JP2501488B2 - 管体の超音波探傷法 - Google Patents

管体の超音波探傷法

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JP2501488B2
JP2501488B2 JP3036339A JP3633991A JP2501488B2 JP 2501488 B2 JP2501488 B2 JP 2501488B2 JP 3036339 A JP3036339 A JP 3036339A JP 3633991 A JP3633991 A JP 3633991A JP 2501488 B2 JP2501488 B2 JP 2501488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波ビームを用いて
管体(以下、鋼管と総称する)の欠陥を探傷する管体の
超音波探傷法に係わり、特に各種の欠陥に対してほぼ同
一の検出感度が得られるようにビーム制御および超音波
の減衰による感度補償を行う管体の超音波探傷法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、管体の超音波探傷法において欠
陥の程度と欠陥の位置を評価するに際し、超音波ビーム
を送波する探触子を管周方向に走査し、そのときの鋼管
の欠陥部位から反射されてくる欠陥エコーの高さのう
ち、最大のピーク値を見つけ出すことが非常に重要とな
っている。
【0003】そこで、従来、欠陥エコーの中から最大ピ
ーク値を見つけ出すために、検査員が探触子を持って探
触子位置を管周方向に動かしながら欠陥エコーの最大ピ
ーク値を見つけ出す,いわゆる手動探傷法の他、探触子
を大型化して大径の超音波ビームを用いて欠陥を探傷す
る超音波探傷法が考えられている。
【0004】しかしながら、前者の手動探傷法では、も
ともと欠陥エコーのうちの最大ピークとなる部分の走査
範囲が非常に狭いことから、検査員が細心の注意を払い
ながら探触子を走査する必要があり、このため探傷作業
に相当な時間がかかり、また熟練者でなければ所望とす
る探傷精度を上げられない問題がある。
【0005】一方、後者の超音波探傷法の場合には、大
径の超音波ビームを用いて欠陥部位を探傷するので、特
に探触子を走査せずに欠陥エコーの最大ピーク値を見つ
け出すことが可能である。しかし、大型の探触子から送
波される超音波ビームの進行方向は探触子のどの位置で
も平行であるので、鋼管に対する入射角の関係,ひいて
は鋼管入射後の屈折角の違いによって超音波ビームが分
散し、探触子から送波された超音波の一部しか探傷に寄
与しない問題がある。
【0006】そこで、以上のような不具合を改善するた
めに、大型の探触子を用い、かつ、その探触子の振動子
面をインボリュート曲線にそうように配置したものが開
発されている(米国特許第4195530号)。このよ
うな振動子面をもつ探触子を用いた場合には、鋼管に入
射する超音波ビームの方向を一定にできるが、前述と同
様に大型の探触子を用いて超音波ビームの径を大きくし
て欠陥を探傷することから、欠陥位置の判定精度が低く
なるという問題があり、未だ実用に供されていない。
【0007】そこで、近年においては、図10に示すよ
うに多数の単位振動子を直線状に配列したアレイ型探触
子1と、このアレイ型探触子1の所望とする数N(i=
0〜N−1)の単位振動子群からまとめて超音波ビーム
を送受波するとともに、順次所定方向に数個ずつずらし
ながら数Nの単位振動子群を選択して励振走査する電子
走査型紹音波探傷装置とで構成され、鋼管2の探傷に際
し、単位振動子群から送波する超音波ビームの入射角度
を全走査線で等しくするため、当該単位振動子群から送
波する超音波ビームの方向をインボリュート曲線3の法
線方向に一致するように位相制御する方法が考えられて
いる(特開昭59−151057号公報、特開昭61−
18860号公報)。図中Cはアレイ型探触子1の中
心、Cは励振走査する単位振動子群の中心、dは単位振
動子の間隔である。
【0008】なお、以上のような各単位振動子の励振タ
イミングは、超音波ビームの方向を図に示す向きになる
ように制御すればよく、例えば同図i=0 〜N-1 番の単
位振動子を励振するタイミングの遅延時間tiは次式で
