JP2001083125A - 超音波振動方向制御方法及び装置並びに当該装置を用いた材料劣化診断装置 - Google Patents

超音波振動方向制御方法及び装置並びに当該装置を用いた材料劣化診断装置

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JP2001083125A JP26042699A JP26042699A JP2001083125A JP 2001083125 A JP2001083125 A JP 2001083125A JP 26042699 A JP26042699 A JP 26042699A JP 26042699 A JP26042699 A JP 26042699A JP 2001083125 A JP2001083125 A JP 2001083125A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 超音波探触子を機械的に回転せずに、任意の
振動方向の超音波を形成する方法及び装置並びにこの装
置を使用した材料劣化診断装置を提供する。 【解決手段】 材料劣化診断部4が超音波送受信部2a
与えたトリガ信号に同期して超音波送受信部2aは高電
圧パルスを厚みすべり振動子101aに印加する。厚み
すべり振動子101aは横波12aを発生する。材料劣
化診断部4は前記トリガ信号の出力から一定の時間が経
過したときに、超音波送受信部2bにトリガ信号を与
え、これに同期して超音波送受信部2bは高電圧パルス
を厚みすべり振動子101bに印加する。厚みすべり振
動子101bは横波12bを発生する。被検査体10中
には、横波12aと横波12bが合成された横波が発生
する。横波12aと横波12bに印加する駆動電圧を制
御することで、合成された横波の振動方向を制御でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体材料中の検査
を目的とした超音波検査装置に係り、特に音響的異方性
を有する材料の劣化診断に好適な超音波振動方向制御方
法及び装置並びに当該装置を用いた材料劣化診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の発電プラントの高経年化により、
構造材料の健全性(劣化)を非破壊で診断できる技術が
重要になってきている。その一方法として、超音波の音
速を用いた方法が提案されている。この方法は、材料の
劣化(クリープ損傷・疲労や脆化)と弾性的特性の変化
に相関があることに着目したもので、例えば高温環境中
に長時間放置された鋼材は、脆化が進行するとともに音
速が速くなるので、使用前の鋼材の音速を基準とした変
化量から脆化の度合いを非破壊で測定することができ
る。
【0003】測定に使用する超音波の波のモードは、縦
波と横波が代表的であり、一般に探傷の分野では使用頻
度が高くないSH波垂直探触子が使用されることが多
い。これは、配管等のように超音波の伝播経路長に相当
する肉厚の測定が困難な場合でも、縦波と横波を各々垂
直に入射して伝播時間を測定することで、音速の比から
劣化を診断することができるからである。
【0004】しかしながら、横波の音速を測定する場合
には、鋼材の音響的異方性の影響を考慮しなければなら
ない。例えば、圧延成型したオーステナイト系のステン
レス鋼では、圧延方向に組織が揃う現象が生じる。この
ような鋼材で横波の伝播時間を測定すると、横波探触子
の向き(超音波の振動方向)によって異なる伝播時間が
計測される。したがって、横波伝播時間の測定値として
どの値を用いるのかを決めておいて、縦波との比を算定
する必要がある。
【0005】この問題への一つの対応策が、特開平4−
12298公報に提示されている。この発明では、残留
応力の影響により音響的異方性が発生している溶接線近
傍において、溶接線に平行な方向に振動する横波の音速
と、それに垂直に振動する横波の音速(伝播時間)の平
均値を代表的な横波音速として、縦波との間で比を算定
する方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方においてこの発明
では、測定に用いる探触子等の装置に関しては、具体的
な提案は行われていない。横波の伝播時間を測定する場
合、振動方向を変えるには、通常、探触子自体を回転走
査しなければならなず、回転中に鋼材との間のカップリ
ングが悪くなる問題や、駆動機構を有するが故に探触子
周りの構成が大掛かりになり、狭隘部に適用できない問
題、さらにプラントの運転中検査に適用しにくいなどの
問題がある。
【0007】回転走査の手間をなくすための一つの解決
手段は、特開平1−229925公報に提示されてい
る。この発明では、直交する2つの横波振動子を積層し
て配置した探触子を提案しており、探触子を回転走査す
ることなしに同一ポイントでの異なる2振動方向の横波
伝播時間の測定を可能としている。この特開平1−22
9925公報に提示された従来技術では、機械的な回転
走査をすることなく、直交する2方向の横波音速を測定
することが可能である。ただし、この場合、溶接線近傍
や応力が負荷された状態の鋼材など、音響異方性の方向
が予めわかっていることが前提である。音響異方性の方
向がわからない場合、例えば、単結晶材料として生成し
たものの異方性の調査では、振動方向と異方性の方向を
合致させるための走査が別途必要となる。
【0008】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、超音波探触子を機械
的に回転せずに、任意の振動方向の超音波を形成でき、
音響異方性のある物体の横波音速を異なる振動方向で高
速かつ簡便に測定することができる超音波振動方向制御
方法及び装置を提供することにある。
