば、基部材側フランジ部は、基部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか一方に固定され、スライド部材側フランジ部は、スライド部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって上顎側装着体および下顎側装着体のいずれか他方に固定されている。この気道確保装置では、上顎側装着体および下顎側装着体に対する調整器具の固定強度を確保することが可能になる。
また、特許文献1に記載の気道確保装置では、基部材が線材を介して上顎側装着体に固定され、スライド部材が線材を介して下顎側装着体に固定されているため、基部材と上顎側装着体との連結部分やスライド部材と下顎側装着体との連結部分に大きな力が作用すると、基部材と上顎側装着体との連結部分である線材やスライド部材と下顎側装着体との連結部分である線材に応力が集中して線材が破損するおそれがある。これに対して、本発明の気道確保装置では、基部材側フランジ部およびスライド部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって上顎側装着体および下顎側装着体に調整器具が固定されているため、上顎側装着体または下顎側装着体と基部材との連結部分や、上顎側装着体または下顎側装着体とスライド部材との連結部分の特定箇所に応力が集中しにくくなる。したがって、上顎側装着体または下顎側装着体と基部材との連結部分や、上顎側装着体または下顎側装着体とスライド部材との連結部分が破損しにくくなる。
さらに、特許文献1に記載の気道確保装置では、上顎側装着体および下顎側装着体に調整器具を固定する際に、上顎側装着体および下顎側装着体に線材を埋め込まなければならないため、上顎側装着体および下顎側装着体に対する調整器具の固定作業が煩雑になる。これに対して、本発明の気道確保装置では、基部材側フランジ部およびスライド部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって上顎側装着体および下顎側装着体に調整器具が固定されているため、上顎側装着体および下顎側装着体に対する調整器具の固定作業が容易になる。
以上のように、本発明では、上顎側装着体および下顎側装着体に対する調整器具の固定強度を確保することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる気道確保装置が患者に装着された状態を模式的に示す図である。 図1に示す調整器具の斜視図である。 図2に示す調整器具を異なる方向から示す斜視図である。 図2のE−E断面の断面図である。 図3に示す調整器具の分解斜視図である。 図2に示す基部材の斜視図である。 図1に示す気道確保装置を使用した患者の臨床データの一例を示すグラフである。 図1に示す気道確保装置を装着した患者の頭部X線規格写真の一例である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(気道確保装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる気道確保装置1が患者に装着された状態を模式的に示す図である。
本形態の気道確保装置1は、患者の下顎の位置を調整して睡眠時の気道を確保するための装置であり、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用される。この気道確保装置1は、患者の口腔内の上顎側に装着される上顎側装着体(マウスピース)2と、患者の口腔内の下顎側に装着される下顎側装着体(マウスピース)3と、上顎側装着体2と下顎側装着体3との相対位置を調整するための調整器具4とを備えている。上顎側装着体2と下顎側装着体3とは別体で形成されており、調整器具4によって連結されている。
上顎側装着体2は、上顎側の歯列に沿った形状に形成され、下顎側装着体3は、下顎側の歯列に沿った形状に形成されている。具体的には、上顎側装着体2は、上顎側の歯および歯茎と上顎側装着体2との間にほぼ隙間がない状態で上顎側装着体2が口腔内の上顎側に嵌まるように形成されている。また、下顎側装着体3は、下顎側の歯および歯茎と下顎側装着体3との間にほぼ隙間がない状態で下顎側装着体3が口腔内の下顎側に嵌まるように形成されている。上顎側装着体2および下顎側装着体3は、通常、患者ごとに採取された型に合成樹脂を流し込むことで製作されている。
