JP2017075849A - 超音波検査装置及び超音波検査方法 - Google Patents

超音波検査装置及び超音波検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、検査対象に存在する微小な欠陥又は介在物の伸展方向を、短時間かつ高S/Nに判定することができる超音波検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、第一振動方向を持つ第一の超音波変換器(4a)と、第二振動方向を持つ第二の超音波変換器(4b)と、第一振動方向を持つ第一の横波超音波と第二の振動方向を持つ第二の横波超音波の位相差と振幅を制御して前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器に信号を送信する送信器(3)と、前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器の受信波形から、前記第一の横波超音波と前記第二の横波超音波を演算して、反射対象の方向を判定する受信器(5)と、前記受信器によって得られた判定結果を表示する表示器(6)と、を有することを特徴とする超音波検査装置である。【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2001−83125号公報(特許文献1)がある。直交する2方向に振動する圧電材を積層させ、これら圧電材に電圧を印加させることにより振動を発生させ、2方向に直交する偏波を重ね合わせることで、任意の偏波状態を持つ横波超音波を発生させる。この任意の偏波状態を持つ横波超音波を用いて音響的異方性を有する材料の音響異方向性の測定方法およびその音響異方向性の測定方法を利用した材料劣化診断装置について記載されている。
特開2001−83125号公報
特許文献1に記載のものは、直交する偏波を持つ2つの超音波を同時に発生させて、音響異方性を測定し、底面エコーと被試験体厚みから横波音速を測定することによって材料劣化診断を行うものであるが、微小欠陥または介在物等の伸展方向を判定するための機能を有していない。微小欠陥または介在物からの反射波より、その伸展方向を判定するためには、超音波反射信号の収録値を、伸展方向の判定基準に照合させる必要がある。特許文献1に記載のものは、判定基準とその機構の記載がないという点で、微小欠陥または介在物等の伸展方向を判定する検査に利用するには課題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、被検査対象中に存在する微小な欠陥又は介在物を、高精度に検出し、さらに微小な欠陥又は介在物の伸展方向を判別することができる超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、第一振動方向を持つ第一の超音波変換器と、第二振動方向を持つ第二の超音波変換器と、第一振動方向を持つ第一の横波超音波と第二の振動方向を持つ第二の横波超音波の位相差と振幅を制御して前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器に信号を送信する送信器と、前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器の受信波形から、前記第一の横波超音波と前記第二の横波超音波を演算して、反射対象の方向を判定する受信器と、前記受信器によって得られた判定結果を表示する表示器と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、被検体の内在欠陥又は介在物を、高精度に検出し、さらに微小な欠陥又は介在物の伸展方向を判別することが可能な超音波検査装置及び超音波検査方法が提供できる。
実施例1に係る超音波検査装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。 実施例1に係る検査形態の斜視図である。 実施例1に係る動作手順のフローチャートである。 実施例1に係る偏波制御プローブの斜視図である。 実施例1に係る送信器に含まれる波形生成器を模式的に示すブロック図である。 実施例1に係る偏波制御プローブが発生させる偏波状態の一例の図である。 実施例1に係るプローブ出力波形および合成波形の一例のグラフである。 実施例1に係るプローブ出力波形および合成波形の一例のグラフである。 実施例1に係る波形解析部に含まれる演算器を模式的に示すブロック図である。 実施例1に係る偏波制御プローブが発生させる偏波状態の一例の図である。 実施例1に係る偏波制御プローブが発生させる偏波状態の一例の図である。 実施例1に係る偏波制御プローブが発生させる偏波状態の一例の図である。 実施例1に係る超音波検査装置の表示器を模式的に示す図である。 実施例2に係る超音波検査装置の表示器を模式的に示す図である。
