以下、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の電子部品検査装置の第1実施形態を正面側から見た概略斜視図である。図2は、図1に示す電子部品検査装置の動作状態を示す概略平面図である。図3〜図5は、それぞれ、図1に示す電子部品検査装置で検査される電子部品であるICデバイスの一例を示す平面図である。図6は、図1に示す電子部品検査装置のデバイス供給領域内で作動するデバイス搬送ヘッドの平面図である。図7は、図6中の矢印A方向から見た図である。図8は、図6に示すデバイス搬送ヘッドで搬送されるICデバイスを撮像する状態を示す図である。図9は、搬送中のICデバイスの姿勢を適正な姿勢に調整する状態を示す平面図である。図10〜図14は、それぞれ、図9に基づいてICデバイスの姿勢を調整して、当該調整されたICデバイスを供給用シャトルプレートに載置するまでの過程を順に示す平面図である。図15は、図1に示す電子部品検査装置に記憶されている制御プログラムを示すフローチャートである。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、X軸に平行な方向を「X方向」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y方向」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z方向」とも言う。また、図1、図7、図8(図17〜図23および図25)中の上側を「上(または上方)」と言い、下側を「下(または下方)」と言うこともある。また、本願明細書で言う「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。
図1、図2に示す検査装置(電子部品検査装置)1は、例えば、BGA(Ball grid array)パッケージであるICデバイス等の電子部品を搬送し、その搬送過程で電気的特性を検査・試験(以下単に「検査」と言う)する装置である。なお、以下では、説明の便宜上、前記電子部品としてICデバイスを用いる場合について代表して説明し、これを「ICデバイス90」とする。
図2に示すように、検査装置1は、トレイ供給領域A1と、デバイス供給領域(以下単に「供給領域」と言う)A2と、検査領域A3と、デバイス回収領域(以下単に「回収領域」と言う)A4と、トレイ除去領域A5とに分けられている。そして、ICデバイス90は、トレイ供給領域A1からトレイ除去領域A5まで前記各領域を順に経由し、途中の検査領域A3で検査が行われる。このように検査装置1は、各領域でICデバイス90を搬送する電子部品搬送装置(ハンドラー)と、検査領域A3内で検査を行なう電子部品検査部16と、制御部800を備えたものとなっている。また、その他、検査装置1は、モニター300と、シグナルランプ400と、操作パネル700を備えている(図1参照)。
なお、検査装置1は、トレイ供給領域A1、トレイ除去領域A5が配された方(図2中の下側)が正面側となり、その反対側、すなわち、検査領域A3が配された方(図2中の上側)が背面側として使用される。
トレイ供給領域A1は、未検査状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ(載置部材)200が供給される給材部である。トレイ供給領域A1では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
供給領域A2は、トレイ供給領域A1からのトレイ200上に配置された複数のICデバイス90がそれぞれ検査領域A3まで供給される領域である。なお、トレイ供給領域A1と供給領域A2とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構11A、11Bが設けられている。トレイ搬送機構11Aは、トレイ200を、当該トレイ200に載置されたICデバイス90ごとY方向の正側に移動させることができる移動部である。これにより、ICデバイス90を安定して供給領域A2に送り込むことができる。また、トレイ搬送機構11Bは、空のトレイ200をY方向の負側に、すなわち、供給領域A2からトレイ供給領域A1に移動させることができる移動部である。
供給領域A2には、温度調整部12と、デバイス搬送ヘッド13と、トレイ搬送機構15と、姿勢検出部(検出部)25とが設けられている。
温度調整部12は、複数のICデバイス90を一括して冷却または加熱することができるものであり、「ソークプレート」と呼ばれることがある。このソークプレートにより、電子部品検査部16で検査される前のICデバイス90を予め冷却または加熱して、当該検査に適した温度に調整することができる。図2に示す構成では、温度調整部12は、Y方向に2つ配置、固定されている。そして、トレイ搬送機構11Aによってトレイ供給領域A1から搬入された(搬送されてきた)トレイ200上のICデバイス90は、いずれかの温度調整部12まで搬送される。
デバイス搬送ヘッド13は、供給領域A2内でX方向およびY方向、さらにZ方向にも移動可能に支持されている。これにより、デバイス搬送ヘッド13は、トレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200と温度調整部12との間のICデバイス90の搬送と、温度調整部12と後述するデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送とを担うことができる。なお、温度調整部12とデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送では、ICデバイス90は、姿勢検出部25上を経由する。
