JP2017082453A - ギャングウェイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】波が荒い場合であっても、船舶に備わるギャングウェイ装置の橋桁部とこの橋桁部が架け渡される対象物との段差を抑制できる安全性に優れたギャングウェイ装置を提供する。【解決手段】橋桁部3の先端部3aと対象物Tの上面との上下距離dを検知する段差センサ13による検知データに基づいて、制御部12により回動機構4の動作を制御することで、橋桁部3をヒンジ部2を中心にして回動させて上下距離dを所定の許容範囲内に維持し、橋桁部3の先端部3aと対象物Tの上面との段差が過大になることを防止することで、ギャングウェイ装置1が設置される船舶Sあるいは対象物Tが上下揺れした場合であっても、対象物Tと船舶Sとの間を利用者が安全に乗り移ることを可能にする。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶に備わるギャングウェイ装置に関し、さらに詳しくは、波が荒い場合であっても、ギャングウェイ装置の橋桁部とこの橋桁部が架け渡される対象物との段差を抑制できる安全性に優れたギャングウェイ装置に関するものである。
船舶に乗船している人が対象物(陸地や水上に設置された構造物等)に移動する場合には、例えば、船舶に備わっているギャングウェイ(可動式桟橋)を船舶と対象物との間に架け渡し、このギャングウェイを渡って移動する。地上に設置される従来の可動式桟橋は、例えば、地上に固定されている基板に対して橋桁部の後端部が上下回動可能に接続され、橋桁部の先端部は船舶の上面に連結される(例えば、特許文献1参照)。この構造と同じ可動式桟橋をギャングウェイ装置として船舶に装備した場合、波動により船舶に縦揺れ(ピッチング)や左右揺れ(スウェイイング)が生じると、これに伴いギャングウェイ装置の橋桁部も揺動する。それ故、波が荒く船舶の揺れが大きい場合には、橋桁部の揺動が大きくなり、橋桁部を通じて人が往来することが難しくなる。特に、大きな船舶から小さな船舶に対して橋桁部を架け渡して使用する場合には、大きな船舶と小さな船舶とは揺れの周期がそれぞれ異なるとともに、小さな船舶の揺れは相対的に大きくなる。そのため、橋桁部を通じて人が往来することは難しい。
特開2009−281065号公報
本発明の目的は、波が荒い場合であっても、船舶に備わるギャングウェイ装置の橋桁部とこの橋桁部が架け渡される対象物との段差を抑制できる安全性に優れたギャングウェイ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のギャングウェイ装置は、船舶にヒンジ部を介して接続されて、この船舶の外側に配置された状態になる橋桁部と、前記ヒンジ部を中心にして、前記橋桁部を回動させる回動機構とを備え、前記橋桁部の先端部を対象物の上方に近接させた状態にすることにより、この橋桁部を通じて前記対象物に対する人の往来を可能にするギャングウェイ装置であって、前記回動機構の動作の制御を行う制御部と、前記橋桁部の先端部と前記対象物の上面との上下距離の検知を行う段差センサとを備え、前記段差センサによる検知データに基づいて、前記制御部により前記橋桁部を前記ヒンジ部を中心にして回動させることにより前記上下距離を所定の許容範囲内に維持する構成にしたことを特徴とする。
本発明のギャングウェイ装置によれば、橋桁部の先端部が対象物に対して固定されることなく対象物の上方に位置した状態になっているので、ギャングウェイ装置が設置される船舶や対象物が波動により縦揺れ、左右揺れした場合においても、橋桁部には対象物の揺動が直接的に影響しない。そのため、橋桁部の先端を対象物に固定する構造に比して橋桁部の揺動が減少する。さらに、前記段差センサによる検知データに基づいて、前記制御部により前記回動機構の動作を制御することで、橋桁部を回動させて橋桁部の先端部と対象物の上面との上下距離を所定の許容範囲内に維持する。そのため、波動により橋桁部と対象物とが相対的に大きく上下揺れした場合であっても、橋桁部の先端部と対象物の上面との段差が過大になることがない。これにより、橋桁部を通じて対象物と船舶とを人が安全に往来することができる。
前記回動機構を例えば、前記橋桁部の長手方向中途位置に一端部が接続されていて、橋桁部を吊り下げた状態にする紐状体と、この紐状体の他端部が接続された状態で紐状体の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより橋桁部を前記ヒンジ部を中心にして回動させる巻き取り部とで構成することもできる。
