JP2017085960A - 貫通孔を備える細胞培養用プレートを備える積層プレート式細胞培養器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造でありながらも重ねられた全てのプレートに細胞を均一に接着させ増殖させることが可能な積層式の細胞培養器具を提供する。
【解決手段】直接又は間接的に細胞が付着可能な表面を有する2以上の細胞培養用プレート10と、細胞の培養が可能な間隙をもって重なった状態の前記細胞培養用プレート10を収容可能な容器本体21と、を有し、
前記細胞培養用プレート10が、細胞が通過可能な貫通孔12を備えることを特徴とする、細胞培養器具20。
【選択図】図1
【解決手段】直接又は間接的に細胞が付着可能な表面を有する2以上の細胞培養用プレート10と、細胞の培養が可能な間隙をもって重なった状態の前記細胞培養用プレート10を収容可能な容器本体21と、を有し、
前記細胞培養用プレート10が、細胞が通過可能な貫通孔12を備えることを特徴とする、細胞培養器具20。
【選択図】図1
Description
本発明は積層プレート式の細胞培養器具に関する。
近年、製薬や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞の大量培養が求められている。例えば再生医療分野において細胞移植による実際の治療を行うためには、肝疾患などでは109個以上の分化細胞の移植がひとりの患者に必要と考えられている。この数の細胞を直径10cmの培養皿により得るためには、約100枚の培養皿を使う必要があり、培養に広いスペースが必要となり、また品質管理が非常に困難であるという問題がある。
このような問題を解決するため、使用する培養液や占める空間に対して、大きな細胞接着及び増殖表面積を有する細胞培養器具が提案されている。
例えば、特許文献1は、複数の細胞接着可能な棚部が積層した構造を有する細胞培養器具を開示している。
特許文献2は、細胞培養面を有する2以上の担体を容器の底面に対して略垂直に配置することによって細胞シートを大量に製造し得る技術を開示している。
例えば、特許文献1は、複数の細胞接着可能な棚部が積層した構造を有する細胞培養器具を開示している。
特許文献2は、細胞培養面を有する2以上の担体を容器の底面に対して略垂直に配置することによって細胞シートを大量に製造し得る技術を開示している。
また、非特許文献1に記載のような積層プレート式の培養装置(商標「Xpansion」)が知られている。
Pall社 製品データシート, 3/14, PDF, GN14.9204. 2014年
特許文献1に記載の細胞培養器具は、通常の培養皿に比べると多くの細胞を培養できるものの、操作性の観点から棚部の数は制限される。したがって、細胞移植に十分な数の細胞を培養するためには複数の容器での培養が必要であり、品質管理の点から好ましくない。
特許文献2に記載の発明においては、担体を底面に対して垂直になるように並べて容器内に配置するが、細胞を該プレートに接着するためにはプレートを底面に対して水平にして静置する工程が必要であり、操作が煩雑となりコンタミネーションの可能性があることも否めない。
一方、非特許文献1に記載のプレート式の培養装置は、高い品質管理のもと細胞の大量培養を行うことが可能である。しかし、細胞を播種する際に積層した全てのプレートに万遍なく細胞の懸濁液を行き渡らせ、細胞を均一にプレートに付着させるために複雑な構成を採用しているため高価である。
このような状況に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、簡易な構造でありながらも重ねられた全てのプレートに細胞を均一に接着させることが可能な積層式の細胞培養器具を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、直接又は間接的に細胞が付着可能な表面を有する2以上の細胞培養用プレートと、細胞の培養が可能な間隙をもって上下方向に重なった複数の前記細胞培養用プレートを収容可能な容器本体と、を有し、
前記細胞培養用プレートが、細胞が通過可能な貫通孔を備えることを特徴とする、細胞培養器具である。
本発明の細胞培養器具においては、細胞を播種する際に重ねられた全てのプレートに細胞を均一に接着させることが可能である。
また、本発明の細胞培養器具によればトリプシンなどを使用して細胞を剥離した後に容易に細胞を回収することができる。
前記細胞培養用プレートが、細胞が通過可能な貫通孔を備えることを特徴とする、細胞培養器具である。
本発明の細胞培養器具においては、細胞を播種する際に重ねられた全てのプレートに細胞を均一に接着させることが可能である。
また、本発明の細胞培養器具によればトリプシンなどを使用して細胞を剥離した後に容易に細胞を回収することができる。
