JPH07174741A - 超音波音速計測装置 - Google Patents
超音波音速計測装置Info
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- JPH07174741A JPH07174741A JP5317167A JP31716793A JPH07174741A JP H07174741 A JPH07174741 A JP H07174741A JP 5317167 A JP5317167 A JP 5317167A JP 31716793 A JP31716793 A JP 31716793A JP H07174741 A JPH07174741 A JP H07174741A
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- ultrasonic
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子的な走査で臨界角を精度よく計測するこ
とが可能で、塑性変形やクリ−プ、疲労、焼き戻し脆化
等の機器の運転に伴う材質的な劣化損傷や残留応力によ
る僅かな超音波音速の変化を、機器の設置現場において
も計測することが可能な超音波音速計測装置を提供す
る。 【構成】 送信用超音波振動子群と、伝播媒体と、受信
用超音波振動子群と、多チャンネルパルサ−と、多チャ
ンネルレシ−バと、遅延時間制御器と、多チャンネルA
/D変換器と、遅延加算器と、コンピュ−タとを備える
ことを特徴とする。
とが可能で、塑性変形やクリ−プ、疲労、焼き戻し脆化
等の機器の運転に伴う材質的な劣化損傷や残留応力によ
る僅かな超音波音速の変化を、機器の設置現場において
も計測することが可能な超音波音速計測装置を提供す
る。 【構成】 送信用超音波振動子群と、伝播媒体と、受信
用超音波振動子群と、多チャンネルパルサ−と、多チャ
ンネルレシ−バと、遅延時間制御器と、多チャンネルA
/D変換器と、遅延加算器と、コンピュ−タとを備える
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体材料中における超
音波音速を計測するための超音波音速計測装置に関す
る。
音波音速を計測するための超音波音速計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】固体材料中における超音波音速と弾性定
数の関係は、例えば「超音波探傷法」(日刊工業新聞社
刊、293 頁)等に示すようによく知られており、弾性定
数の計測法の一つにもなっている。また、超音波音速を
計測することにより材料の各種状態を計測評価すること
が可能であることについても数多くの事例があり、例え
ば構造部材の内部に存在する残留応力と超音波音速の関
係や、塑性変形と超音波音速の関係も、前掲書の578 頁
に記載されている。
数の関係は、例えば「超音波探傷法」(日刊工業新聞社
刊、293 頁)等に示すようによく知られており、弾性定
数の計測法の一つにもなっている。また、超音波音速を
計測することにより材料の各種状態を計測評価すること
が可能であることについても数多くの事例があり、例え
ば構造部材の内部に存在する残留応力と超音波音速の関
係や、塑性変形と超音波音速の関係も、前掲書の578 頁
に記載されている。
【0003】ところで、蒸気タ−ビン等のように、高温
環境下で長期間にわたり使用される機器においては、そ
の構成材料の劣化と残余寿命を評価することが、安全な
運転を確保する上で非常に重要である。材料の劣化現象
であるクリ−プ損傷による超音波音速の変化に関して
は、例えば「三菱重工技法」vol.14 No.1 の19頁に記載
されており、また、焼戻し脆化による超音波音速の変化
については、例えば「クロムモリブデン鋼の焼戻し脆化
の非破壊的検出技術」(日本非破壊検査協会 004 特別
研究委員会報告書、1986年、26頁)に計測事例が紹介さ
れている。
環境下で長期間にわたり使用される機器においては、そ
の構成材料の劣化と残余寿命を評価することが、安全な
運転を確保する上で非常に重要である。材料の劣化現象
であるクリ−プ損傷による超音波音速の変化に関して
は、例えば「三菱重工技法」vol.14 No.1 の19頁に記載
