JP2017077221A - 飲食品、加工原料、及びそれらの製造方法、並びに食感付与方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】その歯応えを実現しながらも、原材料の美味しさを活かした飲食品の提供。
【解決手段】カボチャを剥皮S10し、種及び綿を除去S20した果肉を、最大幅が1〜5mmとなるようにプロセッサーを用いて切断S30し、切断したペポカボチャをアルミパウチに充填して、沸騰水中で14分加熱S40し、その破断強度を、5.9〜18.7N、好ましくは7.1N以上に調製し、このようにして得られるペポカボチャを配合あるいは調合S50し、次いで殺菌充填S60して得られる飲食品。
【選択図】図1

Description

本発明が関係するのは、飲食品、加工原料、及びそれらの製造方法、並びに食感付与方法である。
世の中には、多種多様な飲食品が流通しており、それらに共通して求められるのは、美味しさである。一般的に、飲食品の美味しさを構成する要素は、階層的に分類されており、具体的には、「基本味」、「味」、「風味」及び「食味」である。「基本味」とは、基本5味とも言われ、甘味、酸味、塩味、苦味、及び旨味をいう。「味」とは、味覚をいい、基本味に加えて、辛味、渋味といった皮膚感覚も含めたものをいう。「風味」とは、「味」(味覚)に加えて、嗅覚による香りを含めた感覚をいう。「食味」とは、「風味」に加えて、触覚による食感(テクスチャー)、温度、視覚による色や形状等、聴覚による咀嚼音等を含めたものをいう。
近年、飲食品で特に訴求されているのは、食感である。しかも、訴求される食感は、多種多様であり、例示すると、舌触り、歯触り、歯応え等である。それゆえ、食感を付与する方法も、多種多用であり、具体的には、次のとおりである。
舌触りを付与する方法は、一般的には、増粘剤等の食品添加物の配合である。食品添加物に頼らない方法は、野菜又は果実の粕(繊維質やパルプ等)の配合(例えば、特許文献1乃至4)である。歯触りを付与する方法は、アロエ果肉、寒天、ゼリー等の滑らかな固形物の配合である。歯応えを付与する方法は、カット野菜又は果実の配合である。カット野菜又は果実の食感を保持する方法は、様々であり、カルシウム処理や予備加熱等(例えば、特許文献5乃至8並びに非特許文献1)である。
特開平06‐335371号公報 特開平09‐023859号公報 特許第4754157号公報 特開平08‐298971号公報 特開昭59‐025673号公報 特開昭60‐237957 特許3902196号公報 特開昭54-107542号公報
渕上倫子、日本調理科学会誌、2013年、第46巻2号、第65乃至74頁
本発明が解決しようとする課題は、飲食品において、その歯応えを実現しながらも、原材料の美味しさを活かすことである。他方、原材料の観点からの課題は、歯応えを付与しながらも、飲食品の設計を容易にすることである。食感を確実に付与できるのは、野菜又は果実の加工物(例えば、角切りされた野菜又は果実等)である。しかし、当該加工物を配合することで難しくなるのは、飲食品における風味の設計である。その原因は、当該加工物特有の風味である。風味が強いと、他の原材料の風味が感じ難くなる。しかも、野菜又は果実は、加熱されると、その硬さは、顕著に低下する。
以上を踏まえて、本願発明者が鋭意検討して見出したのは、ペポカボチャの活用である。すなわち、ペポカボチャは、加熱しても、その硬さが維持される。また、ペポカボチャ特有の風味は、殆ど感じられない。これらを踏まえて、本発明を定義すると、以下のとおりである。
本発明に係る飲食品が少なくとも含有するのは、ペポカボチャの果肉であって、固体状であり、かつ、加熱されたものである。ここで、固体状とは、特定の形が保たれている状態をいい、そこから除外されるのは、流体状(例えば、ピューレ状やペースト状等)である(以下、同じ。)。当該果肉は、好ましくは、切断されたものである。当該切断された果肉の最大幅は、好ましくは、1乃至5ミリメートルである。飲食品とは、飲料、食品及びこれらの混合物をいう(以下、同じ。)。飲料を例示すると、野菜含有飲料である(以下、同じ。)。
