JP4998958B2 - 睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター - Google Patents

睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター Download PDF

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Description

本発明は睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクターに関し、特に、シンプルな構成で、スプリントへのジョイントの埋め込み等を必要とせず、簡単な作業でスプリントへ装着できる、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクターに関する。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まった状態(無呼吸)が断続的に繰り返される病気であり、1976年にアメリカで提唱され、「7時間の夜間睡眠中に無呼吸が30回以上認められる状態、もしくは睡眠1時間ごとに認められる無呼吸・低呼吸の回数(無呼吸・低呼吸指数:AHI)が5回以上、かつその一部は健康な人では最も規則正しい呼吸が観察できるnon-REM睡眠と呼ばれる睡眠中にも認められる場合」という定義が多く使われている。かかる病気が発症した場合、十分に睡眠がとれず、日中、集中力、活力に欠ける、居眠りがちになる等から、日常生活に支障をきたす。アメリカでは、スリーマイル島の原発事故、アラスカ沖のタンカー座礁事故、スペースシャトルチャレンジャー発射直後の爆発事故、あるいは高速道路での大型トレーラーの事故などを背景に、この病気の患者がかかわっていたことが報告されている。また、日本においても山陽新幹線運転士の居眠り運転がかかる病気に関連したものであったことが報告されている。従って、睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置しておくと人の生命に危険がおよぶ事故の発生が懸念される為、適正な症状分析と診断、治療、予防などの対策が必要になる。
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸中枢からの命令が停止する「中枢型 (CSAS)」、上気道狭窄または閉塞による「閉塞型(OSAS)」、中枢型と閉塞型が混在する「混合型」に分類されるが、舌によって気道が物理的に塞がれて無呼吸となる閉塞型が、歯科医師の治療の対象となる。
閉塞型(OSAS)の患者では、仰向けに寝ると、舌根が沈下して上気道は狭くなる。そして睡眠中は上気道を構成している筋肉の活動性の低下に加えて、吸気時には気道内の圧力が低くなるため気道は一層狭くなり、さらに状態が進むと気道が閉塞して無呼吸が発生する。いびきは、狭い気道を通って空気が流れることによって生じ、いつも大きないびきをかくからといって、必ずしも無呼吸があるわけではないが、気道がかなり狭くなっており、閉塞型(OSAS)の起こりやすい状態と考えられる。
スリープスプリントは下顎前方位型口腔内装置(PMA)の通称でいびきの防止や中軽度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療に用いられる。いびきあるいは上気道閉塞に伴う睡眠時呼吸障害の大半は、睡眠中に舌筋とくにオトガイ舌筋が弛緩し、舌が後方に落ち込んで、弛緩した咽頭側壁,軟口蓋最後方部および口蓋垂とともに気道を狭窄あるいは閉塞して引き起こされていると考えられている。スリープスプリントは、就寝中下顎および舌を前方に位置づけ、上気道を拡張することによって上気道閉塞やいびきを改善するというものである。この詳細なメカニズムについては、明らかにされていない部分も多いが、上顎に対して下顎を前方に位置付けることにより、下顎骨内面に付着するオトガイ舌筋が進展し、それに伴い舌も前方に引き出され,上気道が拡大すると考えられている。
スリープスプリントは上顎に装着するパーツ(上顎スプリント)と下顎に装着するパーツ(下顎スプリント)から成り、睡眠中気道が確保される位置(すなわち、下顎前方位)で上下のパーツを連結して使用する。連結方法は上下のパーツを固着する方法と下顎を前方位に保ちつつも開閉などある程度の動きを許容する可動式の連結方法がある。固着式は連結のためのパーツを必要とせず、連結操作も簡単な点が特徴であるが、就寝中下顎が固定されるため、寝苦しいなど装着感が劣り、顎関節への負担も懸念される。このためスリープスプリントの上下のパーツ(スプリント)を可動式に連結する方法が考案され、多くの装置が報告されている。米国では、既に、FDA(Food & Drug Administration)がいびきと閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に効果があるとして認可しているものも存在する。
これら可動式のスリープスプリントの多くは、下顎を前方位で保持するために、上顎を支点として下顎を(1)前方へ押し出す、(2)前方へ引っ張る、又は(3)フックで引っ掛ける方法をとっている。(1)前方へ押し出す方法をとるものでは、上顎臼歯部と下顎前歯部を連結し、連結手段には圧縮に対する剛性の高い金属材料が使用される。(2)前方へ引っ張る方法をとるものでは、上顎前歯部と下顎臼歯部を連結し、連結手段には剛性はさほど必要としないため金属の他に樹脂材料も用いられる。(3)フックで引っ掛ける方法をとるものでは、フックも受け部も金属製である。具体的には、例えば、Scheu-Dental社(販売(株)モリタ)製の装置では、上パーツ(上顎スプリント)に固設したフックを下パーツ(下顎スプリント)の前歯のワイヤーに引っ掛けることで下顎の後退を防止する構成を採っており、また、エルコデント社(販売:日本デンタルサプライ(株))製の「サイレンサー」(商品名)では、上パーツ(上顎スプリント)の犬歯部と下パーツ(下顎スプリント)の臼歯部に予めジョンイトを埋設し、これら上下パーツのジョイントに連結部材を留める構成を採っている。また、下記の特許文献1においては、上顎用スプリントの犬歯部と下顎用スプリントとの大臼歯部付近にフックを取り付け、これらフックに輪ゴム等の弾性帯を取り外し可能に引っ掛けて、固定するものも提案されている。これら可動式のスリープスプリントの下顎の可動域は、スプリントと連結部材との結合部の蝶番運動や鞘状器具による伸縮性、あるいは、フックと受け部の遊びによって生じる。