されており、また、焼戻し脆化による超音波音速の変化
については、例えば「クロムモリブデン鋼の焼戻し脆化
の非破壊的検出技術」(日本非破壊検査協会 004 特別
研究委員会報告書、1986年、26頁)に計測事例が紹介さ
れている。
【0004】上記のように、材料評価のために超音波音
速計測することの必要性は、寿命診断技術の重要性が広
く認識されることに伴って増大してきているが、従来の
音速計測法には種々の問題点があった。例えば、小型の
材料素材の音速計測法としては、図6に示すように、平
行な2面を有する試験片1の対向する位置に、送信用の
超音波振動子2と受信用の超音波振動子3を取り付け、
これらの振動子間を伝播する超音波の時間を計測し、試
験片1の対向2面間の距離から音速を求める方法がある
が、この方法では平行な2面が必要であるため、実構造
物のように対向する2面が確保できない場合には適用で
きない。
速計測することの必要性は、寿命診断技術の重要性が広
く認識されることに伴って増大してきているが、従来の
音速計測法には種々の問題点があった。例えば、小型の
材料素材の音速計測法としては、図6に示すように、平
行な2面を有する試験片1の対向する位置に、送信用の
超音波振動子2と受信用の超音波振動子3を取り付け、
これらの振動子間を伝播する超音波の時間を計測し、試
験片1の対向2面間の距離から音速を求める方法がある
が、この方法では平行な2面が必要であるため、実構造
物のように対向する2面が確保できない場合には適用で
きない。
【0005】平行な2面が確保できなくても音速測定が
可能な方法としては超音波臨界角法がある。図7は、こ
の方法の原理を説明するもので、液体の伝播媒体L中か
ら固体の被検査物Mの表面に超音波を入射角θiで入射
すると、超音波エネルギ−の一部は被検査物M中に屈折
角φで入射し、残りは入射角θiと等しい反射角θrで
伝播媒体L中に反射してくるが、超音波の入射角θiが
臨界角θcになると表面波が励起されるために反射波の
強度が著しく低下する。従って、この反射波の強度を計
測することにより臨界角θcを計測し、(1)式より表
面波音速Vswを、また(2)式より固体中横波音速Vt
を算出することができる。
可能な方法としては超音波臨界角法がある。図7は、こ
の方法の原理を説明するもので、液体の伝播媒体L中か
ら固体の被検査物Mの表面に超音波を入射角θiで入射
すると、超音波エネルギ−の一部は被検査物M中に屈折
角φで入射し、残りは入射角θiと等しい反射角θrで
伝播媒体L中に反射してくるが、超音波の入射角θiが
臨界角θcになると表面波が励起されるために反射波の
強度が著しく低下する。従って、この反射波の強度を計
測することにより臨界角θcを計測し、(1)式より表
面波音速Vswを、また(2)式より固体中横波音速Vt
を算出することができる。
【0006】
【数1】
【0007】この原理に則って臨界角θcを測定する装
置の例としては、図8に示す装置や、これに類似する装
置が一般的である。図8の例では、水等の伝播媒体L中
に漬けられた被検査物Mの表面に、ピン4で自由に回転
できるように一端を連結された支持棒51 と52 の回転
中心部を押し当て、バネ6で閉じる方向に引っ張られて
いる支持棒51 、52 の開き角を、開き角設定用スペ−
サ7で調節することにより、それぞれの支持棒に取り付
けた送信用超音波探触子2と受信用超音波探触子3の被
検査物Mに対する角度を、対称的に変化できるようにし
ている。従って、開き角設定用スペ−サ7を上下に移動
することにより、超音波の入射角を変化させ、被検査物
表面における反射波の強度変化を計測することができ
る。
置の例としては、図8に示す装置や、これに類似する装
置が一般的である。図8の例では、水等の伝播媒体L中
に漬けられた被検査物Mの表面に、ピン4で自由に回転
できるように一端を連結された支持棒51 と52 の回転
中心部を押し当て、バネ6で閉じる方向に引っ張られて
いる支持棒51 、52 の開き角を、開き角設定用スペ−
サ7で調節することにより、それぞれの支持棒に取り付
けた送信用超音波探触子2と受信用超音波探触子3の被
検査物Mに対する角度を、対称的に変化できるようにし
ている。従って、開き角設定用スペ−サ7を上下に移動
することにより、超音波の入射角を変化させ、被検査物
