JP2017077610A - 塗膜剥離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面にプライマー塗装が施された長尺板材のプライマーを剥離するに際して長尺板材の位置決めを正確かつ確実に行うことができる塗膜剥離装置を提供する。
【解決手段】ローラコンベヤ4の幅方向中央にセンタリング装置5によって位置決めした長尺鋼板2をそのローラコンベヤ4で搬送しながら長尺鋼板2の表面に塗布されたプライマーをサンダーベルト60で研削して剥離するようにした塗膜剥離装置1において、センタリング装置5は、駆動エアシリンダ40の作動によって平行リンク機構30を駆動することにより、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22との相対距離を長尺鋼板2の幅寸法に応じて調整することでそれら位置決め部材21,22の間に挟まれた長尺鋼板2をローラコンベヤ4の幅方向中央に位置決めするものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、長尺板材の表面を覆う塗膜を剥離する塗膜剥離装置に関し、特に、例えば長尺鋼材を長手方向に搬送しつつその鋼材表面に塗布されたプライマーを研削部材により研削して剥離するようにした塗膜剥離装置に関するものである。
例えば、鈑桁を構成するフランジ(長尺鋼材)には錆止め用の下塗り塗装が施されている。鈑桁の溶接組立に際し、下塗り塗料(プライマー)を剥離しないでフランジとウェブとの溶接を行うと、プライマーが溶接時にガス状となって発散し溶接欠陥が生じる。そのため、鈑桁の溶接組立に当たっては、ウェブの溶接部位に対応するフランジのプライマーを、ウェブの肉厚よりも幅広く剥離する必要がある。
従来、フランジのプライマー剥離は次のようにして行われている。すなわち、プライマー塗装されたフランジをクレーン作業により定盤上に並べ、フランジ表面の所定箇所に剥離線を罫書する。次いで、研削無端ベルトを装備した手押し移動構造のプライマー剥離機(ベーダマシン)をフランジ上に置き、罫書した剥離線に沿って作業者が手押し移動しながら当該部分のプライマーを剥離する。
上記のプライマー剥離作業では、フランジが長尺部材であるため、クレーン作業時のハンドリングが難しく、また、プライマー剥離位置を定める罫書作業を予め行う必要があるとともに、フランジ上に運び込んだベーダマシンを手押し移動させてプライマーを剥離しなければならないため、作業効率が悪く、多くの時間と労力を要するといった問題があった。
そこで、長尺鋼材に塗布された塗膜(プライマー)を自動連続的に剥離することができ、作業効率の向上を図ることができる剥離装置が特許文献1にて提案されている。
実開平6−50750号公報
図7(a)に示されるように、上記特許文献1に係る剥離装置101は、表面にプライマー塗装を施した長尺鋼材102を水平に搬送するローラコンベヤ103と、このローラコンベヤ103の上方に配され、長尺鋼材102の搬送方向に沿って周回運動し、かつ搬送される長尺鋼材102の表面に対し押付・離反可能とした無端ベルト構造の研削部材であるサンダーベルト104とを備え、長尺鋼材102をローラコンベヤ103で搬送しながらサンダーベルト104でプライマーを研削して効率良く剥離することができるように構成されている。
図7(b)に示されるように、上記の剥離装置101においては、複数(2基)のセンタリング装置105A,105Bが搬送方向に所定間隔を設けて配置されている。
各センタリング装置105A,105Bは、ローラコンベヤ103上で搬送される長尺鋼材102をそのローラコンベヤ103の幅方向中央に位置決めするためのものであって、図7(c)に示されるように、ローラコンベヤ103を構成する駆動ローラ103aの軸線と平行に床面上に設置された台座106を備え、この台座106の両端間には、モータ107によって回転駆動されるスクリュー軸108が横架されている。スクリュー軸108は中央部を境として互いに逆送りする螺子部を形成したものによって構成され、各螺子部には、それぞれ上部に規制部材109を立設した可動体110が螺合されている。また、可動体110の下部は、台座106上に設けられた案内レール111に案内・移動可能に係合されている。
上記のセンタリング装置105A,105Bにおいては、モータ107の作動によってスクリュー軸108を回転駆動することにより、一対の可動体110を互いに近づける方向または互いに離れる方向に相対移動させて、長尺鋼材102の幅寸法に応じて一対の規制部材109の間の相対距離を調整することで一対の規制部材109の間に挟まれた長尺鋼材102をローラコンベヤ103の幅方向中央に位置決めすることができるようになっている。