表わされる。 ti=i・d・sin(θj)/c
【0009】但し、dは単位振動子の間隔、θj=ta
−1(△dj/Yc)、cは伝搬媒体の音速、△dj
はc−c の間の距離、YcはX軸上の集束点からアレ
イ型探触子までの距離である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
アレイ型探触子1を用いた超音波探傷法は未だ実用の域
に達していない。その理由としては次のような問題点が
考えられている。
【0011】その1つは、鋼管2に対して超音波ビーム
を一定の入射角で入射するために超音波を位相制御して
偏向するが、このとき超音波ビームはアレイ探触子の中
心で強く、それよりも遠くなるにしたがってその偏向角
に依存して減衰することである。つまり、単位振動子群
の各走査線における超音波の偏向角はそれぞれ異なるの
で、単位振動子群の超音波ごとにその超音波の減衰量が
異なること。
【0012】他の1つは、実際にアレイ型探触子1を用
いて鋼管2を探傷する場合、超音波の損失を少なくする
ために、アレイ型探触子1から送波される超音波を水ま
たは樹脂などの接触媒体を介して鋼管2に入射するが、
各単位振動子群から出る超音波ビームが接触媒体を横切
る距離は一定でないので、各単位振動子群から送波する
超音波の減衰量が異なること。
【0013】さらに、他の1つは、図11に示すように
超音波の波面がインボリュート曲線3にほぼ平行で、か
つ、波面の法線が鋼管2に対してどの位置でも同じ入射
角となるように波面を位相制御しているが、超音波ビー
ム4の中心線である各走査線5の鋼管2までの距離が異
なることから、例えば鋼管内面などの欠陥位置によって
各走査線5ごとの超音波ビーム4のビーム幅が異なって
しまう。このことは、欠陥の深さの位置に応じて検出感
度が異なることを意味する。
【0014】本発明は上記実情にかんがみてなされたも
ので、鋼管内の欠陥位置による超音波ビーム幅の変化を
極力低減化する管体の超音波探傷法を提供することを目
的とする。
【0015】また、本発明の他の目的は、各走査線の伝
搬媒体内距離差による減衰量および偏向角に依存する減
衰量を適切に補償し、各走査線の検出感度を均一化する
管体の超音波探傷法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1,2に対
応する発明は上記課題を解決するために、アレイ型探触
子を用いて鋼管の欠陥を探傷する管体の超音波探傷法に
おいて、前記アレイ型探触子を構成する複数の単位振動
子のうち所望とする数の単位振動子群の超音波ビーム
を、当該超音波ビームの中心線となる走査線に集束する
ように位相制御して探傷を行うとともに、前記所望とす
る数の単位振動子群を順次変えながら超音波ビームの集
束位置を移動させる管体の超音波探傷法である。
【0017】そして、前記超音波ビームを走査線に集束
させる手段は、走査線において欠陥位置が近距離音場距
離とほぼ等しくなるように同時使用する単位振動子の数
を決定するとともに、この決定された所望とする数の単
位振動子群の超音波ビームが近距離音場距離に集束する
ように各単位振動子を所定のタイミングで励振するもの
である。
【0018】次に、請求項3に対応する発明は、アレイ
型探触子を構成する複数の単位振動子のうち所望とする
数の単位振動子群によって形成される各走査線の伝搬媒
体内距離差に依存する減衰量および前記単位振動子群の
超音波ビームの偏向角に依存する減衰量の何れか一方ま
たは両方を求めるとともに、前記単位振動子群によって
受信する超音波受信信号に対し前記減衰量に応じて感度
補正を行う管体の超音波探傷法である。
【0019】
【作用】従って、請求項1,2に対応する発明は以上の
ような手段を講じたことにより、各走査線ごとに鋼管ま
での距離が異なっても鋼管内の欠陥位置における超音波
ビームのビーム幅の変化を抑制でき、よって、欠陥種類
が異なっても各走査線の検出感度差を低減できる。
【0020】さらに、請求項1,2に対応する発明にお
いては、伝達媒体内の距離差に依存する減衰量と超音波
の偏向角に依存する減衰量とを求めた後、単位振動子群
で受信した超音波受信信号に対し前記減衰量に基づいて
感度補正することにより、各走査線の検出感度を一定化