本発明に係る加工原料の用途は、食感の付与である。ここで、加工原料とは、加工された原料をいう(以下、同じ。)。当該加工原料の原料は、少なくとも、ペポカボチャの果肉である。当該果肉は、固体状であり、かつ、加熱されたものである。当該果肉は、好ましくは、切断されたものである。当該切断された果肉の一辺の長さは、好ましくは、1乃至5ミリメートルである。
本発明に係る飲食品の製造方法を構成するのは、配合である。当該工程で配合されるのは、ペポカボチャの果肉であって、固体状であり、かつ、加熱されたものである。当該果肉は、好ましくは、切断されている。当該切断された果肉の最大幅は、好ましくは、1乃至5ミリメートルである。当該製造方法の更なる構成は、加熱である。当該工程で加熱されるのは、ペポカボチャの果肉であり、その時期は、前記配合の前である。当該製造方法の更なる構成は、切断である。当該工程で切断されるのは、ペポカボチャの果肉であり、その時期は、前記配合の前である。ペポカボチャの果肉を切断することで、当該果肉が固体状になる。
本発明に係る加工原料の製造方法を構成するのは、加熱である。当該工程で加熱されるのは、ペポカボチャの果肉である。当該果肉は、固体状である。当該果肉は、好ましくは、切断されている。当該切断された果肉の最大幅は、好ましくは、1乃至5ミリメートルである。当該製造方法の更なる構成は、切断である。当該工程で切断されるのは、ペポカボチャの果肉であり、その時期は、前記加熱の前である。ペポカボチャの果肉を切ることで、当該果肉が固体状になる。
本発明に係る食感付与方法を構成するは、配合である。当該工程で配合されるのは、ペポカボチャの果肉であって、固体状であり、かつ、加熱されたものであり、その配合先は、飲食品である。
本発明が可能にするのは、飲食品において、その歯応えを実現しながらも、原材料の美味しさを活かすことである。
本実施の形態に係る飲食品の製造方法の流れ図
<本実施の形態に係る飲食品>
本実施の形態に係る飲食品(以下、「本飲食品」という。)とは、飲料、食品及びこれらの混合物をいう。飲料を例示すると、野菜含有飲料である。野菜含有飲料を例示すると、野菜ジュース、野菜ミックスジュース、野菜果実ミックスジュース等である。食品を例示すると、調味料、サラダ、冷凍食品等である。
<本飲食品の原材料>
本飲食品の主な原料及び材料(以下、「原材料」という。)は、主に、野菜、果実(果物)及びこれらの加工物であり、その中でも特徴的なのは、後述する加工原料である。当該原材料が排除しないのは、調味料、食品添加物、その他の食品材料である。これらの原材料の形態は、不問であり、固体でも、液体(例えば、濃縮液)でも良い。野菜及び果実の固体を例示すると、搾汁残渣、荒破砕物、ダイスカット等である。
<本実施の形態に係る加工原料>
本実施の形態に係る加工原料(以下、「本加工原料」という。)の用途は、食感の付与である。本加工原料の原料は、ペポカボチャである。本加工原料において、当該ペポカボチャは、固体状であり、かつ、加熱されている。また、本加工原料が排除しないのは、各種調味料や食品添加物等の使用である。
<ペポカボチャ>
ペポカボチャとは、野菜であって、ウリ科カボチャ属ペポカボチャ種のものをいう。ペポカボチャの特性は、(1)食感が独特であること、(2)加熱しても硬さが感じられること、(3)カボチャの風味が少ないこと、(4)色が薄いことである。これらの特性が顕著なのは、種子食用ペポカボチャである。種子食用ペポカボチャとは、ペポカボチャであって、その種子が主に食される(例えば、サプリメント用途)ものをいう。言い換えると、従来、ペポカボチャの果肉は、廃棄されていた。ペポカボチャの産地を例示すると、中華人民共和国、日本等である。日本国内の産地を例示すると、北海道、青森県等であり、その中でも入手しやすいのは、北海道和寒産のペポカボチャである。