表面における反射波の強度変化を計測することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、塑性変形や
クリ−プ、疲労、焼き戻し脆化などの機器の運転に伴な
って材料中に発生する材質的な劣化損傷や残留応力によ
る超音波の音速変化は、通常は高だか数10m/s程度
であり、従って、この程度の音速変化を計測するには数
度以内の臨界角θcの変化を正確に計測する必要があ
る。しかしながら、図8に示した臨界角計測装置では、
開き角設定用スペ−サ7の上下方向の位置を計測して超
音波入射角θiを求めるか、または2本の支持棒51 、
52 のなす開き角をエンコ−ダ等により計測して超音波
入射角θiを決める等の方法を採ることになり、いずれ
も機械的な駆動部を介して入射角に対する反射超音波の
強度を計測するため、臨界角の測定精度を充分に向上さ
せることは困難であった。また、上述のように従来の計
測装置は機構部を有するため、高い測定精度を実現する
には、装置全体の寸法が大きくなり、据置形の計測装置
となってしまい、大型構造物等を現場において計測する
ことは不可能であった。
クリ−プ、疲労、焼き戻し脆化などの機器の運転に伴な
って材料中に発生する材質的な劣化損傷や残留応力によ
る超音波の音速変化は、通常は高だか数10m/s程度
であり、従って、この程度の音速変化を計測するには数
度以内の臨界角θcの変化を正確に計測する必要があ
る。しかしながら、図8に示した臨界角計測装置では、
開き角設定用スペ−サ7の上下方向の位置を計測して超
音波入射角θiを求めるか、または2本の支持棒51 、
52 のなす開き角をエンコ−ダ等により計測して超音波
入射角θiを決める等の方法を採ることになり、いずれ
も機械的な駆動部を介して入射角に対する反射超音波の
強度を計測するため、臨界角の測定精度を充分に向上さ
せることは困難であった。また、上述のように従来の計
測装置は機構部を有するため、高い測定精度を実現する
には、装置全体の寸法が大きくなり、据置形の計測装置
となってしまい、大型構造物等を現場において計測する
ことは不可能であった。
【0009】本発明はこのような課題を解決すべくなさ
れたもので、機構部を排除することにより臨界角の測定
精度を向上し、かつ可搬型とすることにより大型機器の
設置現場においても実機計測をすることが可能な超音波
音速計測装置を提供することを目的とするものである。
れたもので、機構部を排除することにより臨界角の測定
精度を向上し、かつ可搬型とすることにより大型機器の
設置現場においても実機計測をすることが可能な超音波
音速計測装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波音速計測
装置は、多数の矩形超音波振動子を平面上に一列に並
べ、被検査物の被検査面に対向して配置される送信用超
音波振動子群と、多数の矩形超音波振動子を平面上に一
列に並べ、かつ前記送信用振動子群の各振動子の配列方
向の延長上に設置し、被検査物表面から反射した超音波
を検出する受信用超音波振動子群と、前記送信用振動子
群から放射される超音波を伝達し、被検査物表面に入射
させるとともに、被検査物表面から反射した超音波を前
記受信用超音波振動子群に伝達する伝播媒体と、前記送
信用超音波振動子群の矩形超音波振動子それぞれに高電
圧パルスを印加して超音波を励振する多チャンネルパル
サ−と、前記受信用超音波振動子群の中の個々の超音波
振動子で検出された超音波信号を受信・増幅する多チャ
ンネルレシ−バと、前記送信用超音波振動子群の各超音
波振動子に印加する高電圧パルスの印加タイミングを変
化させる遅延時間制御器と、前記多チャンネルレシ−バ
により受信・増幅された個々の受信用振動子からの波形
をデジタルデ−タに変換する多チャンネルA/D変換器
と、A/D変換された多数のデジタル波形デ−タの中か
ら使用されるチャンネルの波形を選択し、僅かずつ時間
をずらせて加算処理し、合成反射波に纏める遅延加算器
と、この合成反射波の波形デ−タを記録するとともに、
装置全体の動作を制御するコンピュ−タとから成ること
を特徴とする。
装置は、多数の矩形超音波振動子を平面上に一列に並
べ、被検査物の被検査面に対向して配置される送信用超
音波振動子群と、多数の矩形超音波振動子を平面上に一
列に並べ、かつ前記送信用振動子群の各振動子の配列方
