JP4496318B2 - 超薄型マルチウェルプレートの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法に関する。
従来から、新薬開発のソースとして微生物の産生する物質が用いられており、そのような有用産物を産生する微生物の探索が行われている。
また、昨今の遺伝子組換技術の発展により、有用物質の遺伝子を導入した細胞(形質転換体)を培養することにより、有用産物の生産が行われるようになっている。
更に、食品工業では、従前より微生物を用いた発酵により種々の食品の製造が行われてきた。
このように、医薬、生化学、食品、化学などの分野では、微生物や細胞が重要な働きをしており、クローン化された有用微生物、細胞、遺伝子材料等は貴重な資源であることから慎重に保管されている。このような微生物は、通常、穿刺培養法、冷凍法、凍結乾燥法などにより保存されている。
上記の微生物、細胞、遺伝子材料等を保管している研究機関などが、他の研究機関の求めに応じて、当該微生物等を供給する際にそれらの運搬が行われる。微生物等の運搬は、通常、微生物等の培養液を濾紙にスポットし、包装用ラップで包んで運搬したり、アンプルに収納した状態で運搬されている。また、微生物や細胞数が多い場合には、マイクロタイタープレートに培養液を分注し、ビニールシートでシールして運搬したり、寒天培地にスポット植菌して運搬している。
しかし、濾紙に吸着させて運搬する方法では雑菌が混入し易いし、運搬する微生物等の数が多い場合には濾紙の枚数が増えて非効率的である。また、マイクロタイタープレート、寒天培地又はアンプルで運搬する方法では、容器の破損の問題があると共に容器が破損した場合には微生物汚染の問題もある。更に、運搬物が嵩張ることも大きな問題点である。
なお、微生物等用のマルチウェルプレートとしては、特許文献1、2などに記載のプレートが知られている。
特開2001−218575号公報 特開2002−199874号公報
上記の問題点を解消するため、本出願人らは、薄型のマルチウェルプレートを提案している(特願2003−359534参照)。このマルチウェルプレートは所期の目的を達成し得る優れたものである。しかし、このマルチウェルプレートを使用する場合、反転させて培地などに接触させレプリカする必要があった。そのため、マルチウェルプレート上の菌体などとレプリカされた菌体などの位置関係が鏡像関係になるため、マルチウェルプレートの菌体などの位置とレプリカされた菌体などの位置を誤認する可能性があった。
本出願人らは、更に検討し、多数の微生物を簡便に且つ安全に運搬・保管し得る超薄型マルチウェルプレートを提供すると共に超薄型マルチウェルプレートとレプリカされたものの位置が対応する関係となるように工夫した。その結果、シートの積層体からなる超薄型マルチウェルプレートであって、当該積層体は複数の中空部を有し、各中空部には吸水性素材が保持されていることを特徴とする超薄型マルチウェルプレートを先に提案した(特願2004−050541)。
しかし、この吸水性素材が保持されたシートの積層体からなる超薄型マルチウェルプレートを製造するにあたり、吸水性素材が穴から脱落したり、各シートを接着剤を用いて接着しようとした場合、接着剤が吸水性素材に付着してしまう、各シートを完全に液漏れしないように接着させるのは技術的に困難である、等の問題があり、大量生産が困難であった。
従って、本発明の目的は、積層すべきシートが完全に液漏れしないように接着でき、かつ接着剤が吸水性素材に付着しないシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法を提供することにある。
そこで、本発明者は、(1)ボトムシートの上に、吸水性素材固定シートA、中シート、吸水性素材及び吸水性素材固定シートBを順次積層した後に、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させる手段;(2)ボトムシートとカバーシートとの間に、吸水性素材固定シートA、中シート、吸水性素材及び吸水性素材固定シートBを順次積層した後に、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させる手段;(3)ボトムシートの上に、吸水性素材固定シートC、吸水性素材及び吸水性素材固定シートDを順次積層した後に、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させる手段;又は(4)ボトムシートとカバーシートとの間に、吸水性素材固定シートC、吸水性素材及び吸水性素材固定シートDを順次積層した後に、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させる手段を採用すれば、いづれの方法も接着剤の吸水性素材への付着や、接着ムラなどがなく、吸水性素材がプレートから脱落することのない、シート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートが効率良く製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、(1)ボトムシート、(2)複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートA、(3)吸水性素材固定シートAの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートAの透孔の径より大きな径を有する中シート、(4)中シートの透孔内に吸水性素材、及び(5)中シートの透孔に対応する位置に、中シートの透孔の径より小さな径を有する吸水性素材固定シートBを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法を提供するものである。
また、本発明は、(1)ボトムシート、(2)複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートA、(3)吸水性素材固定シートAの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートAの透孔の径より大きな径を有する中シート、(4)中シートの透孔内に吸水性素材、(5)中シートの透孔に対応する位置に、中シートの透孔の径より小さな径を有する吸水性素材固定シートB、及び(6)吸水性素材固定シートB上を覆う粘着されたカバーシートを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法を提供するものである。
また、本発明は、(1)ボトムシート、(2a)吸水性素材の径より小さい透孔と吸水性素材と同等もしくは若干大きい径の透孔の2段構成となっている複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートC、(4)吸水性素材固定シートCの透孔内に吸水性素材、及び(5a)吸水性素材固定シートCの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートCの透孔と同様の透孔を有する吸水性素材固定シートDを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシー
ト積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法を提供するものである。
更に本発明は、(1)ボトムシート、(2a)吸水性素材の径より小さい透孔と吸水性素材と同等もしくは若干大きい径の透孔の2段構成となっている複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートC、(4)吸水性素材固定シートCの透孔内に吸水性素材、(5a)吸水性素材固定シートCの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートCの透孔と同様の透孔を有する吸水性素材固定シートD、及び(6)吸水性素材固定シートD上を覆う粘着されたカバーシートを順次積層し順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法を提供するものである。
本発明によれば、接着剤の吸水性素材への付着による吸水性素材の微生物等保持能低下をおこさず、吸水性素材間で完全に液体漏れを生じない、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートが効率良く製造できる。
かくして得られた超薄型マルチウェルプレートによれば、一枚のプレートで多数の微生物(又は動物細胞、DNA試料など)を運搬することができるので極めて効率的であり、しかも運搬容器の破損による微生物の損失や微生物汚染の問題も解消でき、更に超薄型であるので嵩張らないという特長を有し、その上ボトムシート(場合によっては剥離シート)を剥離した状態で培地に接触させてレプリカすることができるので、反転の必要がなく、菌体などの位置の誤認を防止することができる。
本発明においては、(I)(1)ボトムシート、(2)吸水性素材固定シートA、(3)中シート、(4)吸水性素材、(5)吸水性素材固定シートBを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させる;(II)(1)ボトムシート、(2)吸水性素材固定シートA、(3)中シート、(4)吸水性素材、(5)吸水性素材固定シートB及び(6)カバーシートを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させる;(III)(1)ボトムシート、(2a)吸水性素材固定シートC