<ペポカボチャ以外の野菜>
ペポカボチャ以外の野菜を例示すると、ナス科の野菜、セリ科の野菜、アカザ科の野菜、キク科の野菜、ユリ科の野菜、ウリ科の野菜、シナノキ科、クサスギカズラ科、ショウガ科、シソ科等であり、これらの中から一種又は二種以上が選択される。念のため、ナス科の野菜を例示すると、ナス、パプリカ、ピーマン等である。セリ科の野菜を例示すると、セロリ、アシタバ、パセリ等である。アカザ科の野菜を例示すると、ホウレンソウ、ビート等である。キク科の野菜を例示すると、レタス、シュンギク、サラダナ、ゴボウ、ヨモギ等である。ユリ科の野菜を例示すると、タマネギ、ニンニク、ネギ、ニラ等である。ウリ科の野菜を例示すると、キュウリ、ニガウリ、トウガン等である。シナノキ科を例示すると、モロヘイヤ等である。クサスギカズラ科を例示すると、アスパラガス等である。ショウガ科を例示すると、ショウガ、ミョウガ等である。シソ科を例示すると、シソ、ローズマリー、タイム、ペパーミント等である。
<果実(果物)>
果実を例示すると、柑橘類、リンゴ、ウメ、モモ、サクランボ、アンズ、プラム、プルーン、カムカム、ナシ、洋ナシ、ビワ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、クランベリー、ブルーベリー、メロン、スイカ、キウイフルーツ、ザクロ、ブドウ、バナナ、グァバ、アセロラ、パインアップル、マンゴー、パッションフルーツ、レイシ等であり、これらのうちのから一種又は二種以上が選択される。柑橘類を例示すると、レモン、オレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ミカン、ライム、スダチ、ユズ、シイクワシャー、タンカン等である。
<調味料等>
調味料を例示すると、塩、砂糖、酢、香辛料等である。食品添加物を例示すると、香料、着色料、pH調整剤、酸化防止剤、保存料、乳化剤、栄養強化剤等である。もっとも、これらの食品添加物は、極力添加しないのが好ましい。
<本飲食品の製造方法の概要>
図1が示すのは、本飲食品の製造方法(以下、「本製法」という。)の流れである。本製法を構成するのは、剥皮(S10)、種綿除去(S20)、切断(S30)、加熱(S40)、配合/調合(S50)、並びに殺菌及び充填(S60)である。また、本加工原料の製造方法を構成するのは、剥皮(S10)、種綿除去(S20)、切断(S30)、加熱(S40)、に加えて、包装及び冷凍(図示せず)である。
<剥皮(S10)>
ペポカボチャを剥皮する目的は、色の安定化である。ペポカボチャの皮が呈するのは、深い緑色である。皮が混入することで、引き起こされるは、異物のような外観である。すなわち、剥皮をせずに利用した場合には、本加工原料又は本飲食品に黒点が散見される。剥皮の方法は、手動であるか自動であるかを問わず、公知の方法でよい。例示すると、回転させた原料に刃物を当てること等である。
<種綿除去(S20)>
ペポカボチャの種及び綿を除去する目的は、食感の安定化である。種綿と果肉とで異なるのは、食感である。種綿除去の方法は、手動であるか自動であるかを問わず、公知の方法でよい。本工程を実施するにあたり、好ましいのは、原料を半割、又は4分の1サイズにカットすることである。
<切断(S30)>
ペポカボチャの果肉を切断する目的は、食感の調整である。食感を構成する要素の1つは、固体の大きさである。固体の大きさを調整することで、飲食品に所望の食感を付与できる。切断により得られるのは、ペポカボチャの切断物であり、果肉の最大幅は、1乃至5ミリメートルである。当該長さが1ミリメートルを下回ると、歯応えが劣る。当該長さが5ミリメートルを超えると、飲食し難くなる。ペポカボチャを切断する方法は、公知の方法で良い。切断手段を例示すると、ミクログレーダー、ダイスカッター、コミトロール等である。また、切断工程は、一段階でも二以上の段階を経て行っても良い。
