JP6175022B2 - 回転電機のロータ - Google Patents

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Description

この発明は、ロータコアの磁石挿入孔に永久磁石を挿入し、永久磁石が挿入された磁石挿入孔に充填剤を充填した回転電機のロータに関する。
従来より、回転電機のロータでは、ロータコアの磁石挿入孔に永久磁石を挿入した後に、磁石挿入孔に充填剤を充填することにより、磁石挿入孔内に永久磁石を固定する。
特許文献1には、ロータコアに形成された複数の磁石挿入孔における当該ロータコアの径方向内側の内周面に、充填剤を注入する充填孔をそれぞれ設け、当該充填孔から磁石挿入孔に充填剤を注入することにより、磁石挿入孔に挿入された永久磁石を径方向外側に押し付けて固定することが開示されている。
特許第5293700号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、各磁石挿入孔内の永久磁石を充填剤で径方向外側にそれぞれ押し付けるのみであるため、磁石挿入孔内におけるロータの周方向に沿った位置が永久磁石毎(磁極毎)に異なり、磁極毎の磁気特性がばらつく可能性があった。
この発明は、このような種々の課題を考慮してなされたものであり、磁石挿入孔内で永久磁石を精度よく位置決め固定することにより、磁極毎の磁気特性のばらつきを抑制することができる回転電機のロータを提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機のロータは、ロータコアと、前記ロータコアに形成された磁石挿入孔と、前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、前記磁石挿入孔に充填される充填剤とを備えている。そして、この発明に係るロータは、上記の目的を達成するために、下記の特徴的な構成を有する。
すなわち、前記永久磁石は、前記ロータの径方向に設けられた第1径方向端面と、前記ロータの周方向に設けられた第1周方向端面とを備える。前記磁石挿入孔は、前記ロータの軸方向から見たときに、前記第1径方向端面と前記第1周方向端面とが交差する前記永久磁石の第1角部に対向し、且つ、前記第1径方向端面の延長方向及び前記第1周方向端面の延長方向に膨出して形成された第1膨出部と、前記永久磁石における前記第1角部とは反対側の第2角部に対向して形成された他の膨出部とを備える。前記第1膨出部は、前記充填剤を前記磁石挿入孔に充填するための充填口である。また、前記他の膨出部は、冷媒が流通する流路である。
この特徴的な構成によれば、前記第1径方向端面及び前記第1周方向端面が交差した前記第1角部に対向する前記磁石挿入孔の位置が、前記第1径方向端面の延長方向及び前記第1周方向端面の延長方向に膨出した前記第1膨出部として形成され、当該第1膨出部が前記充填口となる。
そのため、前記充填剤が前記充填口に充填された場合、当該充填剤は、前記ロータの半径方向(径方向内側(内径側)又は径方向外側(外径側))と周方向とに前記永久磁石を同時に押し付けながら、前記磁石挿入孔内に充填される。
これにより、前記磁石挿入孔内において、前記半径方向及び前記周方向で前記永久磁石を同時に且つ精度よく位置決め固定することができる。この結果、前記永久磁石毎の前記磁石挿入孔内での位置のばらつきが抑えられるので、磁極毎の磁気特性のばらつきを抑制することができる。また、前記永久磁石を挟んで、前記第1膨出部とは反対側の前記他の膨出部には、前記充填剤が流れ込まない空間が形成されるので、前記空間を前記冷媒の流通する流路として容易に形成することができる。
ここで、前記磁石挿入孔は、前記第1径方向端面に対向する第1径方向内壁部と、前記第1周方向端面に対向する第1周方向内壁部とをさらに備えてもよい。この場合、前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との間の径方向幅と、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との間の周方向幅とが略等しいことが好ましい。
これにより、前記充填口である前記第1膨出部から充填された前記充填剤は、前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との隙間、及び、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との隙間に、均等に(略等しい流動速度で)充填される。この結果、一方の隙間に前記充填剤が先に回り込んで、前記永久磁石の位置が前記半径方向又は前記周方向にばらつくことを抑制することができる。
また、前記永久磁石は、前記第1径方向端面に対向し且つ前記第1周方向端面に連結する第2径方向端面と、前記第1周方向端面に対向し且つ前記第1径方向端面及び前記第2径方向端面に連結する第2周方向端面とをさらに備えてもよい。この場合、前記第1径方向端面と前記第2径方向端面との間の径方向幅は、前記第1周方向端面と前記第2周方向端面との間の周方向幅よりも短く、前記第1径方向内壁部における前記第1径方向端面と対向する位置には、前記第2周方向端面の延長方向に膨出する第2膨出部が形成されていることが好ましい。