前記橋桁部の前記紐状体の一端部が接続されている接続位置よりも先端側の位置であり、かつ、橋桁部の先端部の位置に第2ヒンジ部が備わり、橋桁部の第2ヒンジ部よりも先端側の部分が、予め設定された大きさ以上の上向きの外力が作用した際に第2ヒンジ部を中心にして、上方に回動可能な構成にすることもできる。この構成にすると、例えば、橋桁部に対して対象物が相対的に大きく上方移動して、橋桁部の先端部と対象物の上面とが接触しても、橋桁部の先端部のみが上方に回動し、対象物が接触した際の衝撃は第2ヒンジ部によって吸収される。そのため、第2ヒンジ部よりも船舶側の橋桁部の大部分に生じる揺動は抑制され、安全性が向上する。
本発明のギャングウェイ装置を例示する側面図である。 図1のA矢視図である。 本発明のギャングウェイ装置の別の実施形態を例示する正面図である。 本発明のギャングウェイ装置のさらに別の実施形態を例示する側面図である。 本発明のギャングウェイ装置のさらに別の実施形態を例示する側面図である。 本発明のギャングウェイ装置のさらに別の実施形態を例示する側面図である。 本発明のギャングウェイ装置のさらに別の実施形態を例示する側面図である。
以下、本発明のギャングウェイ装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1および図2に例示する本発明のギャングウェイ装置1は、船舶Sに設置され、対象物T(例えば、別の船舶や陸地等)に架け渡して使用される。
本発明のギャングウェイ装置1は、船舶Sにヒンジ部2を介して接続されて、船舶Sの外側に配置された状態になる橋桁部3と、ヒンジ部2を中心にして、橋桁部3を回動させる回動機構4とを備えている。ギャングウェイ装置1はさらに、回動機構4の動作の制御を行う制御部12と、橋桁部3の先端部3aに設置される段差センサ13とを備えている。この実施形態では、橋桁部3が船舶Sの舷(船端)に対して直交して配置されている。橋桁部3の先端部3aとは橋桁部3の先端から、例えば、1〜4mの範囲である。段差センサ13は、例えばレーザ距離計や超音波距離計である。
この実施形態では、橋桁部3が階段構造3Aで構成されており、最下段の踏面の裏側面に段差センサ13が設置されている。橋桁部3の両側側面にはそれぞれ手摺り15が備えられている。ヒンジ部2は船舶Sの舷に設けられており、橋桁部3は舷から張り出すように配置されている。
この実施形態の回動機構4は、紐状体5と、紐状体5の巻き取りおよび繰り出しを行う巻き取り部6とで構成されている。紐状体5は、例えば、金属製のワイヤーロープである。この実施形態では、2本の紐状体5を設けている。巻き取り部6は、2つの回転ドラム6aとこの2つの回転ドラム6aを回転駆動させる駆動部とから構成されている。巻き取り部6は船舶Sのヒンジ部2よりも高い位置に設置され、船舶Sに固定されている。
紐状体5の一端部は橋桁部3の長手方向中途位置に接続され、紐状体5の他端部は巻き取り部6の回転ドラム6aに接続された状態になっている。より具体的には、橋桁部3の短手方向(幅方向)の両端部にそれぞれ紐状体5の一端部が接続されており、それぞれの紐状体5の他端部はそれぞれ別々の回転ドラム6aに接続された状態になっている。
このように、橋桁部3は2本の紐状体5により、船舶S(巻き取り部6)から吊り下げられた状態になっており、巻き取り部6の2つの回転ドラム6aが回転して、2本の紐状体5の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、紐状体5の繰り出し長さを変化させて橋桁部3をヒンジ部2を中心にして回動させる構成になっている。
船舶Sに設置されている制御部12は、巻き取り部6を制御することにより、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動を制御する。より具体的には、巻き取り部6の回転ドラム6aの回転方向、回転量および回転速度を制御することにより、紐状体5の繰り出し長さおよび繰り出し速度(巻き取り速度)を制御し、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動角度および回動速度を制御する。図1では橋桁部3が水平に対して傾斜角度αの状態で紐状体5により吊り下げられている。
次に、このギャングウェイ装置1の使用方法を、乗船している人を船舶Sから陸地等の対象物Tに移動させる場合を例にして説明する。