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明方法の実施例について説明す
る。本発明方法を実現するためには、従来の超音波探傷
法で問題となっていた超音波の減衰量の他、超音波ビー
ムの幅について解明する必要がある。
【0022】そこで、先ず,伝搬媒体内の距離差に依存
する超音波の減衰量について求めてみる。今、図10に
おいて単位振動子群から送波される超音波ビーム4の中
心線となる各走査線5の送出点、つまり各単位振動子群
の超音波送出中心点の座標を(△dj+△x,Yc)と
すれば、鋼管2への走査線5の入射点は次式に示す座標
点(x,y)をもって表すことができる。 x=△dj・y/Yc+△X …(1) y={−b+(b2 −4・a・c)1/2 }/(2・a) …(2)
【0023】但し、上式においてa=1+(△dj/Y
c)、b=2・△X・△di/Yc、c=△X−R
、R=鋼管2の半径、添字jは走査線の番号、Nj=
走査線数である。なお、(2)式においてのみ、cは高
速を意味しない。従って、各走査線5の伝搬媒体内距離
Wjは次式で表すことができる。 Wj={(△dj+△X−x)+(Yc−y)1/2 …(3) そこで、アレイ型探触子1中心の走査線の伝搬媒体内
距離WOを基準にとると、各走査線の伝搬媒体内距離差
△Wjは、 △Wj=Wj−WO …(4) となる。よって、各走査線の伝搬媒体内距離差△Wjに
依存する減衰量△G1jは、 △G1j=α・△Wj …(5)
【0024】によって求めることができる。αは実験な
どで求まる伝搬媒体の減衰定数である。このことは、予
め単位振動子群を選択するとき、その単位振動子群の中
心,つまり走査線の伝搬媒体内距離差を知って、上記
(5)式の減衰量に基づいて感度補正を行えば、伝搬媒
体内距離差に依存する減衰量の影響を除去できる。次
に、超音波の偏向角に依存する減衰量は各単位振動子の
指向性であると考えれば、次式によって表すことができ
る。 △G(θj) =sin {k・d/2・sin (θj)}/{k・d/2・sin (θj)} …(6) 但し、上式においてk=2πλ、λ=c/f、c:伝搬
媒体の音速、f:超音波周波数、d:単位振動子の幅で
ある。
【0025】さらに、超音波受信の際にも単位振動子の
タイミングをずらす,いわゆる位相角制御によって受信
した場合には、その超音波の位相角に依存する減衰量は
次式のようになる。 △G2j=20LOG{(△G(θj))2 }(dB) …(7) 従って、各単位振動子の受信信号に対し、上記(7)式
の減衰量に基づいて感度補正を行えば、超音波の位相角
に依存する減衰量の影響を除去できる。因みに、超音波
受信の際にタイミングをずらさず、M個の単位振動子で
同時に受信した場合には次式のようになる。 △G2j=20LOG{△G(θj)・△G′(θj)} …(8) △G′(θj)=sin {k・d・M/2・sin (θj)}/{k・d・M/2・ sin (θj)} 従って、各走査線に対する感度補正量△Gjは、 △Gj=△G1j+△G2j (dB) …(9)
【0026】で表すことができる。よって、単位振動子
群で受信した超音波受信信号に対し、(9)式の感度補
正量△Gjを用いて補正すれば、各走査線の感度を一定
にすることができる。
【0027】次に、各走査線ごとの超音波ビーム幅の差
を極力小さくするビーム制御法について説明する。今、
アレイ型探触子1を用いたときの超音波ビームの半値幅
について調べると、図2のような結果が得られる。図
中,(イ)は同時に使用する単位振動子群によって定ま
る開口に基づく近距離音場距離X0 より近くに超音波を
集束させた場合であって、一定のビーム幅をもつ伝搬方
向の範囲が非常に狭い。ここで、X0 =D2 /4λで表
わされる。Dは単位振動子群によって定まる開口幅であ
る。(ロ)は近距離音場付近に集束させた例であって、
そのときの超音波ビームのビーム幅は例えばX1〜X2
までほぼ一定となっている。(ハ)は集束しない例であ
って、この場合にはビーム幅は一定となるが、全体的に
太いために欠陥の位置判定精度が劣る。(ニ)は開口を
狭くして集束しない例であり、この場合には細いビーム
が得られるが、近距離音場距離が短くなるので、超音波
が直ぐに広がってしまい、各欠陥位置でビーム幅を等し
