JP2017084567A - 非水電解質二次電池用負極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いた造粒体成形法により、負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供する。【解決手段】非水電解質二次電池用負極の製造方法は、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子、結着材および水系溶媒を含む造粒体を形成する工程と、造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置する工程と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池用負極の製造方法に関する。
特開2006−338977号公報(特許文献1)には、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)の負極活物質として、黒鉛と非晶質炭素(平均粒径10〜15μm)との混合材料を使用することが開示されている。
特許文献1によれば、負極活物質として黒鉛と非晶質炭素との混合材料を使用することにより、非水電解質二次電池の低温での入出力特性(低温特性)が向上するとされている。しかし、当該負極活物質を用いてもなお、低温特性には改善の余地が残されている。
低温特性を更に向上させる方法として、電極製造時のバインダマイグレーションを抑制することが考えられる。バインダマイグレーションとは、負極活物質、バインダおよび溶媒を含む塗料を乾燥させて負極合材層を形成する際に、溶媒に対流が生じ、結着材が塗膜の表層へと移動する現象である。一般に結着材は抵抗成分であるため、バインダマイグレーションが発生した電極では入出力特性が低下することになる。
バインダマイグレーションの根本原因は、塗料の溶媒量が多いことにあると考えられる。そこで、塗料ではなく、造粒体から電極を製造することにより、バインダマイグレーションの抑制が期待できる。造粒体とは、負極活物質、結着材および少量の溶媒を含む造粒粒子(複合粒子)の集合体である。造粒体は、たとえばロール成形により圧縮することでシート状の電極合材層となって、電極集電体上に配置される。以下、こうした製造方法を「造粒体成形法」とも記す。造粒体は湿潤状態の粉体であり、塗料に比べ溶媒量が少量である。したがって、造粒体成形法により、バインダマイグレーションが抑制され、入出力特性の向上が期待できる。
そこで、本発明者らは、黒鉛粒子、非晶質炭素粒子および溶媒を含む造粒体を調製し、負極の製造を試みた。しかしながら、当該造粒体を用いて電極を製造すると、圧縮時、造粒粒子の流動性が低く、負極合材層を負極集電体上に均一に配置することが難しく、負極表面にスケ(負極集電体が透けて見える部分)等が発生し易いことが判明した。表面にスケ等が発生した部分の負極は、品質面で製品として使用できず、製造の歩留まり低下につながる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、低温特性が向上し、かつ負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供することを目的とする。
〔1〕非水電解質二次電池用負極の製造方法は、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子、結着材および水系溶媒を含む造粒体を形成する工程と、造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置する工程と、を備える。
上記によれば、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いた造粒体成形法により、負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供することができる。その理由は次のように考えられる。
本発明者らは、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いて、負極を製造する場合に、造粒体成形法で負極合材層を形成する際の圧縮により、造粒粒子から溶媒が染み出す現象を確認している。これは、一般に非晶質炭素粒子が黒鉛粒子に比べて溶媒保持性が低いからであると推測される。
図2は、造粒粒子からの溶媒の染み出しの機構を説明するための概念図である。造粒粒子に圧縮力(応力)が加えられた場合、図2に示されるように、フック法則に従う弾性変形(フック弾性変形)、ひずみ硬化、または、ひずみ軟化のいずれかで変形する。黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒粒子は、黒鉛粒子を含み非晶質炭素粒子を含まない造粒粒子に比べて、ひずみ硬化で変形しやすい。すなわち、造粒粒子のひずみ量が所定値から大きくならず、さらに応力を大きくしても溶媒だけが染み出して粒子が硬化する。このため、造粒体を負極集電体上に圧縮することでシート状に配置する際に、造粒粒子から溶媒が染み出して硬化し、造粒粒子をムラなく塗り広げることができない。また、造粒粒子から溶媒が染み出すことで、造粒体の溶媒保持量が低下し、造粒体の流動性(塗工性)が低下する。