以下の説明では、下顎側装着体3に対して上顎側装着体2が配置される側(図1等のZ1方向側)を「上」側とし、その反対側(図1等のZ2方向側)を「下」側とする。また、気道確保装置1が患者に装着されたときに患者の顔の正面側に配置される側(図1等のX1方向側)を「前」側とし、その反対側(図1等のX2方向側)を「後(後ろ)側」とする。さらに、上下方向と前後方向とに直交する方向(図1等のY方向)を「左右方向」とする。
(調整器具の構成)
図2は、図1に示す調整器具4の斜視図である。図3は、図2に示す調整器具4を異なる方向から示す斜視図である。図4は、図2のE−E断面の断面図である。図5は、図3に示す調整器具4の分解斜視図である。図6は、図2に示す基部材7の斜視図である。
調整器具4は、上述のように、気道確保装置1の一部を構成しており、気道確保装置1で使用される。この調整器具4は、上顎側装着体2および下顎側装着体3の前端側に固定されている。すなわち、調整器具4の後端側は、上顎側装着体2および下顎側装着体3に固定されている。調整器具4は、下顎側装着体3に固定される基部材7と、上顎側装着体2に固定され基部材7に対してスライド可能なスライド部材8と、基部材7に対してスライド部材8を前後方向へスライドさせる調整用ボルト9と、調整用ボルト9を基部材7に取り付けるための取付部材10とから構成されている。
基部材7、スライド部材8、調整用ボルト9および取付部材10は、合成樹脂で形成されている。すなわち、調整用ボルト9を含めた調整器具4の全ての部品が合成樹脂で形成されている。具体的には、基部材7、スライド部材8、調整用ボルト9および取付部材10は、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリアセタール等の強度が比較的高く、かつ、生体毒性がない(または生体毒性が低い)エンジニアリングプラスチックで形成されている。
基部材7は、略半筒状に形成される基部材側半筒部としての半筒部7aを備えている。スライド部材8は、略半筒状に形成されるスライド部材側半筒部としての半筒部8aを備えている。調整器具4では、半筒部7aと半筒部8aとによって内周側に調整ボルト9が配置される略筒状の筒部12が形成されている。半筒部7aは、筒部12の下側の半分を構成しており、半筒部8aは、筒部12の上側の半分を構成している。筒部12の後端(基端)は、上顎側装着体2および下顎側装着体3に固定されている。
本形態の半筒部7a、8aは、略半楕円筒状に形成されており、筒部12は、略楕円筒状に形成されている。筒部12の、前後方向に直交する断面の形状は、左右方向を長軸方向とし上下方向を短軸方向とする略楕円形となっている。筒部12の外形は、筒部12の後端(基端)から筒部12の前端(先端)に向かうにしたがって小さくなっている。すなわち、筒部12の基端側は太くなっており、筒部12の先端側は細くなっている。具体的には、筒部12の外形は、筒部12の前端に向かうにしたがって外径が次第に小さくなる(連続的に小さくなる)略楕円錐台状に形成されている。筒部12の内周面は、内径が略一定の円筒面状に形成されている。
調整用ボルト9は、調整用ボルト9の軸方向と前後方向とが一致するように筒部12の内周側に配置されている。また、調整用ボルト9は、基部材7に回転可能に保持されている。調整用ボルト9の後端側部分は、外周面にオネジが形成されるネジ部9aとなっている。調整用ボルト9の前端側部分は、後述のネジ回し20(図1参照)が係合する係合部9bとなっている。係合部9bは、六角柱状等の多角柱状に形成されている。係合部9bの後ろ側には、調整用ボルト9の径方向の外側へ広がる円環状の2個の鍔部9cが形成されている。2個の鍔部9cは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。2個の鍔部9cのうちの後ろ側に配置される鍔部9cの後ろ側がネジ部9aとなっている。
下顎側装着体3に固定される半筒部7aの後端(基端)には、フランジ状に広がる基部材側フランジ部としてのフランジ部7bが形成されている。フランジ部7bは半筒部7aと一体で形成されている。また、フランジ部7bは、第1フランジ部7cと、曲板部としての第2フランジ部7dとから構成されている。第1フランジ部7cは、半筒部7aの後端から下側に向かって広がっている。第2フランジ部7dは、曲板状に形成されており、半筒部7aの後端および第1フランジ部7cから患者の下顎側の歯列に沿うように広がっている。すなわち、第2フランジ部7dは、半筒部7aの後端および第1フランジ部7cから左右方向の両側のそれぞれに向かってかつ後ろ側へ向かって広がっている。
