JP2001255308A - 超音波探傷方法及びその装置 - Google Patents

超音波探傷方法及びその装置

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JP2001255308A
JP2001255308A JP2000063611A JP2000063611A JP2001255308A JP 2001255308 A JP2001255308 A JP 2001255308A JP 2000063611 A JP2000063611 A JP 2000063611A JP 2000063611 A JP2000063611 A JP 2000063611A JP 2001255308 A JP2001255308 A JP 2001255308A
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wave
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ultrasonic
waves
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Hajime Hatano
甫 羽田野
Tetsuya Amano
哲也 天野
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JFE Engineering Corp
Hatano Hajime
Original Assignee
Hatano Hajime
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 くさびを使用しないで横波斜角探傷を可能と
する超音波探傷方式において縦波によるノイズを低減で
きる方法及びその装置。 【解決手段】 検査対象物13の表面にアレイ状に配設
された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子10の送受信
タイミング(6T,6R)と送受信強度(7,8)を制
御することにより、探傷接触面に与える垂直応力の時間
差と強度を制御し、くさびを用いないで横波斜角探傷を
可能とする方式において、検査対象物13内から反射さ
れる超音波縦波に基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦
波振動子10により受波することにより得られる出力の
合成波が極小となるように、各振動素子の配設間隔を設
定すると共に、各振動子素子間の送信時間差(6T)と
受信時間差(6R)のいずれか一方の時間差または両方
の時間差を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、広く非破壊検査
技術に関し、特に、横波による斜角探傷を行う方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】橋梁や造船、パイプラインなどの溶接部
に内在しているきずを検査する手段として超音波を使用
した斜角探傷法、とくに、超音波の横波を使用する探傷
法が広く用いられている。
【0003】超音波の斜角探傷では、縦波、横波に関わ
らず、超音波の振動子を所定の角度を設けたくさびに取
り付け、くさびを介して超音波を斜めに送受信し探傷を
行っている。さらに、横波による斜角探傷では、通常、
くさびと検査対象物の境界面でのモード変換を利用し、
横波のみを検査対象物に入射することにより探傷を行っ
ている。またアレイ探触子を用いた横波による斜角探傷
では、例えば特開昭61−253458号公報等に示さ
れているように、アレイ探触子を探傷接触面に対し傾き
を有したくさびに取り付け、横波を斜めに入射し、探傷
を行う方法が使われている。
【0004】図6は従来のアレイ探触子を用いた横波斜
角探傷の説明図である。図6において、1は超音波の送
受波用の振動子であり、くさび2の傾斜面に複数個が所
定間隔でアレイ状に配設される。3はダンパー材、6は
複数の各振動子毎にそれぞれ送信時及び受信時の遅延時
間が制御される複数の遅延時間可変素子を含む遅延時間
制御装置、5は複数の各振動子毎にそれぞれ遅延時間可
変素子を介して、送信パルスを供給すると共に、受信信
号を入力して増幅する超音波パルサ・レシーバ群であ
る。11はくさび2と検査対象物13との境界面でモー
ド変換された入射横波である。
【0005】図6のように構成された装置を用いて、遅
延時間制御装置6内の各遅延時間可変素子毎の遅延時間
をそれぞれ制御することにより検査対象物13に対して
超音波ビームを所定の斜め方向に送受信して探傷を行う
ことができる。
【0006】上記のようにアレイ探触子を用いた横波に
よる斜角探傷では、くさびを用いて斜め方向に超音波を
送受信する方法が行われている。しかしながら、この方
法では、くさび内透過距離が長くなることによるくさび
内での超音波の減衰、各振動子から発せられる超音波の
透過距離の差により生じる減衰差、探触子の接触面の摩
耗によるくさび角度の変化による屈折角の変化、くさび
内での超音波の反射による不要エコーが発生するなど、
くさびを使用することによる問題が発生している。ま
た、多数の素子を配列したアレイ探触子でくさびを用い
た場合、斜角探触子が大きくなってしまうという問題点
もある。
【0007】上記のような問題点を解決するために、現
在までに、探傷接触面に与える垂直応力の時間差とその
分布を制御することによって、くさびを用いることなく
横波斜角探傷を行う発明がなされている。この発明は、
複数の垂直縦波振動子を用いて、各振動素子を駆動する
タイミング、強度を制御することにより、探傷接触面に
与える垂直応力の時間差と強度を制御し、くさびを用い
ることなく横波斜角探傷を可能とするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような複数の垂直縦波振動子を用いて、横波斜角探傷を
可能とする発明においては、各振動子素子から垂直方向
