JP2017083480A - 再帰反射シート - Google Patents

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Toshiaki Shiomi
敏明 塩見
智博 林
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智博 林
育夫 三村
Ikuo Mimura
育夫 三村
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Abstract

【課題】
所望の反射性能を得つつ柔軟性に優れる再帰反射シートを提供する。
【解決手段】
本発明の再帰反射シート1は、板状の部位である保持体部11と、保持体部11に形成される複数の再帰反射素子からなる再帰反射素子部12とを一体化した単層の再帰反射層10と、再帰反射素子部12と部分的に密着され、再帰反射素子部12と自身との間に空間を形成する結合材層20とを備える。再帰反射層10の弾性率は9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下であり、再帰反射素子部12の厚さTH1に対する保持体部11の厚さTH2の比は、0.5以上1.0以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は再帰反射シートに関し、所望の反射性能を得つつ柔軟性を高める場合に好適なものである。
従来から、入射した光を光源に向かって反射する再帰反射シートが知られており、交通標識、案内標識、車両用のナンバープレート、広告看板、車線分離標、視線誘導標などに広く利用されている。
このような再帰反射シートは曲面に設けられることもあり、柔軟性を有する再帰反射シートが求められる。
下記特許文献1では、高い反射率を維持しながら大きく屈曲できる再帰反射シートが提案されている。
この再帰反射シートは、多数のキューブコーナー要素と、当該キューブコーナー要素を支持する本体層とを有している。キューブコーナー要素は16×10パスカルを超える光透過性高分子材料を含有し、本体層は7×10パスカル未満の光透過性高分子材料を含有している。
特許第3623506号
しかしながら、上記特許文献1におけるキューブコーナー要素は、16×10パスカルを超える光透過性高分子材料を含有しているため、再帰反射シートの柔軟性が不十分となる場合がある。
その一方、上記特許文献1におけるキューブコーナー要素が含有する光透過性高分子材料の弾性率を小さくするほど、当該キューブコーナー要素が弾性変形しやすくなるため、その形状を維持できなくなる傾向にある。このため、キューブコーナー要素での反射性能が低減することが想起される。
そこで本発明は、所望の反射性能を得つつ柔軟性に優れる再帰反射シートを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の再帰反射シートは、板状の部位である保持体部と、前記保持体部に形成される複数の再帰反射素子からなる再帰反射素子部とを一体化した単層の再帰反射層と、前記再帰反射素子部と部分的に密着して、前記再帰反射素子部と自身との間に空間を形成する結合材層とを備え、前記再帰反射層の弾性率は、9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下であり、前記再帰反射素子部の厚さに対する前記保持体部の厚さの比は、0.5以上1.0以下であることを特徴とする。
本発明の再帰反射シートは、再帰反射層の弾性率を9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下とすることで、再帰反射素子部を構成する各再帰反射素子の素子形状を維持しつつ、再帰反射素子部を従来のものより柔らかくすることができる。
ところが、再帰反射素子部が従来のものより柔らかくなったことに起因して、再帰反射素子部を形成する際にその再帰反射素子部を構成する再帰反射素子の位置精度が悪化し反射性能が低下する場合がある。
これに対し、本発明の再帰反射シートは、再帰反射素子部と同じ弾性率を有する保持体部を再帰反射素子部と一体化した上で、再帰反射素子部の厚さに対する保持体部の厚さの比を0.5以上1.0以下とすることで、再帰反射素子部を形成する際にその再帰反射素子部を構成する再帰反射素子の位置精度の悪化を抑えつつ、再帰反射層の柔軟性を確保している。
その結果、本発明の再帰反射シートは、所望の反射性能を得つつ柔軟性を高めることができる。
また、前記再帰反射層は、フッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する樹脂組成物により形成されることが好ましい。
このようにした場合、所望の反射性能を得つつ柔軟性を向上させることのみならず、耐候性も向上させることができる。
また、前記結合材層の弾性率は、前記再帰反射層の弾性率よりも小さいことが好ましい。
このようにした場合、結合材層の弾性率が再帰反射層の弾性率よりも大きい場合に比べて、再帰反射シートを曲げたときに再帰反射素子部にかかる負荷を軽減することができる。したがって、再帰反射シートにおける柔軟性をより一段と向上させることができる。