前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との隙間の長さが、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との隙間の長さより長いと、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との隙間に前記充填剤が先に回り込んでしまう可能性がある。
このような場合、前記第2膨出部が設けられていると、前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との隙間の長さを短くすることができ、前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との間、及び、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との間に、前記充填剤を均等に(略等しい流動速度で)充填することが可能となる。
また、前記永久磁石が前記第1径方向端面、前記第2径方向端面、前記第1周方向端面及び前記第2周方向端面を備えている場合、前記磁石挿入孔は、前記第2径方向端面と面接触する第2径方向内壁部と、前記第2周方向端面と面接触する第2周方向内壁部と、前記軸方向から見たときに、前記第2径方向端面と前記第2周方向端面とが交差する前記第2角部に対向し、且つ、前記第2径方向端面の延長方向及び前記第2周方向端面の延長方向に膨出して形成された前記他の膨出部である第3膨出部とをさらに備えてもよい
前述のように、前記第1角部に対向して形成された前記第1膨出部が前記充填口となるため、当該充填口から前記充填剤が充填されると、前記磁石挿入孔内では、前記半径方向及び前記周方向に前記永久磁石を同時に押し付けながら前記充填剤が充填される。
この結果、前記半径方向への押し付けにより、前記第2径方向端面と前記第2径方向内壁部とが面接触し、一方で、前記周方向への押し付けにより、前記第2周方向端面と前記第2周方向内壁部とが面接触する。これにより、前記永久磁石を挟んで、前記第1膨出部とは反対側の前記第3膨出部には、前記充填剤が流れ込まない空間が形成される。
従って、この発明では、前記空間を前記冷媒の流通する流路として容易に形成することができる。このように、この発明では、前記磁石挿入孔内に中子を配置することなく、前記冷媒の流路を形成することができる。この結果、前記ロータの製造効率の低下を抑制しつつ、前記冷媒の流路を容易に且つ短時間及び低コストで形成することができる。
また、前記磁石挿入孔の内、前記永久磁石及び前記流路以外の箇所は、前記充填剤で充填されているので、前記冷媒の漏れを防止しつつ、前記永久磁石を冷却することが可能となる。さらに、前記永久磁石が前記冷媒に接するように前記流路が形成されているので、前記永久磁石の温度上昇を効果的に抑制することができる。
また、複数の鋼板を積層して前記ロータコアが構成されている場合、前記磁石挿入孔の内壁部には、鋼板同士の微小な段差が形成される。そのため、前記磁石挿入孔に前記永久磁石を挿入し、前記磁石挿入孔の内壁部と前記永久磁石とが面接触した状態で、前記磁石挿入孔に前記充填剤を充填する場合、前記永久磁石と前記微小な段差との隙間に前記充填剤が入り込む可能性がある。
そこで、この発明では、熱可塑性樹脂を前記充填剤とすることにより、前記熱可塑性樹脂が当該隙間に入り込もうとする際には、前記鋼板の熱引きで前記熱可塑性樹脂が硬化するため、前記隙間への前記充填剤の流れ込みを抑制することができる。この結果、前記磁石挿入孔内で前記永久磁石を精度よく位置決め固定することができると共に、前記冷媒の流路となる空間を確実に形成することができる。
この発明によれば、充填剤が充填口に充填された場合、当該充填剤は、ロータの半径方向と周方向とに永久磁石を同時に押し付けながら、前記磁石挿入孔内に充填される。
これにより、前記磁石挿入孔内において、前記半径方向及び前記周方向で前記永久磁石を同時に且つ精度よく位置決め固定することができる。この結果、前記永久磁石毎の前記磁石挿入孔内での位置のばらつきが抑えられるので、磁極毎の磁気特性のばらつきを抑制することができる。
この実施形態に係るロータの平面図である。 図1のロータの拡大平面図である。 永久磁石が位置決め固定された磁石挿入孔の拡大平面図である。 この実施形態での充填剤の充填を模式的に示す説明図である。 充填剤である熱可塑性樹脂の温度特性の一例を示すグラフである。 図6Aは、この実施形態での充填剤の充填を示す平面図であり、図6Bは、第1比較例での充填剤の充填を示す平面図である。 図7Aは、第2比較例での充填剤の充填を示す平面図であり、図7Bは、第3比較例での充填剤の充填を示す平面図である。
この発明に係る回転電機のロータについて、その好適な実施形態を、図1〜図7Bを参照しながら以下詳細に説明する。
[ロータ10の概略構成]
図1は、この実施形態に係る回転電機のロータ10(以下、この実施形態に係るロータ10ともいう。)の平面図である。ロータ10は、図示しない円環状のステータの内側に挿通されることにより、ステータと共に回転電機を構成する。
ロータ10は、回転軸12と、当該回転軸12に固定された円筒状の固定部材14と、固定部材14の外周面に円筒状に固定された12個の扇状の分割ロータコア16とから構成される。この場合、ロータ10の周方向である矢印A方向に沿って、固定部材14の外周面に12個の分割ロータコア16を順に固定することにより、円筒状のロータコア18が形成される。各分割ロータコア16は、ロータ10の軸方向である回転軸12の延在方向(図1の紙面に垂直な方向)に沿って複数の鋼板20を積層することにより形成される。