に放射される縦波により不要なエコーが生じるという問
題がある。図3は縦波による不要エコー発生の一例を示
す図である。図3では、#1〜#nの各振動子素子から
垂直方向に放射される縦波が被検体底面で反射する場合
の概略を示している。特に、図の(a)のような平坦な
底面では、底面エコーは大きく検出されるため、きずエ
コーの判別が困難となってしまう。このように複数の垂
直縦波振動子を用いて、横波斜角探傷を可能とする発明
においては、振動子より発生する縦波、特に、振動子か
ら垂直方向に発せられ縦波により生じる不要エコーの影
響を低減させる必要がある。本発明は、上記の問題点を
解決するためになされたもので、くさびを使用しない横
波斜角探傷を行う技術において、ノイズ成分となる縦波
により生じるエコーを低減させ、より確実にきずを検出
する技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
超音波探傷方法は、被検体表面に直接又は接触媒質を介
して送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配
設し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、そ
の配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または
前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置
内の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ
重み付けして励振することにより生ずる垂直応力によ
り、前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて
入射し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づ
く垂直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子
によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受
波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成する
か、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つそ
の配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるよ
うにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られる
各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波
探傷方法において、前記被検体内から反射される超音波
縦波に基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦波振動子に
より受波することにより得られる出力の合成波が極小と
なるように、各振動子素子間の送信時間差と受信時間差
のいずれか一方の時間差または両方の時間差を制御する
ものである。
【0010】本発明の請求項2に係る超音波探傷方法
は、被検体表面に直接又は接触媒質を介して送受波兼用
の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記送受
波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応
じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に
応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の
分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励
振することにより生ずる垂直応力により、前記被検体内
の斜め方向に超音波横波を発生させて入射し、前記被検
体内から反射される超音波横波に基づく垂直応力を前記
送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受
波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位
置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設
位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号
増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付
けして増幅することにより得られる各出力を合成し、こ
の合成信号を受信出力とする超音波探傷方法において、
所望の横波入射方向に対して、前記被検体内から反射さ
れる超音波縦波に基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦
波振動子により受波することにより得られる出力の合成
波が極小となるように、前記複数の各垂直縦波振動子の
配設間隔を設定して探傷を行うものである。
【0011】本発明の請求項3に係る超音波探傷方法
は、被検体表面に直接又は接触媒質を介して送受波兼用
の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設し、前記送受
波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応
じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置に
応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力の
分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして励