まず、対象物Tと所定の間隔をあけて船舶Sを停止させる。次に、ヒンジ部2を中心に上方に回動させて収納された状態になっていた橋桁部3を回動機構4によってヒンジ部2を中心に下方に回動させることにより、橋桁部3の先端部3aを対象物Tの上方に向って移動させる。この実施形態では、巻き取り部6によって紐状体5の繰り出し長さを長くすることによって橋桁部3をヒンジ部2を中心に下方に回動させる。
段差センサ13は、橋桁部3の先端部3aの下面と、この下面に対向する対象物Tの上面との間の上下距離dを逐次検知し、段差センサ13が逐次検知した検知データは、制御部12に逐次入力される。そして、段差センサ13により検知された上下距離dが、予め設定されている許容範囲内でない場合は、制御部12により回動機構4を制御して橋桁部3をヒンジ部2を中心に下方に回動させて上下距離dをこの許容範囲内に維持する。
この実施形態では、段差センサ13による検知データに基づいて回転ドラム6aの回転方向、回転量および回転速度を制御し、紐状体5の繰り出し長さと繰り出し速度(巻き取り速度)を制御することで、上下距離dを所定の許容範囲内に維持する。この許容範囲は例えば、30cm≦上下距離d≦50cmに設定する。
尚、橋桁部3の傾斜角度αが過大になると、往来する人の労力負担が増大するので、傾斜角度αの上限値を設定しておくこともできる。傾斜角度αの上限値を設定する場合には、橋桁部3の傾斜角度αがその上限値を超えないように回動機構4を制御する。上下距離dを許容範囲内に維持する制御を行っている際に、傾斜角度αがその上限値に達した時に警告を発する警告手段(警告サイレンや警告灯)を設けることもできる。ギャングウェイ装置1の利用が終了したら、橋桁部3をヒンジ部2を中心に上方に回動させてギャングウェイ装置1を収納された状態に戻す。
このように、本発明のギャングウェイ装置1によれば、橋桁部3の先端部3aが対象物Tに対して固定されることなく対象物Tの上方に位置した状態になっているので、ギャングウェイ装置1が設置される船舶Sや対象物Tが波動により縦揺れ、左右揺れした場合においても、橋桁部3には対象物Tの揺動が直接的に影響しない。そのため、橋桁部3の先端を対象物Tに固定する構造に比して橋桁部3の揺動が減少する。したがって、波が荒く船舶Sや対象物Tの揺れが大きい場合であっても利用者は橋桁部3を安全に往来することができる。
さらに、段差センサ13による検知データに基づいて、制御部12により回動機構4の動作を制御することで、橋桁部3を回動させて橋桁部3の先端部3aと対象物Tの上面との上下距離dを所定の許容範囲内に維持する。そのため、波動により橋桁部3と対象物Tとが相対的に大きく上下揺れした場合であっても、橋桁部3の先端部3aと対象物Tの上面との段差が過大になることがない。これにより、橋桁部3を通じて対象物Tと船舶Sとを人が安全に往来することができる。本発明のギャングウェイ装置1は、大きな船舶S(ギャングウェイ装置1を設置する)と小さな船舶(対象物T)との間を往来する場合には特に有益な装置である。
図3に本発明のギャングウェイ装置1の別の実施形態を示す。この実施形態では、図1および図2で示した先の実施形態と橋桁部3が接続される位置(ヒンジ部2が設けられる位置)と回動機構4の構成が異なっている。その他の構成は同じである。
この実施形態では、橋桁部3は船舶Sの舷に対して略平行に配置されていてヒンジ部2を介して船舶Sに接続されている。この実施形態の回動機構4は、3本の紐状体5a、5b、5bと、1つの回転ドラム6aで構成される巻き取り部6と、介在部材7とで構成されている。巻き取り部6と制御部12は、船舶Sから張り出すように設置されており、回転ドラム6aは、橋桁部3の上方位置で橋桁部3の短手方向(幅方向)中央部に配置されている。
2本の紐状体5b、5bのそれぞれの一端部は橋桁部3の長手方向中途位置に接続され、この2本の紐状体5b、5bのそれぞれの他端部は介在部材7の両端に接続されている。そして、別の1本の紐状体5aの一端部は介在部材7の中央部に接続され、紐状体5aの他端部は巻き取り部6の回転ドラム6aに接続されている。この実施形態では、巻き取り部6の1つの回転ドラム6aを回転させて、回転ドラム6aに接続されている紐状体5aの巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、橋桁部3をヒンジ部2を中心にして回動させる構成になっている。回転ドラム6aの幅を広くして、2本の紐状体5b、5bの他端部を直接、回転ドラム6aに接続した構成にすることもできる。