【0009】また、他の目的は、このような超音波振動
方向制御装置を使用し、音響異方性のある物体の材料劣
化を高速かつ簡便に診断することができる材料劣化診断
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、第1及び第2の超音波振動子を使用
して被検体中の超音波の振動方向を制御する超音波振動
方向制御方法において、第1の超音波横波振動子に駆動
電圧を印加して第1の横波を発生する工程と、前記第1
の超音波横波振動子と振動方向が異なるように配置され
た第2の超音波横波振動子に駆動電圧を印加して前記第
1の横波と振動方向の異なる第2の横波を発生させる際
に、前記第2の横波が前記物体中で前記第1の横波と同
じ位相となる時間の遅延を与えて前記駆動電圧を印加し
て前記該物体中に任意の振動方向の横波を形成する工程
とを含むことを特徴としている。。
【0011】第2の手段は、同様の前提の超音波振動方
向制御方法において、第1の超音波横波振動子に駆動電
圧を印加して第1の横波を発生する工程と、前記第1の
超音波横波振動子と振動方向が異なるように配置された
第2の超音波横波振動子に駆動電圧を印加して前記第1
の横波と振動方向の異なる第2の横波を発生させる際
に、該第2の横波が該物体中で該第1の横波と異なる位
相となる時間の遅延を与えて前記駆動電圧を印加し、前
記物体中に任意の振動方向の捻れ波を形成する工程とを
含むことを特徴としている。
【0012】第3の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記第1の超音波横波振動子に駆動電圧を印加し
て第1の横波を発生することに代えて、前記第1の超音
波振動子に駆動電圧を印加して前記超音波振動子に隣接
した遅延保護板中に超音波を発生させ、この超音波を前
記遅延保護板の境界面で反射/屈折させて横波を発生さ
せるようにしたことを特徴としている。
【0013】第4の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記第2の超音波横波振動子に駆動電圧を印加し
て第2の横波を発生することに代えて、前記第2の超音
波振動子に駆動電圧を印加して前記超音波振動子に隣接
した遅延保護板中に超音波を発生させ、この超音波を前
記遅延保護板の境界面で反射/屈折させて横波を発生さ
せるようにしたことを特徴としている。
【0014】第5の手段は、第1及び第2の超音波振動
子に駆動電圧をそれぞれ印加し、物体中の超音波の振動
方向を制御するために用いる超音波横波探触子におい
て、前記第1の超音波振動子は前記物体に最も近い場所
に配置されて横波を発生し、前記第2の振動子は前記第
1の超音波振動子に隣接して設けられ、前記第2の超音
波振動子の振動方向が該第1の超音波振動子の振動方向
と異なるように、かつ、前記第2の超音波振動子と前記
第1の超音波振動子との隣接する面で導通するように、
例えば、第2の超音波振動子の上面と第2の超音波振動
子の下面とが導通するように配置されていることを特徴
としている。
【0015】第6の手段は、第5の手段において、前記
第1の超音波振動子よりもさらに前記物体に近接した位
置に横波超音波の前記物体への入射を遅延させる遅延保
護板を設けたことを特徴としている。
【0016】第7の手段は、第5の手段と同様の前提の
超音波横波探触子において、前記物体への入射を遅延さ
せる少なくとも1つ以上の遅延保護板を備え、前記第1
の超音波振動子は前記遅延保護板中に第1の超音波を発
生させ、前記第1の超音波が前記遅延保護板の境界面で
反射/屈折するときに第1の横波が発生するように配置
され、前記第2の超音波振動子は前記遅延保護板中に第
2の超音波を発生させ、前記第2の超音波が前記遅延保
護板の境界面で反射/屈折するときに第2の横波が発生
し、当該第2の横波の音軸が前記第1の横波の音軸と等
しくなり、前記第2の横波の振動方向が該第1の横波の
振動方向と異なるように配置されていることを特徴とし
ている。
【0017】第8の手段は、第5の手段と同様の前提の
超音波横波探触子において、前記物体への入射を遅延さ
せる遅延保護板を備え、前記第1の超音波振動子は前記
遅延保護板中に縦波を発生させ、前記縦波が前記物体中
に入射する際に第1の横波が発生するように配置され、
前記第2の超音波振動子は、前記遅延保護板中に第2の
横波を発生させ、前記第1の横波の音軸と前記第2の横
波の音軸が等しくなるように配置されていることを特徴
としている。
【0018】第9の手段は、第5ないし第8の手段にお
ける超音波横波探触子と、前記第1の超音波振動子に対
する印加電圧を変えて当該第1の超音波振動子を駆動す
る第1の超音波送受信部と、前記第2の超音波振動子に
対する印加電圧を変えて当該第2の超音波振動子を駆動
する第2の超音波送受信部と、前記第1及び第2の超音
波送受信部に電圧と位相を指示する制御手段とを備えて
いることを特徴としている。
【0019】第10の手段は、第5ないし第8の手段に
おける超音波横波探触子と、前記第1及び第2の超音波
横波振動子に対して可変電圧を印加可能な超音波送受信
部と、前記超音波受信部から前記第1の超音波振動子及
び該第2の超音波振動子に印加する電圧を切り換える切
換手段と、前記超音波送受信部に前記第1及び第2の超
音波横波振動子に印加する電圧と位相を指示する制御手
段とを備えていることを特徴とする。
【0020】第11の手段は、第9及び第10の手段に
おける超音波振動方向制御装置と、第1及び第2の超音
波横波振動子から振動方向を変えて取得したデータに基
づいて材料の劣化を診断する診断手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態について説明する。