本発明の好ましい形態では、前記細胞培養用プレートに直行する軸を回転軸として、該細胞培養用プレートを回転させる回転手段を備える。
細胞を播種する際に細胞培養用プレートを回転させることにより、プレートへの細胞接着の均一性を向上させることができる。
細胞を播種する際に細胞培養用プレートを回転させることにより、プレートへの細胞接着の均一性を向上させることができる。
本発明の好ましい形態では、前記細胞培養用プレートが、該細胞培養用プレートが回転手段により回転したときに培養液を撹拌することができる羽を備える。
このような構成とすることにより、細胞が懸濁した培養液を均一に混合することができ、プレートへの細胞接着の均一性を向上させることができる。
このような構成とすることにより、細胞が懸濁した培養液を均一に混合することができ、プレートへの細胞接着の均一性を向上させることができる。
また、本発明の好ましい形態では、前記貫通孔が前記回転軸と直交する軸方向に長尺な縦長形状をとり、
前記細胞培養用プレートが回転手段により回転したとき、迎角が0°より大きく90°よりも小さくなるように、かつ、衝突した流体が前記貫通孔に流入するように、前記貫通孔の長辺のうちの一の辺に沿って第一の羽が設けられている。
このような構成をとることにより、高い均一性をもって細胞を細胞培養用プレートに接着させることが可能になる。
前記細胞培養用プレートが回転手段により回転したとき、迎角が0°より大きく90°よりも小さくなるように、かつ、衝突した流体が前記貫通孔に流入するように、前記貫通孔の長辺のうちの一の辺に沿って第一の羽が設けられている。
このような構成をとることにより、高い均一性をもって細胞を細胞培養用プレートに接着させることが可能になる。
本発明のさらに好ましい形態では、該細胞培養用プレートが回転手段により回転したとき、迎角が90°より大きく180°よりも小さくなるように、前記貫通孔の長辺のうちの他の辺に沿って第二の羽が設けられている。
このような構成とすることにより、細胞が懸濁した培養液をより効率よく撹拌することができ、より高い均一性をもって細胞を細胞培養用プレートに接着させることが可能になる。
このような構成とすることにより、細胞が懸濁した培養液をより効率よく撹拌することができ、より高い均一性をもって細胞を細胞培養用プレートに接着させることが可能になる。
本発明の好ましい形態では、前記細胞培養用プレートに直交する軸方向に前記細胞培養用プレートを貫通し、前記細胞培養用プレートを支持する支持柱を備える。
このような支持柱を備えることによって、重ねた細胞培養用プレートが容器本体内で崩れることを防ぐことができる。
このような支持柱を備えることによって、重ねた細胞培養用プレートが容器本体内で崩れることを防ぐことができる。
本発明の好ましい形態では、前記細胞培養用プレートの両面に直接又は間接的に細胞が付着可能である。
細胞培養用プレートの両面に細胞が付着可能な構成とすることによって、細胞の接着及び増殖可能表面積を倍増させることができ、さらなる大量培養が可能となる。
細胞培養用プレートの両面に細胞が付着可能な構成とすることによって、細胞の接着及び増殖可能表面積を倍増させることができ、さらなる大量培養が可能となる。
本発明の細胞培養器具は、簡易な構造でありながらも重ねられた全てのプレートに細胞を均一に接着させ増殖させることが可能である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
実施例1の細胞培養器具20について図1〜3を参照しながら説明する。
実施例1の細胞培養器具20は、貫通孔12を備える積層された細胞培養用プレート10を有する(図1及び2)。
実施例1の細胞培養器具20について図1〜3を参照しながら説明する。
実施例1の細胞培養器具20は、貫通孔12を備える積層された細胞培養用プレート10を有する(図1及び2)。
細胞培養用プレート10は、直接又は間接的に細胞が付着可能な表面を有する素材で構成されていれば特に限定されず、従来の培養皿に使用されている素材を適用することができる。例えば、ポリスチレン樹脂製、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂等の各種樹脂を例示することができる。
貫通孔12の形状や大きさは細胞が通過可能であれば特に限定されず、図1に示すように円形であっても良いし、図3に示すように縦長形状であってもよい。
細胞培養用プレート10は、通常の培養皿と同様、コーティング剤によりコーティングしてから用いてもよい。
コーティング剤としては、通常培養プレート等へのコーティングに使用するものであれば特に限定されず、ゼラチン、コラーゲン、ラミニン、ポリリジン、トロンボスポンジン及びビトロネクチンなどを好適に例示することができる。