<加熱(S40)>
切られた果肉を加熱する目的は、食感の調整である。加熱する方法は、不問であり、具体的には、蒸気や温水等である。本工程で制御するのは、品温と時間である。品温とは、ペポカボチャ中心部の温度である。時間とは、目的の品温に到達してからの時間である。実際に制御するのは、便宜的に、熱媒体温度及び暴露時間で良い。加熱温度は、50度乃至100度であり、その中から適宜設定すればよい。加熱時間は、5分乃至60分であり、その中から適宜設定すればよい。
<配合/調合(S50)>
切断されたペポカボチャ(本加工原料)を配合する目的は、本飲食品に対する食感の付与である。切断されたペポカボチャを配合する先は、他の原材料である。このように調合して得られるのは、本飲食品である。
<殺菌及び充填(S60)>
本製法において、本飲食品は、殺菌及び充填される。これらの方法は、公知の方法で良く、例えば、ホットパック(特公平7−85708公報)がある。殺菌条件は、各種規格(社内規格、業界規格等)に従う。本飲食品は、殺菌後、容器詰される。ここで、容器は、密封される。容器を例示すると、プラスチックカップ、金属缶、紙容器、ペットボトル、ビン等である。紙容器が含むのは、紙容器であってその内部を保護する手段が金属箔やプラスチックフィルム等であるが、これに限らない。
<ペポカボチャと西洋カボチャとの比較>
カボチャを剥皮し、種及び綿を除去した果肉を、コミトロール(アーシェル社製コミトロール1700プロセッサー)を用いて切断した。コミトロール刃(マイクロカットヘッド)の枚数は適宜調整した。切断したペポカボチャをアルミパウチに充填した。このとき、パウチの厚みは3cmになるよう調整した。アルミパウチを沸騰水中で14分加熱した。
<実施例1>
原料を種子食用ペポカボチャとし、コミトロール刃の枚数を50枚として切断して、固体状とした。
<比較例1>
原料を種子食用ペポカボチャとし、コミトロール刃の枚数を212枚として切断して、ペースト状とした。
<比較例2>
原料を西洋カボチャとし、コミトロール刃の枚数を50枚として切断して、固体状とした。
<比較例3>
原料を西洋カボチャとし、コミトロール刃の枚数を212枚として切断して、ペースト状とした。
<果肉の大きさの測定>
実施例1及び比較例2は、ノギスを用いて果肉の最大幅を測定した。比較例1及び3は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置Microtrac S3500(マイクロトラック・ベル(株))」を用い、体積換算で頻度の累積が50%になる粒子径(D50)を測定した。屈折率を「1.81」、循環器流速を「50」、超音波設定を「出力30W、時間60秒」とした。
<Brixの測定>
本測定で採用した糖度(Brix)の測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
<糖の測定>
本測定で採用した糖の測定器は、Shimadzu LC10VPシステム((株)島津製作所製)である。測定条件は、カラム:Shodex Asahipak NH2P−50 4E[内径:φ4.6mm×250mm、昭和電工(株)製]、カラム温度:50℃、サンプル注入量:10μL、移動相:アセトニトリル/水=75/25(容量比)、移動相の流速:1mL/min、検出器:示差屈折計(RI検出器)である。
<グルタミン酸の測定>
本測定で採用したグルタミン酸の測定器は、高速アミノ酸分析計L−8000シリーズ((株)日立製作所)である。測定条件は、アンモニアフィルタカラム:#2650L[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、分析カラム:#2622[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、ガードカラム:#2619[内径:4.6mm×60mm、(株)日立製]、移動相:クエン酸リチウム緩衝液、反応液:ニンヒドリン溶液、検出波長:VIS 570nmである。
