JP6834340B2 - ロータユニット、およびロータユニットの製造方法 - Google Patents

ロータユニット、およびロータユニットの製造方法 Download PDF

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本発明は、磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニット、およびロータユニットの製造方法に関する。
たとえば下記特許文献1には、磁性体からなるコアに形成された磁石スロット(挿入孔)に、磁性粉末を含む溶融樹脂(磁石材料)を射出成形することにより、コアに永久磁石が埋め込まれたロータを製造することが記載されている。
特開2014−57392号公報
ただし、射出成形をする場合、挿入孔に充填される磁石材料の圧力によってコアが径方向に膨らんでしまうおそれがある。コアが径方向に膨らむ場合、ロータの外径にばらつきが生じることに起因して、ロータを備えた回転電機のコギングトルクやトルクリップルが大きくなるおそれがある。これに対し、コアに印加される圧力を制限しつつ射出成形を行う場合、ヒケが生じ、ヒケに起因して上記回転電機のトルクリップルやコギングトルクが大きくなるおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コアに印加される圧力を制限しつつ射出成形を行うことに起因したトルクリップルやコギングトルクを抑制できるようにしたロータユニットおよびロータユニットの製造方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットにおいて、前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔であって前記永久磁石が充填されている挿入孔が複数形成されており、前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物を磁石材料とし、前記軸方向における前記コアの一方の端部側において、前記径方向内側における前記永久磁石の表面が前記コアの表面よりも前記軸方向の他方の端部側に位置し、前記永久磁石の表面と前記コアの表面との距離は、前記径方向内側よりも前記径方向外側の方が短い。
上記構成では、少なくとも径方向内側においてコアの表面に対して挿入孔に充填されている永久磁石の表面が窪んでいるため、挿入孔内を完全に埋めるようには磁石材料が充填されていない。これは、挿入孔内を完全に埋めるように磁石材料を充填する場合と比較すると、射出成形によってコアの径方向に加わる圧力を低減する効果がある。このため、射出成形によって永久磁石を成形する場合においてロータの外径形状にばらつきが生じることを抑制できる。ただし、挿入孔内を完全に埋めるように磁石材料が充填されない場合、挿入孔への充填量が場所によってばらつくおそれがある。
一方、上記構成では、挿入孔を複数有するため、各挿入孔内の永久磁石の磁束密度にばらつきが生じると、ステータを鎖交する磁束の空間高調波が大きくなることから、ロータユニットを備えた回転電機のトルクリップルやコギングトルクが大きくなりやすい。特に、径方向内側と比較して径方向外側においては、充填量のばらつきが、ロータユニットの磁束密度のばらつきとして顕著となることが発明者らによって見出されている。ここで、上記構成では、挿入孔のうち径方向外側の充填量のばらつきが抑制されるため、径方向外側の磁束密度のばらつきが抑制される。このため、トルクリップルやコギングトルクを抑制することができる。
2.上記1記載のロータユニットにおいて、前記一方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向内側に凹部が形成されている。
上記位置に凹部が形成されていることは、一方の端部側であって径方向内側において挿入孔に入るようにして圧力センサを設けて磁石材料が充填されたことを意味する。この場合、この圧力センサが圧力を感知することを条件に充填を停止するなら、磁石材料の充填量が多くなってコアの径方向に大きな圧力がかかり、コアが径方向に変形することが抑制される。
3.上記1または2記載のロータユニットにおいて、前記他方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向外側にゲート痕が形成されている。
上記構成において、上記位置にゲート痕が形成されていることは、他方の端部側のうち径方向外側から磁石材料が充填されたことを意味する。そしてこの場合、径方向外側の充填量は径方向内側の充填量と比較すると多くなり、ばらつきが低減される。