振することにより生ずる垂直応力により、前記被検体内
の斜め方向に超音波横波を発生させて入射し、前記被検
体内から反射される超音波横波に基づく垂直応力を前記
送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受
波し、これらの各受波出力を、その受波振動子の配設位
置に応じた時間差を設けて合成するか、または前記配設
位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の信号
増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付
けして増幅することにより得られる各出力を合成し、こ
の合成信号を受信出力とする超音波探傷方法において、
前記被検体内から反射される超音波縦波について、隣り
合う各振動子素子間での励振における時間差もしくは受
波出力の合成における時間差のいずれか一方の時間差ま
たは両方の時間差が、受波された縦波波形の中心周波数
における周期Tの1/2の奇数倍またはほぼ奇数倍とな
るように、前記複数の各垂直縦波振動子の配設間隔を設
定すると共に、各垂直縦波振動子間の送信時間差と受信
時間差のいずれか一方の時間差または両方の時間差を制
御して探傷を行うものである。
【0012】本発明の請求項4に係る超音波探傷装置
は、被検体表面に直接又は接触媒質を介してアレイ状に
配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子と、該送
受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に
応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置
に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力
の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして
励振することにより生ずる垂直応力により、前記被検体
内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射する超音波
送信手段と、前記被検体内から反射される超音波横波に
基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振
動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、そ
の受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成す
るか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つ
その配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となる
ようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られ
る各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音
波受信手段とを備えた超音波探傷装置において、前記被
検体内から反射される超音波縦波に基づく垂直応力を前
記複数の各垂直縦波振動子により受波することにより得
られる出力の合成波が極小となるように、各振動子素子
間の送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時間差ま
たは両方の時間差を制御する送信及び受信の時間差制御
手段を有するものである。
【0013】本発明の請求項5に係る超音波探傷装置
は、被検体表面に直接又は接触媒質を介してアレイ状に
配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子と、該送
受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に
応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置
に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力
の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして
励振することにより生ずる垂直応力により、前記被検体
内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射する超音波
送信手段と、前記被検体内から反射される超音波横波に
基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振
動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、そ
の受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成す
るか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つ
その配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となる
ようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られ
る各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音
波受信手段とを備えた超音波探傷装置において、前記送
受波兼用の複数の垂直縦波振動子は、所望の横波入射方
向に対して、前記被検体内から反射される超音波縦波に
基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦波振動子により受
波することにより得られる出力の合成波が極小となるよ
