JP2017077919A - 包装用容器の蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装用容器の蓋において、容器側の口部の成形の精度が悪くても、その口部との嵌合に不良が生じないようにする。
【解決手段】各種包装用容器の口部20に被着される本体2を備え、その本体2の内周面に前記口部20との嵌合のための突出部5が設けられる包装用容器の蓋1であって、前記突出部5は、第1の頂部5eと、その第1の頂部5eの下方に連続するように位置する第2の頂部5fを有することを特徴とする。また、第2の頂部5fは第1の頂部5eよりも本体2内方に突出していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、包装用容器の蓋に関し、より詳細には包装用容器の口部に打栓により装着される合成樹脂製の蓋に関する。
従来、各種包装用容器の口部を開閉するものとして合成樹脂製の蓋が広く用いられている。
この種の包装用容器の蓋は、通常、容器側の口部に打栓により装着されている。そして、容器側の口部には嵌合により固定されており、その嵌合のための突出部が容器側の口部に被着される本体の嵌合筒の内周面に設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−220849号公報
ここで、具体的には、蓋側の突出部は、打栓に際し、嵌合筒の下部側を押し広げて拡開させるように容器側の口部の外周面と強く接触しつつ、その外周面上を滑りながら嵌合位置まで移動し、その位置でシールをしつつ嵌合するようになっている。
しかしながら、容器の口部には、成形の精度が悪く、その外周面上に設計にはない段差やエッジ等(バリ等を含む)ができてしまっているものがある。そのような容器の口部に蓋を装着する場合、打栓に際し、前記のように容器の口部の外周面上を滑りながら移動する時に、その外周面上にある段差やエッジ等によって傷をつけられたり、削られたりする等して破損してしまい、容器の口部とのシールを伴う嵌合に不良が生じることがある。そして、そのような嵌合の不良が生じることにより内容物の漏れや腐食等の内容物に対する問題が生じることがある。
さらに、容器の内容物によっては、高温の状態で充填が行われることがある。その場合、容器の内圧が高くなる状態で蓋を装着することになるが、前記のような嵌合の不良があると、蓋が容器の高い内圧によって吹き飛ばされてしまうという問題も生じることがある。
この発明は、上記の事情に鑑み、包装用容器の蓋において、容器側の口部の成形の精度が悪くても、その口部との嵌合に不良が生じないようにすることを目的とする。
この発明は、各種包装用容器の口部に被着される本体を備え、その本体の内周面に前記口部との嵌合のための突出部が設けられる包装用容器の蓋であって、前記突出部は、第1の頂部と、その第1の頂部の下方に連続するように位置する第2の頂部を有することを特徴とする包装用容器の蓋である。
また、この発明は、前記第2の頂部は前記第1の頂部よりも本体内方に突出していることを特徴とする包装用容器の蓋である。
また、この発明は、前記第1の頂部と前記第2の頂部は、何れも本体内方に凸の曲面をなす頂面を形成するものであり、それらが波状をなすように上下に連続するものであることを特徴とする包装用容器の蓋である。
また、この発明は、前記第2の頂部は前記第1の頂部の本体内方への最大突出位置の下部に連続するように設けられることを特徴とする包装用容器の蓋である。
また、前記本体下部の開口部の口縁には、開口端に向けて径大の傾斜面が形成されており、前記第2の頂部はその傾斜面の上部に連続するように設けられることを特徴とする包装用容器の蓋である。
この発明によれば、容器の口部への打栓の際、口部の外周面に第2の頂部を接触させた後に第1の頂部を接触させることができる。また、口部の外周面に第2の頂部を先に接触させ、蓋本体の下部側を拡開させている状態にしてから、第1の頂部を接触させることができる。それにより、第1の頂部が口部の外周面に接触し、その外周面上を滑りながら移動する時のその接触圧を低減することができ、口部の外周面に設計にはない段差やエッジ等があったとしても、それら段差やエッジ等によって第1の頂部が傷つけられたり、削られたりする等して破損するのを防ぐようにすることができる。つまり、口部の外周面に設計にはない段差やエッジ等があったとしても、第1の頂部を良好な状態に維持し、その嵌合に不良が生じないようにすることができ、突出部全体としての嵌合に不良が生じないようにすることができる。