、(4)吸水性素材、(5a)吸水性素材固定シートDを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させる;(IV)(1)ボトムシート、(2a)吸水性素材固定シートC、(4)吸水性素材、(5a)吸水性素材固定シートD及び(6)カバーシートを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させる、ことをそれぞれ特徴とする。
以下、図面に基いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
本発明により得られる超薄型マルチウェルプレートの一実施例を図1から図5に示す。図1は本発明により得られる超薄型マルチウェルプレートの平面概略図であり、図2から図5は図1のA−A線断面の部分拡大概念図である。図1から図5において、1はボトムシート、2は吸水性素材固定シートA、7、8及び9は透孔、3は中シート、4は吸水性素材、5は吸水性素材固定シートB、6はカバーシート、2aは吸水性素材固定シートC、5aは吸水性素材固定シートDである。
なお、図1から図5は、本発明の一例として96ウェルのマルチウェルプレートを示しているが、ウェルの数は96に限定されるものではなく、所望に応じて適宜な数でよく、例えば6、12、24、48、384などが例示される(以下の例においても同様である)。
また、本明細書において、シートはフィルムを含む概念である。
図1から図5において、ボトムシートは気密性及び耐水性を有する材料、好ましくはプラスチック素材からなり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコーン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)などが例示され、特に自己粘着性を有する素材が好ましい。
ボトムシートの厚さは特に限定されず、通常50〜100μm程度のシートが用いられ
る。
ボトムシートの上面には、接着剤が塗布されており、係る接着剤層(図示は省略、以下同様)を介して吸水性素材固定シートA又はCが貼着されている。なお、ボトムシートが自己粘着性を有する素材の場合には、上記の接着剤は使用しなくてもよい。吸水性素材固定シートA又はCには、透孔が一列8個で12列形成されており、合計96個の透孔が設けられている。
透孔の形状は2種類あり、図2及び図3における固定シートAは円筒形、径としては通常直径3.5mm程度とされるがこの径に限定されるものではない。透孔は通常円筒形とされるが、係る形状に特定されず、断面が矩形の孔であってもよい。なお、前述のように、透孔7は後述する透孔8と共にウェルを形成するものであって、その数は96個に限定されるものではない。図4及び図5における固定シートCについては、円筒形で2段の異なった径を有する。2段のうち小さい径は通常直径3.5mm程度とされ、大きい径は通常5.2mm程度とされるがこの径に限定されるものではない。
吸水性素材固定シートA及びCの材質は特に限定されないが、簡便に剥離できる素材が好ましい。吸水性素材固定シートA及びCの厚さは特に限定されず、通常は30〜70μm程度、好ましくは50μm程度のシートが用いられる。
図2及び図3のように吸水性素材固定シートAの上面には、中シートを積層する。中シートには、吸水性素材固定シートAの透孔7に対応する位置に、吸水性素材固定シートAの透孔7より大きな径の透孔9が設けられている。
中シートは耐水性を有し、高周波照射により溶融し得る材料からなり、例えばポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示される。
中シートの厚さは、後述する吸水性素材8の厚みと同じ程度に調節され、通常20〜100μm程度、好ましくは30〜50μm程度のシートが用いられる。
尚、図4及び図5のように吸水性素材固定シートCを使用する場合には、中シートは使用しない。
図2及び図3のように、前記の中シートの透孔内には吸水性素材を収納する。一方、図4及び図5のように、吸水性素材固定シートCを使用する場合は、吸水性素材固定シートCの透孔内の大きい径の部分に吸水性素材を収納する。
吸水性素材は、運搬の対象物(例えば微生物含有液)を滲み込ませ、保持できる材質であれば特に限定されないが、繊維状素材が好ましく、例えば濾紙、不織布、フエルトなどが例示される。
吸水性素材の形状は、透孔9に適合するような形状であればよく、前述のように透孔7及び8が直径3.5mm程度とされる場合には、吸水性素材は直径5mm程度に調製される。
図2及び図3のように、中シートの上面には吸水性素材固定シートBを積層する。吸水性素材固定シートBにも、中シートの透孔9に対応する位置に、中シートの透孔9よりやや小さめの径を有する透孔8が設けられている。より具体的には、透孔8の径は、後述する吸水性素材の径よりも小さくなるように設計する。
図4及び図5のように、吸水性素材固定シートCの上面には、吸水性素材固定シートDを積層する。吸水性素材固定シートDにも吸水性素材固定シートCの透孔9に対応する位置に、吸水性素材固定シートCと同等の径・形状を有する透孔8が設けられている。より