このため、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いて負極合材層を形成する場合、負極合材層を負極集電体上に均一に配置することが難しくなり、負極表面にスケ等が発生し易くなったと考えられる。
しかし、本発明者らは、平均粒径が3μm以下の非晶質炭素粒子を用いた場合であれば、造粒体成形法で負極合材層を形成する際における造粒粒子からの溶媒の染み出しを抑制できることを見出した。
これは、平均粒径が3μm以下の非晶質炭素粒子を用いることで、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒粒子であっても、溶媒保持性が改善されたためであると考えられる。造粒粒子の溶媒保持性が改善されると、造粒体を圧縮することでシート状に成形する際に、造粒粒子のひずみ硬化が抑制され、造粒粒子がひずみ軟化の状態で変形し易くなるため、造粒体をムラなく塗り広げることができる。また、造粒体の溶媒保持性が高められ、造粒体の塗工性が向上する。したがって、造粒体(負極合材層)を負極集電体上に均一に塗工することができる。
一方、非晶質炭素粒子の平均粒径が1μm以下の場合、造粒粒子の溶媒保持性が高くなり過ぎて、造粒体の溶媒保持量が多くなる。このため、造粒体のロールへの付着性が高くなり、負極集電体への塗工が難しくなってしまう。
したがって、上記〔1〕のように、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子を用いることで、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いた造粒体成形法により、負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供することができる。
なお、負極活物質として黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを併用した場合、低温環境下では、黒鉛粒子の反応抵抗が増加し、リチウムイオンの受入れ性が低下する。この場合においても、非晶質炭素粒子は層間が黒鉛粒子よりも大きいため、リチウムイオン受入れ性が高く、低温環境下でも、入力特性を向上させることができる。
負極活物質として黒鉛粒子と非晶質炭素粒子と併用し、造粒体成形法を用いて負極を製造する場合でも、同様の理由から負極の低温特性が向上すると考えられる。本発明者らは、黒鉛粒子の平均粒径が6μm以上9μm以下の場合について、そのような負極の低温特性の向上効果が得られることを実際に確認している。
上記によれば、低温特性が向上し、かつ負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」とも記す。)の一例を説明する。ただし、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
本実施形態の非水電解質二次電池用負極の製造方法は、少なくとも以下の造粒体形成工程と、配置工程とをこの順で備える。
(造粒体形成工程)
造粒体形成工程では、黒鉛粒子、非晶質炭素粒子、結着材および水系溶媒を含む造粒体を形成する。
造粒体形成工程では、黒鉛粒子、非晶質炭素粒子、結着材および水系溶媒を含む造粒体を形成する。
黒鉛粒子は、黒鉛(グラファイト)を含む粒子である。黒鉛は、好ましくは天然黒鉛である。黒鉛粒子は、天然黒鉛粒子と、該天然黒鉛粒子に付着した非晶質炭素(アモルファスカーボン)とを含む複合粒子でもよい。天然黒鉛粒子は、鱗片状黒鉛に球形化処理を施した粒子(いわゆる球形化黒鉛)でもよい。非晶質炭素は、天然黒鉛粒子の全面を被覆していてもよいし、一部分に付着しているだけでもよい。非晶質炭素は、好ましくは天然黒鉛粒子の全面を被覆する。
黒鉛粒子の平均粒径は、6μm以上9μm以下である。このような黒鉛粒子と後述の非晶質炭素粒子とを含む造粒粒子を用いて負極を製造することで、負極の低温特性(たとえば、低温での入出力特性)を向上させることができる。
なお、本明細書の「平均粒径」は、レーザ回折・散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において、積算値50%での粒径(「d50」、「メジアン径」とも称される。)を示すものとする。
非晶質炭素粒子は、黒鉛よりも結晶性(結晶化度)が低い炭素(非晶質炭素)からなる粒子である。非晶質炭素は、たとえば、カーボンブラック、カーボンファイバー、活性炭、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)等である。