姿勢検出部25は、デバイス搬送ヘッド13に把持された把持状態のICデバイス90の姿勢を検出するものである(図8参照)。この姿勢検出部25は、把持状態のICデバイス90を撮像することによって、当該ICデバイス90の姿勢を検出することができる。
トレイ搬送機構15は、全てのICデバイス90が除去された状態の空のトレイ200を供給領域A2内でX方向の正側に搬送させる機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、トレイ搬送機構11Bによって供給領域A2からトレイ供給領域A1に戻される。
検査領域A3は、ICデバイス90を検査する領域である。この検査領域A3には、電子部品検査部16と、デバイス搬送ヘッド17とが設けられている。また、供給領域A2と検査領域A3とを跨ぐように移動するデバイス供給部14と、検査領域A3と回収領域A4とを跨ぐように移動するデバイス回収部18も設けられている。
デバイス供給部14は、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を電子部品検査部16近傍まで搬送する(移動させる)ことができる載置部であり、「供給用シャトルプレート」と呼ばれることがある。このデバイス供給部14は、供給領域A2と検査領域A3との間をX方向に沿って水平方向に移動可能に支持されている。図2に示す構成では、デバイス供給部14は、Y方向に2つ配置されており、温度調整部12上のICデバイス90は、いずれかのデバイス供給部14まで搬送される。また、デバイス供給部14は、前記温度調整されたICデバイス90に対して、その温度調整状態を維持することができるよう構成されている。これにより、ICデバイス90を冷却または加熱することができ、よって、当該ICデバイス90の温度調整状態を維持することができる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、姿勢検出部25は、供給領域A2に2つのデバイス供給部14が位置する状態で、これらのデバイス供給部14の間に配置されている。
電子部品検査部16は、ICデバイス90の電気的特性を検査・試験するユニットである。電子部品検査部16には、ICデバイス90を保持した状態で当該ICデバイス90の端子部902と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス90の端子部902とプローブピンとが電気的に接続され(接触し)、プローブピンを介してICデバイス90の検査が行われる。ICデバイス90の検査は、電子部品検査部16に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。なお、電子部品検査部16では、温度調整部12と同様に、ICデバイス90を冷却または加熱して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。
デバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内でY方向およびZ方向に移動可能に支持されている。これにより、デバイス搬送ヘッド17は、供給領域A2から搬入されたデバイス供給部14上のICデバイス90を電子部品検査部16上に搬送し、載置することができる。なお、デバイス搬送ヘッド17も、ICデバイス90を冷却または加熱して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。
デバイス回収部18は、電子部品検査部16での検査が終了したICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を回収領域A4まで搬送する(移動させる)ことができる載置部であり、「回収用シャトルプレート」と呼ばれることがある。このデバイス回収部18は、検査領域A3と回収領域A4との間をX方向に沿って水平方向に移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス回収部18は、デバイス供給部14と同様に、Y方向に2つ配置されており、電子部品検査部16上のICデバイス90は、いずれかのデバイス回収部18に搬送され、載置される。この搬送は、デバイス搬送ヘッド17によって行なわれる。
回収領域A4は、検査が終了した複数のICデバイス90が回収される領域である。この回収領域A4には、回収用トレイ19と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21とが設けられている。また、回収領域A4には、空のトレイ200も用意されている。
回収用トレイ19は、電子部品検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部であり、回収領域A4内で移動しないよう固定されている。これにより、デバイス搬送ヘッド20等の各種可動部が比較的多く配置された回収領域A4であっても、回収用トレイ19上では、検査済みのICデバイス90が安定して載置されることとなる。なお、図2に示す構成では、回収用トレイ19は、X方向に沿って3つ配置されている。