4.磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットを製造する方法において、前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔が複数形成されており、前記挿入孔に前記径方向外側から前記永久磁石の材料である磁粉と樹脂との混合物である磁石材料を射出成形により充填する充填工程を有し、前記充填工程は、前記挿入孔全体に前記磁石材料が充填される前に終了する。
上記方法では、挿入孔全体に磁石材料が充填される前に充填工程を終了するため、挿入孔全体に充填された後に充填工程を終了する場合と比較すると、充填工程によって径方向に加わる圧力を低減する効果がある。このため、射出成形によって永久磁石を成形する場合においてロータの外径形状にばらつきが生じることを抑制できる。ただし、挿入孔全体に磁石材料が充填される前に充填工程を終了する場合、挿入孔への充填量が場所によってばらつくおそれがある。
一方、上記方法では、挿入孔を複数有するため、各挿入孔内の永久磁石の磁束密度にばらつきが生じると、ステータを鎖交する磁束の空間高調波が大きくなることから、ロータユニットを備えた回転電機のトルクリップルやコギングトルクが大きくなりやすい。特に、径方向内側と比較して径方向外側においては、充填量のばらつきが、ロータユニットの磁束密度のばらつきとして顕著となることが発明者らによって見出されている。そこで上記方法では、磁石材料を径方向外側から充填することにより、挿入孔内への磁石材料の充填量が少なくなる場所が径方向内側となるようにする。これにより、径方向外側については充填量のばらつきを抑制することができることから、ロータユニットの性能のばらつきを抑制することができる。
5.上記4記載のロータユニットの製造方法において、前記充填工程に先立ち、前記軸方向における前記コアの一方の端部側において前記挿入孔の前記径方向内側に圧力センサを配置する配置工程を有し、前記充填工程は、前記軸方向における他方側から前記磁石材料を充填する工程であって、且つ、前記圧力センサが検出する圧力が上昇することを条件に、終了される。
軸方向における他方側且つ径方向外側から磁石材料を充填する場合、磁石材料が最後に到達するのは、軸方向における一方側且つ径方向内側である。上記方法では、軸方向における一方側且つ径方向内側に圧力センサを配置することにより、充填工程の終了時期を、圧力センサが検出する圧力が上昇することによって検出することができる。
ロータユニットの一実施形態にかかる斜視図。 同実施形態にかかるロータユニットの平面図。 図2の3−3断面図。 図2の4−4断面図。 同実施形態にかかるロータユニットの製造工程における断面図。 同実施形態にかかるロータユニットの製造工程における断面図。
以下、ロータユニットおよびその製造方法にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すロータユニット10は、単一で、埋込磁石同期機(IPMSM)のロータを構成する。詳しくは、ロータユニット10には、その径方向Dr外側にステータが対向するようにして配置され、これにより、IPMSMを構成する。このIPMSMは、電動パワーステアリング装置(EPS)に内蔵されるものである。ロータユニット10は、円筒状をなしている。
ロータユニット10は、コア20と永久磁石30とを備えている。コア20は、珪素鋼板等の電磁鋼板を複数積層して形成されている。コア20は、その軸方向Daに貫通する第1挿入孔22および第2挿入孔24を、10個ずつ備えている。第1挿入孔22には、永久磁石30の第1部分32が充填されており、第2挿入孔24には、永久磁石30の第2部分34が充填されている。
第1部分32および第2部分34は、径方向Drに延びており、径方向Drの内側の結合部CONにおいて結合されている。なお、径方向Drは、軸方向Daに直交するコア20の断面を含む平面上における点毎に定義され、径方向Drを定義する点から図1に示すロータユニット10の回転中心軸線Oへとおろした垂線に平行な方向のことである。このため、径方向Drは、径方向Drを定義する点に応じて変化するものであるが、図1には、特に、回転中心軸線Oに対して図中左側にずれた点における径方向Drを例示している。互いに結合している一対の第1部分32および第2部分34の、軸方向Daに直交する断面の形状は、略U字状の形状である。