被検体の内在欠陥または介在物を非破壊検査するため、超音波探傷検査が活用されている。被検査材の探傷面に対して垂直方向に進行する超音波(縦波超音波)を発生させる従来の超音波探傷検査においては、検査対象とする内在欠陥あるいは介在物からの反射波を同定するため、水中に沈めた被検体に対して水平方向に超音波探触子を機械走査させて、反射波の信号を画像化して内在欠陥あるいは介在物の有無を判断する。
そのため、このような縦波超音波を利用した超音波探傷検査においては、欠陥あるいは介在物の有無を判断するために機械走査が必要となり、検査時間が長くなるとういう課題がある。また、縦波超音波を利用した超音波探触子は、点集束する性能が一般的であり、欠陥あるいは介在物からの反射波の信号強度が小さくなり信号のS/N比が低下する、という課題がある。
この課題を解決するために横波超音波を利用することが考えられる。横波超音波は偏波方向の指向性を有し、欠陥あるいは介在物の伸展方向と一致した場合、S/N比の向上が期待される。また、横波超音波を使用すれば、横波超音波の音速は縦波超音波の音速の約半分であるため、縦波超音波の約半分の周波数で同程度の測定精度を得ることが利点である。
しかしながら、横波超音波を利用した検査では、横波超音波の偏波方向と欠陥あるいは介在物の伸展方向を一致させるために、検査対象に垂直な軸の回転方向の走査が必要となる。一般的な横波超音波探触子は、検査対象と接触させた状態で機械走査を行うことになる。その他、縦波超音波の水浸検査と同様に、被検体に対して水平方向に横波超音波探触子を機械走査させて、反射波の信号を画像化して欠陥あるいは介在物の伸展方向を判別することができるが、ある程度の検査時間が必要となる。
背景技術に記載した特許文献1では、横波超音波を用いた偏波方向の電子的な制御について記載されているものの、欠陥あるいは介在物の有無を判断する検査方法については記載されていない。
以下、図面を用いて、本発明を実施する上で好適となる実施例1〜2に係る超音波検査装置及びそれを用いた超音波検査方法を説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、発明の内容が下記具体的態様に限定されるものではない。本発明は、下記態様を含めて種々の態様に変形することが無論可能である。
実施例1を図1〜図10を参照しつつ説明する。
図1、図2を用いて、本実施例による検査装置の全体構成について説明する。
図1は偏波制御プローブと超音波探傷装置を使用したシステムの構成を示すブロック図である。図2は超音波探傷装置と、偏波制御プローブによる欠陥または介在物の測定形態の説明図である。なお、図1、図2において、同一符号は、同一部分を示している。ただし、図2に示す例は、本発明の実施例を限定するものではない。
探傷装置1には、入力器2を用いて位相差制御器 33、振幅制御器3a、振幅制御器3bに信号が入力される。送信器3に具備された波形生成器32にて、位相差、振幅a、振幅bに基づいた電圧波形aおよび電圧波形bが生成される。この際の電圧波形はパルス波でもバースト波でも良い。ただし、パルス幅、バースト幅は目的に応じて適切に設定する。また、横波超音波の2方向振動成分の位相差は、例えば、それぞれの送信タイミングに与える時間差により指定することができる。ここで、入力器2は、例えばパソコンのキーボード、タブレットに表示されているスライダー、探傷装置1に具備されたつまみを操作することで探傷装置1にデータを入力する。
電圧波形aおよび電圧波形bは偏波制御プローブ4に備えられた第1圧電素子4aおよび第2圧電素子4bにそれぞれ印加され、被検体7の中に重ねて超音波を発生させる。その後、被検体7からのエコーを偏波制御プローブ4が受信し、受信波形7aおよび受信波形7bは探傷装置1に具備された受信器5に入力される。ここで、第1圧電素子4aもしくは第2圧電素子4bは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電材料で、電気信号を振動に変換し、逆に振動を電気信号に変換することが可能である。
次に、受信器5の動作手順について、図1および図3のフローチャートを用いて説明する。受信器5は、偏波制御プローブ4で取得した2つの受信波形を取り込む受信波形伝送路50と、前記2つの受信波形を演算する演算器52と、メモリ51と、比較器53と、送信器3にフィードバック信号を送信するための位相と振幅を生成する制御信号生成器54と、欠陥方向判定器55を有する。制御信号生成器54と、欠陥方向判定器55は、例えば、パソコン上でのソフトウェアにより実装することができる。