また、空のトレイ200も、X方向に沿って3つ配置されている。この空のトレイ200も、電子部品検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部となる。そして、回収領域A4に移動してきたデバイス回収部18上のICデバイス90は、回収用トレイ19および空のトレイ200のうちのいずれかに搬送され、載置される。これにより、ICデバイス90は、検査結果ごとに分類されて、回収されることとなる。
デバイス搬送ヘッド20は、回収領域A4内でX方向およびY方向、さらにZ方向にも移動可能に支持されている。これにより、デバイス搬送ヘッド20は、ICデバイス90をデバイス回収部18から回収用トレイ19や空のトレイ200に搬送することができる。
トレイ搬送機構21は、トレイ除去領域A5から搬入された空のトレイ200を回収領域A4内でX方向に搬送させる機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、ICデバイス90が回収される位置に配されることとなる、すなわち、前記3つの空のトレイ200のうちのいずれかとなり得る。
トレイ除去領域A5は、検査済み状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が回収され、除去される除材部である。トレイ除去領域A5では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
また、回収領域A4とトレイ除去領域A5とをまたぐように、トレイ200を1枚ずつY方向に搬送するトレイ搬送機構22A、22Bが設けられている。トレイ搬送機構22Aは、トレイ200をY方向に移動させることができる移動部である。これにより、検査済みのICデバイス90を回収領域A4からトレイ除去領域A5に搬送することができる。また、トレイ搬送機構22Bは、ICデバイス90を回収するための空のトレイ200をトレイ除去領域A5から回収領域A4に移動させることができる移動部である。
制御部800は、例えば、駆動制御部を有している。駆動制御部は、例えば、トレイ搬送機構11A、11Bと、温度調整部12と、デバイス搬送ヘッド13と、デバイス供給部14と、トレイ搬送機構15と、電子部品検査部16と、デバイス搬送ヘッド17と、デバイス回収部18と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21と、トレイ搬送機構22A、22B、姿勢検出部25の各部の駆動を制御する。
なお、前記テスターの検査制御部は、例えば、図示しないメモリー内に記憶されたプログラムに基づいて、電子部品検査部16に配置されたICデバイス90の電気的特性の検査等を行なう。
オペレーターは、モニター300を介して、検査装置1の動作条件等を設定したり、確認したりすることができる。このモニター300は、例えば液晶画面で構成された表示画面(表示部)301を有し、検査装置1の正面側上部に配置されている。図1に示すように、トレイ除去領域A5の図中の右側には、モニター300に表示された画面を操作する際に用いられるマウスを載置するマウス台600が設けられている。
また、モニター300に対して図1中の右下方には、操作パネル700が配置されている。操作パネル700は、モニター300とは別に、検査装置1に所望の動作を命令するものである。
また、シグナルランプ400は、発光する色の組み合わせにより、検査装置1の作動状態等を報知することができる。シグナルランプ400は、検査装置1の上部に配置されている。なお、検査装置1には、スピーカー500が内蔵されており、このスピーカー500によっても検査装置1の作動状態等を報知することもできる。
図2に示すように、検査装置1は、トレイ供給領域A1と供給領域A2との間が第1隔壁61によって区切られて(仕切られて)おり、供給領域A2と検査領域A3との間が第2隔壁62によって区切られており、検査領域A3と回収領域A4との間が第3隔壁63によって区切られており、回収領域A4とトレイ除去領域A5との間が第4隔壁64によって区切られている。また、供給領域A2と回収領域A4との間も、第5隔壁65によって区切られている。これらの隔壁は、各領域の気密性を保つ機能を有している。さらに、検査装置1は、最外装がカバーで覆われており、当該カバーには、例えばフロントカバー70、サイドカバー71、サイドカバー72、リアカバー73、トップカバー74がある。
検査装置1は、ICデバイス90として、平面視での外形形状が矩形をなすものを検査可能であるが、特に平面視で外形の少なくとも一部に曲線形状を有する、すなわち、丸みを帯びたものを検査するのに適した装置となっている。このような丸みを帯びたICデバイス90としては、特に限定されず、例えば、図3〜図5に示すものが挙げられ、例えば腕時計に内蔵して用いることができる。
図3に示すICデバイス90は、小片状をなす本体部901と、本体部901の一方の面(裏側の面901a)に突出して設けられた多数の端子部902とを有している。そして、このICデバイス90では、本体部901は、平面視で円形状をなすものとなっている。また、本体部901の他方の面(表側の面901b)は、平坦面となっている。多数の端子部902は、本体部901の縁部901cに沿って間隔をおいて配設されており、その配設密度には、疎密がある。
図4に示すICデバイス90は、本体部901の平面視での外形形状が異なること以外は図3に示すICデバイス90と同じである。このICデバイス90の本体部901は、平面視で縁部901c(外形)の少なくとも一部に楕円弧を有するものとなっており、本実施形態では全体が楕円形状をなすものとなっている。