上顎側装着体2に固定される半筒部8aの後端(基端)には、フランジ状に広がるスライド部材側フランジ部としてのフランジ部8bが形成されている。フランジ部8bは半筒部8aと一体で形成されている。また、フランジ部8bは、第1フランジ部8cと、曲板部としての第2フランジ部8dとから構成されている。第1フランジ部8cは、半筒部8aの後端から上側に向かって広がっている。第2フランジ部8dは、曲板状に形成されており、半筒部8aの後端および第1フランジ部8cから患者の上顎側の歯列に沿うように広がっている。すなわち、第2フランジ部8dは、半筒部8aの後端および第1フランジ部8cから左右方向の両側のそれぞれに向かってかつ後ろ側へ向かって広がっている。
フランジ部7bの後面は、下顎側装着体3の前面に当接する当接面7eとなっている。当接面7eは、下顎側の歯列の曲率とほぼ等しい曲率を有する曲面状に形成されている。当接面7eには、複数の溝7fが形成されている。溝7fは、前側に向かって窪む縦溝状に形成されており、フランジ部7bの上端から下端まで通じるように形成されている。溝7fの、上下方向に直交する断面の形状は、円弧状となっている。また、複数の溝7fは、第2フランジ部7dが広がる方向(患者の下顎側の歯列に沿う方向)において所定のピッチで形成されている。このように、当接面7eには複数の溝7fが所定のピッチで形成されているため、当接面7eは、凹凸面となっている。なお、図6に示すように、当接面7eの中心部分には、溝7fは形成されていない。
フランジ部8bの後面は、上顎側装着体2の前面に当接する当接面8eとなっている。当接面8eは、上顎側の歯列の曲率とほぼ等しい曲率を有する曲面状に形成されている。当接面8eにも、溝7fと同様に形成される複数の溝8fが形成されている。溝8fは、前側に向かって窪む縦溝状に形成されており、フランジ部8bの上端から下端まで通じるように形成されている。また、複数の溝8fは、第2フランジ部8dが広がる方向(患者の上顎側の歯列に沿う方向)において所定のピッチで形成されている。本形態では、複数の溝8fは、複数の溝7fと同じピッチで配置されている。このように、当接面8eには複数の溝8fが所定のピッチで形成されているため、当接面8eは、凹凸面となっている。なお、当接面7eと同様に、当接面8eの中心部分には、溝8fは形成されていない。
フランジ部7bには、フランジ部7bを貫通する複数の貫通孔7gが形成されている。貫通孔7gは、前後方向でフランジ部7bを貫通するように形成されている。また、複数の貫通孔7gは、左右方向において所定のピッチで形成されている。フランジ部8bにも、フランジ部7bと同様に、フランジ部8bを貫通する複数の貫通孔8gが形成されている。貫通孔8gは、前後方向でフランジ部8bを貫通するように形成されている。また、複数の貫通孔8gは、左右方向において所定のピッチで形成されている。本形態では、複数の貫通孔8gは、複数の貫通孔7gと同じピッチで配置されている。
略半楕円筒状に形成される半筒部8aの内周側(すなわち、半筒部8aの下面側の中心)には、図5に示すように、円筒状のネジ係合部8hが形成されている。ネジ係合部8hは、半筒部8aの後端側に形成されている。ネジ係合部8hの内周面には、調整用ボルト9のネジ部9aが係合するメネジが形成されている。図4に示すように、ネジ部9aは、ネジ係合部8hの内周側に挿通されており、ネジ部9aは、ネジ係合部8hの内周面に形成されるメネジに係合している。
略半楕円筒状に形成される半筒部7aの内周側(すなわち、半筒部7aの上面側の中心)には、図6に示すように、半円筒状のボルト保持部7hが形成されている。ボルト保持部7hは、半筒部7aの前端側に形成されている。ボルト保持部7hの左右の両端側には、上下方向に貫通する貫通孔7jが形成されている。取付部材10は、図5に示すように、半円筒状に形成されるボルト保持部10aと、貫通孔7jに挿入される2個の軸部10bとから構成されている。この取付部材10は、ボルト保持部7hとボルト保持部10aとの間に調整用ボルト9の2個の鍔部9cの間の部分が挟まれるように軸部10bが上側から貫通孔7jに挿入された状態で、半筒部7aにカシメ固定されている。
調整用ボルト9は、ボルト保持部7hとボルト保持部10aとによって半筒部7aに回転可能に保持されている。ボルト保持部7hとボルト保持部10aとによって構成される円筒状部分の内径は鍔部9cの外径よりも小さくなっており、2個の鍔部9cとボルト保持部7h、10aとによって、調整用ボルト9の前後方向の移動が規制されている。調整用ボルト9の前端は、半筒部7aの前端よりも後ろ側に配置されている。すなわち、半筒部7aの先端側に配置される調整用ボルト9の先端は、半筒部7aの先端よりも半筒部7aの基端側に配置されている。