しかしながら、上記の剥離装置101では、一方のセンタリング装置105Aと他方のセンタリング装置105Bとの間に機械的なリンクがなく、これらセンタリング装置105A,105Bにおける互いのモータ107の同期制御で長尺鋼材102の位置決めがなされているため、モータ107の同期制御にずれが生じると、長尺鋼材102の位置決めを正確に行えないことになり、センタリング機能の確実性に欠けるという問題点がある。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、表面にプライマー塗装が施された長尺板材のプライマーを剥離するに際して長尺板材の位置決めを正確かつ確実に行うことができる塗膜剥離装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による塗膜剥離装置は、
ローラコンベヤの幅方向中央にセンタリング装置によって位置決めした長尺板材をそのローラコンベヤで搬送しながら長尺板材の表面に塗布されたプライマーを研削部材で研削して剥離するようにした塗膜剥離装置において、
前記センタリング装置は、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって右側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の右側位置決め部材と、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって左側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の左側位置決め部材と、前記複数の右側位置決め部材に対応させて並設される右側縦リンクと前記複数の左側位置決め部材に対応させて並設される左側縦リンクとを含む平行リンク機構と、この平行リンク機構を駆動する駆動アクチュエータと、前記複数の右側位置決め部材と前記右側縦リンクとを連結する複数の右側連結リンクと、前記複数の左側位置決め部材と前記左側縦リンクとを連結する複数の左側連結リンクとを備え、前記駆動アクチュエータの作動によって前記平行リンク機構を駆動することにより、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材とを互いに近づける方向または互いに離れる方向に相対移動させて、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との相対距離を長尺板材の幅寸法に応じて調整することで前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との間に挟まれた長尺板材を前記ローラコンベヤの幅方向中央に位置決めするようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記複数の右側位置決め部材および前記複数の左側位置決め部材を長尺板材から離れる方向に直接的に押し出す補助アクチュエータを設けるのが好ましい(第2発明)。
本発明によれば、複数の右側位置決め部材が複数の右側連結リンクを介して右側縦リンクに機械的に連結されるとともに、複数の左側位置決め部材が複数の左側連結リンクを介して左側縦リンクに機械的に連結され、右側縦リンクおよび左側縦リンクを含む平行リンク機構の駆動によって複数の右側位置決め部材および複数の左側位置決め部材が確実に同期して作動されるので、複数の右側位置決め部材と複数の左側位置決め部材との間に挟まれた長尺板材の位置決めを正確かつ確実に行うことができる。
ところで、センタリング装置における平行リンク機構は、右側縦リンクと左側縦リンクとが所定距離離隔して平行リンク機構が開いた状態と、右側縦リンクと左側縦リンクとが近接して平行リンク機構が閉じた状態とを有している。駆動アクチュエータの作動によって平行リンク機構が駆動されると、平行リンク機構は、開いた状態から閉じた状態へと変化する、あるいは閉じた状態から開いた状態へと変化することになる。平行リンク機構の構造上、平行リンク機構が開いた状態から閉じた状態に向かって変化する瞬間に必要とされる駆動アクチュエータの瞬間駆動力に比べて、平行リンク機構が閉じた状態から開いた状態に向かって変化する瞬間に必要される駆動アクチュエータの瞬間駆動力は格段に大きくなり、平行リンク機構がスムーズに作動しない恐れがある。