図5に示すICデバイス90も、本体部901の平面視での外形形状が異なること以外は図3に示すICデバイス90と同じである。このICデバイス90の本体部901は、平面視で縁部901cの少なくとも一部に円弧を有するものとなっており、本実施形態では縁部901cに、対向した平行な2つの辺901dを有する二面幅を持ったものとなっている。
さて、ICデバイス90を電子部品検査部16まで搬送する際、平面視で矩形をなすICデバイス90では、その直線状の縁部を基準として位置決めをすることができるが、平面視で丸みを帯びたICデバイス90では、縁部901cが円弧状または楕円弧状に湾曲しているため、当該縁部901cを基準として位置決めをすることは困難である。
例えば図10に示すように、デバイス搬送ヘッド13で搬送中の4つのICデバイス90は、それぞれ、端子部902の向きがばらついている。この原因としては、例えば、未検査のICデバイス90が収納されたトレイ200をオペレーターがトレイ供給領域A1に載置するとき、載置時の振動がICデバイス90に伝わって、当該ICデバイス90が中心点O90回りに回転してしまい、そのままデバイス搬送ヘッド13で搬送されること等が考えられる。
以下、このような丸みを帯びたICデバイス90を搬送するのに適した構成について説明する。なお、本実施形態では、丸みを帯びたICデバイス90として、図3に示すICデバイス90について代表的に扱う。
図6、図7に示すように、デバイス搬送ヘッド13は、4つの吸引部131と、4つの吸引部131を支持するベース132と、各吸引部131を回転させる回動駆動部3とを有している。
4つの吸引部131は、X方向に2つ、Y方向に2つずつ分散して等間隔に配置されている。なお、吸引部131の設置数は、本実施形態では4つであるが、これに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つまたは5つ以上であってもよい。
各吸引部131は、可撓性を有するチューブを介してエジェクター等の真空発生装置に接続された硬質の管体133と、管体133の下端部に設置された円環状の吸着パッド134とを有している。吸着パッド134がICデバイス90の表側の面901bに当接した状態で真空発生装置が作動することにより、吸着パッド134でICデバイス90を吸引することができる。そして、この吸引状態のままICデバイス90を搬送することができる。このように吸引部131は、ICデバイス90を吸引により把持し、その把持状態を維持可能な把持部となっている。また、ICデバイス90の把持状態を解除するには、真空発生装置での真空破壊により可能となる。
また、各吸引部131は、ベース132に対して回転可能に支持されている。これにより、把持状態のICデバイス90をその中心点O90回りに回転させて、ICデバイス90の姿勢を調整することができる(図10〜図14参照)。ここで、「姿勢を調整する」とは、ICデバイス90の検査時に、各端子部902が電子部品検査部16の前記各プローブピンと電気的に接触可能な向きに位置することを言う。
検査装置1では、各吸引部131でICデバイス90の姿勢を各々調整可能となっており、従って、当該各吸引部131は、ICデバイス90の姿勢を調整する姿勢調整部としても機能している。これにより、ICデバイス90の検査を行なう場合、当該ICデバイス90がたとえ円形のものであっても、各ICデバイス90を検査に適した姿勢、すなわち、各ICデバイス90の各端子部902が電子部品検査部16の前記各プローブピンと電気的に接触する姿勢に正確に調整することができる。以下この検査に適した姿勢を「検査適正姿勢」と言う。
また、各吸引部131が回転可能な最大回転角度は、少なくとも180°であるのが好ましく、180°以上、360°以下であるのがより好ましい。これにより、ICデバイス90の姿勢調整を過不足なく迅速に行なうことができる。
図6に示すように、回動駆動部3は、各吸引部131を一括して、時計回りまたは反時計回りに回動駆動させるものである。このように回動駆動部3が4つの吸引部131に対して1つ設けられていることは、回動駆動部3が各吸引部131に対応してそれぞれ1つずつ設けられている場合に比べて、デバイス搬送ヘッド13全体としての構成を簡単なものとすることができる。これにより、デバイス搬送ヘッド13の大きさの増大や、デバイス搬送ヘッド13の重量の増加を抑制することができる。
回動駆動部3は、ベース132に対して固定されたモーター31と、モーター31のシャフト(出力軸)311および各吸引部131に対して固定されたプーリー32と、ベース132に対して回動可能に支持されたテンショナー33と、各プーリー32およびテンショナー33に順に掛け回されたタイミングベルト34とを有している。このような構成の回動駆動部3では、電圧が印加されたモーター31が作動することにより、その回転力がタイミングベルト34を介して各プーリー32に伝達する。これにより、各吸引部131を同方向に回転させることができる。また、モーター31への印加電圧の正負を前記と逆にした場合、各吸引部131の回転方向を反転させることができる。
なお、モーター31に固定されたプーリー32の呼び径と、各吸引部131に固定されたプーリー32の呼び径とは、図6に示す構成では同じであるが、これに限定されず、例えば、前者のプーリー32の方が後者のプーリー32よりも呼び径が大きくてもよい。
