JP2017073894A - ステータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定部材をコイルと共に樹脂モールドする際に、連通路がつぶれるのを抑制すると共に固定部材とステータコアとの間から樹脂が漏れるのを抑制する。
【解決手段】可動型14によって、固定部材40の上面42のうち、連通路45a〜45eとはステータコア30の軸方向(図中上下方向)で重ならない端部(図中、範囲A)をその端部以外の部分(図中、範囲C)に比してステータコア30側に強く押圧しながら、固定部材40を三相コイル34と共に樹脂モールドする。
【選択図】図3
【解決手段】可動型14によって、固定部材40の上面42のうち、連通路45a〜45eとはステータコア30の軸方向(図中上下方向)で重ならない端部(図中、範囲A)をその端部以外の部分(図中、範囲C)に比してステータコア30側に強く押圧しながら、固定部材40を三相コイル34と共に樹脂モールドする。
【選択図】図3
Description
本発明は、ステータの製造方法に関する。
従来、この種のステータの製造方法としては、ステータコアに巻回された三相コイルからの動力線をステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材を、三相コイルと共に、モールド型を用いて樹脂モールドするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このステータでは、固定部材の底面(ステータコア側の面)に溝を形成して、この溝とステータコアの端面とによってステータコアの内周側と外周側とを連通する連通路とすることにより、樹脂モールドの際に生じる気泡を外部に抜くことができるようにしている。
上述のステータの製造方法では、モールド型によって固定部材をステータコアの端面側に押圧する際の押圧の程度が大きいと、連通路がつぶれて、気泡を十分に外部に抜くことができなくなる可能性がある。一方、押圧の程度が小さいと、ステータコアと固定部材との間、特に、固定部材の底面の端部付近とステータコアの端面との間に隙間ができて、樹脂が漏れる可能性がある。
本発明のステータの製造方法は、固定部材をコイルと共に樹脂モールドする際に、連通路がつぶれるのを抑制すると共に固定部材とステータコアとの間から樹脂が漏れるのを抑制することを主目的とする。
本発明のステータの製造方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のステータの製造方法は、
ステータコアに巻回されたコイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材を、前記コイルと共に、成形型を用いて樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記成形型によって、前記ステータコアの端面とによって前記ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通路を形成する前記固定部材における前記ステータコア側とは反対側の端面のうち、前記連通路と前記軸方向で重ならない端部を該端部以外の部分に比して前記ステータコアの端面側に強く押圧しながら、前記固定部材を前記コイルと共に樹脂モールドする、
ことを特徴とする。
ステータコアに巻回されたコイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材を、前記コイルと共に、成形型を用いて樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記成形型によって、前記ステータコアの端面とによって前記ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通路を形成する前記固定部材における前記ステータコア側とは反対側の端面のうち、前記連通路と前記軸方向で重ならない端部を該端部以外の部分に比して前記ステータコアの端面側に強く押圧しながら、前記固定部材を前記コイルと共に樹脂モールドする、
ことを特徴とする。
この本発明のステータの製造方法では、成形型によって、ステータコアの端面とによってステータコアの内周側と外周側とを連通する連通路を形成する固定部材におけるステータコア側とは反対側の端面のうち、連通路とステータコアの軸方向で重ならない端部をその端部以外の部分に比してステータコアの端面側に強く押圧しながら、固定部材をコイルと共に樹脂モールドする。これにより、連通路がつぶれるのを抑制すると共に固定部材とステータコアとの間から樹脂が漏れるのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのステータの製造方法において三相コイル34および固定部材40を樹脂モールドする際の様子を示す説明図であり、図2は、固定部材40の底面(ステータコア30との接触面)41側(図1のA−A面)の形状を示す説明図であり、図3は、三相コイル34および固定部材40を樹脂モールドする際のステータコア30の端部周辺および固定部材40をステータコア30の外周側から見た様子を模式的に示す説明図である。なお、図2中、二点鎖線は、ステータコア30の外周を示す。
ステータコア30は、電磁鋼板に打ち抜き加工などが施されて環状に形成されたステータ部材31が複数積層されて構成されており、図示しないティースには、集中巻または分布巻によって三相コイル34が巻回されている。ステータコア30の図1中上端部には、三相コイル34からのU相,V相,W相の3つのリード端子50u,50v,50wを外部に引き出すための固定部材40が取り付けられる。
固定部材40は、図2に示すように、底面(ステータコア30との接触面)41に所定方向(図2中上下方向)に延びる5つの溝44a〜44eが形成されている。この5つの溝44a〜44eは、図1,図3に示すように、ステータコア30の端面32とによって、ステータコア30の外周側と内周側とを連連通する5つの連通路45a〜45eを形成する。この底面41には、図2に示すように、5つの溝44a〜44eから離れた位置に、固定部材40をステータコア30に取り付ける際の位置決め用の2つの突起46a,46bが形成されている。なお、固定部材40のステータコア30に対する位置決めは、突起46a,46bがステータコア30に形成された図示しない位置決め用の凹部に嵌合することによって行なわれる。