したがって、この発明によれば、包装用容器の蓋において、容器側の口部の成形の精度が悪くても、その口部との嵌合に不良が生じないようにすることができる。
この発明の実施形態の一例を示したものであり、上蓋を閉じた状態における本体を含む蓋全体の縦断面図である。なお、蓋が装着される容器側の口部を下方に示している。 同上を示したものであり、図1の蓋の縦断面図中、点線で囲んだ部分の拡大図である。 同上を示したものであり、容器側の口部に装着された状態における嵌合部分の拡大図である。
この発明の実施形態を蓋本体とその本体にヒンジ結合される上蓋とからなる所謂ヒンジキャップに適用する場合を例に図1乃至図3を参照しつつ説明する。なお、この発明は蓋本体とその本体にネジ止めされる上蓋とからなる所謂スクリューキャップに適用することもできる。
蓋1は、合成樹脂により形成されるものであり、各種包装用容器(例えばペットボトルやガラス瓶等、全体の図示は省略)の口部20に打栓により装着され、嵌合により固定されるものである。
本実施形態の場合、蓋1は、前記の通り、所謂ヒンジキャップであり、図1に全体を示した通り、容器側の口部20に被せられるように装着され、嵌合により固定される円筒状の本体2と、本体2に上部側を開閉可能にするようにヒンジにより結合された上蓋3とからなる。なお、本体2は、上部に注出筒6を有している。注出筒6の底部には容器側の口部20を上方から覆う閉止壁7が設けられており、その閉止壁7にはプルリング8を引っ張ることにより切り裂き可能な開口予定部が形成されている。すなわち、蓋1は、プルリングにより開栓されるキャップである。
本体2は、具体的には、容器側の口部20と嵌合する嵌合筒5を有している。嵌合筒5は、同心状の外筒部5aと内筒部5bとからなり、それら筒部の間に容器側の口部20が嵌入する環状の嵌合溝5cが形成されている。外筒部5aの内周面には、口部20の外周面との嵌合のための環状の突出部5dが設けられている。突出部5dは、打栓の際、環状溝5cに口部20が嵌入する過程で外筒部5aの下部側(開口側)を押し広げて拡開させるように口部20の外周面と強く接触しつつ、その外周面上を滑りながら所定の嵌合位置まで移動する。それにより口部20の外周面と圧接してシールをしつつ嵌合するようになっている。
なお、本実施形態の場合、容器側の口部20には、蓋側の突出部5aが嵌り込む凹部20aが形成されている。突出部5aの部分の内径は、その凹部20aの部分を含め、口部20の外径よりも小さく形成されている。それにより、打栓時、蓋側の突出部5dは、容器の口部の外周面を乗り越えるように移動して嵌合位置となる凹部20aに至り(容器側の外周面に乗り上がることにより外筒部5aの下部側を押し広げて拡開させることになる)、図3に示した通り、蓋側の突出部5dの上部側の傾斜面と口部20の凹部の上部側の傾斜面とが上下に嵌り合う位置関係になるようになっている。
そして、蓋1において、突出部5dには、図2に示した通り、第1の頂部5eと、その第1の頂部5eの下方に位置する第2の頂部5fとが設けられている。つまり、突出部5dの径方向内方に向かう一連の突出面に上下に段をなすように2つの環状の頂部5e,5fが径方向内方に向けて突出して設けられている。
これにより、打栓の際、突出部5dにおいて、口部20の外周面に第2の頂部5fを接触させた後に第1の頂部5eを接触させることができる。また、口部20の外周面に第2の頂部5fを先に接触させ、嵌合筒5の下部側を押し広げて拡開させている状態にしてから、第1の頂部5eを接触させることができる。そのため、第1の頂部5eが口部20の外周面に接触し、その外周面上を滑りながら嵌合位置まで移動する時の接触圧を低減することができ、口部20の外周面に設計にはない段差やエッジ等があったとしても、それら段差やエッジ等によって第1の頂部5eが傷つけられたり、削られたりする等して破損するのを防ぐようにすることができる。つまり、口部20の外周面に設計にはない段差やエッジ等があったとしても、第1の頂部5eを良好な状態に維持し、その嵌合に不良が生じないようにすることができ、突出部5の全体としての嵌合に不良が生じないようにすることができる。なお、本実施形態の場合、第1の頂部5e及び第2の頂部5fは、何れも、環状をなすものであり、周方向に連続して設けられている。
