JP3635453B2 - 超音波横波斜角探傷方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、広く非破壊検査技術に関し、特に、横波による斜角探傷を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋梁や造船、パイプラインなどの溶接部のきずを検査する手段として超音波を使用した斜角探傷法、とくに、超音波の横波を使用する探傷法が広く用いられている。
【0003】
図5は横波斜角探傷における応力伝達を示す図である。
超音波の斜角探傷では、縦波、横波に関わらず、図5に示すように、超音波の振動子を所定の角度を設けたくさびに取り付け、くさびを介して超音波を斜めに送受信し探傷を行っている。さらに、横波による斜角探傷では、通常、くさびと検査対象物の境界面でのモード変換を利用し、横波のみを検査対象物に入射することにより探傷を行っている。
またアレイ探触子を用いた横波による斜角探傷では、例えば特開昭61−253458号公報等に示されているように、アレイ探触子を探傷接触面に対し傾きを有したくさびに取り付け、横波を斜めに入射し、探傷を行う方法が使われている。
【0004】
図7は従来のアレイ探触子を用いた横波斜角探傷の説明図である。
図7において、1は超音波の送受波用の振動子であり、くさび2の傾斜面に複数個が所定間隔でアレイ状に配設される。3はダンパー材、6は複数の各振動子毎にそれぞれ送信時及び受信時の遅延時間が制御される複数の遅延時間可変素子を含む遅延時間制御装置、5は複数の各振動子毎にそれぞれ遅延時間可変素子を介して、送信パルスを供給すると共に、受信信号を入力して増幅する超音波パルサ・レシーバ群である。11はくさび2と検査対象物13との境界面でモード変換された入射横波である。
【0005】
図7のように構成された装置を用いて、遅延時間制御装置6内の各遅延時間可変素子毎の遅延時間をそれぞれ制御することにより検査対象物13に対して超音波ビームを所定の斜め方向に送受信して探傷を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来技術においても、横波を用いた斜角探傷では、くさびを用いて斜め方向に超音波を送受信する方法が行われている。しかしながら、この方法では、くさび内透過距離が長くなることによるくさび内の減衰、各振動子から発せられる超音波の透過距離の差により生じる減衰差、探触子の接触面の摩耗によるくさび角度の変化による屈折角の変化、くさび内での超音波の反射による不要エコーが発生するなど、くさびを使用することによる問題が発生している。
また、くさび材料と被検体材料の特性インピーダンスの差異による反射によって、送波及び受波の感度が著しく低下した。
また、多数の素子を配列したアレイ探触子でくさびを用いた場合、斜角探触子が大きくなってしまうという問題点もある。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するためになされたもので、くさびを使用しない横波斜角探傷を可能として、くさびの利用に基づく超音波の減衰等の種々の問題点がなく、簡単な構成で検出精度が高く、しかも小型でコンパクトな装置を構成できる超音波探傷方法及び装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、複数の各垂直縦波振動子をその配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、この励振により被検体内に斜め方向に発生する超音波横波のビームを探傷に利用するものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、被検体の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように制御するものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、被検体内を伝搬する超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を、被検体表面にアレイ状に直接又は液体の接触媒質を介して配設した受波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とするものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように制御するものである。
【0009】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することにより、探傷のための超音波横波のビームを前記被検体内の斜め方向に発生し、被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とするものである。
【0010】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、送波用の複数の垂直縦波振動子と受波用の複数の垂直縦波振動子とをそれぞれアレイ状に配設し、送波用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することにより、探傷のための超音波横波のビームを前記被検体内の斜め方向に発生し、被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を受波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とするものである。