【0022】<第1の実施形態>図1は本実施形態に係
る超音波振動方向制御用の横波探触子と、この横波探触
子を使用したシステムの構成を示すブロック図、図2は
前記横波探触子の構成を示す図である。図2において、
横波探触子1は、第1及び第2の2個の厚みすべり振動
子101a,101bと、パッキング材104と、前記
厚みすべり振動子101a,101bと前記パッキング
材104との間に設けられた第1ないし第3の電極10
3a,103b,103cと、保護板105と、外枠1
06とから構成されている。
【0023】第1の厚みすべり振動子101aは、紙面
に平行な方向に厚みすべりをする超音波振動子である。
第2の厚みすべり振動子101bは、紙面に垂直な方向
に厚みすべりをする超音波振動子であり、第1の厚みす
べり振動子101aとは振動方向が90°異なってい
る。厚みすべり振動子101a,101bは、例えば、
水晶をY軸に垂直に切断したYカット素子を使用するこ
とができる。電極103a,103b,103cは、予
め厚みすべり振動子101a,101bまたは保護板1
05に金などを蒸着したものである。バッキング材10
4は、エポキシ樹脂にタングステン粉末を混ぜたものな
どを用いることができる。保護板105は、ベークライ
トなどを用いることができる。
【0024】横波探触子1は、第1の厚みすべり振動子
101aの下面と第2の厚みすべり振動子101bの上
面を導通した構造としているので、第1の厚みすべり振
動子101aと第2の厚みすべり振動子101bの間に
余計な障害物を設置する必要が無く、第1の厚みすべり
振動子101aから発生した振動を直接第2の厚みすべ
り振動子101bに伝えることが可能である。また、第
2の電極103bをグランドとして第1及び第3の電極
103a,103cに異なる電圧を与えれば、厚みすべ
り振動子101a,101bに異なる振幅の振動を発生
させることができる。
【0025】図1は、本実施形態に係るシステム構成、
すなわち、材料劣化診断装置の構成を示している。図1
においては、図2に示した横波探触子1に対して、第1
及び第2の超音波送受信部2a,2bと、デジタイザ3
と、材料劣化診断部4とを付加してシステムを構成して
いる。第1及び第2の超音波送受信部2a,2bは、市
販の超音波探傷器で構成するか、超音波パルサーと、そ
れに直流電圧を供給する直流電圧源を用いて構成する。
このとき、超音波探傷器あるいは直流電圧源は、材料劣
化診断部4からの制御信号により出力電圧を制御できる
タイプのものを用いる。また、超音波探傷器あるいは超
音波パルサーは、材料劣化診断部4からのトリガ信号に
同期してパルスを発信できるタイプのものを用いる。材
料劣化診断部4は、市販のコンピュータで構成できる
が、第1及び第2の超音波送受信部2a,2bに送るト
リガ信号の間隔を設定するためのデジタルディレイを備
えるものとする。この例では、第1の電極103aに第
1の超音波送受信部2aが接続され、第2の電極103
cに第2の超音波送受信部2bが接続されている。な
お、第2の電極103bは接地されている。なお、第1
の電極横波探触子1の構成については、前述のように図
2に示したものと同一であるので説明は省略する。
【0026】次に、本実施形態の材料劣化診断装置の動
作手順について、図3のフローチャートを用いて説明す
る。
【0027】この処理では、まず、ステップS101に
おいて、横波探触子1を被検査体10に適当な加重で接
触させる。このとき、横波探触子1と被検査体10との
間には横波の透過を良くする水あめなどの接触媒質を塗
布する。そして、係数i←0として初期化し、横波振動
方向の制御ピッチΔθを、例えば1.0°と設定する。
【0028】次いで、ステップS102において、材料
劣化診断部4は、第1の超音波送受信部2aの出力電圧
Vaと第2の超音波送受信部を2bの出力電圧Vbを、
それぞれ数1と数2から算出し、電圧を設定する。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】ここで、係数rbは、ステップS103で
説明する横波12aが、厚みすべり振動子101bを通
過する間に減衰する分を補正するための項である。
【0032】そして、ステップS103において、材料
劣化診断部4は第1の超音波送受信部2aにトリガ信号
を与える。これに同期して、第1の超音波送受信部2a
はピーク間電圧Vaのパルスを第1の厚みすべり振動子
101aに印加する。第1の厚みすべり振動子101a
は紙面に平行方向にすべり振動をするので、紙面に平行
方向に振動する横波12aが発生する。横波12aは、
時間Δt2を経て第2の厚みすべり振動子101bを通
過し、保護板105に垂直に入射する。これと同時に、
材料劣化診断部4は、第2の超音波送受信部2bにトリ
ガ信号を与える。これに同期して、第2の超音波送受信
部2bはピーク間電圧Vbのパルスを第2の厚みすべり
振動子101bに印加する。第2の厚みすべり振動子1
01bは紙面に垂直方向にすべり振動をするので、紙面
に垂直方向に振動する横波12bが発生する。横波12
bは、紙面に垂直方向に振動して保護板105に垂直に
入射する。横波12aと横波12bは、同じ場所で振動
方向が90°異なる同期した振動をすることになり、合
成振動の横波12cが発生する。なお、時間Δt2は、
予め測定しておき、材料劣化診断部4に記憶しておく必
要がある。
【0033】ここで、合成した波の振動の振幅及び振動
方向を図4を用いて説明する。深さ方向の位置zにおけ
る横波12aの粒子変位をx(z)、横波12bの粒子
変位をy(z)とすると、その合成変位はr(z)とな
る。粒子変位x(z)と粒子変位y(z)が、図5に示
すように同位相で変位すれば、r(z)の振動方向は、
粒子変位x(z)に対して常に角度θ(=i×Δθ)傾