うに、各振動子の配設間隔を設定してアレイ状に構成し
たものである。
【0014】本発明の請求項6に係る超音波探傷装置
は、被検体表面に直接又は接触媒質を介してアレイ状に
配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動子と、該送
受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その配設位置に
応じた時間差を設けて励振するか、または前記配設位置
に応じた時間差を設けて且つその配設位置内の送信電力
の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして
励振することにより生ずる垂直応力により、前記被検体
内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射する超音波
送信手段と、前記被検体内から反射される超音波横波に
基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振
動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、そ
の受波振動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成す
るか、または前記配設位置に応じた時間差を設けて且つ
その配設位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となる
ようにそれぞれ重み付けして増幅することにより得られ
る各出力を合成し、この合成信号を受信出力とする超音
波受信手段とを備えた超音波探傷装置において、前記被
検体内から反射される超音波縦波について、隣り合う各
振動子素子間での励振における時間差もしくは受波出力
の合成における時間差のいずれか一方の時間差または両
方の時間差が、受波された縦波波形の中心周波数におけ
る周期Tの1/2の奇数倍またはほぼ奇数倍となるよう
に、前記複数の各垂直縦波振動子の配設間隔を設定して
アレイ状に構成すると共に、各垂直縦波振動子素子間の
送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時間差または
両方の時間差を制御する送信及び受信の時間差制御手段
を有するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施形態1 実施形態1では、複数の各振動子素子間の送信時と受信
時の遅延時間差を制御することによりノイズ成分となる
縦波により生じるエコーを低減させる例を示している。
図1は本発明の各実施形態に係る超音波探傷装置の構成
例1を示す図である。図1において、10は複数n個の
送受波兼用の垂直縦波振動子で、検査対象物13の表面
に直接又は接触媒質を介して所定間隔でアレイ状に配設
される。6T,6Rは送信用、受信用の遅延時間制御装
置であり、それぞれ各振動子毎に送信時、受信時の各遅
延時間がそれぞれ外部から制御されるn個の遅延時間可
変素子を含んでいる。なお図1の例においては、各遅延
時間可変素子は、各振動子#1,#2,#3,…#nの
配設位置に応じ、各遅延時間t1 ,t2 ,t3 …tn
順次減少し且つ所定の時間差が生じるように制御装置9
によって制御される。従って各遅延時間の時間差Δt=
1 −t2 =t2 −t3 =…は一定である。
【0016】図1の7は送信電力重み付けパルサ群であ
り、各振動子を励振する際に、その配設位置内の送信電
力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けし
て励振するn個のパルサを含んでいる。例えば送信電力
が、振動子#1と#nの間の中心部では最大となり、#
1及び#nの両端部では最小となるような分布とする。
8は受信増幅率重み付けはレシーバ群であり、各振動子
が受波した受信信号を増幅する際に、その配設位置内の
信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
み付けて増幅するn個のレシーバを含んでいる。例えば
送信電力の分布と同一の分布となるようにしてもよい。
なお、それぞれ重み付けして増幅されたn個の出力は合
成され、この合成信号が受信出力となる。
【0017】9は制御装置であり、送信用、受信用遅延
時間制御装置6T,6R内のn個の遅延時間可変素子の
各遅延時間、送信電力重み付けパルサ群7の送信タイミ
ング及び送信電力重み付け、及び受信増幅率重み付けレ
シーバ群8の受信タイミング及び受信増幅率重み付け等
の制御を行う。11は入射横波、12は反射横波、13
は検査対象物、15はデータ処理装置、16はパソコン
であり、制御装置9及びデータ処理装置15を制御す
る。17は検査対象物13内のきずである。
【0018】いま、送信用、受信用遅延時間制御装置6
T,6R内の各遅延時間の時間差Δtで斜め方向に横波
を入射したとすると、斜め方向に入射した横波のきずか
らの反射波と、垂直縦波振動子から垂直方向に入射した
縦波の検査対象物裏面からの反射波のそれぞれの合成波
が出力として得られる。このとき、各遅延時間の時間差
Δtを変化させ、縦波の合成波が最小となるように、す
なわち、ノイズとなる縦波受波波形の合成時に、各振動
素子の受波波形が互いに打ち消しあうような条件となる
よう送信用、受信用遅延時間制御装置6T,6R内の各
遅延時間を設定する。その結果、縦波によるノイズを低
減させ、より確実にきずを検出することができる。
【0019】実施形態2 実施形態2では、ノイズ成分となる縦波により生じるエ
コーの低減を目的として、縦波の受信合成波が極小とな
るように、検査対象物内で発生させる横波の方向と、垂
直縦波振動子から垂直方向に発生する縦波の検査対象物
内での周期から、垂直縦波振動子の素子配列ピッチを決
定するものである。いま、図3に示すように、i番目と
i+1番目の垂直縦波振動子の素子間隔をPi 、横波入
射方向をθ、垂直縦波振動子から垂直方向に発生する縦