【0011】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷方法では、さらに、送受波兼用又は送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、被検体内の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように時間差を制御すると共に、送受波兼用又は受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように時間差を制御するものである。
【0012】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、アレイ状に配設された複数の垂直縦波振動子と、複数の各垂直縦波振動子をその配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを被検体内に斜め方向に発生する超音波送信手段とを備えたものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、被検体の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように制御する送信の時間差制御手段を備えたものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、被検体表面にアレイ状に直接又は液体の接触媒質を介して配設され、被検体内を伝搬する超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を受波する複数の各垂直縦波振動子と、各垂直縦波振動子の各受波出力を、その振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段とを備えたものである。
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、受波用の複数の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように制御する受信の時間差制御手段をを備えたものである。
【0013】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子と、送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを被検体内に斜め方向に発生させる超音波送信手段と、被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段とを備えたものである。
【0014】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、それぞれアレイ状に配設された送波用の複数の垂直縦波振動子及び受波用の複数の垂直縦波振動子と、送波用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを被検体内に斜め方向に発生させる超音波送信手段と、被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を送波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段とを備えたものである。
【0015】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、送受波兼用又は送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、被検体内の斜め方向に発生する超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように時間差を制御すると共に、送受波兼用又は受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように時間差を制御する送信及び受信の時間差制御手段をさらに有するものである。
【0016】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子を一体化して送受波兼用のアレイ探触子として構成したものである。
【0017】
また、本発明に係る超音波横波斜角探傷装置は、それぞれアレイ状に配設された送波用の複数の垂直縦波振動子及び受波用の複数の垂直縦波振動子を、送波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した送波用アレイ探触子及び受波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した受波用アレイ探触子として構成したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の垂直縦波振動子またはこれらを一体化したアレイ探触子を用いた横波による斜角探傷において、従来のくさびを使用しない新技術であるので、最初の本発明の概要と原理について説明する。
図5は従来のくさびを用いた場合に係る横波斜角探傷における応力伝達の説明図であり、図6は従来のくさびを用いた場合と本発明での振動子の配設位置の相違の説明図である。
【0019】
図5の下部拡大図に示すように、斜角探傷では、接触媒質を介して検査対象物に超音波を入射している。接触媒質は通常マシン油など液体であるため、せん断応力は伝達されず、探傷接触面に垂直な応力のみ検査対象物に伝達される。同様に、検査対象物内のきず等からの超音波の反射波も探傷接触面に垂直な応力のみがくさび中に伝達される。
従って図6のように複数の振動子を用いて斜角探傷をする場合のくさびは、複数の各振動子から発生され探傷接触面に伝達される垂直応力にそれぞれ少しずつ時間差を与える機能を果していることになる。従ってくさびを使用しなくとも、探傷接触面に与える垂直応力の時間差を、くさびを用いた場合の時間差と同じにすることにより横波斜角の探傷が可能となる。