いていることになり、実効的に振動方向θの横波が発生
する。第1及び第2の超音波送受信部2a,2bが、各
々パルス状の電圧ではなく、持続時間の長い連続波やバ
ースト波を発信する場合でも、同様に合成変位r(z)
を発生させることができる。
【0034】ステップS103で合成振動横波を発生さ
せた後、ステップS104において、横波探触子1は、
横波12aと横波12bの合成振動横波12cの被検査
体10底面での反射波(以後、合成振動横波12cの底
面反射波と称す)を受信し、第1及び第2の超音波送受
信部2a,2bで増幅した信号をデジタイザ3でデジタ
ル信号に変換後、材料劣化診断部4で収録する。このと
き、合成振動横波12cの底面反射波はその振動方向
が、材料の音響異方性の方向に対して、平行あるいは垂
直でない場合、図6に示すように、音速の違いによって
音速の速い横波W1と音速の遅い横波W2に2つの波に
分離する現象が生じる。なお、収録する信号は、合成振
動横波12cの底面反射波のうち、底面でm回反射した
m回反射波と、底面でn回反射したn回反射波の最低2
つの信号を収録するものとする。通常は、超音波の減衰
を考慮して、一回反射波と二回反射波(m=1、n=
2)を収録するのが良いが、場合によってはさらにあと
の反射波を利用しても良い。
【0035】次に、ステップS105において、合成振
動横波12cの振動方向θが終了角度θendに達してい
れば、ステップS107に進み、θendに達していなけ
れば、ステップS106において、i←i+1としてか
ら、ステップS102に戻って処理を続ける。θend
は、通常180°で十分であるが、精度向上のためにθ
end=360°としても良い。
【0036】ステップS107において、市販の縦波探
触子を用い、横波探触子1と同様の手順で、底面でm回
反射したm回反射波と、被検査体10の底面でn回反射
したn回反射波の最低2つの信号を収録する。ステップ
S108からは、材料劣化診断部4のソフトウエア処理
により実行する。まず、ステップS108において、収
録したθstart=0からθendまでのm回反射波に対して
基準波形をθstartとしたときの相互相関処理による波
形の類似度s(i)をi=0〜k−1(kは横波を収録
した角度の数)について算定する。ここでは、波形の類
似度の最小値が、しきい値s0よりも大きい場合、被検
査体10の現在の測定位置の音響異方性は小さいと判断
し、収録したθstart=0からθendまでのm回反射波と
n回反射波の伝播時間差を相互相関処理によるオーバー
ラップ法により算定する。さらに、算定した複数の伝播
時間差の平均をとることにより、代表的な横波の伝播時
間とするのである。なお、オーバラップ法はこの分野で
は通常採用されている手法なので、ここでの説明は省略
する。
【0037】一方、波形の類似度が、しきい値s0より
も小さい場合、被検査体10の現在の測定位置の音響異
方性が大きいために、音速の違いによって2つの波に分
離する現象が顕著に発生しているものと判断し、収録し
たθstart=0からθendまでのm回反射波とn回反射波
の各々について、2つの波を分離する処理を行う。そし
て、分離した波形毎に、m回反射波とn回反射波の伝播
時間差を相互相関処理によるオーバーラップ法により算
定する。さらに、算定した複数の伝播時間差の平均をと
ることにより、代表的な横波の伝播時間tsとする。
【0038】このようにして、ステップS108で横波
伝播時間が算定されると、ステップS109において、
縦波のm回反射波とn回反射波の伝播時間差を相互相関
処理によるオーバーラップ法により算定し、縦波の伝播
時間tlとする。
【0039】ステップS109で縦波の伝播時間が算定
されると、ステップS110において、縦波と横波の音
速比rを r=ts/tl により算定し、予め用意しておいた縦波横波音速比rと
劣化度の相関関係曲線を参照して劣化度を評価する。劣
化度は具体的には硬さや寿命で管理され、例えば硬さを
用いる場合、図7に示すような相関関係曲線を用意すれ
ば良い。
【0040】以上の手順によれば、従来の横波探触子の
ように機械的な回転走査をともなわずに、横波の振動方
向を容易に制御することができるので、小型かつ高速な
劣化評価装置を構成でき、検査時間の短縮や、狭隘部へ
の適用に大きな効果がある。
【0041】次に、材料劣化診断部4が第2の超音波送
受信部2bにトリガ信号を与える時刻と、材料劣化診断
部4が第1の超音波送受信部2aにトリガ信号を与える
時刻との差が、時間Δt2でない場合について、図5を
参照して説明する。
【0042】ここで、位置zにおける横波12aの粒子
変位をx(z)、横波12bの粒子変位をy(z)とす
ると、その合成変位はr(z)となる。粒子変位x
(z)と粒子変位y(z)が、図9に示すように異なる
位相(但し、位相が180度ずれる場合を除く)の連続
波で変位すれば、r(z)の変位は、図8に示すように
楕円もしくは円状に変位し、実効的に捻れ波が発生する
ことになる。第1及び第2の超音波送受信部2a,2b
が、各々持続時間の長い連続波やパルス波でも、合成変
位r(z)は、同様に考えることができる。
【0043】<第2の実施形態>図10は本発明の第2
の実施形態のシステム構成を示すブロック図である。こ
の実施形態は、第1の実施形態において図1に示した第
1及び第2の2つの超音波送受信部2a,2bに代えて
1つの超音波送受信部2aと切換器5によって構成する
ようにしたものである。その他の各部は前述の第1の実
施形態と同等に構成されている。
【0044】本実施形態では、まず、材料劣化診断部4
は超音波送受信部2にトリガ信号を与える。これに同期
して、超音波送受信部2は時間差Δt2の2つの高電圧
パルスを出力する(Δt2は、横波12aが厚みすべり
振動子101bを通過するのに要する時間)。材料劣化