波の中心周波数における周期をTとする。また、同時に
駆動する素子数をnとし、複数の各垂直縦波振動子にそ
れぞれ#1,#2,…#nの番号をつけ、角度θ方向に
超音波横波を発生させようとした場合、#iと#i+1
の振動素子間の遅延時間差Δti は、次式(1)で表さ
れる。
【0020】
【数1】
【0021】したがって、#iと#i+1振動素子間の
間隔Pi は次式(2)となる。
【0022】
【数2】
【0023】そこで、各振動素子に与える遅延時間ti
を縦波の合成波が最小となるような条件、すなわち、ノ
イズとなる縦波受波波形の合成時に各振動素子で受波波
形が互いに打ち消しあうような条件となるよう選択し、
上記式(2)により配列ピッチを決定する。その結果、
縦波によるノイズを低減させることができる。
【0024】実施形態3 実施形態3では、被検体内から反射される超音波縦波に
ついて、隣り合う各振動子素子間での励振における時間
差もしくは受波出力の合成における時間差のいずれか一
方の時間差または両方の時間差が、受波された縦波波形
の中心周波数における周期Tの1/2の奇数倍またはほ
ぼ奇数倍となるように、複数の各垂直縦波振動子の配設
間隔を設定すると共に、各垂直縦波振動子素子間の送信
時間差と受信時間差のいずれか一方の時間差または両方
の時間差を制御して探傷を行う例を示す。
【0025】まず図3の(a)に示すように、検査対象
物の厚さが一定の場合を考える。垂直縦波振動子から垂
直方向に発生する縦波は、図3の(a)においては、検
査対象物底面で反射した後、各振動素子で受信され、横
波と同様に各振動素子の遅延時間に応じて遅延が与えら
れた後、合成される。この縦波合成時の隣り合う振動素
子間の遅延時間差Δtが受信縦波中心周波数における周
期の1/2の奇数倍のとき、各振動素子での受信波は合
成時に互いに打ち消し合うことになる。したがって、縦
波成分が極小となる条件は、次式(3)で表される。
【0026】
【数3】
【0027】前記式(2),(3)より、横波入射方向
角度、入射縦波超音波周期、検査対象物の音速から、振
動子配列ピッチを次式(4)で決定することにより、ノ
イズとなる縦波を除去することができる。ここでmは、
1,2,3,…の奇数である。
【0028】
【数4】
【0029】したがって、図3の(a)の場合、隣り合
う振動素子間の時間差を式(3)によるmT/2にする
か、もしくは振動素子配列ピッチを式(4)により決定
することにより、ノイズ成分となる縦波の影響を軽減す
ることができる。一方、検査対象物の厚さが一定となっ
ていない場合、底面エコーの到達時間差を考慮する必要
がある。そこで、検査対象物の形状パラメータをτi
して、隣り合う素子間の遅延時間差は次式(5)とな
る。ここでmは、1,2,3,…の奇数である。
【0030】
【数5】
【0031】したがって、振動素子配列ピッチを決定す
る一般式として次式(6)が得られる。ここでmは、
1,2,3,…の奇数である。
【0032】
【数6】
【0033】上記式(6)中のτi 決定方法の例を以下
に記す。図3の(b)に示すように、検査対象物がテー
パを有している場合、各縦波振動素子から底辺に垂直方
向に発生した縦波は、底面で反射して、各振動素子に受
信される。このとき、縦波振動素子配列ピッチをPi
テーパの傾きをαとすると、隣り合う振動素子間で受信
される底面エコーのビーム伝播距離差ΔWi は次式
(7)で表される。 ΔWi =2Pi sinα …(7) ここで、 ΔWi :隣り合う振動素子間での受信される底面エコー
のビーム伝播距離差 α:テーパ角度である。 したがって図1の実施形態のように、各振動素子間の遅
延時間差を送受信で同一とする場合には、各振動素子で
考慮すべき時間差τi は、ビーム伝播距離差の半分の距
離を検査対象物中の縦波音速で除したものに相当するか
ら次式(8)となる。
【0034】
【数7】
【0035】なお、上記の例はテーパ付き試験片につい
てのものであり、試験片の形状により、各振動素子で受
信されると予想される縦波のビーム路程差と検査対象物
音速により上記の例のように算出して、遅延時間差の項
に考慮すればよい。
【0036】また、実施形態1,2とも垂直縦波振動子
を複数配列したものとなっているが、図2に示すよう
に、複数の垂直縦波振動子を一体化したアレイ探触子を
用いることもできる。図2の(a)は図1の送受波兼用
の複数の垂直縦波振動子を一体化した送受波兼用のアレ
イ探触子4の例を示している。また図2の(b)は、
(a)の場合のアレイ探触子の表面を保護するため、傾
きを有しないプローブ探傷面保護用シュー14をアレイ
探触子4に取り付けた場合を示している。図2の(b)
で使用するシュー14は、傾きを有しないため各振動子
毎のシュー14内の遅延時間は均一であり、実施形態1
の場合と同様の動作を行う。
【0037】以下本発明を用いた実験結果を説明する。
図1に示す装置構成で、振動子素子数8、振動子素子配
列ピッチは一定で0.63mmのアレイ探触子を用い、
送受信同一素子で、各素子間の送受信遅延時間差を変化
させた場合の板厚40mmの鋼板の底面エコー高さの測
定結果を図4に示す。図4は、横軸に各振動素子間の駆
動遅延時間差、縦軸は各素子間遅延時間差が100ns
の時の縦波底面エコー高さを1とした相対エコー高さを
示したものである。本実験に用いた超音波の中心周波数
は5MHzで、この中心周波数における周期Tは200
nsとなる。図より、各素子間遅延時間差を適切に選択
することにより、縦波底面エコーを極小とするこが可能
であることがわかる。図4では、各素子間遅延時間差が
100nsすなわち素子遅延時間差がT/2の場合に、
縦波底面エコーが極小となっており、また、300ns
すなわち3T/2に近づくにつれ再び減少しており、超
音波中心周波数における周期Tの1/2の奇数倍(mT
/2,m=1,3,5…)で極小にすることができるこ
ともわかる。
【0038】次に、厚さ20mmの鋼板の内部きずの探
傷を行った実験例を示す。本実験例では、中心周波数5
MHz(周期T=200ns)の超音波を用い、振動子