くすることが難しい。
【0028】従って、以上のような実験例から総合的に
考えると、前記(ロ)のように欠陥位置が近距離音場付
近に集束させるときに最も有効であることが分かる。よ
って、各走査線の超音波ビームのビーム幅の差をできる
限り小さくするためには、超音波ビーム中央の走査線に
おいて欠陥位置が近距離音場距離とほぼ等しくなるよう
に同時使用する単位振動子の数を決定し、かつ、近距離
音場距離にて超音波が集束するように各単位振動子を励
振するタイミングを決めればよいことになる。
【0029】以下、単位振動子の数と各単位振動子の励
振タイミングの決定法について説明する。超音波ビーム
の中心線である走査線において欠陥位置が近距離音場距
離になるようにするには、単位振動子数Nは、これら単
位振動子群の開口幅Dから下記式に従って求めることが
できる。今、近距離音場距離D2 /4λ=Wとすると、 D=N・d …(10)
【0030】の関係を有するので、この式から単位振動
子数Nを求めることができる。但し、W=W0 +Wf ・
Cs /Cw となる。W0 は超音波ビーム中央の走査線の
伝搬媒体内距離、Wf は入射点から欠陥迄の距離、Cs
は鋼管内の超音波音速:3230m/s、Cw は接触媒
体内の超音波音速、λは接触媒体内の超音波波長、dは
単位振動子の間隔である。
【0031】一方、1本のビームを作る単位振動子群の
タイミング制御は次の3つの遅延時間から求めることが
可能である。先ず、1本の超音波ビームの波面が鋼管各
面に一定の入射角で入射するためには、次の遅延時間t
1iが必要である。 lm =[{d・(N-1 )/2}2 +Yc2 1/2 i =[d2 ・{(N-1 )/2−i}2 +Yc2 1/2 1i=(li −lm )/Cw …(11) 但し、i=0〜(N-1 )である。 さらに、超音波ビームを欠陥位置に集束させるために
は、次の遅延時間t2iが必要である。 lm =[{d・(N-1 )/2}2 +W2 1/2 i =[d2 ・{(N-1 )/2−i}2 +W2 1/2 2i=(li −lm )/Cw …(12) 但し、i=0〜(N-1 )である。 さらに、各走査線がインボリュート曲線の法線方向にな
るように偏向角を制御するためには、次の遅延時間が必
要となる。 i・d・sin (θj )/Cw …(13) よって、j番目の走査線に対する単位振動子群の遅延時
間をtijとすると、 tij=t1i+t2i+{i・d・sin (θj )/Cw} …(14) となる。
【0032】従って、超音波を送波する場合には前記
(14)式の遅延時間のタイミングで各単位振動子をず
らしながら励振し、さらに超音波を受波する場合には前
記(14)式の遅延時間のタイミングで逆にずらして受
信すれば、超音波ビームのビーム幅の変化を小さくでき
る。
【0033】次に、以上のような超音波探傷方法を適用
した探傷装置について図1を参照して説明する。この装
置は、アレイ型探触子1を制御して超音波を送波する送
信制御系20と、当該アレイ型探触子1による超音波の
受信制御および減衰量の補償等を行う受信制御系30と
から成っている。
【0034】この送信制御系20には、鋼管とアレイ型
探触子1の配置その他の探傷条件に基づいて各部を制御
する探傷制御部21が設けられ、これは具体的には超音
波ビーム中央の走査線において欠陥位置が近距離音場距
離とほぼ等しくなるように同時使用する単位振動子数を
決定する単位振動子数決定手段21aおよびこの単位振
動子数決定手段21aによつて決定された数の単位振動
子について送受信の遅延タイミングを作成する励振タイ
ミング作成手段21bを有し、単位振動子数データや送
受信の遅延タイミング信号を送信制御部22および受信
制御系30に送出する。
【0035】この送信制御部22では、探傷制御部21
の出力に基づいて発信チャンネルを選択するチャンネル
選択手段22aの他、選択チャンネルの発信タイミング
を制御するタイミング制御手段22bを有し、この選択
チャンネルの発信タイミングに従って多チャンネルパル
サー23が前記アレイ型探触子1を構成する単位振動子
を励振し、選択チャンネルに相当する単位振動子群から
超音波ビームを送波するものである。
【0036】一方、受信制御系30にあっては、探傷制