調整用ボルト9のネジ部9aがスライド部材8のネジ係合部8hの内周面に係合している状態では、基部材7とスライド部材8とが一体化している。また、基部材7とスライド部材8とが一体化している状態で、調整用ボルト9を回すと、基部材7に対してスライド部材8が前後方向へ移動する。なお、左右方向における半筒部7a、8aの一端または両端には、基部材7とスライド部材8との前後方向のずれ量を目視で確認するための目印となる複数の切込溝7k、8kが形成されている。切込溝7k、8kは、縦溝状に形成されている。
半筒部7aの基端およびフランジ部7bは、下顎側装着体3に固定されている。具体的には、半筒部7aの基端およびフランジ部7bは、図1に示すように、フランジ部7bを覆うポッティング樹脂14によって下顎側装着体3に固定されている。半筒部8aの基端およびフランジ部8bは、上顎側装着体2に固定されている。具体的には、半筒部8aの基端およびフランジ部8bは、フランジ部8bを覆うポッティング樹脂14によって上顎側装着体2に固定されている。すなわち、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂等の歯科技工用として広く用いられている樹脂を用いたポッティング(樹脂盛り)によって、半筒部7aの基端およびフランジ部7bは下顎側装着体3に固定され、半筒部8aの基端およびフランジ部8bは上顎側装着体2に固定されている。
(気道確保装置の使用方法)
気道確保装置1を使用するときには、たとえば、仰向けに寝ている患者の口腔内に上顎側装着体2および下顎側装着体3を入れて、上顎側装着体2を上顎側の歯と歯茎に嵌め込んで装着し、下顎側装着体3を下顎側の歯と歯茎に嵌め込んで装着する。この状態で、上顎側装着体2が口腔内に入り込むように調整用ボルト9を回して、下顎側装着体3を患者の顔の前方へ引き出す。下顎側装着体3の引き出し量は、使用する患者に合わせて、調整用ボルト9の回転量によって調整される。下顎側装着体3が顔の前方へ引き出されると、患者の下顎側が前方に引き出されるため、患者の舌根も前方へ引き出されて、気道が確保される。
なお、調整用ボルト9を回すときには、図1に示すように、調整用のネジ回し20を使用する。ネジ回し20は、八角柱状等の多角柱状に形成された本体部20aと、本体部20aの一端側に繋がる円筒状の係合部20bとから構成されている。係合部20bの内周側は、調整用ボルト9の係合部9bが係合する係合孔となっており、係合部20bの内周側に係合部9bを係合させた状態でネジ回し20を回すことで調整用ボルト9を回す。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、基部材7の半筒部7aの基端にフランジ部7bが形成されており、半筒部7aの基端およびフランジ部7bは、フランジ部7bを覆うポッティング樹脂14によって下顎側装着体3に固定されている。そのため、本形態では、フランジ部7bを利用して、基部材7の、下顎側装着体3に固定される部分の面積を広くすることが可能になる。また、本形態では、スライド部材8の半筒部8aの基端にフランジ部8bが形成されており、半筒部8aの基端およびフランジ部8bは、フランジ部8bを覆うポッティング樹脂14によって上顎側装着体2に固定されている。そのため、本形態では、フランジ部8bを利用して、スライド部材8の、上顎側装着体2に固定される部分の面積を広くすることが可能になる。したがって、本形態は、下顎側装着体3に対する基部材7の固定強度を確保することが可能になるとともに、上顎側装着体2に対するスライド部材8の固定強度を確保することが可能になる。すなわち、本形態では、上顎側装着体2および下顎側装着体3に対する調整器具4の固定強度を確保することが可能になる。
特に本形態では、患者の下顎側の歯列に沿うように広がる第2フランジ部7dをフランジ部7bが備えているため、基部材7の、下顎側装着体3に固定される部分の面積をより広くすることが可能になる。また、本形態では、患者の上顎側の歯列に沿うように広がる第2フランジ部8dをフランジ部8bが備えているため、スライド部材8の、上顎側装着体2に固定される部分の面積をより広くすることが可能になる。したがって、本形態では、上顎側装着体2および下顎側装着体3に対する調整器具4の固定強度を高めることが可能になる。
また、本形態では、フランジ部7bの、下顎側装着体3の前面に当接する当接面7eに複数の溝7fが形成され、フランジ部8bの、上顎側装着体2の前面に当接する当接面8eに複数の溝8fが形成されている。また、フランジ部7bに複数の貫通孔7gが形成され、フランジ部8bに複数の貫通孔8gが形成されている。そのため、本形態では、溝7f、8fや貫通孔7g、8gに入り込んで硬化するポッティング樹脂14によって、下顎側装着体3に対するフランジ部7bの固定強度および上顎側装着体2に対するフランジ部8bの固定強度を高めることが可能になる。すなわち、本形態では、アンカー効果によって、上顎側装着体2および下顎側装着体3に対する調整器具4の固定強度を高めることが可能になる。