【0020】
さらに複数の振動子からの各垂直応力により形成される超音波ビームは、指向性を有している。従ってくさびを使用しないで複数の振動子を同時に励振する際に、その配設位置の中心部を強く、両端部を弱く重み付けをして励振することにより超音波ビームに任意の指向性パターン(例えばサイドローブを低減させた形状等)を与えることができる。
【0021】
上記のように、斜角探傷時の探傷接触面に与える垂直応力の時間差と重み付けを制御することにより、くさびを用いることなく横波斜角探傷が可能となる。
またこの垂直応力の時間差と重み付けの制御は、超音波の送信側でのみに行うことも、送信側と受信側の両方について行うこともできる。さらにいずれの側においても、時間差と重み付けの制御は、必ずしも両方を必要とするものではなく、時間差の制御のみとすることもできる。
図6の本発明での振動子の配設例は、被検体表面に直接又は接触媒質を介して送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設した例を示している。
以下図6の本発明での振動子の配設例において、送信時の時間差と重み付けの制御方法及び受信時の時間差と重み付けの制御方法を説明する。
【0022】
図6の本発明での振動子の配設例において、送信側の制御としては、例えばアレイ状に配設された送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を励振するタイミングをそれぞれ制御し、その配設位置に応じた時間差を設けて順次励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振するようにする。
そしてこの複数の各振動子の励振 (通常は一定周期毎のバースト波等の繰返し励振)ことにより生ずる垂直応力により、被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射せしめる。
【0023】
また図6の本発明での振動子の配設例において、受信側の制御としては、例えば、前記被検体内から反射される超音波横波に基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の受信器での信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とするようにする。
そして送信側に2通の制御法があり、受信側にも2通りの制御法があるので、送信側と受信側の両方で制御を行う場合には、4通りの制御法があることになる。
【0024】
実施形態1
実施形態1では、送受波兼用の複数の垂直縦波振動子を用い、送信側と受信側の両方で時間差及び重み付け制御を行う例を示している。
図1は本発明の実施形態1に係る超音波探傷装置の構成図である。
図1において、10は複数n個の送受波兼用の垂直縦波振動子で、検査対象物13の表面に直接又は接触媒質を介して所定間隔でアレイ状に配設される。6T,6Rは送信用、受信用の遅延時間制御装置であり、それぞれ各振動子毎に送信時、受信時の各遅延時間がそれぞれ外部から制御されるn個の遅延時間可変素子を含んでいる。なお図1の例においては、各遅延時間可変素子は、各振動子#1,#2,#3,…#nの配設位置に応じ、各遅延時間t1 ,t2 ,t3 …tn は順次減少し且つ所定の時間差が生じるように制御装置9によって制御される。従って各遅延時間の時間差Δt=t1 −t2 =t2 −t3 =…は一定である。
【0025】
図1の7は送信電力重み付けパルサ群であり、各振動子を励振する際に、その配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振するn個のパルサを含んでいる。例えば送信電力が、振動子#1と#nの間の中心部では最大となり、#1及び#nの両端部では最小となるような分布とする。
8は受信増幅率重み付けはレシーバ群であり、各振動子が受波した受信信号を増幅する際に、その配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けて増幅するn個のレシーバを含んでいる。例えば送信電力の分布と同一の分布となるようにしてもよい。なお、それぞれ重み付けして増幅されたn個の出力は合成され、この合成信号が受信出力となる。
【0026】
9は制御装置であり、送信用、受信用遅延時間制御装置6T,6R内のn個の遅延時間可変素子の各遅延時間、送信電力重み付けパルサ群7の送信タイミング及び送信電力重み付け、及び受信増幅率重み付けレシーバ群の受信タイミング及び受信増幅率重み付け等の制御を行う。11は入射横波、12は反射横波、13は検査対象物、15はデータ処理装置、16はパソコンであり、制御装置9及びデータ処理装置15を制御する。17は検査対象物13内のきずである。
【0027】
図1の複数の各垂直縦波振動子10に、図6のくさびを用いた場合と同様の遅延時間を与えるとすると、この遅延時間は以下のように求められる。
図6のくさびを用いた横波斜角の場合、屈折の法則(スネルの法則)により次式(1)が成り立つ。
【0028】
【数1】
【0029】
ここでθ:横波屈折角
α:縦波入射角(=くさび角度)
CS2:検査対象物中の横波音速
CL1:くさび中の縦波音速である。
【0030】
図6に示すように、複数の各垂直縦波振動子にそれぞれ#1,#2,…#nの番号をつけ、図に示した斜め方向に超音波横波を発生させようとした場合、#iの振動子に与える遅延時間ti は、探傷接触面上での#iの振動子の位置までのくさび内透過距離差(n−i)・P・sinαをくさび中の音速CL2で除した値に対応するため、次式(2)で表される。