非晶質炭素粒子の平均粒径は、1μm以上3μm以下である。平均粒径3μm以下の非晶質炭素粒子を用いることで、非晶質炭素粒子の溶媒保持性が改善され、造粒体の溶媒保持性が高められる。また、平均粒径1μm以上の非晶質炭素粒子を用いることで、造粒粒子の溶媒保持性が高くなり過ぎず、造粒体のロールへの付着を抑制することができる。
結着材は、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。結着材として、たとえばCMCとSBRとを併用することができる。なお、結着材として、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリル酸(PAA)、PAA架橋体等を用いてもよい。結着材の配合量は、100質量部の負極合材に対して、たとえば1.0〜4質量部程度でよい。たとえば、結着材として、0.5〜2.0質量部のCMCと0.5〜2.0質量部のSBRとを併用すればよい。
造粒体の固形分の総量に対する各成分の配合比率(すなわち負極合材層の組成比率)は、たとえば次のとおりである。なお、上記の黒鉛粒子および非晶質炭素粒子が負極活物質に相当する。
負極活物質: 96.0〜99.0質量%程度
〔黒鉛粒子:非晶質炭素粒子=8:2〜4:6程度(質量比)〕
結着材: 1.0〜4.0質量%程度。
負極活物質: 96.0〜99.0質量%程度
〔黒鉛粒子:非晶質炭素粒子=8:2〜4:6程度(質量比)〕
結着材: 1.0〜4.0質量%程度。
「水系溶媒」は、水または水と極性有機溶媒とを含む混合溶媒を示す。取扱いの容易さからは、水が最も好ましい。混合溶媒に使用可能な極性有機溶媒としては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
溶媒の使用量は、たとえば造粒体の固形分比率が50〜80質量%程度となるように調整すればよい。ここで「固形分比率」とは、溶媒を含む全ての原材料の質量合計に対する溶媒以外の成分(不揮発成分)質量の比率を示す。
造粒体は、たとえば、上記の負極活物質(黒鉛粒子および非晶質炭素粒子)、結着材、水系溶媒等を混合することにより、作製することができる。造粒体の作製に用いられる各種造粒操作としては、たとえば、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒等が挙げられる。また、押出造粒により造粒粒子を所定の形状(たとえば、円柱形)に成形することで、造粒体を作製してもよい。
(配置工程)
配置工程では、造粒体形成工程で作製した造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置する。たとえば、造粒体を圧縮することでシート状に成形し、シート状に成形された造粒体を負極集電体に転写することで、造粒体をシート状に負極集電体上に配置することができる。なお、本工程の具体例については、後述の実施例で説明する。
配置工程では、造粒体形成工程で作製した造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置する。たとえば、造粒体を圧縮することでシート状に成形し、シート状に成形された造粒体を負極集電体に転写することで、造粒体をシート状に負極集電体上に配置することができる。なお、本工程の具体例については、後述の実施例で説明する。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<負極シートの製造>
以下のようにして、実施例1〜12および比較例1〜10の負極シート(非水電解質二次電池用負極)を製造した。
以下のようにして、実施例1〜12および比較例1〜10の負極シート(非水電解質二次電池用負極)を製造した。
〔実施例1〜12および比較例1〜10〕
図3は、本実施例の負極シートの製造方法の概略を示すフローチャートである。図3に示すように、当該製造方法は、造粒体形成工程(S10)および配置工程(S20)を備える。
図3は、本実施例の負極シートの製造方法の概略を示すフローチャートである。図3に示すように、当該製造方法は、造粒体形成工程(S10)および配置工程(S20)を備える。
1.造粒体形成工程(S10)
まず、以下の材料を準備した。
負極活物質: 非晶質コート球形化天然黒鉛
非晶質炭素粒子
結着材: CMC
SBR
なお、「非晶質コート球形化天然黒鉛」とは、球形化処理が施された天然黒鉛粒子に、非晶質炭素による被覆処理をさらに施した複合粒子を示している。非晶質炭素粒子としては、カーボトロンP(登録商標:(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製)を粉砕したものを用いた。また、黒鉛粒子の平均粒径および非晶質炭素粒子の平均粒径は表1に示すとおりである。
まず、以下の材料を準備した。
負極活物質: 非晶質コート球形化天然黒鉛
非晶質炭素粒子
結着材: CMC
SBR