互いに結合された一対の第1部分32および第2部分34の組は、コア20の周方向Dcにおいて均等に配置されている。なお、コア20の周方向Dcとは、軸方向Daに直交する平面において、回転中心軸線Oから周方向Dcを定義する点までの距離を半径とする円における、上記定義する点での接線方向のこととする。このため、周方向Dcは、周方向Dcを定義する位置に応じて変化するものであるが、図1においては、特に、コア20のうちの図中下側の位置における周方向Dcを模式的に例示している。ちなみに、周方向Dcと径方向Drとを同一の点で定義する場合、両者は直交する。また、軸方向Daは、回転中心軸線Oに平行な方向である。
図2に、軸方向Daにおけるコア20の一対の端面のうちの図1に示す第1端面20aとは逆の第2端面20b側の平面構成を示す。図2に示すように、永久磁石30は、第1挿入孔22および第2挿入孔24においてコア20の第1端面20a側から第2端面20b側まで充填されている。
図3に、図2の3−3断面を示す。
図3に示されるように、コア20の第2端面20b側において、第1挿入孔22に充填されている永久磁石30の表面は、第2端面20bよりも図1に示した第1端面20a側に位置する。特に、永久磁石30の表面と第2端面20bとの距離は、径方向Drのうちの外側方向Droから内側方向Driに進むにつれて長くなっている。ここで、外側方向Droとは、径方向Drのうち図1に示した回転中心軸線Oから離れる方向であり、内側方向Driとは、径方向Drのうち回転中心軸線Oに近づく方向である。なお、図3に示す断面は、コア20の他の第1挿入孔22に充填される永久磁石30の表面のみならず、コア20の第2挿入孔24に充填される永久磁石30の表面の傾向をも示している。ただし、第1挿入孔22や第2挿入孔24に充填されている永久磁石30の表面のうち、内側方向Driの端部と第2端面20bとの距離は、第1挿入孔22や第2挿入孔24毎に、製造公差を有する。
図4に、図2の4−4断面を示す。
図4に示されるように、永久磁石30の表面であって第1部分32と第2部分34との結合部CON付近には、凹部30cが形成されている。なお、本実施形態において、凹部30cは、コア20に埋め込まれた永久磁石30のうちの1つにのみ形成されている。
図5に、本実施形態にかかるロータユニット10の製造工程におけるコア20等の断面図を示す。図5に示す断面は、径方向Drにおいて互いに対向する一対の結合部CONを結ぶ断面であり、特に、上記凹部30cが形成される付近を含んだ断面である。これは、コア20に関する図2の5−5断面を含んだ断面となっている。
図5に示すように、コア20は、金型50内に配置される。ここで、コア20の径方向Dr外側には、コア20内の第1挿入孔22および第2挿入孔24内に磁場を印加するための着磁装置52が配置されている。なお、本実施形態において、着磁装置52は、永久磁石を備えたものを想定している。本実施形態では、第1挿入孔22および第2挿入孔24に、磁石材料を充填するのに先立って、第1挿入孔22および第2挿入孔24の結合部CONの1つに、第2端面20b側から圧力センサ60を挿入する。
図6に、図5に示した工程に続くロータユニット10の製造工程におけるコア20等の断面図を示す。なお、図6に示す断面は、図5に示した断面とは違い、第1挿入孔22の径方向Dr外側の部分を含んだ断面である。これは、コア20に関する図2の6−6断面を含む。
図6に示すように、金型50には、コア20の第1端面20a側に、磁石材料30aを第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填するためのゲート54が形成されている。磁石材料30aは、磁粉と樹脂との混合物である。
図6に示すように、第1端面20a側から第1挿入孔22および第2挿入孔24に、磁石材料30aを射出成形によって充填する。ここで、磁石材料30aの温度は、たとえば150°〜300°Cとすることが望ましく、230〜250°Cとすることがより望ましい。また、この際、金型50についてもその温度を常温よりも高い温度(たとえば90°C程度)としておく。
これにより、磁石材料30aは、コア20の第1端面20a側から第2端面20b側へと徐々に充填されていく。その後、圧力センサ60に磁石材料が到達することによって圧力センサ60により検出される圧力が上昇すると、磁石材料30aの充填を終了する。