診断部4は、切換器5を制御して高電圧パルスを順に第
1の厚みすべり振動子101a及び第2の厚みすべり振
動子101bに与える。そのあとの動作及び処理の手順
は第1の実施形態と同様なので説明は省略する。
【0045】<第3の実施形態>図11は第3の実施形
態に係る超音波横波探触子の構成を示す図であり、この
超音波横波探触子は、前述の第1及び第2の実施形態で
使用された超音波横波探触子1の変形例に当たる。
【0046】この実施形態に係る超音波横波探触子1
は、図11から分かるように図2における保護板105
を厚い遅延保護板105aとしたことを特徴としてお
り、遅延保護板105aとしては、比較的厚いアクリル
などを用いて構成することができる。この遅延保護板1
05aを用いれば、横波12a、12bが被検査体10
に入射するまでの時間を遅延させることができ、図2の
構成の横波探触子のように保護板105の中で横波12
a、12bが各々短い時間間隔での多重により干渉する
のを防止することができる。
【0047】その他の各部は図2における超音波横波探
触子1と同等に構成され、図1もしくは図10に示すシ
ステムによって同様に動作するので、ここでの説明は省
略する。
【0048】<第4の実施形態>図12は第4の実施形
態に係る超音波探触子の構成を示す図であり、この超音
波探触子は、前述の第1及び第2の実施形態で使用され
た超音波横波探触子の変形例に当たる。
【0049】この実施形態に係る超音波探触子1は、図
12から分かるように図2における第1及び第2の厚み
すべり振動子101a,101bを、保護板105に対
して積層せずに、横方向に並べて配置したことを特徴と
しており、その他の各部は図2の超音波横波探触子と同
等に構成されている。このように構成すると、第1の厚
みすべり振動子101aから発生する横波12aと第2
の厚みすべり振動子101aから発生する横波12b
は、被検査体10中で干渉して、偏向方向の異なる横波
や捻れ波になる。この場合、横波探触子の近傍では、横
波12aと横波12bが重ならずに干渉しない領域が存
在するといった点で、図2や図11に示した構成の横波
探触子に劣るが、図1の超音波振動方向制御装置に置き
換えて構成する場合に、第1及び第2の超音波送受信部
2a、2bに同時にパルスを印加すれば良いので、より
単純に動作させることができる点や、横波12a,12
bのいずれもが、他の厚みすべり振動子を通過する必要
がないので、横波の減衰が少なく感度が良いといった点
において優れている。
【0050】その他の各部は図2における超音波横波探
触子1と同等に構成され、図1もしくは図10に示すシ
ステムによって同様に動作するので、ここでの説明は省
略する。
【0051】<第5の実施形態>図13は第5の実施形
態に係る超音波横波探触子の構成を示す図である。同図
において、101bは紙面に垂直に振動する厚みすべり
振動子、102は縦波振動子、105bはくさびであ
る。ここで言うくさびとは、超音波斜角入射用の中間伝
播媒体であり、材質はアクリル、ポリスチレン等であ
る。この横波探触子1は、以下のようにして被検査体1
0中に横波を発せさせる。
【0052】すなわち、厚みすべり振動子101bでく
さび105b中に紙面に垂直に振動する横波12bを発
生させ、くさび105bと被検査体10の境界面で横波
12bを屈折させ、被検査体10中に紙面に垂直に振動
する横波(SH波)を発生させる。一方で、縦波振動子
102でくさび105b中に縦波14を発生させ、くさ
び105bと被検査体10の境界面で縦波14を屈折さ
せ、被検査体10中に紙面に平行に振動する横波(SV
波)を発生させる。このSH波とSV波の位相が同じに
なるように、あるいは異なるように、厚みすべり振動子
101bと縦波振動子102が駆動されることで、被検
査体10中に任意の振動方向の斜角横波(あるいは、捻
れ波)13が形成できる。
【0053】くさび105bの材料としては、前述のよ
うにアクリルを用いる。被検査体10が鋼である場合、
被検査体10中に屈折角45度の任意の振動方向の横波
を発生させるには、縦波振動子102を入射角37度の
縦波を発生させるように配置でき、かつ厚みすべり振動
子101bを入射角19度の横波を発生させるように配
置できるようなくさび105bを用意する。このよう
に、斜角の横波を発生させることは、図2の横波探触子
において保護板105の代わりに斜角用のくさびを取り
付ければ可能であるが、図13の斜角用超音波横波探触
子の利点は、図12と同様に、横波12bや縦波14
が、他の振動子を通過する必要がなく、超音波の減衰が
少なく感度が良いといった点にある。また、このような
SH波・SV波のいずれでもない傾いた振動を発生でき
る横波探触子の利点は、入射面と反射面(検査面)が平
行でない構造物においても、反射面に対して相対的にS
H波となるような振動面の横波を発生させることで、反
射のときのモード変換が生じず、SN比の向上が期待で
きることにある。
【0054】本実施形態に係る超音波横波探触子1も図
1もしくは図10に示すシステムによって同様に動作す
るので、ここでの説明は省略する。
【0055】<第6の実施形態>図14は第6の実施形
態に係る超音波横波探触子の構成を示す図である。同図
において、101bは紙面に垂直に振動する厚みすべり
振動子、102は縦波振動子、105c、105dは第
1及び第2のくさびである。ここでいうくさびも第5の
実施形態と同様に超音波斜角入射用の中間伝播媒体であ
り、材質はアクリル、ポリスチレン等である。この横波
探触子は、以下のようにして被検査体10中に横波を発
せさせる。
【0056】すなわち、厚みすべり振動子101bで第
1のくさび105c中に紙面に垂直に振動する横波12
bを発生させ、第1のくさび105cと第2のくさび1