なお、「非晶質コート球形化天然黒鉛」とは、球形化処理が施された天然黒鉛粒子に、非晶質炭素による被覆処理をさらに施した複合粒子を示している。非晶質炭素粒子としては、カーボトロンP(登録商標:(株)クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製)を粉砕したものを用いた。また、黒鉛粒子の平均粒径および非晶質炭素粒子の平均粒径は表1に示すとおりである。
混合装置の混合槽に、負極活物質(98質量部)、CMC(1質量部)およびSBR(1質量部)を投入し、乾燥状態で撹拌混合することにより混合粉末を得た。混合槽に投入した固形分(上記材料)中の黒鉛粒子および非晶質炭素粒子の配合比率は、表1に示すとおりである。
攪拌造粒装置(ハイスピードミキサ:アーステクニカ社製)の攪拌槽に、混合工程で得た混合粉末および水を固形分比率88質量%となる量で投入し、混合した。なお、アジテータの回転数を300rpmとし、チョッパーの回転数を1200rpmとして、5分間の混合を行った。その後、撹拌槽に固形分比率70質量%となるように更に水を加え、再度同様の混合を行うことで、粘土状混合物を得た。
次に、押出し造粒機(インライン式円筒造粒機:アーステクニカ社製)の直径1mmの孔を有する攪拌槽に、上記の粘土状混合物を投入し、押出し羽根の回転数を2000rpmとして運転し、直径1mmの円柱形の造粒粒子からなる造粒体を得た。
2.配置工程(S20)
配置工程では、造粒体形成工程で得た造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置した。これにより造粒体は、負極合材層となる。詳細は以下のとおりである。
配置工程では、造粒体形成工程で得た造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置した。これにより造粒体は、負極合材層となる。詳細は以下のとおりである。
まず、図4に示す電極製造装置90を準備した。図4に示す電極製造装置90は、フィーダ95と、3本のロール(Aロール91、Bロール92およびCロール93)とから構成される。各ロールに描かれた曲線矢印は、各ロールの回転方向を示している。造粒体は、フィーダ95に供給される。フィーダ95は、造粒体8をAロール91とBロール92との間に供給する。造粒体8は、Aロール91またはBロール92上を搬送され、Aロール91とBロール92とのギャップに供給される。Aロール91には所定の荷重が印加される。Aロール91とBロール92とのギャップでは、造粒体が圧密(圧縮)され、シート状に成形される。シート状となった造粒体の目付量(単位面積当たりの質量)は、ギャップによって調整可能である。
次いで、シート状となった造粒体8aを負極集電体上に配置する。負極集電体は銅(Cu)箔である。
図4に示すように、負極集電体11はCロール93上を搬送され、Bロール92とCロール93とのギャップに供給される。造粒体8aは、Aロール91とBロール92とのギャップを出た後、Bロール92上を搬送され、Bロール92とCロール93とのギャップに供給される。
Bロール92とCロール93とのギャップでは、造粒体8aが負極集電体11に押しつけられ、造粒体8aはBロール92から離れて、負極集電体11に圧着される。すなわち、造粒体8aがBロール92から負極集電体11に転写される。こうして造粒体がシート状に負極集電体上の所定位置に配置され、負極合材層となる。
最後に、たとえばスリッタ等を用いて所定のサイズに切断加工することにより、図5に示すような負極シート10を製造した。なお、図5において、造粒体は負極合材層12となっている。
図4に示す電極製造装置90に負極集電体11を供給し、負極集電体11の両面にシート状になった造粒体8aを配置した。乾燥炉を用いて造粒体を乾燥させ、ロール圧延機を用いて造粒体を圧縮した。さらに所定の寸法に切断加工することにより、図5に示す負極シート10を製造した。図5において造粒体は、負極合材層12となっている。このようにして、実施例1〜12および比較例1〜10の負極シートを製造した。
〔造粒体の溶媒保持性(保水性)の評価〕
上記実施例および比較例において造粒体形成工程で得られた(配置工程前の)造粒体について、固形分比率(A)を加熱乾燥重量測定法により求めた。
上記実施例および比較例において造粒体形成工程で得られた(配置工程前の)造粒体について、固形分比率(A)を加熱乾燥重量測定法により求めた。
次に、造粒体4gを、直径2cmの円筒状の容器(造粒粒子よりも小さい隙間を有する)に入れて、10MPaの圧力で圧縮し、造粒体中の水分を押し出す。水分を押し出された後の造粒体の固形分比率(B)を加熱乾燥重量測定法により求めた。
造粒体の圧縮試験前の固形分比率(A)と、造粒体の圧縮試験後の固形分比率(B)より、以下の式(1)を用いて、造粒体の保水率(溶媒保持率)を求めた。保水率の測定結果を表1に示す。
〔負極シートの評価〕