【0031】
【数2】
【0032】
ここでP:振動子の配列ピッチ
n:振動子の総数である。
式(1),(2)より、屈折角の横波を発生させるために#iの振動子に与える遅延時間ti は次式(3)となる。
【0033】
【数3】
【0034】
送信用遅延時間制御装置6Tは、送信電力重み付けパルサ群7からの各パルサ出力に対して、式(3)で算出される各振動子毎の遅延時間を与えるように制御装置9により制御され、同様に受信用遅延時間制御装置6Rは、各振動子が受波した複数の各受信信号に対して式(3)で算出される各振動子毎の遅延時間を与えるように制御装置9によって制御される。
その結果、くさびを用いることなく、検査対象物13内の所定の斜め方向での横波斜角探傷が可能となる。
【0035】
なお制御装置9は、送信用、受信用遅延時間制御装置6T,6R内の各遅延時間可変素子の遅延時間を制御して、超音波横波の入射角と反射角を所望の角度方向とするように制御できるので、例えば超音波の送受信毎にこの角度方向を少しずつ変更して所定のセクタ範囲を走査するセクタスキャンによる探傷を行うこともできる。
【0036】
さらに図1においては、送信電力重み付けパルサ群7が、n個の振動子の配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるように重み付けした各送信信号を送信用遅延時間制御装置6Tを介して各振動子に供給して励振を行い、また各振動子が反射波をそれぞれ受波し、受信用遅延時間制御装置6Rを介して供給した各受信信号を、受信増幅率重み付けレシーバ群8が、n個の振動子の配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるように重み付けをして増幅し、この増幅後の各出力を合成し、この合成信号を受信器出力信号としているので、前記超音波の入射角、反射角の制御のほかに、超音波の送波ビーム、受波ビームを所望のビームとして形成できるように制御することができる。
【0037】
なお、上記各制御に必要とする制御パラメータの入力は、制御装置9自体に入力するか、もしくは制御装置9に接続したパソコン16によってパラメータの転送を行うことができる。
【0038】
実施形態2
実施形態2では、送波用の複数の垂直縦波振動子と受波用の複数の垂直縦波振動子を用い、送信側と受信側の両方で時間差及び重み付け制御を行う例を示している。
図2は本発明の実施形態2に係る超音波探傷装置の構成図である。
図2の構成では、図1の送受波兼用の複数n個の垂直縦波振動子10の代わりに、複数n個の送波用垂直縦波振動子10Tと、複数n個の受波用垂直縦波振動子10Rを用いる点が異っているが、その他の構成は図1と同一である。
【0039】
これはきず17の形状により、反射横波の大部分が入射横波とは異なる別の方向に反射される場合に有効な探傷方法である。
図2において、入射横波の角度方向と反射横波を受波する方向とが異なっているため、送信用遅延時間制御装置6Tと受信用遅延時間制御装置6R内における各遅延時間可変素子の遅延時間の制御はそれぞれ異なるものとなる。
即ち送信側の各遅延時間は、検査対象物13内に入射する超音波横波の入射角が所望の角度方向となるように制御され、受信側の各遅延時間は、検査対象物13内の所望の探傷方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように制御される。
【0040】
実施形態3
実施形態3では、複数の垂直縦波振動子を一体化したアレイ探触子を用いる例を示している。
図3は本発明の実施形態3に係るアレイ探触子の説明図である。
図3の(a)は図1の送受波兼用の複数の垂直縦波振動子を一体化した送受波兼用のアレイ探触子4の例を示している。
【0041】
また図3の(b)は、(a)の場合のアレイ探触子の表面を保護するため、傾きを有しないプローブ探傷面保護用シュー14をアレイ探触子4に取り付けた場合を示している。
図3の(b)で使用するシュー14は、傾きを有しないため各振動子毎のシュー14内の遅延時間は均一であり、実施形態1の場合と同様の動作を行う。
【0042】
なお、図2に示した送波用の複数の垂直縦波振動子10Tと受波用の複数の垂直縦波振動子10Rをアレイ探傷子に構成する場合には、送波用の複数の垂直縦波振動子10Tのみを一体化した送波用アレイ探触子と、受波用の複数の垂直縦波振動子10Rのみを一体化した受波用アレイ探触子として構成するのが一般的である。
【0043】
図4は図1の超音波探傷装置による探傷結果例を示す図である。
図4は、図1の装置において、振動子の個数が16、振動子の配列ピッチが0.5mmのアレイ探触子を用い、板厚60mmの試験片に加工した深さ12mm、φ2mmのドリル穴を探傷角度45゜となるよう時間差を設定し、さらに、駆動振動子群の中心部が大きくなるような応力分布を与えて探傷した場合のAスコープ波形の例を示している。図4の横軸は、横波のビーム路程で示してある。
なお、各振動子に与える遅延時間は、式(3)により算出した。図4により十分な感度でドリル穴を検出していることがわかる。
【0044】
このように本実施形態により、くさびを使用しなくとも、横波斜角探傷が可能となり、くさび内の信号の減衰差に代表されるような、くさびを用いることによる超音波探傷上の問題を取り除くことができる。
また、くさびを用いることがないため、斜角プローブの大きさ、特に、プローブの高さを小さくすることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記複数の各垂直縦波振動子をその配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、この励振により前記被検体内に斜め方向に発生する超音波横波のビームを探傷に利用するようにしたので、くさびを使用しないで横波斜角入射が可能となり、従来のくさび内における超音波の透過距離差により生ずる減衰差に代表される問題を除去できる。