<澱粉の測定>
本測定で採用した澱粉の測定方法は、アンスロン硫酸法である。反応液は、0.2%アンスロン(9,10―dihydro−9−oxoanthracene)−95%硫酸溶液である。吸光光度計は、U−3310((株)日立製作所)を用い、測定吸光度を630nmとした。
<破断強度の測定>
破断強度とは、最大荷重であって、テクスチュロメータが測定した値である。テクスチュロメータの種類は、問わないが、例示すると、卓上物性測定器 TPU−2DL((株)山電)である。この測定器を使用する場合、その測定条件は、円型プランジャー3mmφ、クリアランス0.1mm、プランジャー速度50mm/minである。硬さの算出方法は、プランジャー荷重時の最高値を最大荷重(N)とした。
<ペポカボチャと西洋カボチャとの比較>
表1が示すのは、ペポカボチャ(実施例1、比較例1)又は西洋カボチャ(比較例2、3)を用いた切断物の比較結果である。主に基本味に関わる各成分の含有量を測定した。ペポカボチャのBrix及び糖含量は、西洋カボチャに比べ低い。ペポカボチャのグルタミン酸含量は、西洋カボチャに比べ低い。すなわち、ペポカボチャは西洋カボチャに比べて甘味や旨味が弱く、言い換えると、ペポカボチャは風味が強過ぎず、他の原料に配合したときに風味の影響を及ぼし難い。
実施例1は、果肉の最大幅が2mmで咀嚼時の歯応えが感じられたが、比較例1は0.38mm(粒子径D50)であり、果肉の歯応えは感じられなかった。比較例2においては、実施例1と同様の切断条件だが、加熱によって糊化する澱粉量がペポカボチャに比べて多く、その結果、歯応えは実施例1に比べて弱かった。比較例3は、比較例1と同様に切断物が0.098mmと小さい為に、果肉の歯応えは感じられなかった。
破断強度の測定が可能であったのは、実施例1及び比較例2である。実施例1は破断強度7.9(N)であり、比較例は1.9(N)であった。以上より、西洋カボチャに比べペポカボチャは、素材の風味が強過ぎず、加熱しても歯応えを維持しやすい。
Figure 2017077221
<ペポカボチャの加熱による破断強度の変化>
実施例1と同じ種子食用ペポカボチャの果肉を2×2×3cmに切断し、水浴中で加熱した。測定サンプルは、加熱後の果肉の外部及び内部から5点を採取した。これらの破断強度を測定し、平均を求めた。
<実施例2>
水浴温度を50℃とし、加熱時間を10分とした。
<実施例3>
水浴温度を50℃とし、加熱時間を60分とした。
<実施例4>
水浴温度を70℃とし、加熱時間を60分とした。
<実施例5>
沸騰水中で、加熱時間を10分とした。
<比較例4>
沸騰水中で、加熱時間を50分とした。
表2が示すのは、各条件で加熱したペポカボチャの破断強度である。加熱実施例2乃至5の条件において、ペポカボチャの破断強度は5.9乃至18.7Nに維持された。比較例4では破断強度が1.4Nに低下し、素材の歯応えは維持されなかった。言い換えると、本発明に係る加工原料が含有するペポカボチャの果肉において、その破断強度は、5.9乃至18.7Nである。
Figure 2017077221
<野菜含有飲料製造におけるペポカボチャの破断強度変化:実施例6>
実施例1と同じ種子食用ペポカボチャの果肉をコミトロール刃50枚で切断し、沸騰水中で14分加熱した。加熱後の果肉は、野菜含有飲料において30%(w/w)になるよう加え、その調合液を106℃で1分間の殺菌、更に100℃で10分間の後殺菌を行った。飲料中のペポカボチャを採取し、破断強度を測定した。野菜含有飲料に使用した原材料は、人参、リンゴ及びレモンである。人参濃縮汁及びリンゴ濃縮汁を濃縮前の濃度になるよう水で希釈し、50%(w/w)ずつ配合した。レモン果汁を用いてpH4.1に調整した。