受信器5を用いて、まず、音速が最大または最小となる主軸方向を測定する。この処理では、まず、ステップS101において、偏波制御プローブ4を被検体7に適当な加重で接触させる。次いで、ステップS102において、振幅1、振幅2に適当な初期値を設定し、被検体7からの特定のエコーが生じる位置を入力器2により探傷装置1に入力する。このエコーは、S/N比を良くするため、第1回目の底面エコーとするのが好ましい。ただし、この後のステップで振幅の比較がしやすいように、第2回目の底面エコーやそれ以降の多重反射したエコーを入力器2から指定しても良い。
そして、ステップS103において、初期の位相差制御器 33から送られる位相差は0とし、受信器5において、メモリ51には、第1圧電素子4aの受信波形と第2圧電素子4bの受信波形の合成振幅を記憶させておく。ステップS104において、演算器52は第1圧電素子4aの受信波形と第2圧電素子4bの受信波形をそれぞれ振幅制御器3aの振幅(振幅3a)、振幅制御器3bの振幅(振幅3b)で重みづけして加算し、ステップS105において、エコーの合成波形の振幅を比較器53にてメモリ51に記憶された値と比較する。エコーの合成波形の振幅の最大値が求まった場合、ステップS107に進み、そうでない場合は、ステップS106に進み第2回目以降のステップを実行する。第2以降のステップでは、ステップS106において、制御信号生成器54は、全振幅が一定の条件で、振幅3aと振幅3bの比率を変化させ、送信器3に伝送し、第1のステップと同様にして比較を繰り返し、エコーの合成波形の振幅が最大となる振幅3aと振幅3bの比率を算出する。すなわち、振幅3aと振幅3bの比率を変化させることで、振動方向を制御した偏波が送信可能となる。ここでの偏波は直線偏波ということができる。振幅3a/振幅3b=tanθとして算出されるθが、偏波制御プローブ4のひとつのずり振動方向と被検体7の主軸方向の1つとがなす角度である。また、合成エコー振幅が最小となる振幅3aと振幅3bの比率、振幅3a/振幅3b=tanθとして算出されるθが偏波制御プローブ4のひとつのずり振動方向と、被検体7の主軸と45度となる向きと、がなす角度である。制御信号生成器54は、主軸方向の測定結果を、表示器6に伝送し、表示器6は、測定結果を表示する。なお、本実施例での被検体は90度の角度をもった異方性材料を対象とした場合を示している。
ここでエコーの合成波形の振幅が最大値となる場合には、送信された超音波は材料の主軸方向と一致しているため、超音波は単一の波形となり、基本的には送信波形の強度より材料中で減衰する分だけ弱められた波形が受信される。これが受信されるエコーの中で最大のものとなる。しかし、超音波の送信方向が主軸方向と一致しない場合には、送信波形は2つの偏波に分離され、位相差を生じさせるので弱め合った合成波形が受信される。この原理を用いることで音響異方性材料の主軸方向を求めることが出来る。
次に、主軸方向測定で用いた被検体7からのエコーを用いて、初期位相差を決定する。この時、好ましくは、ステップS107において、偏波制御プローブ4を回転させ、偏波制御プローブ4の軸と被検体7の主軸を一致させておく。ステップS108において、振幅3aと振幅3bが等しくなるように設定しておき、位相差制御器 33に入力する位相差(位相差31)を0として、合成振幅をメモリ51に記憶しておく。ステップS109において、超音波を送受信し、合成エコー振幅を算出する。ステップS110において、エコーの合成波形の振幅を比較器53にてメモリ51に記憶された値と比較する。エコーの合成波形の振幅の最大値が求まった場合、ステップS112に進み、そうでない場合は、ステップS111に進み第2回目以降のステップを実行する。ステップS111においては、位相差31を逐次変化させ、ステップS109を再度実行し、ステップS110においてエコーの合成波形の振幅が最大となる位相差31を求める。エコーの合成波形の振幅が最大となる条件は、偏波制御プローブ4の軸と被検体7の主軸が一致する場合、下記の(式1)で与えられる。
v1t−v2t=nλ+(φ/2π)λ・・・(式1)
v1、v2は2つの主軸の向きの偏波の音速であり、(φ/2π)はこの偏波の位相差となるので、(式1)を満たす時に最大となる。この数式の各値を置き換えると(式2)となる。
ΔV/V02=(n+φ/2π)/fz・・・(式2)
ここでV0は2つの主軸のそれぞれの向きでの偏波の平均音速、ΔV(=v1−v2)は2つの主軸の向きの偏波の音速差、f(=V0/λ)は超音波周波数、zは検査面から特定エコーを生じる反射体までの距離の2倍、φが初期位相、nは干渉次数である。nは0とするが、必要に応じてそれ以外の整数値を用いても良い。