コーティング剤としては、通常培養プレート等へのコーティングに使用するものであれば特に限定されず、ゼラチン、コラーゲン、ラミニン、ポリリジン、トロンボスポンジン及びビトロネクチンなどを好適に例示することができる。
細胞培養用プレート10は両面に細胞が付着可能である構成とすることが好ましい。こうすることで、細胞の接着及び増殖表面積を倍増させることができ、さらなる大量培養が可能になる。
細胞培養用プレート10の両面に細胞が付着可能な構成とした場合には、一方の面に細胞を付着させた後に、細胞培養用プレートの上下をひっくり返すことで他方の面に細胞を付着させることが好ましい。この場合、細胞培養用プレートの上下をひっくり返した後に、新たに細胞の懸濁液を容器本体21内に追加することが好ましい。
図2に示すように、支持柱50は細胞培養用プレート10を貫通しこれを支持している。支持柱50は台座55によって容器本体21内で直立させることができる。支持柱50の素材は特に限定されない。
支持柱50と細胞培養用プレート10は完全に固定されていてもよく、また、着脱可能に設けてもよい。支持柱50と細胞培養用プレート10を着脱可能に設ける場合には、図4に示すように支持柱50をボルト、細胞培養用プレート10をナットのような構造とすることもできる。
支持柱50と細胞培養用プレート10は完全に固定されていてもよく、また、着脱可能に設けてもよい。支持柱50と細胞培養用プレート10を着脱可能に設ける場合には、図4に示すように支持柱50をボルト、細胞培養用プレート10をナットのような構造とすることもできる。
実施例1の細胞培養器具20は、ガス交換フィルター3を有する蓋体22と容器本体21とを備える(図1)。
本発明の容器本体21の形態は図1に示すものに限定されず、細胞培養用プレート10を収容し、細胞の培養が可能であればよい。
本発明の容器本体21の形態は図1に示すものに限定されず、細胞培養用プレート10を収容し、細胞の培養が可能であればよい。
実施例1の細胞培養器具20によれば、細胞を細胞培養用プレート10に播種する際に細胞が貫通孔12を通過することができるため、ピペッティングや振盪などの簡単な撹拌操作を行うだけで、積層された細胞培養用プレート10の何れにも万遍なく細胞を接着させることができる。
実施例1の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10を容器本体21に収容し、包装された状態で放射線照射等により滅菌処理を行った形態、すなわち無菌包装された形態で提供されることが好ましい。
このような形態とすることにより、無菌包装開封後、細胞培養器具20に細胞を含む培養液40を充填するだけで、細胞培養用プレート10上での細胞培養を開始することができる。
このような形態とすることにより、無菌包装開封後、細胞培養器具20に細胞を含む培養液40を充填するだけで、細胞培養用プレート10上での細胞培養を開始することができる。
<実施例2>
実施例2の細胞培養器具20について図5〜14を参照しながら説明する。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素においては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
実施例2の細胞培養器具20について図5〜14を参照しながら説明する。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素においては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
実施例2の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10に凸部11が設けられていることを特徴とする。図5及び図6に示すように実施例1の細胞培養用プレート10は複数枚を重ねて、培養液40を充填した容器本体21に収容することによって用いる。
細胞培養用プレート10には凸部11が設けられているため、重ねた際に細胞41の培養が可能な間隙が形成される(図7)。つまり、実施例2の細胞培養用プレート10は簡便な構造でありながらも、細胞培養のための間隙を容易に形成することができ、細胞の大量培養を可能としている。
細胞培養用プレート10には凸部11が設けられているため、重ねた際に細胞41の培養が可能な間隙が形成される(図7)。つまり、実施例2の細胞培養用プレート10は簡便な構造でありながらも、細胞培養のための間隙を容易に形成することができ、細胞の大量培養を可能としている。
図5及び6は凸部11を4つ備える細胞培養用プレート10を示しているが、凸部11の数は特に限定されない。
例えば図8に示すように多数の凸部11を備える形態としてもよいし、図9に示すように細胞培養用プレート10を崩れないように重ねるための最低限の数の凸部11を備える形態としてもよい。
