JP6736354B2 - ねじ式キャップ容器 - Google Patents
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Description
また、ねじ山の数を3条から4条とした場合でも、約180°となり、片手で回せる1回の回転角度は約90°といわれていることからみても、それでもかなり大きい回転角度といわざるを得ない。
したがって、回転角度を90°程度とするためには、ねじ山を4条以上とし、さらに係合爪を一つとすることによって容易に得られるとしても、その場合には成形上の問題によって、様々な不具合が生じてくることがわかった。
まず、ねじ山を有する容器を金型を用いて成形する場合、二つの金型の合わせの部分にP.L(パーティングライン)という出っ張りを発生することが知られており、円筒形の容器を成形する場合、円周方向の0°と180°の2箇所にP.Lが現れ、P.L方向に径が大きくなる傾向があり、容器の口筒部が楕円になると、キャップの係合部が容器のねじ山に係合しにくくなるという問題があった。
さらに、ねじ山を4条以上とすると、容器の口筒部の高さのわずかなバラツキにより、特に小さくなるとキャップの係合部がねじ山の奥にまで入りすぎてオーバーランとなり、閉蓋が不十分となるという問題があった。
また、ねじ式キャップ容器の実施態様として、スロープねじ部は、4箇所に配設され、キャップねじ突部も同様に4箇所配設され、4つのスロープねじ部のはじまりを、P.Lの位置を0°としたときに、45°、135°、225°および315°あたりとすることを特徴とする構成を採用する。
しかも、開蓋時には、より小さい回転角度で螺合を解き、簡単に素早くねじキャップを外すことができる。
図1において、Aは容器本体、Bはねじキャップである。
なお、容器本体Aは、ポリプロピレン樹脂を用い、押出ブロー成形(EBM)により製造したものであり、また、ねじキャップBについても、同じくポリプロピレン樹脂を用い射出成形により製造したものである。
ただし、本実施例では、容器本体AとねじキャップBをともにポリプロピレン樹脂製としたが、ポリプロピレン樹脂に限らず、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等、成形性や物性に合わせて合成樹脂を選択することができ、また、成形方法についても、押出ブロー成形、射出成形に限らず、二軸延伸ブロー成形、圧縮成形等、合成樹脂の特性に合わせた成形方法を選択することができる。
なお、本実施例では、スロープねじ部2を4箇所に配設しているが、複数あればよく、その場合、スロープねじ部のはじまりをP.Lから外した位置とする。
また、本実施例では、図3(b)に示すとおり、傾斜ねじ突部5の下部に、90°、180°、270°および0°あたりにストッパ部7(7a、7b、7c、7d)が設けられている。
本実施例では、頂壁10と外周壁12との間に傾斜壁11を備えているが、傾斜壁11を省き、頂壁10の外縁から直に外周壁12を垂設させても構わない。
図4(b)で示すとおり、キャップねじ突部15は、それぞれ周方向の長さ(角度範囲)が30°〜40°(34°くらいがより好ましい)であり、アンダーカット部14の周方向長さは、キャップねじ突部15より10〜15°程度大きく設定されている。
また、外周壁12の内周は、キャップねじ突部15より下方が、スロープねじ部2の外側面と摺接する係合面12aとなっている。
なお、アンダーカット部14は、成形時に、金型からねじキャップBを離型する際に、キャップねじ突部15が引き出されて変形(マクレ)するのを防止するために設けられたもので、なくても構わない。
キャップねじ突部15は、下面が上部ねじ突部4の上面と平行するように、水平または、閉蓋時に回転する方向に向けて緩やかに下方に傾斜し、上面が下面に対して閉蓋時に回転する方向に向けて、より下方に傾斜する(幅が先細りする)ように形成されている。
さらに、密封筒部13に代えて、口筒部1の内周に挿入されるインナーリングや口筒部1の上面に密着して変形可能に薄肉に形成されるコンタクトリングを頂壁から垂設して、容器本体Aの口筒部1の上面をシールしても構わない。
本実施例では、口筒部1として比較的口径が大きな容器を使用している。
容器本体Aの口筒部1に上方から、ねじキャップBを被せると、ねじキャップBは、外周壁12の内周の係合面12aを容器本体Aのスロープねじ部2の外周に摺接しながら下降する。