また、テンショナー33により、タイミングベルト34のテンションを調整することができる。これにより、モーター31の回転力をタイミングベルト34を介して各プーリー32に過不足なく伝達させることができる。
図8に示すように、姿勢検出部25は、デバイス搬送ヘッド13の各吸引部131に把持された把持状態のICデバイス90の姿勢を検出するものである。姿勢検出部25は、把持状態のICデバイス90を撮像可能な撮像部251と、光を反射する反射部材252と、リング状をなすリング照明253とを有している。
撮像部251は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、そのレンズが水平方向(図8に示す構成ではX方向の負側)を向くように配置される。このような配置は、撮像部251を鉛直方向(Z方向)に沿って配置する場合に比べて、撮像部251が供給領域A2内に突出してしまうのをできる限り抑制することができ、よって、撮像部251がデバイス搬送ヘッド13等と干渉するのを防止することができる。
撮像部251の前方、すなわち、前記レンズ側には、反射部材252が配置されている。反射部材252は、ミラーであり、水平方向、すなわち、XY平面に対して45°傾斜して配置されている。これにより、把持状態のICデバイス90が反射部材252の鉛直上方に位置したとき(以下この位置を「撮像用位置」と言う)、当該ICデバイス90を撮像部251で撮像することができる。なお、反射部材252としては、図8に示す構成ではミラーであったが、これに限定されず、例えば、プリズムでもよい。
次に、ICデバイス90の姿勢を検出した結果、その検出された姿勢が検査適正姿勢に対してどの程度ズレているのか、すなわち、どの程度の回転角度(回転量)θでICデバイス90を回転させれば検査適正姿勢となるのかを求めることについて、図9を参照しつつ説明する。図9中の左上のICデバイス90は、撮像部251で撮像されたICデバイス90の画像(実画像)IMであり、右上のICデバイス90は、制御部800に予め記憶されている検査適正姿勢のICデバイス90の画像IM0である。なお、検査装置1では、画像IM内のどの端子部902が、画像IM0内のどの端子部902に対応するのかについては、例えば、テンプレートマッチングにより可能となっている。
まず、画像IM内の多数の端子部902のうち、基準となる端子部902aと端子部902bとを抽出(検出)する。この抽出は、画像IMを二値化して濃淡画像にすることにより可能である。また、端子部902aと端子部902bとしては、中心点O90を介して互いに反対側に位置し、できる限り離間した端子部902同士とするのが好ましい。
次いで、画像IM内の端子部902aの中心と端子部902bの中心とをとおる直線903と、画像IM0内の端子部902aの中心と端子部902bの中心とをとおる直線903とを比較して、前者の直線903が後者の直線903に対してどの方向にどの程度傾斜しているのか、すなわち、回転角度θを演算する。これにより、補正値としての回転角度θを求めることができる。
そして、図9中の中央下側のICデバイス90のように、回転角度θの分だけ矢印の方向に回転させれば、ICデバイス90は検査適正姿勢となる。
例えば図10に示すように、デバイス搬送ヘッド13で把持状態にある4つのICデバイス90は、それぞれ、通常は姿勢がばらついており、全て同じ姿勢であることは稀である。従って、4つのICデバイス90は、それぞれの姿勢に応じて、求められる回転角度θが異なる。以下では、説明を容易にするために、図10〜図14中の4つの吸引部131のうち、左下側の吸引部131を「吸引部131a」、右下側の吸引部131を「吸引部131b」、左上側の吸引部131を「吸引部131c」、右上側の吸引部131を「吸引部131d」と言う。
吸引部131aで把持されたICデバイス90の回転角度θは、回転角度θaであると求められる。吸引部131bで把持されたICデバイス90の回転角度θは、回転角度θbであると求められる。吸引部131cで把持されたICデバイス90の回転角度θは、回転角度θcであると求められる。吸引部131dで把持されたICデバイス90の回転角度θは、回転角度θdであると求められる。
このような把持状態にある4つのICデバイス90をデバイス供給部14の収納部23内に載置していく。なお、収納部23は、ICデバイス90が1つずつ収納される凹部で構成され、デバイス供給部14では、格子状(行列状)に複数配置されている。
まず、図11に示すように、吸引部131aで把持されたICデバイス90が載置されるべき収納部23上で、吸引部131aで把持されたICデバイス90を回転角度θaの分だけ矢印の方向に回転させる。これにより、当該ICデバイス90は検査適正姿勢となる。また、この回転は、前述したように、回動駆動部3の作動によって行なわれる。その後、吸引部131aを下降させることにより、当該ICデバイス90を検査適正姿勢のまま収納部23に収納、載置することができる。
次いで、図12に示すように、吸引部131bで把持されたICデバイス90が載置されるべき収納部23上で、吸引部131bで把持されたICデバイス90を回転角度θbの分だけ矢印の方向に回転させる。これにより、当該ICデバイス90は検査適正姿勢となる。この回転も回動駆動部3の作動によって行なわれる。その後、吸引部131bを下降させることにより、当該ICデバイス90を検査適正姿勢のまま収納部23に収納、載置することができる。