例えば図8に示すように多数の凸部11を備える形態としてもよいし、図9に示すように細胞培養用プレート10を崩れないように重ねるための最低限の数の凸部11を備える形態としてもよい。
また、凸部11の形状や大きさについても、細胞培養用プレート10を重ねたときに細胞の増殖が空隙を形成することができれば特に限定されない。例えば、図8及び9のようにとげ状にしてもよいし、図10に示すようにこぶ状にしてもよい。また、図11に示すようにかまぼこ形状としてもよいし、図12に示すように細胞培養用プレート10の周縁を周回する形状としてもよい。
凸部11は細胞培養用プレート10の一方の面のみに形成しても良いし(図7)、両面に形成してもよい(図13)。
また、凸部11は図7及び図13に示すように細胞培養用プレート10表面に盛り上がるように形成してもよい。製造コストの低減の観点からは、図14に示すように凸部11の裏側に凹部が形成される形状とすることが好ましい。
また、凸部11は図7及び図13に示すように細胞培養用プレート10表面に盛り上がるように形成してもよい。製造コストの低減の観点からは、図14に示すように凸部11の裏側に凹部が形成される形状とすることが好ましい。
図14に示す細胞培養用プレート10における凸部11は、当該プレートの材料である板材の表面へ凸状部材を押し当て、該表面を陥入させることで形成することができる。
細胞培養用プレート10の素材が樹脂である場合には、凸状部材を金属製とし、これを加熱してから板材に押し当てることにより、容易に板材を陥入させ凸部11を形成することができる。
細胞培養用プレート10の素材が樹脂である場合には、凸状部材を金属製とし、これを加熱してから板材に押し当てることにより、容易に板材を陥入させ凸部11を形成することができる。
<実施例3>
実施例3の細胞培養器具20を図15に示す。実施例3の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10が貫通孔12、凸部11及び支持柱50を挿通させるための挿通孔13を備えることを特徴とする。
細胞培養用プレート10の挿通孔13に支持柱50を挿通させて用いることにより、重ねた細胞培養用プレート10が崩れることを防ぐことができる(図15)。
実施例3の細胞培養器具20を図15に示す。実施例3の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10が貫通孔12、凸部11及び支持柱50を挿通させるための挿通孔13を備えることを特徴とする。
細胞培養用プレート10の挿通孔13に支持柱50を挿通させて用いることにより、重ねた細胞培養用プレート10が崩れることを防ぐことができる(図15)。
支持柱50は、容器本体21と一体となっている構成としてもよいし、容器本体21に着脱可能に構成してもよいし、また、容器本体21とは別の部品としてもよい。
また、挿通孔13及び支持柱50を備える形態としなくとも、細胞培養用プレート10の径よりも少しだけ大きい径の容器本体21を用いることによって、細胞培養用プレート10が容器本体21内で崩れないようにすることもできる。
<実施例4>
実施例4の細胞培養用プレート10及び細胞培養器具20について図16〜19を参照しながら説明を加える。
実施例4の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10が、培養液を撹拌するための第一の羽141及び第二の羽142を備えることを特徴とする(図16及び17)。また、実施例4の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10を回転させる回転手段であるモーター54を有する(図18)。
実施例4の細胞培養用プレート10及び細胞培養器具20について図16〜19を参照しながら説明を加える。
実施例4の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10が、培養液を撹拌するための第一の羽141及び第二の羽142を備えることを特徴とする(図16及び17)。また、実施例4の細胞培養器具20は、細胞培養用プレート10を回転させる回転手段であるモーター54を有する(図18)。
実施例4の細胞培養用プレート10は、軸柱51を挿通孔13、固定柱52を挿通孔15に挿通することで固定される(図18及び19)。軸柱51と固定柱52の下部にはストッパー53が設けられており、挿通された細胞培養用プレート10が落下しないような構成となっている(図18)。
軸柱51はモーター54に連結している。そのため、モーター54を駆動させることによって、軸柱51を回転軸として、細胞培養用プレート10を回転させることができる(図18)。
軸柱51はモーター54に連結している。そのため、モーター54を駆動させることによって、軸柱51を回転軸として、細胞培養用プレート10を回転させることができる(図18)。