御部21の出力に基づいて単位振動子群を選択するとと
もに、この選択された単位振動子群の受信信号を加算す
る受信制御部31、この受信制御部31で加算された受
信信号の強度を調整する多チャンネル減衰部32が設け
られている。この多チャンネル減衰部32は、各走査線
の伝搬媒体内距離差に依存する減衰量を求める第1の減
衰量演算手段32a、超音波の位相角に依存する減衰量
を求める第2の減衰量演算手段32bおよび受信制御部
31から得られた受信信号を前記2つの減衰量に基づい
て各走査線ごとに感度補正を行う感度補正手段32c等
を有する。
【0037】この多チャンネル減衰部32の出力側には
多チャンネル受信部33および表示部34が設けられて
いる。この多チャンネル受信部33は多チャンネル減衰
部32の出力を増幅し検波する機能を有し、一方、表示
部34は多チャンネル受信部33の増幅検波出力に基づ
いて探傷結果を表示する機能をもっている。
【0038】従って、以上のような探傷装置の構成によ
れば、探傷制御部21による単位振動子数の決定および
送信遅延タイミングに基づいて送信制御部22ではチャ
ンネル選択および発信タイミング信号を順次出力する
と、多チャンネルパルサー23はその送信制御部22の
出力に基づいて単位振動子群を選択し、かつ、順次所定
のタイミングで励振しながら各単位振動子から超音波を
送波する。その結果、各単位振動子から送波された超音
波は走査線に集束するように位相制御されるので、図3
に示すように鋼管内の欠陥位置における超音波ビームの
ビーム幅の変化が非常に小さくなり、ひいては各走査線
の欠陥検出感度差を低減化できる。
【0039】さらに、単位振動子群で受信した受信信号
は受信制御部31で加算した後、多チャンネル減衰部3
2に導き、ここで前述した演算式によって減衰量を求め
た後、受信信号に対して減衰量に応じて感度補正を行う
ので、各走査線の検出感度を一定化できる。
【0040】因みに、図4ないし図9は従来の超音波探
傷法を用いた場合と本発明による超音波探傷法を用いた
場合との欠陥検出特性の比較図である。先ず、図4は外
面のスリット欠陥に対して、集束,偏向角制御および感
度補正を一切行わないときの各走査線の欠陥検出特性図
である。なお、この欠陥検出に際し、各走査線ごとに欠
陥エコー高さが最大になるように機械走査を行って得た
結果である。この図から明らかなように、種々の要因に
よって各走査線の欠陥検出感度差が20dB以上も異な
っており、欠陥検出精度に問題が多い。
【0041】これに対し、図5は、従来法であり、各走
査線の屈折角が一定となるように超音波ビームの偏向角
を位相制御したときの欠陥検出特性図であって、図4の
探傷結果に比べて感度差が小さくなっているが、未だ1
0dB以上の差が残っている。
【0042】一方、図6は、各走査線の屈折角が一定と
なるように超音波ビームの位相角を制御し、かつ、伝搬
媒体内の距離差による減衰量の感度補正を行ったときの
欠陥検出特性図であって、各走査線の間に僅かに検出感
度差が見られる。さらに、図7は、伝搬媒体内の距離差
による減衰量の感度補正と超音波ビームの位相角による
減衰量の感度補正とを行ったときの欠陥検出特性図であ
る。この図7から明らかなように、請求項3の効果によ
りスリット状欠陥に対する各走査線の検出感度を一定に
することができる。しかし、図8に示すようにドリルホ
ールの外面側エコーAとスリット状欠陥からのエコーB
との間には各走査線間にほぼ5dBの検出感度差があ
る。このことは、欠陥の種類が異なると各走査線の検出
感度が異なることを意味する。
【0043】そこで、さらに上述したように各走査線の
超音波ビーム幅の差をできる限り小さくするために、送
信時の同時使用する単位振動子数を12個とし、かつ、
超音波の焦点距離を近距離音場距離60mmにほぼ等し
い60mmに設定したところ、ドリルホールの外面側エ
コーとスリット状欠陥からのエコーの検出感度の各走査
線における差は図9のようになり、欠陥の種類に拘らず
各走査線の間でほぼ同一の検出感度を得ることができ
る。なお、本発明は上記実施例に限定されるものでな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施でき
る。
【0044】
【発明の効果】先ず、請求項1,2の発明においては、