次いで、図13に示すように、吸引部131cで把持されたICデバイス90が載置されるべき収納部23上で、吸引部131cで把持されたICデバイス90を回転角度θcの分だけ矢印の方向に回転させる。これにより、当該ICデバイス90は検査適正姿勢となる。その後、吸引部131cを下降させることにより、当該ICデバイス90を検査適正姿勢のまま収納部23に収納、載置することができる。
次いで、図14に示すように、吸引部131dで把持されたICデバイス90が載置されるべき収納部23上で、吸引部131dで把持されたICデバイス90を回転角度θdの分だけ矢印の方向に回転させる。これにより、当該ICデバイス90は検査適正姿勢となる。その後、吸引部131dを下降させることにより、当該ICデバイス90を検査適正姿勢のまま収納部23に収納、載置することができる。
そして、4つのICデバイス90が載置されたデバイス供給部14は、検査領域A3に向かって移動することとなる。
なお、各収納部23では、ICデバイス90の検査適正姿勢を維持可能に構成されている。これにより、ICデバイス90は、デバイス供給部14の移動開始から停止までの間、検査適正姿勢が維持される。検査適正姿勢を維持するには、収納部23に収納されたICデバイス90を吸引することにより可能である。また、この吸引は、収納部23にICデバイス90が載置されたものから順に開始される。
このように検査装置1では、4つのICデバイス90をデバイス供給部14に載置する際、個別にICデバイス90を回転制御可能であり、その回転時の回転角度θを異ならせることができる。これにより、把持状態のICデバイス90の姿勢によらず、当該ICデバイス90を検査適正姿勢に矯正することができ、そのままデバイス供給部14に載置することができる。
なお、4つのICデバイス90のうち、少なくとも2つのICデバイス90における回転角度θが同じである(所定の許容範囲内にある)場合、当該少なくとも2つのICデバイス90を同時にデバイス供給部14に載置することもできる。これにより、スループット(単位時間当たりのICデバイス90の搬送個数)の向上を図ることができる。
次に、検査装置1でICデバイス90を撮像用位置に配置してからデバイス供給部14に載置するまでのプログラムを図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
デバイス搬送ヘッド13で把持状態にあるICデバイス90を撮像用位置まで搬送し、その位置で停止する(ステップS101)。
次いで、撮像用位置にあるICデバイス90を姿勢検出部25の撮像部251で撮像する(ステップS102)。
次いで、前述したように回転角度θを検出し(ステップS103)、当該検出された回転角度θが予め設定された所定の許容範囲(規定値(閾値)θ0)内にあるか否かを判断する(ステップS104)。ここで、「所定の許容範囲」とは、回転角度θの回転を省略しても、現に把持状態にあるICデバイス90の姿勢を検査適正姿勢とみなすことができる範囲を言う。
ステップS104において回転角度θが前記所定の許容範囲内にないと判断した場合には、回動駆動部3を作動させて、既に回転角度θが検出されているICデバイス90を当該回転角度θの分だけ回転させる(ステップS105)。
次いで、回転角度θで回転したICデバイス90を、デバイス供給部14の所定の収納部23上まで搬送して、当該ICデバイス90を把持している吸引部131をそのまま下降させる(ステップS106)。
次いで、吸引部131における吸引を前述したように解除する(ステップS107)。これにより、ICデバイス90は、検査適正姿勢でデバイス供給部14の所定の収納部23に載置される。
また、ステップS104において回転角度θが前記所定の許容範囲内にあると判断した場合には、ステップS106以降のステップを順次実行する。
なお、本実施形態では、1つの撮像部251でICデバイス90を1つずつ撮像して回転角度θを検出しているが、これに限定されず、1つの撮像部251で4つのICデバイス90を一括して撮像して、各ICデバイス90の回転角度θを検出することもできる。
<第2実施形態>
図16は、本発明の電子部品検査装置(第2実施形態)のデバイス供給領域内で作動するデバイス搬送ヘッドの平面図である。図17は、図16中の矢印A方向から見た図である。
以下、これらの図を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、回動駆動部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図16、図17に示すように、本実施形態では、デバイス搬送ヘッド13の回動駆動部3は、各吸引部131にそれぞれ対応してモーター35が配置されている。これにより、各吸引部131を独立して回動駆動させることができ、結果、各ICデバイス90も独立して回転させることができる。このような構成により、デバイス搬送ヘッド13に把持状態にある4つのICデバイス90を回転させる際、互いに異なる回転角度θで一括して回転させることができる。
また、図17に示すように、デバイス搬送ヘッド13は、X方向に隣り合う吸引部131同士の間隔を変更することができるよう構成されている。これにより、回転後の4つのICデバイス90をデバイス供給部14に一括して載置することもでき、よって、スループットが向上する。
なお、デバイス搬送ヘッド13は、Y方向に隣り合う吸引部131同士の間隔も変更することができるよう構成されていてもよい。
<第3実施形態>