素子の幅は0.25mmで一定とし、隣り合う振動素子
間の遅延時間差がT/2,T,3T/2(Tは入力超音
波の中心周波数における周期)としたときに、横波の屈
折角が60°になるように振動素子配列ピッチを設定し
た。振動素子の数は、素子間の遅延にかかわらず、振動
子全体の幅が7mmで一定になるように設定した。つま
り素子間の遅延時間差がT/2,T,3T/2のときの
全素子数は、各々19,10,7とした。図5に、探傷
結果の波形を示す。素子間の遅延時間差が半周期T/2
の奇数倍に相当するT/2や3T/2の場合は、垂直方
向の縦波が互いに打ち消し合うため、底面エコーBが抑
制され、きずエコーFu が記録されている。一方、素子
間の遅延が半周期の偶数倍に相当するTの場合、垂直方
向の縦波が互いに加算されることになるため底面エコー
Bが大きくなり、きずエコーはこれに埋もれてしまって
いる。
【0039】したがって、所望の横波入射方向とすると
きの各振動素子間の遅延時間差から、被検体内から反射
される超音波縦波に基づく垂直応力を各垂直縦波振動子
により受波することにより得られる出力の合成波が極小
となるよう各縦波振動子の幅および配列間隔を設定する
ことにより、ノイズ成分となる縦波の影響を軽減でき
る。また所望の横波入射方向とする場合に、図5で説明
したように、被検体内から反射される超音波縦波につい
て、隣り合う各振動素子間での励振における時間差もし
くは受波出力の合成における時間差のいずれか一方の時
間差または両方の時間差が、受波された縦波波形の中心
周波数における周期Tの1/2の奇数倍またはほぼ奇数
倍となるように、複数の各垂直縦波振動子の配設間隔を
設定すると共に、各垂直縦波振動子間の送信時間差と受
信時間差のいずれか一方の時間差または両方の時間差を
制御することにより、ノイズ成分となる縦波の影響を軽
減できる。
【0040】なお、本実験例においては、アレイ探触子
を用いたが、図1に示すように、複数個の垂直縦波振動
子を配列した場合も同様の効果が得られるのは、原理的
に明白である。
【0041】以上のように本発明の各実施形態によれ
ば、複数の垂直縦波振動子を用いて、各振動素子を駆動
するタイミングと信号強度を抑制することにより、探傷
接触面に与える垂直応力の時間差と強度を制御し、くさ
びを用いることなく横波斜角探傷を可能とする方式にお
いて、各振動子素子から垂直方向に放射される縦波によ
り不要なエコーが低減できるため、きずエコーがより検
出しやすくなり、きずの誤認や見落としが低減されるた
め、より精度のよい探傷を実現することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、被検体表
面に直接又は接触媒質を介して送受波兼用の複数の垂直
縦波振動子をアレイ状に配設し、前記送受波兼用の複数
の各垂直縦波振動子を、その配設位置に応じた時間差を
設けて励振するか、または前記配設位置に応じた時間差
を設けて且つその配設位置内の送信電力の分布が所望の
分布となるようにそれぞれ重み付けして励振することに
より生ずる垂直応力により、前記被検体内の斜め方向に
超音波横波を発生させて入射し、前記被検体内から反射
される超音波横波に基づく垂直応力を前記送受波兼用の
複数の各垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これら
の各受波出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時
間差を設けて合成するか、または前記配設位置に応じた
時間差を設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布
が所望の分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅す
ることにより得られる各出力を合成し、この合成信号を
受信出力とする超音波探傷方法及びその装置において、
前記被検体内から反射される超音波縦波に基づく垂直応
力を前記複数の各垂直縦波振動子により受波することに
より得られる出力の合成波が極小となるように、各振動
子素子間の送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時
間差または両方の時間差を制御するようにしたので、各
振動子素子から垂直方向に放射される縦波による不要な
ノイズが低減され、良好な横波斜角探傷結果が得られ
る。
【0043】また本発明によれば、前記のくさびを使用
しない横波斜角探傷方式による超音波探傷方法及びその
装置において、所望の横波入射方向に対して、前記被検
体内から反射される超音波縦波に基づく垂直応力を前記
複数の各垂直縦波振動子により受波することにより得ら
れる出力の合成波が極小となるように、前記複数の各垂
直縦波振動子の配設間隔を設定して探傷を行うようにし
たので、前記と同様に各振動子素子から垂直方向に放射
される縦波による不要なノイズが低減される。
【0044】また本発明によれば、前記のくさびを使用
しない横波斜角探傷方式による超音波探傷方法及びその
装置において、前記被検体内から反射される超音波縦波
について、隣り合う各振動子素子間での励振における時
間差もしくは受波出力の合成における時間差のいずれか
一方の時間差または両方の時間差が、受波された縦波波
形の中心周波数における周期Tの1/2の奇数倍または
ほぼ奇数倍となるように、前記複数の各垂直縦波振動子
の配設間隔を設定すると共に、各垂直縦波振動子間の送
信時間差と受信時間差のいずれか一方の時間差または両
方の時間差を制御して探傷を行うようにしたので、所望
の横波入射方向による超音波探傷を可能とすると共に、
縦波により不要なノイズが低減でき、きずエコーがより
検出しやすくなり、きずの誤認や見落としが低減される
ので、より精度のよい探傷を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係る超音波探傷装置の構
成例1を示す図である。
【図2】本発明の各実施形態に係る超音波探傷装置の構