05dの境界面で横波12bを屈折させ、第2のくさび
105d中に紙面に垂直に振動する横波を発生させる。
一方で、縦波振動子102で第1のくさび105c中に
縦波14を発生させ、第1のくさび105cと第2のく
さび105dの境界面で縦波14を屈折させ、被検査体
中に紙面に平行に振動する横波を発生させる。これら横
波の位相が同じになるように、あるいは異なるように、
厚みすべり振動子101bと縦波振動子102が駆動さ
れることで、第2のくさび105d中に任意の振動方向
の横波(あるいは、捻れ波)13を形成することがで
き、これが被検査体10中に垂直に入射することで、任
意の振動方向の横波(あるいは、捻れ波)を形成でき
る。
【0057】本実施形態に係る超音波横波探触子1も図
1もしくは図10に示すシステムによって同様に動作す
るので、ここでの説明は省略する。
【0058】<第7の実施形態>図15は第7の実施形
態に係る超音波横波探触子の構成を示す図である。同図
において、101aは紙面に平行に振動する第1の厚み
すべり振動子、101bは紙面に垂直に振動する第2の
厚みすべり振動子、105e、105fは第1及び第2の
くさびである。ここでいうくさびも第5の実施形態と同
様に超音波斜角入射用の中間伝播媒体であり、材質はア
クリル、ポリスチレン等である。この横波探触子は、以
下のようにして被検査体10中に横波を発せさせる。
【0059】すなわち、第1の厚みすべり振動子101
aで第1のくさび105e中に紙面に平行に振動する横
波12aを発生させ、第1のくさび105eと第2のく
さび105fの境界面で横波12aを屈折させ、第2の
くさび105f中に紙面に平行に振動する横波を発生さ
せる。一方で、第2の厚みすべり振動子101bで第2
のくさび105f中に紙面に垂直に振動する横波12b
を発生させ、第1のくさび105eとくさび105fの
境界面で横波12bを反射させる。これら横波の位相が
同じになるように、あるいは異なるように、第1及び第
2の厚みすべり振動子101a、101bを駆動するこ
とで、第2のくさび105f中に任意の振動方向の横波
(あるいは、捻れ波)13が形成でき、これが被検査体
10中に垂直に入射することで、任意の振動方向の横波
(あるいは、捻れ波)を形成できる。
【0060】本実施形態に係る超音波横波探触子1も図
1もしくは図10に示すシステムによって同様に動作す
るので、ここでの説明は省略する。
【0061】これら第6の実施形態(図14)や第7の
実施形態(図15)のように、くさび105c,105
d、あるいはくさび105e,105fを介して垂直横
波を発生させることの利点は、第4の実施形態(図9)
や第5の実施形態(図10)と同様に、横波12aや横
波12b、もしくは縦波14が、他の振動子を通過する
必要がなく、超音波の減衰が少なく感度が良いといった
点にある。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、 第1
の超音波横波振動子に駆動電圧を印加して第1の横波を
発生させ、第1の超音波横波振動子と振動方向が異なる
ように配置された第2の超音波横波振動子に駆動電圧を
印加して第1の横波と振動方向の異なる第2の横波を発
生させる際に、第2の横波が物体中で第1の横波と同じ
位相となる時間の遅延を与えて駆動電圧を印加して物体
中に任意の振動方向の横波を形成するので、超音波探触
子を機械的に回転させることなく、超音波の振動方向を
任意に制御することが可能となる。その結果、音響異方
性のある物体の横波音速を異なる振動方向で高速かつ簡
便に測定することができる。
【0063】また、本発明によれば、第1の超音波振動
子及び第2の超音波振動子に駆動電圧を印加して前記超
音波振動子に隣接した遅延保護板中に超音波を発生さ
せ、この超音波を前記遅延保護板の境界面で反射/屈折
させて横波を発生させるので、被検体中に任意の振動方
向の斜角横波または捻れ波を形成することが可能とな
り、音響異方性のある物体の横波音速を異なる振動方向
で高速かつ簡便に測定することができる。
【0064】また、本発明によれば、第1の超音波振動
子は被検体に最も近い場所に配置されて横波を発生し、
第2の振動子は第1の超音波振動子に隣接して設けら
れ、第2の超音波振動子の振動方向が第1の超音波振動
子の振動方向と異なるように、かつ、第2の超音波振動
子と第1の超音波振動子の隣接する面で導通するように
配置されているので、第1の振動子から発生した振動を
直接第2の振動子に伝えることが可能となり、音響異方
性のある物体の横波音速を異なる振動方向で高速かつ簡
便に測定することが可能な超音波横波探触子を提供でき
る。
【0065】また、本発明によれば、第1の超音波振動
子よりもさらに被検体に近接した位置に横波超音波の前
記物体への入射を遅延させる遅延保護板を設けたので、
横波超音波が被検体に入射するまでの時間を遅延させる
ことができ、これにより保護板の中での干渉を抑制する
ことが可能になる。
【0066】また、本発明によれば、被検体への入射を
遅延させる少なくとも1つの遅延保護板を備え、第1の
超音波振動子は遅延保護板中に第1の超音波を発生さ
せ、第1の超音波が遅延保護板の境界面で反射/屈折す
るときに第1の横波が発生するように配置され、第2の
超音波振動子は遅延保護板中に第2の超音波を発生さ
せ、第2の超音波が遅延保護板の境界面で反射/屈折す
るときに第2の横波が発生し、当該第2の横波の音軸が
前記第1の横波の音軸と等しくなり、前記第2の横波の
振動方向が該第1の横波の振動方向と異なるように配置
されているので、第1及び第2の超音波振動子に同時に
パルス印加が可能となり、動作を単純にすることができ
る。また、他の超音波振動子を通過する必要がないの
で、横波の減衰が少なく、高感度に構成できる。