図18〜図23は、本発明の電子部品検査装置(第3実施形態)で搬送中のICデバイスの姿勢を適正な姿勢に調整する状態を示す部分垂直断面図である。図24は、本発明の電子部品検査装置(第3実施形態)に記憶されている制御プログラムを示すフローチャートである。
以下、これらの図を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態では、供給領域内でICデバイスを搬送するデバイス搬送ヘッドは、前記第1実施形態と異なり、回動駆動部が省略されたものとなっている。そして、本実施形態は、回動駆動部に代えてICデバイスを回転させる機構の構成が異なることと、その他に、姿勢検出部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図18〜図23に示すように、本実施形態では、姿勢検出部25に対してZ方向正側に、ICデバイス90を回転させて姿勢を検査適正姿勢に矯正する機構としての回転ステージ4が設けられている。回転ステージ4は、いわゆる「中空ロータリーテーブル」であり、ICデバイス90を載置した状態で回動可能となっている。この回転ステージ4は、ICデバイス90を載置するステージ部41と、ステージ部41の下方に設けられた大歯車部42と、大歯車部42に噛み合う小歯車部であるピニオンギア43と、ピニオンギア43に連結されたモーター44とを有している。
ステージ部41は、円板状をなし、その中心部には、貫通により開口した開口部411が形成されている。開口部411は、ステージ部41にICデバイス90を載置した際に、当該ICデバイス90の各端子部902がステージ部41に接するのを防止する逃げ部として機能する(図19〜図22参照)。また、開口部411は、光が透過可能な光透過部としても機能する。このような2つの機能を有する開口部411により、ICデバイス90がステージ部41に載置された状態で各端子部902が開口部411内に露出することとなり、よって、これらの各端子部902を姿勢検出部25の撮像部251によって鮮明に撮像することできる。これにより、ICデバイス90の姿勢を正確に検出することができる。なお、ステージ部41自体の光透過性については、問わない。
大歯車部42は、筒状なし、その外周部に歯421が形成されたものである。また、大歯車部42は、ステージ部41と同心的に配置されている。
ピニオンギア43は、大歯車部42の外周側に配置されている。このピニオンギア43は、大歯車部42の歯421と噛み合う歯431が形成されている。
モーター44は、ピニオンギア43を回転させることができる。この回転より、大歯車部42を、ステージ部41上のICデバイス90ごと回転させることができる(図21参照)。そして、ICデバイス90は、姿勢検出部25で検出された回転角度θの分だけ回転することとなり、よって、検査適正姿勢になるように調整される。
姿勢検出部25の撮像部251は、そのレンズが鉛直上方を向くように、すなわち、ステージ部41の開口部411に臨むように配置されている。
また、姿勢検出部25は、撮像部251の他に、撮像部251とリング照明253とを支持する支持部254とを有している。
リング照明253は、撮像部251の外周側に当該撮像部251と同心的に配置されている。そして、リング照明253は、撮像部251による撮像時に、撮像対象であるICデバイス90を照らすことができる。これにより、ICデバイス90を鮮明に撮像することができる。
支持部254は、図示しない移動機構に接続されている。この移動機構の作動により、撮像部251とリング照明253とを一括してZ方向の正側(図23参照)、または、Z方向の負側に移動させることができる。これにより、後述するように撮像部251の焦点位置を調整することができ、よって、ICデバイス90に対する焦点が合わず画像IMが不鮮明となるのを防止することができる。
次に、ICデバイス90が回転角度θで回転してデバイス搬送ヘッド13で把持されるまでの検査装置1の動作について、図18〜図23を参照しつつ説明する。また、本実施形態では、ステージ部41上のICデバイス90を撮像するのはもちろんのこと、回転角度θで回動させた後、すなわち、姿勢を調整した後にデバイス搬送ヘッド13で把持された状態のICデバイス90を撮像することができる。
図18に示すように、デバイス搬送ヘッド13で把持状態にあるICデバイス90を回転ステージ4上の所定位置まで搬送し、その位置で停止する。
次いで、図19に示すように、ICデバイス90を吸引している吸引部131を下降させて、当該ICデバイス90を回転ステージ4のステージ部41に当接させる。このとき、ICデバイス90の各端子部902は、ステージ部41の開口部411内に配置される。
次いで、図20に示すように、ICデバイス90に対する吸引状態を解除して、吸引部131を上昇させる。これにより、ICデバイス90は、ステージ部41上に載置される。また、このとき、撮像部251を作動させて、ステージ部41上のICデバイス90の各端子部902を撮像する。そして、前述したように回転角度θを求める。
次いで、図21に示すように、回転ステージ4を作動させて、ICデバイス90を回転角度θの分だけ回転させる。これにより、ステージ部41上のICデバイス90は、検査適正姿勢となる。
次いで、図22に示すように、ICデバイス90を吸引していた吸引部131を再度下降させて、吸着パッド134をICデバイス90に当接させる。そして、この状態のままICデバイス90に対する吸引状態を再開する。