向の延長上に設置し、被検査物表面から反射した超音波
を検出する受信用超音波振動子群と、前記送信用振動子
群から放射される超音波を伝達し、被検査物表面に入射
させるとともに、被検査物表面から反射した超音波を前
記受信用超音波振動子群に伝達する伝播媒体と、前記送
信用超音波振動子群の矩形超音波振動子それぞれに高電
圧パルスを印加して超音波を励振する多チャンネルパル
サ−と、前記受信用超音波振動子群の中の個々の超音波
振動子で検出された超音波信号を受信・増幅する多チャ
ンネルレシ−バと、前記送信用超音波振動子群の各超音
波振動子に印加する高電圧パルスの印加タイミングを変
化させる遅延時間制御器と、前記多チャンネルレシ−バ
により受信・増幅された個々の受信用振動子からの波形
をデジタルデ−タに変換する多チャンネルA/D変換器
と、A/D変換された多数のデジタル波形デ−タの中か
ら使用されるチャンネルの波形を選択し、僅かずつ時間
をずらせて加算処理し、合成反射波に纏める遅延加算器
と、この合成反射波の波形デ−タを記録するとともに、
装置全体の動作を制御するコンピュ−タとから成ること
を特徴とする。
【0011】
【作用】このような構成の超音波音速計測装置によれ
ば、送信用振動子群の各々の振動子に印加する超音波励
振用のパルス信号のタイミングを変えることで、被検査
物表面に対する超音波の入射角θiを広い範囲にわたり
微小に変化させ、また受信用振動子群の中で、被検査物
表面における超音波の反射角θrの方向の一致する複数
個の振動子を選択し、これら複数個の振動子で検出した
反射波を遅延加算して受信の指向性を反射角θrに一致
させるとともに一つの反射波に合成し、その強度を入射
角の変化とともに記憶することができるため、従来の手
法のように機構部を用い探触子を機械的に走査する必要
がなく、電子的な走査だけで臨界角θcを精度よく計測
することが可能であり、塑性変形やクリ−プ、疲労、焼
き戻し脆化等の機器の運転にともなう材質的な劣化損傷
や残留応力による僅かな超音波音速の変化を、機器の設
置現場においても、計測することが可能となる。
ば、送信用振動子群の各々の振動子に印加する超音波励
振用のパルス信号のタイミングを変えることで、被検査
物表面に対する超音波の入射角θiを広い範囲にわたり
微小に変化させ、また受信用振動子群の中で、被検査物
表面における超音波の反射角θrの方向の一致する複数
個の振動子を選択し、これら複数個の振動子で検出した
反射波を遅延加算して受信の指向性を反射角θrに一致
させるとともに一つの反射波に合成し、その強度を入射
角の変化とともに記憶することができるため、従来の手
法のように機構部を用い探触子を機械的に走査する必要
がなく、電子的な走査だけで臨界角θcを精度よく計測
することが可能であり、塑性変形やクリ−プ、疲労、焼
き戻し脆化等の機器の運転にともなう材質的な劣化損傷
や残留応力による僅かな超音波音速の変化を、機器の設
置現場においても、計測することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の超音波音速計測装置において使
用される超音波探触子の取り付け状態を例示するもの
で、被検査物Mの被検査面11に対向して配置された送
信用振動子群12は、微小な幅を持つ多数の矩形振動子
121 …12n を平面上に一列に配置して構成されてお
り、また、この送信用振動子群12に隣接して配置され
ている受信用振動子群13も、微小な幅を持つ多数の矩
形振動子131 …13s を平面上に一列に配置して構成
されている。送信用振動子群12から被検査面11に向
けて入射角θiで放射された超音波ビ−ムBは、超音波
の伝播媒体である水等の液体L中を伝播し、被検査面1
1上の入射点Pで、エネルギ−の一部は被検査物M中に
屈折角φ方向に入射し、残りのエネルギ−は入射点Pで
入射角θiと対称な反射角θr方向に反射する。この反
射エネルギーは、受信用振動子群13の中で反射波の到
達する部分の複数個の振動子131 …13s によって検
出される。
する。図1は、本発明の超音波音速計測装置において使
用される超音波探触子の取り付け状態を例示するもの
で、被検査物Mの被検査面11に対向して配置された送
信用振動子群12は、微小な幅を持つ多数の矩形振動子