第一の羽141及び第二の羽142は、図16及び17に示すように、縦長形状の貫通孔12の長辺に沿うように設けられている。一の辺に設けられた第一の羽141は細胞培養用プレート10の表面に、他の辺に設けられた第二の羽142は細胞培養用プレート10の裏面に突出している(図17)。
細胞培養用プレート10を図16に示す方向に回転させたとき、一の辺に沿うように設けられた第一の羽141に衝突した流体は貫通孔12に誘導される(図17)。このときの第一の羽141の迎角αは、0°より大きく90°よりも小さい必要があり、好ましくは30°〜60°である(図17)。
また、他の辺に沿うように設けられた第二の羽142に衝突した流体は、細胞培養用プレート10の下方に誘導される(図17)。このときの第二の羽142の迎角βは、0°より大きく90°よりも小さく、好ましくは120°〜150°である(図17)。
また、他の辺に沿うように設けられた第二の羽142に衝突した流体は、細胞培養用プレート10の下方に誘導される(図17)。このときの第二の羽142の迎角βは、0°より大きく90°よりも小さく、好ましくは120°〜150°である(図17)。
このように、細胞培養用プレート10には下方への流体の流れができるように第一の羽141及び第二の羽142が設けられている。したがって、重ねた状態の細胞培養用プレート10を培養液40中で回転させると、図18に示すような培養液40の流れが形成される。そのため、培養液中に細胞を均一に懸濁することが可能となり、かつ、重ねられた何れの細胞培養用プレート10の表面にも、培養液40に懸濁した細胞を万遍なく行き渡らせることができ、細胞培養用プレート10に均一に細胞を接着させることが可能となる。
細胞接着の均一性を向上させる観点から、実施例4の細胞培養用プレート10は、図19に示すように、第一の羽141及び第二の羽142を備える貫通孔12が互い違いになるように重ねた状態で軸柱51及び固定柱52に挿通することが好ましい。
本発明は細胞の大量培養技術への応用が可能である。
10 細胞培養用プレート
11 凸部
12 貫通孔
13 挿通孔
141 第一の羽
142 第二の羽
15 挿通孔
20 細胞培養器具
21 容器本体
22 蓋体
3 ガス交換フィルター
40 培養液
41 細胞
50 支持柱
51 軸柱
52 固定柱
53 ストッパー
54 モーター
55 台座
11 凸部
12 貫通孔
13 挿通孔
141 第一の羽
142 第二の羽
15 挿通孔
20 細胞培養器具
21 容器本体
22 蓋体
3 ガス交換フィルター
40 培養液
41 細胞
50 支持柱
51 軸柱
52 固定柱
53 ストッパー
54 モーター
55 台座
Claims (7)
- 直接又は間接的に細胞が付着可能な表面を有する2以上の細胞培養用プレートと、細胞の培養が可能な間隙をもって上下方向に重なった複数の前記細胞培養用プレートを収容可能な容器本体と、を有し、
前記細胞培養用プレートが、細胞が通過可能な貫通孔を備えることを特徴とする、細胞培養器具。 - 前記細胞培養用プレートに直行する軸を回転軸として、該細胞培養用プレートを回転させる回転手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養器具。
- 前記細胞培養用プレートが、該細胞培養用プレートが回転手段により回転したときに培養液を撹拌することができる羽を備えることを特徴とする、請求項2に記載の細胞培養器具。
- 前記貫通孔が前記回転軸と直交する軸方向に長尺な縦長形状をとり、
前記細胞培養用プレートが回転手段により回転したとき、迎角が0°より大きく90°よりも小さくなるように、かつ、衝突した流体が前記貫通孔に流入するように、前記貫通孔の長辺のうちの一の辺に沿って第一の羽が設けられていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の細胞培養器具。 - 該細胞培養用プレートが回転手段により回転したとき、迎角が90°より大きく180°よりも小さくなるように、前記貫通孔の長辺のうちの他の辺に沿って第二の羽が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の細胞培養器具。
- 前記細胞培養用プレートに直交する軸方向に前記細胞培養用プレートを貫通し、前記細胞培養用プレートを支持する支持柱を備えることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の細胞培養器具。
- 前記細胞培養用プレートの両面に直接又は間接的に細胞が付着可能であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の細胞培養器具。
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