以上で、探傷を行う準備が完了したので、ステップS112において探傷を開始する。ここでは、予め被検体の底面において干渉が最大となるように準備をしたが、測定対象に応じては、適宜この位置を変更するようにしても構わない。
探傷について記載する。上記手順にて設定した振幅3a、振幅3b、位相差31から、位相差31を変化させると、(式2)の条件が成立する位置で波形が干渉して信号が強め合う。この位置に反射体が存在する場合、干渉して強め合った合成波形が観測される。なお、周囲のノイズとなるエコーは干渉して弱め合うため合成波形は弱くなり、強め合う合成波形が強調して表示される。すなわち、(式2)においてzの位置が変化するため、このz上の位置では波形が干渉して強め合い、その他の位置では弱め合う。位相差を減少させることで、干渉位置zが被検体の底面から内部方向へと移動して、その位置に欠陥又は介在物があった場合には、より鮮明に欠陥又は介在物を捉えることができる。干渉波形は演算器52から表示器6へ送られ、表示される。
以上により指定位置にフォーカスした探傷が可能である。ここでフォーカス機能とは、2方向の振動方向成分を持つ横波超音波である偏波を送受信して、それら偏波が検査対象内部の所定の位置で干渉するようにして、検出したい所定の位置で超音波信号を強め合い、その他の位置における不要な信号は弱め合うように制御することである。
なお、検査対象が等方性材料の場合、それぞれの横波超音波の伝搬速度が等しくなるため、位相差31を制御することによる干渉位置zのフォーカスは不可能となる。
図4を用いて偏波制御プローブ4について説明する。偏波制御プローブ4はずり振動方向が90度異なる第1圧電素子4aおよび第2圧電素子4bを積層した構造になっている。各圧電素子は電圧波形を印加または読み取るための第1の入出力伝送路41aおよび第2の入出力伝送路41bを備えている。
次に、図5、図6を用いて送信器3について説明する。図5は、波形生成器32の詳細構成図である。トリガ321には遅延パルス生成器322に入力され、指定された位相差だけ送信タイミングに時間差のある2個のトリガパルスを生成する。任意波形生生成器323aおよび任意波形生生成器323bは、入力された振幅3a、振幅3bにもとづいて同一波形を生成し、それぞれ遅延パルス生成器から送られたトリガパルスに同期して電圧波形aおよび電圧波形bを出力する。これにより、偏波制御プローブ4を制御する任意の偏波状態を持つ電圧波形が生成できる。なお、電圧波形aおよび電圧波形bは増幅器321a、増幅器321bを経由して必要に応じて増幅させられ、第1の電圧波形端子324aと第2の電圧波形端子324bよりそれぞれ送信される。
図6は、偏波制御プローブ4が生成する偏波状態の様子を示している。偏波制御プローブ4は、直交する2軸方向に振動する偏波を生成し、それぞれの軸方向の振幅3a、振幅3bおよび位相差31を偏波状態として表示器6で表示する。このような偏波は楕円偏波と呼ばれる。なお、この処理は受信器で処理される。
表示された楕円の軸長3cと軸長3dの比がtan(φ/2)となるφが位相差31である。また、矢印3eは偏波の回転方向を表し、0<φ<πの時、反時計回り、π<φ<2πの時、時計回りとなる。
なお、検査対象が等方性材料の場合、偏波は直線偏波となる。
次に、図7、図8を用いて受信器5について説明する。図7は指定されたエコーの受信波形の一例である。被検体7からの反射波は、第1圧電素子4aおよび第2圧電素子4bによってそれぞれ受信され、演算器52に送られて演算され、合成波形を生成する。
図7(a)に示すように、超音波異方性を有する被試験体を通過した超音波の受信波形7aおよび受信波形7bが、位相差81を変化させ、ちょうど位相差81が、超音波の波長の整数倍だけ変化した場合、受信波形7aと受信波形7bの合成波形7cは強め合う。一方、図7(b)に示したように、受信波形8aと受信波形8bの位相差81がちょうど半整数倍の場合、それら受信波形の合成波形8cは弱め合う。初期位相差を制御することにより、強め合う干渉をする合成波形が得られる超音波路程を制御することができる。合成波形は表示器6に伝送され、表示される。
図8は演算器52の詳細構成である。重みづけ加算521により、受信波形は演算される。合成波形は、同一受信時間の波高を本演算器52で重みづけ加算することにより算出されている。重み52aおよび重み52bは、それぞれ前記送信器3に入力された振幅3aおよび振幅3bとすることにより、送信偏波に対する受信偏波の変化量を算出可能であるが、必要に応じてその他の値を重みとすることにより、受信波形の任意方向への射影が得られる。