121 …12n を平面上に一列に配置して構成されてお
り、また、この送信用振動子群12に隣接して配置され
ている受信用振動子群13も、微小な幅を持つ多数の矩
形振動子131 …13s を平面上に一列に配置して構成
されている。送信用振動子群12から被検査面11に向
けて入射角θiで放射された超音波ビ−ムBは、超音波
の伝播媒体である水等の液体L中を伝播し、被検査面1
1上の入射点Pで、エネルギ−の一部は被検査物M中に
屈折角φ方向に入射し、残りのエネルギ−は入射点Pで
入射角θiと対称な反射角θr方向に反射する。この反
射エネルギーは、受信用振動子群13の中で反射波の到
達する部分の複数個の振動子131 …13s によって検
出される。
【0013】これらの送信用および受信用振動子群1
2,13はバッキング材14を介して探触子ケ−ス15
に取り付けられており、また、送信用振動子121 …1
2n と受信用振動子131 …13s には、それぞれに対
応した送信用リ−ド線161 …16n と受信用リ−ド線
171 …17s が取り付けられている。なお、被検査物
Mと送信用振動子群12および受信用振動子群13の間
に局部的に充填されている水等の超音波伝播媒体Lは供
給口18から注入することが可能であり、また超音波伝
播媒体Lが被検査物Mと探触子ケ−ス15の間から漏れ
ないように、接触部には密着性の良い材料からなるパッ
ド19が取り付けられている。
2,13はバッキング材14を介して探触子ケ−ス15
に取り付けられており、また、送信用振動子121 …1
2n と受信用振動子131 …13s には、それぞれに対
応した送信用リ−ド線161 …16n と受信用リ−ド線
171 …17s が取り付けられている。なお、被検査物
Mと送信用振動子群12および受信用振動子群13の間
に局部的に充填されている水等の超音波伝播媒体Lは供
給口18から注入することが可能であり、また超音波伝
播媒体Lが被検査物Mと探触子ケ−ス15の間から漏れ
ないように、接触部には密着性の良い材料からなるパッ
ド19が取り付けられている。
【0014】図2は本発明による超音波音速計測装置の
全体の構成例を示すブロック図である。送信用振動子群
に接続されている送信用リ−ド線161 …16n の他端
は、各振動子に超音波を励振させるために印加する高圧
パルスS1 …Sn を発生する多チャンネルパルサ−21
に接続されており、この多チャンネルパルサ−21が高
圧パルスS1 …Sn を発生するタイミングは遅延時間制
御器22により設定される。受信用振動子群に接続され
ているリ−ド線171 …17s の他端は、各振動子で検
出した超音波信号R1 …Rs を増幅する多チャンネルレ
シ−バ23に接続されており、受信波形は、各受信用振
動子に対応したA/D変換器を内蔵する多チャンネルA
/D変換器24でデジタル波形デ−タに変換される。ま
た、これらのデジタル波形デ−タの中から複数個の振動
子の波形デ−タが遅延加算器25で選択され、僅かづつ
遅延して加算され、一つの合成反射波Rtに合成され
る。この合成反射波のピ−ク振幅値は、ピ−ク値検出器
26により取り出され、超音波音速計測装置の全体の動
作を制御するコンピュ−タ27に記録される。また、出
力装置28には計測デ−タや臨界角の測定結果、あるい
は算出された音速デ−タなどが表示される。
全体の構成例を示すブロック図である。送信用振動子群
に接続されている送信用リ−ド線161 …16n の他端
は、各振動子に超音波を励振させるために印加する高圧
パルスS1 …Sn を発生する多チャンネルパルサ−21
に接続されており、この多チャンネルパルサ−21が高
圧パルスS1 …Sn を発生するタイミングは遅延時間制
御器22により設定される。受信用振動子群に接続され
ているリ−ド線171 …17s の他端は、各振動子で検
出した超音波信号R1 …Rs を増幅する多チャンネルレ
シ−バ23に接続されており、受信波形は、各受信用振
動子に対応したA/D変換器を内蔵する多チャンネルA
/D変換器24でデジタル波形デ−タに変換される。ま
た、これらのデジタル波形デ−タの中から複数個の振動
子の波形デ−タが遅延加算器25で選択され、僅かづつ
遅延して加算され、一つの合成反射波Rtに合成され
る。この合成反射波のピ−ク振幅値は、ピ−ク値検出器
26により取り出され、超音波音速計測装置の全体の動