【0067】また、本発明によれば、被検体への入射を
遅延させる遅延保護板を備え、第1の超音波振動子は遅
延保護板中に縦波を発生させ、前記縦波が前記物体中に
入射する際に第1の横波が発生するように配置され、第
2の超音波振動子は遅延保護板中に第2の横波を発生さ
せ、前記第1の横波の音軸と前記第2の横波の音軸が等
しくなるように配置されているので、第1及び第2の超
音波振動子の駆動状態を制御することにより、被検体の
中に任意の振動方向の斜角横波あるいは捻れ波を形成す
ることができる。
【0068】また、本発明に係る超音波振動方向制御装
置によれば、第1の超音波振動子に対する印加電圧を制
御して当該第1の超音波振動子を駆動する第1の超音波
送受信部と、第2の超音波振動子に対する印加電圧を制
御して当該第2の超音波振動子を駆動する第2の超音波
送受信部と、第1及び第2の超音波送受信部に電圧と位
相を指示する制御手段とを備えているので、制御手段に
より振動方向を任意に設定することができる。
【0069】また、本発明に係る超音波振動方向制御装
置によれば、第1及び第2の超音波横波振動子に対して
可変電圧を印加可能な超音波送受信部と、超音波受信部
から前記第1の超音波振動子及び該第2の超音波振動子
に印加する電圧を切り換える切換手段と、超音波送受信
部に第1及び第2の超音波横波振動子に印加する電圧と
位相を指示する制御手段とを備えているので、より低コ
ストで制御手段により振動方向を任意に設定することが
できる。
【0070】さらに、本発明に係る材料劣化診断装置に
よれば、本発明に係る超音波振動方向制御装置と第1及
び第2の超音波横波振動子から振動方向を変えて取得し
たデータに基づいて材料の劣化を診断する診断手段と備
えているので、超音波探触子を機械的に回転することな
く、超音波の振動方向を電気的に任意に制御することが
可能となり、音響異方性のある物体の材料劣化を高速か
つ簡便に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る材料劣化診断装置のシス
テム構成を示すブロック図である。
【図2】図1における超音波横波探触子の構成を示す図
である。
【図3】図2の超音波横波探触子の出力によって被検体
内を伝播する合成された横波の振動の状態を示す説明図
である。
【図4】図1におけるシステムを使用した材料劣化診断
の手順を示すフローチャートである。
【図5】図4において位相が同じ振動方向の異なる2つ
の振動の合成状態を示す説明図である。
【図6】被検査体の劣化を診断するときに利用する超音
波データを示す説明図である。
【図7】硬さと縦波横波音速比の相関関係を示す説明図
である。
【図8】図2の超音波横波探触子の出力によって被検体
内を伝播する合成された捻れ波の振動の状態を示す説明
図である。
【図9】図8において位相の異なる振動方向の異なる2
つの振動の合成状態を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態に係る材料劣化診断装置のシ
ステム構成を示すブロック図である。
【図11】第3の実施形態に係る超音波横波探触子の構
成を示す図である。
【図12】第4の実施形態に係る超音波横波探触子の構
成を示す図である。
【図13】第5の実施形態に係る超音波横波探触子の構
成を示す図である。
【図14】第6の実施形態に係る超音波横波探触子の構
成を示す図である。
【図15】第7の実施形態に係る超音波横波探触子の構
成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 横波探触子 101a、101b 厚みすべり振動子 102 縦波振動子 103a,103b,103c 電極 104 バッキング材 105 保護板 106 外枠 2a,2b 超音波送受信部 3 デジタイザ 4 材料劣化診断部 5 切換器 10 被検査体 12a、12b 横波 12c 合成振動による横波 13 合成振動による横波 14 縦波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋 文信 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 川又 啓人 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所火力・水力事業部内 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB07 BA03 BB01 BB02 BC02 BC11 CB01 CB02 EA05 EA09 GA13 GB11 GF22 GG30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の超音波振動子を使用して
    物体中の超音波の振動方向を制御する超音波振動方向制
    御方法において、 第1の超音波横波振動子に駆動電圧を印加して第1の横
    波を発生する工程と、 前記第1の超音波横波振動子と振動方向が異なるように
    配置された第2の超音波横波振動子に駆動電圧を印加し
    て前記第1の横波と振動方向の異なる第2の横波を発生
    させる際に、前記第2の横波が前記物体中で前記第1の
    横波と同じ位相となる時間の遅延を与えて前記駆動電圧
    を印加して前記該物体中に任意の振動方向の横波を形成
    する工程と、を含むことを特徴とする超音波振動方向制
    御方法。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の超音波振動子を使用して
    物体中の超音波の振動方向を制御する超音波振動方向制
    御方法において、 第1の超音波横波振動子に駆動電圧を印加して第1の横