各走査線の超音波ビーム幅の変化を低減化でき、欠陥種
類が異なっても各走査線の検出感度差を低減できる。
【0045】次に、請求項3においては、各走査線の伝
搬媒体内距離差による減衰量および偏向角に依存する減
衰量を適切に補償でき、各走査線の検出感度差を均一化
できる。
【0046】以上の効果により、単一の探触子を管周方
向に機械的に走査したと同様な効果が電気的によって得
られ、手動走査の必要がなく、また検査員の熟練度に関
係なく、欠陥エコーのピークをとらえることができ、欠
陥の精度と位置とを再現性よく評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を適用した探傷装置の一実施例を
示す機能ブロック図。
【図2】 アレイ型探触子によって形成される超音波ビ
ームの半値幅を示す図。
【図3】 本発明方法を実施して鋼管を探傷していると
きの状態図。
【図4】 ビーム制御および感度補正を行わない場合の
欠陥検出感度の特性図。
【図5】 各走査線の屈折角を一定にするように超音波
ビームを制御したときの従来の欠陥検出感度の特性図。
【図6】 屈折角を一定になるように超音波ビームを制
御し、かつ、伝版媒体内の距離差に依存する減衰を補正
したときの欠陥検出感度の特性図。
【図7】 屈折角を一定になるように超音波ビームを制
御し、かつ、伝版媒体内の距離差に依存する減衰と超音
波ビームの偏向角に依存する減衰を補正したときの欠陥
検出感度の特性図。
【図8】 屈折角を一定になるように超音波ビームを制
御し、かつ、伝版媒体内の距離差に依存する減衰と超音
波ビームの偏向角に依存する減衰を補正した状態で、2
種類の欠陥つまりドリルホールとスリット状欠陥との検
出感度差を示す図。
【図9】 本発明方法により超音波ビームを制御し、か
つ、各走査線の感度補正を行ったときの2種類の欠陥つ
まりドリルホールとスリット状欠陥との検出感度差を示
す図。
【図10】 アレイ型探触子を用いて鋼管を探傷する際
の超音波ビーム方向を示す図。
【図11】 従来方法によって走査した場合に欠陥位置
によって各走査線の超音波ビームの幅が異なっている状
態を示す図。
【符号の説明】
1…アレイ型探触子、2…鋼管、3…インボリュート曲
線、4…超音波ビーム、5…走査線、20…送信制御
系、21…探傷制御部、22…送信制御部、23…多チ
ャンネルパルサー、31…受信制御部、32…多チャン
ネル減衰部、33…多チャンネル受信部、34…表示
部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アレイ型探触子を用いて管体の欠陥を探
    傷する管体の超音波探傷法において、前記アレイ型探触
    子を構成する複数の単位振動子のうち所望とする数の単
    位振動子群の超音波ビームを、当該超音波ビームの中心
    線となる走査線に集束するように波面を位相制御して探
    傷を行うとともに、前記所望とする数の単位振動子群を
    順次変えながら超音波ビームの集束位置を移動させるこ
    とを特徴とする管体の超音波探傷法。
  2. 【請求項2】 超音波ビームを走査線に集束させる手段
    は、走査線において欠陥位置が近距離音場距離とほぼ等
    しくなるように同時使用する単位振動子の数を決定する
    とともに、この決定された前記所望とする数の単位振動
    子群の超音波ビームが近距離音場距離に集束するように
    各単位振動子を所定のタイミングで励振するものである
    請求項1記載の管体の超音波探傷法。
  3. 【請求項3】 アレイ型探触子を用いて管体の欠陥を検
    査する管体の超音波探傷法において、前記アレイ型探触
    子を構成する複数の単位振動子のうち所望とする数の単
    位振動子群の中心線となる各走査線の伝搬媒体内距離差
    に依存する減衰量および前記単位振動子群における超音
    波ビームの偏向角に依存する減衰量の何れか一方または
    両方を求めるとともに、前記単位振動子群によって受信
    した超音波受信信号に対し前記減衰量に応じて感度補正
    を行うことを特徴とする管材の超音波探傷法。
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