そこで、第2発明の構成を採用することにより、すなわち複数の右側位置決め部材および複数の左側位置決め部材を長尺板材から離れる方向に直接的に押し出す補助アクチュエータを設けることにより、平行リンク機構が閉じた状態から開いた状態に向かって変化する瞬間に必要される駆動アクチュエータの瞬間駆動力がその補助アクチュエータのアシストによって相対的に小さくなるため、平行リンク機構をスムーズに作動させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る塗膜剥離装置の側面図である。 図2は、研削装置を省略して示す同塗膜剥離装置の平面図である。 図3は、同塗膜剥離装置におけるセンタリング装置を示す模式図で、長尺鋼板をセンタリングしている状態図である。 図4は、同塗膜剥離装置におけるセンタリング装置を示す模式図で、平行リンク機構が開いている状態図である。 図5は、同塗膜剥離装置におけるセンタリング装置を示す模式図で、平行リンク機構が閉じている状態図である。 図6は、図5のX矢視図である。 図7は、従来の塗膜剥離装置の説明図である。
次に、本発明による塗膜剥離装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<塗膜剥離装置の概略説明>
図1および図2に示される塗膜剥離装置1は、長尺板材として例えば比較的縦長の四角板状の鋼材2(以下、「長尺鋼材2」と称する。)をその長手方向に搬送しつつその鋼材表面に塗布されたプライマーを研削することによって剥離する装置であり、その基礎部分を構成する基台3を備え、この基台3に、ローラコンベヤ4とセンタリング装置5とを組み合わせて設置するとともに、ローラコンベヤ4の上方に研削装置6を配設して構成されている。
<ローラコンベヤの説明>
ローラコンベヤ4は、長尺鋼材2の搬送方向(以下、「ワーク搬送方向」と称する。)に沿って延びる一対のサイドフレーム10を備え、これらサイドフレーム10は、ワーク搬送方向に向かって左右に所定間隔を設けて配され、これらサイドフレーム10の間には、ワーク搬送方向と直交する水平軸線を有する複数の駆動ローラ11がワーク搬送方向に適宜間隔で配されている。一対のサイドフレーム10は、複数の駆動ローラ11のそれぞれの両端部を回転可能に支持するとともに、互いに隣り合う駆動ローラ11の間のやや下方位置でそれら駆動ローラ11と平行をなすように配置される駆動シャフト12の両端部を回転可能に支持している。一対のサイドフレーム10のワーク搬送方向の上流側には、駆動モータ13が設置されている。
そして、各駆動ローラ11の一端部、各駆動シャフト12の一端部および駆動モータ13の出力軸には、相互に伝動チェーン14が巻き掛け装着され、駆動モータ13の作動により、各駆動ローラ11および各駆動シャフト12がそれぞれ回転駆動されるようになっている。
<センタリング装置の説明>
センタリング装置5は、ローラコンベヤ4上で搬送される長尺鋼材2をそのローラコンベヤ4の幅方向中央に位置決めする装置であって、複数(本例ではいずれも3基ずつ)の右側位置決め部材21および左側位置決め部材22を備えている。
ここで、複数の右側位置決め部材21は、ワーク搬送方向に向かって右側でワーク搬送方向に沿って一列に並ぶように配され、これに対し、複数の左側位置決め部材22は、ワーク搬送方向に向かって左側でワーク搬送方向に沿って一列に並ぶように配されている。
複数の右側位置決め部材21および左側位置決め部材22はいずれも基本構造は同じであり、各位置決め部材21,22は、四角箱状のケーシング23を備え、ケーシング23は、駆動シャフト12を挟むように平行に配置される一対のリニアガイド24に案内・支持されて、ワーク搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされている。
ケーシング23には、一方の側面から他方の側面を貫通するように駆動シャフト12が差し込まれ、ケーシング24の上部には、鉛直軸線を有する規制ローラ25が回転可能に支持され、ケーシング24の内部には、駆動シャフト12の回転動力を規制ローラ25に伝達する図示されないマイタ歯車が内蔵されている。
ここで、右側位置決め部材21および左側位置決め部材22をリニアガイド24の案内で互いに近づける方向に相対移動させた際には、右側位置決め部材21における規制ローラ25の周面が長尺鋼板2のワーク搬送方向に向かって右側の側部に当接され、同様に、左側位置決め部材22における規制ローラ25の周面が長尺鋼板2のワーク搬送方向に向かって左側の側部に当接される。
図4に示されるように、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22との間には、平行リンク機構30が配設されている。この平行リンク機構30は、主として、互いに平行をなす右側縦リンク31および左側縦リンク32と、互いに平行をなす第1駆動リンク33および第2駆動リンク34とにより構成されている。
右側縦リンク31は、複数の右側位置決め部材21に対応させてワーク搬送方向に沿って延びるように並設され、右側縦リンク31と右側位置決め部材21とは、右側連結リンク35によって連結されている。