なお、回転軸12に対する固定部材14の固定方法、固定部材14に対する分割ロータコア16の固定方法、及び、複数の鋼板20の積層方法については、回転電機に関する周知の製造方法を採用可能である。
[分割ロータコア16(ロータコア18)の概略構成]
次に、ロータコア18を構成する分割ロータコア16について説明する。ロータコア18を構成する12個の分割ロータコア16は、略同じ構造であるため、ここでは、特に断りがない限り、1個の分割ロータコア16について説明する。
図1及び図2に示すように、分割ロータコア16におけるロータ10の径方向外側(外径方向である矢印B2方向側)の箇所には、ロータ10の軸方向に貫通する第1〜第3磁石挿入孔22〜26が形成されている。この場合、回転軸12の中心(内径方向である矢印B1方向側)から分割ロータコア16の中心角度を通って矢印B2方向に延在する中心線L上に第1磁石挿入孔22が形成されている。
第1磁石挿入孔22は、中心線Lに対して略左右対称に、且つ、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26よりも径方向内側の箇所に形成されている。一方、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26は、第1磁石挿入孔22から離間し、且つ、中心線Lを中心として略左右対称に形成されている。従って、第1〜第3磁石挿入孔22〜26は、図1及び図2に示すように、中心線Lに対し、第1磁石挿入孔22を中心として、略扇状に設けられている。
第1〜第3磁石挿入孔22〜26には、略同一形状の第1〜第3永久磁石28〜32が軸方向に沿ってそれぞれ挿入されている。この場合、第1永久磁石28は、中心線L上で略左右対称となるように第1磁石挿入孔22に挿入され、熱可塑性樹脂からなる第1充填剤34が第1磁石挿入孔22に充填されることにより、当該第1磁石挿入孔22内の所定位置に固定される。
また、第2永久磁石30及び第3永久磁石32は、中心線Lに対して略左右対称となるように第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26にそれぞれ挿入され、熱可塑性樹脂からなる第2充填剤36及び第3充填剤38が第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26に充填されることにより、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内の所定位置にそれぞれ固定される。なお、第1〜第3充填剤34〜38は、同じ材質の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また、1個の分割ロータコア16において、第1〜第3永久磁石28〜32は、1つの磁極として機能する。すなわち、ロータ10を構成する12個の分割ロータコア16について、例えば、1個の分割ロータコア16の第1〜第3永久磁石28〜32がN極である場合、当該1個の分割ロータコア16の両側に隣接する他の分割ロータコア16の第1〜第3永久磁石28〜32はS極となる。従って、図1では、矢印A方向に沿って12極の磁極が設けられたロータ10を図示している。
[第1〜第3磁石挿入孔22〜26の説明]
ここで、第1〜第3磁石挿入孔22〜26について、図2及び図3を参照しながら詳しく説明する。
第1磁石挿入孔22に収納される第1永久磁石28は、図2の正面視(断面視)で、矢印A方向に沿った辺が長さLB(図3参照)の長辺となり、矢印B方向(中心線L)に沿った辺が長さLA(LA<LB)の短辺となる略長方形状に形成されている。すなわち、第1永久磁石28は、中心線Lに交差する矢印B2方向側の長辺である第1径方向端面28aと、中心線Lに交差する矢印B1方向側の長辺である第2径方向端面28bと、矢印A方向に交差し且つ第1径方向端面28a及び第2径方向端面28bを連結する矢印B方向に沿った短辺である左右の周方向端面28c、28dとを備える。
このような第1永久磁石28の形状に対応するように、第1磁石挿入孔22は、中心線Lに対して略左右対称に形成されている。すなわち、第1磁石挿入孔22は、矢印B2方向側に形成され且つ第1径方向端面28aが接触する第1径方向内壁部22aと、矢印B1方向側に形成され且つ第2径方向端面28bが接触する第2径方向内壁部22bと、左側の周方向端面28cの一部が接触する周方向内壁部22cと、右側の周方向端面28dの一部が接触する周方向内壁部22dとを有する。
また、第1径方向内壁部22aの中心線L上の位置には、矢印B2方向に窪んだ第1径方向凹部40aが形成されている。また、第2径方向内壁部22bの左右両端には、矢印B1方向に窪んだ一組の第2径方向凹部40bが形成されている。
さらに、左側の周方向内壁部22cには、第2磁石挿入孔24に向かって窪んだ周方向凹部40cが形成されている。当該周方向凹部40cの内、第1径方向端面28a及び周方向端面28cが交差する角部に対向する箇所は、第1径方向端面28a及び周方向端面28cの各延長方向に膨出する膨出部42cとして形成されている。また、周方向凹部40cの矢印B1方向側の箇所は、所定半径の湾曲部44cとして形成されている。