実施例1〜12および比較例1〜10の負極シートについて、以下のようにして評価(外観評価)した。
実施例1〜12および比較例1〜10の負極シートについて、以下のようにして評価(外観評価)した。
負極シート10の負極合材層12側の表面におけるスケ(負極集電体が透けて見える部分)の有無を目視で確認した。評価結果を表1の外観評価に示す。なお、表1では、スケが確認されなかった場合を「スケなし」、スケが確認された場合を「スケ発生」と記載している。また、負極シートの外観評価を行うまでもなく、負極合材層のロールへの付着量が多く、負極シートを作製できなかった場合を「ロール付着」と記載している。
〔結果と考察〕
実施例1〜9の負極シートは、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子と、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子とを、いずれも49質量%の配合比率(造粒体の固形分総量に対する比率)で含む負極シートである。実施例1〜9では、スケの発生は観察されなかった。
実施例1〜9の負極シートは、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子と、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子とを、いずれも49質量%の配合比率(造粒体の固形分総量に対する比率)で含む負極シートである。実施例1〜9では、スケの発生は観察されなかった。
実施例10〜12は、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子と、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子とを、それぞれ78質量%および20質量%の配合比率で含む負極シートである。実施例10〜12は、黒鉛粒子と非晶質炭素粒子の配合比率のみが実施例1〜3と異なる。実施例10〜12においても、スケの発生は観察されなかった。
一方、比較例2、4、6および8のように平均粒径5μmの非晶質炭素粒子を用いた場合には、スケが発生した。同様に、比較例9および10のようにそれぞれ平均粒径7μmおよび10μmの非晶質炭素粒子を用いた場合も、スケが発生した。また、比較例1、3、5および7のように、平均粒径0.5μmの非晶質炭素粒子を用いた場合には、造粒体がロ―ルに付着して、負極シートを製造することができなかった。
以上の表1に示される結果から、平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子と非晶質炭素粒子とを含む造粒体を用いて負極シート(非水電解質二次電池用負極)を製造する場合において、非晶質炭素粒子の粒径を1μm以上3μm以下とすることで、スケ等の発生を抑制し、負極合材層が負極集電体上に均一に配置された非水電解質二次電池用負極を提供できることが分かる。
図1は、実施例1〜3および比較例1、2、9および10における造粒体に関するグラフである。図1では、非晶質炭素粒子の平均粒径と造粒体の保水率との関係を棒グラフで示した。併せて、図1では、非晶質炭素粒子の平均粒径と造粒体の圧縮試験前の固形分比率(A)との関係を折れ線グラフで示した。
図1に示されるように、非晶質炭素粒子の平均粒径が小さくなる程、造粒体の保水率が高くなることが分かる。また、非晶質炭素粒子の平均粒径が小さくなる程、造粒体の固形分比率が低下することが分かる。そして、非晶質炭素粒子の平均粒径が3μmより大きくなると、負極シートにスケが発生し、非晶質炭素粒子の平均粒径が1μm未満になると、造粒体がロールに付着して負極シートを製造することが困難になる。したがって、図1からも、非晶質炭素粒子の粒径を1μm以上3μm以下とすることで、スケ等の発生を抑制し、負極合材層が負極集電体上に均一に配置された負極シート(非水電解質二次電池用負極)を提供できることが分かる。
上記した本実施形態の負極を備える非水電解質二次電池は、低温特性(低温入力特性)も良好である。そのため、ハイレート特性が重視される動力用途の電源として特に好適である。そのような電源としては、たとえばストロング方式のハイブリッド自動車、電気自動車用等の電源が考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
8,8a 造粒体、10 負極シート、11 負極集電体、12 負極合材層、90 電極製造装置、91 Aロール、92 Bロール、93 Cロール、95 フィーダ。
Claims (1)
- 平均粒径6μm以上9μm以下の黒鉛粒子、平均粒径1μm以上3μm以下の非晶質炭素粒子、結着材および水系溶媒を含む造粒体を形成する工程と、
前記造粒体を圧縮することでシート状に負極集電体上に配置する工程と、を備える、非水電解質二次電池用負極の製造方法。
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