次いで、図23に示すように、吸引部131を上昇させる。これにより、ICデバイス90は、吸引部131で把持された状態となるともに、回転ステージ4から離間する。その後、撮像部251を再度作動させて、ICデバイス90の各端子部902を撮像し、このときの回転角度θを求める。そして、この回転角度θの程度によって、再吸着後のICデバイス90が検査適正姿勢を維持しているのか否かを確認することができる。検査適正姿勢が維持されている、すなわち、回転角度θが規定値θ0の範囲内にある場合には、ICデバイス90をデバイス供給部14まで搬送することができる。一方、検査適正姿勢が維持されていない、すなわち、回転角度θが規定値θ0の範囲外にある場合には、再度ICデバイス90を回転ステージ4に載置して姿勢を調整することとなる。この調整は、再吸着後のICデバイス90の回転角度θが規定値θ0の範囲内となるまで繰り返される。
また、再吸着後のICデバイス90を撮像するときには、当該ICデバイス90は、上昇して回転ステージ4から離間した位置にある。このため、図23に示すように、姿勢検出部25は、ICデバイス90の上昇に追従して、上方に移動する。これにより、ICデバイス90と撮像部251との離間距離に応じた焦点位置に調整することができ、鮮明な撮像が可能となる。
なお、撮像部251は、上下方向の移動が規制されている場合、自動焦点調整機能を有するオートフォーカスカメラに交換することもできる。
次に、検査装置1でICデバイス90を回転ステージ4に載置してからデバイス供給部14に載置するまでのプログラムを図24に示すフローチャートに基づいて説明する。
前述したようにデバイス搬送ヘッド13を作動させて、ICデバイス90を回転ステージ4上に載置する(ステップS201)。
次いで、ICデバイス90に対する吸引部131での吸引を解除した後(ステップS202)、当該吸引部131を上昇させる(ステップS203)。
次いで、回転ステージ4上のICデバイス90を姿勢検出部25の撮像部251で撮像する(ステップS204)。
次いで、前述したように回転角度θを検出し(ステップS205)、当該検出された回転角度θが規定値θ0内にあるか否かを判断する(ステップS206)。
ステップS206において回転角度θが規定値θ0内にないと判断した場合には、回転ステージ4を作動させて、回転ステージ4上のICデバイス90を当該回転角度θの分だけ回転させる(ステップS207)。
次いで、吸引部131をICデバイス90に当接するまで下降させて(ステップS208)、吸引を開始する(ステップS209)。なお、ステップS206において回転角度θが規定値θ0内にあると判断した場合には、ステップS208以降のステップを順次実行する。
次いで、ICデバイス90を吸引した吸引部131を上昇させて、回転ステージ4からICデバイス90を一旦除去する(ステップS210)。
次いで、回転ステージ4から離間した状態のICデバイス90を姿勢検出部25の撮像部251で撮像する(ステップS211)。このとき、前述したように姿勢検出部25を上方に移動させて、撮像部251の焦点位置を調整する。
次いで、前述したように回転角度θを検出し(ステップS212)、当該検出された回転角度θが規定値θ0内にあるか否かを判断する(ステップS213)。
次いで、ICデバイス90を吸引している吸引部131を下降させて、ICデバイス90を回転ステージ4上に再度載置する(ステップS214)。
次いで、ICデバイス90に対する吸引部131での吸引を解除した後(ステップS215)、当該吸引部131を上昇させる(ステップS216)。
次いで、回転ステージ4を作動させて、回転ステージ4上のICデバイス90をステップS212で検出された回転角度θの分だけ回転させる(ステップS217)。
次いで、吸引部131をICデバイス90に当接するまで下降させて(ステップS218)、吸引を開始する(ステップS219)。
次いで、吸引部131を上昇させて、回転ステージ4からICデバイス90を除去し(ステップS220)、当該ICデバイス90をデバイス搬送ヘッド13の作動によってデバイス供給部14に載置する。
また、ステップS213において回転角度θが前記所定の許容範囲内にあると判断した場合には、そのままデバイス搬送ヘッド13を作動させて、ICデバイス90をデバイス供給部14に載置する。
また、本実施形態では、ステップS207とステップS208との間に、「ICデバイス90を姿勢検出部25の撮像部251で撮像する」ステップを追加することもできる。
<第4実施形態>
図25は、本発明の電子部品検査装置(第4実施形態)で搬送中のICデバイスの姿勢を適正な姿勢に調整する状態を示す部分垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、回転ステージのステージ部の構成が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図25に示すように、本実施形態では、回転ステージ4のステージ部41は、開口部411が省略され、全体が光透過可能な、例えばガラス材料で構成された光透過部となっている。これにより、ICデバイス90の大きさによらず、ステージ部41にICデバイス90を安定して載置することができる。
以上、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
ICデバイスは、矩形や、図3〜図5に示す形状のものの他に、例えば、円形の一部が欠損したような形状のもの、星型のものでもよい。