一方、右側の周方向内壁部22dには、第3磁石挿入孔26に向かって窪んだ周方向凹部40dが形成されている。当該周方向凹部40dの内、第1径方向端面28a及び周方向端面28dが交差する角部に対向する箇所は、第1径方向端面28a及び周方向端面28dの各延長方向に膨出する膨出部42dとして形成されている。また、周方向凹部40dの矢印B1方向側の箇所は、所定半径の湾曲部44dとして形成されている。
そして、第1磁石挿入孔22に第1永久磁石28を挿入した際に、第1永久磁石28の外周面(第1径方向端面28a、第2径方向端面28b及び周方向端面28c、28d)が第1径方向内壁部22a、第2径方向内壁部22b及び周方向内壁部22c、22dに接触することにより、第1永久磁石28は、第1磁石挿入孔22内における中心線L上の所定位置に位置決めされる。従って、第1磁石挿入孔22内で、第1永久磁石28の外周面と第1磁石挿入孔22の内周面との間の隙間に第1充填剤34を充填することにより、位置決めされた第1永久磁石28を第1磁石挿入孔22内に固定することができる。
第2磁石挿入孔24に収納される第2永久磁石30は、第1永久磁石28と略同一形状であり、図2に示すように、長辺である第1径方向端面30aと、第1径方向端面30aに対向する第2径方向端面30bと、第1径方向端面30a及び第2径方向端面30bを連結し且つ第1磁石挿入孔22に近接する短辺である第1周方向端面30cと、第1径方向端面30a及び第2径方向端面30bを連結し且つ第1周方向端面30cに対向する第2周方向端面30dとを有する。
このような第2永久磁石30の形状に対応するように、第2磁石挿入孔24は、矢印B2方向側に形成され且つ第1径方向端面30aとの間で径方向幅Wa(図3参照)の隙間46aを形成する第1径方向内壁部24aと、矢印B1方向側に形成され且つ第2径方向端面30bが当接する第2径方向内壁部24bと、第1周方向端面30cとの間で周方向幅Wbの隙間46cを形成する第1周方向内壁部24cと、第2周方向端面30dの一部が接触する第2周方向内壁部24dとを備える。
なお、径方向幅Wa及び周方向幅Wbは、略同じ幅であることが好ましく(Wa≒Wb)、例えば、|Wa−Wb|≦0.1[mm]の範囲内であればよい。また、隙間46aの全長Lgaと、隙間46cの全長Lgbとについても、略同じ長さであることが好ましい(Lga≒Lgb)。
また、第2磁石挿入孔24には、各隙間46a、46cに連通し、且つ、第1径方向端面30a及び第1周方向端面30cが交差する第1角部48に対向するように、第1径方向端面30a及び第1周方向端面30cの各延長方向に膨出する第1膨出部50が形成されている。第1膨出部50は、第2磁石挿入孔24に第2充填剤36を充填するための充填口として機能する。
さらに、第2磁石挿入孔24には、隙間46cに連通し、且つ、第2径方向端面30b及び第1周方向端面30cが交差する角部に対向するように、矢印B1方向に膨出する凹部52が形成されている。
さらにまた、第2周方向内壁部24dには、矢印A方向及び矢印B2方向に向かって窪んだ周方向凹部54が形成されている。当該周方向凹部54の内、第1径方向端面30a及び第2周方向端面30dが交差する角部に対向する箇所は、第1径方向端面30a及び第2周方向端面30dの各延長方向に膨出する第2膨出部56として形成されている。
また、第2磁石挿入孔24には、第2径方向端面30b及び第2周方向端面30dが交差する第2角部58に対向し、且つ、第2径方向端面30b及び第2周方向端面30dの各延長方向に膨出する第3膨出部60が形成されている。
そして、第2磁石挿入孔24に第2永久磁石30を挿入した後に、第1膨出部50を介して第2磁石挿入孔24に第2充填剤36を充填すると、第2充填剤36の流動に起因して第2永久磁石30の第2径方向端面30bが第2径方向内壁部24bに当接すると共に、第2周方向端面30dの一部が第2周方向内壁部24dに当接して、第2永久磁石30が矢印A方向及び矢印B方向に位置決め固定される。また、第2充填剤36は、隙間46a、46c、凹部52、周方向凹部54及び第2膨出部56に充填される。
なお、第2永久磁石30が第2径方向内壁部24b及び第2周方向内壁部24dに位置決め固定されることにより、第3膨出部60への第2充填剤36の充填が阻止される。これにより、第3膨出部60は、第2永久磁石30を冷却する冷媒の流通路として機能する。なお、第2磁石挿入孔24に対する第2充填剤36の充填方法の詳細については、後述する。
第3磁石挿入孔26に収納される第3永久磁石32は、第1永久磁石28及び第2永久磁石30と略同一形状であり、図2及び図3に示すように、長辺である第1径方向端面32aと、第1径方向端面32aに対向する第2径方向端面32bと、第1径方向端面32a及び第2径方向端面32bを連結し且つ第1磁石挿入孔22に近接する短辺である第1周方向端面32cと、第1径方向端面32a及び第2径方向端面32bを連結し且つ第1周方向端面32cに対向する第2周方向端面32dとを有する。
このような第3永久磁石32の形状に対応するように、第3磁石挿入孔26は、矢印B2方向側に形成され且つ第1径方向端面32aとの間で径方向幅Wa及び全長Lgaの隙間62aを形成する第1径方向内壁部26aと、矢印B1方向側に形成され且つ第2径方向端面32bが当接する第2径方向内壁部26bと、第1周方向端面32cとの間で周方向幅Wb及び全長Lgbの隙間62cを形成する第1周方向内壁部26cと、第2周方向端面32dの一部が接触する第2周方向内壁部26dとを有する。