具体的には、透孔8の径は吸水性素材の径よりも若干大きくなるように設ける。
吸水性素材固定シートB及びDの材質は特に限定されないが、簡便に剥離できる素材が好ましい。吸水性素材固定シートB及びDの厚さは、吸水性素材を支持できる程度のものであればよく、通常は30〜70μm程度、好ましくは50μm程度のシートが用いられる。
吸水性素材固定シートB及びDの上面はカバーシートで全面が覆われている。カバーシートは前記ボトムシートと同じ材質・厚みのものが使用され、自己粘着性を有するものが好ましい。ボトムシート及びカバーシートは、脱着自在とするのが好ましく、特にカバーシートは脱着自在とするのが好ましい。ボトムシート、透孔7、8及び9並びにカバーシート(図2及び図3)、又はボトムシート、透孔7、8、9及び10並びにカバーシート(図4及び図5)により、シート積層体の中空部が構成される。
上記の超薄型マルチウェルプレートは、全体の厚みが3mm以下、通常は1mm以下、素材の選択によっては0.5mm以下とすることができ、超薄型マルチウェルプレートである。
図3、図5は、それぞれ図2及び図4に示される超薄型マルチウェルプレートの変形例を示し、同一の部材には同一の符号を付してある。
この例においては、カバーシートが事前に粘着されており、カバーシートを剥がしてから吸水性素材に滴下後、剥離させたカバーシートを再度貼付けするタイプとなる。
本発明においては、前記の如く積層されたシートに高周波を照射することにより、a)吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を、b)吸水性素材固定シートC及び吸水性素材固定シートDの界面を、それぞれ溶融させることにより接着させる。ここで、高周波とは、周波数3.5KHz以上の電磁波をいい、好ましくは10MHz〜50MHzの電磁波が用いられる。高周波の照射は、市販の高周波照射装置を用いて、前記積層シートに高周波を照射することにより実施できる。高周波の照射時間を調節することにより、前記a)吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を、b)吸水性素材固定シートC及び吸水性素材固定シートDの界面を、それぞれ溶融させることができる。例えば、素材としてポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の高周波により溶解する素材を用いた場合には、40MHzの高周波を5〜10秒照射すれば、a)吸水性素材固定シートA及び吸水性素材固定シートBに接する中シートの界面が、b)吸水性素材固定シートC及び吸水性素材固定シートDの界面が、それぞれ溶融するので、これらのシートが均一に接着される。
かくして得られた本発明の超薄型マルチウェルプレートは、密封可能の容器(例えば、ポリ袋、ポリ容器等)に収容し、密封するのが好ましい。容器としては、ポリ袋が簡便で好ましい。
以下、本発明の超薄型マルチウェルプレートの使用方法を、図1から図5に示される超薄型マルチウェルプレートを使用し、運搬対象物として微生物含有液を用いた場合で説明する。
上記のように、密封容器に収容された超薄型マルチウェルプレートは、慣用の滅菌手段(例えば、電子線滅菌、ガンマー線滅菌、高圧蒸気滅菌等)で滅菌する。この滅菌状態で、使用者に供給される。
使用者は、クリーンルームで容器を開封し、本発明の超薄型マルチウェルプレートを取り出す。カバーシート装着タイプについてはカバーシートを剥離する。
かくして、上面を開放した後、透孔を介して吸水性素材に微生物含有液を滴下し、滲み込ませて微生物(菌株)を保持する。微生物含有液は、通常、定常期まで培養・保存されている微生物を慣用の媒体(例えば、15%グリセリンを含むブロス等)に分散させた
液が用いられる。微生物含有液の滴下量は適宜選択することができるが、通常10μl程
度とされる。
なお、本発明の超薄型マルチウェルプレートには複数の吸水性素材が設けられているので、それぞれに異なった微生物(菌株)を保持することができる。すなわち、添付図面の96穴マルチウェルプレートであれば、96種類の微生物を保持することができる。
かくして、各吸水性素材に微生物を保持した後、カバーシートで吸水性素材固定シートの上面を覆う。カバーシートで覆うことにより、雑菌のコンタミネーションを防止すると共に孔相互間の混入を防ぐことができる。
カバーシートで被覆した後、前述の容器(好ましくはポリ袋)に収納し、開口部を慣用の密封手段(例えば、ヒートシール、密封チャック等)で密封し、運搬に供する。
運搬された本発明の超薄型マルチウェルプレートは、受け取った使用者がクリーンルームで開封し、ボトムシートを剥離した後、慣用の固形培地に密着させ、当該培地上にレプリカすることにより、プレート上の全微生物を一度に培養することができる。
この際、マルチウェルプレートに保持された微生物は、固形培地の上にそのままレプリカされるので、位置関係が明確になり、微生物の誤認を防止することができる。また、吸水性素材固定シート2が付いた状態なので、培地に対する接着剤の影響を回避することができる。