このギャングウェイ装置1の使用方法は先の実施形態と同じである。この実施形態は、対象物Tと船舶Sとを防舷材16などを介在させて、より接近させた状態にする場合に適用する。一方、先の実施形態は、対象物Tと船舶Sとを接近させ難い場合に適用するとよい。
図4に本発明のギャングウェイ装置1のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1および図2で示した先の実施形態と、橋桁部3と回動機構4の構成が異なっている。その他の構成は同じである。
この実施形態の橋桁部3はスロープ構造3Bで構成されており、さらに、第2ヒンジ部14が備えられている。第2ヒンジ部14は、橋桁部3の紐状体4aの一端部が接続されている接続位置よりも先端側の位置であり、かつ、橋桁部3の先端部3aの位置に配置されている。そして、橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分に、予め設定された大きさ以上の上向きの外力が作用した場合には、橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分が、第2ヒンジ部14を中心にして上方に回動する構成になっている。
具体的には、例えば、橋桁部3の先端から1m〜4mの位置に第2ヒンジ部14が備わっている。橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分に例えば、10kg以上の上向きの外力が作用した際に、第2ヒンジ部14を中心にして橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分は上方に回動する。このような過大な外力が作用しない場合は、橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分は、橋桁部3の他の部分と同じ傾斜角度αの状態に維持される。
この実施形態の回動機構4は、図1および図2で示した先の実施形態の回動機構4に支持部8を付加した構成になっている。支持部8は、船舶Sに一端部が接続され船舶Sから張り出すように設置された支持棒8bと、支持棒8bの他端部に回転可能に接続された支持滑車8aとで構成されている。支持棒8bは橋桁部3の上方位置に配置され、橋桁部3の舷からの張り出し方向と同じ向きに張り出している。支持滑車8aには、紐状体5の中途の位置がかけられた状態になっている。支持部8は、図4の視野で手前側の紐状体5と、奥行き側の紐状体5とにそれぞれ設けられている。
このギャングウェイ装置1の使用方法は先の実施形態と同じである。ただし、この実施形態では、橋桁部2の先端を対象物Tの上方に配置する際には、第2ヒンジ部14が対象物Tの上方に達しない位置(対象物Tの端面よりも船舶S側)に配置する。
この実施形態では、上述したように第2ヒンジ部14を設けるとともに、橋桁部3の第2ヒンジ部14よりも先端側の部分が、第2ヒンジ部14を中心にして、上方に回動可能な構成になっている。そのため、例えば、橋桁部3に対して対象物Tが相対的に大きく上方移動して、橋桁部3の先端部3aと対象物Tの上面とが接触しても、橋桁部3の先端部3aのみが上方に回動し、対象物Tが接触した際の衝撃は第2ヒンジ部14によって吸収される。このことにより、第2ヒンジ部14よりも船舶S側の橋桁部3の大部分に生じる揺動は抑制され、安全性が向上する。
図5に本発明のギャングウェイ装置1のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1および図2で示した先の実施形態と、橋桁部3および回動機構4の構成が異なっている。その他の構成は同じである。
この実施形態の橋桁部3は図1および図2で示した先の実施形態と同様に階段構造3Aで構成されているが、さらに、橋桁部3の先端部3aの位置に第2ヒンジ部14が備えられている。より詳しくは、橋桁部3の先端部3a(最下段の踏面部)が他の踏面部よりも橋桁部3の長手方向に長く形成されており、先端部3aの一段上の踏面部の先端よりも対象物T側に第2ヒンジ部14が備えられている。段差センサ13は、第2ヒンジ部14よりも先端側の先端部3aの裏側面に設置されている。
この実施形態の回動機構4は、ヒンジ部2を直接的に回動させる駆動部(例えば、電動モータや油圧モータなど)で構成されている。つまり、回転機構4によってヒンジ部2を直接的に回動させることにより橋桁部3をヒンジ部2を中心に回動させて、橋桁部3の傾斜角度αを変化させる構成になっている。このギャングウェイ装置1の使用方法は図1および図2で示した実施形態と同じである。