作を制御するコンピュ−タ27に記録される。また、出
力装置28には計測デ−タや臨界角の測定結果、あるい
は算出された音速デ−タなどが表示される。
【0015】次に、上記実施例の動作について説明す
る。図1に示すように、被検査物Mの被検査面11に対
向して配置した微小な幅を持つ送信用の矩形振動子12
1 …12n に各々僅かづつ遅れ時間を有する超音波励振
用の高圧パルスS1 …Sn を印加すると、それぞれの振
動子から放出される超音波は互いに位相干渉し、合成さ
れた超音波ビ−ムBは振動パルスの遅れ時間に応じた方
向に放射される。従って、励振用パルスの遅れ時間を変
化させることにより、被検査面11への超音波入射角θ
iを自由に変化させることができる。被検査面11へ入
射角θiで入射した超音波ビ−ムBのエネルギ−の一部
は、伝播媒体Lと被検査物Mの音速によって定まる屈折
角φの方向に伝播するが、残りのエネルギ−は入射点P
で反射し、入射角θiと対称な反射角θrの方向に反射
する。
る。図1に示すように、被検査物Mの被検査面11に対
向して配置した微小な幅を持つ送信用の矩形振動子12
1 …12n に各々僅かづつ遅れ時間を有する超音波励振
用の高圧パルスS1 …Sn を印加すると、それぞれの振
動子から放出される超音波は互いに位相干渉し、合成さ
れた超音波ビ−ムBは振動パルスの遅れ時間に応じた方
向に放射される。従って、励振用パルスの遅れ時間を変
化させることにより、被検査面11への超音波入射角θ
iを自由に変化させることができる。被検査面11へ入
射角θiで入射した超音波ビ−ムBのエネルギ−の一部
は、伝播媒体Lと被検査物Mの音速によって定まる屈折
角φの方向に伝播するが、残りのエネルギ−は入射点P
で反射し、入射角θiと対称な反射角θrの方向に反射
する。
【0016】送信用振動子群13に隣接して反射波の方
向に設置されている受信用振動子群131 …13s で反
射波を受信する際は、入射角θiを変化させると入射点
の位置もPからP’へ移動し、反射波の中心位置も変化
する。本発明においては、受信用振動子群131 …13
s の中から、反射波の方向に合致する複数個の振動子を
選択して用いるようにしてあるので、反射波を検出すべ
き複数個の受信用振動子は、入射角θiを変化させるこ
とに応じて、自動的に選択される。
向に設置されている受信用振動子群131 …13s で反
射波を受信する際は、入射角θiを変化させると入射点
の位置もPからP’へ移動し、反射波の中心位置も変化
する。本発明においては、受信用振動子群131 …13
s の中から、反射波の方向に合致する複数個の振動子を
選択して用いるようにしてあるので、反射波を検出すべ
き複数個の受信用振動子は、入射角θiを変化させるこ
とに応じて、自動的に選択される。
【0017】複数個の受信用振動子13i…13qで検出
した反射波Ri…Rqを一つの反射波Rtに合成する際に
は、入射点Pと各受信用振動子171 …17s の距離が
異なるため、入射点Pから反射してきた超音波Ri…Rq
は、図3に示すように、距離差に応じた遅れ時間を持っ
ているので、超音波の送信の際に与えた励振用パルスの
遅れ時間と同一の遅れ時間を、遅延加算器25によって
反射波Ri…Rqに与えて遅延加算し、受信の指向性を反
射角θrに一致させる。
した反射波Ri…Rqを一つの反射波Rtに合成する際に
は、入射点Pと各受信用振動子171 …17s の距離が
異なるため、入射点Pから反射してきた超音波Ri…Rq
は、図3に示すように、距離差に応じた遅れ時間を持っ
ているので、超音波の送信の際に与えた励振用パルスの
遅れ時間と同一の遅れ時間を、遅延加算器25によって
反射波Ri…Rqに与えて遅延加算し、受信の指向性を反
射角θrに一致させる。
【0018】このようにして得られた反射波の強度は、
図4に示すように、入射角θiが臨界角θcに近づくと
表面波が発生するために、入射超音波のエネルギ−が表
面波に費やされ、コンピュ−タ27の内部で評価される
反射超音波の強度は、図5に示すように、入射角θiが
臨界角θcになったときに著しく減少する。したがっ
て、入射角θiと反射波の強度の関係を計測することに
より、臨界角θcを求めることができ、さらに前述の式
(1)および(2)から被検査物の音速を算出すること
ができる。