なお、運搬対象物がPCR用検体などのようなDNA試料の場合には、まず、各ウェルに溶液(例えば、PCR反応に使用する場合にはPCR反応液)を充填した慣用のマルチウェルプレートを用意する。次いで、本発明の超薄型マルチウェルプレートのボトムシートを剥離し、吸水性素材固定シートA又は吸水性素材固定シートCの下面を、上述の慣用のマルチウェルプレート上に密着させる。この際、慣用のマルチウェルプレートの各ウェルと吸水性素材の位置が対応するように密着させる。密着後、全体を反転させて、ウェル中の溶液を吸水性素材と接触させ、吸水性素材中のDNA試料を溶液中に抽出する。この状態で暫く放置する(約10分程度)。次いで、再度反転させて元の状態にし、遠心分離などの慣用の手段を用いて、吸水性素材中のDNA試料を溶液に移行させる。その後、本発明の超薄型マルチウェルプレートを脱離させ、ウェル中のDNA試料は常法に準じてPCR処理などの目的とする処理工程に付す。
なお、上記の使用法において、微生物については特に限定されず、例えば大腸菌、枯草菌、酵母などが例示される。また、当該微生物は、組換遺伝子を含む形質転換体であってもよく、更には組換遺伝子を有するファージが感染した微生物であってもよい。更に、凍結保存が可能な微生物においては、適当な凍結保護剤(例えば、DMSO等)を含む微生物含有液を、前記吸水性素材に滴下し、以下は上記と同様に密封した後、凍結処理をしてもよい。係る態様によれば、凍結状態で微生物を保管することが可能になる。
本発明の超薄型マルチウェルプレートは、微生物の運搬に供される他、動物細胞の運搬にも利用可能である。動物細胞は通常足場依存性を有するが、前記の吸水性素材が動物細胞の足場として機能する。従って、動物細胞含有液を、前記の吸水性素材に滴下し、以下は上記と同様に密封することにより、動物細胞の運搬に供することができる。この際、当該動物細胞含有液に凍結保護剤を添加することにより、凍結状態で動物細胞を運搬し、また保存することも可能である。
動物細胞としては、慣用の株化細胞の他、組換遺伝子を含む動物細胞(形質転換体)であってもよい。係る形質転換体の調製に用いられる動物細胞としては、遺伝子組換技術で繁用される動物細胞、例えば、マウス線維芽細胞C127、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO、サルCOS細胞などが例示される。
図2から図5に示される本発明の超薄型マルチウェルプレートはいずれも上記と実質的に同様な方法で使用することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
実施例1
図1、図2及び図3に示されるマルチウェルプレートの調製
ボトムシートとしてPET製シート(80mm×120mm×75μm)を用いた。ボトム
シート上にシリコーン系接着剤を均一に塗布し、ボトムシート上に、図1に示されるように一列8個で12列の等間隔で設けた透孔(直径約3.5mm)を有するポリウレタン製吸水性素材固定シート(80mm×120mm×30μm)を重ね合わせて貼着した。
吸水性素材固定シートの上に、吸水性素材固定シートの透孔に対応する位置に透孔(直径約5.2mm)を有するポリウレタン製中シートを、透孔の中心が一致するように重ね合わせて貼着した。次いで、中シートの各透孔に、濾紙(直径約5mm、厚さ約40μm)を
入れた。
前記ボトムシートと吸水性素材固定シートとの組み合わせと同様のカバーシートと吸水性素材固定シートの組み合わせたもの、又は、前記と同様の吸水性素材固定シートを、上記中シート上面に、透孔の中心が略一致するように重ね合わせた。
次いで、得られた積層シートを、高周波溶着機を用いて、
高周波照射(40MHz、10秒)した。
得られたマルチウェルプレートは、ポリ袋(220mm×95mm)に収容し、開口部をヒートシールした後、電子線滅菌処理を行った。
実施例2
図1、図4及び図5に示されるマルチウェルプレートの調製
ボトムシートとしてPET製シート(80mm×120mm×75μm)を用いた。ボトム
シート上にシリコーン系接着剤を均一に塗布し、ボトムシート上に、図1に示されるように一列8個で12列の等間隔で設けた透孔(2段構成になっており、大きい径は直径約5.2mm、小さい径は直径約3.5mm)を有するポリウレタン製吸水性素材固定シート(80mm×120mm×30μm)を重ね合わせて貼着した。
吸水性素材固定シートの各透孔に、濾紙(直径約5mm、厚さ約40μm)を入れた。
前記ボトムシートと吸水性素材固定シートとの組み合わせと同様のカバーシートと吸水性素材固定シートの組み合わせたもの、又は、前記と同様の吸水性素材固定シートを、上記固定シート上面に、透孔の中心が略一致するように重ね合わせた。
次いで、得られた積層シートを、高周波溶着機を用いて、
高周波照射(40MHz、10秒)した。