しかし、上記のような従来公知の可動式スリープスプリント(すなわち、下顎前方位型口腔内装置)は、いずれも、上下のパーツ(上顎スプリントと下顎スプリント)に予め連結部材を結合するためのジョイントやフックを埋め込んで固設しなければならず(すなわち、ジョイント部を作成しなければならず)、ジョイント部の作製作業が込み入って煩雑であるため、熟練した技術が必要であり、完成に手間がかかるという問題がある。また、ジョイント部を含む連結手段全体に要するパーツの数が少なくなく、各パーツの価格も安いとはいえず、費用が嵩むという問題もある。また、下顎位の変更や修理も容易でないという問題もある。さらに、スプリントは連結手段を含めて設計されるため、既に使用されている固着式のスプリントに対してその連結手段を適用することはできない(すなわち、既存のスプリントに連結手段を後から装着することができない)という問題がある。
特開2004-73473号公報
上記事情に鑑み、本発明の課題は、構成がシンプルで安価であり、しかも簡単かつ短時間でスプリントへ装着でき、さらに、装着後の下顎位の変更や補修も簡単に行える可動式下顎前方位型口腔内装置を実現できる、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクターを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
(1)樹脂若しくはエラストマーのモールドからなる、上顎及び下顎スプリントを、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結するためのコネクターであって、
軸線方向両端部のいずれか一方を上顎スプリントへの接着部とし、いずれか他方を下顎スプリントへの接着部とし、かかる両端部の上顎又は下顎スプリントに接着する側の面に複数の凸歯(凸歯列)を形成した可撓性バンドと、
前記可撓性バンドの両端部にそれぞれ被せるキャップとを有し、
可撓性バンドの一方の端部を該端部に被せたキャップとともに上顎スプリントの犬歯部付近に接着剤により接着し、他方の端部を該端部に被せたキャップとともに下顎スプリントの大臼歯部付近に接着剤により接着する構成とした、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(2)前記キャップが可撓性バンドの端部に嵌合する凹部を有する爪状部材からなる、上記(1)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(3)可撓性バンドがポリエチレン製バンドである、上記(1)又は(2)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(4)上顎スプリントがポリカーボネートのモールドであり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドであり、可撓性バンドがポリエチレン製バンドであり、キャップがアクリル樹脂製キャップであり、接着剤が歯科用常温重合レジンである、上記(1)又は(2)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(5)樹脂若しくはエラストマーのモールドからなる、上顎及び下顎スプリントを、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結するためのコネクターであって、
軸線方向両端部のいずれか一方を上顎スプリントへの接着部とし、いずれか他方を下顎スプリントへの接着部とし、かつ、かかる両端部の上顎又は下顎スプリントに接着する側の面である第1面に第1の凸歯列を形成する一方、該第1面とは反対側の第2面に、前記第1の凸歯列と交差する第2の凸歯列を形成し、第1の凸歯列の隣接する凸歯間の凹溝の底部と第2の凸歯列の隣接する凸歯間の凹溝の底部とを連通させてなる可撓性バンドを有し、
当該可撓性バンドの一方の端部を上顎スプリントの犬歯部付近に接着剤により接着し、他方の端部を下顎スプリントの大臼歯部付近に接着剤により接着して、かかる接着剤による接着によって、接着剤が可撓性バンドの端部の前記第1の凸歯列の隣接する凸歯間の凹溝と第2の凸歯列の隣接する凸歯間の凹溝に埋め込まれる構成とした、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(6)可撓性バンドがポリエチレン製バンドである、上記(5)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(7)上顎スプリントがポリカーボネートのモールドであり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドであり、可撓性バンドがポリエチレン製バンドであり、接着剤が歯科用常温重合レジンである、上記(5)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(8)樹脂若しくはエラストマーのモールドからなる、上顎及び下顎スプリントを、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結するためのコネクターであって、
軸線方向両端部のいずれか一方を上顎スプリントへの接着用とし、いずれか他方を下顎スプリントへの接着用とした可撓性バンドの前記両端部にそれぞれ複数の貫孔を有する薄片部材を固着し、
前記可撓性バンドの一方の端部に固着した薄片部材を上顎スプリントの犬歯部付近に接着剤により接着し、他方の端部に固着した薄片部材を下顎スプリントの大臼歯部付近に接着剤により接着して、かかる接着剤による接着によって、接着剤が薄片部材の複数の貫孔に埋め込まれる構成とした、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(9)可撓性バンドがポリエチレン製バンドである、上記(8)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(10)上顎スプリントがポリカーボネートのモールドであり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドであり、可撓性バンドがポリエチレン製バンドであり、接着剤が歯科用常温重合レジンであり、薄片部材がチタン製である、上記(8)記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
