JP2017075423A - 金属合紙 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、厚さが薄く軽量にもかかわらず強度およびクッション性に優れ、しかも金属表面との接触性にも優れた金属合紙を提供することである。【解決手段】坪量が22.0〜55.0g/m2、密度が0.55〜0.70g/cm3、紙厚が38〜82μmである、金属を保護するための金属合紙であって、該金属合紙は、広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプを含むパルプから抄紙された湿紙を乾燥して得られ、JIS P8220−1:2012の規定に従って離解したパルプをJIS P8121−2:2012にて規定する測定方法によって測定した離解フリーネスが380〜600mlである、上記金属合紙。【選択図】なし

Description

本発明は、金属を保護するための金属合紙およびその製造方法に関する。特に本発明の金属合紙は、ステンレスなどの金属から合紙を剥がす際に破れにくく、金属を十分に保護できるようにクッション性にも優れたものである。
従来技術
金属合紙は、ステンレスなどの金属を保護するため、金属素材の間にはさみ込んで使用される保護紙であり、金属間紙とも呼ばれている。
金属合紙は、金属表面に直接接触させて使用することから、その表面が滑らかであること、金属面や金属メッキ面と接触しても腐食し難いこと、合紙と金属が巻き取られた際に圧力によって合紙表面の微細な突起部分が金属面を押し付け、打痕と呼ばれる傷が入らないように紙中異物が少ないことなどが、一般に必要とされる。
例えば、特許文献1には、塩素イオン濃度が所定範囲に調整され、植物油が主原料の剥離剤を含有した中性金属合紙が記載されている。また、特許文献2には、カチオン系澱粉、防滑剤及び剥離剤が各々所定割合で配合され、硫酸アルミニウム濃度が所定範囲に調整された中性金属合紙が提案されている。
さらに、特許文献3には、ポリビニルアルコールを表面塗工することによってステンレス板に適した金属合紙が得られることが記載されている。さらにまた、特許文献4には、特定のパルプを用いた上でソフトカレンダーを用いて平滑化処理することによって、きわめて薄いにもかかわらずクッション性に優れた金属合紙を製造することが提案されている。
特開2008−057080号公報 特開2005−154979号公報 特開平7−216794号公報 特開2010−202994号公報
本発明の課題は、厚さが薄く軽量にもかかわらず強度およびクッション性に優れ、しかも金属表面との接触性にも優れた金属合紙を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプを含み、離解後パルプのカナダ標準フリーネスが380〜600mlであるパルプを使用して抄紙することによって、繰り返しの使用にも耐え得るほど丈夫で、しかも、ステンレス箔などの金属と金属合紙を重ねる巻取工程において、不具合が生じない金属合紙を製造できることを見出した。
すなわち、これに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
(1) 広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプを含んでなる、金属を保護するための金属合紙であって、坪量が22.0〜55.0g/m、密度が0.55〜0.70g/cm、紙厚が38〜82μmであり、JIS P8220−1:2012の規定に従って金属合紙を離解して得られるパルプスラリーについてJIS P8121−2:2012に基づいて測定した離解フリーネスが380〜600mlである、上記金属合紙。
(2) 湿紙をヤンキードライヤーで乾燥して製造される片艶の金属合紙である、(1)に記載の金属合紙。
(3) 広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプの重量比が、50:50〜90:10である、(1)または(2)に記載の金属合紙。
(4) JIS P8116:2000に基づいて測定したヨコ方向の比引裂強さが5.00〜10.0mN・m/gである、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属合紙。
(5) 広葉樹晒パルプのカナダ標準フリーネスが180〜500mlである、(1)〜(4)のいずれかに記載の金属合紙。
(6) 広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプがいずれもクラフトパルプである、(1)〜(5)のいずれかに記載の金属合紙。
(7) ステンレスを保護するための金属合紙である、(1)〜(6)のいずれかに記載の金属合紙。