また、前記空間は、複数の独立した小空間に区画されており、前記再帰反射シートを前記保持体部側から正面視した場合の各前記小空間の面積は、25.0mm以上であることが好ましい。
各小空間は、再帰反射層と結合材層とが密着していない部分であるため、再帰反射シートを曲げた際に主に曲がる部分となる。このような小空間の面積が25.0mm以上とされた場合、当該面積が25.0mm未満である場合に比べて再帰反射シートを曲げ易くできるため、再帰反射シートにおける柔軟性をより一段と向上させることができる。
また、前記再帰反射層は、再帰反射シートにおける厚さ方向の最も外側に配置されることが好ましい。
このようにした場合、再帰反射層の保持体部側の表面に他の層を設ける場合に比べて、再帰反射シートを薄くすることができるため、柔軟性をより一段と向上させることができる。
このように本発明によれば、所望の反射性能を得つつ柔軟性に優れる再帰反射シートを提供することができる。
本実施形態における再帰反射シートの断面を示す図である。 保持体部側から正面視した再帰反射シートを示す図である。
本発明に好適となる実施形態について図1と図2を用いながら詳細に説明する。図1は、本実施形態における再帰反射シートの断面を示す図である。図2は、保持体部側から正面視した再帰反射シートを示す図である。図1に示すように、本実施形態における再帰反射シート1は、再帰反射層10および結合材層20を主な構成要素として備える。
再帰反射層10は、保持体部11と再帰反射素子部12とを一体化した単一の層であり、当該保持体部11側から入射した光を再帰反射素子部12と、結合材層20によって形成される空間との界面IFで内部全反射し、入射した光を再帰反射させる。
保持体部11は、板形状の部位である。再帰反射素子部12は、保持体部11に形成される複数の再帰反射素子から構成される。再帰反射素子は、入射した光を再帰反射させるのに適した反射面を有している限り特に限定されるものではない。
特に、三角錐や六角錐などの多面体の再帰反射素子を最密充填状に配置して再帰反射素子部12が形成された場合、反射性能が優れるので好ましい。なお、このような再帰反射素子はキューブコーナー型再帰反射素子と呼ばれ、例えば、特開2008−70898に示されている。
このような再帰反射層10の弾性率は、9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下である。また、再帰反射素子部12の厚さTH1に対する保持体部11の厚さTH2の比は0.5以上1.0以下である。また、再帰反射層10の厚さは0.050mm以上0.200mm以下であることが、柔軟性の観点から好ましい。
再帰反射層10の弾性率は、ASTM D882に準じて測定する。例えば、再帰反射シート1の再帰反射層から、適当な大きさの試験片を切り出して、ASTM D882に準じて測定する。
なお、再帰反射素子部12の厚さTH1は、保持体部11から突出するように保持体部11に形成される再帰反射素子の高さである。具体的には、例えば、光学顕微鏡を用いて再帰反射層10の断面を観察して、保持体部11に形成される200個の再帰反射素子の高さをそれぞれ求め、それらの平均値を算出することで再帰反射素子部12の厚さTH1が求められる。
再帰反射層10の材料としては、光学的特性に優れたものがよい。例えば、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂などが挙げられる。特に、フッ化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
フッ化ビニリデン系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体などが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸2エチルヘキシルなどが挙げられる。
なお、耐候性及び柔軟性を向上させる観点では、フッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する樹脂組成物で形成される再帰反射層10であることが好ましい。耐候性に優れるフッ化ビニリデン系樹脂と柔軟性に優れるアクリル系樹脂とを含む樹脂組成物により層を形成することで、再帰反射層の耐候性及び柔軟性に優れたものにすることができる。
本実施形態の場合、再帰反射層10は、再帰反射シート1における厚さ方向の最も外側に配置され、保持体部11の表面が再帰反射シート1の表面とされている。しかしながら、この保持体部11の表面に保護層や着色層などの薄膜層が積層されていてもよい。
結合材層20は、再帰反射層10の再帰反射素子部12側に積層して設けられ、再帰反射素子部12と部分的に密着して、再帰反射素子部12と自身との間に空間を形成する。
結合材層20は、板状の部位である支持体部21と柱状の部位である支柱部22とを有する単一の層である。なお、結合材層20は二層以上の層から構成されていてもよい。支柱部22は、支持体部21から再帰反射層10の再帰反射素子部12に向かって延在し、当該再帰反射素子部12における表面の一部と密着している。