このようにして合成波形の送受信を行うが、図9に示すように、振幅3aと振幅3bの大小を変化させることにより、合成波の偏波方向を制御することができる。ここで、軸1方向と合成波の偏波方向のなす角θをパラメータとして扱う。図9(a)の振幅3a1>振幅3b1では、なす角3g1は鋭角になり、図9(b)の振幅3a2=振幅3b2では、なす角3g2は45°、図9(c)の振幅3a3=0かつ振幅3b3≠0では、なす角3g3は90°となる。なす角が0°から90°は振幅3aと振幅3bを共に正値とし、90°から180°までは振幅3aを負値、振幅3bを正値、180°から270°までは振幅3aと振幅3bを共に負値、270°から360°までは振幅3aを正値、振幅3bを負値とすることで制御できる。
偏波方向の制御は、送信及び受信の両方で行う。なす角を変化させて収録した合成波形の結果は、欠陥方向判定器55に送信されて、欠陥方向の判定を行う。
欠陥方向の判定は、例えば、偏波方向のなす角を0°から360°まで1°ピッチで変化させて、図10に示すように、受信した合成波形の中で欠陥位置に相当する伝搬時間の位置に現れる反射信号の振幅値を比較して、最大値となるなす角の方向を欠陥方向と判断する方法がある。受信結果や判断結果を、表示器6に表示することにより、検査員が被検体中の欠陥方向を評価することができる。
本実施例によれば、被検体の内在欠陥又は介在物を、高精度に検出し、さらに微小な欠陥又は介在物の伸展方向を判別することが可能となる。
次に、図11を用いて、実施例2を説明する。
図11は、実施例2による表示の一部を模式的に示した図である。この実施例は、実施例1において図1の表示器6に示される表示の一部を測定結果とプロファイルの構成にするようにしたものである。図11の表示のうち、既に説明した図1に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
プロファイルには、検査対象の反射信号の偏波依存性を示す。検査対象の反射信号の偏波依存性は、欠陥方向判定器55に複数の偏波依存性がデータベース化されて収録されている。測定データが欠陥方向判定器55に伝達された後、データベースの各データと相互相関処理や差分処理などで相関度を演算して、検査対象の伸展方向を求める。最も相関度が高いデータをプロファイルに表示し、相関度や検査対象の伸展方向を表示する。
本実施例における判定方法と表示器を使用することで、短時間かつ高S/Nで微小な欠陥又は介在物の伸展方向を判定することが可能となる。さらに、データベースに収録する偏波依存性のパターンを増加させることで、微小な欠陥又は介在物の伸展方向の判定を高精度にすることができる。ただし、図11に示す例は、本発明の実施例を限定するものではない。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…探傷装置
2…入力器
3…送信器
3a、3b…振幅制御器
4…偏波制御プローブ
4a…第1圧電素子
4b…第2圧電素子
5…受信器
6…表示器
7…被検体
7a、7b、8a、8b…受信波形
7c、8c…合成波形
31…位相差
32…波形生成器
33…位相差制御器
51…メモリ
52…演算器
53…比較器
54…制御信号生成器
55…欠陥方向判定器
81…位相差

Claims (4)

  1. 第一振動方向を持つ第一の超音波変換器と、
    第二振動方向を持つ第二の超音波変換器と、
    第一振動方向を持つ第一の横波超音波と第二の振動方向を持つ第二の横波超音波の位相差と振幅を制御して前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器に信号を送信する送信器と、
    前記第一の超音波変換器と第二の超音波変換器の受信波形から、前記第一の横波超音波と前記第二の横波超音波を演算して、反射対象の方向を判定する受信器と、
    前記受信器によって得られた判定結果を表示する表示器と、
    を有することを特徴とする超音波検査装置。
  2. 請求項1における超音波検査装置において、
    前記第一の超音波変換器と前記第二の超音波変換器が厚さ方向に積層した構造の偏波制御プローブであることを特徴とする超音波検査装置。
  3. 請求項1における超音波検査装置において、
    前記第一の横波超音波と前記第二の横波超音波の合成波形の振幅値を収録し、前記収録した振幅が最大値になる偏波方向を反射体の伸展方向と判定することを特徴とする超音波検査装置。
  4. 請求項1における超音波検査装置において、
    前記受信器は、反射信号の偏波依存性のデータベースを有し、前記第一の横波超音波と前記第二の横波超音波の合成波形の振幅値を複数の偏波方向で収録し、前収録したデータと前記反射信号の偏波依存性のデータベースを比較して、伸展方向を判断することを特徴とする超音波検査装置。
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