本発明によれば、紙厚が薄く金属との密着性に優れ、また、クッション性が高く金属を十分に保護できる丈夫な金属合紙を製造することができる。さらに、本発明によって得られる金属合紙は、ステンレスなどの金属と重ねる巻取工程において、不具合が生じにくく、金属合紙として極めて有用である。
本発明は、ステンレスなどの金属を保護するために使用される金属合紙(金属間紙)に関する。本発明の金属合紙は抄紙機によって形成された湿紙を乾燥することによって得られる。本発明における抄紙方法は特に限定されず、公知の方式の抄紙機を用いて抄紙すればよい。すなわち、紙料を適宜希釈し、必要に応じてスクリーンやクリーナーで異物を除去した後に、抄紙機のヘッドボックスから抄紙ワイヤー上に噴射して、湿紙が形成される。本発明の原紙は、種々の抄紙機、例えば長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式抄紙機などによって製造することができる。ツインワイヤー抄紙機としては、ギャップフォーマー、オントップフォーマーなどが挙げられる。抄紙後のプレス工程や乾燥工程における条件は、適宜調整することができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性抄紙であることが好ましい。具体的には、本発明においては、抄紙時の紙料pHが5.0〜9.0であることが好ましく、6.0〜8.0であることがより好ましい。
好ましい態様において本発明の金属合紙は、ヤンキードライヤーで湿紙を乾燥させて製造する片艶仕上げの金属合紙である。ヤンキードライヤーを用いて湿紙を乾燥させると、ドライヤーの鏡面に接触した紙の面(艶面)の平滑度を高くすることができるため、金属合紙と金属との密着性を向上させることができる。また、ドライヤーの鏡面に接触しなかった面(以下ザラ面という)の平滑度は艶面より低くなるものの、これによって金属合紙に適度なクッション性を付与することが可能になる。
本発明に用いる金属合紙は、広葉樹晒パルプ(LBP)と針葉樹未晒パルプ(NUP)を含むパルプ原料から製造される。使用するパルプ原料は、広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプを含んでいれば特に制限はなく、木材パルプの他に、リンターパルプ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、ワラなどの非木材パルプ、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維などを使用することができる。具体的には、機械パルプ(MP)、脱墨パルプ(DIP、古紙パルプとも呼ばれる)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、紙の抄紙原料として一般的に使用されているものを好適に使用することができ、適宜、これらの1種類または2種類以上を配合して使用される。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙や、コピー紙や感熱紙、ノーカーボン紙などを含むオフィス古紙、機密古紙、紙コップ等を原料とする脱墨パルプであれば良く、特に限定はない。
本発明において、広葉樹晒パルプ(LBP)と針葉樹未晒パルプ(NUP)の使用比率は特に制限されないが、50:50〜90:10であることが好ましく、55:45〜85:15がより好ましく、60:40〜80:20がさらに好ましい。このような比率で両者を併用すると、引裂強さなどを良好に維持しつつも、特にクッション性に優れた金属合紙を得ることができる。また、広葉樹晒パルプや針葉樹未晒パルプとしてクラフトパルプを用いると、夾雑物が少ないため金属を傷つけることなく十分に保護することができて好適である。
また未晒の針葉樹パルプを配合する他のメリットとしては、上記金属合紙に若干の色目をつけることができるため、金属合紙として使用する場合に、ステンレス箔などの金属との識別をはっきりとさせることが挙げられる。さらに併用する広葉樹晒パルプのカナダ標準フリーネスは、叩解によって180〜500mlに調整すると好適であり、280〜440mlとしてもよい。
ただし、本発明においては、パルプのフリーネスを特定の範囲に設定することが必要である。本発明において具体的には、JIS P8220−1:2012の規定に従って離解したパルプをJIS P8121−2:2012にて規定する測定方法によって測定した離解フリーネスが380〜600mlであるパルプを使用する。このような離解フリーネスのパルプを使用することによって、クッション性や金属の保護性に優れるとともに、繰り返しの使用にも耐え得るような強度の高い金属合紙を製造することができるし、例えば製紙用パルパーにおいての再生性(離解性)に優れる。また、好ましい態様において上記離解フリーネスは400〜550mlであり、より好ましくは450〜500mlである。
また、JIS P8116:2000に基づいて測定したヨコ方向の比引裂強さが5.00〜10.0mN・m/gとすることにより、例えばステンレス箔メーカーにおいて、出荷前に金属と金属合紙を重ねて巻き取る工程において、金属合紙が切れたり、破れたりする不具合が生じない。また出荷した前記巻取を開梱し、ステンレス箔などの金属から金属合紙を剥離する際にも金属合紙に破れ等不具合が発生しない。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、種々の内添薬品をパルプに添加して抄紙してよい。内添薬品としては、これに制限されるものではないが、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、その他各種変性澱粉、スチレン―ブタジエン共重合体、ラテックス、酢酸ビニルなどの接着剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの内添紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤などの内添サイズ剤;硫酸バンド、歩留向上剤、紫外線防止剤、退色防止剤、濾水性向上剤、凝結剤、pH調整剤、スライムコントロール剤、着色料(染料、顔料)および蛍光染料などを添加してもよい。
また、本発明の金属合紙は、一般的に使用されている填料を内填することが出来る。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、カオリン、エンジニアードカオリン、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネートカオリン、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、製紙スラッジ、脱墨フロスからの再生無機粒子等の無機系填料や尿素ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合体系樹脂、フェノール樹脂、プラスチック中空粒子等の有機系填料等を単独もしくは、2種以上を併用することが出来る。紙中灰分は、適宜設定することができるが、例えば、40重量%以下とすることが好ましい。好ましい態様において、紙中灰分は、3重量%以上40重量%以下が好ましく、5重量%以上30重量%以下がさらに好ましい。なお、紙中灰分はJIS―P8252に準じて測定される
本発明の金属合紙は、その坪量が22.0〜55.0g/m、密度が0.55〜0.70g/cm、紙厚が38〜82μmである。上記したパルプを用いてこのような範囲の金属合紙とすることによって、優れた品質の金属合紙を製造することができる。
本発明の金属合紙の密度は、密度が0.55〜0.70g/cmであるが、0.58〜〜0.67g/cmが好ましく、0.60〜0.65g/cmがより好ましい。このような範囲であれば、金属合紙が比較的嵩高な構造を取るため、クッション性に優れ、金属を十分に保護できるような金属合紙とすることができる。
また、本発明の金属合紙の紙厚は、38〜82μmであるが、40〜80μmがより好ましく、42〜78μmとしてもよい。紙厚が38μm未満であると、密度が高くなりすぎて、良好なクッション性は得られない。また、紙厚が82μmを超えると、密度が低くなりすぎて、金属合紙としての強度が弱くなって不適となる。一つの態様において、金属合紙の紙厚を65μm以下としてもよい。
さらに、本発明の金属合紙の坪量は、22.0〜55.0g/mであるが、25.0〜50.0g/mがより好ましく、28.0〜45.0g/mとしてもよい。坪量が22.0g/m未満であると、本発明のように密度が低い場合に金属合紙として十分な強度を得ることが難しくなり、また、坪量が55.0g/mを超えると、重くなりすぎて金属合紙として使用にくくなるためである。
本発明の好ましい態様において、本発明の金属合紙は、ヨコ方向の引裂強さが130mN以上が好ましく、200mN以上がより好ましく、300mN以上や400mN以上としてもよい。ヨコ方向の引裂強さの上限は特にないが、例えば、1000mN以下とすることができ、800mN以下や600mN以下としてもよい。