(11)上顎スプリント及び下顎スプリントの被接着領域が予めプライマー処理されている、上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターによれば、コネクター本体である可撓性バンドの端部をスプリント側面に接着させるだけで、上顎及び下顎スプリントを連結して可動式下顎前方位型口腔内装置を完成できるので、操作が簡単で所要時間も少なく、可動式下顎前方位型口腔内装置をその場で患者に装着することが可能になる。
また、コネクター本体である可撓性バンドにポリエチレン製バンドを使用することで、可撓性バンドが変形しやすく、上下のスプリントの可動がスムーズになる。さらに、ポリエチレンの種類によって柔軟性が異なるため、症例に合わせて可動の程度の選択も可能である。
また、構造がシンプルで、パーツが少なく、コストも廉価であり、取り付け操作の費用も少なくて済む。
また、本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターは、スプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)の製作時にスプリントに組み込んで取り付けるものではなく、作製されたスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に対して後から接着剤で結合するので、可動式下顎前方位型口腔内装置における下顎位の変更や修理も容易に行うことができる。
本発明の第1実施形態による下顎前方位型口腔内装置用コネクターの分解図である。 図1に示す可撓性バンドの要部断面図である。 図1に示すキャップの側面図である。 図1に示す可撓性バンドの端部にキャップを被せた状態の平面図である。 図1に示す可撓性バンドの端部にキャップを被せた状態の斜視図である。 図1に示すコネクターを使用して上顎スプリントと下顎スプリントを連結した可動式下顎前方位型口腔内装置の概略斜視図である。 図6の可動式下顎前方位型口腔内装置を口腔内に装着した状態の概略平面図であり、上顎と下顎が閉状態の図である。 図6の可動式下顎前方位型口腔内装置を口腔内に装着した状態の概略平面図であり、上顎と下顎が開状態の図である。 別の態様の可撓性バンドの平面図である。 可撓性バンドの端部に接着剤を塗布している図である。 本発明の第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおける可撓性バンドの端部を示す図であり、図(a)は第1平面の概略図、図(b)は第2平面の概略図、図(c)は側面の概略図である。 図11に示す可撓性バンドにおける凹溝内に形成された孔の説明図である。 本発明の第3実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおいて可撓性バンドの端部付近の概略斜視図である。 実施例1、2(試料1、2)の要部の模式断面図である。 比較例1(試料3)の要部の模式断面図である。
符号の説明
1 可撓性バンド
1A、1B 可撓性バンドの端部
12 凸歯列
20 キャップ
30 接着剤
50A 上顎スプリント
50B 下顎スプリント
100 コネクター
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態によるスリープスプリント(すなわち、下顎前方位型口腔内装置)用コネクターの分解図、図2は図1に示す可撓性バンドの要部断面図、図3は図1に示すキャップの側面図、図4、5は図1に示す可撓性バンドの端部にキャップを被せた状態の平面図と斜視図である。また、図6は図1に示すコネクターを使用して上顎スプリントと下顎スプリントを連結した可動式下顎前方位型口腔内装置の概略斜視図、図7、8はかかる可動式下顎前方位型口腔内装置を口腔内に装着した状態の概略平面図で、図7は上顎と下顎が閉状態の図であり、図8は上顎と下顎が開状態の図である。
当該第1実施形態のコネクター100は、可撓性バンド1と、該可撓性バンド1の両端部に被せる2個のキャップ20とを含む。
前記背景技術の欄で説明したように、可動式下顎前方位型口腔内装置とは、上顎歯列の咬合面に被せる上顎スプリントと、下顎歯列の咬合面に被せる下顎スプリントとが、下顎を前方位に保ちつつも開閉などある程度の動きを許容するように連結された下顎前方位型口腔内装置のことであり、本発明のコネクター(コネクター100)は、図6〜8に示されるように、上顎スプリント50Aと下顎スプリント50Bの左右両側で、上顎及び下顎スプリント50A、50Bの外側面に、その本体である可撓性バンド1の端部を結合して使用されるものであり、本発明のコネクターの使用によって、上顎及び下顎スプリントが、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結されて、可動式下顎前方位型口腔内装置が実現される。
本発明のコネクターにより連結する上顎スプリントと下顎スプリントは、特に限定されず、従来からの一般的な材料及び製法に従って作製される一般的な樹脂若しくはエラストマーのモールド(成形体)からなるスプリントが適用される。具体的には、生体への害が少ない、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリサルフォン樹脂等やポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のモールドが挙げられる。特に、装着時の不快感緩和の観点からは、上顎スプリントがポリカーボネートのモールドからなり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドからなる組み合わせが好ましい。