本形態では、フランジ部7b、8bを覆うポッティング樹脂14によって上顎側装着体2および下顎側装着体3に調整器具4が固定されている。そのため、本形態では、上顎側装着体2と下顎側装着体3との相対位置を調整するときに、基部材7と下顎側装着体3との連結部分やスライド部材8と上顎側装着体2との連結部分に大きな力が作用しても、基部材7と下顎側装着体3との連結部分やスライド部材8と上顎側装着体2との連結部分の特定箇所に応力が集中しにくくなる。したがって、本形態では、基部材7と下顎側装着体3との連結部分やスライド部材8と上顎側装着体2との連結部分が破損しにくくなる。
本形態では、フランジ部7b、8bを覆うポッティング樹脂14によって上顎側装着体2および下顎側装着体3に基部材7およびスライド部材8が固定されている。そのため、本形態では、下顎側装着体3に対する基部材7の固定作業、および、上顎側装着体2に対するスライド部材8の固定作業が容易になる。特に本形態では、フランジ部7b、8bに溝7f、8fおよび貫通孔7g、8gが形成されており、フランジ部7b、8bを弾性変形させやすくなっているため、下顎側装着体3にフランジ部7bの当接面7eを容易に当接させることが可能になるとともに、上顎側装着体2にフランジ部8bの当接面8eを容易に当接させることが可能になる。したがって、本形態では、下顎側装着体3に対する基部材7の固定作業、および、上顎側装着体2に対するスライド部材8の固定作業がより容易になる。
本形態では、筒部12の外形は、筒部12の後端から筒部12の前端に向かうにしたがって小さくなっている。すなわち、本形態では、患者の唇が触れる筒部12の前端側の外形が小さくなっている。そのため、本形態では、気道確保装置1を装着したときの患者の違和感を低減することが可能になる。したがって、患者は、気道確保装置1を装着したときに違和感を感じにくくなり、その結果、患者は、気道確保装置1を継続的に使用しやすくなる。また、本形態では、筒部12の後端側の外形が大きくなっているため、筒部12の強度の低下を抑制することが可能になる。
本形態では、調整用ボルト9の前端は、基部材7の半筒部7aの前端よりも後ろ側に配置されており、患者等が調整用ボルト9に触れにくくなっている。そのため、本形態では、睡眠中の患者が無意識のうちに調整用ボルト9に触れたり、気道確保装置1を洗浄する際に患者等が調整用ボルト9に触れたりすることを防止することが可能になる。したがって、本形態では、一旦調整された後の上顎側装着体2と下顎側装着体3との相対位置のずれを防止することが可能になる。また、調整用ボルト9に触れることで生じる患者等のけがを防止することが可能になる。
本形態では、調整用ボルト9を含めた調整器具4の全ての部品が合成樹脂で形成されている。そのため、本形態では、金属アレルギーのある患者であっても気道確保装置1を安心して使用することが可能になる。また、調整器具4の全ての部品を、たとえば、射出成形で製造することが可能になるため、調整器具4のコストを低減することが可能になる。
(気道確保装置の臨床的効果)
図7は、図1に示す気道確保装置1を使用した患者の臨床データの一例を示すグラフである。図8は、図1に示す気道確保装置1を装着した患者の頭部X線規格写真の一例である。
本形態の気道確保装置1を使用して、睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG検査)を行った結果、全症例において、AIの低下が認められた(図7(A)参照)。AIの改善率の平均は、65.99±34.39%であり、気道確保装置1を用いた治療の有効性を示している。また、1例を除いて、無呼吸時間も改善しており(図7(B)参照)、無呼吸時間は、平均で26.35±37.56秒も短縮していた。さらに、2例では最低SPO2は改善されなかったが、全症例の平均SPO2は改善されており(図7(C)、(D)参照)、良好な治療効果が得られた。
なお、「PSG検査」とは、脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、体の酸素飽和度等のセンサを患者に取り付けて、一晩中連続して記録する検査であり、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の確定診断に用いられる。また、「AI」とは、睡眠中の無呼吸の総数を睡眠時間で除して1時間当たりにしたものであり、この数値が高いほど、SASの重症度が高いことになる。さらに、「無呼吸時間」とは、睡眠時に無呼吸になっている時間である。また、「SPO2」とは、動脈血酸素飽和度のことであり、血液中の酸素の飽和度をパーセントで示したものである。この数値が低いほど、SASの重症度が高いことになる。