本発明の好ましい態様において、本発明の金属合紙は、ヨコ方向の比引裂強さが5.00〜10.0mN・m/gの範囲であり、より好ましい態様において7.5〜9.5mN・m/gである。ヨコ方向の比引裂強さの範囲を設定することにより、ステンレス箔メーカーなどで金属と金属合紙とを重ねる巻取工程での金属合紙の不具合および金属合紙を金属から剥離する際の破れが発生しない金属合紙を提供することが可能となる。ヨコ方向の比引裂強さが5.00mN・m/g未満であると、剥離する際の破れが生じやすく、10.0mN・m/gを超えると、コスト的に不利になりやすい。さらに望ましい態様においては、ヨコ方向の比引裂強さとのバランスからタテ方向の比引裂強さについては前記ヨコ方向の比引裂強さの60〜90%とする。
本発明の金属合紙は、澱粉などの接着剤を主体とする透明な塗工層(クリア塗工層)を原紙上に設けてもよい。クリア塗工層は、表面処理液を原紙に塗工することによって設けることができるが、表面処理液に使用する接着剤の種類は特に限定されない。例えば、澱粉が好適に用いられることはもちろん、澱粉以外の接着剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロースナノファイバーなどのセルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、ラテックス、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどを、単独もしくは2種以上使用する。本発明において、澱粉は、表面処理液中の接着剤に占める割合が50%以上であることが好ましい。より好ましくは80%以上である。50%未満では表面処理液の粘度が低下し、強度やこわさが悪化するなどの弊害が生じる可能性があり、またコストも高くなる。
前記表面処理液に使用する澱粉については、その由来は特に限定されず、例えば、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉を適宜使用することができる。また、本発明においては、公知の方法により各種変性を施した澱粉を使用してもよい。変性方法としては、例えば、αアミラーゼ等を用いた酵素変性、エステル化、カチオン化、アセチル化、アルデヒド化、ヒドロキシエチル化等の処理を行ってもよい。エステル化としては、酢酸エステル化、リン酸エステル化などの処理があり、エーテル化としてはカルボキシエーテル化、ヒドロキシエーテル化などの処理を行ってもよい。本発明の老化安定性向上効果を高く発現するためには、アセチル化したタピオカ澱粉などを原料として、製紙工場内で変性処理することにより低粘度化させた自家変性澱粉、特に、酸化剤として過硫酸アンモニウム(APS)を加え熱化学変性させたAPS変性澱粉、またはαアミラーゼを用いて加水分解した酵素変性澱粉を使用することが好ましい。製紙工場内で変性処理を行う自家変性澱粉は、製造現場での粘度の調整が容易であり、かつコスト的にも有利である。
本発明においては、表面処理液に老化安定性向上剤として界面活性剤を含有させることが好ましい。メカニズムは明らかではないが、界面活性剤を添加することにより、澱粉中のアミロースのαへリックス構造に界面活性剤の疎水部分が入り込み、再会合を阻害すると考えられる。界面活性剤の添加は、澱粉を蒸煮する前と後のどちらでもよいが、蒸煮前に添加する方が好ましい。蒸煮の際にシェアがかかり、界面活性剤が澱粉に対してより均一に分散すると考えられるためである。また、界面活性剤は2種以上併用することも可能である。
また、サイズ性を高める目的で、表面処理液にサイズ剤を配合してもよい。サイズ剤を使用する場合、種々のサイズ剤を使用することができるが、例えば、スチレン系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、アクリレート系サイズ剤、スチレン−アクリル系サイズ剤、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を使用してもよい。表面サイズ剤を使用する場合、表面処理液中の固形分濃度で0.05〜5重量%が好ましく、1〜3重量%がさらに好ましい。
さらに、本発明の表面処理液には、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水材、消泡剤、耐水化剤、着色剤、導電剤等、通常の表面処理液に配合される各種助剤を適宜使用される。
表面処理液の塗布量は、紙に要求される表面強度などにより適宜決定されるので特に限定はないが、通常は両面で0.1〜10g/mの範囲である。0.1〜5g/mが好ましく、0.1〜2.0g/mがより好ましい。塗工量が多くなると塗工層中の水分の絶対量が多くなることにより、乾燥負荷が増大し、乾燥不良が発生しやすくなる。
表面処理液を塗布する装置は特に限定はなく、2ロールサイズプレス、ゲートロールコーター、ロットメタリングサイズプレスや、ブレードコーター、スプレーコーター、カーテンコーターなどの公知の塗工機によって塗布することができる。