また、第3磁石挿入孔26には、各隙間62a、62cに連通し、且つ、第1径方向端面32a及び第1周方向端面32cが交差する第1角部64に対向するように、第1径方向端面32a及び第1周方向端面32cの各延長方向に膨出する第1膨出部66が形成されている。第1膨出部66は、第3磁石挿入孔26に第3充填剤38を充填するための充填口として機能する。
さらに、第3磁石挿入孔26には、隙間62cに連通し、且つ、第2径方向端面32b及び第1周方向端面32cが交差する角部に対向するように、矢印B1方向に膨出する凹部68が形成されている。
さらにまた、第2周方向内壁部26dには、矢印A方向及び矢印B2方向に向かって窪んだ周方向凹部70が形成されている。当該周方向凹部70の内、第1径方向端面32a及び第2周方向端面32dが交差する角部に対向する箇所は、第1径方向端面32a及び第2周方向端面32dの各延長方向に膨出する第2膨出部72として形成されている。
また、第3磁石挿入孔26には、第2径方向端面32b及び第2周方向端面32dが交差する第2角部74に対向し、且つ、第2径方向端面32b及び第2周方向端面32dの各延長方向に膨出する第3膨出部76が形成されている。
そして、第3磁石挿入孔26に第3永久磁石32を挿入した後に、第1膨出部66を介して第3磁石挿入孔26に第3充填剤38を充填すると、第3充填剤38の流動に起因して第3永久磁石32の第2径方向端面32bが第2径方向内壁部26bに当接すると共に、第2周方向端面32dの一部が第2周方向内壁部26dに当接して、第3永久磁石32が矢印A方向及び矢印B方向に位置決め固定される。また、第3充填剤38は、隙間62a、62c、凹部68、周方向凹部70及び第2膨出部72に充填される。
なお、第3永久磁石32が第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに位置決め固定されることにより、第3膨出部76への第3充填剤38の充填が阻止される。これにより、第3膨出部76は、第3永久磁石32を冷却する冷媒の流通路として機能する。第3磁石挿入孔26に対する第3充填剤38の充填方法の詳細については、後述する。
また、周方向凹部40c、40d、54、70が図2及び図3に示す形状に形成されているのは、第1〜第3磁石挿入孔22〜26に第1〜第3充填剤34〜38を充填させて第1〜第3永久磁石28〜32を位置決め固定させる目的に加え、第1〜第3永久磁石28〜32で発生した磁束に起因した磁気短絡を防止するフラックスバリアとして機能させるために設けられている。すなわち、第1〜第3永久磁石28〜32の側部に周方向凹部40c、40d、54、70が設けられることにより、第1〜第3永久磁石28〜32で発生した磁束を、第1〜第3永久磁石28〜32の横方向に向かわせることなく、中心線Lに沿って、矢印B2方向に設けられた図示しないステータコアに容易に且つ確実に向かわせることができる。
[第2充填剤36及び第3充填剤38の充填方法]
この実施形態に係るロータ10は、以上のように構成されるものである。次に、ロータ10の製造方法の内、第2永久磁石30が挿入された第2磁石挿入孔24に対する第2充填剤36の充填と、第3永久磁石32が挿入された第3磁石挿入孔26に対する第3充填剤38の充填とについて、図4〜図7Bを参照しながら説明する。
この説明では、必要に応じて、図1〜図3も参照しながら説明する。また、第2充填剤36及び第3充填剤38は同じ材質の熱可塑性樹脂であり、且つ、中心線Lに対して、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26が左右対称の形状である。そのため、以下の説明では、特に断りがない限り、第3永久磁石32が挿入された第3磁石挿入孔26に対する第3充填剤38の充填について説明する。
従って、以下の説明において、第3磁石挿入孔26、第3永久磁石32及び第3充填剤38に関する文言を、第2磁石挿入孔24、第2永久磁石30及び第2充填剤36に関する文言に置換すれば、第2永久磁石30が挿入された第2磁石挿入孔24に対する第2充填剤36の充填に対する説明となる。
この実施形態では、先ず、鋼板20を積層して分割ロータコア16を形成し、固定部材14に各分割ロータコア16を固定してロータコア18を構成する。次に、各分割ロータコア16の第1〜第3磁石挿入孔22〜26に第1〜第3永久磁石28〜32をそれぞれ挿入する。次に、図4に示すように、金型80を構成する上型82及び下型84でロータコア18を積層方向(図4の上下方向)に挟み込む。
なお、上型82の底面(ロータコア18の上面)と第1〜第3永久磁石28〜32との間に隙間がある場合には、上方から第1〜第3永久磁石28〜32の上面にダイ86を接触させ、さらに、スプリング88の弾発力を利用してダイ86を第1〜第3永久磁石28〜32に押し付けることにより、当該隙間を埋めておく。
このような状態で、例えば、第3永久磁石32が挿入された第3磁石挿入孔26に第3充填剤38を充填する場合には、充填口である第1膨出部66を介して第3磁石挿入孔26内に第3充填剤38を充填する。
この実施形態では、前述のように、第3充填剤38として熱可塑性樹脂を採用している。熱可塑性樹脂は、充填圧力が比較的高い。また、熱可塑性樹脂を薄肉部位や比較的狭い隙間に流し込んだ場合、図5の例に示すように、比較的短時間で熱可塑性樹脂の温度が低下する。この結果、熱可塑性樹脂は、素早く固化して流動が停止する。例えば、0.1[mm]以下の隙間に対して、熱可塑性樹脂は、速やかに固化して流動を停止する。