図4に示すように、入射角θiが臨界角θcに近づくと
表面波が発生するために、入射超音波のエネルギ−が表
面波に費やされ、コンピュ−タ27の内部で評価される
反射超音波の強度は、図5に示すように、入射角θiが
臨界角θcになったときに著しく減少する。したがっ
て、入射角θiと反射波の強度の関係を計測することに
より、臨界角θcを求めることができ、さらに前述の式
(1)および(2)から被検査物の音速を算出すること
ができる。
【0019】なお、以上の超音波入射角を順次変化させ
つつ反射超音波の強度を計測してゆく一連の動作は、コ
ンピュ−タの制御の下で行われ、遅延時間の設定や、遅
延時間に基づいた超音波の放射、あるいは反射波の方向
に存在する振動子の選択や、遅延加算された反射波の振
幅値の計測等、装置全体の制御は、全て電子的に制御さ
れて実施される。
つつ反射超音波の強度を計測してゆく一連の動作は、コ
ンピュ−タの制御の下で行われ、遅延時間の設定や、遅
延時間に基づいた超音波の放射、あるいは反射波の方向
に存在する振動子の選択や、遅延加算された反射波の振
幅値の計測等、装置全体の制御は、全て電子的に制御さ
れて実施される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、金属材料等の塑性変形やクリ−プ、疲労、焼き戻し
脆化等の機器の運転に伴う材質的な劣化損傷や残留応力
による僅かな超音波音速の変化を、被検査物へ入射する
超音波の臨界角の変化として計測する場合、多数個の矩
形振動子を用い、入射角を順次変化させる超音波の放射
や、反射波の方向に応じて最適な条件で反射波を検出す
るための制御などを、全て電子的に制御している。した
がって、従来の機構部を有する計測装置に比較し、機構
部の精度等に起因する計測誤差がなく、臨界角を精度よ
く計測できるとともに、短時間で効率の良い計測が可能
となり、さらに探触子部分が小型化できるため、機器の
設置現場においても計測することが可能となる。
は、金属材料等の塑性変形やクリ−プ、疲労、焼き戻し
脆化等の機器の運転に伴う材質的な劣化損傷や残留応力
による僅かな超音波音速の変化を、被検査物へ入射する
超音波の臨界角の変化として計測する場合、多数個の矩
形振動子を用い、入射角を順次変化させる超音波の放射
や、反射波の方向に応じて最適な条件で反射波を検出す
るための制御などを、全て電子的に制御している。した
がって、従来の機構部を有する計測装置に比較し、機構
部の精度等に起因する計測誤差がなく、臨界角を精度よ
く計測できるとともに、短時間で効率の良い計測が可能
となり、さらに探触子部分が小型化できるため、機器の
設置現場においても計測することが可能となる。
【図1】本発明装置において用いられる超音波探触子の
取り付け状態を例示する縦断面。
取り付け状態を例示する縦断面。
【図2】本発明装置の実施例の回路構成を示すブロック
図。
図。
【図3】本発明装置において用いられる遅延加算器の機
能を説明するブロック図。
能を説明するブロック図。
【図4】被検査物へ入射する超音波入射角と、表面波の
関係の説明図。
関係の説明図。
【図5】被検査物へ入射する超音波入射角と、反射波の
強度の関係の説明図。
強度の関係の説明図。
【図6】平行な2面を有する試験片の超音波音速を計測
する従来の手法の説明図。
する従来の手法の説明図。
【図7】従来の斜角探傷技術において、入射角の変化に
ともなって発生する波の種類を説明する説明図。
ともなって発生する波の種類を説明する説明図。
【図8】従来の機構部を用いた臨界角測定法の説明図。
1………試験片 2………送信用超音波振動子 3………受信用超音波振動子 51 ,52 …支持棒 7………開き角設定用スペーサ 11………被検査物Mの被検査面 121 〜12n …送信用矩形振動子 131 〜13n …受信用矩形振動子 14………バッキング材 15………探触子ケ−ス 161 〜16n …送信用リ−ド線 171 〜17s …受信用リ−ド線 18………供給口。
Claims (1)
- 【請求項1】 多数の矩形超音波振動子を平面上に一列
に並べ、被検査物の被検査面に対向して配置される送信
用超音波振動子群と、多数の矩形超音波振動子を平面上
に一列に並べ、かつ前記送信用振動子群の各振動子の配
列方向の延長上に設置し、被検査物表面から反射した超