また、頭部X線規格写真の分析において、気道確保装置1による下顎の前方移動量と気道径の増大とには相関関係が見られた(図8参照)。図8において、左側の写真は、気道確保装置1が装着されていない状態の写真であり、右側の写真は、気道確保装置1が装着された状態の写真である。気道確保装置1を使用した症例32例中では、1例の口腔乾燥と1例の下顎前歯の疼痛との合計2例の有害事象が見られた。ただし、歯牙の疼痛に関しては、下顎位をやや後方へ戻すことにより症状は改善し、気道確保装置1を用いた治療は継続可能であった。なお、従来の固定式の気道確保装置では、気道確保装置の調整時間は約30分であったが、本形態の気道確保装置1においては、気道確保装置1の調整時間は数分であった。そのため、本形態の気道確保装置1を用いれば、医師等の術者だけでなく患者の負担も軽減することが可能である。
(他の実施の形態)
上述した形態では、フランジ部7bの当接面7eに複数の溝7fが形成されることで当接面7eが凹凸面となっているが、たとえば、円形状や多角形状の複数の凹部が当接面7eに形成されることで、当接面7eが凹凸面となっていても良い。同様に、たとえば、円形状や多角形状の複数の凹部が当接面8eに形成されることで、当接面8eが凹凸面となっていても良い。また、上述した形態において、当接面7e、8eに溝7f、8fが形成されていなくても良い。すなわち、当接面7e、8eは、凹凸のない曲面となっていても良い。また、上述した形態において、貫通孔7g、8gは形成されていなくても良い。
上述した形態では、フランジ部7bは、半筒部7aの後端から下側に向かって、かつ、患者の下顎側の歯列に沿うように広がっているが、フランジ部7bは、半筒部7aの後端から下側に向かって広がっていなくても良いし、下顎側の歯列に沿うように広がっていなくても良い。同様に、上述した形態では、フランジ部8bは、半筒部8aの後端から上側に向かって、かつ、患者の上顎側の歯列に沿うように広がっているが、フランジ部8bは、半筒部8aの後端から上側に向かって広がっていなくても良いし、上顎側の歯列に沿うように広がっていなくても良い。
上述した形態では、筒部12の外形は、筒部12の後端から筒部12の前端に向かうにしたがって連続的に小さくなっているが、筒部12の外形は、筒部12の後端から筒部12の前端に向かうにしたがって段階的に小さくなっていても良い。すなわち、筒部12の外周面に段差が形成されていても良い。また、上述した形態では、筒部12の外形は、筒部12の後端から筒部12の前端に向かうにしたがって小さくなっているが、筒部12の外形は、筒部12の後端から筒部12の前端まで一定の大きさとなっていても良い。
上述した形態では、歯科技工用の樹脂を用いたポッティングによって、半筒部7aの基端およびフランジ部7bが下顎側装着体3に固定され、半筒部8aの基端およびフランジ部8bが上顎側装着体2に固定されている。この他にもたとえば、歯科技工用の樹脂以外の、生体毒性がない(または生体毒性が低い)接着剤によって、半筒部7aの基端およびフランジ部7bが下顎側装着体3に固定され、半筒部8aの基端およびフランジ部8bが上顎側装着体2に固定されても良い。この場合であっても、フランジ部7bを利用して、基部材7の、下顎側装着体3に固定される部分の面積を広くすることが可能になり、また、フランジ部8bを利用して、スライド部材8の、上顎側装着体2に固定される部分の面積を広くすることが可能になるため、上述した形態と同様に、上顎側装着体2および下顎側装着体3に対する調整器具4の固定強度を確保することが可能になる。
上述した形態では、下顎側装着体3に基部材7が固定され、上顎側装着体2にスライド部材8が固定されているが、上顎側装着体2に基部材7が固定され、下顎側装着体3にスライド部材8が固定されても良い。また、上述した形態では、フランジ部7bは半筒部7aと一体で形成され、フランジ部8bは半筒部8aと一体で形成されているが、半筒部7aと別体で形成されたフランジ部7bが半筒部7aに固定されても良いし、半筒部8aと別体で形成されたフランジ部8bが半筒部8aに固定されても良い。また、上述した形態では、調整器具4の全ての部品が合成樹脂で形成されているが、調整器具4の部品の中に、チタンやステンレス鋼等の生体毒性がない(または生体毒性が低い)金属で形成される部品があっても良い。
1 気道確保装置
2 上顎側装着体
3 下顎側装着体
4 調整器具(気道確保装置用の調整器具)
7 基部材