ここで、本実施形態では、ゲート54を、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうちの径方向Drの外側に配置するため、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうち、径方向Drの外側と比較して内側への磁石材料30aの充填が遅れる傾向がある。このため、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうち磁石材料30aが最後に到達するのは、第2端面20b側であって且つ径方向Dr内側の部分となる。換言すれば、第2端面20b側であって且つ結合部CON付近となる。このため、圧力センサ60に磁石材料が到達することによって圧力センサ60によって検出される圧力が上昇することにより、第1挿入孔22および第2挿入孔24のほぼ全ての領域に磁石材料30aが充填されたと判定することができる。そして、この場合、充填工程を終了する。
なお、充填工程が終了すると、コア20が金型50から取り出される。金型50からコア20を取り出す際、ゲート54に残存している磁石材料30aと、第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填された磁石材料30aとが分断される。このため、図1に示すように、ロータユニット10のうちコア20の第1端面20a側において、永久磁石30には、この分断の痕跡であるゲート痕30bが形成される。なお、本実施形態では、図1において、ロータユニット10の磁極を構成する永久磁石30のうちの隣接する一対の永久磁石30の一方の第1部分32と他方の第2部分34とで1つのゲート54に対応するゲート痕30bが形成される。これは、隣接する永久磁石30の一方の第1部分32と他方の第2部分34とで共通のゲート54を割り振ったために生じる現象である。
ちなみに、本実施形態では、充填工程から、コア20が金型50から取り出されるまでの期間が、磁石材料30aに磁場が印加される着磁工程となる。本実施形態にかかる着磁工程では、着磁率や配向率が100%とならず、特に、着磁装置52と近い径方向Dr外側の部分と比較して着磁装置52から遠い径方向Dr内側の部分の着磁率や配向率が低くなっている。なお、配向率は、磁化容易方向が永久磁石30に要求される磁気モーメントに平行な方向に揃っている度合いのこととする。着磁率は、磁気モーメント(着磁方向)が一つの方向に揃っている度合いのこととする。
ここで、本実施形態の作用を記載する。
磁石材料30aの充填工程は、圧力センサ60によって検出される圧力が上昇することにより終了される。ここで圧力センサ60は、第1挿入孔22および第2挿入孔24に挿入されているものであるため、圧力センサ60によって検出される圧力が上昇する時点においては、未だ、第1挿入孔22および第2挿入孔24に磁石材料30aが完全には充填されていない。充填工程においては、磁石材料30aが高温とされるため、第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填される永久磁石30が第1挿入孔22および第2挿入孔24内の領域に占める容積の割合は、充填工程の終了後、磁石材料30aの温度が常温まで低下することによりさらに減少する。
仮に、常温時における上記割合を極力大きくしようとするなら、第1挿入孔22および第2挿入孔24の全領域に磁石材料30aが充填されるまで充填工程を継続することが望まれる。しかし、その場合、充填工程の終了時期直前において、第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填された磁石材料30aがコア20に加える圧力が過度に大きくなり、コア20が径方向Dr外側に膨らむおそれがある。
この点、上記構成では、充填工程を早期に終了するため、第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填された磁石材料30aがコア20に加える圧力が過度に大きくなることを抑制することができる。ただし、充填工程を早期に終了する場合、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうち、特に磁石材料30aが最後に到達する部分付近における磁石材料30aの充填量のばらつきが大きくなる傾向がある。