そこで、図6Aに示すように、このような温度特性を有する熱可塑性樹脂を第3充填剤38として、第1膨出部66から第3磁石挿入孔26内に充填する。
この場合、第3永久磁石32は、第1径方向端面32aが第1径方向内壁部26aに沿い、且つ、第1周方向端面32cが第1周方向内壁部26cに沿うように、第3磁石挿入孔26内に挿入されている。そのため、第1膨出部66を介して第3充填剤38を充填すると、第3充填剤38は、図6Aで黒色の矢印で示すように、第1膨出部66から、第1径方向端面32a及び第1径方向内壁部26aの隙間62aと、第1周方向端面32c及び第1周方向内壁部26cの隙間62cとに向かって流動する。
これにより、第3充填剤38は、第3永久磁石32に対して、高い充填圧力で黒色の矢印で示す方向に力を及ぼすことになる。この結果、第3永久磁石32には、これらの力の合成力である白抜きの矢印で図示した力が作用し、第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに押し当てられることになる。
そして、第3充填剤38は、第3永久磁石32を第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに押し付けつつ、隙間62a、62c、凹部68、周方向凹部70及び第2膨出部72に充填される。これにより、積層された鋼板20によって第3充填剤38が素早く冷却され、該第3充填剤38の温度が低下すれば、第3充填剤38は速やかに固化し、第3永久磁石32は、図6Aに示す第3磁石挿入孔26内の所定位置で矢印A方向及び矢印B方向に位置決め固定される。また、第3永久磁石32が第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに押し当てられた状態で位置決め固定されるので、第3膨出部76は、第3充填剤38が充填されることなく、第3永久磁石32を冷却する冷媒の流通路として形成される。
なお、分割ロータコア16は、複数の鋼板20を積層して構成されているため、第3磁石挿入孔26の内周面である第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dには、鋼板20同士の微小な段差が形成されている。そこで、事前に、第3永久磁石32が第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに接触したときの、第2径方向内壁部26b及び第2径方向端面32b間の隙間と、第2周方向内壁部26d及び第2周方向端面32d間の隙間とが、例えば、0.1[mm]以下となるように、鋼板20及び第3永久磁石32の寸法精度を仕上げておく。これにより、第3永久磁石32が第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに押し当てられても、各隙間に第3充填剤38が流れることを阻止することができる。この結果、第3充填剤38が速やかに固化すれば、第3膨出部76に第3充填剤38を流動させることなく、当該第3膨出部76を冷媒の流通路として容易に形成することができる。
また、ここでは、第3磁石挿入孔26に対して第3充填剤38を充填する場合について説明したが、第1磁石挿入孔22に対して第1充填剤34を充填する場合や、第2磁石挿入孔24に対して第2充填剤36を充填する場合にも、上記の説明を適用可能であることは勿論である。
さらに、図4に示すように、この実施形態において、上型82と第1〜第3永久磁石28〜32との間に隙間がある場合には、スプリング88の弾発力を利用してダイ86を第1〜第3永久磁石28〜32に押し当て、当該隙間を埋めるようにしている。これにより、第1〜第3永久磁石28〜32との間に隙間がある場合であっても、第1〜第3磁石挿入孔22〜26に第1〜第3充填剤34〜38を充填した際、当該隙間に第1〜第3充填剤34〜38が回り込んだり、あるいは、第1〜第3磁石挿入孔22〜26から第1〜第3充填剤34〜38が漏れ出すことを回避することが可能となる。
図6B〜図7Bは、上記の説明を適用しない場合(第1〜第3比較例)を図示したものである。
図6Bの第1比較例は、積層した鋼板20及び第3永久磁石32の寸法精度を予め仕上げない状態で、第3充填剤38を第3磁石挿入孔26に充填した場合を図示したものである。この場合、第1膨出部66を介して第3充填剤38を充填し、第3永久磁石32を第2径方向内壁部26b及び第2周方向内壁部26dに押し当てようとしても、寸法精度を仕上げていなければ、第2周方向内壁部26dと第2周方向端面32dとの間に隙間90が形成されてしまう。この場合、当該隙間90が、例えば、0.1[mm]を超えていれば、第3充填剤38が第3膨出部76まで回り込み、第3膨出部76を冷媒の流通路として形成することができなくなる。
また、図7Aの第2比較例は、上型82の底面と第3永久磁石32の上面との間に隙間が存在しても、ダイ86による押し当てが行われない場合を図示したものである。この場合、当該隙間をダイ86で埋めていないため、第3磁石挿入孔26に第3充填剤38を充填すると、当該隙間に第3充填剤38が回り込んだり、第3磁石挿入孔26から第3充填剤38が漏れ出すおそれがある。