第1実施形態のコネクター100において、可撓性バンド1と、可撓性バンド1の両端部に被せる2個のキャップ20(図1)は、スプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)の左側にも、右側にも使用される。すなわち、左右共用である。図6〜8に示されるように、可撓性バンド1は、その軸線方向両端部1A、1Bのいずれか一方を上顎スプリント50Aに結合し、いずれか他方を下顎スプリント50Bに結合して使用される。該端部1A、1Bのスプリントへの結合は、接着剤30で該端部1A、1Bをスプリントに接着することによって行われる。従来の可動式下顎前方位型口腔内装置では、予め連結部材を結合するためのジョイントやフックをスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)自体に埋設し(すなわち、スプリントにジョイント部を作り込み)、該ジョイントやフックに連結部材を取り付けて上顎スプリントと下顎スプリントを連結していたため、作業時間の長大化等を招いていたが、本発明のコネクターでは、当該第1実施形態のコネクター100に示されるように、コネクター本体である可撓性バンド1の端部1A、1Bをスプリント(上顎スプリント50A、下顎スプリント50B)の表面に接着させるだけなので、操作が簡単で所要時間も少なくて済む。なお、図7、8に示されるように、通常、スプリント(上顎スプリント50A、下顎スプリント50B)の右と左の両側において、可撓性バンド1の一方の端部1Aを上顎スプリント50Aの犬歯部付近に接着し、他方の端部1Bを下顎スプリント50Bの大臼歯部付近に接着する。
図1に示されるように、可撓性バンド1のスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に接着する側の面(第1面)11には、その軸線L2が可撓性バンド1の軸線L1に対して直交する複数の凸歯12aを並設した凸歯列12(図2)が形成されている。図1では、可撓性バンド1の接着する側の面(第1面)11の全長に亘って凸歯列12を形成しているが、図9に示すように、可撓性バンド1の接着部となる端部1A、1Bのみに凸歯列12を形成してもよい。可撓性バンド1の端部1A、1Bのスプリントへの接着は、図4、5に示されるように、端部1A、1Bのスプリントに接着する側の面(凸歯列12を有する第1面11)とは反対側の面(第2面)13にキャップ20を被せ、この状態で凸歯列12を有する面(第1面)11に接着剤30を塗布し(図10)、キャップ20側からバンドを押圧して接着剤30をスプリント(上顎スプリント50A、下顎スプリント50B)の表面に圧着させ、さらにキャップ20の周縁とスプリント(上顎スプリント50A、下顎スプリント50B)の隙間が封止されるように、キャップ20の周縁とその周辺に接着剤30を塗布することで行う(図6)。なお、接着剤30の塗布は、図10に示されるように、例えば、筆31等で行えばよい。
このように当該第1実施形態のコネクター100では、可撓性バンド1の端部1A、1Bの接着面に形成した凸歯列12によって接着強度を高めて接着部のズレ等を防止し、キャップ20によって接着強度を更に増大させるとともに接着部を保護している。従って、該コネクター100により上顎スプリント50Aと下顎スプリント50Bを連結して得られた可動式下顎前方位型口腔内装置50(図6)を口腔内の上顎歯列と下顎歯列に装着し、図7の上顎(上顎スプリント50A)と下顎(下顎スプリント50B)が閉まった状態(閉状態)から、図8の上顎(上顎スプリント50A)と下顎(下顎スプリント50B)が開いた状態にしても、可撓性バンド1の端部1A、1Bはスプリント(上顎スプリント50A、下顎スプリント50B)から外れることなく安定な結合状態が維持される。なお、キャップ20は、可撓性バンド1の端部1A、1Bを適切に覆うことのできる形状であれば、特にその形状は限定されないが、接着強度の増大、可撓性バンドの端部の保護、取り扱い性等の観点から、図3、5に示されるように、可撓性バンド1の端部1A、1Bに嵌合する凹部21を有する爪状部材であるのが好ましい。
可撓性バンド1の材質は、口腔内にて実質的に害を及ぼすことなく、バンドとしたときにバンドが可撓性を有するものとなる材質であれば、制限なく使用できるが、上顎と下顎の可動がスムーズになり、また、上顎と下顎の可動に伴う接着部の強度低下を生じにくくする観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の比較的柔軟な樹脂製のバンドが好ましく、中でも、ポリエチレン製のバンドがより好ましい。また、ポリエチレンは低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのいずれでもよいが、接着部(上顎スプリント50A、下顎スプリント50Bとの結合部)の強度の点から、硬めのポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレンが特に好ましい。なお、ここでいう「低密度ポリエチレン」とは、JIS K 6922−1に記載の試験方法で測定される密度(kg/m)が918〜940のポリエチレンを指し、「高密度ポリエチレン」とは、ASTM D1505に記載の試験方法で測定される密度(g/cm)が、0.947〜0.968のポリエチレンを指す。低密度ポリエチレンの具体例としては、(株)東ソー社製、ペトロセン(商品名)シリーズが挙げられ、高密度ポリエチレンの具体例としては、(株)プライムポリマー社製、ハイゼックス(商品名)シリーズが挙げられる。高密度ポリエチレンは密度(g/cm)が0.947〜0.964の範囲にあるものがとりわけ好ましい。
可撓性バンド1の幅(図1中のA)は3〜6mm程度が好ましく、4〜5mm程度が特に好ましい。また、可撓性バンド1の長さ(図1中のB)は患者の顎(スプリント)の大きさによっても異なり、特に限定はされないが、25〜50mmの範囲から選択するのが一般的である。なお、汎用性の点から、例えば、Sサイズ(25mm)、Mサイズ(30mm)、Lサイズ(35mm)というように、複数種の特定サイズのバンドに作製しておいてもよい。可撓性バンド1の厚み(図2中のC)はバンドが腰を有しつつ適度に変形するという観点から0.5〜3.0mm程度が好ましく、1.0〜2.0mm程度がより好ましく、1.0〜1.5mm程度がさらに一層好ましく、とりわけ好ましくは1.3〜1.5mm程度である。