三相コイル34および固定部材40の樹脂モールドは、固定型12と可動型14とを有する成形型10に、三相コイル34が巻回されたステータコア30および固定部材40を収容し、成形型10内に樹脂を注入する、ことによって行なわれる。具体的には、固定型12にステータコア30を載置し、固定型12の上側から可動型14を取り付け、可動型14によって固定部材40をステータコア30側に押圧しながら、最下部の固定型12と可動型14との隙間に形成される樹脂注入口13から樹脂を注入する、ことによって行なわれる。このとき、樹脂は、まず、ステータコア30の図1中下側の固定型12との間に注入される。これによって、ステータコア30と固定型12との間の空気は、樹脂に押されてステータコア30と可動型14との隙間を通ってステータコア30の図1中上側の可動型14との間に至り、5つの連通路45a〜45eを介してステータコア30の外周側の外部に排出される(図1中、矢印参照)。ステータコア30と固定型12との間の樹脂の注入が完了すると、樹脂は、ステータコア30と可動型14との隙間を通ってステータコア30の図1中上側の可動型14との間に注入される。このときも、ステータコア30と可動型14との間の空気は、樹脂に押されて5つの連通路45a〜45eを介してステータコア30の外周側の外部に排出される。
ここで、可動型14は、図3に示すように、固定部材40の図3中左右方向の側面に整合すると共に固定部材40の上面42の図3中左右方向の端部(範囲A)に整合するように形成された押圧部15と、連通路45a〜45eとステータコア30の軸方向(図3中上下方向)で重なる範囲(図3中、範囲B)より若干広い範囲(図3中、範囲C)で図3中上側に凹むように形成された凹部17と、を有する。実施例では、可動型14の押圧部15によって固定部材40をステータコア30側に押圧しながら、具体的には、固定部材40の上面42のうち連通路45a〜45eとステータコア30の軸方向で重ならない端部(範囲A)をその端部以外の部分(範囲C)に比して強く押圧しながら、三相コイル34および固定部材40を樹脂モールドする。これにより、連通路45a〜45eがつぶれるのを抑制すると共に固定部材40とステータコア30との間から樹脂が漏れるのを抑制することができる。
図4,図5は、実施例の可動型14に代えて可動型14B,14Cを用いる比較例を示す説明図である。図4,図5の可動型14B,14Cでは、押圧部15B,15Cは、固定部材40の上面42に対向する面が面一(平面)となるように形成されている。図4では、可動型14Bによって固定部材40の上面42を比較的大きい力で一様に押圧することによって、連通路45a〜45eがつぶれる可能性がある。連通路45a〜45eがつぶれると、ステータコア30と可動型14との間の空気を十分に外部に排出することができず、ボイドが形成される可能性がある。図5では、固定部材40の上面42に大きい力が作用するのを抑制することによって連通路45a〜45eがつぶれるのを抑制することはできるが、固定部材40とステータコア30との間、特に、固定部材40の底面41の図5中左右方向の端部付近とステータコア30の端面32との間に隙間ができて、樹脂が漏れる可能性がある。これらに対して、実施例では、図3の可動型14を用いる。これにより、連通路45a〜45eがつぶれるのを抑制し、成形型10内に空気が残留するのを抑制し、ボイドが形成されるのを抑制することができる。また、固定部材40とステータコア30との間から樹脂が漏れるのを抑制することができる。
以上説明した実施例のステータの製造方法では、可動型14によって、固定部材40の上面42のうち、5つの連通路45a〜45eとはステータコア30の軸方向で重ならない端部をその端部以外の部分に比して強く押圧しながら固定部材40を三相コイル34と共に樹脂モールドする。これにより、連通路45a〜45eがつぶれるのを抑制すると共に固定部材40とステータコア30との間から樹脂が漏れるのを抑制することができる。
実施例のステータの製造方法では、可動型14に押圧部15と凹部17とを設けることによって、固定部材40の上面42のうち連通路45a〜45eとステータコア30の軸方向で重ならない端部(図3中、範囲A)をその端部以外(図3中、範囲C)に比して強く押圧できるようにするものとした。しかし、図6の変形例に示すように、可動型14に凹部17を形成せずに(押圧部15Dの固定部材40の上面42と対向する面を面一(平面)となるように形成し)、固定部材40の上面42のうち図3の範囲Cに相当する範囲C2に凹部42aを形成するものとしてもよい。この場合、可動型14Dによって固定部材40を押圧する際に、固定部材40の上面42のうち連通路45a〜45eとステータコア30の軸方向で重ならない端部(図3の範囲Aに相当する範囲A2)をその端部以外(範囲C2)に比して強く押圧するができ、実施例と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ステータの製造産業などに利用可能である。
10 成形型、12 固定型、13 樹脂注入口、14,14B,14C,14D 可動型、15,15B,15C,15D 押圧部、17 凹部、30 ステータコア、31 ステータ部材、32 端面、34 三相コイル、40 固定部材、41 底面、42 上面、42a 凹部、44a〜44e 溝、45a〜45e 連通路、46a,46b 突起、50u,50v,50w リード端子。
Claims (1)
- ステータコアに巻回されたコイルからの端子を前記ステータコアの軸方向の一端部に固定するための固定部材を、前記コイルと共に、成形型を用いて樹脂モールドするステータの製造方法であって、
前記成形型によって、前記ステータコアの端面とによって前記ステータコアの内周側と外周側とを連通する連通路を形成する前記固定部材における前記ステータコア側とは反対側の端面のうち、前記連通路と前記軸方向で重ならない端部を該端部以外の部分に比して前記ステータコアの端面側に強く押圧しながら、前記固定部材を前記コイルと共に樹脂モールドする、
ことを特徴とするステータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199472A JP2017073894A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | ステータの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015199472A JP2017073894A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | ステータの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017073894A true JP2017073894A (ja) | 2017-04-13 |
Family
ID=58537719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015199472A Pending JP2017073894A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | ステータの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017073894A (ja) |
-
2015
- 2015-10-07 JP JP2015199472A patent/JP2017073894A/ja active Pending
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