またくさび材料と被検体材料の特性インピーダンスの差異による反射をさけられるので、送波及び受波の感度が著しく向上できる。
【0046】
また本発明によれば、被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することにより、探傷のための超音波横波のビームを前記被検体内の斜め方向に発生し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とするようにしたので、くさびを使用しないで横波斜角探傷が可能となり、従来のくさび内における超音波の透過距離の差により生ずる減衰差、振動子の接触面の摩耗によるくさび角度の変化による屈折角の変化、くさび内での超音波の反射による不要エコーの発生等の諸問題を除去できる。
【0047】
また本発明によれば、被検体表面に直接又は接触媒質を介して送波用の複数の垂直縦波振動子と受波用の複数の垂直縦波振動子とをそれぞれアレイ状に配設し、前記送波用の複数の各垂直縦波振動子を用いた前記横波斜角入射と受波用の複数の各垂直縦波振動子を用いた任意の横波反射方向おける前記受信処理を行うようにしたので、送受波兼用の複数の垂直縦波振動子の場合では検出できないような形状のきずをも探傷することが可能となる。
【0048】
また本発明によれば前記送受波兼用又は送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の斜めの方向に発生させて入射する超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように前記時間差を制御すると共に、前記送受波兼用又は受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように前記時間差を制御するようにしたので、超音波の探傷方向を変更したり、任意のセクタ範囲でのセクタスキャンによる探傷が可能となる。
【0049】
また本発明によれば、前記アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子を一体化した送受波兼用のアレイ探触子を構成し、また送波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した送波用アレイ探触子及び受波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した受波用アレイ探触子を構成するようにしたので、くさびを用いないで構成したアレイ探触子の高さ寸法を従来より小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る超音波探傷装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る超音波探傷装置の構成図である。
【図3】本発明の実施形態3に係るアレイ探触子の説明図である。
【図4】図1の超音波探傷装置による探傷結果例を示す図である。
【図5】 従来のくさびを用いた場合に係る横波斜角探傷における応力伝達の説明図である。
【図6】従来のくさびを用いた場合と本発明での振動子の配設位置の相違の説明図である。
【図7】従来のアレイ探触子を用いた横波斜角探傷の説明図である。
【符号の説明】
1 振動子
2 くさび
3 ダンパー材
4 アレイ探触子
5 超音波パルサ・レシーバ群
6 遅延時間制御装置
6T 送信用遅延時間制御装置
6R 受信用遅延時間制御装置
7 送信電力重み付けパルサ群
8 受信増幅率重み付けレシーバ群
9 制御装置
10 垂直縦波振動子
10T 送波用垂直縦波振動子
10R 受波用垂直縦波振動子
11 入射横波
12 反射横波
13 検査対象物
15 データ処理装置
16 パソコン
17 きず
Claims (16)
- 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記複数の各垂直縦波振動子をその配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、この励振により前記被検体内に斜め方向に発生する超音波横波のビームを探傷に利用することを特徴とする超音波横波斜角探傷方法。
- 被検体内を伝搬する超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を、被検体表面にアレイ状に直接又は液体の接触媒質を介して配設した受波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とすることを特徴とする超音波横波斜角探傷方法。
- 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することにより、探傷のための超音波横波のビームを前記被検体内の斜め方向に発生し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とすることを特徴とする超音波横波斜角探傷方法。
- 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、送波用の複数の垂直縦波振動子と受波用の複数の垂直縦波振動子とをそれぞれアレイ状に配設し、前記送波用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することにより、探傷のための超音波横波のビームを前記被検体内の斜め方向に発生し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を前記受波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とすることを特徴とする超音波横波斜角探傷方法。