可撓性バンド1の接着する側の面(第1面)11に設ける凸歯列12の凸歯12aの高さ、すなわち、隣接する凸歯12aの間の溝12bの深さ(図2中のD)は、特に限定はされないが、接着剤が溝12bに十分に埋入し、かつ、溝12bの下のバンドの厚みが薄くなりすぎないように、1.0〜1.5mm程度が好ましい。また、凸歯12aのピッチ(図2中のE)は1.2〜2.0mm程度が好ましく、また、隣接する凸歯12aの間の溝12bの開口幅(図2中のF)は0.5〜0.8mm程度が好ましい。なお、図2に示されるように、凸歯12aはその側面が傾斜した先細りの形状が溝12bへの接着剤の埋入性の点で好ましいが、側面は垂直に切り立ったものであってもよい。なお、図9に示すように、可撓性バンド1の接着部となる端部1A、1Bのみに凸歯列12を形成する場合、該凸歯列12を形成した端部1A、1Bの長さ(図9中のG)は4〜10mm程度が好ましい。すなわち、本発明において、可撓性バンド1の接着部となる端部1A、1Bの長さ(軸線方向の長さ)は4〜10mm程度とするのが好ましい。
接着剤30は実質的に無害で口腔内でも接着力が低下しにくいものであれば特に限定はされないが、取り扱いがしやすく、入手が容易である点等から歯科用として汎用されているアクリル系やエポキシ系の常温重合レジンが好ましく、特に好ましくはアクリル系の常温重合レジンである。アクリル系の常温重合レジンの好ましい具体例としては、例えば、ジーシー社製のユニファーストIIクリア(商品名)が挙げられる。
キャップ20の材質は特に限定はされず、汎用樹脂の成形品が使用できるが、接着剤30との接着性等の点から、アクリル樹脂が好ましく、好ましい具体例としては、例えば、(株)クラレ製、コモグラス等が挙げられる。
なお、可撓性バンド1の端部1A、1Bをスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に接着するに先立って、上顎及び下顎スプリントの表面の被接着領域をヤスリ等で粗面化するのが好ましく、また、プライマーを塗布する処理(プライマー処理)を施すのが好ましい。このような粗面化処理、プライマー処理を行うことで、可撓性バンド1の端部1A、1Bが、上顎及び下顎スプリント50A、50Bに強固に接着して結合し、構造体としてより安定な可動式下顎前方位型口腔内装置を達成することができる。なお、プライマーは特に限定されず、スプリントの材質に応じて適当なプライマーを選択すればよい。例えば、上顎スプリント50Aがポリカーボネートのモールドである場合はジクロロメタンが好ましく、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドである場合は酢酸エチルが好ましい。
当該第1実施形態のコネクター100から明らかなように、本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターによれば、コネクター本体である可撓性バンド1の端部1A、1Bをスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)の側面に接着させるだけで、上顎スプリントと下顎スプリントを可動式に連結することができるので、操作が簡単で所要時間も少なく、その場で患者に装着することができる。すなわち、従来の可動式下顎前方位型口腔内装置の場合、診療室で上顎スプリントと下顎スプリントの位置関係を決定した後、上顎スプリントと下顎スプリントを技工室に戻して可動装置を取り付け、後日患者に装着していたが、本発明のコネクターであれば、コネクター本体である可撓性バンド1の端部1A、1Bをスプリント側面に接着させるだけなので、操作が簡単で所要時間も少なく、患者を待たせた状態で取り付けを終えることができる。また、特に、コネクター本体である可撓性バンドにポリエチレン製バンドを使用することで、可撓性バンドが変形しやく、スプリントの可動がスムーズになる。さらに、ポリエチレンの種類によって柔軟性が異なるため、症例に合わせて可動の程度の選択も可能である。
以下、本発明の変形例を説明する。
図11は本発明の第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおける可撓性バンドの端部を示し、図(a)は第1平面の概略図、図(b)は第2平面の概略図、図(c)は側面の概略図である。すなわち、第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターは、可撓性バンド1のスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)への接着部である軸線方向両端部1A、1Bのスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に接着する側の面である第1面11に、その軸線L2が可撓性バンド1の軸線L1に対して直交する複数の凸歯12aを並設した第1の凸歯列12を形成する一方、該第1面とは反対側の第2面13に、その軸線L3が可撓性バンド1の軸線L1に対して平行な複数の凸歯14aを並設した第2の凸歯列14(すなわち、第1の凸歯列12と交差する第2の凸歯列14)を形成し、第1の凸歯列12の隣接する凸歯間の凹溝12bの底部と第2の凸歯列14の隣接する凸歯間の凹溝14bの底部とを連通させたものである。なお、図12は可撓性バンド1の第2面13の概略平面図であり、符号15を付したハッチング領域は、凹溝14b内に見える、凹溝12bと凹溝14bの底部が連通することで形成された孔を示している。
当該第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターの場合、前記の第1実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターで用いた、可撓性バンド1の端部に被せたキャップ20を不要にすることができる。すなわち、可撓性バンド1の端部1A、1Bを、そのスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)への接着側の面(第1面11)に接着剤を塗布してスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に押圧すると、孔15を通して、接着剤が可撓性バンド1の第2面13の側の凹溝14bへ漏れ出し、該漏れ出した接着剤が固化することで強固な接着力が得られるので、第1実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターのようにキャップを使用しなくても、構造体として安定な可動式下顎前方位型口腔内装置を達成することができる。従って、当該第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターを使用して得られる可動式下顎前方位型口腔内装置では、可撓性バンド1のスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)への接着部(結合部)にキャップのようにかぶさった部分がないので、装着時の不快感をより軽減することができる。