図6に本発明のギャングウェイ装置1のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1および図2で示した先の実施形態と、回動機構4の構成が異なっている。その他の構成は同じである。
この実施形態の回転機構4は、紐状体5と、巻き取り部6と、動滑車部9と、定滑車部10とで構成されている。動滑車部9は、シリンダ9aと、シリンダロッド9bと、動滑車9cとで構成されている。シリンダ9aの下端部は、船舶Sに固定されており、シリンダロッド9bの先端部には動滑車9cが回転可能に接続されている。シリンダ9aに対するシリンダロッド9bの出し入れを油圧制御で行なう油圧シリンダやシリンダロッド9bの出し入れをサーボ制御で行なうタイプのシリンダ9aを用いることもできる。
定滑車部10は、船舶Sに上端部が接続された固定棒10aと、固定棒10aの下端部に回転可能に接続された定滑車10bとで構成されている。定滑車10bは、動滑車9cよりも橋桁部3の先端部3a側に配置されている。
紐状体5の一端部は巻き取り部6の回転ドラム6aに接続され、紐状体5の他端部は橋桁部3の中途の位置に接続されている。そして、動滑車9cと定滑車10bには、紐状体5の中途の位置がそれぞれかけられた状態になっている。回転ドラム6aと動滑車部9と定滑車部10は、図6の視野で手前側の紐状体5と、奥行き側の紐状体5とにそれぞれ設けられている。
この実施形態の回転機構4は、橋桁部3をヒンジ部2を中心にして回動させる機構を2つ有している。1つの機構は、巻き取り部6の回転ドラム6aが回転して、紐状体5の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、紐状体5の繰り出し長さを変化させる。もう1つの機構は、シリンダ9aに対してシリンダロッド9bを出し入れして動滑車9cを上下移動させ、定滑車10bよりも橋桁部3の先端部3a側に繰り出される紐状体5の繰り出し長さを変化させる。
この実施形態の制御部12は、巻き取り部6と、動滑車部9とを制御することにより、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動(回動角度および回動速度)を制御する。より具体的には、巻き取り部6においては、巻き取り部6の回転ドラム6aの回転方向、回転量および回転速度を制御することにより、紐状体5の繰り出し長さおよび繰り出し速度(巻き取り速度)を制御する。動滑車部9においては、シリンダ9aに対してシリンダロッド9bを出し入れする長さおよび速度を制御する。
このギャングウェイ装置1の使用方法は図1および図2で示した実施形態と同じである。ただし、この実施形態では、橋桁部3を収納された状態から、橋桁部3の先端部3aを対象物Tの上方に向って移動させる際のように、橋桁部3の回動角度が大きい場合には巻き取り部6を利用して橋桁部3を回動させる。そして、橋桁部3の先端部3aの下面と、この下面に対向する対象物Tの上面との間の上下距離dを許容範囲内に維持する際のように、橋桁部3の回動角度が小さく、回動を精度よく制御する必要がある場合には動滑車部9を利用して橋桁部3を回動させる。
このように、この実施形態では、動滑車部9を設けているので、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動(回動角度および回動速度)をより高い精度で制御することができる。それ故、橋桁部3の先端部3aの下面と、この下面に対向する対象物Tの上面との間の上下距離dをより高い精度で許容範囲内に維持することができる。
図7に本発明のギャングウェイ装置1のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、図1および図2で示した先の実施形態と、回動機構4の構成が異なっている。その他の構成は同じである。
この実施形態の回転機構4は、紐状体5と、巻き取り部6と、シリンダ部11とで構成されている。シリンダ部11は、シリンダ11aと、シリンダロッド11bとで構成されており、シリンダ11aに対するシリンダロッド11bの出し入れはサーボ制御または油圧制御によって行われる。
紐状体5の一端部は巻き取り部6の回転ドラム6aに接続され、紐状体5の他端部にはシリンダ11aが接続されている。シリンダロッド11bの先端部は橋桁部3の中途の位置に接続されている。回転ドラム6aとシリンダ部11は、図7の視野で手前側の紐状体5と、奥行き側の紐状体5とにそれぞれ設けられている。