これら支柱部22の、再帰反射シート1の面方向の断面形状(再帰反射シート1を保持体部11側から正面視した場合の形状)は、網目状になっており、結合材層20と再帰反射素子部12との間には、支柱部22により区画された、独立した小空間ARが複数形成される。
図2に示すように、保持体部11から再帰反射シート1を正面視した場合の小空間ARの面積(以下、セル面積という)CAは、25.0mm以上である。
このような結合材層20は、再帰反射素子部12との空間に水分が侵入するのを防止する封入密封構造とされることが好ましい。結合材層20と再帰反射層10の再帰反射素子部12との空間に侵入した水分に起因して、当該空間と再帰反射素子部12の界面での反射性能の低下を防止できるからである。
このような結合材層20の弾性率は、5.0×10Pa以上40.0×10Pa以下である。また、結合材層20の厚さは0.010mm以上0.200mm以下である。なお、再帰反射シート1が曲げられた際に再帰反射素子部12に加わる負荷を低減する観点では、結合材層20の弾性率は、再帰反射層10の弾性率よりも小さいことが好ましい。
結合材層20の材料としては、例えば、再帰反射層10と同様の樹脂などが挙げられる。なお、結合材層20の材料は、再帰反射層10と同じであっても異なっていてもよい。なお、再帰反射層10との密着性の観点では、結合材層20は、再帰反射層10に含まれる同様の樹脂を含む樹脂組成物より形成されることが好ましい。さらに、着色剤、改質剤などの添加剤が含まれていてもよい。
粘着剤層30は、結合材層20において再帰反射層10に対向する一方の面とは逆側の他方の面に積層される。この粘着剤層30の厚さは0.030mm以上0.200mm以下である。
粘着剤層30の材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、シリコーンゴム系樹脂などが挙げられる。
なお、再帰反射シート1が未使用のときには、粘着剤層30において結合材層20に対向する一方の面とは逆側の他方の面に剥離層RLが積層され、当該粘着剤層30にゴミなどが付着することが防止される。一方、再帰反射シート1を使用するときには、剥離層RLは粘着剤層30から剥離される。
以上のとおり、本実施形態の再帰反射シート1は、保持体部11および再帰反射素子部12を一体として形成される再帰反射層10と、再帰反射素子部12との間に空間を形成するための結合材層20とを備えている。
この再帰反射シート1は、再帰反射層10の弾性率を9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下とすることで、再帰反射素子部12を構成する各再帰反射素子の素子形状を維持しつつ、再帰反射素子部12を従来のものより柔らかくしている。
ところで、再帰反射層10の弾性率を9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下としただけである場合、再帰反射素子部12が従来のものより柔らかくなったことに起因して、再帰反射素子部12を形成する際にその再帰反射素子部12を構成する再帰反射素子の位置精度が悪化して反射性能が低下する場合がある。
これに対し、本実施形態における再帰反射層10は、再帰反射素子部12と同じ弾性率を有する保持体部11を再帰反射素子部12と一体化した上で、再帰反射素子部12の厚さTH1に対する保持体部11の厚さTH2の比を0.5以上1.0以下としている。このようにすることで、再帰反射素子部12を形成する際にその再帰反射素子部12を構成する再帰反射素子の位置精度の悪化を抑えつつ、再帰反射層10の柔軟性を確保している。
その結果、本実施形態の再帰反射シート1は、所望の反射性能を得つつ柔軟性を高めることができる。
なお、再帰反射層10は、フッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する樹脂組成物で形成する場合、所望の反射性能を得つつ柔軟性を高めることのみならず、耐候性も向上させることができる。このため、再帰反射層10の保持体部11側の表面に、耐候性を向上させるために、表面保護層等の層を別途設ける必要がなくなるため、柔軟性をより一段と向上させることができる。
また、本実施形態における再帰反射シート1では、再帰反射層10と粘着剤層30との間に配置される結合材層20は単一の層から形成されている。このため、結合材層20を複数の層で構成する場合に比べて、再帰反射シート1を薄くすることができるため、柔軟性をより一段と向上させることができる。
本実施形態の単層の結合材層20は、その弾性率が再帰反射層10の弾性率よりも小さいため、当該結合材層20の弾性率が再帰反射層10の弾性率よりも大きい場合に比べて、再帰反射シート1を曲げたときに再帰反射素子部12にかかる負荷が軽減される。したがって、結合材層20の弾性率が再帰反射層10の弾性率よりも小さい場合には、再帰反射シート1の柔軟性をより一段と向上させることができる。