左側縦リンク32は、複数の左側位置決め部材22に対応させてワーク搬送方向に沿って延びるように並設され、左側縦リンク32と左側位置決め部材22とは、左側連結リンク36によって連結されている。
第1駆動リンク33は、右側縦リンク31および左側縦リンク32のそれぞれのワーク搬送方向に向かって前端部同士を連結し、第2駆動リンク34は、右側縦リンク31および左側縦リンク32のそれぞれのワーク搬送方向に向かって後端部同士を連結している。なお、第1駆動リンク33と第2駆動リンク34との間には、それら駆動リンク33,34と平行をなすように中間連結リンク37が配されており、この中間連結リンク37は、右側縦リンク31および左側縦リンク32のそれぞれの中間部同士を連結している。
一対のサイドフレーム10の中間位置には、ワーク搬送方向に沿って延びるように中央フレーム38が配設されており、この中央フレーム38上に、第1駆動リンク33、第2駆動リンク34および中間連結リンク37のそれぞれの中間部が回動可能に支持されている。
各駆動リンク33,34の端部には、レバー部33a,34aが一体的に延設され、該レバー部33a,34aと基台3との間には、両者を連結するように駆動エアシリンダ40が配設されている。駆動エアシリンダ40は、平行リンク機構30を駆動する駆動アクチュエータとして機能し、駆動エアシリンダ40の伸縮作動により、各駆動リンク33,34および中間連結リンク37が、それぞれ中央フレーム38に支承される各々の中間部を支点として回動されるようになっている。
駆動エアシリンダ40が伸長作動すると、各駆動リンク33,34が図4中記号A矢印方向に回動されるとともに、各駆動リンク33,34の回動作動に連動して中間連結リンク37が回動され、これに伴い右側縦リンク31と左側縦リンク32とが平行な位置関係を維持しつつ互いが接近するように移動され、複数の右側連結リンク35および複数の左側連結リンク36を介して、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22とが互いに近づく方向に相対移動される。
駆動エアシリンダ40が収縮作動すると、各駆動リンク33,34が図3中記号B矢印方向に回動されるとともに、各駆動リンク33,34の回動作動に連動して中間連結リンク37が回動され、これに伴い右側縦リンク31と左側縦リンク32とが平行な位置関係を維持しつつ互いが離れるように移動され、複数の右側連結リンク35および複数の左側連結リンク36を介して、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22とが互いに離れる方向に相対移動される。
ところで、図4に示されるように、平行リンク機構30は、右側縦リンク31と左側縦リンク32とが所定距離離隔して平行リンク機構30が開いた状態と、図5に示されるように、右側縦リンク31と左側縦リンク32とが近接して平行リンク機構30が閉じた状態とを有している。駆動エアシリンダ40の伸縮作動によって平行リンク機構30が駆動されると、平行リンク機構30は、開いた状態から閉じた状態へと変化する、あるいは閉じた状態から開いた状態へと変化することになる。平行リンク機構30の構造上、図4に示されるような平行リンク機構30が開いた状態から図5に示されるような閉じた状態に向かって変化する瞬間に必要とされる駆動エアシリンダ40の瞬間駆動力(瞬間推力F)に比べて、図5に示されるような平行リンク機構30が閉じた状態から図4に示されるような開いた状態に向かって変化する瞬間に必要される駆動エアシリンダ40の瞬間駆動力(瞬間推力F)は格段に大きくなり、駆動エアシリンダ40の推力不足で平行リンク機構30がスムーズに作動しない恐れがある。
なお、駆動エアシリンダ40として大出力のものを採用すれば、推力不足に起因する上記の平行リンク機構30の作動不良の問題を解消することができると推察されるが、この場合、駆動エアシリンダ40や付帯関連装置の大型化を免れず、装置全体の大型化を招くことになり、好ましくない。
そこで、本実施形態においては、図5および図6に示されるように、複数の右側位置決め部材21および複数の左側位置決め部材22のそれぞれを長尺鋼板2から離れる方向に直接的に押し出す補助アクチュエータとして補助エアシリンダ41を設けるようにしている。すなわち、複数の右側位置決め部材21および複数の左側位置決め部材22のそれぞれに対応するように複数の補助エアシリンダ41を配置し、各補助エアシリンダ41おいて、そのシリンダチューブの基端部を中央フレーム38に固定し、そのシリンダロッド先端部に例えば袋ナットを螺着してこれを押当パッド42とし、平行リンク機構30が閉じた状態(図5参照)において、各補助エアシリンダ41を伸長作動させて、押当パッド42を、各位置決め部材21に設けられた受止板43に押し当てて、各補助エアシリンダ41からの押出力を各位置決め部材21,22に付与するようにしている。こうすることにより、右側位置決め部材21と左側位置決め部材22とが互いに離れる方向に、言い換えれば各位置決め部材21,22を長尺鋼板2から離れる方向に、各位置決め部材21,22を直接的に押し出すことができる。