    波を発生する工程と、 前記第1の超音波横波振動子と振動方向が異なるように
    配置された第2の超音波横波振動子に駆動電圧を印加し
    て前記第1の横波と振動方向の異なる第2の横波を発生
    する際に、該第2の横波が該物体中で該第1の横波と異
    なる位相となる時間の遅延を与えて該駆動電圧を印加し
    て前記物体中に任意の振動方向の捻れ波を形成する工程
    と、を含むことを特徴とする超音波振動方向制御方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の超音波横波振動子に駆動電圧
    を印加して第1の横波を発生することに代えて、 前記第1の超音波振動子に駆動電圧を印加して前記超音
    波振動子に隣接した遅延保護板中に超音波を発生させ、
    この超音波を前記遅延保護板の境界面で反射/屈折させ
    て横波を発生させることを特徴とする請求項1または2
    に記載の超音波振動方向制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の超音波横波振動子に駆動電圧
    を印加して第2の横波を発生することに代えて、 前記第2の超音波振動子に駆動電圧を印加して前記超音
    波振動子に隣接した遅延保護板中に超音波を発生させ、
    この超音波を前記遅延保護板の境界面で反射/屈折させ
    て横波を発生させることを特徴とする請求項1または2
    に記載の超音波振動方向制御方法。
  5. 【請求項5】 第1及び第2の超音波振動子にそれぞれ
    駆動電圧を印加し、物体中の超音波の振動方向を制御す
    るために用いる超音波横波探触子において、 前記第1の超音波振動子は前記物体に最も近い場所に配
    置されて横波を発生し、 前記第2の振動子は前記第1の超音波振動子に隣接して
    設けられ、 前記第2の超音波振動子の振動方向が該第1の超音波振
    動子の振動方向と異なるように、かつ、前記第2の超音
    波振動子と前記第1の超音波振動子との隣接面で導通す
    るように配置されている、ことを特徴とする超音波横波
    探触子。
  6. 【請求項6】 前記第1の超音波振動子よりもさらに前
    記物体に近接した位置に横波超音波の前記物体への入射
    を遅延させる遅延保護板を設けたことを特徴とする請求
    項5記載の超音波横波探触子。
  7. 【請求項7】 第1及び第2の超音波振動子にそれぞれ
    駆動電圧を印加し、物体中の超音波の振動方向を制御す
    るために用いる超音波横波探触子において、 前記物体への入射を遅延させる少なくとも1つ以上の遅
    延保護板を備え、 前記第1の超音波振動子は前記遅延保護板中に第1の超
    音波を発生させ、前記第1の超音波が前記遅延保護板の
    境界面で反射/屈折するときに第1の横波が発生するよ
    うに配置され、 前記第2の超音波振動子は前記遅延保護板中に第2の超
    音波を発生させ、前記第2の超音波が前記遅延保護板の
    境界面で反射/屈折するときに第2の横波が発生し、当
    該第2の横波の音軸が前記第1の横波の音軸と等しくな
    り、前記第2の横波の振動方向が該第1の横波の振動方
    向と異なるように配置されている、ことを特徴とする超
    音波横波探触子。
  8. 【請求項8】 第1及び第2の超音波振動子にそれぞれ
    駆動電圧を印加し、物体中の超音波の振動方向を制御す
    るために用いる超音波横波探触子において、 前記物体への入射を遅延させる遅延保護板を備え、 前記第1の超音波振動子は前記遅延保護板中に縦波を発
    生させ、前記縦波が前記物体中に入射する際に第1の横
    波が発生するように配置され、 前記第2の超音波振動子は、前記遅延保護板中に第2の
    横波を発生させ、前記第1の横波の音軸と前記第2の横
    波の音軸が等しくなるように配置されていること、を特
    徴とする超音波横波探触子。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし8のいずれか1項に記載
    の超音波横波探触子と、 前記第1の超音波振動子に対する印加電圧を制御して当
    該第1の超音波振動子を駆動する第1の超音波送受信部
    と、 前記第2の超音波振動子に対する印加電圧を制御して当
    該第2の超音波振動子を駆動する第2の超音波送受信部
    と、 前記第1及び第2の超音波送受信部に電圧と位相を指示
    する制御手段と、を備えていることを特徴とする超音波
    振動方向制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし8のいずれか1項に記
    載の超音波横波探触子と、 前記第1及び第2の超音波横波振動子に対して可変電圧
    を印加可能な超音波送受信部と、 前記超音波受信部から前記第1の超音波振動子及び該第
    2の超音波振動子に印加する電圧を切り換える切換手段
    と、 前記超音波送受信部に前記第1及び第2の超音波横波振
    動子に印加する電圧と位相を指示する制御手段と、を備
    えていることを特徴とする超音波振動方向制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の超音波振動
    方向制御装置と、 前記第1及び第2の超音波横波振動子から振動方向を変
    えて取得したデータに基づいて材料の劣化を診断する診
    断手段と、を備えていることを特徴とする材料劣化診断
    装置。
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