さらに、図7Bの第3比較例は、図6Bの第1比較例と図7Aの第2比較例とを組み合わせたものである。すなわち、図7Bは、積層した鋼板20及び第3永久磁石32の寸法精度を予め仕上げることなく、且つ、上型82の底面と第3永久磁石32の上面との間に隙間が存在しても、ダイ86による押し当てが行われていない状態で、第3磁石挿入孔26に第3充填剤38を充填した場合を図示したものである。従って、第3比較例では、第2周方向内壁部26dと第2周方向端面32dとの隙間90の存在により、第3充填剤38が第3膨出部76まで回り込み、第3膨出部76を冷媒の流通路として形成することができなくなる。また、前述の隙間をダイ86で埋めていないため、当該隙間に第3充填剤38が回り込んだり、第3磁石挿入孔26から第3充填剤38が漏れ出すおそれがある。
これに対して、この実施形態では、前述のように、積層した鋼板20及び第3永久磁石32の寸法精度を予め仕上げていると共に、上型82の底面と第3永久磁石32の上面との間に隙間が存在していれば、ダイ86による押し当てを行うので、第1〜第3比較例のような不具合が発生することを防止することができる。
[この実施形態に係るロータ10の効果]
以上説明したように、この実施形態に係るロータ10によれば、第1径方向端面30a、32a及び第1周方向端面30c、32cが交差した第1角部48、64に対向する第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26の箇所が、第1径方向端面30a、32a及び第1周方向端面30c、32cの各延長方向に膨出した第1膨出部50、66として形成される。そして、第1膨出部50、66が第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26に第2充填剤36及び第3充填剤38を充填する充填口としてそれぞれ機能する。
そのため、第2充填剤36及び第3充填剤38が各充填口にそれぞれ充填された場合、第2充填剤36及び第3充填剤38は、矢印A方向及び矢印B方向に第2永久磁石30及び第3永久磁石32を同時に押し付けながら、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内にそれぞれ充填される。
これにより、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内において、矢印A方向及び矢印B方向で第2永久磁石30及び第3永久磁石32をそれぞれ同時に且つ精度よく位置決め固定することができる。このように、第2永久磁石30及び第3永久磁石32の第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内での位置のばらつきが抑えられるので、磁極毎の磁気特性のばらつきを抑制することができる。
また、径方向幅Waと周方向幅Wbとが略等しいので(Wa≒Wb)、充填口である第1膨出部50、66から充填された第2充填剤36及び第3充填剤38は、第1径方向端面30a、32aと第1径方向内壁部24a、26aとの隙間46a、62a、及び、第1周方向端面30c、32cと第1周方向内壁部24c、26cとの隙間46c、62cに、それぞれ、均等に(略等しい流動速度で)充填される。この結果、一方の隙間に第2充填剤36及び第3充填剤38が先に回り込んで、第2永久磁石30及び第3永久磁石32の位置が矢印A方向又は矢印B方向にばらつくことを抑制することができる。
また、隙間46a、62aの全長Lgaが、隙間46c、62cの全長Lgbよりも長いと(Lga>Lgb)、隙間46c、62cに第2充填剤36及び第3充填剤38が先に回り込んでしまう可能性がある。このような場合、第2膨出部56、72を設けると、隙間46a、62aの全長Lgaを短くすることができ(例えば、Lga≒Lgb)、第2充填剤36及び第3充填剤38をそれぞれ均等に(略等しい流動速度で)充填することが可能となる。
また、第1膨出部50、66が充填口となるため、当該充填口から第2充填剤36及び第3充填剤38が充填されると、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内では、矢印A方向及び矢印B方向に第2永久磁石30及び第3永久磁石32を同時に押し付けながら第2充填剤36及び第3充填剤38が充填される。
この結果、矢印B方向への押し付けにより、第2径方向端面30b、32bと第2径方向内壁部24b、26bとが面接触し、一方で、矢印A方向への押し付けにより、第2周方向端面30d、32dと第2周方向内壁部24d、26dとが面接触する。これにより、第2永久磁石30及び第3永久磁石32を挟んで、第1膨出部50、66とは反対側の第3膨出部60、76には、第2充填剤36及び第3充填剤38が流れ込まない空間が形成される。
従って、この実施形態では、当該空間を第2永久磁石30及び第3永久磁石32を冷却する冷媒が流通する流路として容易に形成することができる。このように、この実施形態では、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26内に中子を配置することなく、冷媒の流路を形成することができる。この結果、ロータ10の製造効率の低下を抑制しつつ、冷媒の流路を容易に且つ短時間及び低コストで形成することができる。
また、第2磁石挿入孔24及び第3磁石挿入孔26の内、第2永久磁石30及び第3永久磁石32と第3膨出部60、76(流路)以外の箇所は、第2充填剤36及び第3充填剤38でそれぞれ充填されているので、冷媒の漏れを防止しつつ、第2永久磁石30及び第3永久磁石32を冷却することが可能となる。さらに、第2永久磁石30及び第3永久磁石32が冷媒に接するように第3膨出部60、76が形成されているので、第2永久磁石30及び第3永久磁石32の温度上昇を効果的に抑制することができる。