さらに、本実施形態の蓋1について、詳細に説明する。
図2に示した通り、第2の頂部5fは第1の頂部5eよりも径方向内方に突出して設けられている。すなわち、第2の頂部5fの径方向内方に最も突出している最大突出位置P2における突出寸法T2の方が第1の頂部5eの径方向内方に最も突出している最大突出位置P1における突出寸法T1よりも長く、第2の頂部5fの最大突出位置P2の方が第1の頂部5eの最大突出位置P1よりも径方向内方に位置するように設けられている。これにより、第2の頂部5fが嵌合筒5の下部側を押し広げて十分に拡開させている状態にしてから、第1の頂部5eを口部20の外周面に接触させることができ、第1の頂部5eが口部20の外周面上を滑りながら移動する時の接触圧を確実に低減することができるようになっている。つまり、第1の頂部5eが破損するのをより防ぐようにすることができるようになっている。
また、第1の頂部5eと第2の頂部5fは、どちらも径方向内方に凸の曲面をなす頂面を形成し、それらが波状をなすように上下に連続して設けられている。これにより、両者が口部20の外周面上を滑りながら移動する時の動きを円滑なものとすることができるようになっている。つまり、これによっても、第1の頂部5eが破損するのをより防ぐようにすることができるようになっている。
さらに、第2の頂部5fは第1の頂部5eの径方向内方への最大突出位置P1の下部に連続するように設けられている。具体的には、本実施形態の場合、第1の頂部5eの凸の曲面の内方への最大突出位置P1の下部に連続するように第2の頂部の5fの凸の曲面がさらに径方向内方に凸をなすものとして設けられている。これにより、口部20の外周面との接触部分が第2の頂部5fから第1の頂部5eに移行する時の動きを円滑なものとすることができるようになっている。つまり、これによっても、第1の頂部5eが破損するのをより防ぐようにすることができるようになっている。
また、外筒部5a下部の開口縁には、内周面に開口端に向けて径大の傾斜面5gが形成されており、第2の頂部5fはその傾斜面5gの上部に連続する傾斜面を形成するように設けられている。これにより、嵌合筒5が口部20の外周面上をスムーズに滑りながら移動することができるようになっている。
以上、この発明の実施形態を図1乃至図3を参照しつつ説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で適宜の変更が可能である。
1:蓋 2:本体 3:上蓋 4:ヒンジ 5:嵌合筒 5a:外筒部
5b:内筒部 5c:嵌合溝 5d:突出部 5e:第1の頂部
5f:第2の頂部 5g:傾斜面 6:注出筒 7:底壁 8:プルリング
20:口部(容器側) 20a:凹部(容器側)

Claims (5)

  1. 各種包装用容器の口部に被着される本体を備え、その本体の内周面に前記口部との嵌合のための突出部が設けられる包装用容器の蓋であって、
    前記突出部は、第1の頂部と、その第1の頂部の下方に連続するように位置する第2の頂部を有することを特徴とする包装用容器の蓋。
  2. 前記第2の頂部は前記第1の頂部よりも本体内方に突出していることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器の蓋。
  3. 前記第1の頂部と前記第2の頂部は、何れも本体内方に凸の曲面をなす頂面を形成するものであり、それらが波状をなすように上下に連続するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器の蓋。
  4. 前記第2の頂部は前記第1の頂部の本体内方への最大突出位置の下部に連続するように設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の包装用容器の蓋である。
  5. 前記本体下部の開口部の口縁には、開口端に向けて径大の傾斜面が形成されており、前記第2の頂部はその傾斜面の上部に連続するように設けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の包装用容器の蓋。
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