ここで仮に、ロータユニット10を構成する磁極のうちの径方向Dr外側において磁石材料30aの量がばらつく場合には、IPMSMのトルクリップルやコギングトルクが大きくなりやすい。これに対し、ロータユニット10を構成する磁極のうちの径方向Dr内側において磁石材料30aの量がばらつく場合には、ロータユニット10を構成する磁極のうちの径方向Dr外側において磁石材料30aの量がばらつく場合と比較して、IPMSMのトルクリップルやコギングトルクが顕在化しにくい。これは、永久磁石30のうちの径方向Dr内側の所定部分から流出する磁束がコア20を通過してステータの鎖交磁束となるとき、所定部分の磁石材料30aのばらつきに起因した磁束密度のばらつきが鎖交磁束に及ぼす影響は、永久磁石30の他の部分から流出する磁束が鎖交磁束に及ぼす影響によって、目立ちにくくなるためであると推察される。そこで本実施形態では、磁石材料30aを第1挿入孔22および第2挿入孔24のうちの径方向Dr外側から充填することにより、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうちの径方向Dr外側への磁石材料30aの充填量のばらつきを抑制することができる。
ちなみに、第1挿入孔22および第2挿入孔24への圧力センサ60の挿入量は、圧力センサ60により検出される圧力の上昇に基づき充填工程を終了することにより、第1挿入孔22および第2挿入孔24のうちの径方向Dr外側部分においては、充填工程の終了時に磁石材料30aが第2端面20b側まで十分に充填される位置に調整される。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下の効果が得られる。
(1)着磁工程の能力の制約によって、着磁装置52に近い径方向Dr外側と比較して着磁装置52から遠い径方向Dr内側の部分における永久磁石30の着磁率や配向率が低くなった。この場合、着磁率や配向率が相対的に高くなる径方向Dr外側への磁石材料30aの充填量が多い方が、径方向Dr内側への磁石材料30aの充填量が多くなる場合よりも、ロータユニット10の表面磁束密度を大きくすることができる。このため、径方向Dr内側の充填量を少なくする本実施形態によれば、第1挿入孔22および第2挿入孔24内に磁石材料30aを最大限充填しないながらも、ロータユニット10の磁束密度を極力大きくすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
「永久磁石について」
軸方向Daに直交する断面形状がU字状であることは必須ではない。たとえばV字形状であってもよい。またたとえば、第1部分32と第2部分34とを、結合部CONにおいて結合することなく分離させることで、軸方向Daに直交する断面形状がU字を2分割した形状であってもよい。またたとえば、軸方向Daに直交する断面形状が、径方向Drに延びる長方形形状であってもよい。
「挿入孔について」
上記実施形態では、第1挿入孔22および第2挿入孔24を、軸方向Daに延びるように形成したが、これに限らない。たとえば、軸方向Daに直交する平面および軸方向Daの双方に交差する方向に延ばしてコア20を貫通させてもよい。
「着磁工程について」
上記実施形態では、磁石材料30aを第1挿入孔22および第2挿入孔24に充填する充填工程の期間と、磁石材料30aを着磁する着磁工程の期間とを重複させたが、これに限らない。たとえば、充填工程の完了後に、コア20に着磁装置52を対向配置して着磁工程に入ってもよい。またたとえば電磁石を備えて着磁装置52を構成し、充填工程の完了後に、電磁石を通電して着磁工程に入ってもよい。
上記実施形態では、着磁工程においてコア20の径方向から磁場を印加したが、これに限らない。たとえば、特開2014−121116号公報に記載されているように、ロータユニット10の径方向のみならず、軸方向Daからも磁場を印加してもよい。この場合、ロータユニット10を軸方向Daに複数連結させてロータを構成することが特に有効である。ちなみに、ロータユニット10を軸方向Daに複数連結させてロータを構成する場合、必ずしも、軸方向Daにおける一方の端面側に限って、永久磁石30に凹部30cが形成されているとは限らない。すなわち、たとえば2個のロータユニット10を軸方向Daに連結させてロータを構成する場合において、図1に示す第1端面20a同士を接触させるのであれば、ロータの軸方向Daにおける一対の端面の双方がロータユニット10の第2端面20bとなる。
なお、軸方向Daからも磁場を印加したり、着磁装置52の磁束密度を大きくしたり、コア20の飽和磁束密度を大きくしたりして、永久磁石30の全ての部分の着磁率および配向率を均一にほぼ100%としてもよい。
「充填工程について」
圧力センサ60は1つに限らず、複数箇所に設けてもよい。この場合、たとえばそれら全ての圧力センサ60に磁石材料30aが到達することにより全ての圧力センサ60が検出する圧力が上昇することに基づき、充填工程を終了すればよい。