<研削装置の説明>
図1に示されるように、研削装置6は、基台3上に設置された門形フレーム50に支持されている。この門形フレーム50は、ワーク搬送方向に向かって左右に所定間隔を設けて立設される一対の支柱部材51(一方のみ図示)と、一対の支柱部材51の上端部同士を繋ぐ円筒状の上側梁部材52と、この上側梁部材52の下方位置で一対の支柱部材51を繋ぐ円筒状の下側梁部材53とより構成されている。
下側梁部材53には、ワーク搬送方向に延びる取付ベース板54が回動可能に装着されている。この取付ベース板54と上側梁部材52とはエアシリンダ55によって連結され、エアシリンダ55の伸縮動作により、取付ベース板54が上下方向に揺動されるようになっている。
取付ベース板54において、ワーク搬送方向に向かって前端部には、従動ローラ56が回転可能に取り付けられ、後端部には、駆動ローラ57が取り付けられている。取付ベース板54の中央位置には、ガイド支柱58が立設され、このガイド支柱58には、上下方向の高さ位置を調節可能にテンションローラ59が装着されている。これら従動ローラ56、駆動ローラ57およびテンションローラ59には、無端ベルト構造の研削部材としてのサンダーベルト60が巻き掛け装着されている。
また、取付ベース板54上には、ガイド支柱58と駆動プーリ57との間に位置するように駆動モータ61が設置され、駆動モータ61の出力軸に固定された駆動プーリと、駆動ローラ57に固定された従動プーリとの間に伝動ベルト62が巻き掛け装着され、駆動モータ61の作動により、サンダーベルト60が従動ローラ56、駆動ローラ57およびテンションローラ59間で周回運動するようになっている。
研削装置6においては、駆動モータ61の作動によってサンダーベルト60を周回運動させた状態で、エアシリンダ55の伸長作動によって取付ベース板54の前端側が下方に移動するように取付ベース板54を回動させて、従動ローラ56上を走るサンダーベルト60を長尺鋼板2の表面に対し押し付けることにより、長尺鋼板2の表面に塗布されたプライマーをサンダーベルト60で研削して剥離することができるようになっている。なお、エアシリンダ55の収縮作動によって取付ベース板54の前端側が上方に移動するように取付ベース板54を回動させて、従動ローラ56上を走るサンダーベルト60を長尺鋼板2の表面に対し離反させれば、サンダーベルト60によるプライマーの剥離動作を止めることができるのは言うまでもない。また、図示されない横方向位置調整機構により、研削装置6を上側梁部材52および下側梁部材53上で摺動させてワーク搬送方向に向かって左右に移動させ、横方向の位置を調整することで、研削装置6によるプライマーの研削・剥離箇所の横方向の位置を調整することができる。
<集塵装置の説明>
上記の研削装置6によるプライマーの研削・剥離動作の際に生じたプライマー粉塵は、研削装置6に付設される集塵ダクト70を介してサイクロン集塵機71で回収され、塗膜剥離装置1の周辺にプライマー粉塵が飛散しないようにして作業環境を良好に保つようにされている。
<塗膜剥離装置の作動説明>
以上に述べたように構成される塗膜剥離装置1を用いて、表面にプライマー塗装が施された長尺鋼板2に対しプライマーの研削・剥離動作は、以下のようにして行われる。
まず、図4に示されるように、駆動エアシリンダ40の収縮作動により、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22とを互いに離れる方向に相対移動させて、これからプライマー研削・剥離処理を施そうとする長尺鋼板2の幅寸法よりも、左右の位置決め部材21,22におけるそれぞれの規制ローラ25の相対距離が大きくなるようにしておく。
次いで、図2に示されるように、左右の位置決め部材21,22におけるそれぞれの規制ローラ25の間に位置するように長尺鋼板2をローラコンベヤ11上に載置した状態で、図3に示されるように、駆動エアシリンダ40の伸長作動により、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22とを互いに近づける方向に相対移動させて、左右の位置決め部材21,22におけるそれぞれの規制ローラ25を長尺鋼板2の側部に当接させ、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22との相対距離を長尺鋼板2の幅寸法に応じて調整することで複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22との間に挟まれた長尺鋼板2をローラコンベヤ11の幅方向中央に位置決めする。