なお、当該第2の実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおいて、可撓性バンド1の材質、第1の凸歯列12の各部寸法、接着剤の種類、接着前の前処理(スプリントの粗面化処理、プライマー処理)等は、前記第1実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターのそれがそのまま踏襲される。また、第2の凸歯列14の各部寸法は第1の凸歯列12のそれと同様でよい。ただし、可撓性バンド1の厚みは好ましくは1.5〜3.5mm程度であり、より好ましくは2〜2.5mm程度である。孔15の大きさ(開口面積)は0.25〜0.64mm程度が好ましい。
図13は本発明の第3実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおいて可撓性バンドの端部付近の概略斜視図である。すなわち、当該第3実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターは、可撓性バンド1のスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)への軸線方向両端部1A、1Bにそれぞれ複数の貫通孔17を有する薄片部材16を固着し、該薄片部材16をスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)へ接着剤で接着するようにしたものである。
当該第3実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターの場合、可撓性バンド1の端部1A、1Bに固着した複数の貫通孔17を有する薄片部材16の接着用平板部16aの一方の面16Aに接着剤を塗布して、薄片部材16をスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に押圧すると、貫通孔17を通して、接着剤が接着用平板部16aの他方の面16Bに溢れ出し、該他方の面16Bを接着剤が被覆する状態で固化して、薄片部材16(接着用平板部16a)がスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)に強固に接着する。従って、第1実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターのようにキャップを使用しなくても、構造体として安定な可動式下顎前方位型口腔内装置を達成することができる。よって、当該第3実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターを使用して得られる可動式下顎前方位型口腔内装置も、第2実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターと同様に、可撓性バンド1のスプリント(上顎スプリント、下顎スプリント)への接着部(結合部)にキャップのようにかぶさった部分がないので、装着時の不快感をより軽減することができる。
薄片部材16の材質としては、生体適合性を有する樹脂、金属、セラミック材料等を使用でき、具体的には、ポリスルホン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の成形体、チタン、ステンレス、白金等の金属薄板を挙げることができ、これらの中でも、チタン薄板が好適である。図13の薄片部材16は把持部16bを設けたチタン薄板であり、可撓性バンド1の端部1A、1Bに把持部16bをカシメ圧着している。
薄片部材16の接着用平板部16aの厚みは0.5〜1.5mm程度が好ましく、特に好ましくは0.5〜0.7mm程度である。また、接着用平板部16aの可撓性バンド1の軸線方向と同方向の長さ(図13中のH)は4.0〜10.0mm程度が好ましい。また、貫通孔17の孔形状は図に示す円孔の他、正方形や矩形等の角孔であってもよい。貫通孔17の孔の大きさ(開口面積)は0.79〜1.78mm程度が好ましい(円孔である場合、孔径(直径)が1.0〜1.5mmが好ましい)。
当該第3の実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターにおいて、可撓性バンド1の材質や寸法、接着剤の種類、接着前の前処理(スプリントの粗面化処理、プライマー処理)等は、前記第1実施形態の下顎前方位型口腔内装置用コネクターのそれがそのまま踏襲される。ただし、可撓性バンド1の長さ(軸線方向の長さ)は薄片部材16の長さ分だけ短くするのが好ましい。
以上の説明から分かるように、本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターでは、コネクター本体である可撓性バンドの端部をスプリント側面に接着させるだけで、上顎及び下顎スプリントを連結して可動式下顎前方位型口腔内装置を完成できるので、操作が簡単で所要時間も少なく、可動式下顎前方位型口腔内装置を患者にその場で装着することができる。
また、構造がシンプルで、パーツが少なく、コストも廉価であり、取り付け操作の費用も少なくて済む。
また、従来の可動式下顎前方位型口腔内装置における、上顎スプリントと下顎スプリントの連結手段は、スプリント製作時にスプリントに組み込んで取り付けられるのに対し、本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターは、作製された上顎スプリントと下顎スプリントに対して後から接着剤で結合するので、可動式下顎前方位型口腔内装置における下顎位の変更や修理も容易であり、また、使用中の固着式下顎前方位型口腔内装置に本発明の下顎前方位型口腔内装置用コネクターを後から取り付けて可動式下顎前方位型口腔内装置に変更することも可能である。