得られたマルチウェルプレートは、ポリ袋(220mm×95mm)に収容し、開口部をヒートシールした後、電子線滅菌処理を行った。
本発明のマルチウェルプレートの一例を示す平面概略図である。 図1のA−A線断面の部分拡大概念図である。 本発明のマルチウェルプレートの変形例を示す部分拡大概念図である。 本発明のマルチウェルプレートの変形例を示す部分拡大概念図である。 本発明のマルチウェルプレートの変形例を示す部分拡大概念図である。
符号の説明
1:ボトムシート
2:吸水性素材固定シートA
3:中シート
4:吸水性素材
5:吸水性素材固定シートB
6:カバーシート
7、8、9、10:透孔
2a:吸水性素材固定シートC
5a:吸水性素材固定シートD

Claims (5)

  1. (1)ボトムシート、(2)複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートA、(3)吸水性素材固定シートAの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートAの透孔の径より大きな径を有する中シート、(4)中シートの透孔内に吸水性素材、及び(5)中シートの透孔に対応する位置に、中シートの透孔の径より小さな径を有する吸水性素材固定シートBを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法であって、前記吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの材料がポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である超薄型マルチウェルプレートの製造法。
  2. (1)ボトムシート、(2)複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートA、(3)吸水性素材固定シートAの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートAの透孔の径より大きな径を有する中シート、(4)中シートの透孔内に吸水性素材、(5)中シートの透孔に対応する位置に、中シートの透孔の径より小さな径を有する吸水性素材固定シートB、及び(6)吸水性素材固定シートB上を覆う粘着されたカバーシートを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法であって、前記吸水性素材固定シートA、中シート及び吸水性素材固定シートBの材料がポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である超薄型マルチウェルプレートの製造法。
  3. (1)ボトムシート、(2a)吸水性素材の径より小さい透孔と吸水性素材と同等もしくは若干大きい径の透孔の2段構成となっている複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートC、(4)固定シートCの透孔内に吸水性素材、(5a)吸水性素材固定シートCの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートCの透孔と同様の透孔を有する吸水性素材固定シートDを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法であって、前記吸水性素材固定シートA、C及び吸水性素材固定シートDの材料がポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である超薄型マルチウェルプレートの製造法。
  4. (1)ボトムシート、(2a)吸水性素材の径より小さい透孔と吸水性素材と同等もしくは若干大きい径の透孔の2段構成となっている複数の透孔を有し、ボトムシートに貼着された吸水性素材固定シートC、(4)吸水性素材固定シートCの透孔内に吸水性素材、(5a)吸水性素材固定シートCの透孔に対応する位置に、吸水性素材固定シートCの透孔と同様の透孔を有する吸水性素材固定シートD、及び(6)吸水性素材固定シートD上を覆う粘着されたカバーシートを順次積層し、高周波を照射して吸水性素材固定シートC、及び吸水性素材固定シートDの界面を溶融接着させることを特徴とする、複数の中空部を有し、各中空部に吸水性素材が保持されたシート積層体からなる超薄型マルチウェルプレートの製造法であって、前記吸水性素材固定シートC及び吸水性素材固定シートDの材料がポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である超薄型マルチウェルプレートの製造法。
  5. ボトムシート及びカバーシートが、脱着自在のシートである請求項1〜4のいずれか1項記載の超薄型マルチウェルプレートの製造法。
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