圧力センサ60によって、充填工程の終了時期を定めることは必須ではない。たとえば、上記実施形態において1つのロータユニット10において用いた磁石材料30aと同量の磁石材料の充填が完了した時点で充填工程を終了してもよい。なお、これは、たとえば、第1挿入孔22および第2挿入孔24への磁石材料30aの充填に先立ち、ゲート54を磁石材料30aで満たしておき、その後、金型50への磁石材料30aの供給量をモニタすることで実現できる。
上記実施形態では、隣接する永久磁石30の一方の第1部分32と他方の第2部分34とで共通のゲート54を割り振ったが、これに限らず、隣接する永久磁石30の一方の第1部分32と他方の第2部分34とで各別のゲート54から磁石材料30aを充填してもよい。
「そのほか」
コアとしては、電磁鋼板によって形成されたものであることは必須ではない。たとえば、圧粉磁心によって形成されたものであってもよい。
また、コアの形状としては、円筒形状に限らず、たとえばロータユニット10の磁極の中央部が磁極の端部と比較して回転中心軸線Oとコアの外周との距離が長くなる形状であってもよい。こうした形状を空間高調波を抑制することを狙って形成する場合、射出成型時にコア20に径方向Dr外側方向の大きな力が加わると、コア20の形状が変形し、空間高調波を抑制する効果が低下するおそれがある。このため、上記実施形態の要領で充填工程を実施することが有効である。
磁極の数としては、上記実施形態において例示したものに限らない。
IPMSMとしては、EPS内蔵のものに限らない。たとえば、可変ギア比ステアリングシステム内蔵のものや、電動ポンプシステム内蔵のもの、車両において4輪駆動と2輪駆動とを切り替える装置に内蔵のものなどであってもよい。
10…ロータユニット、20…コア、20a…第1端面、20b…第2端面、22…第1挿入孔、24…第2挿入孔、30…永久磁石、30a…磁石材料、30b…ゲート痕、30c…凹部、32…第1部分、34…第2部分、50…金型、52…着磁装置、54…ゲート、60…圧力センサ。

Claims (5)

  1. 磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットにおいて、
    前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔であって前記永久磁石が充填されている挿入孔が複数形成されており、
    前記永久磁石は、磁粉と樹脂との混合物を磁石材料とし、
    前記軸方向における前記コアの一方の端部側において、前記径方向内側における前記永久磁石の表面が前記コアの表面よりも前記軸方向の他方の端部側に位置し、前記永久磁石の表面と前記コアの表面との距離は、前記径方向内側よりも前記径方向外側の方が短いロータユニット。
  2. 前記一方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向内側に凹部が形成されている請求項1記載のロータユニット。
  3. 前記他方の端部側において、前記永久磁石には前記径方向外側にゲート痕が形成されている請求項1または2記載のロータユニット。
  4. 磁性体からなるコアと、該コアに埋め込まれた永久磁石と、を備え、複数個が前記コアの軸方向において連結されてロータを構成する、または単一でロータを構成するロータユニットを製造する方法において、
    前記コアには、前記軸方向に直交する平面に交差する方向において当該コアを貫通して且つ、前記直交する平面において前記ロータユニットの回転中心に対する径方向内側から径方向外側に延びる挿入孔が複数形成されており、
    前記挿入孔に前記径方向外側から前記永久磁石の材料である磁粉と樹脂との混合物である磁石材料を射出成形により充填する充填工程を有し、
    前記充填工程は、前記挿入孔全体に前記磁石材料が充填される前に終了するロータユニットの製造方法。
  5. 前記充填工程に先立ち、前記軸方向における前記コアの一方の端部側において前記挿入孔の前記径方向内側に圧力センサを配置する配置工程を有し、
    前記充填工程は、前記軸方向における他方側から前記磁石材料を充填する工程であって、且つ、前記圧力センサが検出する圧力が上昇することを条件に、終了される請求項4記載のロータユニットの製造方法。
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