表3が示すのは、ペポカボチャ野菜含有飲料の製造において、工程毎にペポカボチャの破断強度を測定した結果である。ペポカボチャの破断強度は、飲料に加え殺菌及び充填した後も7.1Nを維持した。ペポカボチャの添加により、当該野菜含有飲料は風味に影響はなかった。前述の殺菌条件は、食品衛生法に定める清涼飲料殺菌基準に比較して、過酷なものであるため、同条件下で得られた破断強度は、広く妥当し、野菜含有飲料のみならず、他の飲食品においても同様である。言い換えると、本発明に係る飲食品が含有するペポカボチャの果肉において、その破断強度は、少なくとも、7.1N以上である。
Figure 2017077221
本発明が利用可能な領域は、飲食品の製造である。また、産地に特有な農産物が有効利用されることで、各産地の経済がより活性化する。

Claims (17)

  1. 飲食品であって、少なくとも含有するのは、
    ペポカボチャの果肉であって、固体状であり、かつ、加熱されたものである、
    もの。
  2. 請求項1の飲食品において、
    前記果肉は、切断されたものである、
    もの。
  3. 請求項2の飲食品において、
    前記切断された果肉の最大幅は、1乃至5ミリメートルである、
    もの。
  4. 請求項1乃至3の何れかの飲食品において、
    前記果肉の破断強度は、7.1N以上である、
    もの。
  5. 請求項1乃至4の何れかの飲食品は、野菜含有飲料である、もの。
  6. 加工原料であって、その用途は、食感の付与であり、
    その原料は、少なくとも、ペポカボチャの果肉であり、
    前記果肉は、固体状であり、かつ、加熱されたものである、
    もの。
  7. 請求項6の加工原料において、
    前記果肉は、切断されたものである、
    もの。
  8. 請求項7の加工原料において、
    前記切断された果肉の最大幅は、1乃至5ミリメートルである、
    もの。
  9. 請求項6乃至8の何れかの加工原料において、
    前記果肉の破断強度は、5.9N乃至18.7Nである、
    もの。
  10. 飲食品の製造方法であって、その構成は、次の工程であり、
    配合されるのは、ペポカボチャの果肉であり、
    前記果肉は、固体状であり、かつ、加熱されたものである、
    こと。
  11. 請求項10の製造方法において、
    前記果肉は、切断されたものである、
    こと。
  12. 請求項11の製造方法において、
    前記切断された果肉の最大幅は、1乃至5ミリメートルである、
    こと。
  13. 請求項10乃至12の何れかの製造方法において、その更なる構成は、次の工程であり、
    加熱されるのは、ペポカボチャの果肉であり、その時期は、前記配合の前である、
    こと。
  14. 請求項10乃至13の何れかの製造方法において、その更なる構成は、次の工程であって、
    切断されるのは、ペポカボチャの果肉であり、その時期は、前記配合の前である、
    こと。
  15. 加工原料の製造方法であって、その構成は、次の工程であり、
    切断されるのは、ペポカボチャの果肉であって、それによって、前記果肉を固体状にすること、及び
    加熱されるのは、固体状の果肉である、
    こと。
  16. 請求項15の製造方法において、
    切断された果肉の最大幅は、1乃至5ミリメートルである、
    こと。
  17. 食感付与方法であって、その構成は、次の工程であり、
    配合されるのは、ペポカボチャの果肉であって、固体状であり、かつ、加熱されたものであり、その配合先は、飲食品である、
    こと。
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