また、複数の鋼板20を積層して分割ロータコア16が構成されている場合、第1〜第3磁石挿入孔22〜26の内壁部には、鋼板20同士の微小な段差が形成される。そのため、第1〜第3磁石挿入孔22〜26に第1〜第3永久磁石28〜32を挿入し、第1〜第3磁石挿入孔22〜26の内壁部と第1〜第3永久磁石28〜32とが面接触した状態で、第1〜第3磁石挿入孔22〜26に第1〜第3充填剤34〜38を充填する場合、微小な段差の隙間に第1〜第3充填剤34〜38が入り込む可能性がある。
そこで、この実施形態では、熱可塑性樹脂を第1〜第3充填剤34〜38とすることにより、当該熱可塑性樹脂が段差の隙間に入り込もうとする際には、鋼板20の熱引きで熱可塑性樹脂が硬化するため、段差の隙間への第1〜第3充填剤34〜38の流れ込みを抑制することができる。この結果、第1〜第3磁石挿入孔22〜26内で第1〜第3永久磁石28〜32を精度よく位置決め固定することができると共に、冷媒の流路となる空間を確実に形成することができる。
なお、この発明は、上記した実施形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
10…ロータ 16…分割ロータコア
18…ロータコア 20…鋼板
22…第1磁石挿入孔
22a、24a、26a…第1径方向内壁部
22b、24b、26b…第2径方向内壁部
24…第2磁石挿入孔 24c、26c…第1周方向内壁部
24d、26d…第2周方向内壁部 26…第3磁石挿入孔
28…第1永久磁石
28a、30a、32a…第1径方向端面
28b、30b、32b…第2径方向端面
30…第2永久磁石 30c、32c…第1周方向端面
30d、32d…第2周方向端面 32…第3永久磁石
34…第1充填剤 36…第2充填剤
38…第3充填剤 40a…第1径方向凹部
46a、46c、62a、62c、90…隙間
48、64…第1角部 50、66…第1膨出部
56、72…第2膨出部 58…第2角部
60、76…第3膨出部 80…金型
86…ダイ 88…スプリング

Claims (5)

  1. ロータコアと、前記ロータコアに形成された磁石挿入孔と、前記磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、前記磁石挿入孔に充填される充填剤とを備えた回転電機のロータにおいて、
    前記永久磁石は、前記ロータの径方向に設けられた第1径方向端面と、前記ロータの周方向に設けられた第1周方向端面とを備え、
    前記磁石挿入孔は、前記ロータの軸方向から見たときに、前記第1径方向端面と前記第1周方向端面とが交差する前記永久磁石の第1角部に対向し、且つ、前記第1径方向端面の延長方向及び前記第1周方向端面の延長方向に膨出して形成された第1膨出部と、前記永久磁石における前記第1角部とは反対側の第2角部に対向して形成された他の膨出部とを備え、
    前記第1膨出部は、前記充填剤を前記磁石挿入孔に充填するための充填口であり、
    前記他の膨出部は、冷媒が流通する流路であることを特徴とする回転電機のロータ。
  2. 請求項1記載の回転電機のロータにおいて、
    前記磁石挿入孔は、前記第1径方向端面に対向する第1径方向内壁部と、前記第1周方向端面に対向する第1周方向内壁部とをさらに備え、
    前記第1径方向端面と前記第1径方向内壁部との間の径方向幅と、前記第1周方向端面と前記第1周方向内壁部との間の周方向幅とが略等しいことを特徴とする回転電機のロータ。
  3. 請求項記載の回転電機のロータにおいて、
    前記永久磁石は、前記第1径方向端面に対向し且つ前記第1周方向端面に連結する第2径方向端面と、前記第1周方向端面に対向し且つ前記第1径方向端面及び前記第2径方向端面に連結する第2周方向端面とをさらに備え、
    前記第1径方向端面と前記第2径方向端面との間の径方向幅は、前記第1周方向端面と前記第2周方向端面との間の周方向幅よりも短く、
    前記第1径方向内壁部における前記第1径方向端面と対向する位置には、前記第2周方向端面の延長方向に膨出する第2膨出部が形成されていることを特徴とする回転電機のロータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記永久磁石は、前記第1径方向端面に対向し且つ前記第1周方向端面に連結する第2径方向端面と、前記第1周方向端面に対向し且つ前記第1径方向端面及び前記第2径方向端面に連結する第2周方向端面とをさらに備え、
    前記磁石挿入孔は、前記第2径方向端面と面接触する第2径方向内壁部と、前記第2周方向端面と面接触する第2周方向内壁部と、前記軸方向から見たときに、前記第2径方向端面と前記第2周方向端面とが交差する前記第2角部に対向し、且つ、前記第2径方向端面の延長方向及び前記第2周方向端面の延長方向に膨出して形成された前記他の膨出部である第3膨出部とをさらに備えることを特徴とする回転電機のロータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機のロータにおいて、
    前記充填剤は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする回転電機のロータ。
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