- 前記送受波兼用又は送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように前記時間差を制御すると共に、前記送受波兼用又は受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように前記時間差を制御することを特徴とする請求項3又は4記載の超音波横波斜角探傷方法。
- 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、アレイ状に配設された複数の垂直縦波振動子と、
前記複数の各垂直縦波振動子をその配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを前記被検体内に斜め方向に発生する超音波送信手段とを備えたことを特徴とする超音波 横波斜角探傷装置。 - 被検体表面にアレイ状に直接又は液体の接触媒質を介して配設され、前記被検体内を伝搬する超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を受波する複数の各垂直縦波振動子と、
該各垂直縦波振動子の各受波出力を、その振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段と
を備えたことを特徴とする超音波横波斜角探傷装置。 - 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子と、
前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを前記被検体内に斜め方向に発生させる超音波送信手段と、
前記被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段とを備えたことを特徴とする超音波横波斜角探傷装置。 - 被検体表面に直接又は液体の接触媒質を介して、それぞれアレイ状に配設された送波用の複数の垂直縦波振動子及び受波用の複数の垂直縦波振動子と、
前記送波用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励振し、探傷に利用するための超音波横波のビームを前記被検体内に斜め方向に発生させる超音波送信手段と、
前記被検体内から反射される超音波横波に基づいて被検体表面に発生する垂直応力成分を前記送波用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波受信手段とを備えたことを特徴とする超音波横波斜角探傷装置。 - 前記送受波兼用又は送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の斜め方向に発生する超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように前記時間差を制御すると共に、前記送受波兼用又は受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差は、前記被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように前記時間差を制御する送信及び受信の時間差制御手段を有することを特徴とする請求項8又は9記載の超音波横波斜角探傷装置。
- 前記アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子を一体化して送受波兼用のアレイ探触子として構成したことを特徴とする請求項8記載の超音波横波斜角探傷装置。
- 前記それぞれアレイ状に配設された送波用の複数の垂直縦波振動子及び受波用の複数の垂直縦波振動子を、送波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した送波用アレイ探触子及び受波用の複数の垂直縦波振動子のみを一体化した受波用アレイ探触子として構成したことを特徴とする請求項9記載の超音波横波斜角探傷装置。
- 前記送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、前記被検体の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように制御することを特徴とする請求項1記載の超音 波横波斜角探傷方法。
- 前記受波用の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、前記被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように制御することを特徴とする請求項2記載の超音波横波斜角探傷方法。
- 前記送波用の複数の各垂直縦波振動子を励振する際の各励振振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、前記被検体の斜めの方向に発生させる超音波横波のビーム方位を所望の角度方向とするように制御する送信の時間差制御手段を有することを特徴とする請求項6記載の超音波横波斜角探傷装置。
- 前記受波用の複数の複数の各垂直縦波振動子により受波する際の各受波振動子の配設位置に応じて設ける時間差を、前記被検体内の所望の探傷角度方向から反射される超音波横波に基づく受波合成出力が最大となるように制御する受信の時間差制御手段を有することを特徴とする請求項7記載の超音波横波斜角探傷装置。
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