音波を検出する受信用超音波振動子群と、前記送信用振
動子群から放射される超音波を伝達し、被検査物表面に
入射させるとともに、被検査物表面から反射した超音波
を前記受信用超音波振動子群に伝達する伝播媒体と、前
記送信用超音波振動子群の矩形超音波振動子それぞれに
高電圧パルスを印加して超音波を励振する多チャンネル
パルサ−と、前記受信用超音波振動子群の中の個々の超
音波振動子で検出された超音波信号を受信・増幅する多
チャンネルレシ−バと、前記送信用超音波振動子群の各
超音波振動子に印加する高電圧パルスの印加タイミング
を変化させる遅延時間制御器と、前記多チャンネルレシ
−バにより受信・増幅された個々の受信用振動子からの
波形をデジタルデ−タに変換する多チャンネルA/D変
換器と、A/D変換された多数のデジタル波形デ−タの
中から使用されるチャンネルの波形を選択し、僅かずつ
時間をずらせて加算処理し、合成反射波に纏める遅延加
算器と、この合成反射波の波形デ−タを記録するととも
に、装置全体の動作を制御するコンピュ−タとから成る
ことを特徴とする超音波音速計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5317167A JPH07174741A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 超音波音速計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5317167A JPH07174741A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 超音波音速計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07174741A true JPH07174741A (ja) | 1995-07-14 |
Family
ID=18085211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5317167A Pending JPH07174741A (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | 超音波音速計測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07174741A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007531549A (ja) * | 2003-07-15 | 2007-11-08 | ザ・ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | 超音波の臨界角反射測定法を使用する、迅速で正確な骨質の検出 |
CN109540055A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-03-29 | 河海大学常州校区 | 一种利用二阶应力突变角检测金属粘结界面形变的方法 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP5317167A patent/JPH07174741A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007531549A (ja) * | 2003-07-15 | 2007-11-08 | ザ・ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム | 超音波の臨界角反射測定法を使用する、迅速で正確な骨質の検出 |
CN109540055A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-03-29 | 河海大学常州校区 | 一种利用二阶应力突变角检测金属粘结界面形变的方法 |
CN109540055B (zh) * | 2019-01-22 | 2020-09-29 | 河海大学常州校区 | 一种利用二阶应力突变角检测金属粘结界面形变的方法 |
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