さらに、結合材層20と再帰反射層10とが同様の樹脂を含む樹脂組成物により形成されるため、再帰反射層10と結合材層20との密着性をより一段と高めることができる。このため、再帰反射層10と結合材層20とを熱融着等で圧力をかけて密着させる際に、保持体部11や再帰反射素子部12にかかる負荷を小さくすることができるため、再帰反射素子部12の再帰反射素子の形状や位置精度等が当該密着させる際に変化し難い。従って、本実施形態の再帰反射シート1は、所望の反射性能を得ることができる。
ところで、本実施形態における結合材層20は、再帰反射シート1の面方向の断面形状が網目状である支柱部22を有し、セル面積CAが25.0mm以上とされる。なお、セル面積CAは、上述したように、再帰反射層10の保持体部11から再帰反射シート1を正面視した場合の小空間ARの面積である。
各小空間ARは、再帰反射層10と結合材層20とが密着していない部分であるため、再帰反射シート1を曲げた際に主に曲がる部分となる。このような小空間ARの面積が25.0mm以上とされた場合、当該面積が25.0mm未満である場合に比べて再帰反射シート1が曲げ易くなるため、再帰反射シート1における柔軟性をより一段と向上させることができる。
また、本実施形態における再帰反射シート1では、当該再帰反射シート1の最も外側に再帰反射層10の保持体部11が配置されている。このため、保持体部11の表面上に層を設ける場合に比べて、再帰反射シート1を薄くすることができるため、柔軟性をより一段と向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例及び比較例に限定されるものではない。
上述の再帰反射シート1を作製し、当該再帰反射シート1から作製した試験片の柔軟性、反射性および耐候性を評価した。
<再帰反射シート1の作製手法>
まず、再帰反射層10の材料として、ポリフッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとを含有する樹脂組成物から作製した樹脂シートを用意した。続いて、成形用金型を用いて、成形温度200℃、成形圧力50kg/cmの条件で、この樹脂シートを圧縮成形し、さらに加圧下で30℃にまで冷却した後に取り出して、保持体部11と再帰反射素子部12とを有する単層の再帰反射層10を作製した。
次に、線幅0.3mmの網目状凸彫刻が施され表面温度が190℃の金属金型とゴムロールとの間に、再帰反射層10の再帰反射素子部12がゴムロールに接するように再帰反射層10と結合材層20を得るための樹脂シートとを挿入し、当該再帰反射層10と樹脂シートとを加圧しながら金属金型とゴムロールとの間を通過させた。このような熱融着法により密封封入構造の結合材層20を形成した。以上の作製手法により、再帰反射シート1を得た。
なお、上述の成形用金型は次のように作製した。すなわち、68.53度の先端角度を有するダイヤモンドバイトと、71.52度の先端角度を有するダイヤモンドバイトとを用いて60.62度の交差角でアルミニウム板をカッティングして、V字の断面形状となる溝が繰り返されるパターンを三方向から形成し、80μmの高さとなる三角錐が配列されたアルミニウム板を金型作製用の母材として得た。そして、この母材と反転された形状となるニッケルの成形用金型を電鋳法により作製した。
<弾性率の測定方法>
再帰反射層10及び結合材層20の各材料の弾性率を、ASTM D882に準じて測定した。なお、試験片の長さは175mmであり、幅25mmである。この測定における掴み治具の間隔は125mmとし、引張速度は25mm/minとした。
<柔軟性の評価手法>
上述の作製手法により作製した再帰反射シート1を、長さ160mm、幅50mmに切り取り、試験片を得た。この試験片における短辺側の一端(以下、固定端という)から10mmまでの部分を評価台に貼り付けた。次いで、5分経過後に、試験片における短辺側の他端(以下、開放端という)の高さ(評価台の載置面から開放端までの最短距離)を確認した。そして、試験片における固定端の高さ(評価台の載置面から固定端までの最短距離)から開放端の高さを減算した値(以下、屈曲長という)に応じて柔軟性を評価した。
具体的には、屈曲長が130mm以上の場合には柔軟性を◎と評価した。また、屈曲長が90mm以上130mm未満の場合には柔軟性を○と評価した。また、屈曲長が50mm以上90mm未満の場合には柔軟性を△と評価した。また、屈曲長が50mm未満の場合には柔軟性を×と評価した。なお、×は実用上で問題視される程度の評価に相当し、◎・○・△は実用上で問題視されない程度の評価に相当する。
<反射性の評価手法>
上述の作製手法により作製した再帰反射シート1を、長さ100mm、幅100mmに切り取り、試験片を得た。ガンマーサイエンティフィック社製のモデル920を用いて、ASTM E810−91に準じて観測角を0.2度とし入射角を5度として、試験片の再帰反射係数を測定した。そして、再帰反射係数に応じて反射性を評価した。
具体的には、再帰反射係数が1300cd/lx/m以上の場合には反射性を◎と評価した。また、再帰反射係数が900cd/lx/m以上1300cd/lx/m未満の場合には反射性を○と評価した。また、再帰反射係数が500cd/lx/m以上900cd/lx/m未満の場合には反射性を△と評価した。また、再帰反射係数が500cd/lx/m未満の場合には反射性を×と評価した。なお、×は実用上で問題視される程度の評価に相当し、◎・○・△は実用上で問題視されない程度の評価に相当する。