以下、実施例と比較例を示して本発明をより具体的に説明する。
本発明のコネクターを臨床に準ずる状態にして引っ張り試験を行い、破断部位の確認と破断荷重の測定を行った。比較対象として、上顎及び下顎スプリントへの連結形態が本発明のコネクターによる上顎及び下顎スプリントへの連結形態と近似する従来公知の可動式下顎前方位型口腔内装置(エルコデント社製「サイレンサー」)を用いて同様の試験を行った。
詳しい試験内容は以下のとおりである。
[試験1]
1.使用材料
(A)被連結体:ポリカーボネート(PC)製の平板(ジョイデンタル社製、「インプレロンS」)。厚み:2.0mm、幅:15mm、長さ:50mm
(B)可撓性バンド
バンド1:厚み:1.3mm、幅:4.0mm、長さ35mmの軟質ベルト(東ソー社製、「ペトロセン」、低密度ポリエチレン)
バンド2:厚み:1.3mm、幅:4.0mm、長さ35mmの硬質ベルト(プライムポリマー社製、「ハイックス5100E」、高密度ポリエチレン)、
(C)接着剤
アクリル系常温重合レジン(ジーシー社製、「ユニファーストIIクリア」)
PCアドヒーシブ(サンキン社製、ポリカーボネート用接着処理剤(プライマー))
(D)キャップ
アクリル樹脂製キャップ(クラレ社製、コモグラス)
(E)従来公知の可動式下顎前方位型口腔内装置(サイレンサー)
スプリント部分:エルコデユール(商品名)(エルコデント社製、材質:セルロースアセトブチレート)
コネクター部分:サイレンサー(商品名)(エルコデント社製、材質:ポリオキシメチレン共重合体) 註)当該サイレンサーは「コネクター」と「ストッパー」と「シェル」の3パーツで構成される。
2.試験方法
被連結体をスプリントに見立てて、その2枚を本発明のコネクターで連結して引っ張り試験の試料とした。
試料はバンド1(軟質ベルト)とバンド2(硬質ベルト)を使用した2条件とした。
すなわち、
実施例1(試料1):バンド1の両端部(長さ:35mm)を被連結体(インプレロンS)に接着剤とキャップを用いて接着。
実施例2(試料2):ベルト2の両端部(長さ:35mm)を被連結体(インプレロンS)に接着剤とキャップを用いて接着。
の2種の試料を作製した。
また、同様に、比較例1(試料3)として、エルコデユールの平板(厚み1.5mm、幅15mm、長さ50mmの短冊状試料)をスプリントに見立てて、その2枚をエルコデユールが採用する所定の連結方法で連結した。
図14は試料1、2の要部(連結部)の模式断面図、図15は試料3の要部(連結部)の模式断面図である。
試料1、2の連結部はバンド62の端部が接着剤63とキャップ64とで被連結体61に固着した構造(図14)である。
一方、試料3の連結部はエルコデユール(エルコデント社製)で採用されている構造であり、CA(セルロースアセトブチレート)からなる被連結体(エルコデユール)71の所定部位に貫孔72を形成し、コネクター73の端部に貫孔74を形成し、貫孔72と貫孔74の軸線が一致するように両者を位置合わせして、貫孔の両側からシェル75とストッパー76を貫孔に挿入して嵌合することで、被連結体71とコネクター73が連結されている(図15)。
引っ張り試験は、バンド又はサイレンサー(コネクター)の軸方向に引っ張る条件(第1条件)と、当該軸に対する垂直方向に引っ張る条件(第2条件)の2条件とした。なお、図14、15中の矢印Aは軸方向の引っ張り方向を示し、矢印Bは軸に対する垂直方向を示す。
試料1〜3は、それぞれ7個作製し、7回試験を行った。引っ張り試験は万能試験機AGS10KNG(SHIMAZU)を用い、クロスヘッドスピード25mm/分で破断荷重の測定と破断部位の観察を行った。
各試料の破断荷重と破断部位を表1に示した。
Figure 0004998958
軸方向への引っ張り強さの最も大きかったのはサイレンサー(試料3)の126.7±12.2Nであった。次いで、硬質ベルトを使用した本発明のコネクターによる連結体(試料2)の84.2±0.6N、値が最も小さかったのは軟質ベルトを使用した本発明のコネクターによる連結体(試料1)の55.4±0.7Nであった。
軸と垂直方向への引っ張り強さの最も大きかったのは硬質ベルトを使用した本発明のコネクターによる連結体(試料2)の81.0±3.9Nであった。次いで、軟質ベルトを使用した本発明のコネクターによる連結体(試料1)の55.8±1.5N、値が最も小さかったのはサイレンサー(試料3)の35.9±2.5Nであった。
軸方向への引っ張りでは、破断部位は、硬質ベルトを使用した試料2、軟質ベルトを使用した試料1、サイレンサー(試料3)ともにベルト部分が破断した。
軸と垂直方向への引っ張りでは、硬質ベルトを使用した試料2では、7個の全ての試料で連結キャップが破損し、軟質ベルトを使用した試料1では、7個の全ての試料でベルトが破断した。サイレンサーを用いた連結では、7個の全ての試料で連結部のストッパーが破損した。
本発明のコネクターによって上顎スプリントと下顎スプリントを連結した下顎前方位型口腔内装置及び「サイレンサー」等の従来の可動式下顎前方位型口腔内装置でのコネクターの軸方向への引っ張りは、下顎の後方運動時の荷重に相当し、軸と垂直方向への引っ張りは下顎の側方運動時の荷重に相当すると考えられる。
コネクターの軸方向への引っ張り試験では、軟質ベルトを使用した試料1、硬質ベルトを使用した試料2、サイレンサー(試料3)とも装置の連結軸部分で破断したため、軸部分の強度を比較する結果となり、破断強度(荷重)は、サイレンサー、硬質ベルトを使用した試料2、軟質ベルトを使用した試料1の順となった。
下顎の側方運動に相当するコネクターの軸と垂直方向への引っ張り試験は、コネクターのスプリントとの連結部分にとってより過酷な試験であり、連結部分とコネクターの軸部分の相対的な強度によって、強度の低い部分が破壊した。硬質ベルトを使用した試料2では、連結部のキャップが破壊し、軟質ベルトを使用した試料1ではベルトが破断した。また、サイレンサー(試料3)では連結部のストッパーに破壊が集中した。
臨床においては最も強度の低い箇所の強度がその装置の強度と見なされるため、本発明のコネクターを用いた下顎前方位型口腔内装置では、軟質ベルトを用いた試料2でのベルトの軸に対する垂直方向へ引っ張った時の強度(55.8N)が装置の強度といえる。同様の観点からサイレンサー(試料3)の強度は35.9Nといえる。この結果から、本発明のコネクターによって上顎スプリントと下顎スプリントを連結した下顎前方位型口腔内装置は、従来の可動式下顎前方位型口腔内装置(サイレンサー)の約1.5倍の強度を有しており、強度的に臨床において安心して使用できると考えられる。