この実施形態の回転機構4は、橋桁部3をヒンジ部2を中心にして回動させる機構を2つ有している。1つの機構は、巻き取り部6の回転ドラム6aが回転して、紐状体5の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより、紐状体5の繰り出し長さを変化させる。もう1つの機構は、シリンダ11aに対してシリンダロッド11bを出し入れする。
この実施形態の制御部12は、巻き取り部6と、シリンダ部11とを制御することにより、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動(回動角度および回動速度)を制御する。より具体的には、巻き取り部6においては、巻き取り部6の回転ドラム6aの回転方向、回転量および回転速度を制御することにより、紐状体5の繰り出し長さおよび繰り出し速度(巻き取り速度)を制御する。シリンダ部11においては、シリンダ11aに対してシリンダロッド11bを出し入れする長さおよび速度を制御する。
このギャングウェイ装置1の使用方法は図1および図2で示した実施形態と同じである。ただし、この実施形態では、橋桁部3を収納された状態から、橋桁部3の先端部3aを対象物Tの上方に向って移動させる際のように、橋桁部3の回動角度が大きい場合には巻き取り部6を利用して橋桁部3を回動させる。そして、橋桁部3の先端部3aの下面と、この下面に対向する対象物Tの上面との間の上下距離dを許容範囲内に維持する際のように、橋桁部3の回動角度が小さく、回動を精度よく制御する必要がある場合にはシリンダ部11を利用して橋桁部3を回動させる。
このように、この実施形態では、シリンダ部11を設けているので、橋桁部3のヒンジ部2を中心にした回動(回動角度および回動速度)をより高い精度で制御することができる。それ故、橋桁部3の先端部3aの下面と、この下面に対向する対象物Tの上面との間の上下距離dをより高い精度で許容範囲内に維持することができる。
なお、上記で示した実施形態では、橋桁部3が船舶Sの舷に対して直交して配置されている場合と舷に対して略平行に配置されている場合を例示しているが、橋桁部3は船舶Sの舷に対して任意の角度で配置することができる。橋桁部3は階段構造3Aとスロープ構造3Bを組み合わせて構成することもできる。
1 ギャングウェイ装置
2 ヒンジ部
3 橋桁部
3A 階段構造
3B スロープ構造
3a (橋桁部の)先端部
4 回動機構
5、5a、5b 紐状体
6 巻き取り部
6a 回転ドラム
7 介在部材
8 支持部
8a 支持滑車
8b 支持棒
9 動滑車部
9a シリンダ
9b シリンダロッド
9c 動滑車
10 定滑車部
10a 固定棒
10b 定滑車
11 シリンダ部
11a シリンダ
11b シリンダロッド
12 制御部
13 段差センサ
14 第2ヒンジ部
15 手摺り
16 防舷材
T 対象物
S 船舶

Claims (3)

  1. 船舶にヒンジ部を介して接続されて、この船舶の外側に配置された状態になる橋桁部と、前記ヒンジ部を中心にして、前記橋桁部を回動させる回動機構とを備え、前記橋桁部の先端部を対象物の上方に近接させた状態にすることにより、この橋桁部を通じて前記対象物に対する人の往来を可能にするギャングウェイ装置であって、
    前記回動機構の動作の制御を行う制御部と、前記橋桁部の先端部と前記対象物の上面との上下距離の検知を行う段差センサとを備え、前記段差センサによる検知データに基づいて、前記制御部により前記橋桁部を前記ヒンジ部を中心にして回動させることにより前記上下距離を所定の許容範囲内に維持する構成にしたことを特徴とするギャングウェイ装置。
  2. 前記回動機構が、前記橋桁部の長手方向中途位置に一端部が接続されていて、前記橋桁部を吊り下げた状態にする紐状体と、この紐状体の他端部が接続された状態で前記紐状体の巻き取りおよび繰り出しを行うことにより前記橋桁部を前記ヒンジ部を中心にして回動させる巻き取り部とで構成される請求項1に記載のギャングウェイ装置。
  3. 前記橋桁部の前記紐状体の一端部が接続されている接続位置よりも先端側の位置であり、かつ、前記橋桁部の先端部の位置に第2ヒンジ部が備わり、前記橋桁部の前記第2ヒンジ部よりも先端側の部分が、予め設定された大きさ以上の上向きの外力が作用した際に前記第2ヒンジ部を中心にして、上方に回動可能な構成にした請求項2に記載のギャングウェイ装置。
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