さらに、ねじキャップBを20°程回転させると、最後は、図5(d)に示すように、キャップねじ突部15(15a、15b、15c、15d)のそれぞれ左側端部が、スロープねじ部2の傾斜ねじ突部5の下部に設けられたストッパ部7(7b、7c、7d、7a)に当接することにより、回転が止められ、ねじキャップBが閉蓋終了となる。
その際に、図6(b)で示すように、ねじキャップBの密封筒部13の先端部が容器本体Aの口筒部1の上面に当接し、容器本体A内を密封する。
なお、本実施例では、密封筒部13の先端部の一部が容器本体Aの口筒部1の上面に当接するものであるが、密封筒部13の先端部の形状を口筒部1の内周に挿入されるインナーリングや口筒部1の上面に密着して変形可能に薄肉に形成されるコンタクトリングの形状としても構わない。
万が一、キャップねじ突部15全体が傾斜ねじ突部5の上に被さったとしても、キャップねじ突部15の下面が、4箇所においてそれぞれ傾斜ねじ突部5の上に均等に当接することにより、ねじキャップBが容器本体Aの口筒部1に対して常に水平に被されることになる。
そうした場合であっても、そのまま回転させることによって、図5(b)〜図5(d)の状態に、容易に進めることができ、ねじキャップBが口筒部1に対して斜め被りしてしまうことはなく、ねじキャップBを容器本体Aに対して正常に回転させ、閉蓋することができる。
また、本実施例のように、図6で示すとおり、ねじキャップBの外周壁12の下端部を容器本体Aのネックリング3に被さるくらいに長く設けることによっても、ねじキャップBの斜め被りを防止することができる。
本実施例では、閉蓋状態から約50°回転させることにより、ねじキャップBと容器本体Aとの螺合を解き、簡単に開蓋することができる。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
下部短ねじ突部16は、キャップねじ突部15とは当接していないため、左隣の上部ねじ突部4と上下に重なる位置まで長くする必要がなく、本実施例では左隣の上部ねじ突部4と重なっていない。
なお、本実施例では、下部短ねじ突部16は、ほぼ上部ねじ突部4の半分程度の長さを有しているが、さらに、下部短ねじ突部16自体をなくすことも可能である。
本実施例のように、下部短ねじ突部16と上部ねじ突部4とが重なっていないため、成形の際に、ねじ突部同士で緩衝し合うことがなく、成形が容易となるという効果を奏する。
その他の構成は、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
B ねじキャップ
α 勾配高さ
β 高さ
γ 幅
1 口筒部
2 スロープねじ部
3 ネックリング
4(4a、4b、4c、4d) 上部ねじ突部
5(5a、5b、5c、5d) 傾斜ねじ突部
6(6a、6b、6c、6d) 下部ねじ突部
7(7a、7b、7c、7d) ストッパ部
10 頂壁
11 傾斜壁
12 外周壁
12a 係合面
13 密封筒部
14(14a、14b、14c、14d) アンダーカット部
15(15a、15b、15c、15d) キャップねじ突部
16(16a、16b、16c、16d) 下部短ねじ突部
Claims (3)
- 容器本体と、ねじキャップとからなるねじ式キャップ容器であって、
容器本体は、口筒部外周に、ねじキャップと螺合するスロープねじ部を備え、
スロープねじ部は、上面から見て等間隔で複数箇所に配設され、閉蓋方向に、上部ねじ突部と、上部ねじ突部の端部から連設される傾斜ねじ突部と、傾斜ねじ突部の端部から連設される下部ねじ突部とからなり、
ねじキャップは、頂壁と、頂壁の外縁から垂設される外周壁とを備え、
外周壁は、内周に等間隔かつ同じ高さで複数箇所に配設され、容器本体のスロープねじ部と螺合するキャップねじ突部を備え、
複数のスロープねじ部のはじまりを、成形の際に生じるP.L(パーティングライン)から外れた位置とし、
傾斜ねじ突部の下部にストッパ部を設けることを特徴とするねじ式キャップ容器。 - スロープねじ部の上部ねじ突部は、わずかな勾配を有し、勾配の高さの変量は、容器本体の口筒部の高さのバラツキ量からその3倍程度とすることを特徴とする請求項1に記載のねじ式キャップ容器。
- スロープねじ部は、4箇所に配設され、キャップねじ突部も同様に4箇所配設され、
4つのスロープねじ部のはじまりを、P.Lの位置を0°としたときに、45°、135°、225°および315°あたりとすることを特徴とする請求項1または2に記載のねじ式キャップ容器。
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