7a 半筒部(基部材側半筒部)
7b フランジ部(基部材側フランジ部)
7d 第2フランジ部(曲板部)
7e 当接面(基部材側フランジ部の当接面)
7g 貫通孔
8 スライド部材
8a 半筒部(スライド部材側半筒部)
8b フランジ部(スライド部材側フランジ部)
8d 第2フランジ部(曲板部)
8e 当接面(スライド部材側フランジ部の当接面)
8g 貫通孔
9 調整用ボルト
12 筒部
14 ポッティング樹脂

Claims (8)

  1. 患者の口腔内の上顎側に装着される上顎側装着体と患者の口腔内の下顎側に装着される下顎側装着体とを備える気道確保装置で使用される気道確保装置用の調整器具において、
    前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか一方に固定される基部材と、前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか他方に固定され前記基部材に対してスライド可能なスライド部材と、前記基部材に対して前記スライド部材をスライドさせる調整用ボルトとを備え、
    前記基部材は、略半筒状に形成される基部材側半筒部を備え、
    前記スライド部材は、略半筒状に形成されるスライド部材側半筒部を備え、
    前記基部材側半筒部と前記スライド部材側半筒部とによって内周側に前記調整用ボルトが配置される略筒状の筒部が形成されており、
    前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか一方に固定される前記基部材側半筒部の基端には、フランジ状に広がる基部材側フランジ部が形成され、
    前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか他方に固定される前記スライド部材側半筒部の基端には、フランジ状に広がるスライド部材側フランジ部が形成されていることを特徴とする気道確保装置用の調整器具。
  2. 前記基部材側フランジ部および前記スライド部材側フランジ部は、患者の歯列に沿うように広がる曲板部を備えることを特徴とする請求項1記載の気道確保装置用の調整器具。
  3. 前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか一方に当接する前記基部材側フランジ部の当接面、および、前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか他方に当接する前記スライド部材側フランジ部の当接面は、凹凸面となっていることを特徴とする請求項1または2記載の気道確保装置用の調整器具。
  4. 前記基部材側フランジ部には、前記基部材側フランジ部を貫通する貫通孔が形成され、
    前記スライド部材側フランジ部には、前記スライド部材側フランジ部を貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の気道確保装置用の調整器具。
  5. 前記筒部の外形は、前記上顎側装着体および前記下顎側装着体に固定される前記筒部の基端から前記筒部の先端に向かうにしたがって小さくなっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の気道確保装置用の調整器具。
  6. 前記調整用ボルトは、前記基部材に回転可能に保持され、
    前記基部材側半筒部の先端側に配置される前記調整用ボルトの先端は、前記基部材側半筒部の先端よりも前記基部材側半筒部の基端側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の気道確保装置用の調整器具。
  7. 前記調整用ボルトを含めた全ての部品が合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の気道確保装置用の調整器具。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の気道確保装置用の調整器具と、前記上顎側装着体と、前記下顎側装着体とを備え、
    前記基部材側フランジ部は、前記基部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか一方に固定され、
    前記スライド部材側フランジ部は、前記スライド部材側フランジ部を覆うポッティング樹脂によって前記上顎側装着体および前記下顎側装着体のいずれか他方に固定されていることを特徴とする気道確保装置。
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