<耐候性の評価手法>
上述の作製手法により作製した再帰反射シート1を、長さ75mm、幅70mmに切り取り、試験片を得た。アトラス(ATLAS)社製のキセノンランプ型促進耐候性試験機(Ci65A)を用いて、波長300〜800nmについて照射強度を550W/mとし、ブラックパネル温度を63℃として、試験片に光を500時間だけ照射した。その後、日本電色株式会社製色差計(SE−2000)を用いて、JIS K7373に準じて試験片の黄変度を測定し、当該黄変度に応じて耐候性を評価した。
具体的には、黄変度が±0.1以内の場合には耐候性を◎と評価した。また、黄変度が±3.0以内の場合には耐候性を○と評価した。また、黄変度が±6.0以内の場合には耐候性を△と評価した。また、黄変度が±6.0を超える場合には耐候性を×と評価した。なお、×は実用上で問題視される程度の評価に相当し、◎・○・△は実用上で問題視されない程度の評価に相当する。
<再帰反射シート1の条件>
上述の作製手法により再帰反射シート1を作製する際に、(A)再帰反射層10の弾性率、(B)再帰反射素子部12の厚さに対する保持体部11の厚さの比、(C)結合材層20の弾性率、(D)セル面積CA、(E)再帰反射層10の材料を適宜異ならせた。なお、結合材層20の厚さは0.040mmとした。
<評価>
上記(A)〜(E)の条件を適宜異ならせた再帰反射シート1から作製した試験片の柔軟性、反射性および耐候性を評価した結果を下記表1に示す。なお、下記表1におけるPVdF/PMMAは、ポリフッ化ビニリデンとポリメタクリル酸メチルとを含有する樹脂組成物であり、PMMAはポリメタクリル酸メチル樹脂である。
Figure 2017083480
上記表1において実施例1〜5と比較例1〜4との比較から、再帰反射層10の弾性率を9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下とし、再帰反射素子部12の厚さに対する保持体部11の厚さの比を0.5以上1.0以下とすることで、良好な柔軟性及び反射性を示すことが分かった。
また、実施例2と実施例10との比較から、再帰反射層10をフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する樹脂組成物により形成することで、良好な柔軟性及び反射性を示すのみならず、良好な耐候性をも示すことが分かった。
また、実施例3および4と実施例6との比較から、結合材層20の弾性率を再帰反射層10の弾性率よりも小さくすることで、より良好な柔軟性を示すことが分かった。
さらに、実施例7および8と実施例9との比較から、セル面積を25.0mm以上とすることで、より良好な柔軟性を示すことが分かった。
1・・・再帰反射シート
10・・・再帰反射層
11・・・保持体部
12・・・再帰反射素子部
20・・・結合材層
21・・・支持体部
22・・・支柱部
30・・・粘着剤層

Claims (5)

  1. 板状の部位である保持体部と、前記保持体部に形成される複数の再帰反射素子からなる再帰反射素子部とを一体化した単層の再帰反射層と、
    前記再帰反射素子部と部分的に密着して、前記再帰反射素子部と自身との間に空間を形成する結合材層と
    を備え、
    前記再帰反射層の弾性率は、9.0×10Pa以上15.0×10Pa以下であり、
    前記再帰反射素子部の厚さに対する前記保持体部の厚さの比は、0.5以上1.0以下である
    ことを特徴とする再帰反射シート。
  2. 前記再帰反射層は、フッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂とを含有する樹脂組成物により形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の再帰反射シート。
  3. 前記結合材層の弾性率は、前記再帰反射層の弾性率よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再帰反射シート。
  4. 前記空間は、複数の独立した小空間に区画されており、
    前記再帰反射シートを前記保持体部側から正面視した場合の各前記小空間の面積は、25.0mm以上である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の再帰反射シート。
  5. 前記再帰反射層は、前記再帰反射シートにおける厚さ方向の最も外側に配置される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか1項に記載の再帰反射シート。
JP2014052689A 2014-03-14 2014-03-14 再帰反射シート Pending JP2017083480A (ja)

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