成例2を示す図である。
【図3】縦波による不要エコー発生の説明図である。
【図4】本発明の実験結果の例1を示す図である。
【図5】本発明の実験結果の例2を示す図である。
【図6】従来のアレイ探触子を用いた横波斜角探傷の説
明図である。
【符号の説明】
1 振動子 2 くさび 3 ダンパー材 4 アレイ探触子 5 超音波パルサ・レシーバ群 6 遅延時間制御装置 6T 送信用遅延時間制御装置 6R 受信用遅延時間制御装置 7 送信電力重み付けパルサ群 8 受信増幅率重み付けレシーバ群 9 制御装置 10 垂直縦波振動子 11 入射横波 12 反射横波 13 検査対象物 15 データ処理装置 16 パソコン 17 きず
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 BB01 BB02 CB01 CB02 GA13 GB02 GF22 GG30 GG35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設
    し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づく垂
    直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によ
    りそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振
    動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、ま
    たは前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設
    位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそ
    れぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力
    を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波探傷方
    法において、 前記被検体内から反射される超音波縦波に基づく垂直応
    力を前記複数の各垂直縦波振動子により受波することに
    より得られる出力の合成波が極小となるように、各振動
    子素子間の送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時
    間差または両方の時間差を制御することを特徴とする超
    音波探傷方法。
  2. 【請求項2】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設
    し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づく垂
    直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によ
    りそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振
    動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、ま
    たは前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設
    位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそ
    れぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力
    を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波探傷方
    法において、 所望の横波入射方向に対して、前記被検体内から反射さ
    れる超音波縦波に基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦
    波振動子により受波することにより得られる出力の合成
    波が極小となるように、前記複数の各垂直縦波振動子の
    配設間隔を設定して探傷を行うことを特徴とする超音波
    探傷方法。
  3. 【請求項3】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    送受波兼用の複数の垂直縦波振動子をアレイ状に配設
    し、前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    し、前記被検体内から反射される超音波横波に基づく垂
    直応力を前記送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子によ
    りそれぞれ受波し、これらの各受波出力を、その受波振
    動子の配設位置に応じた時間差を設けて合成するか、ま
    たは前記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設
    位置内の信号増幅率の分布が所望の分布となるようにそ
    れぞれ重み付けして増幅することにより得られる各出力
    を合成し、この合成信号を受信出力とする超音波探傷方
    法において、 前記被検体内から反射される超音波縦波について、隣り
    合う各振動子素子間での励振における時間差もしくは受
    波出力の合成における時間差のいずれか一方の時間差ま
    たは両方の時間差が、受波された縦波波形の中心周波数
    における周期Tの1/2の奇数倍またはほぼ奇数倍とな
    るように、前記複数の各垂直縦波振動子の配設間隔を設
    定すると共に、各垂直縦波振動子間の送信時間差と受信
    時間差のいずれか一方の時間差または両方の時間差を制
    御して探傷を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