クリア塗工層を原紙に設けた後は、公知公用の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどに通紙して製品仕上げを行ってもよいし、未処理もしくはバイパスしてもよい。
本発明の金属合紙は、ステンレスなどの金属箔や金属板の他に、例えば、カミソリ替刃などの工具や刃物材料、テレビ・携帯電話・タブレットなどのエレクトロニクス材料(シャドウマスク、基盤に使用されるリードフレーム、スパッタリングターゲット材)、自動車部品材料(無段変速機用ベルト等)などの金属製品、液晶パネルディスプレイやプラズマディスプレイパネルといったフラットパネル・ディスプレイ用のガラス板などを保護する工程紙・保護紙として使用することができる。
以下に、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り、「%」はすべて「重量%」であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
評価方法
(1)坪量:JIS P 8124:2011に準拠して測定した
(2)紙厚:JIS P 8118:1998に準拠して測定した。
(3)密度:JIS P 8118:1998に準拠して測定した。
(4)引裂強さおよび比引裂強さ: JIS P8116:2000に準拠して測定した(ヨコ方向)。
(5)離解フリーネス:JIS P8220−1:2012の規定に従って金属合紙を離解したパルプスラリーについて、JIS P8121−2:2012にて規定する測定方法によってカナダ標準フリーネス(CSF:ml)を測定した。
(6)金属合紙としてのクッション性、:金属合紙をステンレス箔の合紙として使用した場合のクッション性を2段階で評価した。
○:金属合紙をステンレス箔へ使用してもキズが全くなし
×:ステンレス箔に微細なキズが発生
(7)金属合紙の強度:金属合紙をステンレス箔と巻取るときの金属合紙の強度を2段階で評価した。
○:シワや破れが発生しない。
×:シワや破れが発生する。
金属合紙の製造と評価
原料パルプとして、LBKP(JIS P8121−2:2012に準拠して測定した叩解後のパルプフリーネス:240mlまたは380ml)とNUKP(JIS P8121−2:2012に準拠して測定した叩解後のパルプフリーネス:540ml)を下表に示す重量割合で配合し、パルプ(固形分)に対して、サイズ剤(アルケニルケテンダイマー:AKD)を固形分で0.20%、硫酸バンドを有姿で0.30%、乾燥紙力剤(ポリアクリルアミド:PAM)を固形分で0.10%添加して、原料となるパルプスラリーを調成した。
次いで、原料スラリーを長網抄紙機にて抄紙し、ヤンキードライヤーで湿紙を乾燥して、片面艶仕上げのステンレス板用金属合紙を製造した。ヤンキードライヤーに使用するタッチロールは1本とした。
上記の結果から明らかなように、本発明に係る金属合紙は、金属合紙としてのクッション性に優れ、また、ステンレスを巻き取る際の強度も十分なものであった。一方、パルプとしてNUKPを使用していない比較例1では、金属合紙としてクッション性が不十分であり、LBKPを使用せず離解フリーネスが600ml超である比較例2では、ステンレスを巻き取る際にシワや破れが発生し、金属合紙としての強度が不十分であった。

Claims (7)

  1. 広葉樹晒パルプ(LBP)と針葉樹未晒パルプ(NUP)を含んでなる、金属を保護するための金属合紙であって、
    坪量が22.0〜55.0g/m、密度が0.55〜0.70g/cm、紙厚が38〜82μmであり、
    JIS P8220−1:2012の規定に従って金属合紙を離解して得られるパルプスラリーについてJIS P8121−2:2012に基づいて測定した離解フリーネスが380〜600mlである、上記金属合紙。
  2. 湿紙をヤンキードライヤーで乾燥して製造される片艶の金属合紙である、請求項1に記載の金属合紙。
  3. 広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプの重量比が、50:50〜90:10である、請求項1または2に記載の金属合紙。
  4. JIS P8116:2000に基づいて測定したヨコ方向の比引裂強さが5.00〜10.0mN・m/gである、請求項1〜3のいずれかに記載の金属合紙。
  5. 広葉樹晒パルプのカナダ標準フリーネスが180〜500mlである、請求項1〜4のいずれかに記載の金属合紙。
  6. 広葉樹晒パルプと針葉樹未晒パルプがいずれもクラフトパルプである、請求項1〜5のいずれかに記載の金属合紙。
  7. ステンレスを保護するための金属合紙である、請求項1〜6のいずれかに記載の金属合紙。
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