そして、図1に示されるように、駆動モータ13の作動により、駆動ローラ11を回転駆動するとともに、駆動シャフト12を介して規制ローラ25を回転駆動して、駆動ローラ11および規制ローラ25の協働にて長尺鋼板2をワーク搬送方向に搬送するとともに、駆動モータ61の作動によってサンダーベルト60を周回運動させた状態で、エアシリンダ55の伸長作動によって取付ベース板54の前端側が下方に移動するように取付ベース板54を回動させて、従動ローラ56上を走るサンダーベルト60を長尺鋼板2の表面に対し押し付ける。
こうして、センタリング装置5によってローラコンベヤ4の幅方向中央に位置決めした長尺鋼板2をローラコンベヤ4で搬送しながら長尺鋼板2の表面に塗布されたプライマーをサンダーベルト60で研削して剥離することができる。
<作用効果の説明>
本実施形態の塗膜剥離装置1によれば、複数の右側位置決め部材21が複数の右側連結リンク35を介して右側縦リンク31に機械的に連結されるとともに、複数の左側位置決め部材22が複数の左側連結リンク36を介して左側縦リンク32に機械的に連結され、右側縦リンク31および左側縦リンク32を含む平行リンク機構30の駆動によって複数の右側位置決め部材21および複数の左側位置決め部材22が確実に同期して作動されるので、複数の右側位置決め部材21と複数の左側位置決め部材22との間に挟まれた長尺鋼板2の位置決めを正確かつ確実に行うことができる。
本実施形態の塗膜剥離装置1では、センタリング装置5の作動により、長尺鋼板2の幅寸法が比較的小さい(例えば190mm)ものから大きい(例えば、1050mm)ものまで幅広くセンタリング可能であるが、幅寸法が小さい長尺鋼板2に対してセンタリングを行った後に、幅寸法が大きい長尺鋼板2に対してセンタリングを行う場合には、センタリング装置5における平行リンク機構30を閉じた状態(図5参照)から開いた状態(図4参照)に向かって変化させることになり、この際、必要される駆動エアシリンダ40の瞬間駆動力(瞬間推力F)は格段に大きくなり、駆動エアシリンダ40の推力不足で平行リンク機構30がスムーズに作動しない恐れがある。
そこで、図5および図6に示されるように、平行リンク機構30が閉じた状態において、各補助エアシリンダ41を伸長作動させて、右側位置決め部材21と左側位置決め部材22とが互いに離れる方向に、言い換えれば各位置決め部材21,22を長尺鋼板2から離れる方向に、各位置決め部材21,22を直接的に押し出すことにより、平行リンク機構30をスムーズに作動させることができる。
以上、本発明の塗膜剥離装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の塗膜剥離装置は、表面にプライマー塗装が施された長尺板材のプライマーを剥離するに際して長尺板材の位置決めを正確かつ確実に行うことができるという特性を有していることから、例えば鈑桁の溶接組立に際して、鈑桁を構成するフランジ(長尺鋼材)の下塗り塗料(プライマー)の剥離の用途に好適に用いることができ、産業上の利用可能性が大である。
1 塗膜剥離装置
2 長尺鋼板(長尺板材)
4 ローラコンベヤ
5 センタリング装置
21 右側位置決め部材
22 左側位置決め部材
30 平行リンク機構
31 右側縦リンク
32 左側縦リンク
35 右側連結リンク
36 左側連結リンク
40 駆動エアシリンダ(駆動アクチュエータ)
41 補助エアシリンダ(補助アクチュエータ)
60 サンダーベルト(研削部材)

前記目的を達成するために、本発明による塗膜剥離装置は、
ローラコンベヤの幅方向中央にセンタリング装置によって位置決めした長尺板材をそのローラコンベヤで搬送しながら長尺板材の表面に塗布されたプライマーを研削部材で研削して剥離するようにした塗膜剥離装置において、
前記センタリング装置は、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって右側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の右側位置決め部材と、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって左側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の左側位置決め部材と、前記複数の右側位置決め部材に対応させて並設される右側縦リンクと前記複数の左側位置決め部材に対応させて並設される左側縦リンクとを含む平行リンク機構と、この平行リンク機構を駆動する駆動アクチュエータと、前記右側縦リンクと前記左側縦リンクとの中間位置で前記平行リンク機構の下側に配設されて前記平行リンク機構を支持する中央フレームと、前記複数の右側位置決め部材と前記右側縦リンクとを連結する複数の右側連結リンクと、前記複数の左側位置決め部材と前記左側縦リンクとを連結する複数の左側連結リンクとを備え、前記駆動アクチュエータの作動によって前記平行リンク機構を駆動することにより、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材とを互いに近づける方向または互いに離れる方向に相対移動させて、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との相対距離を長尺板材の幅寸法に応じて調整することで前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との間に挟まれた長尺板材を前記ローラコンベヤの幅方向中央に位置決めするようにし
前記複数の右側位置決め部材および前記複数の左側位置決め部材の各位置決め部材と前記中央フレームとの間に、前記各位置決め部材に対し押出力を付与する補助アクチュエータを配設し、前記平行リンク機構が閉じた状態において、前記補助アクチュエータにより前記各位置決め部材を長尺板材から離れる方向に直接的に押し出すようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記研削部材で前記プライマーを研削して剥離した際に生じるプライマー粉塵を、集塵ダクトを介してサイクロン集塵機で回収するようにするのが好ましい(第2発明)。
そこで、右側縦リンクと左側縦リンクとの中間位置で平行リンク機構の下側にその平行リンク機構を支持する中央フレームを配設し、この中央フレームと各位置決め部材との間に、各位置決め部材に対し押出力を付与する補助アクチュエータを配設し、平行リンク機構が閉じた状態において、補助アクチュエータにより各位置決め部材を長尺板材から離れる方向に直接的に押し出すようにすることにより、平行リンク機構が閉じた状態から開いた状態に向かって変化する瞬間に必要される駆動アクチュエータの瞬間駆動力がその補助アクチュエータのアシストによって相対的に小さくなるため、平行リンク機構をスムーズに作動させることができる。
また、第2発明の構成を採用することにより、塗膜剥離装置の周辺にプライマー粉塵が飛散しないようにして作業環境を良好に保つことができる。

Claims (2)

  1. ローラコンベヤの幅方向中央にセンタリング装置によって位置決めした長尺板材をそのローラコンベヤで搬送しながら長尺板材の表面に塗布されたプライマーを研削部材で研削して剥離するようにした塗膜剥離装置において、
    前記センタリング装置は、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって右側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の右側位置決め部材と、長尺板材の搬送方向に対し直交する水平方向に往復移動自在とされて長尺板材の搬送方向に向かって左側の側部に当接可能で長尺板材の搬送方向に沿って一列に並ぶように配される複数の左側位置決め部材と、前記複数の右側位置決め部材に対応させて並設される右側縦リンクと前記複数の左側位置決め部材に対応させて並設される左側縦リンクとを含む平行リンク機構と、この平行リンク機構を駆動する駆動アクチュエータと、前記複数の右側位置決め部材と前記右側縦リンクとを連結する複数の右側連結リンクと、前記複数の左側位置決め部材と前記左側縦リンクとを連結する複数の左側連結リンクとを備え、前記駆動アクチュエータの作動によって前記平行リンク機構を駆動することにより、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材とを互いに近づける方向または互いに離れる方向に相対移動させて、前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との相対距離を長尺板材の幅寸法に応じて調整することで前記複数の右側位置決め部材と前記複数の左側位置決め部材との間に挟まれた長尺板材を前記ローラコンベヤの幅方向中央に位置決めするようにしたことを特徴とする塗膜剥離装置。
  2. 前記複数の右側位置決め部材および前記複数の左側位置決め部材を長尺板材から離れる方向に直接的に押し出す補助アクチュエータを設けることを特徴とする請求項1に記載の塗膜剥離装置。
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