[試験2]
被連結体としてAR(アクリル樹脂)を使用し、接着処理剤に酢酸エチルを使用した以外は、試験1と同様にして、軟質ベルトを使用した試料4(実施例3)と硬質ベルトを使用した試料5(実施例4)を作成し、同様の引っ張り試験を行い、破断荷重の測定と破断部位の観察を行った。その結果が下記表2である。
Figure 0004998958
表2から分かるように、試験2においても試験1と同様の結果が得られ、スプリントの材質に関係なく、本発明のコネクターによって上顎スプリントと下顎スプリントを連結して得られる下顎前方位型口腔内装置は、臨床において安心して使用できると考えられる。
[臨床評価]
睡眠時無呼吸症候群と診断された患者76名(男性56名、女性20名)のうち、診察およびX線写真検査(パノラマX線写真および頭部側方X線規格写真)により下顎前方位型口腔内装置が有効と判断し、同装置を作製、装着した患者は55名であった。そして、該55名のうち、本発明の第1実施形態のコネクター(可撓性バンド:硬質ベルト(プライムポリマー社製、「ハイックス5100E」、高密度ポリエチレン製ベルト)、接着剤:アクリル系常温重合レジン(ジーシー社製、「ユニファーストIIクリア」)、キャップ:アクリル樹脂製キャップ(クラレ社製、コモグラス))で上顎スプリントと下顎スプリントを連結して作製した下顎前方位型口腔内装置を用いた症例は22例で、該22例の症例のうち、従来の上下顎固定型の装置から本発明のコネクターを用いた下顎前方位型口腔内装置に変更した症例は9例であった。
22例のすべての症例で、いびきの減少や昼間の眠気の軽減など、自覚症状の改善がみられた。また、装着後の終夜睡眠ポリソムノグラフィーによる評価が可能であった症例は、現時点では10例で、すべての症例でApnea hypoapnea index (AHI:無呼吸低呼吸指数)の改善率は50%以上で、有効であった。
また、従来の上下顎スプリント固定法(レジン固定)による下顎前方位型口腔内装置から本発明のコネクターを用いた下顎前方位型口腔内装置に変更した症例において、起床時の咬筋部の緊張感の改善がみられ、顎関節および咀嚼筋への影響が軽減された。
本出願は、日本で出願された特願2006−229930を基礎としており、それらの内容は本明細書に全て包含される。

Claims (7)

  1. 樹脂若しくはエラストマーのモールドからなる、上顎及び下顎スプリントを、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結するためのコネクターであって、
    軸線方向両端部のいずれか一方を上顎スプリントへの接着部とし、いずれか他方を下顎スプリントへの接着部とし、かかる両端部の上顎又は下顎スプリントに接着する側の面に複数の凸歯(凸歯列)を形成した可撓性バンドと、
    前記可撓性バンドの両端部にそれぞれ被せるキャップとを有し、該キャップは、可撓性バンドの両端部を下記のとおり上顎スプリントおよび下顎スプリントにそれぞれ接着する際に、両端部のそれぞれの接着面とは反対側の面とその周囲の側面とを覆うように構成されたものであり、
    可撓性バンドの一方の端部を該端部に被せたキャップとともに上顎スプリントの犬歯部付近に接着剤により接着し、他方の端部を該端部に被せたキャップとともに下顎スプリントの大臼歯部付近に接着剤により接着し、かつ、上顎スプリントおよび下顎スプリントと、可撓性バンド両端部の両キャップの周縁との間のそれぞれの隙間が接着剤によって封止されるように接着する構成とした、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  2. 前記キャップが可撓性バンドの端部に嵌合する凹部を有する爪状部材からなる、請求項1記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  3. 可撓性バンドがポリエチレン製バンドである、請求項1又は2記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  4. 上顎スプリントがポリカーボネートのモールドであり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドであり、可撓性バンドがポリエチレン製バンドであり、キャップがアクリル樹脂製キャップであり、接着剤が歯科用常温重合レジンである、請求項1又は2記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  5. 樹脂若しくはエラストマーのモールドからなる、上顎及び下顎スプリントを、下顎を前方位に保ちつつも、上顎及び下顎が開閉可となる状態に連結するためのコネクターであって、
    軸線方向両端部のいずれか一方を上顎スプリントへの接着用とし、いずれか他方を下顎スプリントへの接着用とした可撓性バンドの前記両端部にそれぞれ複数の貫孔を有する薄片部材固着されており、該貫孔は、下記の接着時において接着剤を通過させ該薄片部材の表裏両面にわたって該接着剤を存在させるためのものであり
    前記可撓性バンドの一方の端部に固着した薄片部材を上顎スプリントの犬歯部付近に接着剤により接着し、他方の端部に固着した薄片部材を下顎スプリントの大臼歯部付近に接着剤により接着して、かかる接着剤による接着によって、接着剤が薄片部材の複数の貫孔に埋め込まれかつ該薄片部材の表裏両面にわたって該接着剤が存在する構成とした、睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  6. 可撓性バンドがポリエチレン製バンドである、請求項記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
  7. 上顎スプリントがポリカーボネートのモールドであり、下顎スプリントがアクリル樹脂のモールドであり、可撓性バンドがポリエチレン製バンドであり、接着剤が歯科用常温重合レジンであり、薄片部材がチタン製である、請求項記載の睡眠時無呼吸症候群又はいびき症改善下顎前方位型口腔内装置用コネクター。
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