  4. 【請求項4】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動
    子と、該送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    する超音波送信手段と、前記被検体内から反射される超
    音波横波に基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各
    垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波
    出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設
    けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を
    設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の
    分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することに
    より得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力
    とする超音波受信手段とを備えた超音波探傷装置におい
    て、 前記被検体内から反射される超音波縦波に基づく垂直応
    力を前記複数の各垂直縦波振動子により受波することに
    より得られる出力の合成波が極小となるように、各振動
    子素子間の送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時
    間差または両方の時間差を制御する送信及び受信の時間
    差制御手段を有することを特徴とする超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動
    子と、該送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    する超音波送信手段と、前記被検体内から反射される超
    音波横波に基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各
    垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波
    出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設
    けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を
    設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の
    分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することに
    より得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力
    とする超音波受信手段とを備えた超音波探傷装置におい
    て、 前記送受波兼用の複数の垂直縦波振動子は、所望の横波
    入射方向に対して、前記被検体内から反射される超音波
    縦波に基づく垂直応力を前記複数の各垂直縦波振動子に
    より受波することにより得られる出力の合成波が極小と
    なるように、各振動子の配設間隔を設定してアレイ状に
    構成したことを特徴とする超音波探傷装置。
  6. 【請求項6】 被検体表面に直接又は接触媒質を介して
    アレイ状に配設された送受波兼用の複数の垂直縦波振動
    子と、該送受波兼用の複数の各垂直縦波振動子を、その
    配設位置に応じた時間差を設けて励振するか、または前
    記配設位置に応じた時間差を設けて且つその配設位置内
    の送信電力の分布が所望の分布となるようにそれぞれ重
    み付けして励振することにより生ずる垂直応力により、
    前記被検体内の斜め方向に超音波横波を発生させて入射
    する超音波送信手段と、前記被検体内から反射される超
    音波横波に基づく垂直応力を前記送受波兼用の複数の各
    垂直縦波振動子によりそれぞれ受波し、これらの各受波
    出力を、その受波振動子の配設位置に応じた時間差を設
    けて合成するか、または前記配設位置に応じた時間差を
    設けて且つその配設位置内の信号増幅率の分布が所望の
    分布となるようにそれぞれ重み付けして増幅することに
    より得られる各出力を合成し、この合成信号を受信出力
    とする超音波受信手段とを備えた超音波探傷装置におい
    て、 前記被検体内から反射される超音波縦波について、隣り
    合う各振動子素子間での励振における時間差もしくは受
    波出力の合成における時間差のいずれか一方の時間差ま
    たは両方の時間差が、受波された縦波波形の中心周波数
    における周期Tの1/2の奇数倍またはほぼ奇数倍とな
    るように、前記複数の各垂直縦波振動子の配設間隔を設
    定してアレイ状に構成すると共に、各垂直縦波振動子素
    子間の送信時間差と受信時間差のいずれか一方の時間差
    または両方の時間差を制御する送信及び受信の時間差制
    御手段を有することを特徴とする超音波探傷装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7093490B2 (en) 2004-02-23 2006-08-22 Hitachi, Ltd. Ultrasonic flaw detecting method and ultrasonic flaw detector
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